JP3819698B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗濯乾燥機に関し、特に石油系溶剤等を用いて洗濯及び乾燥を行うドライクリーナに好適な洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油系溶剤等を用いて洗濯を行うドライクリーナとして、同一機器内で洗浄から乾燥までの一連の行程を行うホットドライ機と呼ばれる洗濯乾燥機が知られている。この種のドライクリーナの構成の一例としては、回転ドラムを内部に備えた外槽の底部を入口、上部を出口とする溶剤の循環流路を設け、該循環流路中にポンプ及びフィルタを設置している。そして、洗浄行程時に、ポンプ動作により外槽を含む循環流路内に溶剤を循環させることでフィルタにて溶剤を浄化し、溶剤を機外に排出することなく連続使用できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、石油系溶剤では、溶剤温度が25℃近傍であるときに最も高い洗浄性能が得られ、液温がそれよりも高くても低くても洗浄性能が劣化する。また、石油系溶剤は引火性が高く、液温が上昇すると安全性の点でも問題がある。上記構成においては、周囲環境からの熱伝導により溶剤の温度が変化するほか、溶剤が循環される間に、ポンプからの熱伝導や、流路を通過する際の摩擦熱等により温度が上昇する。
【0004】
そこで、従来のドライクリーナでは、溶剤の循環流路中に冷媒式のクーラ及び蒸気加熱式のヒータを設け、溶剤の温度を溶剤温度センサで検知しつつ、溶剤が所定温度(25℃近傍)に維持されるようにクーラ及びヒータの運転を制御している。一方、この種のドライクリーナでは、洗濯物の乾燥を行うためにドラムを含む循環通気路を設け、この通気路内に空気加熱用のヒータと、溶剤を凝縮液化して回収するためのクーラとを備えている。
【0005】
従来のドライクリーナでは、これら洗濯物の乾燥のための空気を加熱・冷却するヒータ及びクーラと、上記溶剤を加熱・冷却するためのヒータ及びクーラとをそれぞれ独立に設置しており、これがコストを上昇させる一因になっていた。特に、洗濯物乾燥用のクーラは溶剤冷却用のクーラよりも遙かに大きな冷却能力を必要とするため、同一の冷凍機から両クーラに冷媒を供給する構成を採ることができず、各クーラに対応してそれぞれ冷凍機を設ける必要があり、これがコスト増の大きな要因になっていた。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その目的の一つは、溶剤を冷却するための構成を従来に比べて非常に低廉なコストで実現することができる洗濯乾燥機を提供することにある。
【0007】
また、上述したように石油系溶剤は引火性が高いため、洗浄行程や乾燥行程時において、引火等の事故を未然に且つ確実に防止できるような各種の安全対策が必要となる。本発明はこのような点をも考慮して成されたものであり、その目的の一つは、引火等の事故を未然に、且つ従来よりも一層確実に防止するに有効な洗濯乾燥機を提供することにある。
【0008】
更にまた、このような溶剤を用いた洗濯乾燥機では、上述の課題以外にも、水を用いた洗濯乾燥機とは異なる配慮を必要とする。例えば、溶剤に水が混入すると洗濯物を傷めるおそれがある。本発明はこのような点をも考慮して成されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態、及び効果】
上記課題を解決するために成された第1の発明に係る洗濯乾燥機は、揮発性の溶剤を用いて洗浄を行う洗濯乾燥機であって、洗濯室及び乾燥室を兼ねる外槽と、該外槽を含んで循環風路を形成すべく該外槽に入口及び出口が接続された通気路と、該循環風路に空気を循環させる送風手段と、前記通気路内に設置された溶剤凝縮用のクーラと、該通気路内で該クーラよりも下流側に設置された空気加熱用のヒータと、を具備する洗濯乾燥機において、
溶剤を収容した溶剤貯留槽を含む溶剤流路の配管の一部を、前記クーラとヒータとの間の通気路内に配設して溶剤クーラと成したことを特徴としている。
【0010】
例えば、洗濯物の乾燥を行う際に、クーラ及びヒータを作動させ、送風手段により循環風路内に空気を循環させると、クーラとヒータとの間の通気路には、クーラで冷却されヒータで加熱される以前の冷たい空気が流れる。溶剤クーラにおいて配管中を流れる溶剤は、上記冷気により周囲に熱を奪われて冷却される。つまり、溶剤クーラは、溶剤凝縮用のクーラで生成される冷気を用いた空冷式の冷却手段として機能する。したがって、この構成によれば、従来のように、溶剤を冷却するためのクーラを外部に設ける必要がない。また、チラーも溶剤凝縮用のクーラのための1台のみですむ。
【0011】
また、上記第1の発明に係る洗濯乾燥機では、溶剤を加熱する溶剤ヒータと、溶剤の温度を検知する温度検知手段とを前記溶剤流路中に設け、該溶剤流路に溶剤を流し、前記送風手段、クーラ及びヒータを作動させる際に、前記温度検知手段による検知温度に基づいて前記加熱手段を制御することにより、溶剤の温度を所定温度近傍に維持する構成とすることができる。
