JP4619158B2 - ドライクリーニング装置 - Google Patents

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本発明は、溶剤を用いた洗浄及び乾燥を行うドライクリーニング装置に関し、更に詳しくは、洗浄時に汚れた溶剤を浄化するための蒸留器から取り出される水が混入した溶剤や乾燥時に凝縮液化により回収された水が混入した溶剤から、水を分離して高純度の溶剤を回収する技術に関する。
ドライクリーニングでは、洗浄運転時に洗濯物が吸収した溶剤を乾燥により除去する際に、気化した溶剤を凝縮液化させて回収することが行われる。こうした回収乾燥時には、凝縮液化した溶剤にはもともと洗濯物が吸収していた水が混入しているため、溶剤と水とを分離して水を除去した高純度の溶剤を回収する必要がある。また 洗濯物を洗浄することで汚れた溶剤を繰り返し使用するために例えば特許文献1に開示されているような蒸留装置が使用されるが、蒸留により得られる溶剤にも水が混入しているため、この水を分離除去して高純度の溶剤を回収する必要がある。こうした目的のために従来より水分離器が用いられている。従来広く使用されている石油系溶剤の場合、比重が約0.8であって比重が1である水との比重差が大きいため、いわゆる比重差分離法により水と溶剤とを比較的容易に分離することができる。
近年、環境への配慮、作業者の健康上の配慮、溶剤が洗濯物に残留した場合のユーザの健康上の配慮等から、これまで使用されてきた石油系溶剤に代わってシリコーン系溶剤が使用されるようになってきている。このようなシリコーン系溶剤の比重は、環状シリコーン溶剤の場合で約0.95、直鎖状シリコーン系溶剤でも約0.85と、石油系溶剤に比べて水の比重との差が小さい。そのため、上述したような比重差を利用した分離は可能ではあるものの石油系溶剤に比べて分離に時間を要するため、装置の乾燥運転サイクルに適合させるのが難しい。そこで、装置の運転サイクルに見合った速度で、水との比重差が小さな溶剤と水との分離を行えるような水分離器が要望されていた。
こうした課題に対し、本出願人は特許文献2に開示したような2液分離フィルタを用いた水分離器を既に提案している。図5はこの従来の水分離器の構成を示す概略断面図である。
この水分離器18においては、凝縮液化した溶剤と水とが入り混じった混合液を貯留する貯液槽50の底部には略S字状の排水管54が接続されており、この排水管54の水平部54bと貯液槽50上部との間には通気管55が連通して設けられている。貯液槽50内には、ホルダ60bにより円筒形状のフィルタ60aが保持されて成る水分離フィルタ部60が設置され、その内側には、貯液槽50の底面を貫通して配設された溶剤回収管61の上端口61aが上向きに開口している。
回収乾燥運転時には、ドラム内から吐き出された気化溶剤や水蒸気を含む暖かい空気がクーラで急冷されることにより凝縮・液化した混合液(水が混じった溶剤)が混合液管路51を経て貯液槽50に流れ込んできて溜まる。混合液中の溶剤はフィルタ60aを通過する一方、水はフィルタ60aを通過せずその表面で凝縮され大きな水滴に成長する。すると、水滴の自重(溶剤との比重差)によって水滴は沈殿し、貯液槽50の底部側に集まる。混合液(上層の低純度の溶剤)の液位が上昇するに伴ってフィルタ60aで囲まれたフィルタ室内空間でも溶剤の液位が上昇し、液位が上端口61aを越えると溶剤回収管61に流れ込んで水分離器18から取り出される。
一方、貯液槽50の下層側に溜まった水は排水管54の起立部54a内に押し上げられるが、水と溶剤との比重差のために定常的には上層の溶剤の液位よりも所定分Lだけ低い位置が水面となる。そして、貯液槽50内で上層の溶剤の液位が上昇すると排水管54の起立部54a内の水面も上昇し、排水管54の水平部54bへ達すると水は外部へと流れ出す。
このようにして排水管54からは水が流出し、溶剤回収管61からは溶剤が流出して給液タンクへ戻る。通常、水分離フィルタ部60による2液の分離速度は混合液の流入速度に比べて十分に速いため、混合液の流入量に応じて水と溶剤とは確実に分離され、貯液槽50が満杯になることはない。また、通気管55が設けられているために排水管54内でサイホン作用は生じず、貯液槽50内で上層の溶剤の液位が低下するに伴い排水管54内の水位が水平部54bよりも下がると、排水管54を介した水の流出は速やかに停止する。
シリコーン系溶剤は撥水性を有し水とは混じり合わないため、基本的には上記のような構成で以て分離が可能である。しかしながら、特にシリコーン系溶剤においては、上記構成では溶剤回収管61を介して取り出される溶剤中にかなり高い割合で水が混入してしまう場合があることが判明した。その理由は次の通りである。
即ち、例えばドラムから吐き出された空気中の溶剤ガスが冷却されて凝縮液化する過程では、溶剤に混入した水はサイズの大きな粒子(つまり水滴)となる場合もあるが、ごく微細な水の粒子の周囲を溶剤が被覆した状態であるコロイド粒子が形成されることもある。シリコーン溶剤では特にその傾向が顕著であり、乾燥風路から回収された溶剤と水との混合液はコロイド粒子が多数分散した乳濁液となる場合が多い。また、溶剤の蒸留装置においても、加熱による溶剤の気化及び冷却による溶剤の凝縮液化という過程を経るため、上記と同様に蒸留装置から取り出される溶剤はコロイド粒子となった水が分散した乳濁液となる場合が多い。
