JP4618683B2 - 画像処理装置、ガマット補正方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、ガマット補正方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、入力カラー画像信号を画像出力装置に適した色信号に変換する装置及び方法並びに画像出力装置のガマットの補正方法に関する。
一般に、電子写真方式のプリンタ、インクジェットプリンタなどの画像出力装置の再現可能な色域(ガマット:gamut)は、CRTディスプレイ等のディスプレイのガマットに比べて狭い。すなわち、ディスプレイは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体の発色により加法混色で色再現を行うため、ディスプレイのガマットは使用する蛍光体の種類に依存する。一方、プリンタのガマットは、使用するインクだけでなく紙の種類等によっても異なっており、ディスプレイのガマットに比べて小さいのが一般的である。
このように、出力系のガマットが入力系のガマットより小さい場合には、画像によっては入力系の色情報の正確な再現が不可能となる。例えば、ディスプレイに表示されている画像データ(ディスプレイ表示用の画像データ)をプリンタで出力する場合、ディスプレイのガマットよりプリンタのガマットの方が小さいため、この画像データのプリンタのガマット外の色は正しく再現されない。したがって、このような場合は、元の画像情報をなるべく保存しつつ、ガマット外の色をガマット内に持ってくるような処理が必要になる。このように、物理的に再現不可能な色を、何らかの処理によりガマット内に押し込むことを一般的に「ガマット圧縮」と呼んでいる。
このようなガマット圧縮に関連した先行技術文献としては例えば特許文献1〜4を挙げることができる。
特許文献1においては、入力装置と出力装置のガマットの形状が著しく異なったり出力画像のガマット形状が複雑な場合に、ガマット圧縮処理を2段階に分けて行うことにより、出力画像の色味を入力画像の色味に対して損なわないようにする。すなわち、カラー画像出力装置のガマットAを包括する仮想のガマットBを設定し、ガマットBを参照して入力色データの色圧縮を行う第1色変換手段と、第1色変換手段で色圧縮された色データを、ガマットAを参照して色圧縮を行う第2色変換手段とを備える。
特許文献2においては、シャドー部のガマットに凹部があると、ガマット圧縮の変換先が一意に決まりにくく階調とびが目立つため、凸凹の部分がスムーズになるように出力装置のガマット境界付近に近似曲線を設ける。
特許文献3においては、入力画像と出力装置のガマットでホワイトポイントの彩度が異なると、ガマット圧縮時の色変換が不自然であるため、出力装置のハイライトガマットにおいて明度軸上の最高明度点以上のガマットを削除する。
特許文献4においては、出力機器と入力機器のガマットの表面を複数の平面で形成された多面体で表現し、出力機器のガマットを入力機器のガマットに対応づけた上で、L*a*b*空間上でのカラーマッピングを行う。
特開2002−252785号公報 特開2000−253264号公報 特開2000−253269号公報 特開2004−48588号公報
図1は、ある色相におけるディスプレイとプリンタのガマットの例を明度−彩度平面上に示している。図中の斜線領域はプリンタでは再現できない色であるため、矢印で示すようにガマット圧縮を行わなくてはならない。ところが、実際にプリンタのガマットを求めてみると、特にシャドーの境界面に凸凹が発生することがある。このような凸凹が発生すると、ガマット圧縮が正確に行えなくなって階調連続性が保たれず、入力画像と出力画像の印象が異なってしまう。さらに、総量規制値(総インク量または総トナー量)が厳しいと、シャドー部の彩度再現性が悪く、図2に示すようなガマットの「えぐれ」が生じてしまい明度反転等が起こってしまう。
このような問題を解決するために、従来からガマット圧縮方式やカラーマッチング等で対処が行われてきた。例えば、特許文献1ではガマット圧縮処理を2段階に分けて行うことにより、出力画像の色味を入力画像の色味に近づけようとする。
また、特許文献2では、出力機器のガマットのシャドー部における境界面付近の凸凹に対し近似曲線を設けて出力画像の階調連続性を確保しようとする。また、出力機器のガマット外でも近似曲線を設けるため、近似処理した際の誤差を色変換で修正する。
さらに、最近では、上記のように明度・彩度方向のみ圧縮する2次元圧縮だけでなく、明度・彩度・色相方向への3次元圧縮が提案されてきている。例えば特許文献4では、出力機器と入力機器のガマット表面を複数の平面で形成された多面体で表現し、出力機器のガマットを入力機器のガマットに対応づけた上で、L*a*b*空間上でのカラーマッピングを行う。
しかし、上記のようなガマット圧縮を行っても、出力機器のガマット境界面自体が図1のように凸凹していたり、図2のように「えぐれ」を生じていたりする場合には、その境界面を使用している限り階調不連続や明度反転等の不具合が起こってしまう。
なお、特許文献3は、主にハイライトガマット補正に関する技術であり、入力画像と出力装置のガマットでホワイトポイントの彩度が異なると、ハイライト領域におけるガマット圧縮時の色変換が不自然となるため、出力装置のハイライトガマットにおいて明度軸上の最高明度点以上のガマットを削除する。この技術によると、ガマットの一部を削除するので出力機器の色再現域は狭くなるが、双方のガマットの特性を似せるように設定するため、ガマット圧縮処理が容易であり、入力画像と出力画像の印象が類似する、等の利点がある。しかし、特許文献3では、出力装置のシャドーガマットで色域の境界が複数ある例については言及しておらず、また、シャドーガマットの「えぐれ」への対処については何ら説明がない。
本発明は以上に鑑みてなされたものであり、本発明の1つの目的は、画像出力装置のシャドー部におけるガマット形状が複雑であっても、明度反転等の不具合を防止し、色再現性、階調連続性を保証できるようにすることにある。本発明のもう1つの目的は、画像出力装置のシャドー部におけるガマット形状が複雑であっても、ガマット圧縮処理を容易にすることにある。本発明のもう1つの目的は、画像出力装置のガマットを最大限利用しつつ、色再現性、階調連続性を保証できるようにすることにある。本発明のもう1つの目的は、ガマット圧縮を含む色変換を高速に実行できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明以下の特徴を有するものである。