【0012】
この構成によれば、クーラ及びヒータの能力や制御とは別に、溶剤ヒータを制御することにより、溶剤の温度制御を行うことができる。特に、洗濯物の乾燥に最適であるようにクーラ及びヒータの能力が決められている又は制御された場合、これらにより溶剤クーラの冷却能力が決まってしまうが、溶剤ヒータを制御すれば、溶剤クーラの冷却能力に拘わらず溶剤の温度を制御することができる。更には、周囲環境等の影響で溶剤の温度が低過ぎる場合にも、溶剤ヒータを用いれば溶剤の温度を制御することができる。
【0013】
また、上記のような溶剤の温度制御はヒータ、クーラ及び送風手段を作動した状態であればいつでも行うことが可能であるが、洗濯物の乾燥時にはこれらが作動しているので、その期間に溶剤の温度制御を行うのが効率的である。すなわち、前記溶剤流路は溶剤貯留槽を含む循環流路であって、洗濯物の乾燥行程時に該循環流路に溶剤を流すことにより、溶剤の温度を制御する構成とすることが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明に係る洗濯乾燥機の一実施例であるドライクリーナを図面を参照しつつ説明する。図1は、本ドライクリーナの配管経路を中心とする要部の構成図である。まず、図1により本ドライクリーナの機械的な構成を説明する。
【0034】
外槽1内には周囲に多数の孔を有する円筒形状のドラム2が回転自在に軸支されており、外槽1の壁面には、入口側通気路3a、出口側通気路3b、及び溶剤の排液管路4が接続されている。入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3b、及び上部通気路3cから循環風路が形成され、ブロアモータ6により回転駆動されるファン5の吸引力によりこの循環風路内を空気が流れる。上部通気路3cと入口側通気路3aとの間にはこの通気路を開閉可能な仕切弁7が設けられ、この仕切弁7のすぐ下流側には、開閉可能な吸気弁9を有する吸気口8が配置されている。また、出口側通気路3bと上部通気路3cとの間には排気口10が配置されている。
【0035】
この構成では、吸気弁9が開放され、仕切弁7が閉塞された状態でファン5が回転されると、吸気口8から流入した空気が入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3bを通って排気口10から外部に排出される(この空気経路を「排気方式」という)。また、吸気弁9及び仕切弁7が共に開放された状態でファン5が回転されると、吸気口8から流入した空気が入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3bを通り、その一部は排気口10から外部に排出され、その残りが上部通気路3cを経て入口側通気路3aへと循環する(この空気経路を「循環排気方式」という)。更にまた、吸気弁9を閉鎖する一方、仕切弁7を開放した状態でファン5が回転されると、入口側通気路3a、外槽1、出口側通気路3b、上部通気路3cを通って空気が循環する(この空気経路を「密閉排気方式」という)。
【0036】
入口側通気路3a内には蒸気加熱方式の乾燥ヒータ11が設けられ、乾燥ヒータ11の下流側にはドラム入口温度センサ12及びドラム入口過熱防止センサ13が設けられている。乾燥ヒータ11のパイプ中には、機外に配置されたボイラ30から高温(通常100〜120℃)の蒸気が第1蒸気弁VS1を介して供給され、この蒸気は第3蒸気弁VS3を介してボイラ30に還流する。これにより、入口側通気路3aを通過する空気は乾燥ヒータ11で熱せられて、外槽1に送り込まれる。また、出口側通気路3b内には、ドラム出口温度センサ14が設けられており、ドラム2内を通過した空気の温度が検知される。
【0037】
一方、上部通気路3c内には水冷方式の乾燥クーラ15が設けられ、乾燥クーラ15の下流側にはクーラ温度センサ16が設けられている。乾燥クーラ15のパイプ中には、機外に設置されたチラー31で冷却された冷水が循環供給される。出口側通気路3b側から送られてきた空気が乾燥クーラ15にて急激に冷却されると、その空気に含まれる溶剤ガスは凝縮して液化し滴下する。この液化した溶剤は排液口17から流れ出て水分離器18に至り、ここで水が除去されて溶剤のみが溶剤タンク20へ回収される。
【0038】
外槽1の底部に接続された排液管路4は、ドラム2内の溶剤が所定液位であることを検知する標準液位センサ19a、及び、外槽1内の溶剤が排出されたことを検出する排液液位センサ19bを備えるボタントラップ19に連結されている。ボタントラップ19は、排出された溶剤に混入する衣服のボタンのような固形物を除去するための一種のフィルタである。溶剤タンク20の給液口20a及びボタントラップ19の排液口19cは、それぞれ給液弁VL1及び排液弁VL2を介してポンプ21の吸入口に接続されている。このポンプ21の吐出口は逆止弁22を経て、第1三方切替弁VL3によりフィルタ23の流入口又は流出口のいずれかに接続される。フィルタ23は紙フィルタ、活性炭フィルタ等で構成され、溶剤に混入した微細な塵埃等の不純物を除去するものである。
