JP2019018683A - 車両用ワイパ装置 - Google Patents

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崇文 根木
Takafumi Negi
崇文 根木
岡田 真一
Shinichi Okada
真一 岡田
圭吾 疋田
Keigo Hikita
圭吾 疋田
翔 鷹野
Sho Takano
翔 鷹野
義久 伴野
Yoshihisa Banno
義久 伴野
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Abstract

【課題】助手席側の広い視界を確保すべく、ウィンドシールドガラスの助手席側の払拭範囲を拡大する車両用ワイパ装置を提供する。【解決手段】GPS装置96による測位、方向指示器スイッチ54及び操舵角センサ98からの信号に基づいて車両の交差点への侵入及び当該交差点での左折を検知した場合に、ワイパモータ18の出力軸32を正回転させて助手席側ワイパブレード28を下反転位置P2から上反転位置P1Pへ移動させている間に、伸縮機構120の作動量を0から所定作動量まで変化させて助手席側ワイパアーム24の支点であるピボット軸42と助手席側ワイパブレード28の先端部との距離を拡大すると共に、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pに達するまでに伸縮機構120の作動量を所定作動量から0に変化させてピボット軸42と助手席側ワイパブレード28の先端部との距離を縮小する。【選択図】図1

Description

本発明は、払拭範囲を拡大(変更)できる車両用ワイパ装置に関する。
自動車のウィンドシールドガラス等を払拭する車両用ワイパ装置は、図14(A)に示したように、先端部にワイパブレード154D、154Pが連結されたワイパアーム150D、150Pをワイパモータによって下反転位置P4D、P4Pと上反転位置P5D、P5Pとの間を往復動作させている。ワイパアーム150D、150Pの動作の軌跡は、多くの場合、ワイパアーム150D、150Pのピボット軸152D、152Pを中心とした略円弧状である。従って、ワイパブレード154D、154Pがウィンドシールドガラス1等を払拭する領域である払拭範囲156D、156Pは、ピボット軸152D、152Pを中心とした略扇形を呈する。
車両用ワイパ装置では、運転者の視界確保のために、運転席側のウィンドシールドガラス1を優先的に払拭する必要がある。また、自動車のウィンドシールドガラス1は略等脚台形状を呈している。従って、2本のワイパアーム150D、150Pが同時に同方向に回動する並行(タンデム)型の車両用ワイパ装置では、ピボット軸152D、152Pをウィンドシールドガラス1の下方に設けた場合、運転席側のワイパブレード154Dの上反転位置P5Dは、略等脚台形を呈するウィンドシールドガラス1の運転席側の脚(等脚台形の縦方向の辺)1Aに近い位置で当該脚に並行して設けられる。
タンデム型の車両用ワイパ装置の助手席側のワイパブレード154Pの上反転位置P5Pも、運転席側のウィンドシールドガラス1を優先的に払拭するために、ウィンドシールドガラス1の運転席側の脚1Bに並行して設けられる。しかしながら、前述のように、ワイパブレード154Pの払拭範囲は略扇形を呈するので、上反転位置P5Pが上述の位置に設けられると、ウィンドシールドガラス1の助手席側の上部の角1Cを中心として、ワイパブレード154Pによって払拭されない非払拭範囲158が生じる。
非払拭範囲158の影響は、図14(B)に示したように、例えば交差点等での左折時に深刻であり、運転者が歩行者の存在を覚知することを阻害するおそれがある。
特許文献1には、非払拭範囲158を払拭できるように助手席側ワイパブレードを動作させる車両用ワイパ装置が開示されている。
特開2000−25578号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ワイパ装置は、動作中のワイパブレードがウィンドシールドガラスの助手席側の上部にまで十分に届かず、助手席側のウィンドシールドガラスの上部に拭き残しが生じるおそれがあった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、助手席側の広い視界を確保すべき状態(車両の姿勢が助手席側に変更される状態、言い換えると運転者の視線が助手席側に変更される状態)である場合にウィンドシールドガラスの助手席側の払拭範囲を拡大する車両用ワイパ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の車両用ワイパ装置は、揺動されるワイパアーム、前記ワイパアームに連結されたワイパブレード、及び前記ワイパアームの揺動の支点と前記ワイパブレードの先端とを接近及び離反させる接離機構を備えたワイパのワイパアームを揺動させ、前記ワイパブレードをウィンドシールドの上反転位置と下反転位置との間で払拭動作させる第1駆動源と、前記接離機構を駆動して前記ワイパブレードによる前記ウィンドシールドの払拭範囲を変更する第2駆動源と、助手席側の広い視界を確保すべき状態で、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う制御部と、を含んでいる。
この車両用ワイパ装置は、助手席側の広い視界を確保すべき状態で、ワイパブレードのウィンドシールド上の位置に応じて第2駆動源の制御を行う。かかる制御により、ワイパブレードによるウィンドシールドの払拭範囲を可変(拡大)し、ウィンドシールドの助手席側の払拭範囲を拡大する。助手席側の広い視界を確保すべき状態でない場合には、払拭範囲を拡大しないので、車両の乗員が車両用ワイパ装置の動作に違和感を覚えるおそれが少なくなる。
請求項2記載の車両用ワイパ装置は、請求項1に記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、助手席側の広い視界を確保すべき状態で、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じて、前記第2駆動源の作動量を0から所定値の間で変化させて前記接離機構を駆動するように前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置は、ワイパブレードのウィンドシールド上の位置に応じて、第2駆動源の作動量を0から所定値の間で変化させる制御を行うことにより、ワイパブレードはウィンドシールドの助手席側の上方の角に近い領域まで払拭することができる。
請求項3記載の車両用ワイパ装置は、請求項2に記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、前記ワイパブレードが、前記上反転位置及び前記下反転位置のいずれかに到達してから前記上反転位置と前記下反転位置との中間位置に到達するまでの間に、前記第2駆動源の作動量を0から所定値まで変化させる払拭範囲拡大制御を行うと共に、前記ワイパブレードが、前記中間位置に到達してから前記上反転位置及び前記下反転位置のいずれかに到達するまでの間に、前記第2駆動源の作動量を所定値から0まで変化させる収束制御を行う。
この車両用ワイパ装置は、ワイパブレードが、上反転位置及び下反転位置のいずれかに到達してから上反転位置と下反転位置との中間位置に到達するまでの間に、すなわちワイパブレードが上反転位置と下反転位置との間に達するまで、第2駆動源の作動量を0から所定値まで変化させる。かかる変化により、ワイパアームの支点とワイパブレードの先端部との距離を拡大でき、ワイパブレードはウィンドシールドの助手席側の上方の角に近い領域まで払拭することができる。