すなわち、請求項1記載の発明は
画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する画像出力装置外郭データ生成手段と、
入力カラー画像信号に対し、前記画像出力装置外郭データ生成手段生成された外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮する処理を施すガマット圧縮処理手段と、
を備え、
前記画像出力装置外郭データ生成手段は、
前記画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の手段と、
該外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施第2の手段とを有する、
ことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2記載の発明は
画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する画像出力装置外郭データ生成手段と、
入力カラー画像信号に対し、前記画像出力装置外郭データ生成手段生成された外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮する処理を施すガマット圧縮処理手段と、
を備え、
前記画像出力装置外郭データ生成手段は、
前記画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の手段と、
外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施す第2の手段と、
前記第2の手段により処理後の外郭データに対し、外郭を滑らかな形状に整える整形処理を施す第3の手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置である。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明に係る画像処理装置であって、前記第3の手段は前記整形処理において、外郭の形状を、明度と彩度の関係が線形的になるように整えることを特徴とする画像処理装置である。
請求項記載の発明は、請求項2又は3記載の発明に係る画像処理装置であって、
前記整形処理後の外郭の少なくとも一点が前記整形処理前の外郭に接することを特徴とする画像処理装置である。
請求項記載の発明は、画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の工程と、前記第1の工程により取得された外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施すことにより、前記画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する第2の工程とを有すことを特徴とするガマット補正方法である。
請求項記載の発明は、画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の工程と、前記第1の工程により取得された外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施す第2の工程と、前記第2の工程により処理後の外郭データに対し、外郭を滑らかな形状に整える整形処理を施すことにより、前記画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する第3の工程とを有することを特徴とするガマット補正方法である。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明に係るガマット補正方法であって、前記整形処理において、外郭の形状を、明度と彩度の関係が線形的になるように整えることを特徴とするガマット補正方法である。
請求項記載の発明は、請求項6又は7記載の発明に係るガマット補正方法であって、前記整形処理後の外郭の少なくとも一点が前記整形処理前の外郭に接することを特徴とするガマット補正方法である。
請求項記載の発明は、請求項5乃至8のいずれか1項記載の発明に係るガマット補正方法により前記画像出力装置の補正されたガマットの外殻を示す外殻データを生成する工程と、入力カラー画像信号に対し、前記外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮する処理を施すガマット圧縮処理工程と、を有することを特徴とする画像処理方法である。
請求項10記載の発明は、請求項5乃至9のいずれか1項記載の発明に係る各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
請求項11記載の発明は、請求項5乃至9のいずれか1項記載の発明に係る各工程をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
請求項12記載の発明は、入力カラー画像信号を画像出力装置に適した色信号に変換する色変換手段を有し、前記色変換手段は、請求項5乃至9のいずれか1項記載の発明に係るガマット補正方法により補正されたガマットの外郭を示す外郭データを利用して、前記入力カラー画像信号に対し該外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮するガマット圧縮処理を施すガマット圧縮処理手段を含むことを特徴とする画像処理装置である。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明に係る画像処理装置であって、前記色変換手段は、メモリマップ補間により前記ガマット圧縮処理を含む前記変換を一括して実行する構成であることを特徴とする画像処理装置である。
(1)請求項1記載の発明によれば、画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データに対し、同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施した外郭データをガマット圧縮処理に利用するため、画像出力装置のシャドー部におけるガマット形状が複雑であっても、明度反転等の不具合を防止することができる。請求項2,3,4記載の発明によれば、画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データに対し、同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施し、さらに、外郭を滑らかな形状に整える整形処理を施した外郭データをガマット圧縮処理に利用するため、画像出力装置のシャドー部のガマット形状が複雑であっても、階調連続性を向上させることができる。さらに、請求項4記載の発明によれば画像出力装置のガマットを最大限に利用することできる、等々の効果を奏する。
