JP2572068B2 - 補強された油水分離フィルタ− - Google Patents

補強された油水分離フィルタ−

Info

Publication number
JP2572068B2
JP2572068B2 JP62162284A JP16228487A JP2572068B2 JP 2572068 B2 JP2572068 B2 JP 2572068B2 JP 62162284 A JP62162284 A JP 62162284A JP 16228487 A JP16228487 A JP 16228487A JP 2572068 B2 JP2572068 B2 JP 2572068B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
filter
water
water separation
cartridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62162284A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63156508A (ja
Inventor
勇三 池田
久治 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Publication of JPS63156508A publication Critical patent/JPS63156508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2572068B2 publication Critical patent/JP2572068B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、補強されたカートリッジ型の油中水分離が
可能な油水分離フィルターに関する。
〔従来技術〕
これまで我々は、極細繊維からなる繊維状シートによ
る油水分離方法を提案して来た。これらの方法では、油
を選択的に透過させることによって油水分離を行なうフ
ィルター、油と相分離する液体を透過させるが、油を透
過させないフィルター、液体中に微細に分散した液滴を
粗大化させるフィルターカートリッジの生産性が低いと
いった難点が見られた。
また、フィルター単体で油水分離を行なう際にフィル
ターに対する圧の為に、徐々にフィルターにふくらみが
生じ、極端な場合には破れてしまう。またふくらみが起
こる状態では、フィルターの通液抵抗が徐々に増大し、
通液性が悪化するといった現象もみられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、上記のような従来の油水分離フィル
ターのもつ難点を克服し、油水分離フィルターが従来持
っていた優れた分離性能及び通液性を損なうことなく、
さらに油水分離フィルター単体では達成できなかった高
い成型性と優れた強度と耐久性を有するカートリッジ型
の油中水の分離が可能な補強された油水分離フィルター
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のカートリッジ型の油水分離が可能な補強され
た油水分離フィルターは、単繊維直径0.1〜10μmのメ
ルトブロー法による繊維からなる、空孔率が30〜90%の
不織布シートの少なくとも片面に補強材を重ね一体に接
合した油水分離フィルターシート体を角度7〜70°で折
り畳んだプリーツ層にて油透過性水分離層を形成してな
るカートリッジ型の油中水の分離が可能な油水分離フィ
ルターによって達成される。
本発明でいう「油水分離フィルター」の第1の代表的
タイプは、撥水性を有するメルトブロー法で形成された
極細繊維の不織布シートからなる油水分離フィルターで
あって、油と相分離状態にある液体と油を分離するに際
し、油を選択的に透過させ、油と該液体を分離し得る油
透過型のフィルターである。
ここでいう「油」とは、表面張力が55dyne/cm以下の
ものであり、表面張力が40dyne/cm以下の液体は、より
一層分離効率がよい。これらの液体の代表例としては、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デカ
ン等の各種パラフィン系炭化水素:トリクロルエチレ
ン、トリクロルエタン、テトラクロルエチレン、テトラ
クロルエタン、1,1,2−トリクロル−1,2,2−トリフルオ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素:石油エーテル、リグ
ロイン、ガソリン、灯油、石油まれる。
ここでいう「撥水性を有するメルトブロー法による極
細繊維から構成される不織布シート」とは、JIS-L-1092
B法で測定した耐水圧が100mmH2O以上、好ましくは200mm
H2O〜2000mmH2Oのものをいう。耐水圧のレベルは分離操
作の条件により必要に応じ通常10,000mmH2Oの範囲内で
適宜選定すればよい。
油透過型のフィルターに於ては、単繊維直径が0.1μm
〜10μmのメルトブロー法による繊維を主体とする不織
布シートを含んで構成されることが必要である。単繊維
直径が10μmを超えると油中に分散した油と相分離状態
にある液滴(10μm以下の液滴)が不織布シートを透過
しやすくなるため充分な分離精度が得られず好ましくな
い。0.1μm未満の繊維は工業上安定して生産するのが
困難である。望ましくは、単繊維直径が0.3〜7μmの
繊維を主体とする。
「主体とする」とは繊維状シートを構成する繊維の総
重量に対して、上述の単繊維直径を有する繊維の重量が
50%以上であること、望ましくは70%以上であることを
意味する。例えば、直径がその長さ方向で均一な繊維で
ある場合、種々の直径を有する繊維を混合して得られた
不織布シートについてもその不織布シートの単繊維のう
ち0.1〜10μmの直径を有する繊維の重量が50%以上で
あればよい。
単繊維直径0.1μm〜10μmの繊維を主体とした親水
性を有する不織布シートの空孔率は30〜90%の範囲にあ
る必要がある。ここで「空孔率」は下記式で定義され
る。
空孔率が90%を超える場合には、油中に分散した油と
相分離状態にある液滴が不織布シートを透過してしまう
ため該液滴の分離精度が悪く、不織布シートのへたりに
よって空孔率が小さくなり、液体の透過速度が大きく変
化してしまうという問題がある。また、30%未満の場合
