JP4071552B2 - ランキンサイクル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動媒体循環回路に沿って蒸発器、膨張機、凝縮器および圧送ポンプを設けたランキンサイクル装置に関し、特にその膨張機の潤滑媒体に混入した作動媒体としての水を分離する手段を備えたランキンサイクル装置、あるいは作動媒体としての水に混入した膨張機の潤滑媒体を分離する手段を備えたランキンサイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ランキンサイクル装置の閉回路を循環する作動媒体に膨張機の潤滑媒体が混入すると、膨張機における潤滑媒体の量が不足して膨張機の効率低下や焼き付きが生じるため、気液分離器において作動媒体から潤滑媒体を分離して膨張機に戻すものが、実公昭61−8170号公報により公知である。
【0003】
また超極細の繊維で構成したフィルターに油および水の混合物を供給することにより、繊維に付着した油滴を粗粒化して水との比重差により水から分離し、あるいは繊維に付着した水滴を粗粒化して油との比重差により油から分離する、いわゆるコアレッサー式の油水分離フィルターが、特開昭63−156508号公報により公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記実公昭61−8170号公報に記載されたランキンサイクル装置は、作動媒体および潤滑媒体の混合物が閉回路を循環しているため、閉回路を循環する作動媒体中の潤滑媒体が熱でガス化してランキンサイクル装置の性能や耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。またボイラから気液分離器に液相の作動媒体、気相の作動媒体および潤滑媒体の混合物が供給され、しかも気液分離器は重力で潤滑媒体を分離する構造であるため、その潤滑媒体に液相の作動媒体が混入することが避けられない問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、潤滑媒体で潤滑される膨張機を備えたランキンサイクル装置において、膨張機の潤滑媒体に混入した作動媒体としての水を確実に分離して潤滑媒体の再生を図り、あるいは膨張機でに混入した潤滑媒体を確実に分離しての再生を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自動車の内燃機関の廃熱で作動媒体である水を加熱して高温・高圧の蒸気を発生させる蒸発器と、蒸発器から供給された蒸気の熱および圧力を機械エネルギーに変換する膨張機と、膨張機において降温・降圧した蒸気を冷却してに戻す凝縮器と、凝縮器から排出されたを蒸発器に供給する圧送ポンプとを含む作動媒体循環回路を備えたランキンサイクル装置において、前記ランキンサイクル装置は、自動車に搭載された環境下で振動が発生し、前記膨張機の摺動部はと異なる潤滑媒体により潤滑され、膨張機において潤滑媒体に混入したを該潤滑媒体から分離する分離手段を備え、この分離手段は作動媒体が水の状態にある位置に設けられ、分離手段は、潤滑媒体に含まれるを粗粒化し、粗粒化したと潤滑媒体との比重差により該を分離するものであることを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、ランキンサイクル装置の膨張機の潤滑媒体に含まれるを分離する際に、作動媒体が水の状態にあるときに潤滑媒体を分離することで、水の状態および蒸気の状態が混在する作動媒体から潤滑媒体を分離する場合に比べて、をより完全に分離することができる。また分離手段が潤滑媒体に含まれるを粗粒化して潤滑媒体との比重差により分離するので、少ない圧力損失で潤滑媒体からを効果的に分離することができる。しかも液相状態になった潤滑媒体およびを比重差によって分離するため、振動が発生するような環境下に置かれたランキンサイクル装置であっても確実に潤滑媒体ととを分離することができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、分離手段は所定温度範囲での分離機能を発揮するものであり、この分離手段は潤滑媒体が前記所定温度範囲にある位置に設けられたことを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、所定温度範囲での分離機能を発揮する分離手段を潤滑媒体の温度が前記所定温度範囲にある位置に設けたので、分離手段の損傷を防止しながらの分離機能を安定して発揮させることができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、分離手段は、少なくとも2台の分離装置を直列に接続して構成されることを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、少なくとも2台の分離装置を直列に接続して分離手段を構成したので、各々の分離装置の分離特性に変化を持たせることが可能となり、1台の分離装置で分離手段を構成する場合に比べて、分離性能の向上および分離手段の小型化を図ることができる。
【0012】
また請求項4に記載された発明によれば、自動車の内燃機関の廃熱で作動媒体である水を加熱して高温・高圧の蒸気を発生させる蒸発器と、蒸発器から供給された蒸気の熱および圧力を機械エネルギーに変換する膨張機と、膨張機において降温・降圧した蒸気を冷却してに戻す凝縮器と、凝縮器から排出されたを蒸発器に供給する圧送ポンプとを含む作動媒体循環回路を備えたランキンサイクル装置において、前記ランキンサイクル装置は、自動車に搭載されるとともに閉回路を構成し、前記膨張機の摺動部はと異なる潤滑媒体により潤滑され、膨張機においてに混入した潤滑媒体を該から分離する潤滑媒体分離手段を備え、この潤滑媒体分離手段は膨張機の下流側であって作動媒体が水の状態にある位置に設けられ、潤滑媒体分離手段は、に含まれる潤滑媒体を粗粒化し、粗粒化した潤滑媒体ととの比重差により該潤滑媒体を分離するものであることを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0013】
上記構成によれば、ランキンサイクル装置のに含まれる潤滑媒体を分離する際に、作動媒体が水の状態にあるときに潤滑媒体を分離することで、水の状態および蒸気の状態が混在する作動媒体から潤滑媒体を分離する場合に比べて、潤滑媒体をより完全に分離することができる。また潤滑媒体分離手段がに含まれる潤滑媒体を粗粒化してとの比重差により分離するので、少ない圧力損失でから潤滑媒体を効果的に分離することができる。しかも液相状態になった潤滑媒体およびを比重差によって分離するため、潤滑媒体がランキンサイクル回路の内に絶対に混入してはならないランキンサイクル装置であっても確実に潤滑媒体ととを分離することができる。
【0014】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、潤滑媒体分離手段は所定温度範囲で潤滑媒体の分離機能を発揮するものであり、この潤滑媒体分離手段はが前記所定温度範囲にある位置に設けられたことを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0015】
上記構成によれば、所定温度範囲で潤滑媒体の分離機能を発揮する潤滑媒体分離手段をの温度が前記所定温度範囲にある位置に設けたので、潤滑媒体分離手段の損傷を防止しながら潤滑媒体の分離機能を安定して発揮させることができる。
【0016】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項4または請求項5の構成に加えて、膨張機から作動媒体循環回路に排出された作動媒体に含まれるを分離する気液分離器を備え、この気液分離器で分離したを潤滑媒体分離手段に供給することを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0017】
上記構成によれば、膨張機から作動媒体循環回路に排出された作動媒体に含まれる水を気液分離器で分離して潤滑媒体分離手段に供給するので、潤滑媒体分離手段に供給される作動媒体を確実ににして潤滑媒体の分離機能を高めることができる。
【0018】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項の構成に加えて、膨張機から作動媒体循環回路に排出されて液相状態に戻されたに含まれる陽イオンや溶存気体を除去する浄化手段を備えたことを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0019】
上記構成によれば、膨張機から作動媒体循環回路に排出されて液相状態に戻されたに含まれる陽イオンや溶存気体を浄化手段で除去するので、作動媒体が流通する作動媒体循環回路の各部の汚染や腐食を一層確実に防止することができる。
