JP2006223442A - ドライクリーニング装置 - Google Patents

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勝 野呂
Kenji Mitsunari
健二 三成
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剛一 初田
Katsuto Nakagawa
克人 中川
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Abstract

【課題】 通気路から送り込まれる空気による風圧によって貯液槽内の溶剤と水との界面が上下して、界面付近に集まっているゴミがフィルタに付着したり溶剤が排出されてしまったりすることを防止する。
【解決手段】 乾燥時にドラム内の洗濯物から吐き出された気化溶剤を凝縮液化する通気路内から第1貯液槽50まで混合液(溶剤+水)を案内する混合液管路51の途中に空気抜き管52を接続し、通風路から流れ込んできた空気を活性炭フィルタ53を介して外部へと逃がす。また、混合液管路51の出口端51aを第1貯液槽50内の上層の溶剤中に浸漬させ、その液圧によって空気抜き管5側に一層空気が流れ易くなるようにする。それにより、第1貯液槽50内で風圧の影響が軽減され、風圧による界面の上下変動を抑えることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、溶剤を用いた洗濯及び乾燥を行うドライクリーニング装置に関し、更に詳しくは、乾燥時に凝縮・液化により回収された溶剤に混合している水を分離して高純度の溶剤を回収する技術に関する。
従来、ドライクリーニング装置の溶剤としては石油系溶剤を用いたものが主流であったが、最近、環境への配慮、作業者の健康上の配慮、溶剤が洗濯物に残留した場合のユーザの健康上の配慮等からシリコーン系溶剤が使用されるようになってきている。シリコーン系溶剤を用いたドライクリーニング装置でも、その基本的な構成は従来の石油系溶剤を用いた装置と同じであるが、その溶剤の性質等の相違に応じて考慮しなければならない点がある。
例えばドライクリーニングでは、洗浄運転時に洗濯物が吸収した溶剤を乾燥により除去する際に、気化した溶剤を凝縮・液化させて回収することが行われる。こうした回収乾燥時には、凝縮・液化した溶剤にはもともと洗濯物が吸収していた水が混入しているため、溶剤と水とを分離して水を除去した高純度の溶剤を回収する必要がある。こうした目的のために従来より水分離フィルタが用いられている。石油系溶剤の場合、比重が約0.8であって比重が1である水との比重差が大きいため、比重差分離法により容易に水と溶剤とを分離することができる。これに対し、シリコーン系溶剤の比重は約0.95と水の比重とかなり近い。そのため、比重差を利用した分離は可能ではあるものの分離に時間を要するため、装置の乾燥運転サイクルには適合しにくい。そこで、装置の運転サイクルに見合った速度でシリコーン系溶剤と水との分離を行えるような水分離手段が要望されていた。
こうした課題に対し、本出願人は特許文献1に開示したような水分離装置を既に提案している。図5はこの従来の水分離装置の構成を示す概略断面図である。この水分離装置は、いわゆるコアレッサ方式による2液分離フィルタを用いたものである。
図5に示すように、凝縮・液化した溶剤と水とが入り混じった混合液を貯留する貯液槽50の底部には略S字状の排水管54が接続されており、この排水管54の水平部54bと貯液槽50上部との間には通気管55が連通して設けられている。貯液槽50内には、ホルダ59により保持された超極細繊維の不織布から成る円筒形状のフィルタ58が設置され、その内側には、貯液槽50の底面を貫通して配設された溶剤回収管60の上端口60aが上向きに開口している。
回収乾燥運転時には、ドラム内から吐き出された気化溶剤や水蒸気を含む暖かい空気がクーラで急冷されることにより凝縮・液化した混合液(水が混じった溶剤)が混合液管路51を経て貯液槽50に流れ込んできて溜まる。混合液中の溶剤はフィルタ58の繊維の隙間を通過する一方、水は繊維表面で凝縮され大きな水滴に成長する。すると、水滴の自重(溶剤との比重差)によって水滴は沈殿し、貯液槽50の底部側に集まる。混合液(上層の低純度の溶剤)の液位が上昇するに伴ってフィルタ58で囲まれたフィルタ室内空間でも溶剤の液位が上昇し、液位が上端口60aを越えると溶剤回収管60に流れ込んで水分離器から取り出される。一方、貯液槽50の下層側に溜まった水は排水管54の起立部54a内に押し上げられるが、水と溶剤との比重差のために定常的には上層の溶剤の液位よりも所定分Lだけ低い位置が水面となる。そして、貯液槽50内で上層の溶剤の液位が上昇すると排水管54の起立部54a内の水面も上昇し、排水管54の水平部54bへ達すると水は外部へと流れ出す。
このようにして排水管54からは水が流出し、溶剤回収管60からは溶剤が流出して給液タンクへ戻る。通常、フィルタ58による2液の分離速度は混合液の流入速度に比べて十分に速いため、混合液の流入量に応じて水と溶剤とは確実に分離され、貯液槽50が満杯になることはない。また、通気管55が設けられているために排水管54内でサイホン作用は生じず、貯液槽50内で上層の溶剤の液位が低下するに伴い排水管54内の水位が水平部54bよりも下がると、排水管54を介した水の流出は速やかに停止する。
