JP2003214102A - 廃熱回収機関 - Google Patents

廃熱回収機関

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JP2003214102A JP2002010689A JP2002010689A JP2003214102A JP 2003214102 A JP2003214102 A JP 2003214102A JP 2002010689 A JP2002010689 A JP 2002010689A JP 2002010689 A JP2002010689 A JP 2002010689A JP 2003214102 A JP2003214102 A JP 2003214102A
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water
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Masahiko Minemi
正彦 峰見
Hiroyoshi Taniguchi
弘芳 谷口
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランキンサイクル装置を備えた廃熱回収機関
において、作動媒体とオイルとを分離するための分離手
段の個数を最小限に抑える。 【解決手段】 内燃機関111の廃熱を回収するランキ
ンサイクル装置は、膨張機113を潤滑するオイルが循
環するオイル循環回路91を備えており、オイル循環回
路91に配置した水分離手段121でオイルから水を分
離するとともに、作動媒体循環回路110に配置したオ
イル分離手段122で水からオイルを分離する。水分離
手段121で分離された水は水戻し通路120を介して
オイル分離手段122の上流の作動媒体循環回路110
に戻され、オイル分離手段122は膨張機113から作
動媒体循環回路110に排出された水に含まれるオイル
と、水分離手段121から作動媒体循環回路110に供
給された水に含まれるオイルとを分離し、オイル戻し通
路142を介してオイル循環回路91に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動媒体循環回路
に沿って蒸発器、膨張機、凝縮器および循環ポンプを配
置したランキンサイクル装置を備えた廃熱回収機関に関
する。
【0002】
【従来の技術】ランキンサイクル装置の作動媒体循環回
路を循環する作動媒体に膨張機を潤滑するオイルが混入
すると種々の不具合が発生するため、作動媒体循環回路
における凝縮器の上流側および下流側にそれぞれオイル
分離器を設けたものが、実開昭51−99236号公報
により公知である。
【0003】また超極細の繊維で構成したフィルターに
油および水の混合物を供給することにより、繊維に付着
した油滴を粗粒化して水との比重差により水から分離
し、あるいは繊維に付着した水滴を粗粒化して油との比
重差により油から分離する、いわゆるコアレッサー式の
油水分離フィルターが、特開昭63−156508号公
報により公知である。
【0004】また水溶液中に分散した油滴を分離・回収
すべく、疎水性エレメントを有する分離器と、親水性エ
レメントを有する分離器とを直列に接続したものが、特
開平5−309206号公報により公知である。
【0005】また本出願人が特願2001−20905
2号により提案したランキンサイクル装置は、その作動
媒体である水と異なるオイルで膨張機の被潤滑部を潤滑
するものであり、膨張機において水に混入したオイルを
コアレッサー式のオイル分離手段で分離してオイル循環
回路に戻すとともに、膨張機においてオイルに混入した
水をコアレッサー式の水分離手段で分離して作動媒体循
環回路に戻すようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特願2
001−209052号により提案されたものは、オイ
ル循環回路に設けた水分離手段が直列に配置された上流
側水分離装置と下流側水分離装置とで構成されている。
上流側水分離装置はオイルに含まれる少量の水を分離す
るもので、水を分離したオイルはオイル循環回路に戻さ
れ、オイルから分離された水は下流側水分離装置に供給
される。上流側水分離装置から排出された水は依然とし
て少量のオイルを含むもので、そのまま作動媒体循環回
路に戻すことができないため、下流側水分離装置におい
て水に含まれる少量のオイルを分離する。即ち、下流側
水分離装置は水に含まれる少量のオイルを分離してオイ
ル循環回路に戻し、オイルを分離した後の水を作動媒体
循環回路に戻すようになっている。
【0007】一方、作動媒体循環回路に設けたオイル分
離手段は水に含まれる少量のオイルを分離するもので、
水から分離されたオイルはオイル循環回路に戻される。
【0008】このように、上記特願2001−2090
52号により提案されたものは、オイル循環回路に設け
た水分離手段が上流側水分離装置と下流側水分離装置と
を必要とするため、作動媒体循環回路に設けたオイル分
離手段を含めて合計3個の分離手段が必要となり、部品
点数の増加、コストの増加、装置の大型化等の原因とな
る問題があった。
【0009】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、ランキンサイクル装置を備えた廃熱回収機関におい
て、作動媒体とオイルとを分離するための分離手段の個
数を最小限に抑えることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、熱機関の廃熱
で液相作動媒体を加熱して高温・高圧の気相作動媒体を
発生させる蒸発器と、蒸発器から供給された気相作動媒
体の熱および圧力を機械エネルギーに変換する膨張機
と、膨張機において降温・降圧した気相作動媒体を冷却
して液相作動媒体に戻す凝縮器と、凝縮器から排出され
た液相作動媒体を蒸発器に供給する循環ポンプとを作動
媒体循環回路上に配置したランキンサイクル装置と;膨
張機の被潤滑部を潤滑したオイルが循環するオイル循環
回路と;膨張機において作動媒体に混入したオイルを分
離してオイル循環回路に戻すべく、作動媒体循環回路上
に配置したオイル分離手段と;膨張機においてオイルに
混入した作動媒体を分離して作動媒体循環回路に戻すべ
く、オイル循環回路上に配置した作動媒体分離手段と;
を備えた廃熱回収機関であって、オイル循環回路上に配
置した作動媒体分離手段で分離した作動媒体を作動媒体
循環回路に戻す作動媒体戻し通路を、作動媒体循環回路
上に配置したオイル分離手段の上流位置に接続したこと
を特徴とする廃熱回収機関が提案される。
【0011】上記構成によれば、作動媒体循環回路上に
配置したオイル分離手段により、膨張機において作動媒
体に混入したオイルを分離してオイル循環回路に戻すと
ともに、オイル循環回路上に配置した作動媒体分離手段
により、膨張機においてオイルに混入した作動媒体を分
離して作動媒体循環回路に戻すので、作動媒体とオイル
とが混合することにより発生する不具合を解消できるだ
けでなく、作動媒体の量およびオイルの量が減少するの
を防止して補給の必要性を最小限に抑えることができ
る。またオイル循環回路上に配置した作動媒体分離手段
で分離した作動媒体を、作動媒体戻し通路を介して作動
媒体循環回路上に配置したオイル分離手段の上流位置に
戻すので、作動媒体分離手段で分離した作動媒体中に残
留するオイルを作動媒体循環回路上に配置したオイル分
離手段で確実に分離し、作動媒体循環回路を循環する作
動媒体を清浄に保つことができる。このように、作動媒
体循環回路上に配置したオイル分離手段を、膨張機にお
いて作動媒体に混入したオイルの分離に使用するだけで
なく、オイル循環回路上に配置した作動媒体分離手段か
ら作動媒体循環回路に戻された作動媒体に残留するオイ
ルの分離にも併用することで、分離手段の数を最小限に
抑えて部品点数の増加、コストの増加、装置の大型化等
を回避することができる。
【0012】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、オイル分離手段は所定温度範
囲で作動媒体からオイルを分離する機能を発揮するもの
であり、作動媒体およびオイルの温度が前記所定温度範
囲にある位置に配置されることを特徴とする廃熱回収機
関が提案される。
【0013】上記構成によれば、作動媒体およびオイル
の温度が所定温度範囲にある位置にオイル分離手段を配
置したので、オイル分離手段の損傷を防止しながらオイ
ルの分離機能を安定して発揮させることができる。
【0014】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、作動媒体分離手段は所定温度
範囲でオイルから作動媒体を分離する機能を発揮するも
のであり、オイルおよび作動媒体の温度が前記所定温度
範囲にある位置に配置されることを特徴とする廃熱回収
機関が提案される。
【0015】上記構成によれば、オイルおよび作動媒体
の温度が所定温度範囲にある位置に作動媒体分離手段を
配置したので、作動媒体分離手段の損傷を防止しながら
作動媒体の分離機能を安定して発揮させることができ
る。
【0016】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、オイル循環回路上に配置した
作動媒体分離手段で分離した作動媒体を作動媒体循環回
路に戻す作動媒体戻し通路を、作動媒体循環回路上に配
置した凝縮器の下流位置に接続したことを特徴とする廃
熱回収機関が提案される。
【0017】上記構成によれば、作動媒体循環回路上に
