JP4617875B2 - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、上記のスクリーン印刷を用いる方法では、基板の内面にスクリーンが触れて不具合を生じるといった問題があり、このような問題を回避するために、ディスペンサを用いてノズルからシール材を吐出させて基板上に所要パターンの描画を行う方法も知られている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な制御系で効率的に描画を行うことのできるシール材描画方法及びシール材描画装置を提供することを目的とする。更に、高粘度のシール材を用いた場合であっても、均一なセルギャップを実現し、高品位の液晶装置を低コストで製造できる液晶装置の製造方法、及び液晶装置の製造装置を提供することを目的とする。
また、前記第1パターン形成工程及び前記第2パターン形成工程において、前記シール材は、前記各パネル形成領域が互いに隣合う辺であって前記第1辺及び第2辺と交差する第3辺に沿って、前記複数のパネル形成領域の配列方向と交差する方向にそれぞれ塗布されてもよい。
ここで、第1パターン形成工程及び第2パターン形成工程は、複数のパネル形成領域が配列する方向に向けて行うことが好ましい。
また、パネル形成領域とは、その一部が第1パターンによって形成され、その残部が第2パターンによって形成されるものである。
また、「第1パターンを連続して一括に形成し、」又は、「第2パターンを連続して一括に形成し、」とは、描画開始位置から描画終了位置まで、塗布手段のノズルからシール材が途絶えることなく連続吐出されながら、複数のパネル形成領域と塗布手段とが相対的に移動することによって、第1パターン又は第2パターンが形成されるものである。
一方、複数のパネル形成領域の各々にシール材を形成する場合では、各領域に対してシール材の描画開始と描画終了を行わなければならず、従って、複数のパネル形成領域に対して描画開始と描画終了を繰り返さなければならない。これにより、シール材料の吐出、非吐出が連続して生じるので、塗布手段内においてシール材料を安定して流動させることが困難となり、吐出するシール材料の量のばらつきが生じやすくなる。また、塗布手段を第1母材上又は第2母材上を走査しなければならず、塗布手段の動作が煩雑化してしまう。
更に、パネル形成領域と、当該パネル形成領域に対向する対向基板との間に、このような描画溜りが生じていると、パネル形成領域と対向基板とを貼り合わせた際に、所定のセルギャップが得られないという問題がある。そして、特にシール材が高粘度である場合には、低粘度の場合と比較して、セルギャップのばらつきが顕著に現れる。
これに対して、本発明によれば、第1パターン形成工程で描画する方向とは反対方向に第2パターン形成工程を行うので、同一方向に描画開始した際に生じる玉状の描画溜りを分散し、所要のセルギャップを得ることができる。
このようにすれば、シール材の吐出に先立って複数のパネル形成領域の座標値を算出し、当該座標値に基づいて複数のパネル形成領域にシール材を吐出することができる。これにより、第1パターンと第2パターンを描画形成することができる。また、複数のパネル形成領域の全座標値を一括して算出し、当該全座標値に基づいてシール材を一括して吐出する場合では、吐出中に座標値の計算を行う必要がない。
ここで、第1パネル形成領域とは、複数のパネル形成領域のうち、先に形成される領域を意味している。また、第1座標値とは、第1パネル形成領域が形成される前に算出される座標データを意味している。
このようにすれば、第1パネル形成領域にシール材が吐出される前に第1座標値を算出することができる。また、当該第1座標値に基づいて、第1パネル形成領域にシール材を吐出し、第1パターンや第2パターンを描画形成することができる。
ここで、第1パネル形成領域及び第2形成領域とは、複数のパネル形成領域のうちの特定の領域を意味するものではなく、形成工程において第1パネル形成領域の直後に形成される領域を、第1パネル形成領域として定義されるものである。換言すれば、複数のパネル形成領域における任意の2つのパネル形成領域において、相対的に先に形成される領域を第1パネル形成領域、相対的に後に形成される領域を第2パネル形成領域と定義されるものである。また、第2座標値とは、第2パネル形成領域が形成される前に算出される座標データを意味している。
従来のように複数のパネル形成領域の各々にシール材を形成する場合では、各領域に対してシール材の描画開始と描画終了を行わなければならいが、本発明では複数のパネル形成領域に対して連続して一括にシール材を描画形成することができるので、生産性の向上により、低コストの液晶装置を製造することができる。更に、セルギャップ不良が抑制された、高品位な表示を実現した液晶装置を製造することができる。