【0020】
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項の構成に加えて、分離手段でを分離された潤滑媒体は膨張機に戻されることを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0021】
上記構成によれば、分離手段でを分離した潤滑媒体を膨張機に戻すので、が潤滑媒体に混入して潤滑性能が低下するのを防止でき、しかも膨張機に潤滑媒体を補充する必要がない。
【0022】
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項の構成に加えて、分離手段で潤滑媒体から分離されたは作動媒体循環回路に戻されることを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0023】
上記構成によれば、分離手段で潤滑媒体から分離したを作動媒体循環回路に戻すので、潤滑媒体の混入による作動媒体循環回路の損傷を防止でき、しかも作動媒体循環回路にを補充する必要がない。
【0024】
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項の構成に加えて、分離手段は、コアレッサー式のものであることを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0025】
上記構成によれば、分離手段がコアレッサー式のものであるので、少ない圧力損失で潤滑媒体からを効果的に分離することができる。
【0026】
また請求項11に記載された発明によれば、請求項10の構成に加えて、分離手段は疎水性繊維よりなるフィルターエレメントを備えたことを特徴とするランキンサイクル装置が提案される。
【0027】
上記構成によれば、分離手段のフィルターエレメントが疎水性繊維で構成されるので、および潤滑媒体の分離能力を高めることができる。
【0028】
、実施例のオイルは本発明の潤滑媒体に対応し、実施例のオイル分離手段137は本発明の潤滑媒体分離手段に対応する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図25は本発明の一実施例を示すもので、図1は膨張機の縦断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3部拡大図、図4は図1の4部拡大断面図(図8の4−4線断面図)、図5は図4の5−5線矢視図、図6は図4の6−6線矢視図、図7は図4の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図、図9は図4の9−9線断面図、図10は図1の10−10線矢視図、図11は図1の11−11線矢視図、図12は図10の12−12線断面図、図13は図11の13−13線断面図、図14は図10の14−14線断面図、図15は出力軸のトルク変動を示すグラフ、図16は高圧段の吸入系を示す作用説明図、図17は高圧段の排出系および低圧段の吸入系を示す作用説明図、図18は低圧段の排出系を示す作用説明図、図19はランキンサイクル装置の全体構成を示す図、図20は水分離手段の構造を示す図、図21は図20の21−21線断面図、図22は図20の22−22線断面図、図23は水を分離するコアレッサー式フィルターの作用を示す図、図24はオイルを分離するコアレッサー式フィルターの作用を示す図、図25はオイル分離手段の構造を示す図である。
【0031】
先ず、ランキンサイクル装置の膨張機113の概略構造を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0032】
膨張機113は作動媒体としての高温高圧蒸気の熱エネルギーおよび圧力エネルギーを機械エネルギーに変換して出力するもので、そのケーシング11は、ケーシング本体12と、ケーシング本体12の前面開口部にシール部材13を介して嵌合して複数本のボルト14…で結合される前部カバー15と、ケーシング本体12の後面開口部にシール部材16を介して嵌合して複数本のボルト17…で結合される後部カバー18とから構成される。ケーシング本体12の下面開口部にオイルパン19がシール部材20を介して当接し、複数本のボルト21…で結合される。またケーシング本体12の上面にシール部材22(図12参照)を介してブリーザ室隔壁23が重ね合わされ、更にその上面にシール部材24(図12参照)を介してブリーザ室カバー25が重ね合わされ、複数本のボルト26…で共締めされる。
【0033】
ケーシング11の中央を前後方向に延びる軸線Lまわりに回転可能なロータ27と出力軸28とが溶接で一体化されており、ロータ27の後部がアンギュラボールベアリング29およびシール部材30を介してケーシング本体12に回転自在に支持されるとともに、出力軸28の前部がアンギュラボールベアリング31およびシール部材32を介して前部カバー15に回転自在に支持される。前部カバー15の後面に2個のシール部材33,34およびノックピン35を介して嵌合する斜板ホルダ36が複数本のボルト37…で固定されており、この斜板ホルダ36にアンギュラボールベアリング38を介して斜板39が回転自在に支持される。斜板39の回転軸線は前記ロータ27および出力軸28の軸線Lに対して傾斜しており、その傾斜角は固定である。
【0034】
ロータ27と別部材で構成された7本のスリーブ41…が、ロータ27の内部に軸線Lを囲むように円周方向に等間隔で配置される。ロータ27のスリーブ支持孔27a…に支持されたスリーブ41…の内周に形成された高圧シリンダ42…に高圧ピストン43…が摺動自在に嵌合しており、高圧シリンダ42…の前端開口部から前方に突出する高圧ピストン43…の半球状部が、斜板39の後面に凹設した7個のディンプル39a…にそれぞれ突き当てられる。スリーブ41…の後端とロータ27のスリーブ支持孔27a…との間には耐熱金属性のシール部材44…が装着され、この状態でスリーブ41…の前端を押さえる単一のセットプレート45が複数本のボルト46…でロータ27の前面に固定される。スリーブ支持孔27a…の底部近傍は僅かに大径になっており、スリーブ41…の外周面との間に間隙α(図3参照)が形成される。
【0035】
高圧ピストン43…は高圧シリンダ42…との摺動面をシールする圧力リング47…およびオイルリング48…を備えており、圧力リング47…の摺動範囲とオイルリング48…の摺動範囲とは相互にオーバーラップしないように設定されている。高圧ピストン43…を高圧シリンダ42…に挿入するとき、圧力リング47…およびオイルリング48…を高圧シリンダ42…にスムーズに係合させるべく、セットプレート45に前面側が広がるようにテーパした開口部45a…が形成される。
【0036】
以上のように、圧力リング47…の摺動範囲とオイルリング48…の摺動範囲とが相互にオーバーラップしないように設定したので、オイルリング48…が摺動する高圧シリンダ42…の内壁に付着した潤滑媒体としてのオイルが、圧力リング47…の摺動により高圧作動室82…に取り込まれないようにし、蒸気にオイルが混入するのを確実に防止することができる。特に、高圧ピストン43…は圧力リング47…およびオイルリング48…に挟まれた部分が若干小径になっているため(図3参照)、オイルリング48…の摺動面に付着したオイルが圧力リング47…の摺動面に移動するのを効果的に防止することができる。
【0037】
また7本のスリーブ41…をロータ27のスリーブ支持孔27a…に装着して高圧シリンダ42…を構成したので、スリーブ41…に熱伝導性、耐熱性、耐摩耗性、強度等に優れた材質を選択することができる。これにより性能および信頼性の向上が可能になるだけでなく、ロータ27に直接高圧シリンダ42…を加工する場合に比べて加工が容易になり、加工精度も向上する。しかも何れかのスリーブ41が摩耗・損傷した場合に、ロータ27全体を交換することなく、異常のあるスリーブ41だけを交換すれば良いので経済的である。
【0038】
またスリーブ支持孔27a…の底部近傍を僅かに大径にしてスリーブ41…の外周面とロータ27との間に間隙αを形成したので、高圧作動室82…に供給された高温高圧蒸気によりロータ27が熱変形しても、その影響がスリーブ41…に及び難くして高圧シリンダ42…の歪みを防止することができる。
【0039】
前記7本の高圧シリンダ42…と、そこに嵌合する7本の高圧ピストン43…とは、第1のアキシャルピストンシリンダ群49を構成する。
【0040】
ロータ27の外周部に7本の低圧シリンダ50…が軸線Lおよび高圧シリンダ42…の半径方向外側を囲むように円周方向に等間隔で配置される。これら低圧シリンダ50…は高圧シリンダ42…よりも大きな直径を有しており、かつ低圧シリンダ50…の円周方向の配列ピッチは高圧シリンダ42…の円周方向の配列ピッチに対して半ピッチ分ずれている。これにより、隣接する低圧シリンダ50…間に形成される空間に高圧シリンダ42…を配置することが可能になり、スペースを有効利用してロータ27の直径の小型化に寄与することができる。
