JP2001300206A - 有機溶剤中の水分除去方法および水分除去装置 - Google Patents

有機溶剤中の水分除去方法および水分除去装置

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JP2001300206A
JP2001300206A JP2000119215A JP2000119215A JP2001300206A JP 2001300206 A JP2001300206 A JP 2001300206A JP 2000119215 A JP2000119215 A JP 2000119215A JP 2000119215 A JP2000119215 A JP 2000119215A JP 2001300206 A JP2001300206 A JP 2001300206A
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saturated
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Masanobu Kanouchi
政信 叶内
Toyoaki Kishikawa
豊昭 岸川
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設備を大掛かりにせず、しかも供給される有機
溶剤中の水分含有量が大幅に変動しても、蒸留工程が安
定しており、円滑に蒸留操作を行うことができる有機溶
剤中の水分除去方法を提供する。 【解決手段】 コアレッサー14を用いて水分含有量が
飽和水分濃度以上である疎水性の有機溶剤の前記水分含
有量を飽和水分濃度近辺にする第1水分除去工程と、蒸
留塔15を用いて水分含有量が飽和水分濃度近辺である
有機溶剤の前記水分含有量をさらに低減させて100p
pm以下にする第2水分除去工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば溶液重合
などにより得られる重合反応液から回収される疎水性の
有機溶剤中の水分除去方法に係わり、特に有機溶剤中の
水分含有量が大幅に変動しても、円滑に蒸留操作を行う
ことができる有機溶剤中の水分除去方法および水分除去
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば共役ジエンや、これと芳香族ビ
ニルとの共重合体などの重合は、有機溶剤の存在下に行
われる溶液重合が一般的であるが、重合後の重合反応液
には、多くの場合、ポリマーの他、未反応モノマー、重
合媒体に用いた疎水性の有機溶剤および水などの残留物
質が含まれる。このため、ポリマーを含む重合反応液
は、通常、分離工程へ送られる。分離工程では、重合反
応液は、移送配管中およびストリッピングタンク内にス
チームを吹き込むことにより、未反応モノマーおよび有
機溶剤を蒸発除去させると同時に、ポリマーを小さなク
ラムとして凝固させ温水スラリーを生成させ、最終的に
は乾燥工程を経てポリマーはペレット状に加工され製品
化される。
【0003】その一方で、蒸発除去された有機溶剤は、
通常、回収されて次の重合工程に再使用されるが、回収
後の有機溶剤には1〜50重量%と飽和水分濃度以上の
多量の水分が含有されている。所定量以上の水が存在す
る有機溶剤をそのまま次の重合工程に用いると、水が重
合停止剤として働き、重合触媒を失活させ、重合阻害を
起こすことがある。このため、回収された有機溶剤を再
使用する前に、可能な限り多くの水分を除去して、水分
含有量を好ましくは100ppm以下、より好ましくは
10ppm以下に低下させる工程が行われる。
【0004】従来から、飽和水分濃度以上の多量の水を
含有する疎水性の有機溶剤から水を除去する方法として
は、デカンテーション、吸着剤の使用、蒸留などの方法
が適宜選択されて、あるいは適宜組み合わされて用いら
れている。また従来から、工業的に有機溶剤中の水分含
有量を100ppm以下にするためには蒸留が採用され
ているが、蒸留塔へ供給するフィード液の水分含有量
は、比較的低い範囲で安定している必要がある。フィー