こうしたコロイド粒子の粒径は様々であり、粒径が大きなものはフィルタ60aを通り抜けずに最終的に比重分離され得るが、粒径が1μm程度であるような微細なコロイド粒子もかなり存在している。こうした微細なコロイド粒子はフィルタ60aの空隙を容易にすり抜けてしまい、これによって回収されたシリコーン溶剤に水が混じることになる。
回収された溶剤に水が混じると、この溶剤を使用して次に洗濯を行う際に衣類の縮み等の布傷みの原因となったり、衣類が乾きにくくなって乾燥不足のためにユーザが保管する間にカビが発生したり、或いは溶剤自体にバクテリアが繁殖して異臭を放ったりするといった様々な問題が起こる。そのため、こうした溶剤は以降の洗濯に使用できず廃却せざるを得ないが、シリコーン系溶剤は石油溶剤と比較してかなり高価であるため、繰り返し使用ができないと非常にコストが高いものとなる。
特開平7−289788号公報 特開2004−121644号公報
本発明は上記のような課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、特にシリコーン系溶剤のように水との比重が近くしかも乳濁化し易い溶剤についても、迅速に溶剤と水とを分離して高純度の溶剤を効率良く回収することができるドライクリーニング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、洗浄時に汚れた溶剤を浄化するための蒸留器から取り出される水が混入した溶剤、及び/又は、乾燥時に溶剤を回収するために洗濯物から吐き出された溶剤ガスを冷却し凝縮液化させた水が混入している溶剤を受け、水を除去して溶剤を回収する水分離手段を具備するドライクリーニング装置において、
前記水分離手段は、水が混入した溶剤を貯留する貯液槽と、該貯液槽内の溶剤中の水のコロイド粒子を粗粒化することにより、溶剤と水との比重差による水の沈殿を促進させる粗粒化手段と、を備え、該粗粒化手段は、
前記貯液槽内で水と溶剤との比重差により上層に位置する溶剤に外側が面し、内側に該溶剤と隔てられた区画室を形成するべく、該溶剤中に浸漬して設けられた、該溶剤中の水のコロイド粒子を粗粒化するためのフィルタ部材と、
前記貯液槽内の前記上層に位置する溶剤を吸引して前記区画室の内側に送り込む圧送手段と、
を含み、前記貯液槽内の前記上層に位置する溶剤を前記圧送手段により繰り返し前記フィルタ部材に通過させることで該溶剤中の水のコロイド粒子を粗粒化して除去するものであり
さらに、前記圧送手段による溶剤の吸引口に、溶剤に混入している異物を除去するための異物除去フィルタを備え、該異物除去フィルタは前記貯液槽内の前記上層に位置する溶剤中に浸漬され、該異物除去フィルタと前記粗粒化手段の前記フィルタ部材との間に溶剤液面よりも上に突出する仕切を設け、前記圧送手段により、前記貯液槽内の溶剤は前記異物除去フィルタと前記仕切との間の下面開口から吸い上げられ、該異物除去フィルタを通過して前記区画室の内側に送り込まれるようにしたことを特徴としている。
本発明に係るドライクリーニング装置では、凝縮液化により生じた溶剤中に水のコロイド粒子が分散して乳濁液となっている場合でも、粗粒化手段により微細なコロイド粒子を粗粒化して沈殿を促進させ、貯液槽内の貯留液の下層に水を集めて、その上層に水分濃度の低い溶剤を得ることができる。したがって、従来の水分離フィルタではそのフィルタの空隙を通り抜けてしまうような微細な水のコロイド粒子をも除去し、水を殆ど含まない高純度の溶剤を回収することができる。それによって、溶剤に水が混入することによる様々な不具合、例えば、衣類の布傷み、衣類乾燥の不足、或いはバクテリアの繁殖などを防止することができる。また、シリコーン溶剤等の高価な溶剤を多数回繰り返し使用することができるので、クリーニングのランニングコストを下げるのに寄与する。
また、水が混入した溶剤を圧送手段により粗粒化手段の区画室内に圧送すると、区画室内の溶剤の圧力が高まって、該区画室を形成しているフィルタ部材をその内側から外側に向けて通過しようとする。その過程で、溶剤に混入している水の微細なコロイド粒子は溶剤と水とに分離され、水の粒子は集まって成長する。そして、フィルタ部材を通過して外側に出たときには比較的粒径の大きな水の粒子となり、比重によって迅速に沈殿して底部に水層を形成する。なお、圧送手段として一般的であるのは、送液ポンプである。
これにより、フィルタ部材に適度な液圧を掛けて粗粒化手段による溶剤の処理速度を高めることができる。また、フィルタ部材で囲まれる区画室が貯液槽の内側に設けられ、その区画室内に圧送手段により溶剤が送り込まれるため、区画室を形成するために貯液槽と別に筐体等の構造物を用意する必要がない。したがって、構造が簡素化でき、低コスト化や小型化に有利である。
また、フィルタ部材を通り抜けた溶剤は再び圧送手段により吸引されるから、同じ溶剤繰り返し循環的に粗粒化手段のフィルタ部材を通過する。それにより、1回の通過では処理されずに溶剤中に残留したコロイド粒子も、繰り返し処理する過程で粗粒化させて溶剤から除去することができる。したがって、溶剤に混入している水をより確実に除去して、含有水分濃度を一層下げることができる。
また、溶剤に糸屑などの異物が混入していた場合、異物が吸引されて圧送手段に巻き込まれると故障の原因となり、また粗粒化手段のフィルタ材に異物が付着すると目詰まりを起こして頻繁に清掃を行ったり交換を行ったりする必要が生じる。それに対し、本発明に係るドライクリーニング装置では、前記圧送手段による溶剤の吸引口に、溶剤に混入している異物を除去するための異物除去フィルタを備え、しかも、その異物除去フィルタは貯液槽内の上層に位置する溶剤中に浸漬され、該異物除去フィルタと粗粒化手段のフィルタ部材との間に溶剤液面よりも上に突出する仕切を設け、圧送手段により、貯液槽内の溶剤は異物除去フィルタと仕切との間の下面開口から吸い上げられ、該異物除去フィルタを通過して区画室の内側に送り込まれるようにしているので、溶剤に混入している異物が圧送手段に巻き込まれたり粗粒化手段のフィルタ材に付着したりすることを軽減でき、保守性が高まる。