この車両用ワイパ装置では、ワイパブレードが中間位置到達してから上反転位置及び下反転位置のいずれかに到達するまでの間に、第2駆動源を回転させてワイパアームの支点とワイパブレードの先端部との距離を縮小している。この車両用ワイパ装置では、ワイパブレードが上反転位置又は下反転位置に到達するまでに、伸縮機構120の作動量を0にすることにより、ウィンドシールドの助手席側の払拭範囲の拡大を破綻なく実行できる。
請求項4記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、衛星から受信した信号に基づいて車両の現在位置を算出する車両位置測位部をさらに含み、前記制御部は、前記車両位置測位部で算出された現在位置が交差点の中心から所定距離以内の場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、車両の現在位置が交差点の中心から所定距離以内の際に、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、払拭範囲の拡大を実行することができる。
請求項5記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、衛星から受信した信号に基づいて車両の現在位置を算出する車両位置測位部をさらに含み、前記制御部は、前記車両位置測位部により算出された現在位置と地図情報とから所定地点へ向かうルートを設定するカーナビゲーションシステムにてルートを設定し、当該カーナビゲーションシステムによる左折指示があった場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、カーナビゲーションシステムの左折指示に連動させて払拭範囲の拡大を実行することができる。
請求項6記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜5のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、車両の方向指示器スイッチから入力された信号が車両が助手席側に曲がることを示した場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、方向指示器が操作されたことに基づいて車両が助手席側に曲がる場合を検知することにより助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、払拭範囲の拡大を実行することができる。
請求項7記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜6のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、車両の操舵角センサによって検知された車両の助手席側への舵角が閾値角度以上の場合に、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、操舵角センサが検知した車両の舵角に基づいて車両が助手席側に曲がる場合を検知することにより助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、払拭範囲の拡大を実行することができる。
請求項8記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜7のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、車両の前方の画像を取得する撮影部をさらに含み、前記制御部は、前記撮影部によって取得された画像から道路の輪郭を抽出し、該抽出した輪郭が助手席側への屈曲を示した場合に、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、進行方向の道路が助手席側にカーブしている場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、払拭範囲の拡大を実行することができる。
請求項9記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜8のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、車両の速度を検知する車速検知部をさらに含み、前記制御部は、助手席側の広い視界を確保すべき状態であり、かつ前記車速検知部によって検知された車両の速度が閾値速度以上の場合に、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、かつ車両の速度が大きい場合に払拭範囲の拡大を実行することができる。
請求項10記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜9のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置において、前記ワイパアームに設けられたノズルから洗浄液を噴射させる洗浄液噴射部をさらに含み、前記制御部は、助手席側の広い視界を確保すべき状態である場合は、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行うと共に前記ノズルから洗浄液を噴射させるように前記洗浄液噴射部を制御する。
この車両用ワイパ装置によれば、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定された場合に、払拭範囲の拡大と共に、ワイパアームの先端側に設けられたノズルから洗浄液を噴射させることにより、ウィンドシールドを広範囲に洗浄できる。
請求項11記載の車両用ワイパ装置は、請求項1記載の車両用ワイパ装置において、前記ウィンドシールドの画像データを取得する撮影部と、前記ウィンドシールドに赤外線を照射し、該赤外線の反射量または透過量に基づいて前記ウィンドシールドの表面の付着物を検知する光学検知部と、をさらに含み、前記撮影部及び前記光学検知部は前記ウィンドシールドの車室内側に各々設けられ、前記制御部は、前記撮影部が取得した画像データと前記光学検知部の検知結果とに基づいて、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う。
この車両用ワイパ装置によれば、撮影部が取得したウィンドシールドの画像データと光学検知部の検知結果とに基づいて助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、払拭範囲の拡大を実行することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の一例を示した概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の伸縮機構の構成の一例を示した概略図である。 図2に示されたA−A線に沿って切断した伸縮機構の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の回路を模式的に示した回路図である。 本発明の第1の実施の形態における出力軸の回転角度に応じた可動子の移動量(作動量)を規定した伸縮機構作動量マップの一例である。 交差点に侵入した車両が左折しつつある状態を示した鳥瞰図の一例である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置における、車両の左折を検知してウィンドシールドガラスの助手席側を拡大払拭させる左折時拡大払拭処理の一例を示したフローチャートである。 (A)は払拭範囲の拡大の一例を示した概略図であり、(B)は払拭範囲の拡大によって運転者の視界が広い範囲で確保されたことを示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車両用ワイパ装置において、(A)は、車載カメラが撮影した車両前方の画像の一例であり、(B)は(A)に示した画像から道路の白線を抽出した状態の一例を示した概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車両用ワイパ装置における、車両の前方の左カーブを検知してウィンドシールドガラスの助手席側を拡大払拭させる左折時拡大払拭処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の構成の一例を示した概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係るウォッシャポンプの一例を示す断面図である。 (A)は本発明の第1の実施の形態のウィンドシールドガラスへのウォッシャ液の付着の一例を示した概略図であり、(B)は本発明の第3の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の往動時でのウォッシャ液付着の一例を示した概略図である。 (A)は払拭範囲を拡大しない車両用ワイパ装置の一例を示した概略図であり、(B)は払拭範囲を拡大しないことにより、運転者の視界が制限されていることを示した概略図である。 払拭範囲を拡大しない場合に生じる非払拭範囲を示した説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の伸縮機構の一例を示した概略図である。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置100の一例を示した概略図である。図1に示した車両用ワイパ装置100は、例えば、乗用自動車等の車両に備えられた「ウィンドシールド」としてのウィンドシールドガラス1を払拭するためのものであり、一対のワイパ14、16と、ワイパモータ18と、リンク機構20と、伸縮機構120と、制御回路52と、ウォッシャ装置70と、を備えている。
図1は、右ハンドル車の場合を示しているので、車両の右側(図1の左側)が運転席側、車両の左側(図1の右側)が助手席側である。車両が左ハンドル車の場合には、車両の左側(図1の右側)が運転席側、車両の右側(図1の左側)が助手席側になる。また、車両が左ハンドル車の場合には、車両用ワイパ装置100の構成が左右反対になる。
ワイパモータ18は、出力軸32が所定の回転角度の範囲で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパアーム26及び助手席側ワイパアーム24の各々をウィンドシールドガラス1上で往復動作させるための駆動源である。本実施形態では、ワイパモータ18が正回転した場合に、運転席側ワイパアーム26は運転席側ワイパブレード30が下反転位置P2Dから上反転位置P1Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム24は助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pを払拭するように動作する。また、ワイパモータ18が逆回転した場合には、運転席側ワイパアーム26は運転席側ワイパブレード30が上反転位置P1Dから下反転位置P2Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム24は助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pを払拭するように動作する。
ウィンドシールドガラス1の外縁部は、可視光及び紫外線を遮るため、セラミックス系の黒色顔料が塗布された遮光部1Aとなっている。黒色顔料は、ウィンドシールドガラス1の車室内側の外縁部に塗布された後、所定温度で加熱されることにより溶融し、ウィンドシールドガラス1の車室側表面に定着される。ウィンドシールドガラス1は、外縁部に塗布された接着剤により車体に固定されるが、図1に示したように、紫外線を透過させない遮光部1Aを外縁部に設けることにより、紫外線による当該接着剤の劣化を抑制する。
後述する伸縮機構120が動作しない場合には、ワイパモータ18の出力軸32が所定の回転角度(以下、「所定回転角度」と称する)で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパブレード30は払拭範囲H1を、助手席側ワイパブレード28は払拭範囲Z1を、各々払拭する。
伸縮機構120は、助手席側ワイパブレード28を、助手席側ワイパアーム24に対して動作させる機構である。伸縮機構120は、助手席側ワイパブレード28を、ピボット軸42を中心とする円弧の半径方向に移動させ、助手席側ワイパアーム24を見かけ上伸長させる。前述のワイパモータ18が動作中に伸縮機構120が動作することにより、助手席側ワイパアーム24は助手席側上方に見かけ上伸長され、助手席側ワイパブレード28は払拭範囲Z2を払拭する。また、伸縮機構120の作動量(伸縮の程度)を変更することにより、助手席側ワイパアーム24が伸長する範囲を変更することが可能となる。例えば、作動量を大きくすれば、助手席側ワイパアーム24が伸長する範囲は大きくなり、作動量を小さくすれば、助手席側ワイパアーム24が伸長する範囲は小さくなる。
ワイパモータ18は、出力軸32の回転方向を正回転及び逆回転に制御可能であると共に、出力軸32の回転速度も制御可能なモータであり、一例としてブラシ付きDCモータ及びブラシレスDCモータのいずれかである。また、伸縮機構120は、後述するように、複数の電磁石及び複数の永久磁石を含む一種のリニアモータである。
ワイパモータ18及び伸縮機構120には、各々の動作を制御するための制御回路52が接続されている。本実施の形態に係る制御回路52は、例えば、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検知したワイパモータ18の出力軸32の回転方向、回転位置、回転速度及び回転角度に基づいて、ワイパモータ18に印加する電圧のデューティ比を算出する。また、伸縮機構120の固定子側に設けられた移動検出センサ(図示せず)が検知した可動子の移動方向、移動による位置の変化及び移動速度に基づいて、電磁石で構成された固定子に印加する電圧の極性及びデューティ比を算出する。
本実施形態では、ワイパモータ18及び伸縮機構120の各々に印加する電圧を、電源である車載バッテリの電圧(略12V)をスイッチング素子によってオンオフしてパルス状の波形に変調するパルス幅変調(PWM)によって生成する。本実施の形態でデューティ比は、PWMによって生成される電圧の波形の1周期間に対する前述のスイッチング素子がオンになったことで生じる1のパルスの時間の割合である。また、PWMによって生成される電圧の波形の1周期は、前述の1のパルスの時間と前述のスイッチング素子がオフになりパルスが生じない時間との和である。駆動回路56は、制御回路52によって算出されたデューティ比に従って駆動回路56内のスイッチング素子をオンオフさせてワイパモータ18及び伸縮機構120の各々に印加する電圧を生成し、生成した電圧をワイパモータ18及び伸縮機構120の各々の巻線の端子に印加する。
本実施の形態に係るワイパモータ18は、ウォームギアで構成された減速機構48を有しているので、各々の出力軸の回転方向、回転速度及び回転角度は、ワイパモータ18本体の回転速度及び回転角度と同一ではない。しかしながら、本実施の形態では、各モータと減速機構48とは、一体不可分に構成されているので、以下、ワイパモータ18の出力軸32の回転速度及び回転角度を、ワイパモータ18の回転方向、回転速度及び回転角度とみなすものとする。