(2)請求項5〜8記載の発明によれば、画像出力装置のガマットのシャドー部における形状が複雑であっても、適切に補正したガマットの外郭を示す外郭データを生成することができる。したがって、補正した外郭データをガマット圧縮処理に利用することにより上記(1)に述べたような効果を奏する。
(3)請求項9,12,13記載の発明によれば、上記(1)に述べた効果を奏することができることは明らかである。さらに、請求項13記載の発明によれば、ガマット圧縮処理を含む変換を高速化することができる、等々の効果を奏する。
(4)請求項10記載の発明に係るプログラム又は請求項11記載の発明に係る記録媒体に記録されたプログラムを利用することにより、請求項5〜9記載の発明をコンピュータ上で実施することができる。
以下、図面を用い本発明の実施形態について詳細に説明する。
[1]画像処理システム
[1−1]画像処理システムの全体構成
図3は、本発明に係る画像処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。図3において、100はディスプレイ、101はデジタルカメラ、102はスキャナ、103はコンピュータ、104は画像出力装置、200は画像処理装置である。コンピュータ103は、各種のアプリケーションやプリンタドライバ等のソフトウェアを実装可能となっている。デジタルカメラ101とスキャナ102は、処理される画像データを取り込むための入力装置である。ディスプレイ100は画像データを表示するための出力装置である。画像出力装置104は画像データをプリンタアウトするためものであって、例えばカラープリンタであり、あるいはカラーコピー機やカラーファクシミリ機である。
[1−2]画像処理システムの処理機能
図4は、本画像処理システムにおけるコンピュータ103及び画像処理装置200の処理機能を説明するためのブロック図である。
コンピュータ103は、読み込まれた画像データをアプリケーション301によって出力し、あるいは、アプリケーション301によって作成された画像データを出力する。この出力は、プリンタドライバ302を介して、一旦、記憶装置303にスプールされ、画像処理装置200がビジイでなければ、記憶装置303からデスプールされて出力処理を行うように画像処理装置200へ描画コマンドを送出する。また、コンピュータ103はディスプレイ100に関するガマット情報を含むディスプレイ情報304、及び画像出力装置204のガマット情報(本実施形態ではガマットの外郭算出用データ)である画像出力装置情報305を保持しており、これらの情報を画像出力装置200へ送出する。
画像処理装置200は、レンダリング処理部201、バンドバッファ202、色変換手段203、階調処理部204、ページメモリ205、及び画像出力装置ガマット作成部206等で構成され、コンピュータ103から送られてきた描画コマンドを画像出力装置104が処理可能なデータに変換して画像出力装置104へ送出する。
なお、画像処理装置200は、コンピュータ103や画像出力装置104とは別個のものとして設けられているが、コンピュータ103内に実装するように構成してもよいし、画像出力装置104内に実装するようにしてもよいし、あるいは画像出力装置104とは独立に設けられたプリンタ制御装置内に実装するようにしてもよい。また、画像処理装置200は、ソフトウェアで実現することも可能である。例えば、コンピュータ103内のプリンタドライバ中で、画像処理装置200の機能を実現するようにしてもよい。
更に、本画像処理システムでは、レンダリング処理、色変換処理、階調処理を画像処理装置200で実施するようにしているが、その一部または全部をコンピュータ103で実行するようにしてもよい。また、画像処理装置200にデータ圧縮処理等の他の機能を含むようにしてもよい。
[1−3]画像処理システムの動作
本画像処理システムにおいて、コンピュータ103で描画コマンドを生成するまでの動作について説明する。先ず、オペレータは、例えばスキャナ102等の画像入力装置を用いてコンピュータ内に画像データを取りこむ。次に、オペレータは、コンピュータ103内に実装されたアプリケーション301を用いて、読み込んだ画像データをディスプレイ100に表示しながら編集し、編集作業を終了すると、画像出力装置104に出力するために印刷を指示する。コンピュータ103は、アプリケーション301から印刷を指示する命令を受け取ると、文書データをプリンタドライバ302へ送信する。プリンタドライバ302は、文書データを画像処理装置200が受信可能な描画コマンドに変換した後、スプーリングを経て画像処理装置200へ送信する。
次に、画像処理装置200の動作について説明する。画像処理装置200において、コンピュータ103から受け取ったディスプレイ情報304は色変換手段203に与えられる。また、コンピュータ103から受け取った画像出力装置情報305は画像出力装置ガマット作成部206に与えられ、画像出力装置104の補正されたガマットの外郭を示す外郭データ(後述)である画像出力機器ガマット情報505が作成され、これも色変換手段203に与えられる。
一方、画像処理装置200において、コンピュータ103から描画コマンドを受け取ると、レンダリング処理部201でコマンド形式のデータをラスター形式の画像データ(R,G,B)に変換してバンドバッファ202へ格納する。色変換手段203は、バンドバッファ202から読み出した画像データ(R,G,B)に対してガマット圧縮を含む色変換処理を行い、画像出力装置104に適した色信号(C,M,Y,K)に変換し、さらに階調処理部204でディザ処理等を適用して画像出力装置104の処理可能な階調データに変換する。この階調データはページメモリ207にバッファリングされたのち、画像出力装置104の動作と同期をとって画像出力装置104へ送信されることにより、画像出力装置104で画像が印刷される。
[1−4]画像出力装置ガマット作成部の構成