には事実上工業的に使用可能な液体の透過速度が得られ
ない。繊維状シートの空孔率は望ましくは40〜80%の範
囲で用いられる。
本発明の油水分離フィルターの第2の代表的タイプ
は、処理液を透過させることによって、処理液中の微小
液滴を粗粒化させる機能を有する粗粒化型の油水分離フ
ィルターである。
粗粒化型のフィルターにおいては不織布シートを構成
する繊維の単繊維直径は0.1〜10μmのものを主体と
し、望ましくは単繊維直径1〜7μmのものを主体とす
る。主体とするとは、不織布シートを構成する繊維の総
重量に対して、上述の単繊維直径を有する繊維の重量が
50%以上であることで、望ましくは、70%以上である。
例えば、直径がその長さ方向で均一な繊維を用いて、こ
の種々の直径を有する繊維を混合して得られた繊維状シ
ートについても、その不織布シート中の単繊維のうち、
0.1〜10μmの直径を有する繊維の重量が50%以上であ
ればよい。
不織布シートの空孔率は30〜90%である。空孔率は で表現される。空孔率が90%を超える場合には、粗粒化
能が低く、繊維のへたりによって粗粒化型のフィルター
の繊維充填率が増大し、液透過性が大きく変化してしま
う。また、30%未満の場合にはこれを得るためには、プ
レス等の圧縮が必要であり、このプレスによる繊維の熱
融着のため事実上工業的に使用可能な液透過性が得られ
ない。空孔率は、望ましくは、80〜40%の範囲で用いら
れる。
また、本粗粒化型のフィルターは、これを構成する繊
維素材にかかわりなく粗粒化能力を発揮するものである
が、この素材に対して、親水あるいは親油性の素材をも
ちいるかあるいはこういった素材で繊維表面を加工する
ことによってさらに著しい粗粒状態が得られる。
本発明のフィルターにおける不織布シートは粗粒化処
理時の液透過方法を何ら制限するものではないが、その
形状は例えば、平膜状、円筒状、スパイラル状等があ
る。さらに、処理効率の面から、粗粒化エレメントを構
成する不織布シートは、ジャバラ状にして用いられるの
が好ましい。また、不織布シートは1枚あるいは複数枚
の重ね合わせによって使用され、その通液方法は、重力
による液透過、圧送による液透過等何ら限定されるもの
ではない。粗粒化処理は通常1段で終了するが、微小液
滴が非常に安定である、あるいは液滴が0.1〜1μmの
極微小なものである等の理由で、1段の処理にて粗粒化
が不十分である場合には、多段又は処理液を循環させる
ことによって処理を行なうことも考えられる。また、処
理液中のゴミ等を捕集するために、本エレメントにて被
処理液を処理する前に、プレフィルターとしてのゴミ捕
集材を置くことも可能である。例えばプレフィルターと
しては、膜状あるいはわた状のゴミ捕集材等がある。
上記2種のフィルターにおけるメルトブロー法による
極細繊維から構成される不織布シートは、繊維形成性重
合体にメルトブロー法を適用して得られる。例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレー
トアジペート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート・セバケート、ポ
リエチレンテレフタレート・ドデカンジオエート、ポリ
ブチレンテレフタレートなどのポリエステル系共重合体
の繊維、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメ
チレンセバカミド、ポリヘキサメチレンヘキサミド、ポ
リカブラミド、ポリオクタミド、ポリノナミド、ポリデ
カミド、ポリテトラミドなどのポリアミドの繊維、ポリ
パラオキシベンゾエートなどのポリエステルエーテルの
繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのハロ
ゲン含有重合体の繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン
などのポリオレフィンの繊維、が挙げられる。これらの
繊維は、単独あるいは組合わせて用いられる。
撥水性を有する不織布シート構造体の具体例として
は、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維、ポリエチレン繊維等の疎水性繊維からなる不織布
シートあるいは合成繊維等のメルトブロー繊維不織布に
撥水加工を施こすことによって所定の撥水性を付与され
た不織布シートが挙げられる。不織布シートの撥水加工
は通常の方法で行えばよく、例えば、アクリル酸パーフ
ルオロアルコールなどのフッソ系樹脂、ジメチルシリコ
ーンなどのシリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂、ワッ
クス系樹脂等の公知の撥水加工剤を、原糸製造時あるい
は繊維構造体にパディング、浸漬、スプレー、吸尽等の
方法で付与させればよい。更に必要に応じ、撥水加工剤
を付与した後、熱処理を行なえばよい。
親水性を有する不織布シートを製造する方法として
は、親水性を有している繊維を素材として繊維状シート
を作る方法、および、疎水性の繊維を素材として不織布
シートを作り、次いで繊維表面を親水化する方法があ
る。
表面を親水化する方法は、なんら限定されるものでは
ないが、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、
ケトン基やスルホン基といった親水性のある官能基を化
学反応により繊維高分子に導入したり、グラフト重合に
よってアクリル酸のようなアルカリ処理を施すことで親
水性となる化合物を側鎖に導入する方法が挙げられる。
また、ポリエチレングリコールやポリカルボン酸、ポリ
イソシアネート、ビニル基、グリシジルエーテル基、ポ
リアミン、N−メトキシメチロールなどを含有したポリ
アルキレンオキサイドや高分子電解質、親水性をもった
セルロース系物質などの親水性を有する加工剤によって
繊維表面を親水化処理する方法が挙げられる。
本発明で言う補強材としては、油水分離フィルターよ
りも強度が高く、同一条件にて測定した場合、液体透過
時の補強材の圧損が油水分離フィルターよりも低い多孔
質の材料であれば何でもよい。例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のプラスチック粉末を焼結して多孔体
としたものや、金属粉の焼結による多孔体などがある。
通常油水分離フィルターは、カートリッジ化されたとき