【0041】
7本の低圧シリンダ50…にはそれぞれ低圧ピストン51…が摺動自在に嵌合しており、これら低圧ピストン51…はリンク52…を介して斜板39に接続される。即ち、リンク52…の前端の球状部52aは斜板39にナット53…で固定した球面軸受54…に揺動自在に支持され、リンク52…の後端の球状部52bは低圧ピストン51…にクリップ55…で固定した球面軸受56…に揺動自在に支持される。低圧ピストン51…の頂面近傍の外周面には、圧力リング78…およびオイルリング79…が隣接して装着される。圧力リング78…およびオイルリング79…の摺動範囲は相互にオーバーラップするので、圧力リング78…の摺動面に油膜を形成してシール性および潤滑性を高めることができる。
【0042】
前記7本の低圧シリンダ50…と、そこに嵌合する7本の低圧ピストン41…とは、第2のアキシャルピストンシリンダ群57を構成する。
【0043】
ところで、レシプロエンジン等に用いられるオイルには、界面活性剤と極圧剤とを添加している。この極圧剤には、代表的なものとしてモリブデン硫化物(例えば、二硫化モリブデン等)に代表されるモリブデン化合物があげられる。極圧剤を添加したオイル(親水性オイル)は、強攪拌した場合に水の周囲をこれらの親水基を有する界面活性剤と極圧剤とが取り囲み、潤滑油としての機能低下を招くだけでなく、乳化した混合物は安定化するので水との分離も難しくなる。このため、本実施例では親水性添加物を含まない疎水性オイルを膨張機113の潤滑媒体として使用している。
【0044】
以上のように、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の高圧ピストン43…の前端を半球状に形成し、その前端を斜板39に形成したディンプル39a…に当接させたので、高圧ピストン43…を斜板39に機械的に連結する必要がなくなって、部品点数の削減と組付性の向上とが可能になる。一方、第2のアキシャルピストンシリンダ群57の低圧ピストン51…はリンク52…および前後の球面軸受54…,56…を介して斜板39に連結されているので、第2のアキシャルピストンシリンダ群57に供給される中温中圧蒸気の温度および圧力が不足して低圧作動室84…が負圧になっても、低圧ピストン51…と斜板39とが離れて打音や損傷が発する虞がない。
【0045】
また斜板39は前部カバー15にボルト37…で締結されるが、そのときの斜板39の軸線Lまわりの締結位相を変化させることで、第1のアキシャルピストンシリンダ群49および第2のアキシャルピストンシリンダ群57に対する蒸気の供給・排出タイミングをずらして膨張機113の出力特性を変更することができる。
【0046】
また一体化されたロータ27および出力軸28は、それぞれケーシング本体12に設けたアンギュラボールベアリング29および前部カバー15に設けたアンギュラボールベアリング31に支持されるが、ケーシング本体12およびアンギュラボールベアリング29間に介装するシム58の厚さと、前部カバー15およびアンギュラボールベアリング31間に介装するシム59の厚さとを調整することにより、軸線Lに沿うロータ27の位置を前後方向に調整することができる。このロータ27の軸線L方向の位置の調整により、斜板39に案内される高圧・低圧ピストン43…,51…とロータ27に設けられた高圧・低圧シリンダ42…,50…との軸線L方向の相対的な位置関係が変化し、高圧・低圧作動室82…,84…における蒸気の膨張比を調整することができる。
【0047】
仮に、斜板39を支持する斜板ホルダ36が前部カバー15に対して一体に形成されていると、前部カバー15にアンギュラボールベアリング31やシム59を着脱するためのスペースを確保するのが困難になるが、斜板ホルダ36を前部カバー15に対し着脱可能にしたことで、上記問題が解消される。また仮に斜板ホルダ36が前部カバー15と一体であると、膨張機113の分解・組立時に予め前部カバー15側に組み付けた斜板39に、ケーシング11内の狭い空間で7本のリンク52…を連結・分離する面倒な作業が必要となるが、斜板ホルダ36を前部カバー15に対し着脱可能にしたことで、予めロータ27側に斜板39および斜板ホルダ36を組み付けてサブアセンブリを構成することが可能となり、組付性が大幅に向上する。
【0048】
次に、第1のアキシャルピストンシリンダ群49および第2のアキシャルピストンシリンダ群57に対する蒸気の供給・排出系統を、図4〜図9に基づいて説明する。
【0049】
図4に示すように、ロータ27の後端面に開口する円形断面の凹部27bおよび後部カバー18の前面に開口する円形断面の凹部18aに、ロータリバルブ61が収納される。軸線Lに沿うように配置されたロータリバルブ61は、ロータリバルブ本体62と、固定側バルブプレート63と、可動側バルブプレート64とを備える。可動側バルブプレート64は、ロータ27の凹部27bの底面にガスケット65を介して嵌合した状態で、ノックピン66およびボルト67aでロータ27に固定される。可動側バルブプレート64に平坦な摺動面68を介して当接する固定側バルブプレート63はノックピン69およびボルト67bを介してロータリバルブ本体62に相対回転不能に結合される。従って、ロータ27が回転すると、可動側バルブプレート64および固定側バルブプレート63は摺動面68において相互に密着しながら相対回転する。固定側バルブプレート63および可動側バルブプレート64は、超硬合金やセラミックス等の耐久性に優れた材質で構成されており、その摺動面68に耐熱性、潤滑性、耐蝕性、耐摩耗性を有する部材を介在させたりコーティングしたりすることが可能である。
【0050】
ロータリバルブ本体62は、大径部62a、中径部62bおよび小径部62cを備えた段付き円柱状の部材であって、その大径部62aの外周に嵌合する環状の摺動部材70が、ロータ27の凹部27bに円筒状の摺動面71を介して摺動自在に嵌合するとともに、その中径部62bおよび小径部62cが後部カバー18の凹部18aにシール部材72,73を介して嵌合する。摺動部材70は、超硬合金やセラミックス等の耐久性に優れた材質で構成される。ロータリバルブ本体62の外周に植設されたノックピン74が、後部カバー18の凹部18aに軸線L方向に形成された長孔18bに係合しており、従ってロータリバルブ本体62は後部カバー18に対して相対回転不能、かつ軸線L方向に移動可能に支持される。
【0051】
後部カバー18に軸線Lを囲むように複数個(例えば、7個)のプリロードスプリング75…が支持されており、これらプリロードスプリング75…に中径部62bおよび小径部62c間の段部62dを押圧されたロータリバルブ本体62は、固定側バルブプレート63および可動側バルブプレート64の摺動面68を密着させるべく前方に向けて付勢される。後部カバー18の凹部18aの底面とロータリバルブ本体62の小径部62cの後端面との間に圧力室76が区画されており、後部カバー18を貫通するように接続された蒸気供給パイプ77が前記圧力室76に連通する。従って、ロータリバルブ本体62は前記プリロードスプリング75…の弾発力に加えて、圧力室76に作用する蒸気圧によっても前方に付勢される。
【0052】
第1のアキシャルピストンシリンダ群49に高温高圧蒸気を供給する高圧段の蒸気吸入経路が、図16に網かけして示される。図16と図5〜図9とを併せて参照すると明らかなように、蒸気供給パイプ77から高温高圧蒸気が供給される圧力室76に上流端が連通する第1蒸気通路P1が、ロータリバルブ本体62を貫通して固定側バルブプレート63との合わせ面に開口し、固定側バルブプレート63を貫通する第2蒸気通路P2に連通する。ロータリバルブ本体62および固定側バルブプレート63の合わせ面からの蒸気のリークを防止すべく、該合わせ面に装着されたシール部材81(図7および図16参照)により第1、第2蒸気通路P1,P2の接続部の外周がシールされる。
【0053】
可動側バルブプレート64およびロータ27にはそれぞれ7本の第3蒸気通路P3…(図5参照)および第4蒸気通路P4…が円周方向に等間隔に形成されており、第4蒸気通路P4…の下流端は第1のアキシャルピストンシリンダ群49の高圧シリンダ42…および高圧ピストン43間に区画された7個の高圧作動室82…に連通する。図6から明らかなように、固定側バルブプレート63に形成された第2蒸気通路P2の開口は、高圧ピストン43の上死点TDCの前後に均等に開口せずに矢印Rで示すロータ27の回転方向進み側に僅かにずれて開口している。これにより、できるだけ長い膨張期間、即ち充分な膨張比を確保でき、かつ上死点TDCの前後に均等に開口を設定した場合に生じる負の仕事を極力少なくし、更に高圧作動室82…内に残留する膨張蒸気を減少して充分な出力(効率)が得られる。
【0054】
