JP2001300203A - 目的留分の回収方法および回収装置 - Google Patents

目的留分の回収方法および回収装置

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JP2001300203A
JP2001300203A JP2000127719A JP2000127719A JP2001300203A JP 2001300203 A JP2001300203 A JP 2001300203A JP 2000127719 A JP2000127719 A JP 2000127719A JP 2000127719 A JP2000127719 A JP 2000127719A JP 2001300203 A JP2001300203 A JP 2001300203A
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Japan
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crude liquid
storage tank
liquid storage
organic solvent
distillation
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JP2000127719A
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Masanobu Kanouchi
政信 叶内
Toyoaki Kishikawa
豊昭 岸川
Yuji Okada
勇二 岡田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸留塔への粗液の供給速度を一定に維持でき、
その結果、蒸留操作を乱すことなく、円滑かつ安定的に
蒸留操作を行うことができる目的留分の回収方法を提供
する。 【解決手段】本発明の目的留分の回収方法は、異なる沸
点を持つ少なくとも2つの成分を含有する粗液を粗液貯
蔵槽から蒸留塔に供給する供給工程と、前記蒸留塔に供
給された粗液を蒸留して目的とする留分を分離精製する
蒸留工程と、前記蒸留工程にて分離精製された目的留分
を回収する回収工程と、前記粗液貯蔵槽に残存する前記
粗液の液面レベルを検出する検出工程と、前記検出工程
により検出された前記粗液の液面レベルが基準値まで低
下した場合に、前記目的留分の少なくとも一部を前記回
収工程から分岐させて、前記粗液貯蔵槽に供給して、前
記粗液貯蔵槽に残存する粗液の液面レベルを前記基準値
以上に維持する制御工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる沸点を持つ
少なくとも2つの成分を含有する粗液(たとえば、溶液
重合法などの重合工程により得られた重合反応液からス
チームストリッピングなどの手段により分離された、水
分含有量が飽和水分濃度近辺以上である疎水性の有機溶
剤など)から目的とする留分(たとえば、水分含有量が
100ppm以下である有機溶剤など)を抜き出して再
利用に供する目的留分の回収方法および回収装置に係わ
り、さらに詳しくは、蒸留塔への粗液の供給速度を一定
に保つことにより、円滑に蒸留操作を行うことができる
目的留分の回収方法および回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】共役ジエンや、これと芳香族ビニルとの
混合物などを、有機溶剤の存在下で溶液重合して得られ
る重合反応液には、多くの場合、重合体の他、未反応モ
ノマー、重合媒体に用いた疎水性の有機溶剤および触媒
残差などの残留物質が含まれる。このようなポリマーを
含む重合反応液は、通常、分離工程へ送られて、まずポ
リマーと液体とに分離される。そのため分離工程では、
重合反応液は、移送配管中およびストリッピングタンク
内にスチームを吹き込むことにより、未反応モノマーお
よび有機溶剤を蒸発除去させると同時に、重合体を小さ
なクラムとして凝固させ温水スラリーとし、最終的には
乾燥工程を経てポリマーはペレット状に加工される。
【0003】その一方で、蒸発除去された有機溶剤は、
通常、回収されて次の重合工程に再使用されるが、回収
後の有機溶剤には飽和水分濃度以上の多量の水分が含有