には2kg/cm2程度の圧に耐える必要があるので、補強材
の破裂強度も2kg/cm2以上であるのが好ましい。さら
に、補強材のみの液透過時の圧損が、油水分離フィルタ
ーのそれの半分以下であることが好ましい。かかる補強
材としては、例えば、金属メッシュ、織布、編布、不織
布等があげられる。また、これら織布、編布、不織布を
構成する素材は何ら限定されないが、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ア
ジペート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート・セバケート、ポリエ
チレンテレフタレート・ドデカンジオエート、ポリブチ
レンテレフタレートなどのポリエステル系共重合体の繊
維、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレ
ンセバカミド、ポリヘキサメチレンデカミド、ポリヘキ
サメチレンヘキサミド、ポリカプラミド、ポリオクタミ
ド、ポリノナミド、ポリデカミド、ポリドデカミド、ポ
リテトラミドなどのポリアミドの繊維、ポリアミド・イ
ミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリパラオキシベン
ゾエートなどのポリエステルエーテルの繊維、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリテトラフルオロエチレンなどのハロゲン含有重合体
の繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレ
フィンの繊維、各種アクリル繊維及びポリビニルアルコ
ール系繊維、再生セルロース、アセテート、木綿、麻、
絹、羊毛などの天然繊維が挙げられる。これらの繊維は
単独または組合わせて使用される。
プリーツ加工時における折り曲げ型付けなどの作業性
が比較的良く、且つ表面の凸凹が少なく油水分離フィル
ターをきずつけにくいことから不織布が好適に用いられ
る。
本発明の補強された油水分離フィルターをカートリッ
ジ化した構造物の代表例を第1図に示す。第1図におい
て、プリーツ状に成型された補強された油水分離フィル
ター1の内部に円筒状多孔板7が嵌入され、フィルター
の上・下両端面にはそれぞれ上部キャップ4および下部
キャップ5が嵌装され、フィルターの上端部2および下
端部3はいずれもシールされている。さらに、フィルタ
ーの下部には液導通のためのパイプ6が取付けられてい
る。
次に、本発明の補強された油水分離フィルターのカー
トリッジ化構造物の具体例として、第2図、第3図およ
び第4図に示す粗粒化型フィルターのカートリッジ化構
造物について説明する。第2図、第3図および第4図
は、いずれも、粗粒化油水分離フィルターのカートリッ
ジ化構造物の上面図(上方の図)および正面図(下方の
図)であり、各図において一点鎖線の右側は断面を示し
ている。
粗粒化型フィルターの少なくとも片面に補強材を接合
したものをプリーツ状に成形した後、その両端(第2
図、第3図および第4図の4)を熱融着や超音波融着あ
るいは接着剤によって接着し、接着部あるいは融着部か
らもれのないようにシールして、円筒プリーツ状の構造
物1を作成する。接着剤を用いてプリーツ両端を接着す
る場合、その接着剤は、何ら限定されるものではない
が、エポキシ系ウレタン系などの接着剤が好適に用いら
れる。この円筒プリーツ状構造物の上下両端2,3に接着
剤あるいは熱融着、超音波融着を用いてもれのないよう
にキャップ4,4′,5,5′を取りつけ、円筒プリーツ状の
カートリッジを作成する。キャップの形態及び素材は何
ら限定されるものではないが、カートリッジの用途に応
じて、ドーナッツ状のキャップ4,5、フランジ付ドーナ
ッツ状のキャップ4′、円板状のキャップ5′が用いら
れる。また、キャップの素材の例としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ナイロン6、ナイロン66、ABS樹脂、エポ
キシ樹脂等の樹脂類や鉄、鉄に亜鉛等のメッキを施した
もの、アルミニウム、SUS304等のステンレススチールと
いった金属類があげられる。
さらに、カートリッジの強度向上やフィルターの保護
等のために円筒プリーツ状カートリッジの内外の少なく
とも一方に円筒状多孔板7,8を取りつけてもよい。円筒
状多孔板7,8の材質は何ら限定されるものではないが、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ABS
樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や鉄、鉄に亜鉛等のメッ
キを施したもの、アルミニウム、SUS304等のステンレス
スチールといった金属類があげられる。液の流れがカー
トリッジの内から外へ向うタイプの場合には、少なくと
もカートリッジ外側に円筒状多孔板8を取りつけること
は、フィルターのふくらみを防止できるので好ましい。
また、液の流れが外から内へ向うタイプの場合にも同様
な理由から、少なくともカートリッジの内側に円筒状多
孔板7を取りつけるのが好ましい。液体透過時のフィル
ター内外の圧力差によるふくらみによってフィルターが
上下キャップとのシール部2,3やフィルターどうしの端
の接続部から破損したり、フィルターの有効面積が減少
したりするのを、これらの円筒多孔板7,8によって抑え
ることができる。
この円筒プリーツ状カートリッジは、平膜あるいは平
膜円筒状のフィルターカートリッジに比べて、同じ大き
さでもより多くのフィルター面積を採ることが可能であ
る。平膜円筒状のカートリッジとの比較では、同一の大
きさのカートリッジにおいて、1本当りの処理液量を大
きくすることができる。さらに、出口側に補強材を接合
した場合、粗粒化型フィルターで粗粒化された液滴が一
たんこの補強材に捕捉されて合一し、またプリーツ間あ
るいはフィルターと補強材の間を流れる間に、合一が進
行し、平膜状のフィルターに比べて、より液滴が粗大化
される。このため、カートリッジから離れた後、液滴は
容易に比重差分離される。
さらに、補強材の接合によって、液流によるフィルタ
ー圧損でプリーツにふくらみが生じた場合でも、粗粒化
型フィルターどうしが直接に接触することがないため、
フィルターカートリッジに通液した時に、圧損が極端に
増大するという現象が防止できる。この目的には、メッ
シュ状の補強材が好適に用いられる。