【0039】
フィルタ23の流出口は溶剤ヒータ24に接続されている。溶剤ヒータ24は、溶剤の流通経路内に高温蒸気の配管路24aが配設された構成を有し、その高温蒸気は第2蒸気弁VS2により制御される。この溶剤ヒータ24の下流側には液温センサ25と液温過熱防止センサ26とが設けられ、更にその下流にはソープ濃度センサ27が設けられている。その下流側の流路は、上部通気路3c内にあって乾燥クーラ15と乾燥ヒータ11との間に配設された溶剤クーラ28に接続されている。溶剤クーラ28は管路中に溶剤を流通させ、その管路の周囲に流れる冷却された空気との熱交換によって溶剤を冷却するものである。つまり、この溶剤クーラ28自体は冷却のために冷媒や冷水を使用しておらず、乾燥クーラ15により冷却された空気を利用した一種の空冷式のクーラである。この溶剤クーラ28の出口は第2三方切替弁VL4により、外槽1又は溶剤タンク20のいずれかに接続される。更に、ポンプ21の吸入口には、ソープ供給弁VL5を介してソープ貯留槽29も接続されている。
【0040】
上記のように構成された溶剤の循環経路において、溶剤を外槽1内に供給する場合には、排液弁VL2を閉鎖、給液弁VL1を開放し、溶剤クーラ28の出口を第2三方切替弁VL4によって外槽1に接続すると共に、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によってフィルタ23の流入口に接続し、ポンプ21を駆動する。すると、溶剤タンク20に貯留されている溶剤は給液弁VL1、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、フィルタ23、溶剤ヒータ24、溶剤クーラ28、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に供給される(以下、これを「溶剤供給経路」という)。
【0041】
一方、外槽1に貯留された溶剤を排出する場合には、排液弁VL2を開放、給液弁VL1を閉鎖し、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によってフィルタ23の流入口に接続すると共に、溶剤クーラ28の出口を第2三方切替弁VL4によって溶剤タンク20に接続して、ポンプ21を駆動する。すると、溶剤は、外槽1から、排液管路4、ボタントラップ19、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、フィルタ23、溶剤ヒータ24、溶剤クーラ28、第2三方切替弁VL4を経て溶剤タンク20へと戻る(以下、これを「溶剤排出経路」という)。この場合、溶剤を溶剤タンク20に回収する過程でフィルタ23により浄化することができる。
【0042】
また、溶剤を外槽1に供給しない状態では、給液弁VL1を開放、排液弁VL2を閉鎖し、ポンプ21の吐出口側を第1三方切替弁VL3によってフィルタ23の流入口に接続すると共に、溶剤クーラ28の出口を第2三方切替弁VL4によって溶剤タンク20に接続し、ポンプ21を駆動する。すると、溶剤は、溶剤タンク20から、給液弁VL1、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、フィルタ23、溶剤ヒータ24、溶剤クーラ28、第2三方切替弁VL4を経て溶剤タンク20へと循環する(以下、これを「溶剤浄化温度管理経路」という)。したがって、溶剤を循環している過程でフィルタ23により浄化することができる。
【0043】
また、このように溶剤を循環させているとき、乾燥ヒータ11及び乾燥クーラ15を作動させ、ブロアモータ6を駆動してファン5により上記循環風路に空気流を発生させれば、溶剤クーラ28を冷却手段として機能させることができる。すなわち、乾燥クーラ15で冷却された空気流が溶剤クーラ28の溶剤管路に接触し熱を奪う。これにより、溶剤クーラ28の出口側では入口側よりも溶剤の温度が低下する。溶剤の温度が目標温度(例えば約25℃)よりも低過ぎる場合には、第2蒸気弁VS2を開いて溶剤ヒータ24に蒸気を供給し、溶剤を適度に加温すればよい。このようにして、溶剤の温度が目標温度近傍に保持されるように管理することができる。上述したように、この溶剤クーラ28は従来の溶剤クーラと違い、それ自身に冷水や冷媒を必要としない。また、熱交換の効率を向上させるために螺旋状又はその他の形状に成形した溶剤管路を、循環風路内に設置すればよいだけであるので、溶剤クーラ28自体の構造の非常に簡単なものとなる。
【0044】