しかしながら、上記のような従来の水分離装置では次のような問題がある。即ち、回収乾燥運転時には、ドラム、空気加熱用のヒータ、溶剤を凝縮・液化するためのクーラ等を含む循環風路内に送風ファンにより強制的に空気が循環されるが、一般にその風圧はかなり高いため、混合液とともに高い風圧を有する空気が混合液管路51内に侵入して来る。そして、この空気は貯液槽50内に入り込んで貯液槽50内の上部空間の空気圧を上昇させる。図5に示すように、貯液槽50内には上層側に水を比較的多く含む低純度溶剤、下層側に水が存在するため、その両者の間には界面が形成される。上述したように、貯液槽50内に勢い良く空気が流入して来ると、その風圧によって液位が低下し上記界面も下がる。この風圧の状態は回収乾燥運転時の循環風路の密閉状態に大きく左右されるため、装置毎の個体差が大きい。また、ドラム内に収容される洗濯物の量や撹拌状況によっても変動し得る。そのため、従来のドライクリーニング装置では、貯液槽50内での溶剤と水との界面が不安定で上下変動が大きかった。
上記界面が上下に変動すると次のような不具合が生じる。洗濯の際に洗濯物に付着している埃や細かい糸屑などのゴミ類が溶剤とともに回収されると、そうしたゴミ類の多くは比重の関係で界面付近に集まる。そのため、界面がフィルタ58に掛かる程度まで上昇すると、界面付近に存在していたゴミ類がフィルタ58に付着し目詰まりを生じて溶剤の通過効率が低下する。最悪の場合、フィルタ58による2液の分離速度が貯液槽50への混合液の流入速度よりも低くなり、貯液槽50が満杯になって溢れ出すおそれがある。また、そこまで至らなくても、ユーザによるフィルタ58の掃除や交換の手間が増加する。さらにまた、フィルタ58に掛かる圧力が高まることによって溶剤だけでなく水が通過し易くなり、回収される溶剤に水が混じって使用不能になるおそれもある。
一方、界面が下がり過ぎると排水管54を通して溶剤が流出するおそれがある。シリコーン系溶剤は石油系溶剤と比べると格段に高価であるため、溶剤が流出すると洗濯のランニングコストが高くなってしまう。また、界面付近に存在するゴミ類が排水管54内に詰まって排水が滞ったり、最悪の場合には排水ができなくなる。すると、貯液槽50が満杯になって、上述したフィルタ58の目詰まり時と同様に、貯液層50からの溢れ出しや溶剤への水の混入のおそれがある。
特開2004−121644号公報
本発明は上記のような課題に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、溶剤と水との比重差によって生じる両者の間の界面が風圧の影響で不所望に変動することを抑制し、高純度の溶剤の回収に障害となるようなフィルタの目詰まりや溶剤の流出を防止することができるドライクリーニング装置を提供することにある。
また本発明の他の目的は、特にシリコーン系溶剤のように水との比重が近く単なる比重分離法では水の分離が困難な溶剤についても、迅速に溶剤と水とを分離して高純度の溶剤を効率良く回収することができるドライクリーニング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された第1発明は、溶剤を用いて洗濯された洗濯物が収容される乾燥槽と、該乾燥槽に空気を送り込むとともに該乾燥槽から空気を取り出すための通気路と、該通気路中に所定方向の空気流を生起させる送風手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽から吐き出された空気に含まれる気化溶剤を凝縮・液化させるための冷却手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽に送り込む空気を加熱する加熱手段と、前記冷却手段の冷却により凝縮・液化された溶剤と水との混合液から水を除去して溶剤を回収する水分離手段と、を具備するドライクリーニング装置において、
前記水分離手段は、前記通気路から取り出された混合液を一旦貯留する貯液槽を有し、前記通気路内から前記貯液槽へと混合液を案内する混合液管路の途中に空気抜き部を設けたことを特徴としている。
上記第1発明に係るドライクリーニング装置では、回収乾燥運転時に上記送風手段により通気路中に空気流が生起され、加熱手段で加熱された空気が乾燥槽に送り込まれて洗濯物から溶剤を揮発させる。この気化溶剤を含んだ空気が乾燥槽から出て冷却手段に至ると、気化溶剤や水蒸気は凝縮・液化して液体となり、混合液として通気路内から混合液管路に流れ込む。この際に送風手段により圧送された空気も混合液とともに混合液管路に入り込むが、混合液は混合液管路内壁を伝って貯液槽に達するのに対し、空気の大部分は混合液管路の途中に設けられている空気抜き部から機外へと排出される。これにより、貯液槽内の上部空間に空気が流れ込んだとしてもその量は僅かであり、貯液槽内の液位には殆ど影響を及ぼさない。
したがって、貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する溶剤と下層側に位置する水との間の界面も安定し、例えば貯液槽の下部に排水管が接続されている場合でも、界面が下がってその排水管を経て溶剤が流出してしまうことや、界面付近に集まっているゴミ類が排水管に流れ込んで排水管を閉塞することを防止することができる。また、上層側の溶剤中に浸漬するように2液分離フィルタが設置された構成の場合には、界面が上がって界面付近に集まっているゴミ類がフィルタに付着して目詰まりを生じることを防止することができる。