ド液中の水分含有量が高すぎると、水と溶剤との共沸が
起こらず、蒸留塔内に設けてある棚段で水と有機溶剤と
が相分離して工程が不安定となる結果、十分な水分除去
を行うことができない。
【0005】このため、従来は、フィード液中の水分含
有量が多少変動しても十分に水分除去を行うべく2基の
蒸留塔を設置し、有機溶剤中の水分含有量が増加した場
合に対処していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2基の
蒸留塔を準備する従来の方式では、設備が大掛かりにな
る上に、有機溶剤中の水分含有量が大幅に変動した場合
には、上記同様に蒸留工程が不安定になり、円滑な蒸留
操業を行うことが困難であった。
【0007】なお、特開昭49−120261号公報で
は油分と水分とを分離するコアレッサが開示してあり、
特開昭48−57264号、特開昭49−39155号
公報、特開昭49−72767号公報および特開昭55
−162313号公報ではコアレッサを用いた油水分離
方法または装置が開示してあり、さらには特開平7−1
00302号公報および特開平8−108020号公報
ではコアレッサ型フィルターエレメントを用いた油水分
離装置およびこれを用いた超精密濾過システムがそれぞ
れ開示してあるが、何れの公報記載の技術も有機溶剤の
水分含有量を飽和水分濃度より大きく低減させるもので
はなかった。
【0008】本発明の目的は、設備を大掛かりにせず、
しかも供給される有機溶剤中の水分含有量が大幅に変動
しても、蒸留工程が安定しており、円滑に蒸留操作を行
うことができる有機溶剤中の水分除去方法、および水分
除去装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、航空燃料
や船舶燃料の中に混在する少量の水滴を除去する際など
に使用されているコアレッサーを、蒸留塔の前に使用す
ることにより、設備を大掛かりにすることなく、簡易な
設備で有機溶剤中の水分含有量を十分に、かつ円滑に低
減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明に係る有機溶剤中の水分
除去方法は、水分含有量が飽和水分濃度以上である疎水
性の有機溶剤の前記水分含有量を飽和水分濃度近辺にす
る第1水分除去工程と、水分含有量が飽和水分濃度近辺
である有機溶剤の前記水分含有量をさらに低減させて1
00ppm以下にする第2水分除去工程とを有する。
【0011】好ましくは、コアレッサーを用いて前記第
1水分除去工程を行い、蒸留塔を用いて前記第2水分除
去工程を行う。
【0012】本発明に係る水分除去装置は、水分含有量
が飽和水分濃度以上である疎水性の有機溶剤の前記水分
含有量を飽和水分濃度近辺にする第1水分除去手段と、
水分含有量が飽和水分濃度近辺である有機溶剤の前記水
分含有量をさらに低減させて100ppm以下にする第
2水分除去手段とを有する。
【0013】本発明において水分除去の対象となる疎水
性の有機溶剤は、特に限定されないが、飽和水分濃度が
30℃で1重量%未満である有機溶剤が好ましい。たと
えば溶液重合法などの重合工程により得られた重合反応
液から、スチームストリッピングなどの手段によりポリ
マーを分離して回収されるものである。
【0014】本発明において重合工程に好適なモノマー
としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどの共
役ジエン、または該共役ジエンと、スチレンなどに代表
される芳香族ビニルモノマーとの混合物が挙げられる。
【0015】本発明に適用できるポリマーは、特に限定
されないが、好ましくは共役ジエン系(共)重合体や、
芳香族ビニル−共役ジエン系共重合体であり、より好ま
しくは溶液重合法によるスチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、ポリイソプレンゴム
(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリ
ブタジエンゴム(BR)などである。
【0016】本発明に適用できる有機溶剤としては、た
とえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げら
れ、これらはそれぞれ単独で、或いは組み合わせて用い
られる。なお30℃の水に対する溶解度(飽和水分濃
度)は、ブタンが100ppm、ペンタンが160pp
m、ヘキサンが170ppm、シクロペンタンが250
ppm、シクロヘキサンが150ppm、ベンゼンが8
00ppmである。
【0017】
【作用】本発明に係る水分除去装置を用いた有機溶剤中
の水分除去方法によれば、供給される有機溶剤中の水分
含有量が大幅に変動し、飽和水分濃度以上の含水状態に
ある有機溶剤であっても、設備を大掛かりにせず、かつ
蒸留工程が安定しており、円滑に蒸留操作を行うことが
でき、しかも水分含有量が100ppm以下、好ましく
は10ppm以下である有機溶剤を効率よく得ることが
できる。その結果、回収された有機溶剤を重合ラインに
リサイクルさせても、重合触媒を失活させるおそれは少
なく、したがって重合阻害を起こすおそれは少ない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0019】図1は本発明に係る水分除去装置を用いた
水分除去システムの一例を示す概要図、図2は本実施形
態で用いられるコアレッサーの一例を示す概略断面図で
ある。
【0020】本実施形態では、たとえば溶液重合法によ
り得られた重合反応液から分離された残留物質に含まれ
る有機溶剤中の水分を除去するシステムを例に採り、説
明する。
【0021】図1に示されるように、本実施形態に係る
水分除去システム1は、ストリッピングタンク11と、
第1〜第2デカンタ12,13と、コアレッサー(第1
水分除去手段)14と、脱水塔としての蒸留塔(第2水
分除去手段)15とを有する。
【0022】ストリッピングタンク11は、ライン16
aから導入される重合後のポリマーを含む重合反応液か
らポリマーを分離させる槽であり、後述する第1デカン
タ12とはライン16により接続されている。
【0023】第1デカンタ12は、ライン16を通じて
供給された、重合反応液からポリマーを除去した後の水
分を含有する有機溶剤を有機溶剤相と水相とに分離させ
る槽であり、後述する第2デカンタ13とはライン17
により接続されている。また、本実施形態では、ライン
17の途中には水を供給するためのライン17aが接続
してある。
【0024】第2デカンタ13は、ライン17を通じて
供給された有機溶剤を静置分離することにより、有機溶
剤相と水相とに分離させる槽であり、後述するコアレッ
サー14とはライン18により接続されている。
【0025】コアレッサー14は、ライン18を通じて
供給された、水分含有量が飽和水分濃度以上である有機
溶剤中の水分を凝集させて除去する槽であり、後述する
蒸留塔15とはライン19により接続されている。
【0026】本実施形態に係るコアレッサー14は、図
2に示されるように、有底筒状のコアレッサー本体14
1を有し、この本体141の側壁上部には有機溶剤分排
出口141aが形成され、また底壁における外周側には
遊離水分排出口141bが形成してある。本体141の
径方向略中心位置には、周面に複数の通液孔142bが
開設してある中心筒142と、この中心筒142の外側
に近設または接触させて配置されるコアレッサー型フィ
ルター144とが形成してある。
【0027】中心筒142の下端は、本体141の底壁
を貫通して外部に露出しており、その露出した一端開口
部には、ライン18を通じて供給された第2デカンタ1
3からの有機溶剤が送り込まれる流入口142cが形成
してある。
【0028】フィルター144は、径方向内側から外側
に向けて濾目を段階的に小さくした多層体であり、その
素材としては紙や繊維が用いられる。フィルター素材は
一般的には非導電性素材が用いられるが、活性炭や炭素
繊維等の導電性素材を用いてもよい。なお、フィルター
144は、本実施形態では中心筒142に対して脱着可
能としてあるが、これに限定されるものではない。
【0029】本体141とフィルター144との間に
は、分離空間145が形成してあり、この分離空間14
