JP4617612B2 - ワイパー制御装置、ワイパー制御プログラム、及びそれを記憶したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体用、特に自動車用のワイパー制御に関し、具体的には、自動車の運転状態によりその作動が制御される自動車用ワイパー装置、及びその制御プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
降雨時に自動車の運転者の視界を確保するためにウインドシールドを払拭するワイパー装置は、良く知られている。また、特開平2−136357の様に、車速の増加につれてワイパーブレードによる払拭範囲を狭めるものも公知である。
【0003】
上記先行技術に記載のワイパー装置は、風圧によるワイパーブレードのオーバーランを、或いは不必要な領域を払拭するのを防止するために往復範囲を短縮して、ワイパーブレードの寿命を延長する、というものである。その目的はあくまでワイパーブレードの長寿命化であって、視認性向上を直接的に意図したものではないが、往復範囲を狭めることによりワイパーブレードが1往復するのに要する時間が短くなるため、払拭効率が高まり、可及的に視認性の向上にも寄与出来るという効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術に記載の様に、車速のみをパラメーターとし、所定車速を超えた際にワイパーの往復範囲を狭めるという制御を行うだけでは、視認性を充分に確保できない場合が生じる恐れがある。具体的には、ワイパー装置は、視認性を向上するのに他の関連するウォッシャ噴射装置などの他の装置とも協働しているのが通常であるため、視認性をより向上するには、上記の制御以外にウォッシャ液の噴射方向なども含めたワイパーの制御が必要となる。また、ウォッシャ液の制御以外に、車両の走行環境によっては払拭効率よりも払拭範囲の広さ、すなわち視界の広さが優先される必要が生じることも考えられる。或いは、自動運転時など、乗員の運転に対する負担が軽減されている時には、積極的に乗員に前方への注意を促す、といった対策も必要となる。本発明はその点に鑑みてなされたもので、ワイパーブレードの往復範囲を変更可能なワイパー装置を適切に制御して、視認性の面での予防安全性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の構成は、ウインドシールド及び該ウインドシールド上でワイパーブレードに所定範囲内を往復動させるワイパー機構を備えた自動車における、上記ワイパー機構を制御する装置であって、上記自動車の運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段の検出結果に基づいて、上記所定範囲を、少なくとも第1の往復範囲、該第1の往復範囲より小さい第2の往復範囲、及び該第2の往復範囲より大きくかつ上記第1の往復範囲を超えない大きさの第3の往復範囲に設定可能な往復範囲設定手段と、上記自動車が走行中の道路に関する情報を検出する道路情報検出手段とを有し、上記往復範囲が第2の往復範囲であるときに、上記往復範囲設定手段が、上記道路情報検出手段により検出された道路情報に基づいて上記第3の往復範囲を設定可能である、ワイパー制御装置である。この様な構成により、ワイパーブレードの往復範囲を縮小することにより払拭効率が向上されるとともに、車両が走行している道路の状況に対応して視界を拡大することで視認性を確保することが出来る。
【0006】
本発明第2の構成は、上記道路情報が、上記自動車の進行方向前方の道路形状、上記自動車が走行している道路周囲の環境、又は上記自動車が走行している道路に関する交通情報のうち少なくとも1つである。この様な構成により、車両が走行している道路環境に応じて適切に往復範囲を広げ、適切に視界が確保される。
【0007】
本発明第3の構成は、ウォッシャ液を上記ウインドシールド上における上記ワイパーブレードの往復範囲内に噴射可能なウォッシャ噴射手段と、上記往復範囲設定手段により設定された往復範囲に基づいて、上記ウォッシャ噴射手段によるウォッシャ液の噴射方向を変更可能なウォッシャ噴射方向変更手段とを有する、請求項1又は2に記載のワイパー制御装置である。これにより、車両が走行している道路環境に応じて適切に、かつウォッシャ液を含めた、視認性の面で効果的なワイパー装置の制御を行うことが出来る。
【0008】
本発明第4の構成は、上記自動車の運転状態が、上記自動車の車速と上記自動車の進行方向の少なくとも一方が上記自動車の運転者の操作によらず制御され得る自動運転状態である、請求項3に記載のワイパー制御装置である。この様な構成により、自動運転状態及び車両が走行している道路環境に応じて適切に、かつウォッシャ液を含めた、視認性の面で効果的なワイパー装置の制御を行うことが出来る。