図1は、本発明に係る実施形態のシール材描画装置(液晶装置の製造装置)を模式的に示す概略平面図である。図2は、同装置の高さ方向の各部の配列構成を模式的に示す概略説明図である。
このシール材描画装置100は、支持フレーム101にXY駆動機構(移動手段)102が固定され、このXY駆動機構102上にXY移動ステージ(移動手段)103が水平方向(即ちX方向及びY方向)に移動自在に構成されている。XY移動ステージ103上にはθ駆動機構(移動手段)104が固定され、このθ駆動機構104により垂直軸周りに回動可能(θ動作可能)に構成された支持テーブル105が設けられている。上記XY駆動機構102、XY移動ステージ103及びθ駆動機構104は、支持テーブル105の移動機構を構成するものである。
この制御系120には、全体を制御するための全体制御部(制御手段)121と、この全体制御部121から受ける指令に応じて、基板10を移動させるための移動機構(上記のXY駆動機構102、XY移動テーブル103、θ駆動機構104で構成される。)を制御する移動制御部122とを有する。
図1の矢印Fに示すように支持テーブル105上に基板10が給材されると、基板10は支持テーブル105上で規制部材やプッシャなどの適宜の位置決め手段を用いて概略位置決めされ、真空吸着などで固定される。その後、基板10が移動し、リニアゲージセンサ116により基板10の厚さが検出される。更に、基板10が移動し、カメラ117,118によって基板10上に形成された位置決めパターンによりアライメントが行われる。このとき、例えば、カメラ117,118によって撮影された画像を処理することによって基板10が所定の姿勢になるように移動機構(例えばθ駆動機構114)により支持テーブル105を調整する。
次に、図5から図8を参照して、シール材描画方法について説明する。
ここで、図5は全体制御部の動作を説明するための動作フロー図である。図6〜図8は、図5の動作フロー図において全体制御部に入力されるデータ示す図である。図9は、図5の動作フロー図に基づいて形成されるシール材のパターンを示す図であり、図9(a)は第1パターンを示す図であり、図9(b)は第2パターンを示す図である。
ここで、図6〜図8に示す各変数について説明する。
また、図7において、変数mは、第1パターンと第2パターンとの接続部P4と、各セルの基準点P3までのY方向の距離である。また、変数nは第1パターンの初期吐出領域P5〜P6までのX方向の距離、変数oは第1パターンの初期吐出点P5からC面取り部P7までのX方向の距離である。また、変数qは、接続部P4と、第1パターンにおける各セルのY方向の辺と、のC面取り寸法である。また、変数rは、第1パターンの終息領域P8〜P9までのX方向の距離である。
また、図8において、変数sは、第2パターンの終息領域P8〜P9までのX方向の距離である。変数tは、接続部P4と、第2パターンにおける各セルのY方向の辺と、のC面取り寸法である。変数uは、接続部P4と、各セルの基準点までのY方向の距離である。また、変数vは、第2パターンの初期吐出領域P11〜P12までのX方向の距離、変数wは第2パターンの初期吐出点P12からC面取り部P10までのX方向の距離である。
なお、図6〜図8に示す各データは、必ずしも入力されたデータとは限らない。例えば、予め全体制御部121の記憶回路や、外部記憶装置に記憶されたデータであってもよい。
まず、最初にステップS1において入力されたデータに基づいて、第1パターンによって形成される第1セルCL1の座標値(第1座標値)が計算される(ステップS4)。従って、第1セルCL1の描画に先立って、その座標値が計算される。
なお、第1セルCL1の座標値が計算されている際には、描画動作は一切行われていない。
当該ステップS5においては、先のステップS4において算出された座標値に基づいて第1セルCL1が描画される。従って、図9(a)の符号PT1−1に示すように、第1セルCL1の一部が形成される。更に、このような第1セルCL1の描画が行われていると同時に、全体制御部121においては、第1パターンPT1によって形成される第2セルCL2の座標値が計算される(ステップS6)。当該ステップS6においては、先のステップS1において入力されたデータと、ステップS4において計算された座標値に基づいて第2セルCL2の座標値が計算される。