また、従来、液滴の粗粒化機能を持つガラス繊維不織
布のカートリッジフィルターが市販されている。しかし
ながら、ガラス繊維不織布は折り曲げに弱く、プリーツ
化によって穴があきやすい欠点があり、カートリッジに
はガラス繊維不織布一層のみの円筒プリーツカートリッ
ジや、この一層のプリーツカートリッジの外側にガラス
繊維不織布を巻きつけたタイプのカートリッジしかなか
った。本発明の油水分離フィルターでは、これまで述べ
たような補強材との接合の後、プリーツ化することが可
能である。重ね合わせの枚数は、何ら限定されるもので
はないが、実用的には粗粒化型フィルターを含め2〜8
枚程度である。また、重ね合わせ方法も何ら限定される
ものではないが、例えば補強された油水分離フィルター
に液の来る側から順に、補強とゴミ除去をかねた不織
布、粗粒化型フィルター、補強とスペーサーを兼ねたメ
ッシュの順に重ね合わせてプリーツ化すると、粗粒化型
フィルターの耐圧強度の増大、ゴミに対する耐久性の増
大、プリーツ化によるフィルター有効面積の減少をおさ
える等の効果が同時に得られて好ましい。また、補強と
ゴミ除去を兼ねた不織布もプリーツ化されているので、
1本のカートリッジ内で多くの有効面積を取り、高い耐
久性を得ることができる。この不織布や、粗粒化型フィ
ルターは、その必要に応じて複数枚重ね合わせるとよ
い。
カートリッジ内のフィルターのプリーツ山数(n)は
その円筒プリーツ状に成形されたフィルターの外側半径
(R)、内側半径(r)及び第5図に示すプリーツ角
(θ)によって次の様に決定される。
ここで、πは円周率、tanはプリーツ角をθで表現し
た時の正接関数である。また補強された粗粒化型フィル
ターの厚みをdとすると でなければならない。
プリーツ角θの範囲は7°≦θ≦70°、好ましくは8
°≦θ≦60°の範囲である。プリーツ角θが7°よりも
小さい場合には、フィルターの有効面積が減少し、フィ
ルターの寿命が短くなる。また、70°よりも大きい場合
には、カートリッジ1本当りに収納できるフィルターの
面積が少ないために、平膜円筒状のカートリッジに比べ
て優位性がない。
これらの円筒プリーツ状カートリッジは、船舶用油水
分離、ジェット燃料中の水分除去、真空ポンプ油やコン
プレッサー油からの水分除去、ジーゼルエンジン燃料か
らの水分除去、ドライクリーニング溶剤からの水分除去
などさまざまの分野での油水分離用途に使われる。
船舶用油水分離とは、船底にたまるビルジ水と呼ばれ
る油水混合物から油分を除去し、ビルジ水を海洋に放出
できるようにするものである。フィルターの耐久性向上
のため、粗粒化型フィルターで処理する前に、あらかじ
め処理液中のゴミや油分を減少させる目的で比重差分離
やフィルターなどによって前処理を行なっても良い。代
表的な処理の流れを第6図に示す。
第6図において、送液ポンプ10により供給されるビル
ジ水は比重差分離室11にて油水が分離され、油分は上部
排出系12へ出される。次いで、フィルター分離器14へ導
かれるビルジ水13からは、同分離器14中でゴミ、油分が
除かれ(15)、次いで、ビルジ水16は粗粒化および油の
比重差分離を行う油水分離装置のベッセル20へ導かれ
る。このベッセル20中には補強された粗粒化型油水分離
フィルターのカートリッジ17が設けられ、このカートリ
ッジを通過して粗粒化された油滴はベッセル20内で比重
差分離を受ける。油分は上部排出系18から出され、油
分、ゴミが除かれたビルジ水は下部排出系19から取出さ
れる。
ジェット燃料中の水分除去においては、補強された油
水分離フィルターのうち、粗粒化型フィルター及び油透
過型フィルターの両方を用いる。すなわち、まず、粗粒
化型フィルターによってジェット燃料中の水分を粗粒化
し、油透過型フィルターによって燃料のみを透過させ
て、水分除去されたジェット燃料が得られる。装置の一
例を第7図に示す。
第7図において、油水分離装置のベッセル22中には補
強された粗粒化型フィルターのカートリッジ23と補強さ
れた油透過型油分離フィルターのカートリッジ24が配置
されており、送液ポンプ10によって供給されるジェット
燃料は、粗粒化型フィルター23によって燃料中の水分が
粗粒化され、次いで、油透過型フィルター24によって燃
料のみが透過され、排出系25から取出される。除かれた
水分は下部排出系26へ排出される。
真空ポンプ油やコンプレッサー油からの水分除去と
は、これらの装置に封止や潤滑などの目的で用いられる
油に混入する水分を除去するものである。すなわち、粗
粒化型フィルターによって水分を粗粒化した後比重差分
離によって油中の水分を除去する。使用する装置の一例
を第8図に示す。
また、特に寒冷地では、ジーゼルエンジンの燃料タン
クに空気中の水分が凝結し、これが燃料中に混入した場
合エンジントラブルの原因となることが多い。ジーゼル
エンジン燃料に混入した水分も、第8図に例示する装置
を用いて、粗粒化型フィルターによって粗粒化し、比重
差分離してこれを除去することができる。
第8図において、送液ポンプ10によって供給される真
空ポンプ油、コンプレッサー油またはジーゼル燃料は補
強された粗粒化型油水分離フィルターのカートリッジ28
によって水分が粗粒化され、次いで油水分離装置のベッ
セル29中で比重差分離を受け、水分が除去された油は上
部排出系30から取出され、除去された水は下部排出系31
から排出される。
ドライクリーニング溶剤からの水分除去とは、ドライ
クリーニングに用いられる溶剤を蒸留回収するシステム
において、蒸留時に溶剤に混入する遊離水分を、本発明
のフィルターを用いて除去するものである。こうした分
野で用いられる溶剤の例としては、パークロルエチレ
ン、テトラクロルエチレン、トリクロルエタン等が挙げ
られるが、本発明のフィルターが適用できる溶剤であれ
ば何らその種類は限定されない。フィルターの使用方法
としては、溶剤の蒸留回収後、その再使用までの行程間
の何れかの位置で、フィルターに溶剤を通すことによっ
て、除水すればよい。第9図に、使用する装置の一例を
挙げる。
第9図において、蒸留工程から回収されたドライクリ
ーニング用溶剤は、送液ポンプ10によって、補強された
粗粒化型油水分離フィルターのカートリッジ32に送ら
れ、ここで溶剤中の微小水滴が粗粒化され、次いで、油
水分離装置のベッセル33中で比重差分離を分け、水分が
除去された溶剤は下部排出系35から取出され、除去され
た水は上部排出系34から排出される。
油水分離フィルターに補強材を接合するには、フィル