また、上記構成では、前記圧送手段の圧送流量は前記貯液槽に流入して来る溶剤の流量よりも十分に大きく設定されるようにするとよい。
これによれば、貯液槽に流入して来るコロイド粒子の増加速度よりも粗粒化手段による処理速度のほうが大きいので、液化させた溶剤を貯液槽に回収している期間中にも貯液槽内の溶剤中のコロイド粒子を減少させて水の除去を進めることができる。
また本発明に係るドライクリーニング装置では、前記粗粒化手段を経ることで混入している水の少なくとも一部が除去された溶剤を受け、溶剤のみを選択的に浸透させる溶剤選択フィルタをさらに備え、該溶剤選択フィルタを通過した溶剤を回収する構成とするとさらに好ましい。
具体的な一態様として、前記貯液槽とは別体の又は前記貯液槽内部で仕切壁で以て区画され、前記粗粒化手段を経た溶剤が導入される低純度溶剤貯留部を有し、該低純度溶剤貯留部内に貯留される低純度溶剤に浸漬するように、前記溶剤選択フィルタで以て該低純度溶剤と隔てられた高純度溶剤貯留部を形成し、該高純度溶剤貯留部から高純度溶剤を溶剤回収管により取り出すようにした構成とすることができる。
この構成では、粗粒化手段により粗粒化した水の粒子が完全に沈殿しなくても、少なくとも水分離フィルタを通り抜けないようなサイズにまで大きくなっていれば、こうした水が混じった状態の溶剤を溶剤選択フィルタに通して高純度の溶剤を取り出すことができる。したがって、水の除去の処理速度を高めることができ、しかも取り出す溶剤の純度も高めることができる。
本発明に係るドライクリーニング装置において、前記粗粒化手段のフィルタ部材は活性炭を用いたものとすることができる。
活性炭は溶剤に対して高い吸着作用を有するため、水の粒子の周囲を覆っている溶剤を引き剥がして溶剤と水とを分離させ、水の微粒子同士が凝集して成長するのを補助するのに有用である。
但し、活性炭フィルタだけでは大きな粒子となった水がフィルタ表面から離脱しにくい。そこで、そうした離脱を促進させるために、前記粗粒化手段のフィルタ部材は溶剤の通過方向の順に活性炭と不織布とを組み合わせたものとするとよい。これによれば、或る程度の大きさに成長した水の粒子はフィルタ部材から離脱して比重により沈殿し易い。
また、活性炭において溶剤に対する吸着性を高めるには、前記活性炭によるフィルタを予め溶剤に浸漬するとよい。これによれば、コロイド粒子の粗粒化の効率を高めて水の除去効率を一層高めることができる。
なお、本発明に係るドライクリーニング装置における水分離手段は石油系溶剤と水とを分離するのにも有効ではあるが、石油系溶剤の場合には水がコロイド粒子として拡散しにくく、比重分離だけでも比較的短い時間で分離し得るため、上記構成のような水分離手段を用いる必要性は高くない。これに対し、シリコーン溶剤の場合、一般に凝縮液化の過程で水がコロイド粒子として分散し易く乳化し易いという特質があり、石油系溶剤と比べれば比重も水に近いため、比重分離だけでは分離に長い時間掛かる傾向にある。こうしたことから、本発明に係るドライクリーニング装置は、シリコーン系溶剤を用いて洗濯を行うドライクリーニング装置に特に有用である。
以下、本発明に係るドライクリーニング装置の一実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1は本ドライクリーニング装置の溶剤経路及び通気経路を中心とする要部の構成図である。
外槽1内には周囲に多数の通液孔を有する円筒形状のドラム2が回転自在に軸支されており、外槽1の壁面には、入口側通気路3a、出口側通気路3b、及び溶剤の排液管路4が接続されている。入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3b、及び上部通気路3cから循環風路が形成され、ブロアモータ6により回転駆動されるブロア5の吸引力により、循環風路内を図1中に矢印で示すように空気が流れる。上部通気路3cと入口側通気路3aとの間にはこの通気路を開閉可能な仕切弁7が設けられ、この仕切弁7のすぐ下流側には、開閉可能な吸気弁9を有する吸気口8が配置されている。また、ブロア5のすぐ下流側には排気口10が配置されている。
入口側通気路3a内には蒸気加熱方式の乾燥ヒータ12が置され、乾燥ヒータ12の下流側にはドラム入口温度センサ13が設けられている。乾燥ヒータ12のパイプ中には、必要に応じて、機外に配置された図示しないボイラから高温(通常100〜120℃)の蒸気が供給され、この蒸気はまたボイラに還流する。これにより、入口側通気路3aを通過する空気は乾燥ヒータ12で熱せられて、外槽1に送り込まれる。また、出口側通気路3b内にはドラム出口温度センサ14が設けられており、ドラム2内を通過した空気の温度が検知される。
上部通気路3c内で仕切弁7と排気口10との間には乾燥クーラ15が設置され、乾燥クーラ15の下流側にはクーラ温度センサ16が設けられている。この乾燥クーラ15の熱交換器の配管内には、必要に応じて、機外に設置された冷凍機40で凝縮液化された冷媒が循環供給される。出口側通気路3b側から送られてきた空気が乾燥クーラ15の熱交換器において急激に冷却されると、その空気に含まれる気化溶剤は凝縮して液化し滴下する。空気には気化溶剤のほかに、当初から洗濯物に含まれる水に由来する水蒸気が含まれる。したがって、凝縮により生じた液体には溶剤のほかに少量の水が混入している。この液体、つまり混合液が排液口17から流れ出て本発明における水分離手段である水分離器18に至り、ここで水が除去されて溶剤のみが溶剤タンク20へ回収される。