配置した凝縮器の下流位置では該作動媒体循環回路を流
れる作動媒体が液相になっているため、作動媒体分離手
段で分離した作動媒体を作動媒体循環回路に合流させた
後に、オイル分離手段によるオイルの分離を確実に行う
ことができる。
【0018】また請求項5に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、作動媒体循環回路上に配置し
たオイル分離手段の上流側および下流側をバイパス通路
で接続したことを特徴とする廃熱回収機関が提案され
る。
【0019】上記構成によれば、作動媒体循環回路上に
配置したオイル分離手段の上流側および下流側をバイパ
ス通路で接続したので、作動媒体が清浄であるときに該
作動媒体をバイパス通路に導いてオイル分離手段を迂回
させることで、オイル分離手段において発生する圧損を
回避することができる。
【0020】また請求項6に記載された発明によれば、
請求項5の構成に加えて、作動媒体戻し通路が作動媒体
循環回路に合流する位置と、バイパス通路が作動媒体循
環回路から分岐する位置との間にオイル濃度センサを配
置し、このオイル濃度センサで検出したオイルの濃度に
基づいてバイパス通路を開閉することを特徴とする廃熱
回収機関が提案される。
【0021】上記構成によれば、作動媒体戻し通路から
の作動媒体が作動媒体循環回路に合流した後のオイル濃
度をオイル濃度センサで検出し、そのオイル濃度に基づ
いてバイパス通路を開閉するので、作動媒体のオイル濃
度が高い場合に限って該作動媒体がオイル分離手段を通
過するようにし、作動媒体を確実に浄化しながらオイル
分離手段において発生する圧損を最小限に抑えることが
できる。
【0022】また請求項7に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、オイル循環回路上に配置した
作動媒体分離手段はオイルを貯留するタンクを兼ねるこ
とを特徴とする廃熱回収機関が提案される。
【0023】上記構成によれば、オイル循環回路上に配
置した作動媒体分離手段がオイルを貯留するタンクを兼
ねるので、オイルを貯留する特別のタンクが不要になっ
て部品点数およびスペースを削減することができる。
【0024】また請求項8に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、作動媒体循環回路上に配置し
たオイル分離手段の下流側に、作動媒体に含まれる陽イ
オンや溶存気体を除去する作動媒体浄化手段を配置した
ことを特徴とする廃熱回収機関が提案される。
【0025】上記構成によれば、作動媒体に含まれる陽
イオンや溶存気体を除去する作動媒体浄化手段をオイル
分離手段の下流側に配置したので、オイル分離手段で分
離できなかった陽イオンや溶存気体を作動媒体浄化手段
で除去し、作動媒体が流通する作動媒体循環回路の各部
の汚染や腐食を一層確実に防止することができる。
【0026】また請求項9に記載された発明によれば、
請求項5の構成に加えて、作動媒体に含まれる陽イオン
や溶存気体を除去する作動媒体浄化手段を作動媒体循環
回路上に配置し、この作動媒体浄化手段の上流側に前記
バイパス通路を合流させたことを特徴とする廃熱回収機
関が提案される。
【0027】上記構成によれば、作動媒体に含まれる陽
イオンや溶存気体を除去する作動媒体浄化手段の上流側
の作動媒体循環回路にバイパス通路を合流させたので、
オイル分離手段を迂回してバイパス通路を通過した作動
媒体に含まれる陽イオンや溶存気体を作動媒体浄化手段
で除去し、作動媒体が流通する作動媒体循環回路の各部
の汚染や腐食を確実に防止することができる。
【0028】また請求項10に記載された発明によれ
ば、請求項1〜請求項9の何れか1項の構成に加えて、
作動媒体分離手段は、オイルに含まれる作動媒体を粗粒
化し、粗粒化した作動媒体とオイルとの比重差により該
作動媒体を分離するものであることを特徴とする廃熱回
収機関が提案される。
【0029】上記構成によれば、作動媒体分離手段がオ
イルに含まれる作動媒体を粗粒化してオイルとの比重差
により分離するので、少ない圧力損失でオイルから作動
媒体を効果的に分離することができる。
【0030】また請求項11に記載された発明によれ
ば、請求項10の構成に加えて、作動媒体分離手段は、
コアレッサー式のものであることを特徴とする廃熱回収
機関が提案される。
【0031】上記構成によれば、作動媒体分離手段がコ
アレッサー式のものであるので、少ない圧力損失でオイ
ルから作動媒体を効果的に分離することができる。
【0032】また請求項12に記載された発明によれ
ば、請求項10または請求項11の構成に加えて、作動
媒体分離手段は疎水性繊維よりなるフィルターエレメン
トを備えたことを特徴とする廃熱回収機関が提案され
る。
【0033】上記構成によれば、作動媒体分離手段のフ
ィルターエレメントが疎水性繊維で構成されるので、作
動媒体およびオイルの分離能力を高めることができる。
【0034】また請求項13に記載された発明によれ
ば、請求項1〜請求項9の何れか1項の構成に加えて、
オイル分離手段は、作動媒体に含まれるオイルを粗粒化
し、粗粒化したオイルと作動媒体との比重差により該オ
イルを分離するものであることを特徴とする廃熱回収機
関が提案される。
【0035】上記構成によれば、オイル分離手段が作動
媒体に含まれるオイルを粗粒化して作動媒体との比重差
により分離するので、少ない圧力損失で作動媒体からオ
イルを効果的に分離することができる。
【0036】また請求項14に記載された発明によれ
ば、請求項13の構成に加えて、オイル分離手段は、コ
アレッサー式のものであることを特徴とする廃熱回収機
関が提案される。
【0037】上記構成によれば、オイル分離手段がコア
レッサー式のものであるので、少ない圧力損失で作動媒
体からオイルを効果的に分離することができる。
【0038】また請求項15に記載された発明によれ
ば、請求項13または請求項14の構成に加えて、オイ
ル分離手段は疎水性繊維よりなるフィルターエレメント
を備えたことを特徴とする廃熱回収機関が提案される。
【0039】上記構成によれば、オイル分離手段のフィ
ルターエレメントが疎水性繊維で構成されるので、作動
媒体およびオイルの分離能力を高めることができる。
【0040】また請求項16に記載された発明によれ
ば、請求項1〜請求項15の何れか1項の構成に加え
て、オイルは界面活性作用のある極圧添加剤を含まない
疎水性オイルであることを特徴とする廃熱回収機関が提
案される。
【0041】上記構成によれば、界面活性作用のある極
圧添加剤を含まない疎水性オイルを用いたので、オイル
に含まれる作動媒体を作動媒体分離手段で分離する際
に、オイルの乳化による潤滑性能の低下を防止でき、し
かも作動媒体およびオイルの分離性能を高めることがで
きる。
【0042】尚、実施例の水および蒸気は本発明の作動
媒体に対応し、実施例の内燃機関111は本発明の熱機
関に対応し、実施例の高圧ポンプ115は本発明の循環
ポンプに対応し、実施例の水戻し通路120は本発明の
作動媒体戻し通路に対応し、実施例の水分離手段121
は本発明の作動媒体分離手段に対応し、実施例の水浄化
手段132は本発明の作動媒体浄化手段に対応する。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0044】図1〜図25は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は膨張機の縦断面図、図2は図1の2−2線
断面図、図3は図1の3部拡大図、図4は図1の4部拡
大断面図(図8の4−4線断面図)、図5は図4の5−
5線矢視図、図6は図4の6−6線矢視図、図7は図4
の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図、図9
は図4の9−9線断面図、図10は図1の10−10線
矢視図、図11は図1の11−11線矢視図、図12は
図10の12−12線断面図、図13は図11の13−
13線断面図、図14は図10の14−14線断面図、
図15は出力軸のトルク変動を示すグラフ、図16は高
圧段の吸入系を示す作用説明図、図17は高圧段の排出
系および低圧段の吸入系を示す作用説明図、図18は低
圧段の排出系を示す作用説明図、図19はランキンサイ
クル装置の全体構成を示す図、図20は図19の20部
拡大図、図21は図20の21−21線断面図、図22
は図20の22−22線断面図、図23は図19の23
部拡大図、図24は水を分離するコアレッサー式フィル
ターの作用を示す図、図25はオイルを分離するコアレ
ッサー式フィルターの作用を示す図である。
【0045】先ず、ランキンサイクル装置の膨張機11
3の概略構造を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0046】膨張機113は作動媒体としての高温高圧
蒸気の熱エネルギーおよび圧力エネルギーを機械エネル
ギーに変換して出力するもので、そのケーシング11
は、ケーシング本体12と、ケーシング本体12の前面
開口部にシール部材13を介して嵌合して複数本のボル
ト14…で結合される前部カバー15と、ケーシング本
体12の後面開口部にシール部材16を介して嵌合して
複数本のボルト17…で結合される後部カバー18とか
ら構成される。ケーシング本体12の下面開口部に底板
19がシール部材20を介して当接し、複数本のボルト
21…で結合される。またケーシング本体12の上面に
シール部材22(図12参照)を介してブリーザ室隔壁