図5に、画像出力装置ガマット作成部206の機能的構成をブロック図として示す。図示のように、画像出力装置ガマット作成部206は、外郭データ生成手段501、判定手段502、決定手段503、整形手段504からなる。
外郭データ生成手段501は、画像出力装置104のガマットの外郭を色座標上の3次元データとして表した外郭データを取得し保持するものであるが、本実施形態では画像出力装置情報305に基づいて外郭データを生成する処理を行うことによって外郭データを取得し保持する。ここで、”外郭”とは、ガマットと再現不可能な色域との境界である。この外郭データに対する補正を行って、補正されたガマットの外郭データを生成するための手段が判定手段502、決定手段503及び整形手段504である。
なお、画像出力装置104の外郭データが画像出力装置情報305として与えられる場合には、外郭データ生成手段501は、単に、その外郭データを取り込むことにより取得し保持するのみでよく、かかる態様も本実施形態に包含される。
外郭データ取得手段501により得られた外郭データに対し、判定手段502で、同色相かつ同明度の外郭点が複数あるか否かの判定を行い、複数の外郭点があると判定された場合には、決定手段503において、その複数の外郭点のうちで最も彩度の小さいものを有効な外郭点(最外郭点)として決定し、それ以外の外郭点を無効にする。このようにして無効にされた外郭点以外の外郭点は全て有効な外郭点(最外郭点)とされる。この段階での外郭(最外郭)を表す外郭データを補正された画像出力装置ガマット情報505として用いることも可能であり、かかる態様も本実施形態に包含される。本実施形態では、この最外郭に対し整形手段504により必要な整形を施し、この整形処理後の外郭データを最終的な画像出力装置ガマット情報505としてガマット圧縮処理部402へ送出する。
[1−5]色変換手段の構成
図5に、色変換手段203の機能的構成をブロック図として示す。図示のように、色変換手段203は、色座標変換部401、ガマット圧縮処理部402、デバイス信号変換部403及び墨生成部404から構成される。
色座標変換部401は、バンドバッファ202より入力されたカラー画像データ(R,G,B)を、ディスプレイ情報304に含まれるディスプレイの色温度、色度座標、光電変換特性情報に応じて、デバイス非依存の色空間(L*a*b*空間)に色変換する。ガマット圧縮処理部402は、色座標変換部401で変換後のL*a*b*データに対し、ディスプレイ情報304及び画像出力装置ガマット作成部206から受け取った補正された画像出力装置のガマット情報505を利用して必要なガマット圧縮を施す。デバイス信号変換部403では、ガマット圧縮処理部402によって圧縮写像されたL*a*b*値を、画像出力装置104用の制御信号(C,M,Y)に変換する。画像出力装置104がC,M,Y各色の色材のみを用いるものであるならば、デバイス信号変換部403による変換データ(C,M,Y)を階調処理部204へ出力することも可能である。本実施形態では、画像出力装置104がC,M,Y,K(ブラック)の色材を用いるものとし、CMYデータを墨生成部404に通して墨生成を行い、K信号を含むデータ(C’,M’,Y’,K’)に変換してから階調処理部204へ出力する。
なお、入力カラー画像データ(R,G,B)の各色成分の階調数は256階調(8bit)が一般的であるが、64階調、512階調等の階調数でも構わない。
[1−6]画像出力装置ガマット作成部の動作
画像出力装置ガマット作成部206の動作の概略を説明する。図6は説明用のフローチャートである。
まず、外郭データ生成部501で画像出力装置情報305(外郭算出用データ)に基づいて外郭データを生成する(S511)。なお、画像出力装置情報305として外郭データが与えられる場合には、外郭データ生成部501は、その外郭データを単に取り込み保持するのみでよい。いずれにしても、外郭データ生成部501は外郭データを取得する。
ここで、画像出力装置104の再現可能な色域(ガマット)と再現不可能な色域との境界を外郭と定義する。
これ以降の処理は判定手段502、決定手段503及び整形手段504に関わるものである。
色度と明度を設定し(S512,S513)、設定された色度及び明度での外殻を得る(S514)。ここで、外殻はポリゴン(多面体)で記述する。次に、色相かつ同明度上に複数の外殻があるか否かの判定を行い(S515)、複数の外殻が存在すれば、それら外殻のうちで最も彩度が低い外殻を有効な外殻すなわち最外殻とし、他の外殻を無効とする(S516)。外殻が1つのみならば当該外殻を最外殻とする(S517)。
設定された色度に関し、明度を変えてS514〜S517の処理を繰り返し、全明度について処理したならば(S518,Yes)、得られた最外郭に対し必要な整形処理を施す(S519)。
色度を変えて同様の処理を繰り返し、全色度について対しS513〜S519の処理が済んだならば(S520,Yes)、処理は終了する。
以下、画像出力装置ガマット作成部206の処理と、画像出力装置情報305について、より具体的に詳述する。
[1−6−1]画像出力装置情報305(外郭算出用データ)
図7は、画像出力装置情報305(外郭算出用データ)を得る方法について説明するためのフローチャートである。
まず、予め用意されたRGB空間上のサンプルデータ(R,G,B:0から255を各色16サンプル、計4096個のデータ)について、補色変換を行って(C,M,Y)の値を得(S601)。次に例えば下記式(1)に示す墨処理を行って(C’,M’,Y’,K’)信号を得る(S602)。
K’=α×min(C,M,Y)
C’=C−β×K
M’=M−β×K
Y’=Y−β×K … 式(1)。
次に、必要であれば総量規制を行い、総量規制後の制御信号(C”,M”,Y”,K”)を得る(S603)。この例では、実際の入出力関係(CMYK→L*a*b*)を測定し、このデータを使用して最小2乗法等により算出したC,M,Y,Kに対するL*a*b*の値の関係が予めプリンタモデルとして設定してあり、このプリンタモデルを使って外郭算出用データ(L*a*b*)を算出し(S604)、それを出力する(S605)。
画像出力装置情報305として、上記の外郭算出用データ(L*a*b*)が与えられる。ただし、画像出力装置情報305として、実際の入出力(CMYK→L*a*b*)の関係と総量規制後の制御信号(C”,M”,Y”,K”)を与え、これらを用いて外郭データ生成手段501で外郭算出用データ(L*a*b*)を計算するようにしてもよい。いずれにしても外郭算出用データを(L*a*b*)で得るものとする。