絶対角センサ114は、例えばワイパモータ18の減速機構48内に設けられ、出力軸32に連動して回転する励磁コイル又はマグネットの磁界(磁力)を電流に変換して検出するセンサであり、一例として、MRセンサ等の磁気センサである。また、移動検出センサは、固定子に面した側の磁極が交互に異なるように複数の永久磁石が配置された可動子の磁界(磁力)を電流に変換して検出するセンサであり、一例として、MRセンサ等の磁気センサである。
制御回路52は、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検出したワイパモータ18の出力軸32の回転角度から運転席側ワイパブレード30のウィンドシールドガラス1上での位置を算出可能なマイクロコンピュータ58を備えている。マイクロコンピュータ58は、算出した位置に応じてワイパモータ18の出力軸32の回転速度が変化するように駆動回路56を制御する。
また、マイクロコンピュータ58は、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検出したワイパモータ18の出力軸32の回転角度から助手席側ワイパブレード28のウィンドシールドガラス1上での位置を算出し、算出した位置に応じて伸縮機構120の可動子の移動量及び移動速度が変化するように駆動回路56を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、伸縮機構120の移動検出センサが検出した可動子の移動量から助手席側ワイパアーム24の伸長の程度を算出する。
制御回路52には、駆動回路56の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶した記憶装置であるメモリ60が設けられている。メモリ60は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28のウィンドシールドガラス1上の位置を示すワイパモータ18の出力軸32の回転角度に応じてワイパモータ18の出力軸32の回転速度等(回転角度を含む)及び伸縮機構120の可動子の移動速度(移動量含む)を算出するためのデータ及びプログラムを記憶している。
また、マイクロコンピュータ58は、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検出したワイパモータ18の出力軸32の回転角度から助手席側ワイパブレード28のウィンドシールドガラス1上での位置を算出し、算出した位置に応じて伸縮機構120の可動子の移動量及び移動速度が変化するように駆動回路56を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、伸縮機構120の移動検出センサが検出した可動子の移動量から助手席側ワイパアーム24の伸長の程度を算出する。
制御回路52には、駆動回路56の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶した記憶装置であるメモリ60が設けられている。メモリ60は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28のウィンドシールドガラス1上の位置を示すワイパモータ18の出力軸32の回転角度に応じてワイパモータ18の出力軸32の回転速度等(回転角度を含む)及び伸縮機構120の可動子の移動速度(移動量含む)を算出するためのデータ及びプログラムを記憶している。
また、マイクロコンピュータ58には、車両のエンジン等の制御を統括する車両ECU(Electronic Control Unit)90が接続されている。また、車両ECU90には、ワイパスイッチ50、方向指示器スイッチ54、ウォッシャスイッチ62、レインセンサ76、車両の速度を検知する車速センサ92、車両の前方を撮影する車載カメラ94、GPS(Global Positioning System)装置96及び操舵角センサ98が接続されている。
ワイパスイッチ50は、車両のバッテリからワイパモータ18に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ワイパスイッチ50は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28を、低速で動作させる低速作動モード選択位置、高速で動作させる高速作動モード選択位置、一定周期で間欠的に動作させる間欠作動モード選択位置、レインセンサ76が雨滴を検知した場合に動作させるAUTO(オート)作動モード選択位置、格納(停止)モード選択位置に切替可能である。また、各モードの選択位置に応じた信号を、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に出力する。
ワイパスイッチ50から各モードの選択位置に応じて出力された信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力されると、マイクロコンピュータ58がワイパスイッチ50からの出力信号に対応する制御をメモリ60に記憶されたデータ及びプログラムを用いて行う。
本実施の形態では、ワイパスイッチ50には、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を払拭範囲Z2に変更する拡大モードスイッチが別途設けられていてもよい。拡大モードスイッチがオンになると、所定の信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力される。マイクロコンピュータ58は、所定の信号が入力されると、例えば、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する場合に、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
方向指示器スイッチ54は、車両の方向指示器(図示せず)の作動を指示するスイッチであり、運転者の操作により、右又は左の方向指示器をオンにするための信号を車両ECU90に出力する。車両ECU90は、方向指示器スイッチ54から出力された信号に基づいて、右又は左の方向指示器のランプを点滅させる。方向指示器スイッチ54から出力された信号は、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58にも入力される。
ウォッシャスイッチ62は、車両のバッテリからウォッシャモータ64、ワイパモータ18及び伸縮機構120に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ウォッシャスイッチ62は、例えば、前述のワイパスイッチ50を備えたレバー等の操作手段に一体に設けられ、当該レバー等を乗員が手元に引く等の操作によりオンになる。マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになると、ウォッシャモータ64及びワイパモータ18を作動させる。マイクロコンピュータ58は、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z2を払拭するように、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z1を払拭するように伸縮機構120を各々制御する。かかる制御により、ウィンドシールドガラス1の助手席側を広く払拭することが可能となる。