5の径方向略中間位置には、本体141の底壁から本体
141の軸芯方向に沿って延びる壁146が形成してあ
り、壁146によって仕切られた内側空間145aを上
昇空間とし、外側空間145bを下降空間としてある。
そして、本体141の内部空間における上部空間部分を
有機溶剤排出口141aに連通した有機溶剤分集積空間
147aとし、下部空間部分を遊離水分排出口141b
に連通した遊離水分集積空間147bとして機能させて
いる。
【0030】蒸留塔15は、ライン19を通じて供給さ
れた、水分含有量が飽和水分濃度近辺まで下げられた有
機溶剤から、さらに水分を除去し、水分含有量を100
ppm以下にする塔であり、こうして水分含有量が極微
量とされた有機溶剤は、重合工程などに再使用される。
【0031】本実施形態では、蒸留塔15は通常の蒸留
装置が用いられる。たとえば、この種の蒸留装置として
は図示は省略するが、一般的には、蒸留塔本体と、前記
蒸留塔本体の塔頂から排出される蒸気を冷却して液化す
る凝縮器と、前記凝縮器により液化された留出液を貯留
する還流ドラムと、前記還流ドラムに貯留された留出液
の一部を前記蒸留塔本体の塔頂近傍にフェードする還流
ラインと、前記蒸留塔本体の塔底に配置される再沸器
(リボイラー)とを有する。前記還流ドラムからは、デ
カンテーションで分離した遊離水が抜き出され、前記リ
ボイラーからは、回収液として不純物の高沸点成分が抜
き出される。
【0032】蒸留装置の形態としては、例えば蒸留塔本
体内を多くの水平段板で区切り、液と蒸気との接触が段
階的に行われるようにした棚段塔、または異相間の物質
移動を能率良く行うために塔内に充填物を詰めた充填塔
などが挙げられる。
【0033】棚段塔を用いる場合の棚段数は、通常15
〜50段、好ましくは20〜45段である。蒸留の精度
(沸点の近いものを分別する能力)は、棚段数が大きい
程優れているが、あまり大きなものはコストが増大する
ので、能力とコストのバランスを考えて選択される。
【0034】供給段や抜き出し段の位置は、特に限定さ
れず、有機溶剤の種類や組成、除去精度により適宜選択
される。
【0035】有機溶剤の加熱方法には、ライン19から
供給される有機溶剤をあらかじめ、スチームにより熱交
換しながら加熱する方法や、塔底部に加熱部を設置する
方法などがあるが、本発明においては特に限定されな
い。
【0036】蒸留は、加圧ないし減圧下で行う。操作圧
力は、溶剤の種類や組成、その除去精度によって適宜選
択されるもので、特に限定されない。温度条件(供給液
温度、ボトム温度、トップ温度)も同様である。
【0037】還流比(蒸留塔内に還流される液量/供給
量)は、流量比で、通常0.1〜3.0、好ましくは
0.2〜1.5である。還流比が小さすぎると分離が悪
くなり、大きすぎるとエネルギー効率が悪くなる。
【0038】なお、本実施形態では、蒸留塔15を1基
しか設けてないが、2基以上設けてもよい。
【0039】次に作用を説明する。
【0040】重合後のポリマーを含む重合反応液がライ
ン16aを通じてストリッピングタンク11に導入さ
れ、ポリマーと有機溶剤とに分離され、このうち有機溶
剤はライン16を通じて第1デカンタ12に供給され
る。タンク11におけるストリッピング方法は、公知の
方法で行うことができるが、特にスチーム吹き込みによ
って行う方法が好ましい。なお、前記ストリッピング工
程にて分離されたポリマーは、クラムとして凝固されて
温水スラリー中に浮遊するが、この温水スラリーは、ラ
イン16bを通じて乾燥工程(図示省略)へ送られ、最
終的にはペレット状に加工される。
【0041】第1デカンタ12に供給されたストリッピ
ング後の有機溶剤には、未反応モノマーおよび水溶性ア
ルコールなどの重合反応停止剤の他、水分を含有する
が、第1デカンタ12内を緩やかに通過する際に、有機
溶剤相と水相とに分離され、このうち有機溶剤相は、ラ
イン17を通じて第2デカンタ13に供給される。本実
施形態では、有機溶剤相に含まれる反応停止剤を除去す
るために、ライン17の途中に接続されたライン17a
から水を、前記有機溶剤相に対して好ましくは重量比
(1/5)〜(2/1)程度混合した後、第2デカンタ