[1−6−2]ポリゴン外郭データの生成
図8は、外郭データ生成手段501において、上記外郭算出用データ(L*a*b*)からポリゴン外郭データを生成する処理を説明するためのフローチャートである。図9と図10は説明図である。
多面体モデルについて説明する。図8はサンプルデータ群によって多面体モデルを生成するアルゴリズムを示す。図9は生成された多面体モデルの一例を示す図であり、図10はその平面図である。
ここに示すアルゴリズムでは、外郭算出用データに対し、(L*a*b*)の各座標軸の最大点および最小点を結ぶ八面体を形成し、各三角形表面を三角推の底面とみなして三角錐の頂点を探索する、という処理を再帰的に行うことによってポリゴンを形成する。
図8を用いて詳細に説明すると、まず外郭算出用データに対し、(L*a*b*)の各座標軸の最大値及び最上値を求めて八面体を形成する(S901)。
次に1回目(i=1)の分割を行う。S901で作成した八面体の各面を三角推の底面とみなして外側にデータが存在するか否かの判定を行い(S904)、外側にデータが存在すれば、その最遠点を三角錐の頂点として三角錐を形成し(S905)、外側にデータが存在しなければ、底面より内側でかつ最近点を三角錐の頂点として三角錐を形成する(S906)。ここで、最遠点又は最近点の探索には、底面である三角形の重心点との距離を計算すれば良い。
すなわち、三角形の各頂点ベクトルを、
k1=(L*k1,a*k1,b*k1
k2=(L*k2,a*k2,b*k2
k3=(L*k3,a*k3,b*k3) … 式(2)
のようにとると、重心Pkp
kp=((L*k1+L*k2+L*k3)/3,(a*k1+a*k2+a*k3)/3,
(b*k1+b*k2+b*k3)/3)≡(L*kp,a*kp,b*kp) … 式(3)
で表すことができる。
任意の点P=(L*,a*,b*)との距離:Rは、
R=srqt{(L*kp−L*)^2+(a*kp−a*)^2+(b*kp−b*)^2}
… 式(4)
である。S905では式(4)で表される距離が最長の点を、S906では最短の点を選択すれば良い。
8個全ての面について最遠点、もしくは最近点を探索する処理を行い(S907)、全ての面について処理が終れば1回目の分割処理を終了する。
1回の分割処理は、S903からS908のステップであり、これを再帰的に行う。i番目の分割において、底面の数は8×(3^i)個となる。
S908では、分割の結果、ポリゴン形状が実際のガマットと比較して十分か否かの判定を行い、分割が十分であればポリゴンの外郭が形成され(S909)、不充分であればiをインクリメントして新たな分割を行う(S903)。分割数が多いほどガマットの外郭形状は実際の形状に近づく。
図9はL*座標の最大点WPおよび最小点BP、a*座標の最大点amaxおよび最小点amin、b*座標の最大点bmaxおよび最小点bmin、の6点により、八面体が形成される様子を示す図である。同図によれば、これら各点を接続することによって、三角形状の閉領域が8個形成され、すなわち八面体が形成されることが分かる。
また、図10は(L*,b*)平面上でみた分割回数と外郭面(図上では辺)の形成の変化の様子を示している。図10中の左側図は八面体(図中のWP−bmax−BP)が形成された様子を示す。図10中の中央図は1回目の分割後の形状の様子を示しており、ハイライトでは外側の点:Pが、シャドーでは内側の点:Pが加わっている。図10中の右側図は2回目の分割後の形状の様子を示し、ハイライトではさらに外側の点:Pが、シャドーでは内側の点:P,P,Pが加わっている。
このような分割を繰り返すことによって、最終的なポリゴンを形成し、各頂点:(P,P…,P:n=8×(3^i)+1(i:分割数))の座標
=(L,a,b):v=1,2…n
を得る。
[1−6−3]ポリゴン最外郭データの生成
図11は、判定手段502及び決定手段503により、ポリゴン外郭データ(補正前のガマットの外郭を示す)から、ポリゴン最外郭データ(整形処理前の補正されたガマットの外郭を示す)を生成する、より具体的な処理のフローチャートである。図12〜図15は、その説明のための図である。
ポリゴン最外郭について図15を用いて説明する。図15は、ある色相Cにおけるガマットを(L*,C)平面で観察した図である。任意の明度L*上を同色相上で探索し、外郭面との交点(外郭点)を得る。交点が複数の場合、彩度が最も小さい交点を最外郭点として選択し、他の交点は無効とする。つまり、図15の例では、交点1と交点2が見つかるが、彩度の小さい交点1が最外郭点(有効な外郭点)となり、交点2は無効とされる。1つの交点(外郭点)しかないときには、その交点が最外郭点(有効な外郭点)となる。このようにして全ての明度について交点を選択して行くと、ポリゴンの最外郭が得られる。図15では太線がガマット最外郭となる。
次に、図11を参照し、ポリゴン最外郭データを得る処理を説明する。まず、図8の処理で得られた全ての平面、すなわちポリゴン外郭データの全ての平面に対し、平面方程式を得る(S801,S802)。
次に、設定された色相、及び明度と交わる平面を検索し(S806)、交点を求める(S808)。交わる平面が複数ある場合は、全ての平面に対して交点を求め(S809)、そのなかから彩度が最も低い平面を選出し、その交点を最外郭とする(S810)。全ての明度、及び色相に対して最外郭を算出し(S811,S812)、処理を終了する。以下、各ステップについて詳細に説明する。
<平面方程式の算出>
図13は平面方程式を説明する図である。同図に示すように、式(2)で表される3つの頂点を表すベクトルPk1,Pk2,Pk3を含む平面を求めるには、それぞれの頂点ベクトルから求められる2つの辺ベクトルe,eの外積を求めれば、この外積が当該三角平面を含む平面方程式になることが知られている。すなわち、それぞれの頂点ベクトルを式(2)のようにとり、平面方程式を、
α・L*+β・a*+γ・b*+ξ=0 … 式(5)
とする。
ある一点から三角平面を見た場合に同一方向に向くように辺ベクトルを
=(L*−L*,a*−a*,b*−b*)≡(e1x,e1y,e1z
… 式(6)
=(L*−L*,a*−a*,b*−b*)≡(e2x,e2y,e2z
… 式(7)
のように求め、さらにこれらの外積を次式のように求める。
n=e×e=(e1y・e2z−e1z・e2y,e1z・e2x−e1x・e2z,e1x・e2y−e1y・e2x,)=(α,β,γ) … 式(8)