ウォッシャスイッチ62がオンになっている間は、ウォッシャ装置70が備えるウォッシャモータ64の回転でウォッシャポンプ66が駆動される。ウォッシャポンプ66はウォッシャ液タンク68内のウォッシャ液を運転席側ホース72A又は助手席側ホース72Bに圧送する。運転席側ホース72Aは、ウィンドシールドガラス1の運転席側の下方に設けられた運転席側ノズル74Aに接続されている。また、助手席側ホース72Bは、ウィンドシールドガラス1の助手席側の下方に設けられた助手席側ノズル74Bに接続されている。圧送されたウォッシャ液は、運転席側ノズル74A及び助手席側ノズル74Bからウィンドシールドガラス1上に噴射される。ウィンドシールドガラス1上に付着したウォッシャ液は、動作している運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28によってウィンドシールドガラス1上の汚れと一緒に払拭される。
マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになっている間のみ動作するようにウォッシャモータ64を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオフになっても運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2D、P2Pに達するまで動作を継続するようにワイパモータ18を制御する。さらにマイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1D、P1Pに向かって払拭している際にウォッシャスイッチ62がオフになった場合には、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が、ワイパモータ18の回転により上反転位置P1D、P1Pに達するまで、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
レインセンサ76は、例えば、ウィンドシールドガラス1の車室内側に設けられる光学センサの一種であり、ウィンドシールドガラス1表面の水滴等を検知する。レインセンサ76は、一例として、赤外線の発光素子であるLED、受光素子であるフォトダイオード、赤外線の光路を形成するレンズ及び制御回路を含んでいる。LEDによって車室側から車外に発せられた赤外線はウィンドシールドガラス1で全反射するが、ウィンドシールドガラス1の表面に水滴が存在すると赤外線の一部が水滴を透過して外部に放出されるため、ウィンドシールドガラス1での反射量が減少する。その結果、受光素子であるフォトダイオードに入る光量が減少する。かかる光量の減少に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。または、受光素子を車外に設けることで、赤外線の透過量を検出し、当該透過量に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知してもよい。さらには、発光素子を車外、受光素子を車室内側に各々設けて、赤外線の透過量を検出してもよい。
車速センサ92は、車両の車輪の回転数を検知し、当該回転数を示す信号を出力するセンサである。車両ECU90は、車速センサ92が出力した信号と車輪の周長から車速を算出する。
車載カメラ94は、車両前方を撮影し、動画像のデータを取得する装置である。車両ECU90は、車載カメラ94で取得した動画像のデータを画像処理することにより、車両がカーブに差し掛かっている等を判定することが可能である。また、車両ECU90は、車載カメラ94で取得した動画像のデータの輝度から、車両前方の明るさを算出できる。
本実施の形態に係る車載カメラ94は、被写体までの距離を取得した画像データから算出できるように右撮像部94Rと左撮像部94Lとを備えた、いわゆるステレオカメラである。別途ミリ波レーダ等の車両前方の障害物等を探知し、当該障害物までの距離を検出できる装置を車両が備えている場合には、車載カメラはステレオカメラでなくてもよい。
図1に示したように、本実施の形態では、レインセンサ76及び車載カメラ94は、ウィンドシールドガラス1の中央上部付近の機能エリア102に設けられる。機能エリア102は、レインセンサ76の検知範囲と、車載カメラ94の撮影の視野と、をカバーし得る所定範囲である。
本実施の形態では、レインセンサ76及び車載カメラ94の位置を、ウィンドシールドガラス1の車室内側の中央上部に限定せず、ウィンドシールドガラス1の車室内側の助手席側上部にしてもよい。レインセンサ76及び車載カメラ94をウィンドシールドガラス1の車室内側の助手席側上部に設けることにより、図15に示した非払拭範囲Xの少なくとも一部の情報(画像及び水滴の有無)を取得可能に構成してもよい。なお、図15の非払拭範囲Xは、助手席側ワイパアーム24を伸長させた場合の払拭範囲Z2内ではあるものの、助手席側ワイパアーム24を伸長させない場合の払拭範囲Z1外に存在する領域である。
マイクロコンピュータ58は、レインセンサ76によってウィンドシールドガラス1表面、例えば非払拭範囲Xに水滴を検知した場合に、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御してもよい。
また、マイクロコンピュータ58は、車載カメラ94が取得した画像データの画素特徴量に基づいて、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御してもよい。例えば、マイクロコンピュータ58は、車載カメラ94が取得した画像データにおけるウィンドシールドガラス1の払拭範囲Z1の画像特徴量と非払拭範囲Xの画像特徴量との差が所定値以上になった場合に払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
画像特徴量は、一例として輝度値であり、マイクロコンピュータ58は、払拭範囲Z1の輝度値と非払拭範囲Xの輝度値との差が所定値以上になった場合に非払拭範囲Xに付着物が存在すると判定して払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
また、画像特徴量は、助手席側ワイパブレード28の先端部の動きベクトルを示すオプティカルフローであり、マイクロコンピュータ58は、当該オプティカルフローが示す助手席側ワイパブレード28の動きベクトルの変化量が所定値以下になった場合に、積雪がウィンドシールドガラス1上に存在するとみなして、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
GPS装置96は、上空にあるGPS衛星から受信した測位のための信号に基づいて車両の現在位置を算出する装置である。本実施の形態では、車両用ワイパ装置100専用のGPS装置96を用いるが、車両がカーナビゲーションシステム等の他のGPS装置を備える場合には、当該他のGPS装置を用いてもよい。
操舵角センサ98は、一例としてステアリングの回転軸(図示せず)に設けられ、当該ステアリングの回転角度を検出するセンサである。
続いて、ワイパ14、16の構成について説明する。ワイパ14、16は、それぞれ助手席側ワイパアーム24、26と助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30とにより構成されている。助手席側ワイパアーム24、26の基端部は、後述するピボット軸42、44に各々固定されており、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30は、助手席側ワイパアーム24、26の先端部に各々固定されている。
ワイパ14、16は、助手席側ワイパアーム24、26の動作に伴って助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30がウィンドシールドガラス1上を往復動作し、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30がウィンドシールドガラス1を払拭する。
ワイパモータ18は、減速機構48を介して、正逆回転可能な出力軸32を有し、リンク機構20は、クランクアーム34と、第1リンクロッド36と、一対のピボットレバー38、40と、一対のピボット軸42、44と、第2リンクロッド46とを備えている。