23が重ね合わされ、更にその上面にシール部材24
(図12参照)を介してブリーザ室カバー25が重ね合
わされ、複数本のボルト26…で共締めされる。
【0047】ケーシング11の中央を前後方向に延びる
軸線Lまわりに回転可能なロータ27と出力軸28とが
溶接で一体化されており、ロータ27の後部がアンギュ
ラボールベアリング29およびシール部材30を介して
ケーシング本体12に回転自在に支持されるとともに、
出力軸28の前部がアンギュラボールベアリング31お
よびシール部材32を介して前部カバー15に回転自在
に支持される。前部カバー15の後面に2個のシール部
材33,34およびノックピン35を介して嵌合する斜
板ホルダ36が複数本のボルト37…で固定されてお
り、この斜板ホルダ36にアンギュラボールベアリング
38を介して斜板39が回転自在に支持される。斜板3
9の回転軸線は前記ロータ27および出力軸28の軸線
Lに対して傾斜しており、その傾斜角は固定である。
【0048】ロータ27と別部材で構成された7本のス
リーブ41…が、ロータ27の内部に軸線Lを囲むよう
に円周方向に等間隔で配置される。ロータ27のスリー
ブ支持孔27a…に支持されたスリーブ41…の内周に
形成された高圧シリンダ42…に高圧ピストン43…が
摺動自在に嵌合しており、高圧シリンダ42…の前端開
口部から前方に突出する高圧ピストン43…の半球状部
が、斜板39の後面に凹設した7個のディンプル39a
…にそれぞれ突き当てられる。スリーブ41…の後端と
ロータ27のスリーブ支持孔27a…との間には耐熱金
属性のシール部材44…が装着され、この状態でスリー
ブ41…の前端を押さえる単一のセットプレート45が
複数本のボルト46…でロータ27の前面に固定され
る。スリーブ支持孔27a…の底部近傍は僅かに大径に
なっており、スリーブ41…の外周面との間に間隙α
(図3参照)が形成される。
【0049】高圧ピストン43…は高圧シリンダ42…
との摺動面をシールする圧力リング47…およびオイル
リング48…を備えており、圧力リング47…の摺動範
囲とオイルリング48…の摺動範囲とは相互にオーバー
ラップしないように設定されている。高圧ピストン43
…を高圧シリンダ42…に挿入するとき、圧力リング4
7…およびオイルリング48…を高圧シリンダ42…に
スムーズに係合させるべく、セットプレート45に前面
側が広がるようにテーパした開口部45a…が形成され
る。
【0050】以上のように、圧力リング47…の摺動範
囲とオイルリング48…の摺動範囲とが相互にオーバー
ラップしないように設定したので、オイルリング48…
が摺動する高圧シリンダ42…の内壁に付着した潤滑媒
体としてのオイルが、圧力リング47…の摺動により高
圧作動室82…に取り込まれないようにし、蒸気にオイ
ルが混入するのを確実に防止することができる。特に、
高圧ピストン43…は圧力リング47…およびオイルリ
ング48…に挟まれた部分が若干小径になっているため
(図3参照)、オイルリング48…の摺動面に付着した
オイルが圧力リング47…の摺動面に移動するのを効果
的に防止することができる。
【0051】また7本のスリーブ41…をロータ27の
スリーブ支持孔27a…に装着して高圧シリンダ42…
を構成したので、スリーブ41…に熱伝導性、耐熱性、
耐摩耗性、強度等に優れた材質を選択することができ
る。これにより性能および信頼性の向上が可能になるだ
けでなく、ロータ27に直接高圧シリンダ42…を加工
する場合に比べて加工が容易になり、加工精度も向上す
る。しかも何れかのスリーブ41が摩耗・損傷した場合
に、ロータ27全体を交換することなく、異常のあるス
リーブ41だけを交換すれば良いので経済的である。
【0052】またスリーブ支持孔27a…の底部近傍を
僅かに大径にしてスリーブ41…の外周面とロータ27
との間に間隙αを形成したので、高圧作動室82…に供
給された高温高圧蒸気によりロータ27が熱変形して
も、その影響がスリーブ41…に及び難くして高圧シリ
ンダ42…の歪みを防止することができる。
【0053】前記7本の高圧シリンダ42…と、そこに
嵌合する7本の高圧ピストン43…とは、第1のアキシ
ャルピストンシリンダ群49を構成する。
【0054】ロータ27の外周部に7本の低圧シリンダ
50…が軸線Lおよび高圧シリンダ42…の半径方向外
側を囲むように円周方向に等間隔で配置される。これら
低圧シリンダ50…は高圧シリンダ42…よりも大きな
直径を有しており、かつ低圧シリンダ50…の円周方向
の配列ピッチは高圧シリンダ42…の円周方向の配列ピ
ッチに対して半ピッチ分ずれている。これにより、隣接
する低圧シリンダ50…間に形成される空間に高圧シリ
ンダ42…を配置することが可能になり、スペースを有
効利用してロータ27の直径の小型化に寄与することが
できる。
【0055】7本の低圧シリンダ50…にはそれぞれ低
圧ピストン51…が摺動自在に嵌合しており、これら低
圧ピストン51…はリンク52…を介して斜板39に接
続される。即ち、リンク52…の前端の球状部52aは
斜板39にナット53…で固定した球面軸受54…に揺
動自在に支持され、リンク52…の後端の球状部52b
は低圧ピストン51…にクリップ55…で固定した球面
軸受56…に揺動自在に支持される。低圧ピストン51
…の頂面近傍の外周面には、圧力リング78…およびオ
イルリング79…が隣接して装着される。圧力リング7
8…およびオイルリング79…の摺動範囲は相互にオー
バーラップするので、圧力リング78…の摺動面に油膜
を形成してシール性および潤滑性を高めることができ
る。
【0056】前記7本の低圧シリンダ50…と、そこに
嵌合する7本の低圧ピストン41…とは、第2のアキシ
ャルピストンシリンダ群57を構成する。
【0057】ところで、界面活性剤の働きをする極圧剤
を添加したオイル(親水性オイル)は水と反応して乳化
し易いため、オイルの劣化による潤滑性能の低下を招き
易いだけでなく、それに混入した水の分離も難しくなる
ため、本実施例では親水性添加物を含まない疎水性オイ
ルを膨張機113の潤滑媒体として使用している。
【0058】以上のように、第1のアキシャルピストン
シリンダ群49の高圧ピストン43…の前端を半球状に
形成し、その前端を斜板39に形成したディンプル39
a…に当接させたので、高圧ピストン43…を斜板39
に機械的に連結する必要がなくなって、部品点数の削減
と組付性の向上とが可能になる。一方、第2のアキシャ
ルピストンシリンダ群57の低圧ピストン51…はリン
ク52…および前後の球面軸受54…,56…を介して
斜板39に連結されているので、第2のアキシャルピス
トンシリンダ群57に供給される中温中圧蒸気の温度お
よび圧力が不足して低圧作動室84…が負圧になって
も、低圧ピストン51…と斜板39とが離れて打音や損
傷が発する虞がない。
【0059】また斜板39は前部カバー15にボルト3
7…で締結されるが、そのときの斜板39の軸線Lまわ
りの締結位相を変化させることで、第1のアキシャルピ
ストンシリンダ群49および第2のアキシャルピストン
シリンダ群57に対する蒸気の供給・排出タイミングを
ずらして膨張機113の出力特性を変更することができ
る。
【0060】また一体化されたロータ27および出力軸
28は、それぞれケーシング本体12に設けたアンギュ
ラボールベアリング29および前部カバー15に設けた
アンギュラボールベアリング31に支持されるが、ケー
シング本体12およびアンギュラボールベアリング29
間に介装するシム58の厚さと、前部カバー15および
アンギュラボールベアリング31間に介装するシム59
の厚さとを調整することにより、軸線Lに沿うロータ2
7の位置を前後方向に調整することができる。このロー
タ27の軸線L方向の位置の調整により、斜板39に案
内される高圧・低圧ピストン43…,51…とロータ2
7に設けられた高圧・低圧シリンダ42…,50…との
軸線L方向の相対的な位置関係が変化し、高圧・低圧作
動室82…,84…における蒸気の膨張比を調整するこ
とができる。
【0061】仮に、斜板39を支持する斜板ホルダ36
が前部カバー15に対して一体に形成されていると、前
部カバー15にアンギュラボールベアリング31やシム
59を着脱するためのスペースを確保するのが困難にな
るが、斜板ホルダ36を前部カバー15に対し着脱可能
にしたことで、上記問題が解消される。また仮に斜板ホ
ルダ36が前部カバー15と一体であると、膨張機11
3の分解・組立時に予め前部カバー15側に組み付けた
斜板39に、ケーシング11内の狭い空間で7本のリン
ク52…を連結・分離する面倒な作業が必要となるが、
斜板ホルダ36を前部カバー15に対し着脱可能にした
ことで、予めロータ27側に斜板39および斜板ホルダ
36を組み付けてサブアセンブリを構成することが可能
となり、組付性が大幅に向上する。
【0062】次に、第1のアキシャルピストンシリンダ
群49および第2のアキシャルピストンシリンダ群57
に対する蒸気の供給・排出系統を、図4〜図9に基づい
て説明する。
【0063】図4に示すように、ロータ27の後端面に
開口する円形断面の凹部27bおよび後部カバー18の
前面に開口する円形断面の凹部18aに、ロータリバル
ブ61が収納される。軸線Lに沿うように配置されたロ
ータリバルブ61は、ロータリバルブ本体62と、固定
側バルブプレート63と、可動側バルブプレート64と
を備える。可動側バルブプレート64は、ロータ27の
凹部27bの底面にガスケット65を介して嵌合した状
態で、ノックピン66およびボルト67aでロータ27
に固定される。可動側バルブプレート64に平坦な摺動