第1のアキシャルピストンシリンダ群49から中温中圧蒸気を排出して第2のアキシャルピストンシリンダ群57に供給する高圧段の蒸気排出経路および低圧段の蒸気吸入経路が、図17に網かけして示される。図17と図5〜図8とを併せて参照すると明らかなように、固定側バルブプレート63の前面には円弧状の第5蒸気通路P5(図6参照)が開口しており、この第5蒸気通路P5は固定側バルブプレート63の後面に開口する円形の第6蒸気通路P6(図7参照)に連通する。第5蒸気通路P5は、高圧ピストン43の下死点BDCに対して矢印Rで示すロータ27の回転方向進み側に僅かにずれた位置から、上死点TDCに対して回転方向遅れ側に僅かにずれた位置に亘って開口している。これにより、可動側バルブプレート64の第3蒸気通路P3…は下死点BDCから第2蒸気通路P2と重複しない(好ましくは第2蒸気通路P2と重複する直前の)角度範囲に亘って固定側バルブプレート63の第5蒸気通路P5に連通することができ、その間に第3蒸気通路P3…から第5蒸気通路P5への蒸気の排出が行われる。
【0055】
ロータリバルブ本体62には、軸線L方向に延びる第7蒸気通路P7と、略半径方向に延びる第8蒸気通路P8とが形成されており、第7蒸気通路P7の上流端は前記第6蒸気通路P6の下流端に連通するとともに、第7蒸気通路P7の下流端はロータリバルブ本体62および摺動部材70に跨がって配置された継ぎ手部材83の内部の第9蒸気通路P9を経て、摺動部材70を半径方向に貫通する第10蒸気通路P10に連通する。そして第10蒸気通路P10は、ロータ27に放射状に形成した7本の第11蒸気通路P11…を介して、第2のアキシャルピストンシリンダ群57の低圧シリンダ50…および低圧ピストン41…間に区画された7個の低圧作動室84…に連通する。
【0056】
ロータリバルブ本体62と固定側バルブプレート63との合わせ面からの蒸気のリークを防止すべく、該合わせ面に装着されたシール部材85(図7および図17参照)により第6、第7蒸気通路P6,P7の接続部の外周がシールされる。摺動部材70の内周面とロータリバルブ本体62との間は2個のシール部材86,87でシールされ、継ぎ手部材83の外周面と摺動部材70との間はシール部材88でシールされる。
【0057】
第2のアキシャルピストンシリンダ群57から低温低圧蒸気を排出する蒸気排出経路が、図18に網かけして示される。図18、図8および図9を併せて参照すると明らかなように、摺動部材70の摺動面71に、ロータ27に形成した7個の第11蒸気通路P11…に連通可能な円弧状の第16蒸気通路P16が切り欠かれており、この第16蒸気通路P16はロータリバルブ本体62の外周に円弧状に切り欠かれた第17蒸気通路P17に連通する。第16蒸気通路P16は、低圧ピストン51の下死点BDCに対して矢印Rで示すロータ27の回転方向進み側に僅かにずれた位置から、上死点TDCに対して回転方向遅れ側に僅かにずれた位置に亘って開口している。これにより、ロータ27の第11蒸気通路P11…は下死点BDCから第10蒸気通路P10と重複しない(好ましくは第10蒸気通路P10と重複する直前の)角度範囲に亘って摺動部材70の第16蒸気通路P16に連通することができ、その間に第11蒸気通路P11…から第16蒸気通路P16への蒸気の排出が行われる。
【0058】
更に第17蒸気通路P17は、ロータリバルブ本体62の内部に形成された第18蒸気通路P18〜第20蒸気通路P20および後部カバー18の切欠18dを介して、ロータリバルブ本体62および後部カバー18間に形成された蒸気排出室90に連通し、この蒸気排出室90は後部カバー18に形成した蒸気排出孔18cに連通する。
【0059】
以上のように、第1のアキシャルピストンシリンダ群49への蒸気の供給・排出と第2のアキシャルピストンシリンダ群57への蒸気の供給・排出とを共通のロータリバルブ61で制御するので、各々別個のロータリバルブを用いる場合に比べて膨張機113を小型化することができる。しかも第1のアキシャルピストンシリンダ群49に高温高圧蒸気を供給するバルブを、ロータリバルブ本体62と一体の固定側バルブプレート63の前端の平坦な摺動面68に形成したので、高温高圧蒸気のリークを効果的に防止することができる。なぜならば、平坦な摺動面68は高精度の加工が容易なため、円筒状の摺動面に比べてクリアランスの管理が容易であるからである。
【0060】
特に、複数本のプリロードスプリング75…でロータリバルブ本体62にプリセット荷重を与えて軸線L方向前方に付勢し、更に蒸気供給パイプ77から圧力室76に供給した高温高圧蒸気でロータリバルブ本体62を軸線L方向前方に付勢することにより、固定側バルブプレート63および可動側バルブプレート64の摺動68に高温高圧蒸気の圧力に応じた面圧を発生させ、その摺動面68からの蒸気のリークを一層効果的に抑制することができる。
【0061】
また第2のアキシャルピストンシリンダ群57に中温中圧蒸気を供給するバルブはロータリバルブ本体62の外周の円筒状の摺動面71に形成されているが、そこを通過する中温中圧蒸気は前記高温高圧蒸気に比べて圧力が低下しているため、摺動面71に対する面圧を発生させなくとも、所定のクリアランス管理を施せば蒸気のリークは実用上問題ない。
【0062】
またロータリバルブ本体62に内部に、高温高圧蒸気が流れる第1蒸気通路P1と、中温中圧蒸気が流れる第7蒸気通路P7および第8蒸気通路P8と、低温低圧蒸気が流れる第17蒸気通路P17〜第20蒸気通路P20とを集約して形成したので蒸気温度の低下を防止できるだけでなく、高温高圧蒸気のシール部(例えば、シール部材81)を低温低圧蒸気で冷却して耐久性を高めることができる。
【0063】
更に、後部カバー18をケーシング本体12から取り外すだけで、ケーシング本体12に対してロータリバルブ61を着脱することができるので、修理、清掃、交換等のメンテナンス作業性が大幅に向上する。また高温高圧蒸気が通過するロータリバルブ61は高温になるが、オイルによる潤滑が必要な斜板39や出力軸28がロータ27を挟んでロータリバルブ61の反対側に配置されるので、高温となるロータリバルブ61の熱でオイルが加熱されて斜板39や出力軸28の潤滑性能が低下するのを防止することができる。またオイルはロータリバルブ61を冷却して過熱を防止する機能も発揮する。
【0064】
図1から明らかなように、オイルパン19に貯留されたオイルは、オイル通路91と、出力軸28により駆動されるオイルポンプ92と、出力軸28の内部に形成されたオイル溜89とを経て膨張機113に戻され、その間にオイルに含まれる水が分離される。その詳細は後から説明する。
【0065】
次に、図10〜図14を参照してブリーザの構造を説明する。
【0066】
ケーシング本体12の上壁12aとブリーザ室隔壁23との間に区画された下部ブリーザ室101はケーシング本体12の上壁12aに形成された連通孔12bを介してケーシング11内の潤滑室102に連通する。潤滑室102の底部に設けたオイルパン19にはオイルが貯留されており、その油面はロータ27の下端よりも僅かに高くなっている(図1参照)。下部ブリーザ室101の内部には上端がブリーザ室隔壁23の下面に接触する3枚の隔壁12c〜12eが上向きに突設されており、これら隔壁12c〜12eにより構成された迷路の一端に前記連通孔12bが開口するとともに、迷路の他端に向かう経路の途中に前記上壁12aを貫通する4個のオイル戻し孔12f…が形成される。オイル戻し孔12f…は下部ブリーザ室101の最も低い位置に形成されており(図14参照)、従って下部ブリーザ室101内で凝縮したオイルを潤滑室102に確実に戻すことができる。
【0067】
ブリーザ室隔壁23とブリーザ室カバー25との間に上部ブリーザ室103が区画されており、この上部ブリーザ室103と下部ブリーザ室101とが、ブリーザ室隔壁23を貫通して上部ブリーザ室103内に煙突状に突出する4個の連通孔23a…,23bにより連通する。ブリーザ室隔壁23を貫通する凝縮水戻し孔23cの下方に位置するケーシング本体12の上壁12aに凹部12gが形成されており、この凹部12gの周囲がシール部材104でシールされる。
【0068】
ブリーザ室隔壁23に形成された第1ブリーザ通路B1の一端が上部ブリーザ室103の高さ方向中間部に開口する。第1ブリーザ通路B1の他端は、ケーシング本体12に形成した第2ブリーザ通路B2および後部カバー18に形成した第3ブリーザ通路B3を介して蒸気排出室90に連通する。また上壁12aに形成した凹部12gはケーシング本体12に形成した第4ブリーザ通路B4および前記第3ブリーザ通路B3を介して蒸気排出室90に連通する。第1ブリーザ通路B1および第2ブリーザ通路B2の連通部の外周はシール部材105によりシールされる。
【0069】
図2に示すように、下部ブリーザ室101に連通する継ぎ手106とオイルパン19に連通する継ぎ手107とが透明なオイルレベルゲージ108で接続されており、このオイルレベルゲージ108内のオイルの油面により潤滑室102内のオイルの油面を外部から知ることができる。即ち、潤滑室102は密閉構造となっており、外部からオイルレベルゲージを挿入することはシール性の維持から難しく、構造が複雑化することが避けられない。しかしながら、このオイルレベルゲージ108によって、潤滑室102の密閉状態を維持しつつ外部からオイルの油面を容易に知ることができる。
【0070】
次に、上記構成を備えた膨張機113の作用を説明する。
【0071】
図16に示すように、蒸発器で水を加熱して発生した高温高圧蒸気は蒸気供給パイプ77を介して膨張機113の圧力室76に供給され、そこからロータリバルブ61のロータリバルブ本体62に形成した第1蒸気通路P1と、このロータリバルブ本体62と一体の固定側バルブプレート63に形成した第2蒸気通路P2とを経て、可動側バルブプレート64との摺動面68に達する。そして摺動面68に開口する第2蒸気通路P2はロータ27と一体に回転する可動側バルブプレート64に形成した第3蒸気通路P3に瞬間的に連通し、高温高圧蒸気は第3蒸気通路P3からロータ27に形成した第4蒸気通路P4を経て、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の7個の高圧作動室82…のうちの上死点に在る高圧作動室82に供給される。
【0072】
ロータ27の回転に伴って第2蒸気通路P2および第3蒸気通路P3の連通が絶たれた後も高圧作動室82内で高温高圧蒸気が膨張することで、スリーブ41の高圧シリンダ42に嵌合する高圧ピストン43が上死点から下死点に向けて前方に押し出され、その前端が斜板39のディンプル39aを押圧する。その結果、高圧ピストン43が斜板39から受ける反力でロータ27に回転トルクが与えられる。そしてロータ27が7分の1回転する毎に、新たな高圧作動室82内に高温高圧蒸気が供給されてロータ27が連続的に回転駆動される。
【0073】
図17に示すように、ロータ27の回転に伴って下死点に達した高圧ピストン43が上死点に向かって後退する間に、高圧作動室82から押し出された中温中圧蒸気は、ロータ27の第4蒸気通路P4と、可動側バルブプレート64の第3蒸気通路P3と、摺動面68と、固定側バルブプレート63の第5蒸気通路P5および第6蒸気通路P6と、ロータリバルブ本体62の第7蒸気通路P7〜第10蒸気通路P10と、摺動面71とを経て、ロータ27の回転に伴って上死点に達した第2のアキシャルピストンシリンダ群57の低圧作動室84に連なる第11蒸気通路P11に供給される。低圧作動室84に供給された中温中圧蒸気は第10蒸気通路P10と第11蒸気通路P11との連通が絶たれた後も低圧作動室84内で膨張することで、低圧シリンダ50に嵌合する低圧ピストン51が上死点から下死点に向けて前方に押し出され、低圧ピストン51に接続されたリンク52が斜板39を押圧する。その結果、低圧ピストン51の押圧力がリンク52を介して斜板39の回転力に変換され、この回転力は斜板39のディンプル39aを介して高圧ピストン43からロータ27に回転トルクを伝える。即ち、斜板39と同期回転するロータ27に回転トルクが伝達されることになる。尚、リンク52は膨張行程での負圧発生時に低圧ピストン51が斜板39から離脱するのを防止すべく、低圧ピストン51と斜板39との結合を維持する機能を果たすもので、膨張作用による回転トルクは、上述の如く斜板39のディンプル39aを介して高圧ピストン43から斜板39と同期回転するロータ27に伝達される構成となっている。そしてロータ27が7分の1回転する毎に、新たな低圧作動室84内に中温中圧蒸気が供給されてロータ27が連続的に回転駆動される。
【0074】
図18に示すように、ロータ27の回転に伴って下死点に達した低圧ピストン51が上死点に向かって後退する間に、低圧作動室84から押し出された低温低圧蒸気は、ロータ27の第11蒸気通路P11と、摺動面71と、摺動部材70の第16蒸気通路P16と、ロータリバルブ本体62の第17蒸気通路P17〜第20蒸気通路P20を経て蒸気排出室90に排出され、そこから蒸気排出孔18cを経て凝縮器に供給される。
【0075】
上述のようにして膨張機113が作動するとき、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の7本の高圧ピストン43…と、第2のアキシャルピストンシリンダ群57の7本の低圧ピストン51…とが共通の斜板39に接続されるので、第1、第2のアキシャルピストンシリンダ群49,57の出力を合成して出力軸28を駆動することができ、膨張機113を小型化しながら高出力を得ることができる。このとき、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の7本の高圧ピストン43…と、第2のアキシャルピストンシリンダ群57の7本の高圧ピストン51…とが円周方向に半ピッチずれて配置されているため、図15に示すように、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の出力トルクの脈動と、第2のアキシャルピストンシリンダ群57の出力トルクの脈動とが相互に打ち消しあい、出力軸28の出力トルクがフラットになる。
【0076】
またアキシャル型の回転式流体機械はラジアル式の回転式流体機械に比べてスペース効率が高いという特徴があるが、それを半径方向に2段に配置したことでスペース効率を更に高めることができる。特に、体積が小さい高圧の蒸気で作動するために小直径で済む第1のアキシャルピストンシリンダ群49を半径方向内側に配置し、体積が大きい低圧の蒸気で作動するために大直径となる第2のアキシャルピストンシリンダ群57を半径方向外側に配置したので、空間を有効利用して膨張機113の一層の小型化が可能となる。しかも円形断面を有することで加工精度を高くできるシリンダ42…,50…およびピストン43…,51…を用いたことにより、ベーンを用いた場合に比べて蒸気のリーク量が少なくなり、更なる高出力を望むことができる。
【0077】
また高温の蒸気で作動する第1のアキシャルピストンシリンダ群49を半径方向内側に配置し、低温の蒸気で作動する第2のアキシャルピストンシリンダ群57を半径方向外側に配置したので、第2のアキシャルピストンシリンダ群57とケーシング11の外部との温度差を最小限に抑え、ケーシング11の外部への熱逃げを最小限に抑えて膨張機113の効率を高めることができる。また半径方向内側の高温の第1のアキシャルピストンシリンダ群49から逃げた熱を、半径方向外側の低温の第2のアキシャルピストンシリンダ群57で回収することができるので、膨張機113の効率を更に高めることができる。
【0078】
また軸線Lに対して直角方向に見たとき、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の後端は第2のアキシャルピストンシリンダ群57の後端よりも前方に位置しているので、第1のアキシャルピストンシリンダ群49から軸線L方向後方に逃げた熱を第2のアキシャルピストンシリンダ群57で回収し、膨張機113の効率を更に高めることができる。更に、高圧側の摺動面68が低圧側の摺動面71よりもロータ27の凹部27bの奥側に在るので、ケーシング11の外部の圧力と低圧側の摺動面71との差圧を最小限に抑えて低圧側の摺動面71からの蒸気のリーク量を減少させることができ、しかも高圧側の摺動面68から漏れた蒸気圧を低圧側の摺動面71で回収して有効に利用することができる。
【0079】
さて、膨張機113の運転中にケーシング11の潤滑室102内で回転するロータ27によってオイルパン19に貯留されたオイルが攪拌されて撥ね上げられ、高圧シリンダ42…と高圧ピストン43…との摺動部、低圧シリンダ50…と低圧ピストン51…との摺動部、出力軸28を支持するアンギュラボールベアリング31、ロータ27を支持するアンギュラボールベアリング29、斜板39を支持するアンギュラボールベアリング38、高圧ピストン43…と斜板39との摺動部、リンク52…の両端の球面軸受54…,56…等を潤滑する。
【0080】
潤滑室102の内部には、オイルの攪拌により飛散したオイルミストと、ロータ27の高温部に加熱されて蒸発したオイルの蒸気とが充満しており、これに高圧作動室82…および低圧作動室84…から潤滑室102に漏出した蒸気が混合する。蒸気の漏出により潤滑室102の圧力が蒸気排出室90の圧力よりも高くなると、前記オイル分および蒸気の混合物はケーシング本体12の上壁12aに形成した連通孔12bから下部ブリーザ室101に流入する。下部ブリーザ室101の内部は隔壁12c〜12eにより迷路構造になっており、そこを通過する間に凝縮したオイルは、ケーシング本体12の上壁12aに形成した4個のオイル戻し孔12f…から落下して潤滑室102に戻される。
【0081】
オイル分を除去された蒸気はブリーザ室隔壁23の4個の連通孔23a…,23bを通過して上部ブリーザ室103に流入し、その上壁を区画するブリーザ室カバー25を介して外部の空気に熱を奪われて凝縮する。上部ブリーザ室103内で凝縮した水は、上部ブリーザ室103内に煙突状に突出する4個の連通孔23a…,23bに流入することなく、ブリーザ室隔壁23に形成した凝縮水戻し孔23cを通過して凹部12gに落下し、そこでから第4ブリーザ通路B4および第3ブリーザ通路B3を経て蒸気排出室90に排出される。このとき、蒸気排出室90に戻される凝縮水の量は、高圧作動室82…および低圧作動室84…から潤滑室102に漏出した蒸気の量に見合った量となる。また蒸気排出室90と上部ブリーザ室103とは圧力平衡通路として機能する第1蒸気通路B1〜第3蒸気通路B3で常時連通しているので、蒸気排出室90と潤滑室102との圧力平衡を確保することができる。
【0082】
暖機完了前の過渡期において、潤滑室102の圧力が蒸気排出室90の圧力よりも低くなった場合には、蒸気排出室90の蒸気が第3ブリーザ通路B3、第2ブリーザ通路B2および第1ブリーザ通路B1、上部ブリーザ室103および下部ブリーザ室101を経て潤滑室102に流入することが考えられるが、暖機完了後は潤滑室102への蒸気の漏出により潤滑室102の圧力が蒸気排出室90の圧力よりも高くなるため、上述したオイルおよび蒸気の分離作用が開始される。
【0083】
作動媒体である蒸気(あるいは水)が閉回路を循環するランキンサイクル装置では、作動媒体にオイルが混入してシステムが汚損されるのを極力回避することが必要であるが、オイルを分離する下部ブリーザ室101および凝縮水を分離する上部ブリーザ室103により、蒸気(あるいは水)へのオイルの混入を最小限に抑え、オイルを分離するフィルターの負担を軽減して小型化およびコストダウンを図ることができ、しかもオイルの汚れや劣化を防止することができる。
【0084】
ところで、各摺動部の潤滑媒体としてオイルを用いた膨張機113では、上述した各種の対策を講じてもオイルに作動媒体としての水が僅かに混入することが避けられない。このようにオイルに水が混入すると潤滑性能の低下を来すため、オイルから水を分離し、その水をランキンサイクル装置の閉回路に戻す必要がある。一方、膨張機113において作動媒体としての水に潤滑媒体としてのオイルが混入することも避けられず、オイルが混入した水がランキンサイクル装置の閉回路を循環すると、そのオイルが蒸発器や凝縮器の性能や耐久性に悪影響を及ぼすため、水からオイルを分離し、そのオイルを膨張機113の潤滑系に戻す必要がある。
【0085】
次に、図19に基づいて、上記膨張機113を含むランキンサイクル装置の全体構成を説明する。
【0086】
ランキンサイクル装置の作動媒体循環回路110上には、内燃機関111の排気ガスを熱源として水を加熱して温高圧蒸気を発生させる蒸発器112と、その蒸発器112で発生した高温高圧蒸気で機械エネルギーを発生させる膨張機113と、膨張機113から排出された降温降圧蒸気を冷却して水に戻す凝縮器114と、凝縮器114から排出された水を再度蒸発器112に供給する圧送ポンプ115とが配置される。また凝縮器114と圧送ポンプ115との間には、を送るための水ポンプ135aが配置される。
【0087】
膨張機113のオイルをオイルポンプ92で循環させるオイル通路91には、ラジエータ116、プレフィルター117および水分離手段118が設けられており、この水分離手段118で分離された水は一方向弁119を介装した水戻し通路120を経てランキンサイクル装置の作動媒体循環回路110に戻される。一方、水分離手段118で水を分離されたオイルは、オイル通路91およびオイルポンプ92を経て膨張機113に戻される。
【0088】
図20〜図22に示すように、水分離手段118は何れもコアレッサー式の上流側水分離装置121および下流側水分離装置122を直列に備えている。上流側水分離装置121は、膨張機113から供給されるオイルに僅かな水が混入したオイル−水混合物から水を分離するもので、ケーシング123の内部に疎水性を有する超極細のナイロン繊維で構成した円筒状のフィルターエレメント124を配置し、その内部に前記オイル−水混合物が供給される。下流側水分離装置122は、上流側水分離装置121から供給される水に僅かなオイルが混入した水−オイル混合物からオイルを分離するもので、ケーシング125の内部に疎水性を有する超極細のナイロン繊維で構成した円筒状のフィルターエレメント126を配置し、その内部に前記水−オイル混合物が供給される。上流側水分離装置121の水出口には上流側開閉弁127が設けられ、下流側水分離装置122の水出口には下流側開閉弁128が設けられる。
【0089】
通常、上流側開閉弁127および下流側開閉弁128は閉じており、この状態で膨張機113からオイルに僅かな水が混入したオイル−水混合物を供給すると、図23から明らかなように、オイル−水混合物が上流側水分離装置121のフィルターエレメント124を内側から外側に通過するとき、オイルに含まれる微量の水が超極細のナイロン繊維に捕捉されて次第に成長し、直径が2〜3mm程度の水滴になったところで、水よりも軽いオイルとの比重差で水滴だけが下方に沈下して上方のオイルから分離される。そして水を分離されたオイルは、オイル通路91に設けたオイルポンプ92で膨張機113の潤滑系に戻される。
【0090】
尚、ランキンサイクル装置を搭載した自動車の走行に伴う振動等により、上流側水分離装置121のケーシング123の底部に溜まった水がオイルと再度混合しないように、ケーシング123の底部に多数の隔壁123a…を設けて水の自由な流動を抑制している。この隔壁123a…に代えて、ケーシング123の底部にスポンジのような吸水性に優れた物質を配置し、それに水を吸い込ませて自由な流動を抑制することもできる。
【0091】
このようにして上流側水分離装置121の底部に溜まった水の量が増加すると、膨張機113に戻されるオイルに水が再び混入する前に上流側開閉弁127を開弁し、上流側水分離装置121の底部に溜まった水を下流側水分離装置122に供給する。上流側水分離装置121の底部に溜まった水には未だ若干のオイルが含まれているため、そのオイルを下流側水分離装置122において更に分離する。図24から明らかなように、下流側水分離装置122では、水−オイル混合物がフィルターエレメント126を内側から外側に通過するとき、水に含まれる微量のオイルが超極細のナイロン繊維に捕捉されて次第に成長し、直径が2〜3mm程度のオイル滴になったところで、オイルよりも重い水との比重差でオイル滴だけが上方に浮上して下方の水から分離される。
【0092】
尚、ランキンサイクル装置を搭載した自動車の走行に伴う振動等により、下流側水分離装置122ケーシング125の頂部に溜まったオイルが水と再度混合しないように、ケーシング125の頂部に多数の隔壁125a…を設けてオイルの自由な流動を抑制している。この隔壁125a…に代えてスポンジ等を配置しても、同等の効果を得ることができる。
【0093】
下流側水分離装置122において水−オイル混合物から分離されたオイルは、オイル通路91に設けたオイルポンプ92で膨張機113の潤滑系に戻される。そして下流側水分離装置122の底部にオイルを分離された水が所定量溜まると下流側開閉弁128が開弁し、その水は一方向弁119を介装した水戻し通路120を経てランキンサイクル装置の作動媒体循環回路110に戻される。このとき、下流側水分離装置122の底部に溜まった水が完全に排出される前に下流側開閉弁128を閉弁することで、オイルがランキンサイクル装置の作動媒体循環回路110に流入するのが防止される。
【0094】
上流側開閉弁127および下流側開閉弁128の開閉制御は、例えば上流側水分離装置121および下流側水分離装置122に溜まった水のオイル含有率に基づいて行うことができる。具体的には、水が導電性であり、オイルが非導電性であることから、水に対するオイル含有率が増加するほど電気抵抗が増加することに基づいて、前記オイル含有率を検出することができる。
【0095】
ナイロン繊維で構成された上流側水分離装置121および下流側水分離装置122のフィルターエレメント124,126は耐熱温度が約80℃であるのに対し、膨張機113のオイルパン19に滞留したオイルの温度は約120℃に達している。そこで水分離手段118の上流側に設けたラジエータ116でオイルの温度をフィルターエレメント124,126は耐熱温度以下に冷却することで、上流側水分離装置121および下流側水分離装置122の機能を確保するとともに耐久性を高めることができる。
【0096】
しかもラジエータ116を通過したオイルに含まれる作動媒体は冷却されて液相の水の状態になるため、その作動媒体を蒸気および水が混在する状態でオイルから分離する場合に比べて、水分離手段118における水の分離性能を高めることができる。またラジエータ116の下流のプレフィルター117でオイル−水混合物中の塵を除去することで、上流側水分離装置121および下流側水分離装置122のフィルターエレメント124,126の目詰まりを防止して耐久性を高めることができる。尚、水分離手段118は、膨張機113の外部であって該膨張機113と別体に取り付けることも可能であり、膨張機113と一体化することもできる。
【0097】
ところで、内燃機関111の出力状態に応じて膨張機113に供給される蒸気量が変化し、また内燃機関111が始動直後で膨張機113の暖機が未完了であると、各摺動部のクリアランスから漏れ出す蒸気の量も増加するため、膨張機13から水分離手段118に供給されるオイル−水混合物の混合比率も変動する。この場合、単一の水分離装置を用いてオイルから水を分離しようとすると、水分離装置の容量が不足して分離した水にオイルが混入したり、容量を増加させることで水分離装置が大型化したりする問題がある。しかしながら、本実施例の如く、特性の異なる上流側水分離装置121および下流側水分離装置122を2段階に配置することにより、水分離手段118を小型化しながら水の分離性能を高めることができる。
【0098】
また通常時は上流側開閉弁127および下流側開閉弁128が閉弁状態にあるため、膨張器113から大量のオイル−水混合物が一気に流入した場合でも、水分離手段118からオイルを含む水がランキンサイクル装置の作動媒体循環回路110に流入するのが防止される。しかも水およびオイルの比重差を利用して分離を行うコアレッサー式の水分離手段118は、他の膜方式のフィルターに比べて圧力損失が小さいため、オイルポンプ92の負荷を軽減することができる。
【0099】
以上、膨張機113のオイルから水を分離する手法について説明したが、以下にランキンサイクル装置の作動媒体循環回路110を循環する水からオイルを分離する手法について説明する。
【0100】
図19に示すように、ランキンサイクル装置の水が循環する作動媒体循環回路110における膨張機113および圧送ポンプ115間には、気液分離器131、前記凝縮器114、水浄化手段132およびタンク133が直列に配置される。気液分離器131から分岐して凝縮器114を迂回するバイパス通路134には、水を含んだ油を送るオイルポンプ135b、プレフィルター136、オイル分離手段137およびフルター138が直列に配置される。
【0101】
膨張機113から排出される作動媒体は飽和蒸気(水を含む蒸気)であり、膨張機113において混入した微量のオイルと、膨張機113の各摺動部で発生した微量の摩耗粉(スラッジ)とが含まれる。気液分離器131は、前記飽和蒸気から気相の蒸気を分離して凝縮器114に供給するとともに、オイルおよびスラッジを含む液相の水を分離する。このように気液分離器131でオイルやスラッジを含まぬ蒸気をだけを分離して凝縮器114に供給することで、凝縮器114内で凝縮した水の過冷却を防止するとともに、凝縮器114の汚染による凝縮性能の低下を防止することができる。凝縮器114では、水に含まれる非凝縮性ガスの脱気処理も併せて行われる。気液分離器131で分離されたオイルおよびスラッジを含む水はバイパス通路134のオイルポンプ135bでプレフィルター136に供給され、その下流側のオイル分離手段137の目詰まりを防止すべく、予め水に含まれる比較的に大きいスラッジが除去される。
【0102】
図25に示すように、オイル分離手段137は水に含まれるオイルを分離するもので、その構造は前記水分離手段118の下流側水分離装置122と実質的に同じのコアレッサー式のものであり、ケーシング139の内部に疎水性を有する超極細のナイロン繊維で構成した円筒状のフィルターエレメント140を配置し、その内部に水に僅かなオイルが混入した水−オイル混合物が供給される。オイル分離手段137では、水−オイル混合物がフィルターエレメント140を内側から外側に通過するとき、水に含まれる微量のオイルが超極細のナイロン繊維に捕捉されて次第に成長し、直径が2〜3mm程度のオイル滴になったところで、オイルよりも重い水との比重差でオイル滴だけが上方に浮上して下方の水から分離される。ランキンサイクル装置を搭載した自動車の走行に伴う振動等により、オイル分離手段137のケーシング139の頂部に溜まったオイルが水と再度混合しないように、ケーシング139の頂部に多数の隔壁139a…を設けてオイルの自由な流動を抑制している。この隔壁139a…に代えてスポンジ等を配置しても、同等の効果を得ることができる。
【0103】
このように、気液分離器131で気相の蒸気を分離した液相の水をオイル分離手段137に供給するので、蒸気および水が混在する状態でオイルを分離する場合に比べて、オイル分離手段137におけるオイルの分離性能を高めることができる。しかも気液分離器131を通過した水はオイル分離手段137のフィルターエレメント140の耐熱温度である80℃以下に冷却されているため、オイル分離手段137のオイル分離性能および耐久性を確保することができる。またオイル分離手段137に水およびオイルの比重差を利用して分離を行うコアレッサー式のものを採用したので、他の膜方式のフィルターを採用した場合に比べて圧力損失が小さくなり、オイルポンプ135bの負荷を軽減することができる。そしてオイル分離手段137で水から分離されたオイルは、一方向弁141を介装したオイル戻し通路142を介して膨張機113のオイル通路91に戻される。
【0104】
オイル分離手段137からバイパス通路134に排出された水には、オイル分離手段137で分離できなかった微小なオイル滴(1μm以下)が含まれるが、このオイル滴は活性炭を濾過材に用いたフイルター138に吸着されて除去される。フイルター138を通過した水と、膨張機113から水戻し通路120を経て戻された水とは水浄化手段132に供給される。水浄化手段132は精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)、逆浸透膜(RO)等を含み、プレフィルター136で分離できなかった微小なスラッジが水から除去される。更に水浄化手段132では、イオン交換による純水化処理、アルカリ化処理、溶存酸素除去処理等を行うことにより、ランキンサイクル装置の各部の汚染および腐食を防止する。そして水浄化手段132を通過した水はタンク133を経て圧送ポンプ115に供給される。
【0105】
以上のように、膨張機113を潤滑するオイルに混入した作動媒体を分離する水分離手段118を、前記作動媒体が液相の水の状態にある位置に設けたことにより、その水分離手段118を効果的に機能させてオイルから水を分離することができる。同様に、ランキンサイクル装置の作動媒体からオイルを分離するオイル分離手段137を、前記作動媒体が液相の水の状態にある位置に設けたことにより、そのオイル分離手段137を効果的に機能させて水からオイル分離することができる。
【0106】
そして水分離手段118およびオイル分離手段137においてオイルから分離された水は作動媒体循環回路110に戻されるので、作動媒体循環回路110に水を補給する必要がなくなり、また水から分離されたオイルを膨張機113に戻すので、膨張機113にオイルを補給する必要がなくなる。
【0107】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0108】
例えば、実施例では水分離手段118が上流側水分離装置121および下流側水分離装置122を備えているが、3個以上の水分離装置を設けることも可能である。
【0109】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ランキンサイクル装置の膨張機の潤滑媒体に含まれるを分離する際に、作動媒体が水の状態にあるときに潤滑媒体を分離することで、水の状態および蒸気の状態が混在する作動媒体から潤滑媒体を分離する場合に比べて、をより完全に分離することができる。また分離手段が潤滑媒体に含まれるを粗粒化して潤滑媒体との比重差により分離するので、少ない圧力損失で潤滑媒体からを効果的に分離することができる。しかも液相状態になった潤滑媒体およびを比重差によって分離するため、振動が発生するような環境下に置かれたランキンサイクル装置であっても確実に潤滑媒体ととを分離することができる。
【0110】
また請求項2に記載された発明によれば、所定温度範囲での分離機能を発揮する分離手段を潤滑媒体の温度が前記所定温度範囲にある位置に設けたので、分離手段の損傷を防止しながらの分離機能を安定して発揮させることができる。
【0111】
また請求項3に記載された発明によれば、少なくとも2台の分離装置を直列に接続して分離手段を構成したので、各々の分離装置の分離特性に変化を持たせることが可能となり、1台の分離装置で分離手段を構成する場合に比べて、分離性能の向上および分離手段の小型化を図ることができる。
【0112】