【0009】
本発明第5の構成は、ウインドシールド及び該ウインドシールド上でワイパーブレードが所定範囲内を往復動する様にワイパーを駆動するワイパー駆動手段と、上記自動車の運転状態を検出する運転状態検出手段と、上記所定範囲を、少なくとも第1の往復範囲と、該第1の往復範囲より小さい第2の往復範囲と、該第2の往復範囲より大きくかつ上記第1の往復範囲を超えない大きさの第3の往復範囲の間で変更可能な往復範囲変更手段と、上記自動車が走行中の道路に関する情報を検出する道路情報検出手段と、上記ワイパー駆動手段、上記運転状態検出手段、上記往復範囲変更手段、及び上記道路情報検出手段に電気的に接続され、上記ワイパー駆動手段と上記往復範囲変更手段を制御する制御器としてのコンピュータと、を備えた自動車において、上記コンピュータに、第1の往復範囲を設定させるステップと、上記運転状態検出手段を介して運転状態を検出させるステップと、検出された上記運転状態に基づいて上記往復範囲を上記第1の往復範囲から上記第2の往復範囲に再設定させるステップと、上記道路情報を検出させるステップと、検出された上記道路情報に基づいて上記往復範囲を上記第2の往復範囲から上記第3の往復範囲に再設定させるステップと、往復範囲を上記設定された第3の往復範囲に設定するよう信号を上記往復範囲変更手段に出力させるステップと、設定された上記第3の往復範囲でワイパーが駆動するよう信号を上記ワイパー駆動手段に出力させるステップと、を実行させるためのプログラムである。この様な構成により、ワイパーブレードの往復範囲を縮小することにより払拭効率が向上されるとともに、車両が走行している道路の状況に対応して視界を拡大することで視認性を確保することが出来るワイパー制御を行うためのコンピュータ・プログラムを提供出来る。
【0010】
本発明第6の構成は、請求項5に記載の構成としてのプログラムを、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録したものである。これにより上記の、好適なワイパー制御を行うためのプログラムを、記録媒体を介して提供出来る。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、ワイパーブレードの往復範囲を変更可能なワイパー装置を適切に制御して、視認性の面での予防安全性を高めることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
(基本構成)
本発明のワイパー装置は、以下に説明する本発明の第1実施形態乃至第3実施形態に共通の基本構成として、図1に示す様に、ワイパー制御器(以下、制御器と称する)3と、そのインターフェイス33に電気的に接続されたワイパー駆動装置1、往復範囲変更手段2、フロントワイパースイッチ4、及び車速センサー5を有する。また、インターフェイス33は、CPU 31との間で信号を送受信する様に構成され、またCPU 31は制御プログラムを記憶したメモリー32に接続されている。それで、運転者がフロントワイパースイッチ4を操作すると、制御器3は、インターフェイス33を介してその信号を受信し、CPU 31がメモリー32に記憶されたプログラムに基づいてその信号を処理し、そしてインターフェイス33を介してワイパー駆動装置1を駆動させるべく信号を出力する。ワイパー駆動装置1は、一対のワイパーアームをワイパーモーター及びリンク機構を用いて同期させながら所定の角度往復回動させ、それを介して上記ワイパーアームに支持されたワイパーブレード(不図示)にウインドシールド上で所定の往復範囲を往復運動させる。それにより、ウインドシールドが払拭される。また、CPU 31は車速としての車速センサー5からの信号を、インターフェイス33を介してモニターしており、メモリー32に記憶されたプログラムに基づいて、すなわち車速が所定値以上になった時に、インターフェイス33を介して往復範囲変更手段2にワイパーブレードの往復範囲を縮小するよう信号を出力する。往復範囲変更手段2は、その信号を受信すると、モーター及びリンク機構を用いてワイパーアームの回動範囲を変更することによりワイパーブレードの往復範囲を縮小する。ワイパー駆動装置1と往復範囲変更手段2は、一例として特開平2−136357に開示された構造を用いることが出来、ワイパーブレードの上側反転位置を変更して往復範囲を縮小する。或いは、下側反転位置を変更する様に、又は上側反転位置と下側反転位置を同時に変更する様に構成しても良い。更に、メモリー32に記憶されたプログラムは、上記の様なフロントワイパースイッチ4に応じたワイパーの駆動と車速に応じた往復範囲の変更に加え、以下に説明する第1乃至第3実施形態における制御を行うよう、CPU 31に演算処理を行わせるものである。