ターと補強布を単に重ね合わせる方法や、接着剤を用い
てより強固に接着したり、熱融着性を用いたウェルダー
加工法等を採ることができ、特に接合方法は限定されな
い。例えば、接着剤を用いる場合、補強布とフィルター
の間にポリアミド樹脂等の低融点樹脂を散布し、加熱圧
着させる方法等がある。
また、補強材は、1枚とは限らず、許容される処理能
力の範囲で、片面あるいは両面に1枚以上、また油水分
離フィルターを重ねて用いる場合には、そのフィルター
間に1枚以上の補強材を入れることができる。また、2
種以上の補強材を複合して用いる事も可能である。例え
ば、フィルターをプリーツに折るに際し、フィルター、
不織布、金属メッシュという組み合わせで重ね合わせた
場合、金属メッシュによってフィルターがきずつけられ
ることがなく、しかも金属メッシュの型付け性が高く、
しかも強度の大きい点が利用できて非常に成形性と強度
の高い補強された油水分離フィルターが得られる。
〔発明の効果〕
本発明の油水分離フィルターは、従来品と同等の分離
性能および通液性を保持したまま、高い成型性と優れた
強度および耐久性を有する。
〔実施例〕
次に、本発明を以下の実施例によって具体的に説明す
る。以下の実施例において、水分濃度は、京都電子工業
株式会社製カールフィッシャー水分計MKC-3Pを用い、油
分濃度は、堀場製作所製油分濃度計OCMA-220を用いて測
定した。また、微小液滴の大きさは光学顕微鏡により測
定した。
実施例1 単繊維直径0.5〜15.6μmのポリエチレンテレフタレ
ート繊維からなる6種の繊維状シートを成型した(空孔
率75%、厚み0.17mm)。
単繊維直径0.5および1.7μmの2種の繊維状シート
は、メルトブロー法により得た。また、単繊維直径12.
1,15.6μmの2種の繊維状シートは直接紡糸法によって
得られた繊維を5mmの長さに切断した後、湿式抄造法に
て得た。このようにして得られた単繊維直径が相違する
繊維状シートを下記の条件で撥水化処理した。
処理条件:加工剤・POLON-MR(信越化学製) ・CAT-LZ(信越化学製) 濃 度 各4重量% 乾 燥 100℃×3分 熱処理 170℃×1分 パッドドライキュア法 上記4種の繊維状シートの片面に単繊維直径166μ
m、60メッシュ/2.54cm、厚み361μmのナイロン製メッ
シュを重ね合わせて、補強された油水分離フィルターと
した。これらをガラス製フィルターホルダー(濾過面積
96cm2)に装着し、下記の条件で作成した分離対象液
を、50ml/minの速度で一定量送液し、水の分離精度がど
のようになるかを調べた。
分離対象液の作成条件:パークロルエチレン10lに対
し水100mlを入れ、攪拌しながら100℃まで加熱後、25℃
の水浴中で10分間急冷して、パークロルエチレン中に水
が分散した油水混合物を作成した。この液中の水分は32
3ppmであった。また水滴の大きさはおよそ0.5〜7μm
であった。
結果を第1表に示す。第1表より明らかなように、本
発明の範囲の油透過型のフィルターは水の分離精度が著
しく良好である。
実施例2 メルトブロー法によって単繊維直径2.1μm、厚み0.1
mm、空孔率95%のポリプロピレン不織布を得た。次に、
この不織布をプレス処理して空孔率21%〜95%の不織布
6種を作成した。すなわち、プレス処理は1〜150kg/cm
2の範囲であり、これに加えてプレス温度及び時間によ
って空孔率が相違する不織布を作成した。次に、同一空
孔率の不織布を何枚か重ね合わせて厚みが0.25mmとなる
様な不織布シートを作成した。
このようにして得られた不織布シート6種に実施例1
と同様の方法で撥水化処理を行なった。
さらに、実施例1に示したナイロン製メッシュを各々
のフィルターの両面に重ねて、補強された油水分離フィ
ルターとした。これらをガラス製フィルターホルダー
(濾過面積9.6cm2)に装着し、実施例1と同じ分離対象
液を、50ml/分(1m2当りに換算すると52l/min・m2)の
速度で一定量送液し油の分離精度及び透過液の透過速度
を測定した。結果を第2表に示す。
第2表の結果から明らかな様に、90%を超える空孔率
の繊維状シートでは、水の分離精度が悪い。空孔率が30
%未満の繊維状シートの場合は、透過速度が著しく遅
く、工業上の利用価値が低い。
実施例3 実施例1で用いたナイロン製メッシュで補強された単
繊維直径1.7μm、空孔率75%、厚み0.17mmの油透過型
の補強された油水分離フィルター及びこの補強布を除い
たものの、プリーツ加工時の成型性を見るために、実際
にプリーツ加工を行ない、その加工速度を評価した。用
いたフィルターの巾は96mm、プリーツの折り巾は10mmで
あった。結果を第3表に示す。
また、プリーツ加工前の上記2種のフィルターの破裂
強度をJIS-L1079法に従って調べた。結果を第5表に示
す。
これらの結果から、補強された油透過型の油水分離フ
ィルターは、補強されないものにくらべて、強度、耐久
性、成型性に優れていることがわかる。
実施例4 単繊維直径0.5〜15.4μmのポリエチレンテレフタレ
ート繊維からなる不織布シートを成形した(空孔率72
%、厚み0.7mm)。すなわち、単繊維直径0.5〜1.5μm
の繊維からなる繊維状シートはメルトブロー法により得
た。また、3.7〜15.4μmの繊維からなる繊維状シート
は、直接紡糸によって得られた繊維を5mmの長さに切断
した後、湿式抄造法にて得た。
さらに、この繊維状シートの両面にポリエチレンテレ
フタレート製の単繊維直径10μm、厚み0.245mmの不織
布を重ね合わせて、補強された油水分離フィルター(粗
粒化型のフィルター)とした。これらをミリポア社製フ
ィルターホルダー(透過面直径90mmφ)に装着し、三菱
パーマック社製ドライクリーナーMC-9機の冷却器と比重
差分離器の間に設置した。なおフィルターホルダーの前
には送液ポンプ(日本フィーダー社製RXD型)を設置し
た。ドライクリーナー機の蒸留器の中にテトラクロルエ
チレン50lと活性剤ゲンブクリーンPM250(第一工業製薬
社製)ccと水3lを入れ、0.5l/分の速度で蒸留を行なっ
た。
蒸留に次いで冷却した後の溶剤は、テトラクロルエチ
レン中に水滴が分散した白濁液であった。テトラクロル
エチレン中の水分量を測定したところ、35℃で250p.p.m
であり、水滴の大きさを光学顕微鏡で写真測定したとこ
ろ0.5〜3μmであった。蒸留−冷却後のテトラクロル
エチレンを送液ポンプから0.5l/minの速度で繊維状シー