図2は、本ドライクリーナの電気系の構成図である。制御部40はマイクロコンピュータ等から構成され、CPUのほか、運転制御プログラムが格納されたROMや、運転等に必要なデータを読み書きするためのRAM等を備えている。制御部40には、キー入力スイッチ等を備えた操作部42、数値等の表示パネルを備えた表示部43のほか、上述した、ドラム入口温度センサ12、ドラム出口温度センサ14、クーラ温度センサ16、液温センサ25、標準液位センサ19a、排液液位センサ19b、ソープ濃度センサ27、及び後述する水検出センサ45が接続されている。
【0045】
制御部40は上記各センサから検出信号を受け、運転制御プログラムに従って負荷駆動部41に制御信号を出力し、負荷駆動部41を介して、ドラムモータ2a、ブロアモータ6、ポンプ21、吸気弁9、仕切弁7、給液弁VL1、排液弁VL2、第1三方切替弁VL3、第2三方切替弁VL4、ソープ供給弁VL5、及び第1〜第3蒸気弁VS1〜VS3をそれぞれ駆動する。なお、制御部40に接続された温度センサとしてはサーミスタが使用されている。
【0046】
また、ドラム入口過熱防止センサ13及び液温過熱防止センサ26もサーミスタであるが、制御部40ではなく、各センサによる抵抗変化をハードウエア的に検出する動作検出回路44に接続されており、この動作検出回路44の出力に応じて負荷駆動部41が制御されるようになっている。これにより、制御部40が正常に動作していない場合でも、ドラム入口過熱防止センサ13及び液温過熱防止センサ26によってそれぞれ異常過熱が検出されたときには、乾燥ヒータ11及び溶剤ヒータ24による加熱を停止できるようにしている。従来、このような異常過熱の防止のためのセンサとしてはサーモスタットが利用されており、異常過熱の検出遅延や動作の不安定性が問題であったが、本ドライクリーナでは異常過熱の検出にもサーミスタを利用しているので、このような問題を解消することができる。
【0047】
次に、上記構成を有するドライクリーナの全洗濯行程を、図3のフローチャートに沿って概略的に説明する。
【0048】
(1)洗浄行程(ステップS1)
作業者により操作部42のスタートキーが操作されて運転開始が指示されると、制御部40は、ドラムモータ2aを駆動しドラム2を断続的に低速(30〜50rpm)で正逆回転(反転)させる。また、これと同時に、上述した溶剤供給経路を形成して、外槽1内に所定量の溶剤が溜まるまで溶剤タンク20から溶剤を供給する。
【0049】
標準液位センサ19aにより所定液位に達したことが検出されると、給液弁VL1を閉鎖すると共に排液弁VL2を開放する。これにより、外槽1内に貯留された溶剤が、排液管路4、排液弁VL2、ポンプ21、第1三方切替弁VL3、フィルタ23、溶剤ヒータ24、溶剤クーラ28、第2三方切替弁VL4を経て外槽1内に循環される。したがって、ドラム2の反転回転によるたたき洗い時には、溶剤が上記のように循環供給され、洗濯物から出た固形物はボタントラップ19で捕集され、更に溶剤はフィルタ23で浄化される。なお、洗浄運転時には、洗浄性能を向上させると共に後述の如く帯電防止のために、適度なソープ濃度となるようにソープを投入する。ソープ投入動作は、ポンプ21を作動させた状態でソープ供給弁VL5を開放することにより達成できる。
【0050】
(2)脱液行程(ステップS2)
所定の洗浄運転時間(例えば7分)が経過すると、上述したように溶剤排出経路を形成し、外槽1内に貯留されている溶剤を溶剤タンク20へと回収する。そして、排液液位センサ19bにより排液が終了したことを検出すると、その後にドラム2を高速(400〜600rpm)で正転させる。このとき上記のような排液動作を継続して行い、洗濯物から排出された溶剤が溶剤タンク20へと戻るようにする。そして、所定の脱液運転時間が経過するとドラム2を停止させ脱液行程を終了する。
【0051】
(3)乾燥行程(ステップS3)
脱液行程の終了後、乾燥行程に移行する。乾燥行程では、制御部40は、ドラム2を断続的に低速で正逆回転させると共に、ブロアモータ6、乾燥クーラ15及び乾燥ヒータ11を駆動する。このとき、吸気弁9を適宜に開放・閉鎖し、仕切弁7を開放する。これにより、乾燥した熱風が外槽1に供給され、ドラム2の通風孔を通過して洗濯物から揮発した溶剤ガスを含む空気の多くが乾燥クーラ15に循環する。溶剤ガスは乾燥クーラ15にて冷却され凝縮液化するため、溶剤が除去された乾燥風が乾燥ヒータ11に戻り、再加熱されて外槽1へと循環する。
【0052】
この乾燥行程では、引火等の事故を確実に防止するために、循環風内の溶剤濃度を安全値(例えば、溶剤がガソリン5号の場合には0.6vol%)以下に保つべく、次のような温度管理を実行している。すなわち、ドラム2内での溶剤ガス濃度は、ドラム入口温度センサ12により検知される熱風温度と、ドラム出口温度センサ14により検知される、洗濯物から溶剤を蒸発させて温度が低下したあとの空気温度との差に依存している。そこで、この温度差を所定温度差以下に維持するように、乾燥ヒータ11に供給する蒸気を制御すれば、具体的には、第1、第3蒸気弁VS1、VS3の開閉を制御すれば、ドラム2内の溶剤ガス濃度を安全値以下に保ちつつ乾燥を遂行することができる。