されているのが通常であり、これをそのまま次の重合工
程に用いると、水が重合停止剤として働き、重合触媒を
失活させ、重合反応阻害を起こすことがある。このた
め、回収後の有機溶剤を再使用する前に、混入水分を所
定水準以下に低下させる工程が行われる。
【0004】従来から、工業的に有機溶剤中の水分含有
量を所定水準以下にするためには蒸留が採用されている
が、蒸留塔へ供給するフィード液の供給速度は、略一定
に維持されている必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、凝固工
程や乾燥工程の処理レートが変更されると、凝固工程か
ら蒸発する有機溶剤の量が変動し、その結果、蒸留塔に
供給されるフィード液の供給速度を略一定に維持するこ
とが困難となる。フィード液の供給速度が一定でない
と、蒸留操作が乱れ、ときには操作を停止しなければな
らず、後工程を撹乱させることに加えて不経済である。
【0006】本発明の目的は、蒸留塔への粗液の供給速
度を一定に維持でき、その結果、蒸留操作を乱すことな
く、円滑かつ安定的に蒸留操作を行うことができる目的
留分の回収方法および回収装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る目的留分の回収方法は、異なる沸点を
持つ少なくとも2つの成分を含有する粗液を粗液貯蔵槽
から蒸留塔に供給する供給工程と、前記蒸留塔に供給さ
れた粗液を蒸留して目的とする留分を分離精製する蒸留
工程と、前記蒸留工程にて分離精製された目的留分を回
収する回収工程と、前記粗液貯蔵槽に残存する前記粗液
の液面レベルを検出する検出工程と、前記検出工程によ
り検出された前記粗液の液面レベルが基準値まで低下し
た場合に、前記目的留分の少なくとも一部を前記回収工
程から分岐させて、前記粗液貯蔵槽に供給して、前記粗
液貯蔵槽に残存する粗液の液面レベルを前記基準値以上
に維持する制御工程とを有する。
【0008】また、本発明に係る目的留分の回収装置
は、異なる沸点を持つ少なくとも2つの成分を含有する
粗液を貯蔵する粗液貯蔵槽と、前記粗液が供給され、当
該粗液を蒸留して目的とする留分を分離精製する蒸留塔
と、前記粗液を前記粗液貯蔵槽から前記蒸留塔に供給す
る第1の供給系と、前記蒸留塔にて分離精製された前記
目的留分を回収する回収系と、前記回収系から分岐さ
れ、前記目的留分を前記粗液貯蔵槽に供給する第2の供
給系と、前記粗液貯蔵槽に残存する前記粗液の液面レベ
ルを検出するセンサと、前記センサにより検出された前
記粗液の液面レベルが基準値まで低下した場合に、前記
目的留分の少なくとも一部を前記粗液貯蔵槽に供給し
て、前記粗液貯蔵槽に残存する粗液の液面レベルを前記
基準値以上に維持するよう前記第2の供給系に指令信号
を送出する制御手段とを有する。
【0009】前記粗液貯蔵槽から蒸留塔に供給される粗
液としては、特に限定されないが、たとえば溶液重合法
などの重合工程により得られた重合反応液から、スチー
ムストリッピングなどの手段により分離回収され、水分
含有量が飽和水分濃度近辺以上である疎水性の有機溶剤
などが挙げられる。ただし、水分含有量が1〜50重量
%といった飽和水分濃度以上である有機溶剤を用いる場
合には、粗液貯蔵槽から一旦、別装置(たとえばコアレ
ッサー)に通して、水分含有量を飽和水分濃度近辺程度
に低減した後、蒸留塔に供給することが好ましい。
【0010】前記蒸留塔により分離精製される目的とす
る留分も特に限定されないが、粗液が、水分含有量が飽
和水分濃度近辺以上である疎水性の有機溶剤である場合
には、水分含有量を好ましくは100ppm以下、より
好ましくは10ppm以下とすることが適切である。こ
の程度の水分含有量である有機溶剤は、次の重合工程に
再利用可能である。
【0011】これらの場合に適用できる有機溶剤として
は、飽和水分濃度が30℃で1重量%未満である有機溶
剤であれば特に限定されず、たとえば、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素などが挙げられ、これらはそれぞれ単
独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0012】ちなみに、30℃の水に対する溶解度(飽
和水分濃度)は、ブタンが100ppm、ペンタンが1