【0013】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を、図2乃至4を参照しながら説明する。第1実施形態は、右ハンドル車のウインドシールドを車外から見た模式図である図2に示す様に、ワイパーブレードの往復範囲が、SA1からSB1に縮小された際に、それに応じてウォッシャ液の噴射方向をWAからWBに変更し、乗員の視認性を向上するものである。
【0014】
図3は、本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態は、上記の基本構成に加え、インターフェイス33に電気的に接続されるとともに運転者により操作されるウォッシャスイッチ6を有し、その信号がインターフェイス33に入力される。また、ウォッシャ液をウインドシールドにおけるワイパーブレードの往復軌跡領域内に噴射するウォッシャ噴射手段7、及びウォッシャ液の噴射方向を変更するウォッシャ噴射方向変更手段8を有し、それらがインターフェイス33に接続されていて、制御器3のメモリー32に記憶されたプログラムに基づいて制御される様に構成されている。ワイパーブレードは図示を省略してある。
【0015】
ウォッシャ噴射手段7及びウォッシャ噴射方向変更手段8は、一例として、一対のワイパーブレードに対応して一般的な態様で設けられたウォッシャノズル、すなわち第1の往復範囲用のノズルに加えて、噴射方向の異なる第2の往復範囲用のノズルを新たに設け、共通のウォッシャタンクからそれぞれのノズルにウォッシャ液を供給する様に供給管を分岐させ、上記2種のノズルに選択的にウォッシャ液を供給する切替バルブを上記分岐部に配置した構成とすることが出来る。
【0016】
図4を参照しながら、本実施形態における制御フローを説明する。このフローは、制御器3のメモリー32に記憶されたプログラムであり、車両のIGスイッチがオンのとき、所定時間毎に実行される。
【0017】
ブロック110にてスタートした後、判断ブロック120においてフロントワイパースイッチがオンになっているか否かが判断される。判断結果がNoであればこのフローは終了する。Yesであれば判断ブロック130に進み、車速センサー5により検出された車速が閾値である80 km/h以上であるか否かが判断される。この閾値は、車両の形状(例えばウインドシールドの大きさ、形状、或いは傾斜)に応じて、車両ごとに適宜決定される。
【0018】
ブロック130においてYesと判断されれば、処理ブロック140に進み、ワイパーブレードの往復範囲を縮小して駆動させる様に信号が出力される。すなわち、最大の範囲である第1の往復範囲SA1から所定量縮小された第2の往復範囲SB1をワイパーブレードが往復動する様に、往復範囲変更手段2に信号を出力するとともに、第2の往復範囲SB1をワイパーブレードが往復動する様に、ワイパー駆動装置1に信号を出力する。この時、ワイパーブレードの移動速度はそのまま維持されるが、往復範囲が小さくなることからワイパーブレードが1往復する時間はその分短くなり、より短い周期で払拭が行われ、大きくなった車速に対応して可及的に視認性が向上されることになる。
【0019】
続いて判断ブロック150に進み、ウォッシャスイッチ6がオンになっているか否かが、判断される。Yesと判断されれば処理ブロック160に進み、ウォッシャ噴射方向変更手段8にウォッシャ液の噴射方向をWAからWBに変更するよう信号を出力するとともに、変更された方向にウォッシャ液を噴射するようウォッシャ噴射手段7に信号を出力する。具体的には、切替バルブが第2の往復範囲用ノズルからウォッシャ液を噴射する様に切替えられ、該ノズルからウォッシャ液が噴射される。すなわち、往復範囲の縮小により払拭領域の面重心が図2において右方向に移動しているので、それに応じて該図面の右方向にウォッシャ噴射方向を変更し、視認性を確保する。その後、フローは判断ブロック120に戻る。また判断ブロック150においてNoと判断されればそのまま判断ブロック120に戻り、ウォッシャ液は噴射されない。
【0020】
一方、判断ブロック130にてNo、すなわち車速が80 km/h未満であると判断されると、処理ブロック170に進んで第1の往復範囲SA1にてワイパーブレードを往復動させる様に、往復範囲変更手段2及びワイパー駆動装置1に信号を出力する。そしてブロック180そしてブロック190にて、ウォッシャ液がウォッシャスイッチの操作に応じて噴射される。この時、ウォッシャ液は、WAの方向に、すなわち第1の往復範囲用のノズルからウォッシャ液が噴射される様に切替バルブが設定されて、噴射される。その後、フローは判断ブロック120に戻る。
【0021】