なお、通気路から混合液管路内に入り込んで来る空気は、その手前で冷却手段により冷却されることで気化溶剤が凝縮・液化されて除去されたものではあるが、僅かながら気化溶剤が残留している可能性がある。そこで、空気抜き部より取り出した空気を例えば屋内に放出する場合、或いは屋外に放出する場合であっても気化溶剤濃度をできるだけ抑えたい場合には、空気抜き部は、気化溶剤を捕集するフィルタを介して混合液管路中の空気を排出するものとするとよい。このフィルタとして例えば活性炭フィルタなどを用いることができる。これによれば、空気抜き部から機外に放出する空気中の気化溶剤を除去して、周囲環境に及ぼす影響を軽減することができる。
また第1発明に係るドライクリーニング装置において、好ましくは、前記混合液管路の出口端は、前記貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する溶剤中に浸漬されるように設けられる構成とするとよい。
この構成によれば、溶剤中に浸漬された深さ分に応じて混合液管路の出口端に液圧が掛かり、より流路抵抗の小さな空気抜き部側に空気が流れ易くなるので、貯液槽内に流れ込もうとする空気を一層減らして貯液槽内の混合液の液面、ひいては溶剤と水との間の界面を一段と安定させることができる。
上記構成の具体的な一実施態様として、前記水分離手段は、
前記貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する溶剤を取り出す溶剤流出口を上端に有する溶剤回収管と、
前記貯液槽の下部に接続され、該接続部位よりも高い位置まで水を持ち上げる起立部と、該起立部よりも下流にあってその最上部が前記溶剤回収管の溶剤流出口と同一又はそれよりも適宜低くなるように配設された屈曲部とを含む排水管と、を備え、
前記混合液管路の出口端は前記排水管の屈曲部の最上部よりも低い位置に設けられている構成とすることができる。
この構成では、貯液槽に混合液が流れ込んでその液位上昇に伴って排水管の起立部内の水位が上昇し、屈曲部に達すると水は外部へと流れ出す。一方、その程度又は少し上まで混合液中の上層の溶剤の液位が上昇したときに、溶剤流出口を超えた分だけ溶剤も溶剤回収管を経て貯液槽から流れ出す。したがって、混合液管路の出口端を常に溶剤中に浸漬させておくことができ、上述したような液圧による空気流入阻止の効果を確実に得ることができる。
さらにまた、第1発明に係るドライクリーニング装置の一実施態様として、好ましくは、前記水分離手段は、前記貯液槽を第1貯液槽として、
該第1貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する低純度溶剤を取り出す溶剤流出口を上端に有する溶剤採取管と、
前記第1貯液槽内に貯留された混合液中で下層側に位置する水を排出するための第1排水管と、
前記溶剤採取管を通して取り出された低純度溶剤を一旦貯留する第2貯液槽と、
該第2貯液槽に貯留された低純度溶剤中に浸漬され、低純度溶剤側から溶剤のみを選択的に浸透させる溶剤選択フィルタで以て前記低純度溶剤と隔てられた高純度溶剤貯留部を形成するフィルタ室と、
該高純度溶剤貯留部から前記高純度溶剤を取り出す溶剤回収管と、
前記第2貯液槽内の下層の水を排出する第2排水管と、
をさらに備える構成とするとよい。
即ち、この構成では、第1貯液槽の内部にコアレッサ方式の2液分離フィルタを設置するのではなく、第1貯液槽内では単なる比重差分離により水と溶剤とを分離させる。溶剤がシリコーン系溶剤のように水との比重の差異が小さいものである場合には、比重差分離では十分に分離されずに上層には水が混じった比較的純度の低い溶剤(低純度溶剤)が分離するから、これを溶剤採取管を経て第2貯液室内に導入する。第2貯液室内には、2液分離フィルタとしてフィルタ室が設けられ、溶剤選択フィルタが浸漬する程度まで低濃度溶剤の液位が上昇すると、溶剤はフィルタの空隙を通過する一方、水はフィルタ表面での表面張力の相違などによって凝縮して大きな水滴に成長する。すると、水は比重差によって沈殿し第2貯液槽の底部に溜まる。第2貯液槽の底部に集まった水は第2排水管を通して第2貯液槽から流出する。一方、低濃度溶剤の液位が上昇すると高純度溶剤貯留部でも液位が上昇し、溶剤回収管を通して第2貯液槽から取り出される。このようにして、比重が水に近い溶剤、典型的にはシリコーン系溶剤と水とを迅速に分離して取り出すことができる。
したがって、上記のように風圧等の影響で溶剤(低純度溶剤)と水との間の界面の上下変動が生じる可能性のある第1貯液槽内には2液分離フィルタが配置されないので、界面付近に集まるゴミ類がフィルタに付着するおそれがなく、フィルタの清掃や交換の頻度を低くすることができる。それによって、ユーザの負担を軽減し、ランニングコストを下げることができる。
また、上記のような2槽式の貯液槽の構成は第1発明における水分離手段に適用するだけでなく、第1発明に特徴的な構成に限定されない水分離手段にも適用することができる。
即ち、上記課題を解決するために成された第2発明は、溶剤を用いて洗濯された洗濯物が収容される乾燥槽と、該乾燥槽に空気を送り込むとともに該乾燥槽から空気を取り出すための通気路と、該通気路中に所定方向の空気流を生起させる送風手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽から吐き出された空気に含まれる気化溶剤を凝縮・液化させるための冷却手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽に送り込む空気を加熱する加熱手段と、前記冷却手段の冷却により凝縮・液化された溶剤と水との混合液から水を除去して溶剤を回収する水分離手段と、を具備するドライクリーニング装置において、