13に供給する。なお、第1デカンテーションにて分離
された水相中の水は、ライン17bを通じて回収され
る。
【0042】第2デカンタ13に供給された第1デカン
テーション後の有機溶剤は、好ましくは15分〜2時間
程度の静置分離により、有機溶剤相と水相とに分離さ
れ、このうち有機溶剤相は、ライン18を通じてコアレ
ッサー14に供給される。なお、静置分離により、メタ
ノールは水相中に移行し、この水相はライン18bを通
じて回収される。
【0043】コアレッサー14に供給された第2デカン
テーション後の有機溶剤は、飽和水分濃度以上、好まし
くは飽和水分濃度〜50重量%程度の水分を含有する。
この有機溶剤は、図2中の実線矢印で示されるように、
流入口142cから中心筒142の内部に入り、複数の
通液孔142bを通じてフィルター144の内周面から
フィルター内に侵入し、フィルター144内を外表面に
向かって通過してフィルター144の外部に出る。フィ
ルター内を通過する有機溶剤は、有機溶剤の通過方向上
流側から下流側に向かって段階的に小さくなる細穴を通
過する過程でエマルジョン破壊が起こり、有機溶剤中の
遊離水分がフィルター144の外表面に凝集し、やがて
は大きな水滴に成長する。こうして粗大化した水滴は、
図2中の1点鎖線矢印で示されるように、その比重差で
沈降分離して遊離水分集積空間147bに集積した後、
遊離水分排出口141bを通じて回収されてコアレッサ
ーから排出され、図1のライン19bにより、第2デカ
ンタ13の直前のライン17に戻される。一方、遊離水
分が除去された有機溶剤分は、分離空間145におい
て、滞留させつつ上昇および降下を繰り返させ、この上
昇および下降の過程で有機溶剤粒子の凝集粗粒化をはか
る。そして、上昇及び降下の過程で有機溶剤分は、図2
中の破線矢印で示されるように浮上し、有機溶剤分集積
空間147aに集積した後、有機溶剤分排出口141a
およびライン19を通じて蒸留塔15に供給される。
【0044】蒸留塔15に供給されたコアレッサー14
からの有機溶剤は、水分含有量が飽和水分濃度近辺にま
で低下しており、蒸留塔15にてさらに水分が除去さ
れ、水分含有量が好ましくは100ppm以下、より好
ましくは10ppm以下とされた有機溶剤が得られる。
この水分が除去された有機溶剤は、図示省略してあるラ
インを通じて次の重合工程へ送られ、再使用に供され
る。
【0045】本実施形態では、蒸留塔15での第2水分
除去工程の前に、コアレッサー14での第1水分除去工
程を有する。このため、ストリッピング工程での有機溶
剤量や水分量などの変動などで第1〜第2デカンタ1
2,13での静置分離が不十分となり、ライン18の有
機溶剤中の水分含有量が飽和水分濃度以上となっても、
コアレッサー14を通すことにより有機溶剤中の水分含
有量が飽和水分濃度近辺まで下げた状態で、有機溶剤を
蒸留塔15に供給することができる。すなわち、本実施
形態によれば、設備を大掛かりとせず、かつ蒸留操作を
乱すことなく、円滑でしかも安定的に水分含有量が10
0ppm以下である有機溶剤が得られる。
【0046】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0047】たとえば、上述した実施形態では、第2デ
カンタ13とコアレッサー14との間に、コアレッサー
14におけるフィルター144の目詰まりを防止するた
めに、別途、フィルターを配置してもよい。
【0048】
【実施例】次に、本発明の実施の形態をより具体化した
実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発
明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0049】実施例1 まず、スチレンとイソプレンとを溶液重合して得られた
スチレン−イゾプレン−スチレンブロック共重合体(S
IS)を含む重合反応液のスチームストリッピングを行
い、重合時に用いた有機溶剤(ブタン+シクロヘキサ
ン)を回収した。回収された有機溶剤10000kg/
Hには、水分が50%、メタノールが500ppm含有
されていた。