トを装着したフィルターホルダーを透過させ、引き続い
て比重差分離器でテトラクロルエチレンと水の比重差分
離を行った。
単繊維直径が相違する不織布シート4種と比重差分離
後のテトラクロルエチレンの水分量の測定結果を第6表
に示す。第9表中の比較例(10)は、蒸留−冷却後すぐ
に比重差分離したときの水分量である。第6表の結果よ
り明らかなように本発明の方法によるものは溶剤と遊離
水分の分離性能が著しく良好であり、溶解度まで水分を
完全に分離していることが判る。
繊維状シートを透過した後の透過液をメスシリンダー
によって肉眼観察すると本発明の方法によるものは、0.
5〜2mmに粗粒化した水滴がテトラクロルエチレン中を上
昇するのがわかり、すぐに比重差により透明なテトラク
ロルエチレン相と水相の2つに分かれた。一方、比較例
の透過液はテトラクロルエチレン中に微細な水滴が分散
しているため白濁していた。比較例(10)はほとんど比
重差分離されていないことが判る。
実施例5 実施例4で用いた、ポリエチレンテレフタレート製不
織布で補強された、単繊維直径1.5μm、空孔率72%、
厚み0.7mmの粗粒化型のフィルター及びこの補強布を除
いた物のプリーツ加工時の成型性をみるために、実際に
プリーツ加工を行ない、その加工速度を測定した。用い
たフィルターの巾は96mmで、プリーツの折り巾は、10mm
であった。結果を第8表に示す。さらに、上記の条件で
折った2種のフィルターを第1図に示すような円筒形の
フィルターカートリッジに成型した。フィルターの面積
は0.075m2であった。フィルターの上下端面及び側部の
フィルターのつなぎ目は、エポキシ系接着剤(アイカ工
業製EX-617)でシールした。下記の条件で作成した処理
液を、10l/minの速度で流し、フィルターの圧力損失と
カートリッジの破損の様子を調べた。
処理液の作成条件:水中に、試験用テストダスト(カ
オリンけい藻土)を5重量%加え、よく攪拌した。圧損
が上昇するにつれて、フィルター全体にふくらみが生
じ、ついにはプリーツの谷部分がふくらみ、山部分から
とび出した時点を、カートリッジの破損した点と定め
て、その点の圧損を測定した。結果を第7表に示す。
また、プリーツ加工前の上記2種のフィルターの破裂
強度をJIS-L-1079法に従って調べた。結果を第7表に示
す。
これらの結果から、補強された油水分離フィルター
は、補強されないものに比べると、強度、耐久性、成型
性に優れていることがわかる。
実施例6 実施例4で用いたポリエチレンテレフタレート製不織
布で補強された油水分離フィルター(単繊維直径1.5μ
m、空孔率72%、厚み0.7mm、粗粒化型フィルター)
の、ポリエチレンテレフタレート製不織布補強材の側
に、さらに実施例1で用いたナイロン製メッシュを重ね
合わせて、補強された油水分離フィルター(粗粒化型フ
ィルター)を得た。
さらに、このフィルターからポリエチレンテレフタレ
ート製不織布の補強材とナイロン製メッシュの補強材を
除いた粗粒化型フィルターを用意した。
上記2種のフィルターに実施例5と同じ加工を施し
て、第1図に示すような円筒プリーツ状のフィルターカ
ートリッジを作成した。ここで、補強材はカートリッジ
の外側に来るように加工した。
また上記2種のうちの後者(粗粒化型フィルターのみ
のもの)を、プリーツ状に成形せず、上記2種のフィル
ターカートリッジの外径と高さの等しい円筒平膜状のカ
ートリッジに成形した。上下端及びフィルターのつなぎ
目のシール方法は、上記2種のフィルターカートリッジ
と同様である。このカートリッジフィルターのフィルタ
ー面積は0.025m2であった。なお、プリーツ円筒状カー
トリッジのフィルター面積は0.075m2であった。
これら3種のカートリッジに対し、下記条件で作成し
た処理液を15l/minで流し、フィルターの圧力損失と処
理後の液中の水滴の大きさを測定した。
処理液の作成条件:灯油1中に水を20ml加え、ホモ
ミキサーで1分間攪拌した後、これを灯油49lに加えよ
くかきまぜた。
得られた結果を第8表に示す。これらの結果から、本
実施例のプリーツ円筒状フィルターは、補強材及びプリ
ーツ化の両方によって粗粒化後の水滴の大きさが大きく
なっていることと、通液時のフィルターの圧損上昇が、
補強によっておさえられていることがわかる。
実施例7 単繊維直径1.7μm、厚み0.20mm、空孔率73%のポリ
エチレンテレフタレート繊維からなる繊維状シールをメ
ルトブロー法によって形成した。これの片側に実施例1
で用いたナイロン製メッシュを重ね合わせて、補強され
た油水分離フィルター(粗粒化型フィルター)を得た。
このフィルターをプリーツ状に成型した後、補強布が外
側となるようにその両端を熱融着し、プリーツ角が6.5
°,10°,40°,80°となるように4種の円筒プリーツ状
構造物を作成した。この構造物の外径は68mm、内径は48
mm、高さは250mmであった。この円筒プリーツ状構造物
の上下端面に、エポキシ接着剤(アイカ工業製EX-617)
を用いて、もれのないようにキャップを取りつけて、円
筒プリーツ状のカートリッジを作成した。キャップの材
質はSUS304であり、その形態は、第2〜4図のドーナッ
ツ状キャップと同じである。またカートリッジの内外に
は、SUS304製開口率60%のパンチングプレートの円筒状
多孔板を取りつけた。
また同じ上下キャップに、直径70mmの円筒多孔板を取
りつけ、このまわりに円筒プリーツ状カートリッジに用
いたのと同じ補強された油水分離フィルターを巻く形で
もれのないように、フィルターの上下端及びフィルター
のつなぎ目をエポキシ接着剤(アイカ工業製EX-617)で
シールして平膜円筒状カートリッジを作成した。
これらのカートリッジを、東洋濾紙社製1PCタイプ、
プラスチックハウジングに、もれのないようガスケット
を取りつけて装着した。この装置によって、液をカート
リッジの内側から外側に向けて流すことができる。そこ
で、水1当り3mgの酸化第2鉄を分散し、これを各フ
ィルターに12l/minで流して、フィルターの60分後の圧
損を測定した。送液に用いたポンプは、大東工業(株)
製HSR-6S-46であった。
結果を第9表に示す。この結果から、本実施例のプリ
ーツ円筒状フィルターカートリッジは、平膜円筒状のフ
ィルターカートリッジに比べ、圧損上昇が少なく寿命が
長いことがわかる。本実施例の範囲以外のプリーツ角を
持つフィルターカートリッジは、平膜に比べあまり優位
性のないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の補強された油水分離フィルターをプ
リーツ状に成型したものを、カートリッジ化したもので
ある。図面左側は正面図、右側は断面図である。 1……補強された油水分離フィルター、2……上部端面
のシール部、3……下部端面のシール部、4……上部キ
ャップ、5……下部キャップ、6……液導通のためのパ
イプ、7……円筒状多孔板。 第2図、第3図および第4図はいずれも、本発明の補強
された油水分離フィルターを円筒プリーツ状に成型した
ものをカートリッジ化したものである。各図において、
上方の図は上面図であり、下方の図は正面図であり、ま
た一点鎖線の右側は断面を示している。 5′……円板状キャップ、5……ドーナッツ状キャッ
プ、4′……フランジ付ドーナッツ状キャップ、9……
プリーツのつなぎ目、2,3……円筒プリーツ状構造物の
上下端面とドーナッツ状又は円板状キャップを接着また
は融着によって取りつけた部分、1……円筒プリーツ状
構造物、7……円筒多孔板(内側)、8……円筒多孔板
(外側)。 第5図は、プリーツ成型した補強された油水分離フィル
ターの一部分の断面図である。 1……プリーツ成型した補強された油水分離フィルタ
ー、d……補強された油水分離フィルターの厚み、θ…
…プリーツ角。 第6図は、補強された油水分離フィルターカートリッジ
を用いた、船舶用油水分離装置の代表的な処理の流れを
示す概略図である。 11……油分の比重差分離室、14……ゴミ、油分のフィル
ターによる除去を行なうフィルター分離器、20……油水
分離フィルターカートリッジを用いて、粗粒化及び油の
比重差分離を行なう分離装置のベッセル、17……補強さ
れた粗粒化型油水分離フィルターのカートリッジ、19…
…処理後の水の排出系、18……処理後の油の排出系、10
……送液ポンプ。 第7図は、補強された油水分離フィルターカートリッ
ジ、を用いたジェット燃料中の水分除去装置の概略図で
ある。 10……送液ポンプ、22……油水分離装置のベッセル、23
……補強された粗粒化型油水分離フィルターのカートリ
ッジ、24……補強された油透過型油水分離フィルターの
カートリッジ、25……除去されたジェット燃料の排出
系、26……除かれた水の排出系。 第8図は、真空ポンプ油、コンプレッサー油、ジーゼル
エンジン燃料からの水除去に用いられる装置の概略図で
ある。 28……補強された粗粒化型油水分離フィルターのカート
リッジ、30……水除去後の油の排出系、31……除去され
た水の排出系、10……送液ポンプ、29……油水分離装置
のベッセル(粗粒化と比重差分離を行なう)。 第9図は、ドライクリーニング溶剤(水よりも溶剤が重
い場合)の水分除去に用いられる装置の概略図である。 32……補強された粗粒化型油水分離フィルターのカート
リッジ、34……除去された水の排出系、35……水が除去
された溶剤の排出系、10……送液ポンプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単繊維直径0.1〜10μmのメルトブロー法
    による繊維からなる、空孔率が30〜90%の不織布シート
    の少なくとも片面に補強材を重ね一体に接合した油水分
    離フィルターシート体を角度7〜70°で折り畳んだプリ
    ーツ層にて油透過性水分離層を形成してなるカートリッ
    ジ型の油中水の分離が可能な油水分離フィルター。
JP62162284A 1986-07-17 1987-07-01 補強された油水分離フィルタ− Expired - Fee Related JP2572068B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16680486 1986-07-17
JP61-166804 1986-07-17

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63156508A JPS63156508A (ja) 1988-06-29
JP2572068B2 true JP2572068B2 (ja) 1997-01-16

Family

ID=15837987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62162284A Expired - Fee Related JP2572068B2 (ja) 1986-07-17 1987-07-01 補強された油水分離フィルタ−

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2572068B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066826A1 (ja) 2005-12-09 2007-06-14 Sumitomo Chemical Company, Limited 油水分離フィルター及び油水分離装置
KR100840892B1 (ko) * 2006-12-06 2008-06-24 한국생산기술연구원 플라즈마 코팅층을 포함하는 부직포 형상의 유수분리 소재,및 이를 포함하는 유수분리 필터

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4071552B2 (ja) 2001-07-10 2008-04-02 本田技研工業株式会社 ランキンサイクル装置
JP3827707B2 (ja) * 2004-12-22 2006-09-27 芙蓉パーライト株式会社 油吸着カートリッジ、油水分離装置及び油水分離方法
EP1852538A4 (en) 2005-02-16 2008-03-12 Sanyo Electric Co DEVICE FOR CHEMICAL CLEANING
JP4619158B2 (ja) * 2005-03-15 2011-01-26 三洋電機株式会社 ドライクリーニング装置
JP2007181819A (ja) * 2005-12-09 2007-07-19 Sumitomo Chemical Co Ltd 油水分離フィルター及び油水分離装置
KR100748000B1 (ko) * 2006-09-26 2007-08-08 현대제철 주식회사 오일필터