前記水分離手段は、
前記通気路から取り出された混合液を一旦貯留する第1貯液槽と、
該第1貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する低純度溶剤を取り出す溶剤流出口を上端に有する溶剤採取管と、
前記第1貯液槽内に貯留された混合液中で下層側に位置する水を排出するための第1排水管と、
前記溶剤採取管を通して取り出された低純度溶剤を一旦貯留する第2貯液槽と、
該第2貯液槽に貯留された低純度溶剤中に浸漬され、低純度溶剤側から溶剤のみを選択的に浸透させる溶剤選択フィルタで以て前記低純度溶剤と隔てられた高純度溶剤貯留部を形成するフィルタ室と、
該高純度溶剤貯留部から前記高純度溶剤を取り出す溶剤回収管と、
前記第2貯液槽内の下層の水を排出する第2排水管と、
を備えることを特徴としている。
この第2発明に係るドライクリーニング装置によっても、上記構成と同様に、風圧等の影響で溶剤(低純度溶剤)と水との間の界面の上下変動が生じる可能性のある第1貯液槽内には2液分離フィルタが配置されないので、界面付近に集まるゴミ類がフィルタに付着するおそれがなく、フィルタの清掃や交換の頻度を低くすることができる。それによって、ユーザの負担を軽減し、ランニングコストを下げることができる。
なお、こうした構成の水分離手段は石油系溶剤と水とを分離するのにも有効ではあるが、溶剤と水との比重差が大きい場合にはコアレッサ方式の2液分離フィルタを用いる必要性は高くない。こうしたことから、水との比重差が小さな溶剤、具体的にはシリコーン系溶剤を用いて洗濯を行うドライクリーニング装置に特に有用である。
以下、本発明に係るドライクリーニング装置の一実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1は本ドライクリーニング装置の溶剤経路及び通気経路を中心とする要部の構成図である。
外槽1内には周囲に多数の孔を有する円筒形状のドラム2が回転自在に軸支されており、外槽1の壁面には、入口側通気路3a、出口側通気路3b、及び溶剤の排液管路4が接続されている。入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3b、及び上部通気路3cから循環風路が形成され、本発明における送風手段であるブロアモータ6により回転駆動されるブロア5の吸引力により、循環風路内を図1中に矢印で示すように空気が流れる。上部通気路3cと入口側通気路3aとの間にはこの通気路を開閉可能な仕切弁7が設けられ、この仕切弁7のすぐ下流側には、開閉可能な吸気弁9を有する吸気口8が配置されている。また、この仕切弁7のすぐ上流側には、開閉可能な排気弁11を有する排気口10が配置されている。
入口側通気路3a内には蒸気加熱方式の乾燥ヒータ12が本発明における加熱手段として設置され、乾燥ヒータ12の下流側にはドラム入口温度センサ13が設けられている。乾燥ヒータ12のパイプ中には、必要に応じて、機外に配置された図示しないボイラから高温(通常100〜120℃)の蒸気が供給され、この蒸気はまたボイラに還流する。これにより、入口側通気路3aを通過する空気は乾燥ヒータ12で熱せられて、外槽1に送り込まれる。また、出口側通気路3b内には、ドラム出口温度センサ14が設けられており、ドラム2内を通過した空気の温度が検知される。
上部通気路3c内で排気口10よりも上流側には、本発明における冷却手段として2台の乾燥クーラ15が設置され、乾燥クーラ15の下流側にはクーラ温度センサ16が設けられている。この乾燥クーラ15の熱交換器の配管内には、必要に応じて、機外に設置された冷凍機(図示せず)で凝縮液化された冷媒が循環供給される。出口側通気路3b側から送られてきた空気が乾燥クーラ15の熱交換器において急激に冷却されると、その空気に含まれる気化溶剤は凝縮して液化し滴下する。空気には気化溶剤のほかに、当初から洗濯物に含まれる水に由来する水蒸気が含まれる。したがって、凝縮により生じた液体には溶剤のほかに少量の水が混入している。この液体、つまり混合液が排液口17から流れ出て水分離器18に至り、ここで水が除去されて溶剤のみが溶剤タンク20へ回収される。
外槽1の底部に接続された排液管路4は、ドラム2内の溶剤が所定液位であることを検知する標準液位スイッチ19a、及び、外槽1内の溶剤が排出されたことを検出する排液液位スイッチ19bを備えるボタントラップ19に連結されている。ボタントラップ19は、排出された溶剤に混入する衣服のボタンのような固形物を除去するための一種のフィルタである。溶剤タンク20の給液口20a及びボタントラップ19の排液口19cは、それぞれ給液弁VL1及び排液弁VL2を介し合流してポンプ21の吸入口に接続されている。このポンプ21の吐出口は逆止弁22を経て、第1三方切替弁VL3により溶剤フィルタ23の流入口又は流出口のいずれかに接続される。溶剤フィルタ23は紙フィルタ、活性炭フィルタ等で構成され、溶剤に混入した微細な塵埃等の不純物を除去するものである。
また、溶剤フィルタ23の流出口は溶剤クーラ24にも接続されている。溶剤クーラ24は、必要に応じて冷凍機から循環供給される冷媒が通る配管を備えた熱交換器を有し、該熱交換器で溶剤と熱交換することによって該溶剤を冷却する。この溶剤クーラ24の下流側には溶剤温度センサ25とソープ濃度センサ26とが設けられ、更にその下流側の流路は第2三方切替弁VL4により、外槽1又は溶剤タンク20のいずれかに接続される。更にまた、ポンプ21の吸入口には、ソープ供給弁VL5を介してソープ貯液槽27が接続され、溶剤フィルタ23の流入口は溶剤抜き弁VL6を経て溶剤タンク20の上部に接続されている。
上記のように構成された溶剤の循環経路において、溶剤を外槽1内に供給する場合には、排液弁VL2を閉鎖、給液弁VL1を開放し、溶剤クーラ24の出口を第2三方切替弁VL4によって外槽1に接続すると共に、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によって溶剤フィルタ23の流入口に接続し、ポンプ21を駆動する。なお、溶剤抜き弁VL6は閉鎖しておく。すると、溶剤タンク20に貯留されている溶剤は給液弁VL1、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に供給される(以下、これを「溶剤供給経路」という)。
一方、外槽1に貯留された溶剤を排出する場合には、排液弁VL2を開放、給液弁VL1を閉鎖し、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によって溶剤フィルタ23の流入口に接続すると共に、溶剤クーラ24の出口を第2三方切替弁VL4によって溶剤タンク20に接続してポンプ21を駆動する。すると、溶剤は、外槽1から、排液管路4、ボタントラップ19、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て溶剤タンク20へと戻る(以下、これを「溶剤排出経路」という)。この場合、溶剤を溶剤タンク20に回収する過程で溶剤フィルタ23により溶剤を浄化することができる。また、このとき溶剤クーラ24に冷媒を流せば、溶剤の温度を下げることができる。
また、溶剤を外槽1に供給しない状態では、給液弁VL1を開放、排液弁VL2を閉鎖し、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によって溶剤フィルタ23の流入口に接続すると共に、溶剤クーラ24の出口を第2三方切替弁VL4によって溶剤タンク20に接続しポンプ21を駆動する。すると、溶剤は、溶剤タンク20から、給液弁VL1、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て溶剤タンク20へと循環する。したがって、溶剤を循環している過程で溶剤フィルタ23により該溶剤を浄化することができる。また、上記溶剤排出経路と同様に、溶剤クーラ24が動作していれば溶剤を冷却することもできる。
次に、図2により本ドライクリーニング装置の電気的構成を説明する。制御部40はマイクロコンピュータ等から構成され、CPUのほか、運転制御プログラムが格納されたROMや、運転等に必要なデータを読み書きするためのRAM等を備えている。制御部40には、キー入力スイッチ等を備えた操作部42、数値等の表示パネルを備えた表示部43のほか、上述した、ドラム入口温度センサ13、ドラム出口温度センサ14、クーラ温度センサ16、溶剤温度センサ25、標準液位スイッチ19a、排液液位スイッチ19b、ソープ濃度センサ26などが接続されている。
制御部40は上記各センサやスイッチ類から検出信号を受け、運転制御プログラムに従って負荷駆動部41に制御信号を出力し、負荷駆動部41を介して、ドラムモータ2a、ブロアモータ6、ポンプ21、吸気弁9、仕切弁7、排気弁11、給液弁VL1、排液弁VL2、第1三方切替弁VL3、第2三方切替弁VL4、ソープ供給弁VL5、溶剤抜き弁VL6などをそれぞれ駆動する。
次に、本ドライクリーニング装置の動作について、図3のフローチャートを参照しながら洗濯行程の流れに沿って説明する。
〔ステップS1〕洗浄行程
作業者はドラム2内に洗濯物を収容し、操作部42で各行程に必要な入力設定を行う。各種設定の後、操作部42に設けられたスタートキーが操作されて運転開始が指示されると、制御部40は、ドラムモータ2aを駆動しドラム2を断続的に低速(30〜50rpm)で反転回転させる。これと同時に、上記溶剤供給経路を形成して、外槽1内に所定量の溶剤が溜まるまで溶剤タンク20から溶剤を供給する。
標準液位スイッチ19aにより所定液位に達したことが検出されると、給液弁VL1を閉鎖すると共に排液弁VL2を開放する。これにより、外槽1内に貯留された溶剤が、排液管路4、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、溶剤フィルタ23、溶剤クーラ24、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に循環される。したがって、ドラム2の反転回転による叩き洗い時には、溶剤が上記のように循環供給され、洗濯物から出た固形物はボタントラップ19で捕集され、更に溶剤は溶剤フィルタ23で浄化される。なお、洗浄運転時には、洗浄性能を向上させると共に後述の如く帯電防止のために、適度なソープ濃度となるようにソープを投入する。ソープ投入動作は、ポンプ21を作動させた状態でソープ供給弁VL5を開放することにより達成できる。
〔ステップS2〕脱液行程