面68を介して当接する固定側バルブプレート63はノ
ックピン69およびボルト67bを介してロータリバル
ブ本体62に相対回転不能に結合される。従って、ロー
タ27が回転すると、可動側バルブプレート64および
固定側バルブプレート63は摺動面68において相互に
密着しながら相対回転する。固定側バルブプレート63
および可動側バルブプレート64は、超硬合金やセラミ
ックス等の耐久性に優れた材質で構成されており、その
摺動面68に耐熱性、潤滑性、耐蝕性、耐摩耗性を有す
る部材を介在させたりコーティングしたりすることが可
能である。
【0064】ロータリバルブ本体62は、大径部62
a、中径部62bおよび小径部62cを備えた段付き円
柱状の部材であって、その大径部62aの外周に嵌合す
る環状の摺動部材70が、ロータ27の凹部27bに円
筒状の摺動面71を介して摺動自在に嵌合するととも
に、その中径部62bおよび小径部62cが後部カバー
18の凹部18aにシール部材72,73を介して嵌合
する。摺動部材70は、超硬合金やセラミックス等の耐
久性に優れた材質で構成される。ロータリバルブ本体6
2の外周に植設されたノックピン74が、後部カバー1
8の凹部18aに軸線L方向に形成された長孔18bに
係合しており、従ってロータリバルブ本体62は後部カ
バー18に対して相対回転不能、かつ軸線L方向に移動
可能に支持される。
【0065】後部カバー18に軸線Lを囲むように複数
個(例えば、7個)のプリロードスプリング75…が支
持されており、これらプリロードスプリング75…に中
径部62bおよび小径部62c間の段部62dを押圧さ
れたロータリバルブ本体62は、固定側バルブプレート
63および可動側バルブプレート64の摺動面68を密
着させるべく前方に向けて付勢される。後部カバー18
の凹部18aの底面とロータリバルブ本体62の小径部
62cの後端面との間に圧力室76が区画されており、
後部カバー18を貫通するように接続された蒸気供給パ
イプ77が前記圧力室76に連通する。従って、ロータ
リバルブ本体62は前記プリロードスプリング75…の
弾発力に加えて、圧力室76に作用する蒸気圧によって
も前方に付勢される。
【0066】第1のアキシャルピストンシリンダ群49
に高温高圧蒸気を供給する高圧段の蒸気吸入経路が、図
16に網かけして示される。図16と図5〜図9とを併
せて参照すると明らかなように、蒸気供給パイプ77か
ら高温高圧蒸気が供給される圧力室76に上流端が連通
する第1蒸気通路P1が、ロータリバルブ本体62を貫
通して固定側バルブプレート63との合わせ面に開口
し、固定側バルブプレート63を貫通する第2蒸気通路
P2に連通する。ロータリバルブ本体62および固定側
バルブプレート63の合わせ面からの蒸気のリークを防
止すべく、該合わせ面に装着されたシール部材81(図
7および図16参照)により第1、第2蒸気通路P1,
P2の接続部の外周がシールされる。
【0067】可動側バルブプレート64およびロータ2
7にはそれぞれ7本の第3蒸気通路P3…(図5参照)
および第4蒸気通路P4…が円周方向に等間隔に形成さ
れており、第4蒸気通路P4…の下流端は第1のアキシ
ャルピストンシリンダ群49の高圧シリンダ42…およ
び高圧ピストン43間に区画された7個の高圧作動室8
2…に連通する。図6から明らかなように、固定側バル
ブプレート63に形成された第2蒸気通路P2の開口
は、高圧ピストン43の上死点TDCの前後に均等に開
口せずに矢印Rで示すロータ27の回転方向進み側に僅
かにずれて開口している。これにより、できるだけ長い
膨張期間、即ち充分な膨張比を確保でき、かつ上死点T
DCの前後に均等に開口を設定した場合に生じる負の仕
事を極力少なくし、更に高圧作動室82…内に残留する
膨張蒸気を減少して充分な出力(効率)が得られる。
【0068】第1のアキシャルピストンシリンダ群49
から中温中圧蒸気を排出して第2のアキシャルピストン
シリンダ群57に供給する高圧段の蒸気排出経路および
低圧段の蒸気吸入経路が、図17に網かけして示され
る。図17と図5〜図8とを併せて参照すると明らかな
ように、固定側バルブプレート63の前面には円弧状の
第5蒸気通路P5(図6参照)が開口しており、この第
5蒸気通路P5は固定側バルブプレート63の後面に開
口する円形の第6蒸気通路P6(図7参照)に連通す
る。第5蒸気通路P5は、高圧ピストン43の下死点B
DCに対して矢印Rで示すロータ27の回転方向進み側
に僅かにずれた位置から、上死点TDCに対して回転方
向遅れ側に僅かにずれた位置に亘って開口している。こ
れにより、可動側バルブプレート64の第3蒸気通路P
3…は下死点BDCから第2蒸気通路P2と重複しない
(好ましくは第2蒸気通路P2と重複する直前の)角度
範囲に亘って固定側バルブプレート63の第5蒸気通路
P5に連通することができ、その間に第3蒸気通路P3
…から第5蒸気通路P5への蒸気の排出が行われる。
【0069】ロータリバルブ本体62には、軸線L方向
に延びる第7蒸気通路P7と、略半径方向に延びる第8
蒸気通路P8とが形成されており、第7蒸気通路P7の
上流端は前記第6蒸気通路P6の下流端に連通するとと
もに、第8蒸気通路P8の下流端はロータリバルブ本体
62および摺動部材70に跨がって配置された継ぎ手部
材83の内部の第9蒸気通路P9を経て、摺動部材70
を半径方向に貫通する第10蒸気通路P10に連通す
る。そして第10蒸気通路P10は、ロータ27に放射
状に形成した7本の第11蒸気通路P11…を介して、
第2のアキシャルピストンシリンダ群57の低圧シリン
ダ50…および低圧ピストン41…間に区画された7個
の低圧作動室84…に連通する。
【0070】ロータリバルブ本体62と固定側バルブプ
レート63との合わせ面からの蒸気のリークを防止すべ
く、該合わせ面に装着されたシール部材85(図7およ
び図17参照)により第6、第7蒸気通路P6,P7の
接続部の外周がシールされる。摺動部材70の内周面と
ロータリバルブ本体62との間は2個のシール部材8
6,87でシールされ、継ぎ手部材83の外周面と摺動
部材70との間はシール部材88でシールされる。
【0071】第2のアキシャルピストンシリンダ群57
から低温低圧蒸気を排出する蒸気排出経路が、図18に
網かけして示される。図18、図8および図9を併せて
参照すると明らかなように、摺動部材70の摺動面71
に、ロータ27に形成した7個の第11蒸気通路P11
…に連通可能な円弧状の第16蒸気通路P16が切り欠
かれており、この第16蒸気通路P16はロータリバル
ブ本体62の外周に円弧状に切り欠かれた第17蒸気通
路P17に連通する。第16蒸気通路P16は、低圧ピ
ストン51の下死点BDCに対して矢印Rで示すロータ
27の回転方向進み側に僅かにずれた位置から、上死点
TDCに対して回転方向遅れ側に僅かにずれた位置に亘
って開口している。これにより、ロータ27の第11蒸
気通路P11…は下死点BDCから第10蒸気通路P1
0と重複しない(好ましくは第10蒸気通路P10と重
複する直前の)角度範囲に亘って摺動部材70の第16
蒸気通路P16に連通することができ、その間に第11
蒸気通路P11…から第16蒸気通路P16への蒸気の
排出が行われる。
【0072】更に第17蒸気通路P17は、ロータリバ
ルブ本体62の内部に形成された第18蒸気通路P18
〜第20蒸気通路P20および後部カバー18の切欠1
8dを介して、ロータリバルブ本体62および後部カバ
ー18間に形成された蒸気排出室90に連通し、この蒸
気排出室90は後部カバー18に形成した蒸気排出孔1
8cに連通する。
【0073】以上のように、第1のアキシャルピストン
シリンダ群49への蒸気の供給・排出と第2のアキシャ
ルピストンシリンダ群57への蒸気の供給・排出とを共
通のロータリバルブ61で制御するので、各々別個のロ
ータリバルブを用いる場合に比べて膨張機113を小型
化することができる。しかも第1のアキシャルピストン
シリンダ群49に高温高圧蒸気を供給するバルブを、ロ
ータリバルブ本体62と一体の固定側バルブプレート6
3の前端の平坦な摺動面68に形成したので、高温高圧
蒸気のリークを効果的に防止することができる。なぜな
らば、平坦な摺動面68は高精度の加工が容易なため、
円筒状の摺動面に比べてクリアランスの管理が容易であ
るからである。
【0074】特に、複数本のプリロードスプリング75
…でロータリバルブ本体62にプリセット荷重を与えて
軸線L方向前方に付勢し、更に蒸気供給パイプ77から
圧力室76に供給した高温高圧蒸気でロータリバルブ本
体62を軸線L方向前方に付勢することにより、固定側
バルブプレート63および可動側バルブプレート64の
摺動68に高温高圧蒸気の圧力に応じた面圧を発生さ
せ、その摺動面68からの蒸気のリークを一層効果的に
抑制することができる。
【0075】また第2のアキシャルピストンシリンダ群
57に中温中圧蒸気を供給するバルブはロータリバルブ
本体62の外周の円筒状の摺動面71に形成されている
が、そこを通過する中温中圧蒸気は前記高温高圧蒸気に
比べて圧力が低下しているため、摺動面71に対する面
圧を発生させなくとも、所定のクリアランス管理を施せ
ば蒸気のリークは実用上問題ない。
【0076】またロータリバルブ本体62に内部に、高
温高圧蒸気が流れる第1蒸気通路P1と、中温中圧蒸気
が流れる第7蒸気通路P7および第8蒸気通路P8と、
低温低圧蒸気が流れる第17蒸気通路P17〜第20蒸
気通路P20とを集約して形成したので蒸気温度の低下
を防止できるだけでなく、高温高圧蒸気のシール部(例
えば、シール部材81)を低温低圧蒸気で冷却して耐久
性を高めることができる。