【0053】
なお、上述のような乾燥運転が実行されている間、上記溶剤浄化温度管理経路が形成されて、溶剤が浄化されると共に、溶剤の温度が約25℃になるように温度管理が実行される。このような温度管理を行わない場合、通常、主としてポンプ21からの熱伝導により溶剤の温度は25℃よりも高くなり、特に洗濯を繰り返すとその温度上昇が蓄積してゆくことになるが、乾燥行程時に溶剤の温度管理を行うことによって、溶剤の温度を25℃近傍に維持することができる。
【0054】
(4)脱臭行程(ステップS4)
所定の乾燥運転時間だけ上記乾燥を実行した後、ドラム2を反転させながら、第1、第3蒸気弁VS1、VS3を閉鎖して乾燥ヒータ11の動作を停止し、乾燥クーラ15で冷却した空気を外槽1に供給することによりクールダウンを実行する。更に、適度にクールダウンを行った後には、吸気弁9を完全に開放し、外部から新鮮な空気を外槽1に供給して洗濯物に残留する溶剤臭を除去した後に、ドラム2の回転を停止させ全洗濯行程を終了する。
【0055】
次に、上記洗濯行程の中で、本実施例のドライクリーナにおける特徴的な動作について詳しく説明する。
【0056】
上記洗浄行程時には、ソープ濃度センサ27で溶剤中のソープ濃度を検知し、ソープ濃度が例えば0.3%程度となるようにソープを混入させるようにしている。ソープは洗浄性能向上のみならず静電気帯電防止の効果を有しており、これによってドラム2内で洗濯物を撹拌する際に洗濯物同士、或いは洗濯物とドラム2内壁との摩擦により発生する静電気を除去することができる。しかしながら、溶剤のソープ濃度が0%でなくとも、ソープ濃度センサ27に溶剤が無いとソープ濃度は0%であると判定されてしまい、正確なソープ濃度測定が行えない。このようにソープ濃度センサ27に溶剤が無いような状態は、例えば、脱液運転中に強制的に運転を停止させ、引き続いて運転を再開させた場合等に起きる。
【0057】
そこで、本ドライクリーナでは、スタートキーの操作が行われた直後に、図4のフローチャートに示すようなソープ濃度管理制御を実行している。すなわち、スタートキーが操作される(運転の再開を含む)と(ステップS10)、上述したようにドラムモータ2a及びポンプ21を駆動する(ステップS11)。そのあと、ソープ濃度センサ27によりソープ濃度を検知し(ステップS12)、その値が0%であるか否かを判定する(ステップS13)。ソープ濃度が0%である場合には、タンク液循環動作を1分間実行する(ステップS14)。タンク液循環動作は、例えば上記溶剤浄化温度管理経路を形成してポンプ21を作動させればよい。これにより、溶剤が不足している等の問題がなければ、ソープ濃度センサ27に溶剤が確実に到達する。
【0058】
そのあと、ソープ濃度センサ27によりソープ濃度を再び検知し(ステップS15)、これが0.1%以上であるか否かを判定し(ステップS16)、0.1%以上であれば運転を開始する(ステップS22)。もし、検知したソープ濃度が0.1%未満であれば、ソープ供給弁VL5を所定時間開放してソープを投入する(ステップS17)。そして、再びソープ濃度を検知して0.1%以上であるか否かを判定し(ステップS18、S19)、0.1%以上であれば運転を開始する。ここで、検知したソープ濃度が未だ0.1%未満である場合には、運転を停止し(ステップS20)、表示部43にエラーを表示する(ステップS21)。
【0059】
このような制御により、溶剤のソープ濃度が0%の状態では運転が実行されないので、静電気により溶剤に引火する事故を未然に防止することができる。また、溶剤中のソープ濃度は0%でないにも拘わらずソープ濃度センサ27に溶剤が無いために、誤って0%であると判定されてしまって運転が行えないという不具合も起こらない。
【0060】
また、ソープ濃度センサ27が故障していると上述したような制御が行えないのみならず、溶剤中にソープを過剰に投入してしまうという不具合も起こり得る。そこで、本ドライクリーナでは、ソープ濃度センサ27自体の故障・不具合を図5のフローチャートに示す制御により検出するようにしている。
【0061】
ソープ濃度センサ27によって検知されたソープ濃度が目標値(通常0.3%)未満である場合、制御部40はソープ投入動作を実行するが、このソープ投入動作の直後には、投入されたソープを多く含む溶剤がソープ濃度センサ27を通過するため、一時的にソープ濃度が上昇する。そこで、ソープ投入動作が為された(ステップS30)直後に、ソープ濃度センサ27による検知値の上昇幅を求め(ステップS31)、この上昇幅が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0062】