60ppm、ヘキサンが170ppm、シクロペンタン
が250ppm、シクロヘキサンが150ppm、ベン
ゼンが800ppmである。
【0013】
【作用】本発明に係る回収装置を用いた回収方法では、
蒸留塔にて抜き出された目的とする留分の少なくとも一
部を、適宜、粗液貯蔵槽に供給することにより、粗液貯
蔵槽の液面レベルを一定に制御することが可能になる。
このため、たとえば凝固工程や乾燥工程の処理レートが
変更され、凝固工程から蒸発する有機溶剤の量が変動し
ても、粗液貯蔵槽から蒸留塔に供給する際の粗液の供給
速度を一定に維持でき、その結果、蒸留操作を乱すこと
なく、円滑かつ安定的に蒸留を操作できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本実施形態では、たとえば溶液重
合法により得られた重合反応液から分離された有機溶剤
に含まれる水分を除去した後、当該水分除去後の有機溶
剤を、次の重合工程へ再利用する有機溶剤回収リサイク
ルシステムを例に採り、説明する。
【0015】図1は本発明に係る回収装置の一例である
有機溶剤回収装置を用いた有機溶剤回収リサイクルシス
テムの一例を示すブロック図である。
【0016】図1に示されるように、本実施形態に係る
有機溶剤回収リサイクルシステム1は、回分式で重合を
行う重合器10と、ストリッピングタンク11と、第1
デカンタ12と、第2デカンタ(粗液貯蔵槽)13と、
コアレッサー14と、脱水塔としての蒸留塔15とを有
する。
【0017】重合器10は、モノマーを重合させること
によりポリマーを生成させる槽であり、後述するストリ
ッピングタンク11とはライン16aにより接続されて
いる。本実施形態において好適なモノマーとしては、た
とえば、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン、ま
たは該共役ジエンと、スチレンなどに代表される芳香族
ビニルモノマーとの混合物が挙げられる。本実施形態に
適用できるポリマーは、特に限定されないが、好ましく
は共役ジエン系(共)重合体や、芳香族ビニル−共役ジ
エン系共重合体であり、より好ましくは溶液重合法によ
るスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(SIS)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(B
R)などである。
【0018】ストリッピングタンク11は、ライン16
aから導入される重合後のポリマーを含む重合反応液か
らポリマーと有機溶剤とを分離させる槽であり、後述す
る第1デカンタ12とはライン16により接続されてい
る。
【0019】第1デカンタ12は、ライン16を通じて
供給された有機溶剤を有機溶剤相と水相とに分離させる
槽であり、後述する第2デカンタ13とはライン17に
より接続されている。また、本実施形態では、第1デカ
ンタ12および第2デカンタ13を接続するライン17
の途中には、水を供給するためのライン17aが接続さ
れている。
【0020】第2デカンタ13は、本発明に係る回収装
置を構成する粗液貯蔵槽に相当するものであり、ライン
17を通じて供給された有機溶剤(ライン17aを通じ
て供給される水も含む)を静置分離することにより、有
機溶剤相と水相とに分離させる槽であり、本実施形態で
は、後述するコアレッサー14とはライン18により接
続されている。第2デカンタ13には、静置分離により
分離されてせきを越えた有機溶剤の液面レベルを検出す
るためのセンサ132が設けられており、このセンサ1
32からの出力信号(液面レベルの値)は制御装置(制
御手段)50に送出される。
【0021】コアレッサー14は、本実施形態では、ラ
イン18を通じて供給された、水分含有量が飽和水分濃
度以上である有機溶剤中の水分を凝集させて除去する槽
であり、後述する蒸留塔15とはライン19により接続
されている。コアレッサー14としては、航空燃料や船
舶燃料の中に混在する少量の水滴を除去する際などに従
来から使用されているコアレッサー型フィルターを備え
たものを適宜用いることができる。水分含有量が飽和水
分濃度以上といった多量の水分を含有する有機溶剤をコ
アレッサー14を通すことにより、水分含有量を飽和水
分濃度近辺にまで低減させることができ、これを後述す