外槽1の底部に接続された排液管路4は、ドラム2内の溶剤が所定液位であることを検知する標準液位スイッチ19a、及び、外槽1内の溶剤が排出されたことを検出する排液液位スイッチ19bを備えるボタントラップ19に連結されている。ボタントラップ19は、排出された溶剤に混入する衣服のボタンのような固形物を除去するためのフィルタである。溶剤タンク20の給液口20a及びボタントラップ19の排液口19cは、それぞれ給液弁VL1及び排液弁VL2を介し合流してポンプ21の吸入口に接続されている。このポンプ21の吐出口は逆止弁22を経て、第1三方切替弁VL3により溶剤フィルタ23の流入口又は流出口のいずれかに接続される。溶剤フィルタ23は紙フィルタ、活性炭フィルタ等で構成され、溶剤に混入した微細な塵埃等の不純物を除去するものである。
溶剤フィルタ23の流出口は溶剤クーラ24にも接続されている。溶剤クーラ24は、必要に応じて冷凍機40から循環供給される冷媒が通る配管を備えた熱交換器を有し、該熱交換器で溶剤と熱交換することによって該溶剤を冷却する。この溶剤クーラ24の下流側には溶剤温度センサ25とソープ濃度センサ26とが設けられ、更にその下流側の流路は第2三方切替弁VL4により、外槽1又は溶剤タンク20のいずれかに接続される。更にまた、ポンプ21の吸入口には、ソープ供給弁VL5を介してソープ貯液槽27が接続されている。溶剤フィルタ23の流入口は汚れ溶剤供給流路30を介して蒸留装置31の溶剤入口にも接続され、蒸留装置31の溶剤出口は浄化溶剤流出流路33を介し水分離器18を経て溶剤タンク20に接続されている。
上記のように構成された溶剤の循環経路において、例えば洗浄運転を行うために溶剤を外槽1内に供給する場合には、排液弁VL2を閉鎖、給液弁VL1を開放し、溶剤クーラ24の出口を第2三方切替弁VL4によって外槽1に接続すると共に、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によって溶剤フィルタ23の流入口に接続し、ポンプ21を駆動する。なお、蒸留装置31において汚れ溶剤供給流路30上に設けられた汚れ溶剤供給弁32は閉鎖しておく。すると、溶剤タンク20に貯留されている溶剤は給液弁VL1、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に供給される(以下、これを「溶剤供給経路」という)。そして標準液位スイッチ19aにより外槽1内に所定量の溶剤が溜まったことが検知されるまで、溶剤タンク20から外槽1内に溶剤を供給する。
標準液位スイッチ19aにより所定液位に達したことが検知されると、給液弁VL1を閉鎖すると共に排液弁VL2を開放する。これにより、外槽1内に貯留された溶剤が、排液管路4、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に循環する。洗浄運転中には溶剤が上記のように循環供給され、洗濯物から出た固形物はボタントラップ19で捕集され、更に溶剤は溶剤フィルタ23で浄化される。なお、洗浄運転時には、洗浄性能を向上させると共に後述の如く帯電防止のために、適度なソープ濃度となるようにソープを投入する。ソープ投入動作は、ポンプ21を作動させた状態でソープ供給弁VL5を開放することにより達成できる。
一方、外槽1に貯留された溶剤を排出する場合には、排液弁VL2を開放、給液弁VL1を閉鎖し、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によって溶剤フィルタ23の流入口に接続すると共に、溶剤クーラ24の出口を第2三方切替弁VL4によって溶剤タンク20に接続してポンプ21を駆動する。すると、溶剤は、外槽1から、排液管路4、ボタントラップ19、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て溶剤タンク20へと戻る(以下、これを「溶剤排出経路」という)。この場合、溶剤を溶剤タンク20に回収する過程で溶剤フィルタ23により溶剤を浄化することができる。また、このとき溶剤クーラ24に冷媒を流せば、溶剤の温度を下げることができる。
また、溶剤を外槽1に供給しない状態では、給液弁VL1を開放、排液弁VL2を閉鎖し、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によって溶剤フィルタ23の流入口に接続すると共に、蒸留装置31内の汚れ溶剤供給弁32を開放してポンプ21を駆動する。すると、溶剤は、溶剤タンク20から、給液弁VL1、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、汚れ溶剤供給流路30を経て蒸留装置31に流入し、蒸留装置31で蒸留により浄化された溶剤が浄化溶剤流出流路33、水分離器18を経て溶剤タンク20へと循環する(以下、これを「溶剤浄化経路」という)。したがって、このように溶剤を循環している過程で蒸留装置31により該溶剤を浄化することができる。
次に、本ドライクリーニング装置の動作について、図2のフローチャートを参照しながら洗濯行程の流れに沿って説明する。