所定の洗浄運転時間(例えば7分)が経過すると、上記溶剤排出経路を形成し、外槽1内に貯留されている溶剤を溶剤タンク20へと回収する。そして、排液液位スイッチ19bにより排液が一旦終了したことを検出すると、その後にドラム2を高速(400〜600rpm)で正転させる。このとき下記のようにして排液動作を継続し、洗濯物から排出された溶剤が溶剤タンク20へと戻るようにする。そして、所定の脱液運転時間が経過するとドラム2を停止させ脱液行程を終了する。
〔ステップS3〕回収乾燥行程
次いで、第1段階の乾燥として回収乾燥行程を行う。回収乾燥行程では、制御部40は、ドラム2を断続的に低速で正逆回転させるとともに、ブロアモータ6、乾燥ヒータ12、乾燥クーラ15を作動させる。このとき、吸気弁9及び排気弁11を閉鎖するとともに仕切弁7を開放する。これにより、入口側通気路3a→外槽1→出口側通気路3b→上部通気路3c→入口側通気路3a→…という循環風路が形成される。この風路により、乾燥ヒータ12で加熱された熱風が外槽1に供給され、ドラム2の通風孔を通過して洗濯物から揮発した溶剤ガスを含む空気は乾燥クーラ15へと達する。溶剤ガスは乾燥クーラ15にて冷却され凝縮液化するため、溶剤が除去された乾燥風が乾燥ヒータ12に戻り、再加熱されて外槽1へと循環する。
回収乾燥行程では、引火等の事故を確実に防止するために、上記循環風路内の溶剤ガス濃度を安全値以下に保つべく温度管理を実行する。循環風路内での溶剤ガス濃度は、ドラム入口温度センサ13により検知される熱風温度と、ドラム出口温度センサ14により検知される、洗濯物から溶剤を蒸発させることで温度が低下した後の空気温度との温度差ΔTに依存する。そこで、この温度差ΔTを所定値、例えば10〜20℃程度以下に維持するように乾燥ヒータ12に供給する蒸気量を制御することにより、循環風路内の溶剤ガス濃度を安全値以下に保ちつつ乾燥を遂行する。
〔ステップS4〕排気乾燥行程
所定時間、上記回収乾燥行程を実行した後、排気乾燥行程に移行する。排気乾燥行程では、ブロアモータ6、乾燥ヒータ12、乾燥クーラ15を作動させたまま、仕切弁7、吸気弁9、排気弁11を開放する。すると、乾燥クーラ15を通過した後の空気の一部は排気口10から機外へと排出され、その分だけ、吸気口8から新鮮な外気が採り入れられ、循環している残りの空気と共に乾燥ヒータ12で加熱されてドラム2に供給される。本装置の構成では、ドラム2から吐き出された空気の全量が乾燥クーラ15で冷却されるため、その空気に含まれる溶剤が効率良く回収され、排気口10から排出される空気に含まれる溶剤の量は非常に少なくなる。これによって、高価であるシリコーン系溶剤の補充が少なくて済む。また、装置の周囲に放出される溶剤の量も非常に少なくなるため、作業環境の改善にも有効である。
〔ステップS5〕クールダウン行程
所定の排気乾燥時間が経過したらならば、クールダウン行程に移行する。クールダウン行程では、吸気弁9を再び閉鎖し、ドラム2を反転させながら乾燥ヒータ12への蒸気供給を停止することによって加熱動作を停止する。そして、乾燥クーラ15で冷却した空気をドラム2内に供給することによって洗濯物の温度を下げる。
〔ステップS6〕脱臭行程
所定のクールダウン運転時間だけ上記クールダウンを実行した後、乾燥クーラ15の冷却動作を停止するとともに、吸気弁9及び排気弁11を完全開放し、仕切弁7を閉塞する。これにより、吸気口8から流入した新鮮な空気が入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3bを通り、乾燥クーラ15を通過した後に排気口10から外部に排出されるから、洗濯物に残留する溶剤臭を除去することができる。所定時間、脱臭運転を実行したならば、ドラム2の回転を停止させ全洗濯行程を終了する。
本実施例のドライクリーニング装置では、回収乾燥運転時や排気乾燥運転時に凝縮・液化させた溶剤から水を分離して除去するための水分離器18の構成に特徴を有している。次に、この水分離器18の構成及び動作について図4により詳細に説明する。
図4は本実施例における水分離器18の構成を示す縦断面図である。なお、図4において既に説明した図5の水分離器と同等の機能を有する構成要素には同一符号を付して、特に要しない限り説明を省略する。なお、図5の説明では符号50は貯液槽と呼んでいたが、この図4の説明では、もう1つの貯液槽と区別するため第1貯液槽と呼ぶこととする。排水管も同様である。
この水分離器18では、上記排液口17で回収された混合液を第1貯液槽50にまで導く混合液管路51の途中に、活性炭フィルタ53を備える空気抜き管52が、本発明における空気抜き部として接続されている。なお、この活性炭フィルタ53は空気抜き管52を通して排出する空気に含まれる気化溶剤を捕集するためのものであって、例えば空気抜き管52の出口を屋外まで延伸させて屋外に直接排気するような場合等、少量の気化溶剤の漏れを許容し得る場合には必ずしも必要ではない。
また、混合液管路51の出口端51aは第1貯液槽50の壁面に接続されるのではなく第1貯液槽50内部にまで延伸され、そこで下方に屈曲され、第1貯液槽50内の上層の、水が比較的多く混じった低純度溶剤中に浸漬して開放するように配設されている。さらにまた、第1貯液槽50を主体とする第1分離器18Aの後段に第2分離器18Bを設け、従来は、第1貯液槽50内に配置していた2液分離フィルタを第2分離器18Bの第2貯液槽57内に設置している。