この結果nは、三角平面の法線ベクトルとなり、平面方程式の係数を表している。残りの定数項は任意の頂点を用いて、
ξ=−(α・L*+β・a*+γ・b*)
=−(α・L*k1+β・a*k1+γ・b*k1) … 式(9)
より求めることができる。
全ての平面に対しこの計算を行い、平面方程式を算出する。もしくは、
(α,β,γ,ξ)(1≦k≦S,S:平面の数)を得る。
<色相の設定>
図12は色相の設定を説明する図である。図12の例では色相は12分割されており、各色相にはi=1,2…N−1,N:分割数の番号が振られている。はじめはi=1に設定し、このときの色度ベクトルを単位ベクトルで(ea*,eb*)とする。
<明度の設定>
色相と同様に明度の設定を行う。本例では明度はM分割されており、各明度にはj=1,2…M−1,M:分割数の番号が振られている。はじめはj=1に設定し、このときの明度をL*とする。
<平面検索>
S802からS805にて設定した明度及び色相ベクトル(L*,ea*,eb*)の延長線と交わる平面の探索を行う。式(2)で表される任意の平面について、図14を参照し、下記式を満たすような面を探索する。
Min(L*k1,L*k2,L*k3)≦L*≦Max(L*k1,L*k2,L*k3
Min(θk1,θk2,θk3)≦θ≦Max(θk1,θk2,θk3
但し、θ=arc(tan(b*/a*)),x=k1,k2,k3
θ=arc(tan(eb*/ea*)) … 式(10)
である。
抽出された面をQ(t=1,2…T,T:抽出された面の数)とする。
また、この面の平面方程式はS801にて算出済みなので既知である。Qの平面方程式を、
α・L*+β・a*+γ・b*+ξ=0 … 式(11)
とおく。
<交点算出>
面Qtと設定した明度及び色相ベクトル(L*,ea*,eb*)の延長線上に存在する交点qtを算出する。まず、この色相方向において、
η=eb*/ea* … 式(12)
なので、ηiは既知である。
次に、式(12)と、明度:L*、及び式(11)を用いて交点を算出する。
交点をq=(L*,a*,b*)とおくと、
a*=−(γ・L*j+ξ)/(α+ηi・β
b*=η・a*
L*=L* … 式(13)
である。
<最外郭算出>
S806にて抽出された面が複数存在する時、すなわちT≠1の場合、各交点毎に、彩度:Sを算出する。
=sqrt(a*^2+b*^2) … 式(14)
彩度が最小だった面と設定した明度及び色相との交点を最外郭とする。
明度:L*、色相ベクトル:(ea*,eb*)の時の最外郭点の座標を
(L*,a*,b*)とする。
[1−6−4]最外郭データの整形
図16と図17は整形手段504による整形処理を説明するための図であり、いずれも明度・彩度座標でガマットを表している。
図16に示す例では、ガマット圧縮処理時において階調連続性を向上させるため、最外郭データに対し、明度と彩度の関係が線形的になるように滑らかな曲線で最外郭点を結ぶように整形する。なお、ガマット最外郭に対し可能な限り大きい領域を確保するため(すなわち元のガマットを最大限に利用するため)、曲線の一点が整形前のガマット最外郭と接するようにする。
また、図17に示す例では、ガマット圧縮処理時において入力画像と出力画像の見た目の印象を同一なものに近づけさせるため、最外郭データに対し、入力画像の持つガマット(ここではディスプレイのガマット)と整形後の出力画像装置のガマットの形状が相似的になるように滑らかな曲線で最外郭点を結ぶように整形する。この場合も、ガマット最外郭に対し可能な限り大きい領域を確保するため、曲線の一点が整形前のガマット最外郭と接するようにする。
[1−7]色変換手段の動作
図18は、色変換手段203の動作を説明するフローチャートである。まず、バンドバッファ202から画像データが読み出されて色座標変換部401に入力する(S700)。色座標変換部401において、ディスプレイ情報304に含まれるディスプレイの色温度、色度座標、光電変換特性情報に応じて、画像データを代表的な均等色空間であるCIELabに変換する(S701)。
次に、ガマット圧縮処理部402において、色座標変換部401により変換されたL*a*b*データに対し、まず画像出力装置ガマット作成部206で生成された最外郭データ(画像画像出力装置のガマット情報505)で示されるガマット内の色か判定し(S702)、ガマット内の色ならば何も処理を施さないが、ガマット外の色であれば、ディスプレイ情報304に含まれるディスプレイのガマット情報を参照して、該ガマット内へ圧縮するガマット圧縮処理を施す(S703)。
次に、デバイス信号変換部403によって、L*a*b*データは(C,M,Y)信号へ変換される(S704)。この色変換は、メモリマップ補間を使用して実行する。このメモリマップ補間では、図19に示すように、L*a*b*空間を入力色空間とした場合、L*a*b*空間を同種類の立体(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(L*a*b*)における出力値Pを求めるには、この入力座標が含まれる立方体を選択し、選択した立方体の8つの頂点に予め設定された出力値と、入力座標のそれが含まれる立方体の中における位置(各頂点からの距離)とに基づいて、線形補間により出力値Pを算出する。
ここで、出力値Pは(C,M,Y)値である。補間演算に使用される入力空間上の座標(L*a*b*)には、実際の入出力(L*a*b*→CMY)の関係を測定して、このデータを使用して最小2乗法等により算出した(L*a*b*)値に対応した(C,M,Y)値が予め設定してある。
次に、墨生成部404によって、CMY信号は例えば前記式(1)のような演算によってCMYK信号に変換される(S705)。
全てのデータについて変換が完了したかの判定を行い(S706)、変換が完了していないときにはS701へ戻る。
以上の説明から明らかなよう、本画像処理システムによれば、画像出力装置104が、シャドー部のガマット形状が複雑なカラー画像出力装置であっても、ガマットを最大限活しつつ、明度反転を防止し、かつ色再現性と階調連続性を保証することができる。
[1−8]変形例
なお、画像出力装置ガマット作成部206により予め生成した(同じガマット補正方法により予め生成した)補正されたガマットの外郭を示す外郭データをコンピュータ103側で保持しておき、これを色変換手段203へ与えるようにしてもよい。この場合、画像処理装置200は画像出力装置ガマット作成部206を備えている必要はない。かかる形態も本発明に包含される。