ここで、ソープ濃度の上昇幅が所定値未満である場合には(ステップS32で「N」)、ソープ貯留槽29におけるソープ残量が少ない場合と、ソープ濃度センサ27が故障している場合とが想定し得る。もし後者であるとすると、ソープ濃度管理が正確に行えず、異常に高いソープ濃度で洗浄を行うことになりかねないから、以降のソープ投入動作を禁止する(ステップS33)。そして、そのまま全ての洗濯行程が終了するまで運転を継続し(ステップS34)、運転終了後に表示部43にエラーを表示する(ステップS35)。ステップS32でソープ濃度の上昇幅が所定値以上であれば、そのまま通常の運転を継続する(ステップS36)。
【0063】
このような制御により、洗濯行程自体は完遂され、更に、運転終了後のエラー表示を見て、作業者はソープが消耗しているか否かを確認する。ソープが消耗していない場合には、ソープ濃度センサ27が故障している可能性が高いと判断できるので、修理を依頼する等の適切な処置を採ることができる。
【0064】
続いて、本ドライクリーナにおける脱液行程時の特徴的な動作について説明する。脱液運転時にはドラム2を高速で回転させるから、ドラム2内の洗濯物がドラム2の回転軸周りにアンバランスに分布していて重量に片寄りがあると、ドラム2が偏心して回転し異常振動や異常騒音の原因となる。そこで、本ドライクリーナでは、洗濯物の偏在に起因する偏心荷重をできる限り小さくした状態でドラム2の高速回転動作に移行できるように、図6のフローチャートに示すような制御を行っている。
【0065】
まず、脱液行程が開始されると、ドラム2の回転速度を約150rpmまで上昇させて所定時間運転を行う(ステップS40)。このときの回転速度は、ドラム2内の洗濯物に作用する遠心力が重力とほぼ均衡する回転速度(以下「均衡回転速度」という)よりは高いが、洗濯物の偏在が或る程度大きくても振動が許容できる範囲に抑えられる程度の低い回転速度である。ドラム2内での洗濯物の偏在が或る程度大きくても振動が許容できる範囲に抑えられる程度の低い回転速度である。このような回転速度では充分な脱液は行えないものの、洗濯物に含まれる一部の溶剤は洗濯物からしみ出してきて、ドラム2の外側に飛散する。すなわち、このような比較的低速(後記脱液回転速度に比較すれば)の回転速度により、或る程度の溶剤を絞り出す仮脱液が達成される。
【0066】
次いで、ドラム2がほぼ停止する程度にまで回転速度は低下され(ステップS41)、その状態からバランス調整運転が実行される(ステップS42〜S44)。図8は、バランス調整運転時の洗濯物の移動の様子を示した模式図である。
【0067】
バランス調整運転では、まず、ドラム2の回転速度を上記均衡回転速度よりも若干大きくなる程度に設定する(ステップS42)。このとき、図8(a)に示すように、ドラム2内の洗濯物は遠心力によってドラム2の内周壁に軽く張り付いて、ドラム2と一体に回転する。洗濯物の偏在に起因する偏心荷重があると推定される個所(図8中の偏心荷重位置)がドラム2上方に来るタイミングで(ステップS43)、短時間ドラム2の回転速度を均衡回転速度以下に低下する(ステップS44)。これにより、図8(b)に示すように、偏心荷重の主たる原因である重なっている洗濯物の一部(特にドラム2の軸側に位置する洗濯物)が重力により落下し、図8(c)に示すように、洗濯物が適度に分散した状態で再び洗濯物はドラム2の内周壁に軽く張り付いて、ドラム2と一体に回転する。そのため、洗濯物が適度に分散して偏心荷重が解消する可能性が高くなる。
【0068】
このようなバランス調整運転を実行する前に上記仮脱液を実行すると、次のような利点がある。仮に上記バランス調整運転により偏心荷重が殆どないような状態に洗濯物が分散配置されたとしても、それは各洗濯物が溶剤を含んだ状態でのバランスである。洗濯物はその布地の種類、織り方等によって溶剤の含有率が大きく相違しており、このような溶剤含有率の大きく相違する洗濯物が片寄って配置されていると、脱液が進行するに伴い偏心荷重が大きくなって極端に振動が増加するというおそれがある。バランス調整運転を実行する以前に、仮脱液により洗濯物に含まれる溶剤の量を減らす、つまり洗濯物そのものの乾燥重量に近づけるようにしておくと、脱液による各洗濯物の重量変化が軽減され、偏心荷重の増加も抑制することができる。したがって、脱液時に生じる振動やこれに伴う騒音を軽減できるという利点がある。
【0069】
更に、石油系溶剤を用いた洗浄の特徴として、溶剤が脱液された状態では洗濯物の表面の潤滑性が高くなる。すなわち、仮脱液を実行して洗濯物から溶剤が抜けるほど、洗濯物表面の潤滑性が増して各洗濯物が剥離し易くなる。バランス調整運転時に、ドラム2の回転速度を洗濯物に作用する遠心力が重力を下回る程度にまで落としても、洗濯物同士の張り付きが強いと洗濯物が思うように落下せず、偏心荷重が小さくならない。それに対し、このドライクリーナでは、仮脱液を行うことにより洗濯物同士の張り付きを弱め、バランス調整運転時にドラム2の軸側に位置する洗濯物のみをうまく落下させることができるので、バランス調整運転によって所望の偏心荷重範囲に収まる確率を向上させることができる。
【0070】