〔ステップS1〕洗浄行程
作業者はドラム2内に洗濯物を収容し、図示しない操作部で各行程に必要な入力設定を行う。各種設定の後、スタートキーが操作されて運転開始が指示されると、ドラムモータ2aが駆動され、ドラム2は断続的に低速(30〜50rpm)で反転回転される。これと同時に、上記溶剤供給経路を形成して、外槽1内に所定量の溶剤が溜まるまで溶剤タンク20から溶剤を供給する。
標準液位スイッチ19aにより所定液位に達したことが検出されると、給液弁VL1を閉鎖すると共に排液弁VL2を開放する。これにより、外槽1内に貯留された溶剤が、排液管路4、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に循環される。したがって、ドラム2の反転回転による叩き洗い時には、溶剤が上記のように循環供給され、洗濯物から出た固形物はボタントラップ19で捕集され、更に溶剤は溶剤フィルタ23で浄化される。なお、洗浄運転時には、洗浄性能を向上させると共に後述の如く帯電防止のために、適度なソープ濃度となるようにソープを投入する。ソープ投入動作は、ポンプ21を作動させた状態でソープ供給弁VL5を開放することにより達成できる。
〔ステップS2〕脱液行程
所定の洗浄運転時間(例えば7分)が経過すると、上記溶剤排出経路を形成し、外槽1内に貯留されている溶剤を溶剤タンク20へと回収する。そして、排液液位スイッチ19bにより排液が一旦終了したことを検出すると、その後にドラム2を高速(400〜600rpm)で正転させる。このとき下記のようにして排液動作を継続し、洗濯物から排出された溶剤が溶剤タンク20へと戻るようにする。そして、所定の脱液運転時間が経過するとドラム2を停止させ脱液行程を終了する。なお、一旦洗浄に使用された溶剤にはソープが混じっているため、このソープを除去することと汚れを除去する目的で、上記溶剤浄化経路を形成して蒸留装置31に溶剤を循環させることで溶剤を少しずつ浄化する。この溶剤浄化は例えば後述の乾燥行程中を含め、いつ行ってもよい。
〔ステップS3〕回収乾燥行程
次いで、第1段階の乾燥として回収乾燥行程を行う。回収乾燥行程では、ドラム2が断続的に低速で正逆回転されるとともに、ブロアモータ6、乾燥ヒータ12、乾燥クーラ15も作動される。このとき、吸気弁9及び排気弁11を閉鎖するとともに仕切弁7を開放する。これにより、入口側通気路3a→外槽1→出口側通気路3b→上部通気路3c→入口側通気路3a→…という循環風路が形成される。この風路により、乾燥ヒータ12で加熱された熱風が外槽1に供給され、ドラム2の通液孔を通過して洗濯物から揮発した溶剤ガスを含む空気は乾燥クーラ15へと達する。溶剤ガスは乾燥クーラ15にて冷却され凝縮液化するため、溶剤が除去された乾燥風が乾燥ヒータ12に戻り、再加熱されて外槽1へと循環する。
回収乾燥行程では、引火等の事故を確実に防止するために、上記循環風路内の溶剤ガス濃度を安全値以下に保つべく温度管理を実行する。循環風路内での溶剤ガス濃度は、ドラム入口温度センサ13により検知される熱風温度と、ドラム出口温度センサ14により検知される、洗濯物から溶剤を蒸発させることで温度が低下した後の空気温度との温度差ΔTに依存する。そこで、この温度差ΔTを所定値、例えば10〜20℃程度以下に維持するように乾燥ヒータ12に供給する蒸気量を制御することにより、循環風路内の溶剤ガス濃度を安全値以下に保ちつつ乾燥を遂行する。
〔ステップS4〕排気乾燥行程
所定時間、上記回収乾燥行程を実行した後、排気乾燥行程に移行する。排気乾燥行程では、ブロアモータ6、乾燥ヒータ12、乾燥クーラ15を作動させたまま、仕切弁7、吸気弁9を開放する。すると、循環する空気の一部は排気口10から機外へと排出され、その分だけ、吸気口8から新鮮な外気が採り入れられ、循環している残りの空気と共に乾燥ヒータ12で加熱されてドラム2に供給される。
〔ステップS5〕クールダウン行程
所定の排気乾燥時間が経過したらならば、クールダウン行程に移行する。クールダウン行程では、吸気弁9を再び閉鎖し、ドラム2を反転させながら乾燥ヒータ12への蒸気供給を停止することによって加熱動作を停止する。そして、乾燥クーラ15で冷却した空気をドラム2内に供給することによって洗濯物の温度を下げる。
〔ステップS6〕脱臭行程
所定のクールダウン運転時間だけ上記クールダウンを実行した後、乾燥クーラ15の冷却動作を停止するとともに、吸気弁9を完全開放し、仕切弁7を閉塞する。これにより、吸気口8から流入した新鮮な空気が入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3bを通り排気口10から外部に排出されるから、洗濯物に残留する溶剤臭を除去することができる。所定時間、脱臭運転を実行したならば、ドラム2の回転を停止させ全洗濯行程を終了する。
本実施例のドライクリーニング装置では、洗浄運転により汚れた溶剤を蒸留装置31を通して浄化する際に蒸留して得られた溶剤や、乾燥運転時に乾燥クーラ15で凝縮液化させた溶剤から水を分離して除去するための水分離器18の構成に特徴を有している。次に、この水分離器18の構成及び動作について図4により詳細に説明する。
図4は本実施例における水分離器18の構成を示す縦断面図である。なお、図4において既に説明した図5の水分離器と同等の機能を有する構成要素には同一符号を付して、特に要しない限り説明を省略する。