【0077】更に、後部カバー18をケーシング本体1
2から取り外すだけで、ケーシング本体12に対してロ
ータリバルブ61を着脱することができるので、修理、
清掃、交換等のメンテナンス作業性が大幅に向上する。
また高温高圧蒸気が通過するロータリバルブ61は高温
になるが、オイルによる潤滑が必要な斜板39や出力軸
28がロータ27を挟んでロータリバルブ61の反対側
に配置されるので、高温となるロータリバルブ61の熱
でオイルが加熱されて斜板39や出力軸28の潤滑性能
が低下するのを防止することができる。またオイルはロ
ータリバルブ61を冷却して過熱を防止する機能も発揮
する。
【0078】出力軸28により駆動されるオイルポンプ
92(図1参照)でケーシング11の底部から汲み上げ
られたオイルは二系統に分岐し、その一方はオイル溜8
9を経て膨張機113の各部を潤滑し、その他方は後述
するオイル循環回路91に供給されてオイルに含まれる
水が分離される。その詳細は後から説明する。
【0079】次に、図10〜図14を参照してブリーザ
の構造を説明する。
【0080】ケーシング本体12の上壁12aとブリー
ザ室隔壁23との間に区画された下部ブリーザ室101
はケーシング本体12の上壁12aに形成された連通孔
12bを介してケーシング11内の潤滑室102に連通
する。潤滑室102の底部にはオイルが貯留されてお
り、その油面はロータ27の下端よりも僅かに高くなっ
ている(図1参照)。下部ブリーザ室101の内部には
上端がブリーザ室隔壁23の下面に接触する3枚の隔壁
12c〜12eが上向きに突設されており、これら隔壁
12c〜12eにより構成された迷路の一端に前記連通
孔12bが開口するとともに、迷路の他端に向かう経路
の途中に前記上壁12aを貫通する4個のオイル戻し孔
12f…が形成される。オイル戻し孔12f…は下部ブ
リーザ室101の最も低い位置に形成されており(図1
4参照)、従って下部ブリーザ室101内で凝縮したオ
イルを潤滑室102に確実に戻すことができる。
【0081】ブリーザ室隔壁23とブリーザ室カバー2
5との間に上部ブリーザ室103が区画されており、こ
の上部ブリーザ室103と下部ブリーザ室101とが、
ブリーザ室隔壁23を貫通して上部ブリーザ室103内
に煙突状に突出する4個の連通孔23a…,23bによ
り連通する。ブリーザ室隔壁23を貫通する凝縮水戻し
孔23cの下方に位置するケーシング本体12の上壁1
2aに凹部12gが形成されており、この凹部12gの
周囲がシール部材104でシールされる。
【0082】ブリーザ室隔壁23に形成された第1ブリ
ーザ通路B1の一端が上部ブリーザ室103の高さ方向
中間部に開口する。第1ブリーザ通路B1の他端は、ケ
ーシング本体12に形成した第2ブリーザ通路B2およ
び後部カバー18に形成した第3ブリーザ通路B3を介
して蒸気排出室90に連通する。また上壁12aに形成
した凹部12gはケーシング本体12に形成した第4ブ
リーザ通路B4および前記第3ブリーザ通路B3を介し
て蒸気排出室90に連通する。第1ブリーザ通路B1お
よび第2ブリーザ通路B2の連通部の外周はシール部材
105によりシールされる。
【0083】次に、上記構成を備えた膨張機113の作
用を説明する。
【0084】図16に示すように、蒸発器で水を加熱し
て発生した高温高圧蒸気は蒸気供給パイプ77を介して
膨張機113の圧力室76に供給され、そこからロータ
リバルブ61のロータリバルブ本体62に形成した第1
蒸気通路P1と、このロータリバルブ本体62と一体の
固定側バルブプレート63に形成した第2蒸気通路P2
とを経て、可動側バルブプレート64との摺動面68に
達する。そして摺動面68に開口する第2蒸気通路P2
はロータ27と一体に回転する可動側バルブプレート6
4に形成した第3蒸気通路P3に瞬間的に連通し、高温
高圧蒸気は第3蒸気通路P3からロータ27に形成した
第4蒸気通路P4を経て、第1のアキシャルピストンシ
リンダ群49の7個の高圧作動室82…のうちの上死点
に在る高圧作動室82に供給される。
【0085】ロータ27の回転に伴って第2蒸気通路P
2および第3蒸気通路P3の連通が絶たれた後も高圧作
動室82内で高温高圧蒸気が膨張することで、スリーブ
41の高圧シリンダ42に嵌合する高圧ピストン43が
上死点から下死点に向けて前方に押し出され、その前端
が斜板39のディンプル39aを押圧する。その結果、
高圧ピストン43が斜板39から受ける反力でロータ2
7に回転トルクが与えられる。そしてロータ27が7分
の1回転する毎に、新たな高圧作動室82内に高温高圧
蒸気が供給されてロータ27が連続的に回転駆動され
る。
【0086】図17に示すように、ロータ27の回転に
伴って下死点に達した高圧ピストン43が上死点に向か
って後退する間に、高圧作動室82から押し出された中
温中圧蒸気は、ロータ27の第4蒸気通路P4と、可動
側バルブプレート64の第3蒸気通路P3と、摺動面6
8と、固定側バルブプレート63の第5蒸気通路P5お
よび第6蒸気通路P6と、ロータリバルブ本体62の第
7蒸気通路P7〜第10蒸気通路P10と、摺動面71
とを経て、ロータ27の回転に伴って上死点に達した第
2のアキシャルピストンシリンダ群57の低圧作動室8
4に連なる第11蒸気通路P11に供給される。低圧作
動室84に供給された中温中圧蒸気は第10蒸気通路P
10と第11蒸気通路P11との連通が絶たれた後も低
圧作動室84内で膨張することで、低圧シリンダ50に
嵌合する低圧ピストン51が上死点から下死点に向けて
前方に押し出され、低圧ピストン51に接続されたリン
ク52が斜板39を押圧する。その結果、低圧ピストン
51の押圧力がリンク52を介して斜板39の回転力に
変換され、この回転力は斜板39のディンプル39aを
介して高圧ピストン43からロータ27に回転トルクを
伝える。即ち、斜板39と同期回転するロータ27に回
転トルクが伝達されることになる。尚、リンク52は膨
張行程での負圧発生時に低圧ピストン51が斜板39か
ら離脱するのを防止すべく、低圧ピストン51と斜板3
9との結合を維持する機能を果たすもので、膨張作用に
よる回転トルクは、上述の如く斜板39のディンプル3
9aを介して高圧ピストン43から斜板39と同期回転
するロータ27に伝達される構成となっている。そして
ロータ27が7分の1回転する毎に、新たな低圧作動室
84内に中温中圧蒸気が供給されてロータ27が連続的
に回転駆動される。
【0087】図18に示すように、ロータ27の回転に
伴って下死点に達した低圧ピストン51が上死点に向か
って後退する間に、低圧作動室84から押し出された低
温低圧蒸気は、ロータ27の第11蒸気通路P11と、
摺動面71と、摺動部材70の第16蒸気通路P16
と、ロータリバルブ本体62の第17蒸気通路P17〜
第20蒸気通路P20を経て蒸気排出室90に排出さ
れ、そこから蒸気排出孔18cを経て凝縮器に供給され
る。
【0088】上述のようにして膨張機113が作動する
とき、第1のアキシャルピストンシリンダ群49の7本
の高圧ピストン43…と、第2のアキシャルピストンシ
リンダ群57の7本の低圧ピストン51…とが共通の斜
板39に接続されるので、第1、第2のアキシャルピス
トンシリンダ群49,57の出力を合成して出力軸28
を駆動することができ、膨張機113を小型化しながら
高出力を得ることができる。このとき、第1のアキシャ
ルピストンシリンダ群49の7本の高圧ピストン43…
と、第2のアキシャルピストンシリンダ群57の7本の
高圧ピストン51…とが円周方向に半ピッチずれて配置
されているため、図15に示すように、第1のアキシャ
ルピストンシリンダ群49の出力トルクの脈動と、第2
のアキシャルピストンシリンダ群57の出力トルクの脈
動とが相互に打ち消しあい、出力軸28の出力トルクが
フラットになる。
【0089】またアキシャル型の回転式流体機械はラジ
アル式の回転式流体機械に比べてスペース効率が高いと
いう特徴があるが、それを半径方向に2段に配置したこ
とでスペース効率を更に高めることができる。特に、体
積が小さい高圧の蒸気で作動するために小直径で済む第
1のアキシャルピストンシリンダ群49を半径方向内側
に配置し、体積が大きい低圧の蒸気で作動するために大
直径となる第2のアキシャルピストンシリンダ群57を
半径方向外側に配置したので、空間を有効利用して膨張
機113の一層の小型化が可能となる。しかも円形断面
を有することで加工精度を高くできるシリンダ42…,
50…およびピストン43…,51…を用いたことによ
り、ベーンを用いた場合に比べて蒸気のリーク量が少な
くなり、更なる高出力を望むことができる。
【0090】また高温の蒸気で作動する第1のアキシャ
ルピストンシリンダ群49を半径方向内側に配置し、低
温の蒸気で作動する第2のアキシャルピストンシリンダ
群57を半径方向外側に配置したので、第2のアキシャ
ルピストンシリンダ群57とケーシング11の外部との
温度差を最小限に抑え、ケーシング11の外部への熱逃
げを最小限に抑えて膨張機113の効率を高めることが
できる。また半径方向内側の高温の第1のアキシャルピ
ストンシリンダ群49から逃げた熱を、半径方向外側の
低温の第2のアキシャルピストンシリンダ群57で回収
することができるので、膨張機113の効率を更に高め
ることができる。
【0091】また軸線Lに対して直角方向に見たとき、
第1のアキシャルピストンシリンダ群49の後端は第2
のアキシャルピストンシリンダ群57の後端よりも前方
に位置しているので、第1のアキシャルピストンシリン
ダ群49から軸線L方向後方に逃げた熱を第2のアキシ