る蒸留塔15に供給することにより、蒸留操作を安定的
に行うことができるので有効である。ただし、本発明で
は、このコアレッサー14を設けることは必ずしも必要
はなく、第2デカンタ13から、後述する蒸留塔15に
直接供給することとしてもよい。
【0022】蒸留塔15は、本実施形態では、ライン1
9を通じて供給された、水分含有量が飽和水分濃度近辺
まで下げられた有機溶剤から、さらに水分を除去し、水
分含有量を100ppm以下にする塔である。そして、
水分含有量が極微量とされた有機溶剤(目的とする留
分)は抜き出され、ライン20、22,23を通じてス
トックタンク40に貯蔵され、さらにライン27を通じ
て重合器10に導入されて次の重合工程に再使用され
る。
【0023】本実施形態に係る蒸留塔15としては通常
の蒸留装置が用いられる。たとえば、この種の蒸留装置
としては図示は省略するが、一般的には、蒸留塔本体
と、前記蒸留塔本体の塔頂から排出される蒸気を冷却し
て液化する凝縮器と、前記凝縮器により液化された留出
液を貯留する還流ドラムと、前記還流ドラムに貯留され
た留出液の一部を前記蒸留塔本体の塔頂近傍にフィード
する還流ラインと、前記蒸留塔本体の塔底に配置される
再沸器(リボイラー)とを有する。前記還流ドラムから
は、デカンテーションで分離した遊離水が抜き出され、
前記リボイラーからは、回収液として不純物の高沸点成
分が抜き出される。
【0024】蒸留装置の形態としては、例えば蒸留塔本
体内を多くの水平段板で区切り、液と蒸気との接触が段
階的に行われるようにした棚段塔、または異相間の物質
移動を能率良く行うために塔内に充填物を詰めた充填塔
などが挙げられる。
【0025】棚段塔を用いる場合の棚段数は、通常15
〜50段、好ましくは20〜45段である。蒸留の精度
(沸点の近いものを分別する能力)は、棚段数が大きい
程優れているが、あまり大きなものはコストが増大する
ので、能力とコストのバランスを考えて選択される。
【0026】供給段や抜き出し段の位置は、特に限定さ
れず、有機溶剤の種類や組成、除去精度により適宜選択
される。有機溶剤の加熱方法には、ライン19から供給
される有機溶剤をあらかじめ、スチームにより熱交換し
ながら加熱する方法や、塔底部に加熱部を設置する方法
などがあるが、本発明においては特に限定されない。
【0027】蒸留は加圧ないし減圧下で行う。操作圧力
は、有機溶剤の種類や組成、その除去精度によって適宜
選択されるもので、特に限定されない。温度条件(供給
液温度、ボトム温度、トップ温度)も同様である。
【0028】還流比(蒸留塔内に還流される液量/供給
量)は、流量比で、通常0.1〜3.0、好ましくは
0.2〜1.5である。還流比が小さすぎると分離が悪
くなり、大きすぎるとエネルギー効率が悪くなる。
【0029】なお、本実施形態では、蒸留塔15を1基
しか設けてないが、2基以上設けてもよい。
【0030】次に作用を説明する。
【0031】重合後のポリマーを含む重合反応液がライ
ン16aを通じてストリッピングタンク11に導入さ
れ、ポリマーと有機溶剤とに分離され、このうち有機溶
剤はライン16を通じて第1デカンタ12に供給され
る。タンク11におけるストリッピング方法は、公知の
方法で行うことができるが、特にスチーム吹き込みによ
って行う方法が好ましい。なお、前記ストリッピング工
程にて分離されたポリマーは、クラムとして凝固されて
温水スラリー中に浮遊するが、この温水スラリーは、ラ
イン16bを通じて乾燥工程(図示省略)へ送られ、最
終的にはペレット状に加工される。
【0032】第1デカンタ12に供給されたストリッピ
ング後の有機溶剤には、未反応モノマーおよび水溶性ア
ルコールなどの重合反応停止剤の他、水分を含有する
が、第1デカンタ12内を緩やかに通過する際に、有機
溶剤相と水相とに分離され、このうち有機溶剤相は、ラ
イン17を通じて第2デカンタ13に供給される。本実
施形態では、有機溶剤相に含まれる反応停止剤を除去す
るために、ライン17の途中に接続されたライン17a
から水を、前記有機溶剤相に対して好ましくは重量比
(1/5)〜(2/1)程度混合した後、第2デカンタ
13に供給する。なお、第1デカンテーションにて分離
された水相中の水は、ライン17bを通じて回収され
る。
【0033】第2デカンタ13に供給された第1デカン
テーション後の有機溶剤は、好ましくは15分〜2時間