【0050】次に、ストリッピング工程にて回収された
有機溶剤の第1デカンテーションを行い、有機溶剤相と
水相とに分離した後、有機溶剤相に対して水5000k
g/Hを加えた状態で第2デカンテーションを行った。
第2デカンテーションでは、1時間程度の静置分離を行
い、有機溶剤相と水相とに分離させ、有機溶剤相を回収
した。回収された有機溶剤10000kg/Hは、30
℃安定時で飽和水分(1000ppm)を含有してい
た。なお、メタノールは水相側に移行していた。
【0051】次に、第2デカンテーションにて回収され
た有機溶剤をコアレッサー(富士フィルター工業社製、
FSE型)に通した。その結果、有機溶剤中の水分含有
量は110ppm(飽和水分濃度近辺)であった。
【0052】次に、コアレッサーを通した後の有機溶剤
を蒸留塔に通した。その結果、有機溶剤中の水分含有量
は5ppmの極量であった。
【0053】なお、蒸留条件は、蒸留塔内の棚段数が4
5段、フィード位置が塔頂、フィード量が10000k
g/H、フィード液がブタン15%およびヘキサン85
%、運転圧力が4kg/cmG、還流量が1000
0kg/H、ブタン抜き出しが下から21段目、シクロ
ヘキサンを塔底から抜き出した。
【0054】比較例1 第2デカンテーション後の有機溶剤を、コアレッサーを
通さず、直接、蒸留塔に供給した以外は、実施例1と同
様にして有機溶剤を得た。その結果、蒸留塔内の棚段上
で有機溶剤相と水相とが相分離してしまい、蒸留操作に
よる水分除去ができず、得られた有機溶剤中の水分含有
量はほとんど低下しなかった(1000ppm)。これ
により、実施例1の優位性が確認できた。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、設備を大掛かりにせず、しかも供給される有機溶剤
中の水分含有量が大幅に変動しても、蒸留工程が安定し
ており、円滑に蒸留操作を行うことができる有機溶剤中
の水分除去方法、および水分除去装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る水分除去装置を用いた水
分除去システムの一例を示す概要図である。
【図2】 図2は本実施形態で用いられるコアレッサー
の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1… 水分除去システム 11… ストリッピングタンク 12… 第1デカンタ 13… 第2デカンタ 14… コアレッサー(第1水分除去手段) 141… コアレッサー本体 141a… 有機溶剤分排出口 141b… 遊離水分排出口 142… 中心筒 142b… 通液孔 142c… 流入口 144… コアレッサー型フィルター 145… 分離空間 145a… 内側空間 145b… 外側空間 146… 壁 147a… 有機溶剤分集積空間 147b… 遊離水分集積空間 15… 蒸留塔(第2水分除去手段) 16,16a,16b,17,17a,17b,18,
18b,19,19b,20… ライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分含有量が飽和水分濃度以上である疎
    水性の有機溶剤の前記水分含有量を飽和水分濃度近辺に
    する第1水分除去工程と、 水分含有量が飽和水分濃度近辺である有機溶剤の前記水
    分含有量をさらに低減させて100ppm以下にする第
    2水分除去工程とを有する有機溶剤中の水分除去方法。
  2. 【請求項2】 コアレッサーを用いて前記第1水分除去
    工程を行い、蒸留塔を用いて前記第2水分除去工程を行
    う請求項1記載の有機溶剤中の水分除去方法。
  3. 【請求項3】 水分含有量が飽和水分濃度以上である疎
    水性の有機溶剤の前記水分含有量を飽和水分濃度近辺に
    する第1水分除去手段と、 水分含有量が飽和水分濃度近辺である有機溶剤の前記水
    分含有量をさらに低減させて100ppm以下にする第
    2水分除去手段とを有する水分除去装置。
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