即ち、第1分離器18Aにおいて、第1貯液槽50内部には、第1貯液槽50内で溶剤と水との比重差により分離された上層の低純度溶剤の液位が第1排水管54の水平部54b付近であるときに溶剤が流出するような溶剤流出口56aを有する溶剤採取管56が配設され、その溶剤採取管56の出口端は、第2貯液槽57の側壁面に接続されている。第1排水管54の構造は図5と同様である。
第2分離器18Bにおいて、第2貯液槽57の内部には、ホルダ59により保持された超極細繊維の不織布から成る円筒形状の溶剤選択フィルタ58が本発明におけるフィルタ室として設置され、その内側に、第2貯液槽57の底面を貫通して配設された溶剤回収管60の上端口60aが開口している。第2貯液槽57の下部には、途中にバルブ63を備えた第2排水管62が接続され、上部には排気管61が接続されている。ここでは排気管61の一端は開放されているが、例えば通気管55に接続する等してもよい。
この水分離器18の動作は次の通りである。回収乾燥運転時に、乾燥クーラ15で冷却されることにより凝縮・液化して生じた混合液は、排液口17から混合液管路51を経て第1貯液槽50に流れ込む。このとき、ブロア5で圧送された空気も排液口17から混合液管路51内に入り込んで来るが、その空気の大部分は空気抜き管52を経て外部へと排出される。特に、混合液管路51の出口端51aは溶剤中に浸漬されているため、その深さに応じた溶剤の液圧が掛かっている。この液圧は空気抜き管52の出口側の大気圧よりも高いため、上部通気路3c側から混合液管路51へ流れ込んで来る空気は、より流路抵抗の小さい空気抜き管52側へと流れる。それによって、第1貯液槽50内に強い風圧で以て空気が流れ込んでくることを防止し、第1貯液槽50内で比重差により上下層に分離される溶剤と水との界面を安定させることができる。その結果、界面が大きく下がって第1排水管54を通して溶剤が排出されてしまうことを防止することができる。
上述のように第1貯液槽50内では比重差により上層に溶剤、下層に水と分離するが、シリコーン系溶剤では比重差が小さいために水の分離は十分ではなく、上層の溶剤の純度は悪い(それ故にここでは「低純度溶剤」と呼んでいる)。第1貯液槽50内の溶剤の液位が上昇して溶剤流出口56aを超えると、低純度溶剤が溶剤採取管56を通して第2貯液槽57に流れ込む。一方、第1排水管54の起立部54a内の水位も上がって、本発明における屈曲部に相当する水平部54bに達すると水は外部に排出される。なお、通気管55が設けられているために、所定量の水が水平部54bを介して排出された後に第1排水管54内は負圧にならずサイホン作用は生じない。そのため、低純度溶剤の液位が低下するに伴い第1排水管54内の水面が水平部54bよりも下がると、第1排水管54を介した水の流出は速やかに停止する。
第1貯液槽50内に流入して来る混合液には、洗濯物から出た埃や小さな糸屑などのゴミ類が混入している。こうしたゴミ類は比重の関係から、その多くが水と低純度溶剤との間の界面付近に集まる。第1分離器18Aの構成では、界面が溶剤流出口56aを超えることはないから、ゴミ類の殆どは第1貯液槽50内に留まり、第2貯液槽57へ流れ込むことを防止することができる。
第2貯液槽57内に低純度溶剤が溜まると、微量の水が混じった溶剤が溶剤選択フィルタ58を通過しようとする過程で、フィルタ58の繊維自体の性質や密度などの作用により、溶剤と水との表面張力などの特性の差のために溶剤はフィルタ58の繊維の隙間を通過する一方、水は繊維表面で凝縮され大きな水滴に成長する。すると、水滴の自重(溶剤との比重差)によって水滴は沈殿し、第2貯液槽57の底部に集まる。第2貯液槽57内の低純度溶剤の液位が上昇するに伴ってフィルタ58で囲まれた空間(本発明における高純度溶剤貯留部)内で高純度溶剤の液位が上昇し、上端口60aを超えると溶剤回収管60に流れ込み、溶剤タンク20へと回収される。
一方、第2貯液槽57の底部には水が溜まるが、もともと低純度溶剤に含まれる水の量は微量であるため貯留速度は遅い。そこで、第2分離器18Bでは第1分離器18Aとは異なり、液位に応じて自発的に排水が行われる構成とする代わりに、バルブ63を開放することで第2排水管62を通して排水を行うようにしている。もちろん、第2排水管62を第1排水管54と同様の構成としてもよい。
以上のようにして、溶剤回収管60からは水が全く又は殆ど含まれない高純度のシリコーン系溶剤が流出する。また、上述したように第1貯液槽50とは別に第2貯液槽57を設けたことにより、第2貯液槽57にはゴミ類が殆ど流れ込まず、溶剤選択フィルタ58にゴミ類が付着して目詰まりするおそれがない。それによって、フィルタ58の掃除や交換の手間を大幅に軽減でき、ランニングコストの節約につながる。
なお、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
本発明の一実施例であるドライクリーニング装置の配管経路を中心とする要部の構成図。 本実施例のドライクリーニング装置の電気系構成図。 本実施例のドライクリーニング装置の洗濯行程の流れを示すフローチャート。 本実施例のドライクリーニング装置における水分離器の構成を示す概略断面図。 従来の水分離器の構成を示す概略断面図。
符号の説明
1…外槽
2…ドラム
3a…入口側通気路
3b…出口側通気路
3c…上部通気路
5…ブロア
6…ブロアモータ
7…仕切弁
8…吸気口
9…吸気弁
10…排気口
11…排気弁
12…乾燥ヒータ
15…乾燥クーラ
18…水分離器
18A…第1分離器
18B…第2分離器