程度の静置分離により、有機溶剤相と水相とに分離され
る。このうち有機溶剤相は、ライン18を通じてコアレ
ッサー14に供給される。なお、静置分離により、メタ
ノールは水相中に移行し、この水相はライン18bを通
じて回収される。
【0034】コアレッサー14に供給された第2デカン
テーション後の有機溶剤は、本実施形態では飽和水分濃
度以上、好ましくは飽和水分濃度〜50重量%程度の水
分を含有するが、こうした有機溶剤はコアレッサー14
に通った後、ライン19を通じて蒸留塔15に供給され
る。
【0035】蒸留塔15に供給されたコアレッサー14
からの有機溶剤は、本実施形態では、水分含有量が飽和
水分濃度近辺にまで低下しており、蒸留塔15にてさら
に水分が除去され、水分含有量が好ましくは100pp
m以下、より好ましくは10ppm以下とされた有機溶
剤が得られる。この水分が除去された有機溶剤は、ライ
ン20,22,23を通じて一旦ストックタンク40に
貯蔵され、さらにライン27を通じて重合器10に導入
されて次の重合工程に再使用される。なお、ストックタ
ンク40では貯蔵しきれなくなった余剰分の目的留分と
しての有機溶剤は、ライン24を通じて大型溶剤タンク
42に供給される。
【0036】本実施形態では、ライン20の下流側には
切り替えバルブ30が設けてあり、これは蒸留塔15に
て分離精製されて取り出され、回収されてきた目的留分
としての有機溶剤を、第2デカンタ13手前のライン1
7に接続されるライン21と、ストックタンク40のラ
イン22との何れかに選択的に供給するための切替弁で
ある。
【0037】また本実施形態では、ライン22の下流側
にも切り替えバルブ32が設けてあり、これはライン2
2を通じて回収されてきた目的留分としての有機溶剤
を、ストックタンク40に接続されるライン23と、大
型溶剤タンク42に接続されるライン24との何れかに
選択的に供給するための切替弁である。バルブ32の動
作は、本実施形態では、図示省略してある制御系、ある
いは制御装置50からの指令信号によって実行される。
【0038】さらに本実施形態では、ライン25の下流
側には開閉バルブ34が設けてあり、これを開くことに
より、大型溶剤タンク42に貯蔵してある目的留分とし
ての有機溶剤を、ライン26を通じて接続されるライン
17に供給し、ひいては第2デカンタ13に供給され
る。
【0039】本実施形態では、第2デカンタ13には、
静置分離により分離されてせきを越えた有機溶剤の液面
レベルを検出するセンサ132が設けてあるので、この
センサ132により、第2デカンタ13内の液面レベル
が検出される。検出された液面レベルは出力信号(液面
レベル値)として制御装置50に送出され、ここで液面
レベル値と基準値とが比較される。その結果、液面レベ
ル値が基準値まで低下した場合には、ライン20,22
を流れている目的留分としての有機溶剤の少なくとも一
部をライン21側に流すような信号を、ライン20に設
けてある切り替えバルブ30に対して送出し、バルブ3
0をライン21側に切り替える。すると、ライン20,
22を流れていた目的留分としての有機溶剤は、ライン
20,21を通じて第2デカンタ13に供給される。他
方、所定時間が経過後、第2デカンタ13の液面レベル
が基準値を超えると、ライン21を流れている目的留分
としての有機溶剤をライン22側に流すような信号を、
バルブ30に対して送出し、バルブ30をライン22側
に切り替える。すると、ライン20,21を流れ、第2
デカンタ13に供給されていた目的留分としての有機溶
剤は、ライン20,22,23を通じてストックタンク
40に供給される。
【0040】また、制御装置50にて第2デカンタ13
内の液面レベル値と基準値とを比較した結果、液面レベ
ル値が基準値まで低下した場合には、上述したように切
り替えバルブ30をライン21側に切り替えるととも
に、あるいは切り替えることなく、開閉バルブ34を開
くとの信号を当該バルブ34に送出し、目的留分として
の有機溶剤が貯蔵された溶剤タンク42から、当該有機
溶剤を、ライン25,26を通じてライン17,ひいて
は第2デカンタ13に供給することとしてもよい。そし
て、所定時間経過後、第2デカンタ13の液面レベルが
基準値を超えた場合には、開閉バルブ34を閉じるとの
信号を当該バルブ34に送出し、ライン26から第2デ