DE102007013178A1 (de) * 2007-03-20 2008-09-25 Hydac Filtertechnik Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Filterelementes und nach dem Verfahren hergestelltes Filterelement
US20090178970A1 (en) * 2008-01-16 2009-07-16 Ahlstrom Corporation Coalescence media for separation of water-hydrocarbon emulsions
US8833567B2 (en) 2008-01-16 2014-09-16 Ahlstrom Corporation Coalescence media for separation of water-hydrocarbon emulsions
US20110210081A1 (en) * 2010-02-26 2011-09-01 Clarcor Inc. Fine fiber liquid particulate filter media
US10343085B2 (en) * 2011-10-14 2019-07-09 W. L. Gore & Associates, Inc. Multilayer porous composite
JP2014184398A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 油水分離フィルタ、これを用いた油水分離方法及び油水分離装置
JP2016002520A (ja) * 2014-06-17 2016-01-12 住友電気工業株式会社 プリーツフィルター、プリーツフィルターカートリッジ、それを用いたバラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法
JP6836892B2 (ja) * 2016-12-16 2021-03-03 アルバック機工株式会社 油中水分除去装置、油中水分除去方法及び真空ポンプシステム
CN107993810B (zh) * 2017-11-03 2024-04-26 国家电网公司 一种用于变压器绝缘油的干燥方法和干燥装置
CN113521884B (zh) * 2021-06-30 2022-11-22 中海油能源发展股份有限公司 一种筒状油水分离滤芯、组件及其制备方法和应用
JPWO2023127682A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1485622A (en) * 1973-11-05 1977-09-14 Foseco Int Treatment of droplet dispersions

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066826A1 (ja) 2005-12-09 2007-06-14 Sumitomo Chemical Company, Limited 油水分離フィルター及び油水分離装置
KR100840892B1 (ko) * 2006-12-06 2008-06-24 한국생산기술연구원 플라즈마 코팅층을 포함하는 부직포 형상의 유수분리 소재,및 이를 포함하는 유수분리 필터

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63156508A (ja) 1988-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2572068B2 (ja) 補強された油水分離フィルタ−
US8590712B2 (en) Modular filter elements for use in a filter-in-filter cartridge
RU2561993C2 (ru) Модульные фильтрующие элементы для применения в картридже с фильтром в фильтре
US4309289A (en) Method of filtering oil from oil-and-water emulsions
JP3490174B2 (ja) 液体分離方法、液体分離装置および凝集部材
KR101196282B1 (ko) 터빈 흡기구 필터
CN107587961B (zh) 内燃机的燃油滤清器和燃油滤清器的过滤元件
US7175030B2 (en) High capacity depth filter bag
EP2364196B1 (en) Filter media with nanoweb layer
US20120292252A1 (en) Tubular surface coalescers
EP0003959A1 (en) Collapse-resistant corrugated filter element
WO2011133184A1 (en) Apparatus and method for removing contaminants from industrial fluids
WO2006135703A2 (en) High efficiency fuel filter
US4591441A (en) Method and apparatus for separating oil from water
KR100495196B1 (ko) 여과기 카트리지
US20020056684A1 (en) Multilayer filter element
WO2008146045A1 (en) Improvements in coalescing filters
JPH1176764A (ja) 中空糸膜モジュール及びその製造方法
JP4359059B2 (ja) 自動変速機用オイルフィルタの濾過材
JPH0365207A (ja) 油水分離用フィルター
CA1178542A (en) Method and apparatus for oil-water separation by coalescence
JPS6297613A (ja) 油の分離方法
JP3994225B2 (ja) 濾過材および濾過方法
JPS61257211A (ja) 微小油滴の粗粒化分離方法
CN212187961U (zh) 一种用于燃油过滤器的聚结分离滤芯

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees