JP4454558B2 - ドライクリーナーおよびドライクリーナーにおける溶剤過熱防止手段のチェック方法 - Google Patents
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Description
かかるドライクリーニングを行うドライクリーナーには、衣類を収容して洗浄し、洗浄後の衣類を乾燥するためのドラムが備えられている。また、溶剤を溜めるためのタンクが設けられていて、タンクとドラムとの間で溶剤を流通できるようにされている。
そのために、洗浄工程において、タンクからドラムへ供給する溶剤の液温を正しく検知して、液温の調整を行わなければならない。
この発明は、また、溶剤のための過熱防止手段が、正常か否かのチェックを、溶剤全体の温度変化を伴わずに行えるようにしたドライクリーナーを提供することを目的とする。
請求項3記載の発明は、前記チェック手段は、洗濯工程の後の、前記ドラム内の洗濯物を乾燥する乾燥工程の開始時に機能して判定動作を行うことを特徴とする、請求項2記載のドライクリーナーである。
請求項5記載の発明は、前記温度検知手段は、サーミスタを含み、前記過熱防止手段は、サーミスタと、サーミスタの検知温度に基づいて動作するトランジスタ回路とを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のドライクリーナーである。
請求項7記載の発明は、洗濯用のドラムと、溶剤を溜めるためのタンクと、タンクからドラムへ溶剤を供給する供給路とを有し、供給路に、溶剤の温度調整手段、調整された溶剤の温度を検知する温度検知手段、および過熱防止手段が設けられているドライクリーナーにおいて、タンクからドラムへ向けて供給路を流れる溶剤の流量を減らし、温度検知手段が予め定める温度以上を一定時間継続して検知するまで、流れる溶剤を加熱し、その間に、過熱防止手段が作動するか否かによって、過熱防止手段の良否を判定することを特徴とする、ドライクリーナーにおける溶剤過熱防止手段のチェック方法である。
請求項2記載の発明では、チェック手段による判定の際には、タンクからドラムへ向けて供給路を流れる溶剤が加熱されるが、過熱防止手段を通過した後の溶剤は、ドラムへ供給されるわけではなく、供給路から返還路を通ってタンクへ戻される。それゆえ、ドラムに、必要以上に加熱された溶剤が供給されて溜まることはない。つまり、チェック手段による過熱防止手段の良否判定は、ドラムに供給される溶剤の温度変化を生じさせず、洗濯に影響を及ぼさない。
請求項4記載の発明では、ポンプの駆動がインバータ回路により行われるので、ポンプの回転数を制御し易く、タンクからドラムへ向けて供給路を流れる溶剤の流量をチェック手段の判定動作に適した流量に容易に調整することができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様、溶剤のための過熱防止手段が正常に作動するか否かを短時間で確実にチェックすることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係るドライクリーナーの配管系統図である。ドライクリーナーは、本体2およびタンク・フィルタキット3に区画されている。
本体2内には、洗濯物を収容するドラム4が設けられている。ドラム4は外槽5内に回転自在に備えられている。外槽5には、ドラム4内へ空気を導入するための空気入口6と、ドラム4内の空気を排出するための空気出口7とが備えられていて、空気出口7および空気入口6間は循環路8によって接続されている。循環路8は、空気出口7と空気入口6との間を接続する閉路である。
そのため、空気入口6からドラム4へ供給される加熱空気の温度を検出するために、循環路8内における乾燥ヒーター13の下流側(空気の流れ方向に見て下流側、以下同じ)に、入口温度検知手段としてのドラム入口温度サーミスタ14および過熱防止手段に含まれる入口温度過熱防止サーミスタ15が備えられている。入口温度過熱防止サーミスタ15は、図示しないが、トランジスタ回路と接続されており、たとえば95℃を検知することにより、トランジスタを介して回路を切断するためのものであり、サーモスタットと比べて作動温度をより正確に検知でき、温度反応性もよいという利点がある。
乾燥工程では、通常、ドラム入口温度サーミスタ14、ドラム出口温度サーミスタ16およびクーラー温度サーミスタ18の検知温度に基づいて、ブロアモータ9の回転、バルブV20、V12の開閉などが制御される。
よって、三方バルブV6の出口を切り換えることにより、第1フィルタ32および第2フィルタ33を通して溶剤を溶剤熱交換器39へ与えるか、これらフィルタ32、33を通さず、バイパス管40によってバイパスして溶剤熱交換器39へ与えるかを切り換えられる。
流通管46には、さらに、上記2つのサーミスタの下流側に、ソープ濃度センサー50が備えられている。
循環路8内の乾燥クーラー11、12で凝縮される溶剤を回収するため、循環路8の乾燥クーラー11、12の配置位置下方には、回収管62の一端が接続されている。回収管62の他端は水分離器63に接続されている。水分離器63では、回収される溶剤中に含まれている水分が分離され、分離された水はドレン管64を通って排水される。そして溶剤は回収管65を通ってタンク31へ戻される。
液面検出容器56の下端には回収管59の一端が接続されている。回収管59にはバルブV4が挿入されていて、回収管59の他端は合流点35と接続されている。
次に、図1に示す配管系統図における溶剤の流れについて説明をする。
洗濯工程では、まず、タンク31に溜められた溶剤がドラム4(外槽5)へ供給される。そのために、バルブV1が開かれ、溶剤ポンプ36が駆動され、三方バルブV6は流通管37側が開かれ、バルブV19は閉じられる。これにより、タンク31内の溶剤は、第1フィルタ31および第2フィルタ33を通って流通管38を流れ、溶剤熱交換器39で温度が調整された後、流通管46を通って三方バルブV9へと流れる。三方バルブV9は給液管51側が開かれており、給液管51を通って外槽5へと溶剤が供給される。供給時には、バルブV4は閉じられている。外槽5に溜まった溶剤の量は、液面スイッチ57で検知され、所定量(洗濯に適した量)の溶剤が外槽5に溜まると、バルブV9が切り換えられて、給液管51側が閉じられ、フィードバック管52側が開かれる。
なお、外槽5への溶剤供給時において、場合によっては、三方バルブV6を切り換え、溶剤をフィルタ32、33を通さずに、バイパス管40を通して溶剤熱交換器39へ与え、外槽5へ供給するようにしてもよい。
あるいは、バルブV19は閉じられ、流通管37を流れる溶剤が、フィルタ32、33、流通管39、溶剤熱交換器39、流通管36を通り、三方バルブV9を介してフィードバック管52を流れてタンク31へ戻されるようにしてもよい。こうすると、外槽5から排出される洗濯後の溶剤や、洗濯物から遠心力により脱液された溶剤を、フィルタ32、33を通すことにより、浄化してタンク31へ戻すことができる。
ドライクリーナーには、たとえばマイクロコンピュータ等で構成された制御部70が備えられている。制御部70には、ハードウェアまたはソフトウェアで構成された計時手段としてのタイマ71が含まれている。
液温過熱防止サーミスタ48および過熱防止回路48Aの良否をチェックする間は、制御部70は、ポンプ駆動用インバータ回路36Aを制御して、溶剤ポンプ36の送液量を低下させる。インバータ回路36Aにより、溶剤ポンプ36の送液量を、所望の量に低下できる。制御部70は、また、バルブV1を開き、三方バルブV6はバイパス管40側を開き、三方バルブV9はフィードバック管52側を開く。従って、タンク31の溶剤は、汲み出し管34→合流点35→溶剤ポンプ36→三方バルブV6→バイパス管40→溶剤熱交換器39→流通管46→三方バルブV9→フィードバック管52→タンク31の流路を循環される。
図3は、図2に示す制御回路の動作、すなわちこの実施形態における特徴となる過熱防止手段のチェック制御を示すフローチャートである。図3の流れに従って以下説明する。
ステップS6では、ポンプ駆動用インバータ回路36Aの制御周波数が20Hzから元の制御周波数である50Hzに戻され、溶剤ポンプ36による溶剤の送り量が元の流量に戻される。これにより、タンク31→汲み出し管→合流点35→溶剤ポンプ36→三方バルブV6→バイパス管40→溶剤熱交換器39→流通管46→三方バルブV9→フィードバック管52→タンク31と流れる溶剤の流れが通常の流量になる。また、蒸気入口弁であるバルブV20および溶剤加熱弁であるバルブV21が閉じられ、蒸気管41への蒸気供給が停止される。これにより、加熱された一部の溶剤は上記流路を循環されることによりタンク31内の溶剤と混ざり、溶剤全体の温度は希釈化されて通常の温度よりもたとえば1℃程度高い温度となるだけである。