ャルピストンシリンダ群57で回収し、膨張機113の
効率を更に高めることができる。更に、高圧側の摺動面
68が低圧側の摺動面71よりもロータ27の凹部27
bの奥側に在るので、ケーシング11の外部の圧力と低
圧側の摺動面71との差圧を最小限に抑えて低圧側の摺
動面71からの蒸気のリーク量を減少させることがで
き、しかも高圧側の摺動面68から漏れた蒸気圧を低圧
側の摺動面71で回収して有効に利用することができ
る。
【0092】さて、膨張機113の運転中にケーシング
11の潤滑室102内で回転するロータ27によってオ
イルパン19に貯留されたオイルが攪拌されて撥ね上げ
られ、高圧シリンダ42…と高圧ピストン43…との摺
動部、低圧シリンダ50…と低圧ピストン51…との摺
動部、出力軸28を支持するアンギュラボールベアリン
グ31、ロータ27を支持するアンギュラボールベアリ
ング29、斜板39を支持するアンギュラボールベアリ
ング38、高圧ピストン43…と斜板39との摺動部、
リンク52…の両端の球面軸受54…,56…等を潤滑
する。
【0093】潤滑室102の内部には、オイルの攪拌に
より飛散したオイルミストと、ロータ27の高温部に加
熱されて蒸発したオイルの蒸気とが充満しており、これ
に高圧作動室82…および低圧作動室84…から潤滑室
102に漏出した蒸気が混合する。蒸気の漏出により潤
滑室102の圧力が蒸気排出室90の圧力よりも高くな
ると、前記オイル分および蒸気の混合物はケーシング本
体12の上壁12aに形成した連通孔12bから下部ブ
リーザ室101に流入する。下部ブリーザ室101の内
部は隔壁12c〜12eにより迷路構造になっており、
そこを通過する間に凝縮したオイルは、ケーシング本体
12の上壁12aに形成した4個のオイル戻し孔12f
…から落下して潤滑室102に戻される。
【0094】オイル分を除去された蒸気はブリーザ室隔
壁23の4個の連通孔23a…,23bを通過して上部
ブリーザ室103に流入し、その上壁を区画するブリー
ザ室カバー25を介して外部の空気に熱を奪われて凝縮
する。上部ブリーザ室103内で凝縮した水は、上部ブ
リーザ室103内に煙突状に突出する4個の連通孔23
a…,23bに流入することなく、ブリーザ室隔壁23
に形成した凝縮水戻し孔23cを通過して凹部12gに
落下し、そこでから第4ブリーザ通路B4および第3ブ
リーザ通路B3を経て蒸気排出室90に排出される。こ
のとき、蒸気排出室90に戻される凝縮水の量は、高圧
作動室82…および低圧作動室84…から潤滑室102
に漏出した蒸気の量に見合った量となる。また蒸気排出
室90と上部ブリーザ室103とは圧力平衡通路として
機能する第1蒸気通路B1〜第3蒸気通路B3で常時連
通しているので、蒸気排出室90と潤滑室102との圧
力平衡を確保することができる。
【0095】暖機完了前の過渡期において、潤滑室10
2の圧力が蒸気排出室90の圧力よりも低くなった場合
には、蒸気排出室90の蒸気が第3ブリーザ通路B3、
第2ブリーザ通路B2および第1ブリーザ通路B1、上
部ブリーザ室103および下部ブリーザ室101を経て
潤滑室102に流入することが考えられるが、暖機完了
後は潤滑室102への蒸気の漏出により潤滑室102の
圧力が蒸気排出室90の圧力よりも高くなるため、上述
したオイルおよび蒸気の分離作用が開始される。
【0096】作動媒体である蒸気(あるいは水)が閉回
路を循環するランキンサイクル装置では、作動媒体にオ
イルが混入してシステムが汚損されるのを極力回避する
ことが必要であるが、オイルを分離する下部ブリーザ室
101および凝縮水を分離する上部ブリーザ室103に
より、蒸気(あるいは水)へのオイルの混入を最小限に
抑え、オイルを分離するフィルターの負担を軽減して小
型化およびコストダウンを図ることができ、しかもオイ
ルの汚れや劣化を防止することができる。
【0097】ところで、各摺動部の潤滑媒体としてオイ
ルを用いた膨張機113では、上述した各種の対策を講
じてもオイルに作動媒体としての水が僅かに混入するこ
とが避けられない。このようにオイルに水が混入すると
潤滑性能の低下を来すため、オイルから水を分離し、そ
の水をランキンサイクル装置の閉回路に戻す必要があ
る。一方、膨張機113において作動媒体としての水に
潤滑媒体としてのオイルが混入することも避けられず、
オイルが混入した水がランキンサイクル装置の閉回路を
循環すると、そのオイルが蒸発器や凝縮器の性能や耐久
性に悪影響を及ぼすため、水からオイルを分離し、その
オイルを膨張機113の潤滑系に戻す必要がある。
【0098】次に、図19に基づいて、上記膨張機11
3を含むランキンサイクル装置の全体構成を説明する。
【0099】ランキンサイクル装置の作動媒体循環回路
110上には、内燃機関111の排気ガスを熱源として
液相作動媒体である水を加熱して気相作動媒体である高
温高圧蒸気を発生させる蒸発器112と、その蒸発器1
12で発生した高温高圧蒸気で機械エネルギーを発生さ
せる膨張機113と、膨張機113から排出された降温
降圧蒸気を冷却して水に戻す凝縮器114と、凝縮器1
14から排出された水を再度蒸発器112に供給する高
圧ポンプ115とが配置される。
【0100】膨張機113の被潤滑部を潤滑するオイル
をオイルポンプ92によって循環させるオイル循環回路
91には、ラジエータ116、プレフィルター117お
よび水分離手段121が設けられており、この水分離手
段121で分離された水は一方向弁119を介装した水
戻し通路120を経てランキンサイクル装置の凝縮器1
14の下流の作動媒体循環回路110に戻される。一
方、水分離手段121で水を分離されたオイルは、オイ
ル循環回路91を介して膨張機113に戻される。
【0101】図20〜図22に示すように、コアレッサ
ー式の水分離手段121は、膨張機113から供給され
るオイルに僅かな水が混入したオイル−水混合物から水
を分離するもので、ケーシング123の内部に疎水性を
有する超極細のナイロン繊維で構成した円筒状のフィル
ターエレメント124を配置し、その内部に前記オイル
−水混合物が供給される。
【0102】水分離手段121に膨張機113からオイ
ルに僅かな水が混入したオイル−水混合物を供給する
と、図24から明らかなように、オイル−水混合物が水
分離手段121のフィルターエレメント124を内側か
ら外側に通過するとき、オイルに含まれる微量の水が超
極細のナイロン繊維に捕捉されて次第に成長し、直径が
2〜3mm程度の水滴になったところで、水よりも軽い
オイルとの比重差で水滴だけが下方に沈下して上方のオ
イルから分離される。そして水を分離されたオイルは、
オイル循環回路91を経て膨張機113の潤滑系に戻さ
れる。
【0103】尚、ランキンサイクル装置を搭載した自動
車の走行に伴う振動等により、水分離手段121のケー
シング123の底部に溜まった水がオイルと再度混合し
ないように、ケーシング123の底部に多数の隔壁12
3a…を設けて水の自由な流動を抑制している。この隔
壁123a…に代えて、ケーシング123の底部にスポ
ンジのような吸水性に優れた物質を配置し、それに水を
吸い込ませて自由な流動を抑制することもできる。
【0104】このように、水分離手段121は大容量の
オイルを貯留する機能を有することから、その水分離手
段121をオイルタンクとして利用することで、膨張機
113からオイルタンクを廃止して小型化を図ることが
できる。しかも共通のオイルポンプ92でオイルを膨張
機113の潤滑系に供給する機能と、オイルを水分離手
段121に供給する機能とを果たすことができるので、
部品点数およびコストの削減が可能となる。
【0105】ナイロン繊維で構成された水分離手段12
1のフィルターエレメント124は耐熱温度が約80℃
であるのに対し、膨張機113から供給されるオイルの
温度は約120℃に達している。そこで水分離手段12
1の上流側に設けたラジエータ116でオイルの温度を
フィルターエレメント124の耐熱温度以下に冷却する
ことで、水分離手段121の機能を確保するとともに耐
久性を高めることができる。
【0106】しかもラジエータ116を通過したオイル
に含まれる作動媒体は冷却されて液相の水の状態になる
ため、その作動媒体を蒸気および水が混在する状態でオ
イルから分離する場合に比べて、水分離手段121にお
ける水の分離性能を高めることができる。またラジエー
タ116の下流のプレフィルター117でオイル−水混
合物中の塵を除去することで、水分離手段121のフィ
ルターエレメント124の目詰まりを防止して耐久性を
高めることができる。尚、水分離手段121は、膨張機
113の外部であって該膨張機113と別体に取り付け
ることも可能であり、膨張機113と一体化することも
できる。
【0107】また水およびオイルの比重差を利用して分
離を行うコアレッサー式の水分離手段121は、他の膜
方式のフィルターに比べて圧力損失が小さいため、オイ
ルポンプ92の負荷を軽減することができる。
【0108】以上、膨張機113のオイルから水を分離
する手法について説明したが、以下にランキンサイクル
装置の作動媒体循環回路110を循環する水からオイル
を分離する手法について説明する。
【0109】図19に戻り、ランキンサイクル装置の水
が循環する作動媒体循環回路110における凝縮器11
4および高圧ポンプ115間には、フローポンプ13
5、オイル濃度センサ137、バイパス弁136、オイ
ル分離手段122、水浄化手段132および水タンク1
33が直列に配置される。バイパス弁136から分岐し
てオイル分離手段122を迂回するバイパス通路134
は、水浄化手段132の上流の作動媒体循環回路110