カンタ13への流れを止めるようにすればよい。
【0041】このように、本実施形態では、制御装置5
0が上述した動作を行うようにしてあるので、第2デカ
ンタ13内にある有機溶剤が、第2デカンタ13から後
述するコアレッサー14に供給され、一度は液面レベル
が低下した場合であっても、常時、第2デカンタ13の
有機溶剤の液面レベルを基準値以上に維持することがで
きる。その結果、第2デカンタ13からコアレッサー1
4,ひいては蒸留塔15に供給する際の有機溶剤の供給
速度を一定に維持でき、蒸留操作を乱すことなく、円滑
かつ安定的に蒸留操作を行うことが可能となる。
【0042】なお、本実施形態では、制御装置50に対
してセンサ132からの出力信号が連続的に送出される
ようにしてあるので、制御装置50内での上記動作も連
続して行われる。
【0043】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、蒸留塔への粗液の供給速度を一定に維持でき、その
結果、蒸留操作を乱すことなく、円滑かつ安定的に蒸留
操作を行うことができる目的留分の回収方法および回収
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る回収装置の一例である有機
溶剤回収装置を用いた有機溶剤回収リサイクルシステム
の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1… 有機溶剤回収リサイクルシステム 10… 重合器 11… ストリッピングタンク 12… 第1デカンタ 13… 第2デカンタ(粗液貯蔵槽) 132… センサ 14… コアレッサー 15… 蒸留塔 16,16a,16b,17,17a,17b,18,
18b,19,19b,20〜27… ライン 30,32… 切り替えバルブ 34… 開閉バルブ 40… ストックタンク 42… 大型溶剤タンク 50… 制御装置(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 勇二 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767−1 日 本ゼオン株式会社水島工場内 Fターム(参考) 4D076 AA22 AA24 BB03 CB02 EA02X EA02Y EA09Y EA15X EA15Y EA47 FA02 FA13 JA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる沸点を持つ少なくとも2つの成分
    を含有する粗液を粗液貯蔵槽から蒸留塔に供給する供給
    工程と、 前記蒸留塔に供給された粗液を蒸留して目的とする留分
    を分離精製する蒸留工程と、 前記蒸留工程にて分離精製された目的留分を回収する回
    収工程と、 前記粗液貯蔵槽に残存する前記粗液の液面レベルを検出
    する検出工程と、 前記検出工程により検出された前記粗液の液面レベルが
    基準値まで低下した場合に、前記目的留分の少なくとも
    一部を前記回収工程から分岐させて、前記粗液貯蔵槽に
    供給して、前記粗液貯蔵槽に残存する粗液の液面レベル
    を前記基準値以上に維持する制御工程とを有する目的留
    分の回収方法。
  2. 【請求項2】 異なる沸点を持つ少なくとも2つの成分
    を含有する粗液を貯蔵する粗液貯蔵槽と、 前記粗液が供給され、当該粗液を蒸留して目的とする留
    分を分離精製する蒸留塔と、 前記粗液を前記粗液貯蔵槽から前記蒸留塔に供給する第
    1の供給系と、 前記蒸留塔にて分離精製された前記目的留分を回収する
    回収系と、 前記回収系から分岐され、前記目的留分を前記粗液貯蔵
    槽に供給する第2の供給系と、 前記粗液貯蔵槽に残存する前記粗液の液面レベルを検出
    するセンサと、 前記センサにより検出された前記粗液の液面レベルが基
    準値まで低下した場合に、前記目的留分の少なくとも一
    部を前記粗液貯蔵槽に供給して、前記粗液貯蔵槽に残存
    する粗液の液面レベルを前記基準値以上に維持するよう
    前記第2の供給系に指令信号を送出する制御手段とを有
    する目的留分の回収装置。
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