クランクアーム34の一端側は、出力軸32に固定されており、クランクアーム34の他端側は、第1リンクロッド36の一端側に動作可能に連結されている。また、第1リンクロッド36の他端側は、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端寄りの箇所に動作可能に連結されており、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端及びピボットレバー40におけるピボットレバー38の当該端に対応する端には、第2リンクロッド46の両端がそれぞれ動作可能に連結されている。
また、ピボット軸42、44は、車体に設けられた図示しないピボットホルダによって動作可能に支持されており、ピボットレバー38、40におけるピボット軸42、44を有する端は、ピボット軸42、44を介して助手席側ワイパアーム24、26が各々固定されている。
車両用ワイパ装置100では、出力軸32が所定の範囲の回転角度θ1で正逆回転されると、この出力軸32の回転力がリンク機構20を介して助手席側ワイパアーム24、26に伝達され、この助手席側ワイパアーム24、26の往復動作に伴って助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30がウィンドシールドガラス1上における下反転位置P2D、P2Pと上反転位置P1D、P1Pとの間で往復動作をする。θ1の値は、車両用洗浄システムのリンク機構の構成等によって様々な値をとり得るが、本実施の形態では、一例として140°とする。
本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100では、図1に示されるように、運転席側ワイパブレード30、助手席側ワイパブレード28が格納位置P3D、P3Pに位置された場合には、クランクアーム34と第1リンクロッド36とが直線状をなす構成とされている。
格納位置P3D、P3Pは、下反転位置P2D、P2Pの下方に設けられている。助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30が下反転位置P2D、P2Pにある状態から、出力軸32がθ2回転することにより、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30は格納位置P3D、P3Pに動作する。θ2の値は、車両用洗浄システムのリンク機構の構成等によって様々な値をとり得るが、本実施の形態では、一例として10°とする。
なお、θ2が「0」の場合は、下反転位置P2D、P2Pと格納位置P3D、P3Pは一致し、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30は、下反転位置P2D、P2Pで停止し、格納される。
図2は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100のワイパ14の伸縮機構120の構成の一例を示した概略図である。図2に示したように、伸縮機構120は、助手席側ワイパアーム24の端部に固定軸24Pで固定されたハウジング120H内に設けられた固定子120Aと、助手席側ワイパブレード28側に設けられ、永久磁石列120Bを備えた可動子126と、を含む。
固定子120Aにはコイル120Cが巻装され、コイル120Cに駆動回路56から供給された電圧が印加されると励磁される。駆動回路56は、コイル120Cに印加する電圧の極性を変化させることにより、励磁された固定子120Aの磁極を変化させる。助手席側ワイパアーム24の内部にはコイル120Cと駆動回路56とを導通接続する接続線(図示せず)が配策されている。
可動子126の永久磁石列120Bは、固定子120Aに面した側の磁極が交互に異なるように複数の永久磁石が配置されている。従って、固定子120Aが励磁されると、固定子120Aの磁界と永久磁石列120Bの磁界との吸引及び反発による相互作用により、可動子126は、固定子120Aに対して図2の矢印B方向または矢印C方向に移動する、いわゆる往復運動を行う。
固定子120Aを収めたハウジング120H内には、移動検出センサ118が設けられている。移動検出センサ118は、可動子126の移動に伴って変化する永久磁石列120Bの磁界を検出し、電気信号に変換して制御回路52に出力する。図2の破線で示したように、助手席側ワイパアーム24の内部には移動検出センサ118と制御回路52とを導通接続する信号線が配策されている。
図3は、図2に示されたA−A線に沿って切断した伸縮機構120の断面図である。図3に示したように、可動子126にはブレードラバー122と、金属板であるバッキング124とを備える。バッキング124は、可動子126のバッキング保持部126Aに保持されることにより、助手席側ワイパブレード28の形状保持及び弾性付与に資する部材である。
ブレードラバー122は、基端部122Aが可動子126のブレードラバー保持部126Bに嵌合され、前述のバッキング124と共に、可動子126を含む助手席側ワイパブレード28を構成する。
可動子126の頂部は、固定子120Aのハウジング120Hの下端部の案内機構120Rと嵌合するガイドレール126Rとなっており、可動子126が固定子120Aに対してピボット軸42を中心とする円弧の半径方向に移動可能に構成されている。
図4は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100の回路を模式的に示した回路図である。図4に示したように、車両用ワイパ装置100は、制御回路52と駆動回路56とを含んでいる。
制御回路52は、前述のようにマイクロコンピュータ58とメモリ60を有し、マイクロコンピュータ58には、車両ECU90(図示せず)を介して、ワイパスイッチ50、方向指示器スイッチ54、ウォッシャスイッチ62、レインセンサ76、車速センサ92、車載カメラ94、GPS装置96、操舵角センサ98が各々接続されている。
駆動回路56は、ワイパモータ18を駆動させるための第1プリドライバ104及びワイパモータ駆動回路108、伸縮機構120を駆動させるための第2プリドライバ106及び伸縮機構駆動回路110を備えている。また駆動回路56は、ウォッシャモータ64を駆動させるための、リレー駆動回路78、FET駆動回路80及びウォッシャモータ駆動回路57を有している。
制御回路52のマイクロコンピュータ58は、第1プリドライバ104を介してワイパモータ駆動回路108を構成するスイッチング素子をオンオフさせることによりワイパモータ18の回転を、第2プリドライバ106を介して伸縮機構駆動回路110のスイッチング素子をオンオフさせることにより伸縮機構120の動作を、各々制御する。また、マイクロコンピュータ58は、リレー駆動回路78及びFET駆動回路80を制御することによりウォッシャモータ64の回転を制御する。
ワイパモータ18がブラシ付きDCモータの場合、ワイパモータ駆動回路108は4個のスイッチング素子を含む。スイッチング素子は、一例としてN型のFET(電界効果トランジスタ)である。また、伸縮機構120を駆動する電圧を生成する伸縮機構駆動回路110も、一例として図4に示したように、4個のスイッチング素子を含み、各スイッチング素子はN型のFETである。