に合流する。
【0110】膨張機113から排出される作動媒体は飽
和蒸気(水を含む蒸気)であり、膨張機113において
混入した微量のオイルが含まれる。また水分離手段12
1でオイルから分離されて水戻し通路120から作動媒
体循環回路110に戻された水にも微量のオイルが混入
している。これらのオイルはオイル分離手段122によ
り水から分離されてオイル循環回路91に戻される。
【0111】図23に示すように、オイル分離手段12
2は、水に僅かなオイルが混入した水−オイル混合物か
らオイルを分離するもので、ケーシング125の内部に
疎水性を有する超極細のナイロン繊維で構成した円筒状
のフィルターエレメント126を配置し、その内部に前
記水−オイル混合物が供給される。
【0112】図25から明らかなように、オイル分離手
段122では、水−オイル混合物がフィルターエレメン
ト126を内側から外側に通過するとき、水に含まれる
微量のオイルが超極細のナイロン繊維に捕捉されて次第
に成長し、直径が2〜3mm程度のオイル滴になったと
ころで、オイルよりも軽い水との比重差でオイル滴だけ
が上方に浮上して下方の水から分離される。そしてオイ
ル分離手段122で水から分離されたオイルは、一方向
弁141を介装したオイル戻し通路142を介して膨張
機113のオイル循環回路91に戻される。
【0113】尚、ランキンサイクル装置を搭載した自動
車の走行に伴う振動等により、オイル分離手段122の
ケーシング125の頂部に溜まったオイルが水と再度混
合しないように、ケーシング125の頂部に多数の隔壁
125a…を設けてオイルの自由な流動を抑制してい
る。この隔壁125a…に代えてスポンジ等を配置して
も、同等の効果を得ることができる。
【0114】このように、膨張機113から作動媒体循
環回路110に排出される水に含まれるオイルの分離
と、水分離手段121から作動媒体循環回路110に戻
される水に含まれるオイルの分離とを、共通のオイル分
離手段122を用いて行うことができるので、それぞれ
別個のオイル分離手段を用いる場合に比べて、部品点
数、スペース、コスト等を削減することができる。また
オイル分離手段122に水およびオイルの比重差を利用
して分離を行うコアレッサー式のものを採用したので、
他の膜方式のフィルターを採用した場合に比べて圧力損
失が小さくなり、高圧ポンプ115の負荷を軽減するこ
とができる。
【0115】バイパス弁136の開閉制御は、バイパス
弁136の直上流に配置したオイル濃度センサ137で
検出したオイル濃度に基づいて行われる。オイル濃度セ
ンサ137は、水が導電性であり、オイルが非導電性で
あることから、水に対するオイル含有率が増加するほど
電気抵抗が増加することに基づいてオイル濃度と電気抵
抗との関係を示すマップを予め作成しておき、前記オイ
ル濃度を検出する。
【0116】ランキンサイクル装置の作動開始直後等の
冷間時には、膨張機113の各摺動部からオイルが漏れ
易くなるためにオイル濃度が高くなるが、このような場
合にはバイパス弁136によりバイパス通路134を閉
じてオイル濃度の高い水をオイル分離手段122に供給
してオイルの分離を行う。一方、暖機運転が完了したた
めに膨張機113の各摺動部からオイルが漏れ難くなっ
てオイル濃度が低くなると、バイパス弁136によりバ
イパス通路134を開いてオイル濃度の低い水をオイル
分離手段122を迂回して流すことで、オイル分離手段
122において無駄な圧損が発生するのを防止すること
ができる。
【0117】オイル分離手段122から作動媒体循環回
路110に排出された水、あるいはオイル分離手段12
2を迂回してバイパス通路134から作動媒体循環回路
110に排出された水は水浄化手段132に供給され
る。水浄化手段132は精密濾過膜(MF)、限外濾過
膜(UF)、逆浸透膜(RO)等を含み、微小なスラッ
ジが水から除去される。更に水浄化手段132では、イ
オン交換による純水化処理、アルカリ化処理、溶存酸素
除去処理等を行うことにより、オイル分離手段122を
通過した水、あるいはオイル分離手段122を迂回した
水を更に浄化し、ランキンサイクル装置の各部の汚染お
よび腐食を防止する。そして水浄化手段132を通過し
た水は水タンク133を経て高圧ポンプ115に供給さ
れる。
【0118】以上のように、膨張機113を潤滑するオ
イルに混入した作動媒体を分離する水分離手段121
を、ラジエータ116の下流側の作動媒体が液相の水の
状態にある位置に設けたことにより、その水分離手段1
21を効果的に機能させてオイルから水を分離すること
ができる。同様に、ランキンサイクル装置の作動媒体か
らオイルを分離するオイル分離手段122を、凝縮器1
14の下流側の作動媒体が液相の水の状態にある位置に
設けたことにより、そのオイル分離手段122を効果的
に機能させて水からオイル分離することができる。
【0119】そして水分離手段121においてオイルか
ら分離された水は作動媒体循環回路110に戻されるの
で、作動媒体循環回路110に水を補給する必要がなく
なり、また水から分離されたオイルを膨張機113に戻
すので、膨張機113にオイルを補給する必要がなくな
る。
【0120】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0121】例えば、実施例では熱機関として内燃機関
111を例示したが、本発明は内燃機関111以外の熱
機関を用いたランキンサイクル装置に対して適用するこ
とができる。
【0122】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、作動媒体循環回路上に配置したオイル分離手
段により、膨張機において作動媒体に混入したオイルを
分離してオイル循環回路に戻すとともに、オイル循環回
路上に配置した作動媒体分離手段により、膨張機におい
てオイルに混入した作動媒体を分離して作動媒体循環回
路に戻すので、作動媒体とオイルとが混合することによ
り発生する不具合を解消できるだけでなく、作動媒体の
量およびオイルの量が減少するのを防止して補給の必要
性を最小限に抑えることができる。またオイル循環回路
上に配置した作動媒体分離手段で分離した作動媒体を、
作動媒体戻し通路を介して作動媒体循環回路上に配置し
たオイル分離手段の上流位置に戻すので、作動媒体分離
手段で分離した作動媒体中に残留するオイルを作動媒体
循環回路上に配置したオイル分離手段で確実に分離し、
作動媒体循環回路を循環する作動媒体を清浄に保つこと
ができる。このように、作動媒体循環回路上に配置した
オイル分離手段を、膨張機において作動媒体に混入した
オイルの分離に使用するだけでなく、オイル循環回路上
に配置した作動媒体分離手段から作動媒体循環回路に戻
された作動媒体に残留するオイルの分離にも併用するこ
とで、分離手段の数を最小限に抑えて部品点数の増加、
コストの増加、装置の大型化等を回避することができ
る。
【0123】また請求項2に記載された発明によれば、
作動媒体およびオイルの温度が所定温度範囲にある位置
にオイル分離手段を配置したので、オイル分離手段の損
傷を防止しながらオイルの分離機能を安定して発揮させ
ることができる。
【0124】また請求項3に記載された発明によれば、
オイルおよび作動媒体の温度が所定温度範囲にある位置
に作動媒体分離手段を配置したので、作動媒体分離手段
の損傷を防止しながら作動媒体の分離機能を安定して発
揮させることができる。
【0125】また請求項4に記載された発明によれば、
作動媒体循環回路上に配置した凝縮器の下流位置では該
作動媒体循環回路を流れる作動媒体が液相になっている
ため、作動媒体分離手段で分離した作動媒体を作動媒体
循環回路に合流させた後に、オイル分離手段によるオイ
ルの分離を確実に行うことができる。
【0126】また請求項5に記載された発明によれば、
作動媒体循環回路上に配置したオイル分離手段の上流側
および下流側をバイパス通路で接続したので、作動媒体
が清浄であるときに該作動媒体をバイパス通路に導いて
オイル分離手段を迂回させることで、オイル分離手段に
おいて発生する圧損を回避することができる。
【0127】また請求項6に記載された発明によれば、
作動媒体戻し通路からの作動媒体が作動媒体循環回路に
合流した後のオイル濃度をオイル濃度センサで検出し、
そのオイル濃度に基づいてバイパス通路を開閉するの
で、作動媒体のオイル濃度が高い場合に限って該作動媒
体がオイル分離手段を通過するようにし、作動媒体を確
実に浄化しながらオイル分離手段において発生する圧損
を最小限に抑えることができる。
【0128】また請求項7に記載された発明によれば、
オイル循環回路上に配置した作動媒体分離手段がオイル
を貯留するタンクを兼ねるので、オイルを貯留する特別
のタンクが不要になって部品点数およびスペースを削減
することができる。
【0129】また請求項8に記載された発明によれば、
作動媒体に含まれる陽イオンや溶存気体を除去する作動
媒体浄化手段をオイル分離手段の下流側に配置したの
で、オイル分離手段で分離できなかった陽イオンや溶存
気体を作動媒体浄化手段で除去し、作動媒体が流通する
作動媒体循環回路の各部の汚染や腐食を一層確実に防止
することができる。
【0130】また請求項9に記載された発明によれば、
作動媒体に含まれる陽イオンや溶存気体を除去する作動
媒体浄化手段の上流側の作動媒体循環回路にバイパス通
路を合流させたので、オイル分離手段を迂回してバイパ
ス通路を通過した作動媒体に含まれる陽イオンや溶存気
体を作動媒体浄化手段で除去し、作動媒体が流通する作
動媒体循環回路の各部の汚染や腐食を確実に防止するこ
とができる。
【0131】また請求項10に記載された発明によれ
ば、作動媒体分離手段がオイルに含まれる作動媒体を粗
粒化してオイルとの比重差により分離するので、少ない
圧力損失でオイルから作動媒体を効果的に分離すること
ができる。
【0132】また請求項11に記載された発明によれ
ば、作動媒体分離手段がコアレッサー式のものであるの
で、少ない圧力損失でオイルから作動媒体を効果的に分
離することができる。
【0133】また請求項12に記載された発明によれ
ば、作動媒体分離手段のフィルターエレメントが疎水性
繊維で構成されるので、作動媒体およびオイルの分離能
力を高めることができる。
【0134】また請求項13に記載された発明によれ
ば、オイル分離手段が作動媒体に含まれるオイルを粗粒
化して作動媒体との比重差により分離するので、少ない
圧力損失で作動媒体からオイルを効果的に分離すること
ができる。
【0135】また請求項14に記載された発明によれ
ば、オイル分離手段がコアレッサー式のものであるの
で、少ない圧力損失で作動媒体からオイルを効果的に分
離することができる。
【0136】また請求項15に記載された発明によれ
ば、オイル分離手段のフィルターエレメントが疎水性繊
維で構成されるので、作動媒体およびオイルの分離能力
を高めることができる。
【0137】また請求項16に記載された発明によれ
ば、界面活性作用のある極圧添加剤を含まない疎水性オ
イルを用いたので、オイルに含まれる作動媒体を作動媒
体分離手段で分離する際に、オイルの乳化による潤滑性
能の低下を防止でき、しかも作動媒体およびオイルの分
離性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】膨張機の縦断面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3部拡大図
【図4】図1の4部拡大断面図(図8の4−4線断面
図)
【図5】図4の5−5線矢視図
【図6】図4の6−6線矢視図
【図7】図4の7−7線断面図
【図8】図4の8−8線断面図
【図9】図4の9−9線断面図
【図10】図1の10−10線矢視図
【図11】図1の11−11線矢視図
【図12】図10の12−12線断面図
【図13】図11の13−13線断面図
【図14】図10の14−14線断面図
【図15】出力軸のトルク変動を示すグラフ
【図16】高圧段の吸入系を示す作用説明図
【図17】高圧段の排出系および低圧段の吸入系を示す
作用説明図
【図18】低圧段の排出系を示す作用説明図
【図19】ランキンサイクル装置の全体構成を示す図
【図20】図19の20部拡大図
【図21】図20の21−21線断面図
【図22】図20の22−22線断面図
【図23】図19の23部拡大図
【図24】水を分離するコアレッサー式フィルターの作
用を示す図
【図25】オイルを分離するコアレッサー式フィルター
の作用を示す図
【符号の説明】
91 オイル循環回路 110 作動媒体循環回路 111 内燃機関(熱機関) 112 蒸発器 113 膨張機 114 凝縮器 115 高圧ポンプ(循環ポンプ) 120 水戻し通路(作動媒体戻し通路) 121 水分離手段(作動媒体分離手段) 122 オイル分離手段 124 フィルターエレメント 126 フィルターエレメント 132 水浄化手段(作動媒体浄化手段) 134 バイパス通路 137 オイル濃度センサ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱機関(111)の廃熱で液相作動媒体
    を加熱して高温・高圧の気相作動媒体を発生させる蒸発
    器(112)と、蒸発器(112)から供給された気相
    作動媒体の熱および圧力を機械エネルギーに変換する膨
    張機(113)と、膨張機(113)において降温・降
    圧した気相作動媒体を冷却して液相作動媒体に戻す凝縮
    器(114)と、凝縮器(114)から排出された液相
    作動媒体を蒸発器(112)に供給する循環ポンプ(1
    15)とを作動媒体循環回路(110)上に配置したラ
    ンキンサイクル装置と;膨張機(113)の被潤滑部を
    潤滑したオイルが循環するオイル循環回路(91)と;
    膨張機(113)において作動媒体に混入したオイルを
    分離してオイル循環回路(91)に戻すべく、作動媒体
    循環回路(110)上に配置したオイル分離手段(12
    2)と;膨張機(113)においてオイルに混入した作
    動媒体を分離して作動媒体循環回路(110)に戻すべ
    く、オイル循環回路(91)上に配置した作動媒体分離
    手段(121)と;を備えた廃熱回収機関であって、オ
    イル循環回路(91)上に配置した作動媒体分離手段
    (121)で分離した作動媒体を作動媒体循環回路(1
    10)に戻す作動媒体戻し通路(120)を、作動媒体
    循環回路(110)上に配置したオイル分離手段(12
    2)の上流位置に接続したことを特徴とする廃熱回収機
    関。
  2. 【請求項2】 オイル分離手段(122)は所定温度範
    囲で作動媒体からオイルを分離する機能を発揮するもの
    であり、作動媒体およびオイルの温度が前記所定温度範
    囲にある位置に配置されることを特徴とする、請求項1
    に記載の廃熱回収機関。
  3. 【請求項3】 作動媒体分離手段(121)は所定温度
    範囲でオイルから作動媒体を分離する機能を発揮するも
    のであり、オイルおよび作動媒体の温度が前記所定温度
    範囲にある位置に配置されることを特徴とする、請求項
    1に記載の廃熱回収機関。
  4. 【請求項4】 オイル循環回路(91)上に配置した作
    動媒体分離手段(121)で分離した作動媒体を作動媒
    体循環回路(110)に戻す作動媒体戻し通路(12
    0)を、作動媒体循環回路(110)上に配置した凝縮
    器(114)の下流位置に接続したことを特徴とする、
    請求項1に記載の廃熱回収機関。
  5. 【請求項5】 作動媒体循環回路(110)上に配置し
    たオイル分離手段(122)の上流側および下流側をバ
    イパス通路(134)で接続したことを特徴とする、請
    求項1に記載の廃熱回収機関。
  6. 【請求項6】 作動媒体戻し通路(120)が作動媒体
    循環回路(110)に合流する位置と、バイパス通路
    (134)が作動媒体循環回路(110)から分岐する
    位置との間にオイル濃度センサ(137)を配置し、こ
    のオイル濃度センサ(137)で検出したオイルの濃度
    に基づいてバイパス通路(134)を開閉することを特
    徴とする、請求項5に記載の廃熱回収機関。
  7. 【請求項7】 オイル循環回路(91)上に配置した作
    動媒体分離手段(121)はオイルを貯留するタンクを
    兼ねることを特徴とする、請求項1に記載の廃熱回収機
    関。
  8. 【請求項8】 作動媒体循環回路(110)上に配置し
    たオイル分離手段(122)の下流側に、作動媒体に含
    まれる陽イオンや溶存気体を除去する作動媒体浄化手段
    (132)を配置したことを特徴とする、請求項1に記
    載の廃熱回収機関。
  9. 【請求項9】 作動媒体に含まれる陽イオンや溶存気体
    を除去する作動媒体浄化手段(132)を作動媒体循環
    回路(110)上に配置し、この作動媒体浄化手段(1
    32)の上流側に前記バイパス通路(134)を合流さ
    せたことを特徴とする、請求項5に記載の廃熱回収機
    関。
  10. 【請求項10】 作動媒体分離手段(121)は、オイ
    ルに含まれる作動媒体を粗粒化し、粗粒化した作動媒体
    とオイルとの比重差により該作動媒体を分離するもので
    あることを特徴とする、請求項1〜請求項9の何れか1
    項に記載の廃熱回収機関。
  11. 【請求項11】 作動媒体分離手段(121)は、コア
    レッサー式のものであることを特徴とする、請求項10
    に記載の廃熱回収機関。
  12. 【請求項12】 作動媒体分離手段(121)は疎水性
    繊維よりなるフィルターエレメント(124)を備えた
    ことを特徴とする、請求項10または請求項11に記載
    の廃熱回収機関。
  13. 【請求項13】 オイル分離手段(122)は、作動媒
    体に含まれるオイルを粗粒化し、粗粒化したオイルと作
    動媒体との比重差により該オイルを分離するものである
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項9の何れか1項に
    記載の廃熱回収機関。
  14. 【請求項14】 オイル分離手段(122)は、コアレ
    ッサー式のものであることを特徴とする、請求項13に
    記載の廃熱回収機関。
  15. 【請求項15】 オイル分離手段(122)は疎水性繊
    維よりなるフィルターエレメント(126)を備えたこ
    とを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の
    廃熱回収機関。
  16. 【請求項16】 オイルは界面活性作用のある極圧添加
    剤を含まない疎水性オイルであることを特徴とする、請
    求項1〜請求項15の何れか1項に記載の廃熱回収機
    関。
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