図6のフローチャートに戻って説明を続けると、上述したようなバランス調整運転を行ったあと、偏心荷重を検知し(ステップS45)、その偏心荷重の大きさ(偏心荷重量)に応じて脱液回転速度を決定する(ステップS46)。このときの偏心荷重量に対する脱液回転速度を図7に示す。図7にあるように、偏心荷重が1kg以下である場合には脱液回転速度を最高の600rpmとし、偏心荷重が1kg〜2kgの範囲にある場合には脱液回転速度を500rpmとし、偏心荷重が2kg〜3kgの範囲にある場合には脱液回転速度を450rpmとし、偏心荷重が3kg以上である場合には脱液回転速度を400rpmに決める。そして、このような脱液回転速度までドラム2の回転速度を上昇させ、所定の脱液時間だけ運転を行う(ステップS47)。
【0071】
なお、上記ステップS43、S45における偏心荷重の位置や大きさの検知方法としては、例えば、ドラムモータaの駆動電流の変動振幅、変動位相を利用することができる。
【0072】
脱液回転速度が低いほどドラム2や外槽1の振動は小さくなるから、上記のように偏心荷重量に応じて脱液回転速度を決めれば、偏心荷重が大きい場合であっても振動が極端に大きくなることを避けることができる。また、上記仮脱液によりバランス調整運転前に洗濯物に含まれる溶剤量が少なくなっているので、脱液の進行の過程で脱液率のアンバランスによって偏心荷重量が増加することも防止でき、これによる振動の増大も回避できる。
【0073】
その一方、脱液回転速度が低い場合には、脱液率が低下し、乾燥行程移行時に洗濯物に残留する溶剤の量が相対的に多くなる。その場合、乾燥されにくくなるという問題と共に、乾燥行程時にドラム2内の溶剤ガス濃度が高くなり易く、引火等の危険性が増すという問題もある。そこで、本ドライクリーナでは、乾燥行程において、次のような制御を行っている。
【0074】
すなわち、上記図7に示すように、偏心荷重量に応じて脱液回転速度は変更されるが、それと共に、乾燥時間と温度差制御値ΔTも変更される。ここで、温度差制御値ΔTは、上述したようにドラム入口温度とドラム出口温度との差が一定になるように乾燥ヒータ11による加熱を制御する際の、その温度差の目標値である。
【0075】
脱液運転が最も高い600rpmの回転速度で実行された場合には、脱液率は約90%に達し、洗濯物に残留する溶剤は少ない。そこで、乾燥時間を最短の12分に設定する。また、乾燥行程時にドラム2内の空気の溶剤ガス濃度は相対的に低くなるので、温度差制御値ΔTを大きくしても(つまり温度上昇を急激にしても)溶剤ガス濃度を安全値以下に抑えることが可能となる。そこで、温度差制御値ΔTを最大の30℃に設定する。脱液回転速度が100rpm低下する毎に、2分ずつ乾燥時間を延長し、洗濯物に残留する溶剤が確実に揮散するようにしている。また、温度差制御値ΔTは脱液回転速度が低くなるに伴い、25℃、20℃、15℃と順次低くする。
【0076】
上述した乾燥行程においては、ドラム入口温度センサ12による検知温度とドラム出口温度センサ14による検知温度との差がこの温度差制御値ΔTになるように、第1蒸気弁VS1、第3蒸気弁VS3の開閉を制御するわけであるが、上記制御によれば、ドラム2内の溶剤ガス濃度をピーク値を含めて爆発下限界濃度以下に保ちつつ、乾燥運転時間をできる限り短縮化することができる。
【0077】
ところで、本ドライクリーナでは蒸気を利用した乾燥ヒータ11を使用しているため、その蒸気配管に腐食、破損等が生じると蒸気が循環風路内に漏れ出し、溶剤に水が混入し洗濯物を傷めるおそれがある。そこで、本実施例のドライクリーナでは、次のような構成によって蒸気漏れを検出している。
【0078】
図9は本ドライクリーナにおける外槽1の側面縦断面図である。入口側通気路3aにあって乾燥ヒータ11下方には水回収槽32が設けられており、この水回収槽32に貯留した水の水位を水検出センサ45で検出するようになっている。乾燥ヒータ11から蒸気漏れが発生すると、この蒸気は凝縮して入口側通気路3aの内壁に水滴が付着する。水は入口側通気路3a内壁を伝い落ちて、水回収槽32の中に溜まる。水検出センサ45は水回収槽32の中の水が所定水位に達したことを検出すると制御部40に検出信号を与え、制御部40はこれを受けて表示部43にエラー表示を行う。作業者がエラー表示を確認すれば、蒸気漏れが発生していることを認識し、修理を依頼する等の適宜の処置を採ることができる。なお、水回収槽32又はこれに相当する水溜めを設ける位置は、蒸気が凝縮した水が溜まる個所であれば、いずれの位置でもよい。
【0079】
また、上述したように蒸気漏れが疑われる場合、乾燥ヒータ11の内部の蒸気配管等を点検する必要が生じる。そこで、そのような点検を行うために、本ドライクリーナでは、外部から乾燥ヒータ11を覗ける位置に点検用の連通口を設けている。図10は点検用連通口の構造を示す略断面図である。
【0080】