上記の第1実施形態によれば、ワイパーブレードの往復範囲縮小時にウォッシャ液の噴射方向を変更することにより、乗員の視認性を向上することが出来る。
【0022】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を、図5乃至7を参照しながら説明する。第2実施形態は、右ハンドル車のウインドシールドを車外から見た模式図である図5に示す様に、ワイパーブレードの往復範囲をSA2からSB2に縮小している状態においても、車両周囲の状態、例えば走行中の道路、走行環境等に応じて往復範囲を所定量拡大してSC2とすることにより、往復範囲を小さくすることによる払拭効率の向上と、視界の拡大による視認性の効果的な確保を両立するものである。
【0023】
図6は、本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態は、上記の基本構成に加え、インターフェイス33に電気的に接続されたナビゲーションシステム9を有し、それからの各種信号がインターフェイス33に入力される。制御器3はそれらの信号と、メモリー32に記憶されたプログラムに基づいて、ワイパー駆動装置1及び往復範囲設定手段2に制御信号を出力する。ワイパーブレードは図示を省略してある。
【0024】
ナビゲーションシステム9は、自車位置の演算機能と地図データベースに基づいた走行中の道路形状及び道路環境の認識機能を有するとともに、車外の情報源からインターネット等を介して工事や渋滞などの交通情報を入手可能な構成を含む一般的なものを使用することが出来、それらの情報を制御器3に出力可能に構成されている。交通情報の入手は、インターネット以外に、情報センターとの携帯電話による通信、FM多重放送、或いはVICSなどを介して行う様にすることも出来る。
【0025】
図7を参照しながら、本実施形態における制御フローを説明する。このフローは、制御器3のメモリー32に記憶されたプログラムであり、車両のIGスイッチがオンのとき、所定時間毎に実行される。
【0026】
ブロック210にてスタートした後、判断ブロック220においてフロントワイパースイッチがオンになっているか否かが判断される。判断結果がNoであればこのフローは終了する。Yesであれば判断ブロック230に進んで、車速センサー5からの信号に基づき車速を検出する。検出された車速が所定値以上であれば処理ブロック240に進み、往復範囲変更手段2に、検出された車速に基づいて、往復範囲を第1の往復範囲であるSB1より狭い第2の往復範囲であるSB2に設定させるよう制御信号を送信する。ワイパー駆動装置1はこの時点では作動されない。一方判断ブロック230において車速が所定値未満であると判断されると、処理ブロック235に進んで第1往復範囲SB1が設定され、続いて処理ブロック290に進んで第1往復範囲SB1にてワイパーが駆動される。
【0027】
続いて判断ブロック250から270において、ナビゲーションシステム9からの信号に基づいて、道路情報、すなわち、ステップ250において走行中の地点を含む走行中の道路前方の所定範囲内に所定の曲率より大きいカーブが存在するか、ステップ260において走行中の地点を含む走行中の道路前方の所定範囲内に市街地が存在するか、又はステップ270において走行中の地点を含む走行中の道路前方の所定範囲内に工事中の区間が存在するか、が判別され、それらのうち少なくとも1つがYesと判断されると、処理ブロック280に進み、視界を広げるべく、先に設定された往復範囲を所定量拡大した第3の往復範囲SC2を設定する様に、往復範囲変更手段2に信号を出力する。この第3の往復範囲は、第2の往復範囲より大きく、かつ第1の往復範囲の大きさを超えない大きさに設定される。なお道路情報は、他の情報を含んでも良く、例えば走行中の地点を含む走行中の道路前方の所定範囲内に所定の勾配より大きい勾配を含む起伏が存在するか否かであり、そしてその様な起伏が存在するときにYesと判断される様にしても良い。その後処理ブロック290に進んで、設定された往復範囲をワイパーブレードが往復動する様にワイパー駆動装置1に信号が出力され、フローはブロック220に戻る。
【0028】
一方判断ブロック250から270における判断結果がいずれもNoである場合、フローはブロック270からブロック290に進み、ブロック240にて設定された往復範囲をワイパーブレードが往復動する様にワイパー駆動装置1に信号が出力され、フローは判断ブロック220に戻る。
【0029】
上記の第2実施形態によれば、車両の運転状態に応じて狭められたワイパーの払拭範囲を、所定の条件において所定量拡大することにより、往復範囲を小さくすることによる払拭効率の向上と、視界の拡大による視認性の効果的な確保を両立することが出来る。