液温サーミスタ47が40℃以上を20秒継続検知しているにもかかわらず、液温過熱防止サーミスタ48が35℃を検知したことに伴い作動するはずの過熱防止回路48Aが作動していない場合には(ステップS8でNO)、液温過熱防止サーミスタ48または過熱防止回路48Aが故障等のトラブルを生じているとして、制御部70はドライクリーナーの動作を停止させる。
また、場合によっては、毎回のワッシャー(洗濯工程、脱液工程および乾燥工程からなるドライクリーナーの1サイクルを1ワッシャーと称する)の度に行う必要はなく、数ワッシャーに1回のチェック動作を行うような構成であってもよい。
5 外槽
24、43、44 蒸気通路
36 溶剤ポンプ
39 溶剤熱交換器
40 バイパス管
41 蒸気管
46 流通管
47 液温サーミスタ
48 液温過熱防止サーミスタ
48A 加熱防止回路
52 フィードバック管
31 タンク
V1、V20、V21 バルブ
V6、V9 三方バルブ
70 制御部
Claims (7)
- 洗濯物を収容し、所定の溶剤を用いて洗濯を行うためのドラムと、
前記所定の溶剤を溜めるためのタンクと、
前記タンクからドラムへ溶剤を供給するための供給路と、
前記供給路に設けられ、タンクからドラムに向けて溶剤を送るための送液手段と、
前記供給路に設けられ、供給路を流れる溶剤の温度を設定温度に調整するための温度調整手段と、
前記温度調整手段で調整された後の溶剤の温度を検知するための温度検知手段と、
前記温度調整手段で調整された後の溶剤の温度が予め定める過熱温度に達したことを検知して動作する過熱防止手段と、
前記送液手段による送り量を低下させ、前記温度調整手段によって溶剤を加熱し、前記温度検知手段が予め定める温度以上を一定時間継続して検知し、前記過熱防止手段が作動するか否かを判別することによって、前記過熱防止手段の良否を判定するチェック手段と、
を含むことを特徴とするドライクリーナー。 - 前記ドラムの手前で弁を介して前記供給路から分岐されていて、前記ドラムへ向けて供給路を流れる溶剤をタンクへと戻すための返還路をさらに有し、
前記チェック手段は、判定を行うときに、前記弁を切り換て供給路から返還路へ溶剤を流すことを特徴とする、請求項1記載のドライクリーナー。 - 前記チェック手段は、洗濯工程の後の、前記ドラム内の洗濯物を乾燥する乾燥工程の開始時に機能して判定動作を行うことを特徴とする、請求項2記載のドライクリーナー。
- 前記送液手段は、ポンプと、ポンプを駆動するインバータ回路とを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のドライクリーナー。
- 前記温度検知手段は、サーミスタを含み、
前記過熱防止手段は、サーミスタと、サーミスタの検知温度に基づいて動作するトランジスタ回路とを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のドライクリーナー。 - 前記温度調整手段は、蒸気が流れる蒸気流路を有し、
蒸気流路と溶剤との間で熱交換を行わせる熱交換器を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のドライクリーナー。 - 洗濯用のドラムと、溶剤を溜めるためのタンクと、タンクからドラムへ溶剤を供給する供給路とを有し、供給路に、溶剤の温度調整手段、調整された溶剤の温度を検知する温度検知手段、および過熱防止手段が設けられているドライクリーナーにおいて、
タンクからドラムへ向けて供給路を流れる溶剤の流量を減らし、
温度検知手段が予め定める温度以上を一定時間継続して検知するまで、流れる溶剤を加熱し、
その間に、過熱防止手段が作動するか否かによって、過熱防止手段の良否を判定することを特徴とする、ドライクリーナーにおける溶剤過熱防止手段のチェック方法。
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