図4に示したように、ワイパモータ駆動回路108は、FET108A〜108Dを含んでいる。FET108Aは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースがワイパモータ18の一端部に接続されている。FET108Bは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースがワイパモータ18の他端部に接続されている。FET108Cは、ドレインがワイパモータ18の一端部に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが接地されている。FET108Dは、ドレインがワイパモータ18の他端部に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが接地されている。
第1プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に従ってFET108A〜108Dのゲートに供給する制御信号を切り替えることで、ワイパモータ18の駆動を制御する。すなわち、第1プリドライバ104は、ワイパモータ18の出力軸32を所定方向に回転(正回転)させる場合には、FET108AとFET108Dの組をオンさせ、ワイパモータ18の出力軸32を所定方向と逆方向に回転(逆回転)させる場合には、FET108BとFET108Cの組をオンさせる。また、第1プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、FET108A及びFET108Dを断続的にオンオフさせるPWMを行う。
第1プリドライバ104はPWMにより、FET108A及びFET108Dのオンオフに係るデューティ比を変化させることにより、ワイパモータ18の正回転での回転速度を制御する。当該デューティ比が大きくなれば、正回転時にワイパモータ18の端子に印加される電圧の実効値が高くなり、ワイパモータ18の回転速度は大きくなる。
同様に、第1プリドライバ104はPWMにより、FET108B及びFET108Cのオンオフに係るデューティ比を変化させることにより、ワイパモータ18の逆回転での回転速度を制御する。当該デューティ比が大きくなれば、逆回転時にワイパモータ18の端子に印加される電圧の実効値は高くなり、ワイパモータ18の回転速度は大きくなる。
伸縮機構駆動回路110は、FET110A〜110Dを含んでいる。FET110Aは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが伸縮機構120の固定子120Aのコイルの一端部に接続されている。FET110Bは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが伸縮機構120の固定子120Aのコイルの他端部に接続されている。FET110Cは、ドレインが伸縮機構120の固定子120Aのコイル120Cの一端部に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが接地されている。FET110Dは、ドレインが伸縮機構120の固定子120Aのコイル120Cの他端部に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが接地されている。
第2プリドライバ106は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に従ってFET110A〜110Dのゲートに供給する制御信号を切り替えることで、伸縮機構120の駆動を制御する。一例として、助手席側ワイパアーム24を助手席側上方に見かけ上伸長させるように伸縮機構120の可動子126を所定方向に移動させる場合、第2プリドライバ106は、FET110AとFET110Dの組をオンさせ、次いでFET110BとFET110Cの組をオンさせる。かかるスイッチング制御を反復することにより、可動子126を所定方向に移動させる。また、可動子126の移動速度は、FET110AとFET110Dの組をオンさせ、次いでFET110BとFET110Cの組をオンさせるスイッチングのタイミングを早めるとともに、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を高くすることによって高速化できる。第2プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、前述の第1プリドライバ104のようなPWMを行うことにより、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を制御する。
伸縮機構120の可動子126を所定方向の逆方向に移動させる場合、第2プリドライバ106は、FET110BとFET110Cの組をオンさせ、次いでFET110AとFET110Dの組をオンさせる。かかるスイッチング制御を反復することにより、可動子126を所定方向の逆方向に移動させる。また、可動子126の移動速度は、FET110BとFET110Cの組をオンさせ、次いでFET110AとFET110Dの組をオンさせるスイッチングのタイミングを早めるとともに、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を高くすることによって高速化できる。第2プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、前述の第1プリドライバ104のようなPWMを行うことにより、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を制御する。
ワイパモータ18の減速機構48内における出力軸32の出力軸端部112には、2極のセンサマグネット112Aが固定され、センサマグネット112Aに対向するように絶対角センサ114が設けられている。
伸縮機構120のハウジング120H内には、可動子126の永久磁石列120Bに対向するように移動検出センサ118が設けられている。
絶対角センサ114はセンサマグネット112Aの磁界を、移動検出センサ118は永久磁石列120Bの磁界を、各々検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する。マイクロコンピュータ58は、絶対角センサ114が出力した信号に基づいて、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度、回転位置、回転方向及び回転速度を算出すると共に、移動検出センサ118が出力した信号に基づいて、伸縮機構120の移動量、位置、移動方向及び移動速度を算出する。
ワイパモータ18の出力軸32の回転角度からは、運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置が算出できる。また、伸縮機構120の可動子126の移動量からは、助手席側ワイパアーム24の見かけの伸長の程度(拡大の程度)が算出できる。マイクロコンピュータ58は、出力軸32の回転角度から算出した運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置に基づいて、可動子126の移動量を制御することにより、ワイパモータ18と伸縮機構120の各々の動作を同期させる。一例として、メモリ60に、運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置(又は出力軸32の回転角度)と可動子126の移動量とを対応付けたマップ(例えば、後述する伸縮機構作動量マップ)を予め記憶させ、当該マップに従って、出力軸32の回転角度に応じて可動子126の移動量を制御する。