【0030】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を、図8乃至10を参照しながら説明する。第3実施形態は、右ハンドル車のウインドシールドを車外から見た模式図である図8に示す様に、自動運転、一例として車速の制御及び/又は操舵が運転者の操作によらず行われて運転者の負担を軽減可能な車両において、車両がその様な自動運転モードのときに往復範囲をSA3からSB3に縮小して、ワイパーの払拭効率を高め、乗員の前方への注意を喚起するものである。
【0031】
図9は、本発明の第3実施形態の構成のうち、ワイパーブレードを図示省略したものを示すブロック図である。本実施形態は、上記の基本構成に加え、自動運転の一例として車速を自動制御するクルーズコントロールスイッチ10がインターフェイス33に電気的に接続されており、クルーズコントロールスイッチ10からの信号がインターフェイス33に入力される。制御器3は、その信号と、メモリー32に記憶されたプログラムに基づいて、ワイパー駆動装置1及び往復範囲変更手段2を制御する。クルーズコントロールは、周知の様に、車速を一定に制御するシステムで、運転者が、車両が所望の車速に達した時にクルーズコントロールスイッチ10を操作することにより、その車速を維持するよう定速運転が開始される。
【0032】
また、自動運転は、クルーズコントロールに限らず、先行者との車間距離を一定に保つ追従運転、或いはそれらに加えて自動操舵を行うものであっても良い。
【0033】
図10を参照しながら、本実施形態における制御フローを説明する。このフローは、制御器3のメモリー32に記憶されたプログラムであり、車両のIGスイッチがオンのとき、所定時間毎に実行される。
【0034】
ブロック310にてスタートした後、判断ブロック320においてフロントワイパースイッチがオンになっているか否かが判断される。判断結果がNoであればこのフローは終了する。Yesであれば処理ブロック330に進んで、往復範囲変更手段に、第1の往復範囲SA3を設定するよう信号を出力する。ワイパー駆動装置1はこの時点では作動されない。
【0035】
続いて判断ブロック340に進み、クルーズコントロールが行われているか否か、つまりクルーズコントロールスイッチ10が操作されているか否かが判断される。判断結果がYesであれば、処理ブロック350に進み、先に設定された往復範囲を変更して、第1の往復範囲より狭い第2の往復範囲SB3を設定する様に、往復範囲変更手段2に信号を出力する。その後処理ブロック360に進んで、設定された往復範囲をワイパーブレードが往復動する様にワイパー駆動装置1に信号が出力され、フローはブロック320に戻る。
【0036】
一方判断ブロック340における判断結果がNoである場合、フローはブロック340からブロック360に進み、ブロック330にて設定された第1の往復範囲SA3をワイパーブレードが往復動する様にワイパー駆動装置1に信号が出力され、フローは判断ブロック320に戻る。
【0037】
上記のフローにおいては自動走行を条件にワイパーブレードの往復範囲を変更したが、更に車速が所定の閾値を超えた場合に往復範囲を変更する制御も同時に行う様にすることも出来る。
【0038】
上記の第3実施形態によれば、自動運転、一例として車速の制御及び/又は操舵が運転者の操作によらず行われて運転者の負担を軽減可能な車両において、車両がその様な自動運転モードのときに往復範囲を縮小し、ワイパーブレードによる払拭効率を高め、乗員の前方への注意を喚起することが出来る。
【0039】
以上、本発明の第1乃至第3実施形態を説明したが、それらの制御を組合わせて実施することも勿論可能である。すなわち、第1実施形態において、短縮往復範囲が選択される条件を車速に加えて又は車速に代えて自動運転時とする、又はナビゲーションからの信号に応じて往復範囲を所定量拡大する、或いは第2実施形態において第2の往復範囲が選択される条件を車速に加えて又は車速に代えて自動運転時とする、或いは第1乃至第3実施形態を組合わせて、第2の往復範囲が選択される条件を車速に加えて又は車速に代えて自動運転時とし、第2の往復範囲が選択された際にウォッシャ噴射方向を変更し、そして更にナビゲーションからの信号に応じて往復範囲を所定量拡大する、といった様に構成しても良い。