当該ステップS7においては、先のステップS6において算出された座標値に基づいて第2セルCL2が描画される。従って、図9(a)の符号PT1−2に示すように、第2セルCL2の一部が形成される。更に、このような第2セルCL2の描画が行われていると同時に、制御部121においては、第1パターンPT1によって形成される第3セルCL3の座標値が計算される(ステップS8)。当該ステップS8においては、先のステップS1において入力されたデータと、ステップS4及びステップS6において計算された座標値に基づいて第3セルCL3の座標値が計算される。
当該ステップS9においては、先のステップS8において算出された座標値に基づいて第3セルCL3が描画される。従って、図9(a)の符号PT1−3に示すように、第3セルCL3の一部が形成される。更に、このような第3セルCL3の描画が行われていると同時に、全体制御部121においては、第1パターンPT1によって形成される第4セルCL4の座標値が計算される(ステップS10)。当該ステップS10においては、先のステップS1において入力されたデータと、ステップS4、ステップS6、及びステップS8において計算された座標値に基づいて第4セルCL4の座標値が計算される。
当該ステップS11においては、先のステップS10において算出された座標値に基づいて第4セルCL4が描画される。従って、図9(a)の符号PT1−4に示すように、第4セルCL4の一部が形成される。
以上により、第1パターンPT1の描画が終了となる。
また、第2セルCL2は第3セルCL3の直前に形成されることから、第2セルCL2は本発明の第1パネル形成領域を意味し、第3セルCL3は本発明の第2パネル形成領域を意味する。ここで、第3セルCL3の座標値は、本発明における第2座標値を意味する。
また、第3セルCL3は第4セルCL4の直前に形成されることから、第3セルCL3は本発明の第1パネル形成領域を意味し、第4セルCL4は本発明の第2パネル形成領域を意味する。ここで、第4セルCL4の座標値は、本発明における第2座標値を意味する。
具体的には、ステップS1において入力されたデータに基づいて、第2パターンPT2によって形成される第4セルCL4の座標値(第1座標値)が計算される(ステップS14)。
なお、第4セルCL4の座標値が計算されている際には、描画動作は一切行われていない。
当該ステップS15においては、先のステップS14において算出された座標値に基づいて第4セルCL4が描画される。従って、図9(b)の符号PT2−4に示すように、第4セルCL4の残部が形成される。更に、このような第4セルCL4の描画が行われていると同時に、全体制御部121においては、第2パターンPT2によって形成される第3セルCL3の座標値が計算される(ステップS16)。当該ステップS16においては、先のステップS1において入力されたデータと、ステップS14において計算された座標値に基づいて第3セルCL3の座標値が計算される。
当該ステップS17においては、先のステップS16において算出された座標値に基づいて第3セルCL3が描画される。従って、図9(b)の符号PT2−3に示すように、第3セルCL3の残部が形成される。更に、このような第3セルCL3の描画が行われていると同時に、全体制御部121においては、第2パターンPT2によって形成される第2セルCL2の座標値が計算される(ステップS18)。当該ステップS18においては、先のステップS1において入力されたデータと、ステップS14及びステップS16において計算された座標値に基づいて第2セルCL2の座標値が計算される。
当該ステップS19においては、先のステップS18において算出された座標値に基づいて第2セルCL2が描画される。従って、図9(b)の符号PT2−2に示すように、第2セルCL2の残部が形成される。更に、このような第2セルCL2の描画が行われていると同時に、全体制御部121においては、第2パターンPT2によって形成される第1セルCL1の座標値が計算される(ステップS20)。当該ステップS20においては、先のステップS1において入力されたデータと、ステップS14、ステップS16、及びステップS18において計算された座標値に基づいて第1セルCL1の座標値が計算される。
当該ステップS21においては、先のステップS20において算出された座標値に基づいて第1セルCL1が描画される。従って、図9(b)の符号PT2−1に示すように、第1セルCL1の残部が形成される。
以上により、第2パターンPT2の描画が終了となる。
また、第3セルCL3は第2セルCL2の直前に形成されることから、第3セルCL3は本発明の第1パネル形成領域を意味し、第2セルCL2は本発明の第2パネル形成領域を意味する。ここで、第2セルCL2の座標値は、本発明における第2座標値を意味する。