この水分離器18においては、排液口17で回収された混合液を貯液槽50にまで導く混合液管路51の途中に、活性炭フィルタ53を備える空気抜き管52が接続されている。但し、この活性炭フィルタ53は空気抜き管52を通して排出する空気に含まれる気化溶剤を捕集するためのものであって、例えば空気抜き管52の出口を屋外まで延伸させて屋外に直接排気するような場合等、少量の気化溶剤の漏れを許容し得る場合には必ずしも必要ではない。
混合液管路51の出口端51aは貯液槽50の壁面に接続されるのではなく貯液槽50内部にまで延伸され、そこでL字状に下向きに屈曲され、貯液槽50内の上層の溶剤中に浸漬して開放するように配設されている。
貯液槽50の内部空間は底壁に立設された仕切壁50aにより、上記混合液管路51の出口端51aが存在するとともに従来と同様の主排水管54が接続された第一室50cと、底部に電磁バルブ63の開閉によって排水が成される副排水管62が接続された第二室50dとに区画されている。仕切壁50aの上端は開放して第一室50cと第二室50dとは連通しているほか、所定の位置に第一室50cから第二室50dに溶剤を流し込むための通液口50bが穿孔されている。
第一室50c内には、プレフィルタ部(本発明における異物除去フィルタに相当)56と粗粒子部(本発明における粗粒化手段に相当)59とがそれぞれ上層の溶剤中に浸漬するように配設され、プレフィルタ部56と粗粒化部59とは途中に送液ポンプ(本発明における圧送手段に相当)58を有する循環送液管57を介して接続されている。プレフィルタ部56は混合液管路51を介して流入して来る混合液中に混入している糸屑や埃などの微小な異物を除去するために設けられ、ホルダ56bにより円筒形状のフィルタ56aが保持され、そのフィルタ56aの外側に円筒形状の仕切管56cが配置されている。このフィルタ56aで囲まれる空間内に循環送液管57の入口端57aが開口している。
一方、粗粒化部59は溶剤中に存在する微小な水のコロイド粒子を粗粒化して沈殿を促進させるものであり、ホルダ59bにより円筒形状のフィルタ59aが保持され、そのフィルタ59aで囲まれる空間(本発明における粗粒化手段の区画室に相当)内に循環送液管57の出口端57bが開口している。この実施例では、フィルタ59aは、粒状活性炭を担持させた円筒形状の活性炭フィルタ59a1の外周を取り囲むように不織布フィルタ51a2を巻き付けたものであり、内側の活性炭フィルタ59a1は予めシリコーン溶剤に浸漬させて溶剤に対する親和力(吸着力)を高めておく。なお、活性炭フィルタ59a1としては粒状活性炭以外にも繊維状活性炭等、他の形態のものも利用することができる。
第二室50d内には、水分離フィルタ部60が上層の溶剤中に浸漬するように配設されている。水分離フィルタ部60は水の通過を阻止しつつ溶剤を通過させるものであり、ホルダ60bにより円筒形状のフィルタ60aが保持されている。そのフィルタ60aで囲まれる空間内には、貯液槽50の底壁を貫通して配設された溶剤回収管61の上端口61aが開口している。
この水分離器18の動作は次の通りである。水分離動作の実行前には、貯液槽50の第一室50c及び第二室50d内にそれぞれ所定液位のシリコーン溶剤と水とが図3に示すように上下にきれいに分離された状態で貯留されており、送液ポンプ58は停止されている。
溶剤浄化経路の形成時や回収乾燥運転時等、水が混じった溶剤が貯液槽50に流入してくるときには、送液ポンプ58が作動される。例えば回収乾燥運転に伴い乾燥クーラ15で冷却されることにより凝縮液化して生じた混合液は、排液口17から混合液管路51を経て貯液槽50に流れ込む。このとき、ブロア5で圧送された空気も排液口17から混合液管路51内に入り込んで来るが、その空気の大部分は空気抜き管52を経て外部へと排出される。特に、混合液管路51の出口端51aは溶剤中に浸漬されているため、その深さに応じた溶剤の液圧が出口端51aに掛かっている。この液圧は空気抜き管52の出口側の大気圧よりも高いため、上部通気路3c側から混合液管路51へ流れ込んで来る空気は、より流路抵抗の小さい空気抜き管52側へと流れる。それによって、貯液槽50内に強い風圧で以て空気が流れ込んで来ることを防止し、貯液槽50内で比重差により上下層に分離される溶剤と水との界面を安定させることができる。
但し、シリコーン溶剤を使用した場合、蒸留装置31での蒸留の過程や乾燥クーラ15での凝縮液化の過程で水や溶剤がコロイド状になり易く、貯液槽50に新たに流れ込んで来る混合液は多くの場合、コロイド粒子が分散して乳濁化している。上記のように作動された送液ポンプ58は入口端57a、つまりプレフィルタ部56のフィルタ56aの内部空間から溶剤を吸引し出口端57b、つまり粗粒化部59のフィルタ59aの内部空間内に圧送する。上記吸引によって、プレフィルタ部56におけるフィルタ56a周囲の溶剤はフィルタ56aの隙間を通過して内側に入るが、その際に溶剤に混入している異物はフィルタ56aで濾過される。
フィルタ56aはその周囲を仕切管56cで囲まれているため、溶剤は仕切管56cの下面開口から吸い上げられる。これにより、混合液管路51の出口端51aから吐き出された混合液に混じっている異物は沈殿途中では強い吸引力を受けにくく、界面付近にまで一旦沈殿する。界面付近では比重の関係で異物は比較的安定的に存在するから、溶剤とともに吸い上げられる異物は比較的少なく、フィルタ56aに捕捉される異物の量を減らして目詰まりを起こしにくくすることができる。仕切管56cのもう一つの作用については後述する。