点検用連通口50は、乾燥ヒータ11が配設された個所の入口側通気路3aに設けられ、その端面は円筒状で外部に開放した開口部51に形成されている。その開口部51を閉塞するための蓋体53は、点検用連通口50の外側に突設されたボルト52にナット54で離脱自在に装着する構造となっている。点検用連通口50の開口部51の周縁端部には、気密保持用のゴム製のパッキン55が取り付けられている。パッキン55は、点検用連通口50の内側に向けて斜め上方に突出しつつ開口部51の周りに周回する内側突部55bと、点検用連通口50の外側に向けて斜め上方に突出しつつ開口部51の周りに周回する外側突部55aとを備える。
【0081】
入口側通気路3aは、吸気弁9や仕切弁7の開閉状態に応じて、その外側に対して圧力が高くなる正圧、又は圧力が低くなる負圧のいずれにもなり得る。例えば、点検用連通口50の内側が負圧になる場合には、図11(a)に示すように、外側突部55aが外側から内側に向かって押圧され、蓋体53の裏面に対して強く密着して高い気密性を維持できる。逆に、点検用連通口50の内側が正圧になる場合には、図11(b)に示すように、内側突部55bが内側から外側に向かって押圧され、蓋体53の裏面に対して強く密着して高い気密性を維持できる。
【0082】
すなわち、このパッキン55によれば、点検用連通口50の内側が正圧、負圧のいずれになっても高い気密性を維持することができる。また、このような気密性の高いパッキン55を用いれば、ボルト52とナット54による蓋体53の固定個所を少なくすることができる。更に、パッキン55が点検用連通口50の開口部51の周縁端部を覆うので、作業者のケガ防止のために、この周縁端部を滑らかに仕上げる必要がなく、高い安全性を確保しつつ仕上げ加工のコストを削減することができる。
【0083】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるドライクリーナの配管経路を中心とする要部の構成図。
【図2】 本実施例のドライクリーナの電気系の構成図。
【図3】 本実施例のドライクリーナの全洗濯行程を示すフローチャート。
【図4】 本実施例のドライクリーナにおけるソープ濃度管理制御のフローチャート。
【図5】 本実施例のドライクリーナにおけるソープ濃度センサの故障検出処理のフローチャート。
【図6】 本実施例のドライクリーナにおける脱液行程の制御フローチャート。
【図7】 本実施例のドライクリーナにおける偏心荷重量と脱液回転速度、乾燥時間及び温度差制御値との関係を示す図。
【図8】 本実施例のドライクリーナにおける脱液行程時のバランス調整運転時の洗濯物の移動状況を示す模式図。
【図9】 本実施例のドライクリーナにおける外槽の略縦断面図。
【図10】 本実施例のドライクリーナにおける点検用連通口の構造を示す略断面図。
【図11】 本実施例のドライクリーナにおける点検用連通口に設けたパッキンの機能を示す図。
【符号の説明】
1…外槽
2…ドラム
2a…ドラムモータ
3a…入口側通気路
3b…出口側通気路
3c…上部通気路
5…ファン
6…ブロアモータ
7…仕切弁
8…吸気口
9…吸気弁
10…排気口
11…乾燥ヒータ
12…ドラム入口温度センサ
14…ドラム出口温度センサ
15…乾燥クーラ
20…溶剤タンク
21…ポンプ
23…フィルタ
24…溶剤ヒータ
25…液温センサ
27…ソープ濃度センサ
28…溶剤クーラ
29…ソープ貯留槽
30…ボイラ
31…チラー
32…水回収槽
VL1…給液弁
VL2…排液弁
VL3、VL4…三方切替弁
VL5…ソープ供給弁
VS1〜VS3…蒸気弁
40…制御部
43…表示部
44…動作検出回路
45…水検出センサ
50…点検用連通口
51…開口部
53…蓋体
55…パッキン
55a…外側突部
55b…内側突部

Claims (3)

  1. 揮発性の溶剤を用いて洗浄を行う洗濯乾燥機であって、洗濯室及び乾燥室を兼ねる外槽と、該外槽を含んで循環風路を形成すべく該外槽に入口及び出口が接続された通気路と、該循環風路に空気を循環させる送風手段と、前記通気路内に設置された溶剤凝縮用のクーラと、該通気路内で該クーラよりも下流側に設置された空気加熱用のヒータと、を具備する洗濯乾燥機において、
    溶剤を収容した溶剤貯留槽を含む溶剤流路の配管の一部を、前記クーラとヒータとの間の通気路内に配設して溶剤クーラと成したことを特徴とする洗濯乾燥機。
  2. 溶剤を加熱する溶剤ヒータと、溶剤の温度を検知する温度検知手段とを前記溶剤流路中に設け、該溶剤流路に溶剤を流し、前記送風手段、クーラ及びヒータを作動させる際に、前記温度検知手段による検知温度に基づいて前記加熱手段を制御することにより、溶剤の温度を所定温度近傍に維持することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
  3. 前記溶剤流路は溶剤貯留槽を含む循環流路であって、洗濯物の乾燥行程時に該循環流路に溶剤を流すことにより、溶剤の温度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗濯乾燥機。
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