20…溶剤タンク
50…第1貯液槽
51…混合液管路
51a…出口端
52…空気抜き管
53…活性炭フィルタ
54…第1排水管
54a…起立部
54b…水平部
55…通気管
56…溶剤採取管
56a…溶剤流出口
57…第2貯液槽
58…溶剤選択フィルタ
59…ホルダ
60…溶剤回収管
60a…上端口
61…排気管
62…第2排水管
63…バルブ

Claims (7)

  1. 溶剤を用いて洗濯された洗濯物が収容される乾燥槽と、該乾燥槽に空気を送り込むとともに該乾燥槽から空気を取り出すための通気路と、該通気路中に所定方向の空気流を生起させる送風手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽から吐き出された空気に含まれる気化溶剤を凝縮・液化させるための冷却手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽に送り込む空気を加熱する加熱手段と、前記冷却手段の冷却により凝縮・液化された溶剤と水との混合液から水を除去して溶剤を回収する水分離手段と、を具備するドライクリーニング装置において、
    前記水分離手段は、前記通気路から取り出された混合液を一旦貯留する貯液槽を有し、前記通気路内から前記貯液槽へと混合液を案内する混合液管路の途中に空気抜き部を設けたことを特徴とするドライクリーニング装置。
  2. 前記空気抜き部は、気化溶剤を捕集するフィルタを介して前記混合液管路中の空気を排出するものであることを特徴とする請求項1に記載のドライクリーニング装置。
  3. 前記混合液管路の出口端は、前記貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する溶剤中に浸漬されるように設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライクリーニング装置。
  4. 前記水分離手段は、
    前記貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する溶剤を取り出す溶剤流出口を上端に有する溶剤回収管と、
    前記貯液槽の下部に接続され、該接続部位よりも高い位置まで水を持ち上げる起立部と、該起立部よりも下流にあってその最上部が前記溶剤回収管の溶剤流出口と同一又はそれよりも低くなるように配設された屈曲部とを含む排水管と、を備え、
    前記混合液管路の出口端は前記排水管の屈曲部の最上部よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のドライクリーニング装置。
  5. 前記水分離手段は、前記貯液槽を第1貯液槽として、
    該第1貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する低純度溶剤を取り出す溶剤流出口を上端に有する溶剤採取管と、
    前記第1貯液槽内に貯留された混合液中で下層側に位置する水を排出するための第1排水管と、
    前記溶剤採取管を通して取り出された低純度溶剤を一旦貯留する第2貯液槽と、
    該第2貯液槽に貯留された低純度溶剤中に浸漬され、低純度溶剤側から溶剤のみを選択的に浸透させる溶剤選択フィルタで以て前記低純度溶剤と隔てられた高純度溶剤貯留部を形成するフィルタ室と、
    該高純度溶剤貯留部から前記高純度溶剤を取り出す溶剤回収管と、
    前記第2貯液槽内の下層の水を排出する第2排水管と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライクリーニング装置。
  6. 溶剤を用いて洗濯された洗濯物が収容される乾燥槽と、該乾燥槽に空気を送り込むとともに該乾燥槽から空気を取り出すための通気路と、該通気路中に所定方向の空気流を生起させる送風手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽から吐き出された空気に含まれる気化溶剤を凝縮・液化させるための冷却手段と、前記通気路内にあって前記乾燥槽に送り込む空気を加熱する加熱手段と、前記冷却手段の冷却により凝縮・液化された溶剤と水との混合液から水を除去して溶剤を回収する水分離手段と、を具備するドライクリーニング装置において、
    前記水分離手段は、
    前記通気路から取り出された混合液を一旦貯留する第1貯液槽と、
    該第1貯液槽内に貯留された混合液中で水と溶剤との比重差により上層側に位置する低純度溶剤を取り出す溶剤流出口を上端に有する溶剤採取管と、
    前記第1貯液槽内に貯留された混合液中で下層側に位置する水を排出するための第1排水管と、
    前記溶剤採取管を通して取り出された低純度溶剤を一旦貯留する第2貯液槽と、
    該第2貯液槽に貯留された低純度溶剤中に浸漬され、低純度溶剤側から溶剤のみを選択的に浸透させる溶剤選択フィルタで以て前記低純度溶剤と隔てられた高純度溶剤貯留部を形成するフィルタ室と、
    該高純度溶剤貯留部から前記高純度溶剤を取り出す溶剤回収管と、
    前記第2貯液槽内の下層の水を排出する第2排水管と、
    を備えることを特徴とするドライクリーニング装置。
  7. 前記溶剤はシリコーン系溶剤であることを特徴とする請求項5又は6に記載のドライクリーニング装置。
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