プレフィルタ部56で異物は除去されるが、例えば5μm程度以下のサイズのコロイド粒子はフィルタ56aを容易に通り抜ける。したがって、こうした多数のコロイド粒子が分散した溶剤がフィルタ59aの内部空間内に圧送される。それにより、その内部空間の液圧は高くなり、溶剤はフィルタ59aを通過して外側に出ようとする。このときに生じるフィルタ59aの作用を概念的に描出したのが図3である。
溶剤中に分散しているコロイド粒子は、図3中の左端に示すように、水の粒子の周囲をシリコーン溶剤が取り囲んだ状態で安定している。上述したように予めシリコーン溶剤に浸漬された活性炭フィルタ59a1はシリコーン溶剤に対して高い吸着性を有する。そのため、コロイド粒子が活性炭フィルタ59a1を通り抜けようとする際に、コロイド粒子の周囲を覆っている溶剤は吸着作用によって引き剥がされ、それによって水と溶剤とが分離する。そして、溶剤の被覆が無くなった水の粒子は凝集されて大きく成長する。即ち、水は粗粒化され、活性炭フィルタ59a1を通り抜けると水は大きな粒状になる。表面張力の関係で粗粒化した水は活性炭フィルタ59a1の表面からは離れにくいが、この活性炭フィルタ59a1の外面は不織布フィルタ59a2で被覆されており、不織布フィルタ59a2の表面からは水の粒子が離れ易いので、大きなサイズに成長した水の粒子は不織布フィルタ59a2の外面から離れ、迅速に沈殿して貯液槽50の下層に溜まる。
なお、プレフィルタ部56で仕切管56cが無い場合、粗粒化部59で上述したように生成された水の粒子は吸引されてフィルタ56aの表面に付着してその表面を覆いつくすような場合があるが、ここでは仕切管56cを設けたことによって水の粒子の吸引を抑制し、フィルタ56aの表面に水の粒子が付着することを防止することができる。
粗粒化部59では必ずしも全ての微小コロイド粒子が溶剤と水とに分離されるわけではなく、一部は微小コロイド粒子が残る。しかしながら、送液ポンプ58は連続的に作動しており、第一室50c内の貯留液の中で上層の溶剤は繰り返し吸引されてプレフィルタ部56及び粗粒化部59を通過するため、その度毎に微小コロイド粒子の量は減っていって最終的には殆ど存在しなくなる。
ここでは、送液ポンプ58の吸引・吐出能力は2リットル/分である。これに対し、回収乾燥運転中に混合液管路51から貯液槽50に流れ込んで来る混合液の流量は22分間の回収乾燥運転中に4リットルであって、平均すれば混合液の流入量は0.2リットル/分である。また、蒸留装置31で蒸留した溶剤を処理する際に水分離器18に送られる溶剤(混合液)の流量は20分間で10リットルであって、平均すれば混合液の流入量は0.5リットル/分である。したがって、いずれの場合にも貯液槽50に流入して来る混合液の流量は送液ポンプ58の吸引・吐出能力に比べて確実に小さい。したがって、新たに流入して来る混合液にコロイド粒子が多数含まれていても、送液ポンプ58による溶剤の循環によって微細なコロイド粒子を迅速に粗粒化させて沈殿を促進させることができる。
上述したようにコロイド状になった水を溶剤と分離しながら第一室50c内の溶剤の液位が上昇して通液口50bに達すると、溶剤は通液口50bを通して第二室50dに流れ込む。一方、主排水管54の起立部54a内の水位も上がって、水平部54bに達すると水は外部に排出される。なお、通気管55が設けられているために、所定量の水が水平部54bを介して排出された後に主排水管54内は負圧にならずサイホン作用は生じない。そのため、第一室50c内で溶剤の液位が低下するに伴い主排水管54内の水面が水平部54bよりも下がると、主排水管54を介した水の流出は速やかに停止する。
通液口50bは高い位置に設けられており、溶剤中にコロイド粒子が存在していてもそれは比較的低い位置に存在するため、第二室50dにはコロイド粒子つまり水は流れ込みにくい。したがって、実際には第一室50c内において溶剤に混入している水の大部分が除去され、溶剤とともに第二室50dに流れ込む水はごく少量である。第二室50d内にこのような溶剤が溜まると微量の水が混じった溶剤がフィルタ60aを通過しようとする過程で、溶剤と水との表面張力などの特性の差のために溶剤はフィルタ60aの繊維の隙間を通過する一方、水は繊維表面で凝縮され大きな水滴に成長する。すると、水滴の自重(溶剤との比重差)によって水滴は沈殿し、第二室50dの底部に集まる。
第二室50d内の溶剤の液位が上昇するに伴って水分離フィルタ部60のフィルタ60aで囲まれた空間内でも溶剤の液位が上昇し、液位が上端口61aを超えると溶剤回収管61に流れ込み、溶剤タンク20へと回収される。
一方、第二室50dの底部には水が溜まるが、上述したように第二室50dに流れ込む水の量はもともと少ないため、その底部に溜まる水の量も第一室50c内に比べて少なく貯留速度は遅い。そこで、主排水管54のように液位に応じて自発的に排水が行われる構成とする代わりに、副排水管62を通して循環送液管57に水を環流させている。即ち、電磁バルブ63は送液ポンプ58が作動している期間だけ開放し、それ以外の期間には閉鎖される。そのため、送液ポンプ58が作動していると循環送液管57内に溶剤が流れるとともに副排水管62を通して第二室50dの底部に溜まっている水も吸引され、最終的には第一室50cの底部に溜まって外部に排出される。なお、上述したように第二室50dの底部に溜まる水は少ないため、副排水管62を通過し得る水の流量はかなり少なくなるように管路内径などが設定されている。これにより、第二室50d内から溶剤が吸引されることを防止できる。もちろん、副排水管62を主排水管54と同様の構成としてもよい。