[1−9]処理の高速化
さて、以上の説明から理解されるように、画像出力装置のガマット情報505が生成されているならば、つまり画像出力装置104の補正されたガマットが決まっているならば、色変換手段203にバンドバッファ202から入力する信号(R,G,B)と、色変換手段203より出力される墨生成後の信号(C’,M’,Y’,K’)との関係は定まる。したがって、色変換手段203は、入力信号(R,G,B)から墨生成後の信号(C’,M’,Y’,K’)への変換のためのテーブルを予め用意することにより、メモリマップ補間によりガマット圧縮処理を含む変換を一括して実行する構成をとることができ、これによって変換の高速化を図ることができる。この場合、画像出力装置のガマット情報505を画像データの出力時に生成する処理を行う必要はないので、画像出力装置ガマット生成部206を省くことができる。
図20は、上記考えに基づいた色変換手段203の説明図であり、アドレス生成部410とC’M’Y’K’データ変換テーブル411を含む構成となる。
ガマット圧縮処理を含む変換はメモリマップ補間により一括して行われる。このメモリマップ補間では、図21に示すように、RGB空間を入力色空間として、RGB空間を同種類の立体(ここでは立方体)に分割し、各立体の頂点には、入出力(RGB→C’M’Y’K)の関係、すなわち図5におけるバンドバッファ203からの信号(RGB)と対応した墨生成後の信号(C’M’Y’K)の値が予め設定してある。入力の座標(RGB)における墨生成後の信号値Pを求める場合には、入力座標(RGB)が含まれる立方体を選択し、選択した立方体の8つの頂点に予め設定された(C’M’Y’K)値と、入力座標の該立方体の中における位置(各頂点からの距離)とにより線形補間を行うことになる。この際、アドレス生成部301は、入力色信号(R,G,B)を入力として、C’M’Y’K’データ変換テーブル410をアクセスするためのアドレスを生成する。C’M’Y’K’データ変換テーブル411は、アドレス生成部410から出力されたアドレスを用いて墨生成後の信号(C’M’Y’K’)を出力する。
[2]画像処理方法及びガマット補正方法
前記[1−1]〜[1−7]に説明した本発明に係る画像処理システムの処理内容は、本発明に係る画像処理方法及び画像出力装置ガマット補正方法の一実施形態でもあり、その手順は例えば図22のように示すことができる。
図22を参照すると、ステップS110において、印刷すべき画像信号(R,G,B)と、出力画像機装置情報305つまり前記[1−6−1]で説明した外郭算出用データを入力する。次のステップS111で、前記[1−6−2]で説明したポリゴン外郭データの生成を行う。次のステップS112で、前記[1−6−3]で説明したポリゴン最外郭データの生成を行う。次のステップS113で、前記[1−6−4]で説明した最外郭データの整形処理を行う。ただし、このステップS113を省くことも可能である。次のステップS114で前記[1−7]で説明したガマット圧縮処理を含む色変換処理を行い、その変換結果である信号(C’,M’,Y’,K’)をステップS115で出力する。
なお、前記[1−8]又は[1−9]で説明したような形態をとることもでき、この場合は、ステップ110では画像信号(R,G,B)のみを入力し、ステップ111〜113は省かれ、ステップ114で変換が実行される形となる。
また、ステップS111〜S113は、本発明に係る画像出力装置ガマット補正方法のための処理の手順に相当する。
[3]プログラム及び記憶媒体について
前記[1−2]において言及したように、画像処理装置200の全部又は一部の機能をコンピュータ103にソフトウェアとして、例えばプリンタドライバ302として実装することも可能である。また、コンピュータ103と別のパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータやマイクロコンピュータ等を利用し、ソフトウェアにより画像処理装置200を実現することも可能である。
また、図5に示す画像出力装置ガマット作成部206を、コンピュータを利用しソフトウェアにより実現することも可能である。そのためのプログラム、すなわち各手段501,502,503,504としてコンピュータを機能させるプログラムも本発明に包含される。また、そのようなプログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶デバイス等、コンピュータが読み取り可能な各種の記録(記憶)媒体も本発明に包含される。このような記録媒体よりプログラムを読み込み、コンピュータのハードディスク等にインストールし、コンピュータで実行することにより、上に述べた機能をコンピュータ上に実現できる。
また、前記[2]において説明した画像処理方法又はガマット補正方法の手順を、コンピュータを利用しソフトウェアにより実施することも可能である。そのためのプログラムと、それが記録されたコンピュータが読み取り可能な各種の記録(記憶)媒体も本発明に包含される。
なお、上に述べたようなプログラムを具体化すること自体は、本発明の属する技術分野の当業者にとって容易であるので、これ以上の説明は省略する。また、かかるプログラムを走らせるコンピュータは、CPUやメモリ等からなる一般的な構成のもので構わないので、その説明は省略する。
ガマット圧縮の説明図である ガマットの”えぐれ”を示す図である。 本発明に係る画像処理システムのブロック図である。 画像処理システムにおけるコンピュータと画像処理装置の処理機能を説明するためのブロック図である。 画像出力装置ガマット作成部及び色変換手段の機能的構成を示すブロック図である。 画像出力装置ガマット作成部の動作説明用のフローチャートである。 外郭算出用データの生成を説明するためのフローチャートである。 外郭算出用データからポリゴン外郭データを生成する処理のフローチャートである。 八面体モデルの説明図である。 分割回数と外郭面の形状の変化を示す図である。 補正前のポリゴン外郭データから有効な外郭点(最外郭点)のみからなるポリゴン最外郭データを生成する処理のフローチャートである。 色相の分割を示す図である。 平面方程式の説明図である。 平面の探索条件の説明図である。 複数の外郭点から1の有効な外郭点(最外郭点)を選ぶ例を示す図である。 整形処理の説明図である。 整形処理の説明図である。 色変換手段の動作を説明するためのフローチャートである。 ガマット圧縮後のL*a*b*信号からCMY信号への変換のためのメモリマップ補間の説明図である。 メモリマップ補間によりガマット圧縮を含む変換を一括して実行する色変換手段の構成を説明するためのブロック図である。 入力信号(RGB)から墨生成後の信号(C’M’Y’K’)への変換のためのメモリマップ補間の説明図である。 画像出力装置のガマット補正方法の手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