また請求項4に記載された発明によれば、ランキンサイクル装置のに含まれる潤滑媒体を分離する際に、作動媒体が水の状態にあるときに潤滑媒体を分離することで、水の状態および蒸気の状態が混在する作動媒体から潤滑媒体を分離する場合に比べて、潤滑媒体をより完全に分離することができる。また潤滑媒体分離手段がに含まれる潤滑媒体を粗粒化してとの比重差により分離するので、少ない圧力損失でから潤滑媒体を効果的に分離することができる。しかも液相状態になった潤滑媒体およびを比重差によって分離するため、潤滑媒体がランキンサイクル回路の内に絶対に混入してはならないランキンサイクル装置であっても確実に潤滑媒体ととを分離することができる。
【0113】
また請求項5に記載された発明によれば、所定温度範囲で潤滑媒体の分離機能を発揮する潤滑媒体分離手段をの温度が前記所定温度範囲にある位置に設けたので、潤滑媒体分離手段の損傷を防止しながら潤滑媒体の分離機能を安定して発揮させることができる。
【0114】
また請求項6に記載された発明によれば、膨張機から作動媒体循環回路に排出された作動媒体に含まれる水を気液分離器で分離して潤滑媒体分離手段に供給するので、潤滑媒体分離手段に供給される作動媒体を確実ににして潤滑媒体の分離機能を高めることができる。
【0115】
また請求項7に記載された発明によれば、膨張機から作動媒体循環回路に排出されて液相状態に戻されたに含まれる陽イオンや溶存気体を浄化手段で除去するので、作動媒体が流通する作動媒体循環回路の各部の汚染や腐食を一層確実に防止することができる。
【0116】
また請求項8に記載された発明によれば、分離手段でを分離した潤滑媒体を膨張機に戻すので、が潤滑媒体に混入して潤滑性能が低下するのを防止でき、しかも膨張機に潤滑媒体を補充する必要がない。
【0117】
また請求項9に記載された発明によれば、分離手段で潤滑媒体から分離したを作動媒体循環回路に戻すので、潤滑媒体の混入による作動媒体循環回路の損傷を防止でき、しかも作動媒体循環回路にを補充する必要がない。
【0118】
また請求項10に記載された発明によれば、分離手段がコアレッサー式のものであるので、少ない圧力損失で潤滑媒体からを効果的に分離することができる。
【0119】
また請求項11に記載された発明によれば、分離手段のフィルターエレメントが疎水性繊維で構成されるので、および潤滑媒体の分離能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 膨張機の縦断面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図1の3部拡大図
【図4】 図1の4部拡大断面図(図8の4−4線断面図)
【図5】 図4の5−5線矢視図
【図6】 図4の6−6線矢視図
【図7】 図4の7−7線断面図
【図8】 図4の8−8線断面図
【図9】 図4の9−9線断面図
【図10】 図1の10−10線矢視図
【図11】 図1の11−11線矢視図
【図12】 図10の12−12線断面図
【図13】 図11の13−13線断面図
【図14】 図10の14−14線断面図
【図15】 出力軸のトルク変動を示すグラフ
【図16】 高圧段の吸入系を示す作用説明図
【図17】 高圧段の排出系および低圧段の吸入系を示す作用説明図
【図18】 低圧段の排出系を示す作用説明図
【図19】 ランキンサイクル装置の全体構成を示す図
【図20】 水分離手段の構造を示す図
【図21】 図20の21−21線断面図
【図22】 図20の22−22線断面図
【図23】 水を分離するコアレッサー式フィルターの作用を示す図
【図24】 オイルを分離するコアレッサー式フィルターの作用を示す図
【図25】 オイル分離手段の構造を示す図
【符号の説明】
110 作動媒体循環回路
111 内燃機関
112 蒸発器
113 膨張機
114 凝縮器
115 圧送ポンプ
118 水分離手
121 上流側水分離装置(分離装置)
122 下流側水分離装置(分離装置)
124 フィルターエレメント
126 フィルターエレメント
131 気液分離器
132 水浄化手
137 オイル分離手段(潤滑媒体分離手段)

Claims (11)

  1. 自動車の内燃機関(111)の廃熱で作動媒体である水を加熱して高温・高圧の蒸気を発生させる蒸発器(112)と、蒸発器(112)から供給された蒸気の熱および圧力を機械エネルギーに変換する膨張機(113)と、膨張機(113)において降温・降圧した蒸気を冷却してに戻す凝縮器(114)と、凝縮器(114)から排出されたを蒸発器(112)に供給する圧送ポンプ(115)とを含む作動媒体循環回路(110)を備えたランキンサイクル装置において、
    前記ランキンサイクル装置は、自動車に搭載された環境下で振動が発生し、
    前記膨張機(113)の摺動部はと異なる潤滑媒体により潤滑され、膨張機(113)において潤滑媒体に混入したを該潤滑媒体から分離する分離手段(118)を備え、この分離手段(118)は作動媒体が水の状態にある位置に設けられ、
    分離手段(118)は、潤滑媒体に含まれるを粗粒化し、粗粒化したと潤滑媒体との比重差により該を分離するものであることを特徴とするランキンサイクル装置。
  2. 分離手段(118)は所定温度範囲での分離機能を発揮するものであり、この分離手段(118)は潤滑媒体が前記所定温度範囲にある位置に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のランキンサイクル装置。
  3. 分離手段(118)は、少なくとも2台の分離装置(121,122)を直列に接続して構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のランキンサイクル装置。
  4. 自動車の内燃機関(111)の廃熱で作動媒体である水を加熱して高温・高圧の蒸気を発生させる蒸発器(112)と、蒸発器(112)から供給された蒸気の熱および圧力を機械エネルギーに変換する膨張機(113)と、膨張機(113)において降温・降圧した蒸気を冷却してに戻す凝縮器(114)と、凝縮器(114)から排出されたを蒸発器(112)に供給する圧送ポンプ(115)とを含む作動媒体循環回路(110)を備えたランキンサイクル装置において、
    前記ランキンサイクル装置は、自動車に搭載されるとともに閉回路を構成し、
    前記膨張機(113)の摺動部はと異なる潤滑媒体により潤滑され、膨張機(113)においてに混入した潤滑媒体を該から分離する潤滑媒体分離手段(137)を備え、この潤滑媒体分離手段(137)は膨張機(113)の下流側であって作動媒体が水の状態にある位置に設けられ、
    潤滑媒体分離手段(137)は、に含まれる潤滑媒体を粗粒化し、粗粒化した潤滑媒体ととの比重差により該潤滑媒体を分離するものであることを特徴とするランキンサイクル装置。
  5. 潤滑媒体分離手段(137)は所定温度範囲で潤滑媒体の分離機能を発揮するものであり、この潤滑媒体分離手段(137)はが前記所定温度範囲にある位置に設けられたことを特徴とする、請求項4に記載のランキンサイクル装置。
  6. 膨張機(113)から作動媒体循環回路(110)に排出された作動媒体に含まれるを分離する気液分離器(131)を備え、この気液分離器(131)で分離したを潤滑媒体分離手段(137)に供給することを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のランキンサイクル装置。
  7. 膨張機(113)から作動媒体循環回路(110)に排出されて液相状態に戻されたに含まれる陽イオンや溶存気体を除去する浄化手段(132)を備えたことを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項に記載のランキンサイクル装置。
  8. 分離手段(118)でを分離された潤滑媒体は膨張機(113)に戻されることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項に記載のランキンサイクル装置。
  9. 分離手段(118)で潤滑媒体から分離されたは作動媒体循環回路(110)に戻されることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項に記載のランキンサイクル装置。
  10. 分離手段(118)は、コアレッサー式のものであることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項4および請求項5の何れか1項に記載のランキンサイクル装置。
  11. 分離手段(118)は疎水性繊維よりなるフィルターエレメント(124,126)を備えたことを特徴とする、請求項10に記載のランキンサイクル装置。
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