以上のようにして、溶剤回収管61からは水が殆ど含まれない高純度のシリコーン系溶剤が流出し、これが溶剤タンク20へと回収される。
なお、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
例えば上記実施例では、粗粒化部59で微細なコロイド粒子を粗粒化して除去した溶剤をさらに水分離フィルタ部60で分離するようにしていたが、水分離フィルタ部60を設けない構成も考えられる。また、例えば溶剤が貯液槽に流入して来る前の段階で異物を除去することができる場合等には、プレフィルタ部56を省略する構成も考えられる。また、粗粒化部59のフィルタ59aとして活性炭フィルタ以外のフィルタを利用してもよい。
本発明の一実施例であるドライクリーニング装置の配管経路を中心とする要部の構成図。 本実施例のドライクリーニング装置の洗濯行程の流れを示すフローチャート。 本実施例の水分離器におけるコロイド粒子の粗粒化の概念図。 本実施例の水分離器の構成を示す概略断面図。 従来の水分離器の構成を示す概略断面図。
符号の説明
1…外槽
2…ドラム
3a…入口側通気路
3b…出口側通気路
3c…上部通気路
5…ブロア
6…ブロアモータ
12…乾燥ヒータ
15…乾燥クーラ
17…排液口
18…水分離器
20…溶剤タンク
30…溶剤供給流路
31…蒸留装置
32…溶剤供給弁
33…浄化溶剤流出流路
50…貯液槽
50a…仕切壁
50b…通液口
50c…第一室
50d…第二室
51…混合液管路
51a…出口端
52…空気抜き管
53…活性炭フィルタ
54…主排水管
55…通気管
56…プレフィルタ部
56a…フィルタ
56b…ホルダ
56c…仕切管
57…循環送液管
57a…入口端
57b…出口端
58…送液ポンプ
59…粗粒化部
59a…フィルタ
59a1…活性炭フィルタ
59a2…不織布フィルタ
59b…ホルダ
60…水分離フィルタ部
60a…フィルタ
60b…ホルダ
61…溶剤回収管
61a…上端口
62…副排水管
63…電磁バルブ

Claims (8)

  1. 洗浄時に汚れた溶剤を浄化するための蒸留器から取り出される水が混入した溶剤、及び/又は、乾燥時に溶剤を回収するために洗濯物から吐き出された溶剤ガスを冷却し凝縮液化させた水が混入している溶剤を受け、水を除去して溶剤を回収する水分離手段を具備するドライクリーニング装置において、
    前記水分離手段は、水が混入した溶剤を貯留する貯液槽と、該貯液槽内の溶剤中の水のコロイド粒子を粗粒化することにより、溶剤と水との比重差による水の沈殿を促進させる粗粒化手段と、を備え、該粗粒化手段は、
    前記貯液槽内で水と溶剤との比重差により上層に位置する溶剤に外側が面し、内側に該溶剤と隔てられた区画室を形成するべく、該溶剤中に浸漬して設けられた、該溶剤中の水のコロイド粒子を粗粒化するためのフィルタ部材と、
    前記貯液槽内の前記上層に位置する溶剤を吸引して前記区画室の内側に送り込む圧送手段と、
    を含み、前記貯液槽内の前記上層に位置する溶剤を前記圧送手段により繰り返し前記フィルタ部材に通過させることで該溶剤中の水のコロイド粒子を粗粒化して除去するものであり
    さらに、前記圧送手段による溶剤の吸引口に、溶剤に混入している異物を除去するための異物除去フィルタを備え、該異物除去フィルタは前記貯液槽内の前記上層に位置する溶剤中に浸漬され、該異物除去フィルタと前記粗粒化手段の前記フィルタ部材との間に溶剤液面よりも上に突出する仕切を設け、前記圧送手段により、前記貯液槽内の溶剤は前記異物除去フィルタと前記仕切との間の下面開口から吸い上げられ、該異物除去フィルタを通過して前記区画室の内側に送り込まれるようにしたことを特徴とするドライクリーニング装置。
  2. 前記圧送手段の圧送流量は前記貯液槽に流入して来る溶剤の流量よりも十分に大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のドライクリーニング装置。
  3. 前記粗粒化手段を経ることで混入している水の少なくとも一部が除去された溶剤を受け、溶剤のみを選択的に浸透させる溶剤選択フィルタをさらに備え、該溶剤選択フィルタを通過した溶剤を回収することを特徴とする請求項1又は2に記載のドライクリーニング装置。
  4. 前記貯液槽とは別体の又は前記貯液槽内部で仕切壁で以て区画され、前記粗粒化手段を経た溶剤が導入される低純度溶剤貯留部を有し、
    該低純度溶剤貯留部内に貯留される低純度溶剤に浸漬するように、前記溶剤選択フィルタで以て該低純度溶剤と隔てられた高純度溶剤貯留部を形成し、
    該高純度溶剤貯留部から高純度溶剤を溶剤回収管により取り出すようにしたことを特徴とする請求項に記載のドライクリーニング装置。
  5. 前記粗粒化手段のフィルタ部材は活性炭を用いたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のドライクリーニング装置。
  6. 前記粗粒化手段のフィルタ部材は溶剤の通過方向の順に活性炭と不織布とを組み合わせたものであることを特徴とする請求項に記載のドライクリーニング装置。
  7. 前記活性炭によるフィルタは予め溶剤に浸漬されたものであることを特徴とする請求項又はに記載のドライクリーニング装置。
  8. 前記溶剤はシリコーン系溶剤であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のドライクリーニング装置。
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