また、第2セルCL2は第1セルCL1の直前に形成されることから、第2セルCL2は本発明の第1パネル形成領域を意味し、第1セルCL1は本発明の第2パネル形成領域を意味する。ここで、第1セルCL1の座標値は、本発明における第2座標値を意味する。
なお、上記の実施形態においては、1個のディスペンサを利用して、第1パターンPT1と第2パターンPT2を形成した。複数のディスペンサを利用した場合には、図9に示すような、複数セル列を同時に形成することが可能となる。図10は、9列のセル列を示している。上記のシール材描画装置100は、ディスペンサを3個備えていることから、改行を3回行うことにより、図9に示すセル列を容易に形成することが可能となる。
また、本実施形態においては、各セルの描画を行いながら、次に描画するセルの座標値を計算するので、また、複数のセルの全座標を算出して当該全座標に基づいてシール材を吐出する場合と比較して、多点のティーチングデータを不要にすることができる。
上記実施形態のシール材描画方法は、液晶装置の製造方法の一工程として用いることができる。即ち、基板10の内面上にITOなどの透明導電体で構成される電極及び配線を有する導電体パターンの形成、この導電体パターンの表面を覆う配向膜の形成などを行い、また、対向基板(第2基板母材)の内面にも同様の導電体パターン及び配向膜を形成する。そして、基板10に対して上述のシール材の描画(シール材描画工程)を行った後に、図1に示す接着剤塗布ユニット111により仮止め用の接着剤を基板10の所定位置(例えば基板外縁部の数箇所)に塗布する。また、液晶塗布ユニット112により液晶をパネル予定領域(パネル形成領域)11内に(即ち描画したシール材の内側に)滴下させる(液晶充填工程)。
Claims (5)
- 複数のパネル形成領域を備え、前記各パネル形成領域の配列方向に沿って前記各パネル形成領域の第1辺と該第1辺と対向する第2辺とが配置された基板上に、塗布手段のノズルからシール材を吐出することにより、当該複数のパネル形成領域にそれぞれ液晶をシールするパターンを描画する液晶装置の製造方法であって、
前記複数のパネル形成領域に、第1パターンを連続して形成し、前記パターンの各々の一部を形成する第1パターン形成工程と、
前記複数のパネル形成領域に、第2パターンを連続して形成し、前記パターンの各々の残部を形成する第2パターン形成工程と、
前記第1及び第2パターンにより囲まれる前記シール材の内側に前記液晶を滴下する工程とを含み、
前記第1パターン形成工程において、前記シール材は、前記各パネル形成領域の第1辺に沿ってそれぞれ一方向に連続して塗布され、
前記第2パターン形成工程において、前記シール材は、前記各パネル形成領域の第2辺に沿ってそれぞれ前記一方向とは反対方向に連続して塗布されること
を特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記第1パターン形成工程及び前記第2パターン形成工程において、
前記シール材は、前記各パネル形成領域が互いに隣合う辺であって前記第1辺及び第2辺と交差する第3辺に沿って、前記複数のパネル形成領域の配列方向と交差する方向にそれぞれ塗布されること
を特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。 - 前記第1パターン形成工程及び前記第2パターン形成工程においては、
前記複数のパネル形成領域へのシール材の吐出に先立って、当該シール材が吐出される座標値を算出し、
当該座標値に基づいて、前記シール材を前記複数のパネル形成領域に吐出すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置の製造方法。 - 前記第1パターン形成工程及び前記第2パターン形成工程においては、
前記複数のパネル形成領域のうち、第1パネル形成領域に前記シール材を吐出するのに先立って、当該第1パネル形成領域に前記シール材が塗布される第1座標値を算出し、
当該第1座標値に基づいて、前記シール材を前記第1パネル形成領域に吐出すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置の製造方法。 - 前記第1パターン形成工程及び前記第2パターン形成工程においては、
前記複数のパネル形成領域のうち、第1パネル形成領域に前記シール材を吐出しながら、
第2パネル形成領域に前記シール材が塗布される第2座標値を算出し、
第1パネル形成領域に前記シール材を吐出した後に、前記第2座標値に基づいて、前記シール材を前記第2パネル形成領域に吐出すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
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