100 ディスプレイ
101 デジタルカメラ
102 スキャナ
103 コンピュータ
104 画像出力装置
200 画像処理装置
202 バンドバッファ
203 色変換手段
204 階調処理部
205 画像出力装置ガマット作成部
304 ディスプレイ情報
305 画像出力装置情報(外郭算出用データ)
401 色座標変換部
402 ガマット圧縮処理部
403 デバイス信号変換部
404 墨生成部
501 外郭データ生成手段
502 判定手段
503 決定手段
504 整形手段
505 補正後の画像出力装置ガマット情報(ポリゴン最外郭データ)

Claims (13)

  1. 画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する画像出力装置外郭データ生成手段と、
    入力カラー画像信号に対し、前記画像出力装置外郭データ生成手段生成された外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮する処理を施すガマット圧縮処理手段と、
    を備え、
    前記画像出力装置外郭データ生成手段は、
    前記画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の手段と、
    外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施第2の手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する画像出力装置外郭データ生成手段と、
    入力カラー画像信号に対し、前記画像出力装置外郭データ生成手段生成された外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮する処理を施すガマット圧縮処理手段と、
    を備え、
    前記画像出力装置外郭データ生成手段は、
    前記画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の手段と、
    外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施す第2の手段と、
    前記第2の手段により処理後の外郭データに対し、外郭を滑らかな形状に整える整形処理を施す第3の手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記第3の手段は前記整形処理において、外郭の形状を、明度と彩度の関係が線形的になるように整えることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記整形処理後の外郭の少なくとも一点が前記整形処理前の外郭に接することを特徴とする請求項2又は3記載の画像処理装置。
  5. 画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の工程と、
    外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施すことにより、前記画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する第2の工程と、
    を有すことを特徴とするガマット補正方法。
  6. 画像出力装置のガマットの外郭を示す外郭データを取得する第1の工程と、
    外郭データに同色相かつ同明度の複数の外郭点がある場合に、その複数の外郭点の中の最も彩度の小さい外郭点以外の外郭点を無効とする処理を施す第2の工程と、
    前記第2の工程により処理後の外郭データに対し、外郭を滑らかな形状に整える整形処理を施すことにより、前記画像出力装置の補正されたガマットの外郭を示す外郭データを生成する第3の工程と、
    を有することを特徴とするガマット補正方法。
  7. 前記整形処理において、外郭の形状を、明度と彩度の関係が線形的になるように整えることを特徴とする請求項6記載ガマット補正方法。
  8. 前記整形処理後の外郭の少なくとも一点が前記整形処理前の外郭に接することを特徴と
    する請求項6又は7記載ガマット補正方法。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項記載のガマット補正方法により前記画像出力装置の補正されたガマットの外殻を示す外殻データを生成する工程と、
    入力カラー画像信号に対し、前記外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮する処理を施すガマット圧縮処理工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項5乃至9のいずれか1項記載の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。
  11. 請求項5乃至9のいずれか1項記載の各工程をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
  12. 入力カラー画像信号を画像出力装置に適した色信号に変換する色変換手段を有し、
    前記色変換手段は、請求項5乃至8のいずれか1項記載ガマット補正方法により補正されたガマットの外郭を示す外郭データを利用して、前記入力カラー画像信号に対し該外郭データにより示されるガマットの外にある色を該ガマット内へ圧縮するガマット圧縮処理を施すガマット圧縮処理手段を含むことを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記色変換手段は、メモリマップ補間により前記ガマット圧縮処理を含む前記変換を一括して実行する構成であることを特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
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