また、上記実施形態を、道路を走行する自動車におけるワイパー制御として説明したが、自動車に限らず他の移動体に適用可能であることは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態から第3実施形態に共通の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態による右ハンドル車両のウインドシールドを車外から見た模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態における制御フローを示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態による右ハンドル車両のウインドシールドを車外から見た模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態における制御フローを示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態による右ハンドル車両のウインドシールドを車外から見た模式図である。
【図9】本発明の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施形態における制御フローを示す図である。
【符号の説明】
1 ワイパー駆動装置
2 往復範囲変更手段
5 車速センサー(運転状態検出手段)
7 ウォッシャ噴射手段
8 ウォッシャ噴射方向変更手段
9 ナビゲーションシステム(道路情報検出手段)
10 クルーズコントロールスイッチ(運転状態検出手段)
Claims (6)
- ウインドシールド及び該ウインドシールド上でワイパーブレードに所定範囲内を往復動させるワイパー機構を備えた自動車における、上記ワイパー機構を制御する装置であって、
上記自動車の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段の検出結果に基づいて、上記所定範囲を、少なくとも第1の往復範囲、該第1の往復範囲より小さい第2の往復範囲、及び該第2の往復範囲より大きくかつ上記第1の往復範囲を超えない大きさの第3の往復範囲に設定可能な往復範囲設定手段と、
上記自動車が走行中の道路に関する情報を検出する道路情報検出手段とを有し、上記往復範囲が第2の往復範囲であるときに、上記往復範囲設定手段が、上記道路情報検出手段により検出された道路情報に基づいて上記第3の往復範囲を設定可能である、
ワイパー制御装置。 - 上記道路情報が、上記自動車の進行方向前方の道路形状、上記自動車が走行している道路周囲の環境、又は上記自動車が走行している道路に関する交通情報のうち少なくとも1つである、請求項1に記載のワイパー制御装置。
- ウォッシャ液を上記ウインドシールド上における上記ワイパーブレードの往復範囲内に噴射可能なウォッシャ噴射手段と、
上記往復範囲設定手段により設定された往復範囲に基づいて、上記ウォッシャ噴射手段によるウォッシャ液の噴射方向を変更可能なウォッシャ噴射方向変更手段とを有する、請求項1又は2記載のワイパー制御装置。 - 上記自動車の運転状態が、上記自動車の車速と上記自動車の進行方向の少なくとも一方が上記自動車の運転者の操作によらず制御され得る自動運転状態である、請求項3に記載のワイパー制御装置。
- ウインドシールド及び該ウインドシールド上でワイパーブレードが所定範囲内を往復動する様にワイパーを駆動するワイパー駆動手段と、
上記自動車の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
上記所定範囲を、少なくとも第1の往復範囲と、該第1の往復範囲より小さい第2の往復範囲と、該第2の往復範囲より大きくかつ上記第1の往復範囲を超えない大きさの第3の往復範囲の間で変更可能な往復範囲変更手段と、
上記自動車が走行中の道路に関する情報を検出する道路情報検出手段と、
上記ワイパー駆動手段、上記運転状態検出手段、上記往復範囲変更手段、及び上記道路情報検出手段に電気的に接続され、上記ワイパー駆動手段と上記往復範囲変更手段を制御する制御器としてのコンピュータと、
を備えた自動車において、
上記コンピュータに、
第1の往復範囲を設定させるステップと、
上記運転状態検出手段を介して運転状態を検出させるステップと、
検出された上記運転状態に基づいて上記往復範囲を上記第1の往復範囲から上記第2の往復範囲に再設定させるステップと、
上記道路情報を検出させるステップと、
検出された上記道路情報に基づいて上記往復範囲を上記第2の往復範囲から上記第3の往復範囲に再設定させるステップと、
往復範囲を上記設定された第3の往復範囲に設定するよう信号を上記往復範囲変更手段に出力させるステップと、
設定された上記第3の往復範囲でワイパーが駆動するよう信号を上記ワイパー駆動手段に出力させるステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 請求項5に記載のプログラムを記憶した、コンピュータ読取り可能な記録媒体。
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