図5は、本実施の形態における出力軸32の回転角度に応じた可動子126の移動量(作動量)を規定した伸縮機構作動量マップの一例を示している。図5の横軸は出力軸32の回転角度である出力軸回転角度θAである。出力軸回転角度θAは、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pに位置する場合は「0°」になる。図5の縦軸は可動子126の移動量である伸縮機構作動量MVであり、その最大値は所定作動量MV2となる。伸縮機構作動量MVは、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pに位置する場合に「0」となるので、伸縮機構作動量MVが「0」となる位置から可動子126の位置までの距離を示している。図5の原点Oは、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pにある状態を示している。図5のθ1は、出力軸32が所定回転角度θ1回転した結果、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pにある状態を示している。
マイクロコンピュータ58は、ワイパモータ18の出力軸32が回転を始めると、絶対角センサ114で検知した出力軸32の回転角度と伸縮機構作動量マップとを照合する。かかる照合により、図5の曲線190で示された角度から、絶対角センサ114で検知した出力軸回転角度θAに対応する伸縮機構作動量MVを算出し、算出した伸縮機構作動量MVになるように伸縮機構120の可動子126の移動量を制御する。
より具体的には、マイクロコンピュータ58は、絶対角センサ114によりワイパモータ18の出力軸32の回転角度が0°から正回転方向で変化を開始した場合を、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pからの移動を開始したと判定し、伸縮機構120の可動子126の助手席側上方(所定方向)への移動を開始させる。マイクロコンピュータ58は、前述のように、伸縮機構作動量マップを用いて出力軸32の回転角度に対応した可動子126の移動量を決定するが、マイクロコンピュータ58は、移動検出センサ118からの信号に基づいて可動子126の移動量をモニターし、伸縮機構作動量マップを用いて決定した移動量になるように伸縮機構120の動作を制御する。伸縮機構作動量マップの設定によるが、図5に示したように、出力軸回転角度θAが0°と所定回転角度θ1との間の中間回転角度θmになった場合に、可動子126の助手席側上方への移動量が所定作動量MV2となるようにする。可動子126の助手席側上方への移動量が所定作動量MV2になることで、助手席側ワイパブレード28をウィンドシールドガラス1上の助手席側上方に移動させる。
可動子126の所定方向への移動量が所定作動量MV2に達した後は、伸縮機構作動量マップに従い、可動子126を所定方向とは逆方向に移動させる。具体的には、出力軸32の回転角度が所定回転角度θ1に達して、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pに達するまでに可動子126を所定作動量MV2で所定方向とは逆方向に移動させることにより、図5の伸縮機構作動量マップに示したように、可動子126の移動量を0まで減少させる。本実施の形態の移動検出センサ118は、MRセンサ等の、対象物の移動量及び移動方向が検出可能なセンサを用いているので、可動子126が所定方向と逆方向に移動した場合には、それまでに検出した移動量が0に向かって減少する状態を検出できる。そして、かかる可動子126の移動量の減少により、助手席側ワイパブレード28は元の位置に戻される。
以上の説明は、助手席側ワイパブレード28を下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに移動させながら払拭範囲Z2を払拭させる場合である。助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに移動させながら払拭範囲Z2を払拭させる場合には、絶対角センサ114により出力軸32の回転角度が0°から逆回転方向で変化を開始した場合を、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pからの移動を開始したと判定し、伸縮機構120の可動子126の所定方向への移動を開始させ、可動子126の所定方向への移動量が所定作動量MV2に達した後は、伸縮機構作動量マップに従い、可動子126を所定方向とは逆方向に移動させる。なお、図5に示した伸縮機構作動量マップは中間回転角度θmを軸にして左右対称な曲線190となっているが、これに限定されることはない。マップの曲線はウィンドシールドガラス1の形状等に応じて、個別に設定する。
また、マイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置及び助手席側ワイパアーム24の拡大の程度に基づいて、ワイパブレードの払拭速度を変化させる等の制御を行うことも可能である。以下に、可動子126の移動量である所定作動量を大きく設定して、助手席側ワイパアーム24の拡大の程度を大きくした場合の払拭速度の制御の一例について述べる。かかる場合には、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度が中間回転角度θmに近づくにつれて、出力軸32の回転速度を徐々に減速させる。そして、出力軸32の回転角度が中間回転角度θmに達した場合、すなわち、助手席側ワイパアーム24が最大に伸長される場合に、出力軸32の回転速度が極小となるように制御する。出力軸32の回転速度の制御には、例えば、出力軸32の回転角度に応じて規定された出力軸32の回転速度のマップ等(図示せず)を用いる。また、出力軸32の回転速度に対応して、可動子126の移動速度も制御する。例えば、図5に示したような伸縮機構作動量マップを用いているのであれば、出力軸32の回転に可動子126の動作を同期できるので、出力軸32の回転速度の増減に対応して、可動子126の移動速度も制御できる。かかる制御により、助手席側ワイパアーム24を伸長させる速度と助手席側ワイパブレード28の払拭速度とを緩和でき、「助手席側ワイパアーム24が急激に伸びた」という違和感を乗員が覚えるおそれを軽減できる。
ウォッシャモータ駆動回路57は、2個のリレーRLY1、RLY2を内蔵したリレーユニット84、2個のFET86A、86Bを含んでいる。リレーユニット84のリレーRLY1、RLY2のリレーコイルはリレー駆動回路78に各々接続されている。リレー駆動回路78はリレーRLY1、RLY2のオンオフ(リレーコイルの励磁/励磁停止)を切り替える。リレーRLY1、RLY2は、リレーコイルが励磁されていない間は、共通端子84C1、84C2が第1端子84A1、84A2と各々接続している状態(オフ状態)を維持し、リレーコイルが励磁されると共通端子84C1、84C2を第2端子84B1、84B2に各々接続する状態に切り替わる。リレーRLY1の共通端子84C1はウォッシャモータ64の一端に接続されており、リレーRLY2の共通端子84C2はウォッシャモータ64の他端に接続されている。また、リレーRLY1、RLY2の第1端子84A1、84A2の各々はFET86Bのドレインに接続され、リレーRLY1、RLY2の第2端子84B1、84B2の各々は電源(+B)に接続されている。
FET86BはゲートがFET駆動回路80に接続され、ソースが接地されている。FET86Bのオンオフに係るデューティ比はFET駆動回路80によって制御される。また、FET86Bのドレインと電源(+B)との間にはFET86Aが設けられている。FET86Aは、ゲートに制御信号が入力されないのでオンオフの切り替えは行われず、寄生ダイオードをサージの吸収に用いる目的で設けられている。
リレー駆動回路78及びFET駆動回路80は、2個のリレーRLY1、RLY2とFET86Bとのオンオフを切り替えることで、ウォッシャモータ64の駆動を制御する。すなわち、ウォッシャモータ64の出力軸を所定方向に回転(正回転)させる場合、リレー駆動回路78はリレーRLY1をオンさせ(リレーRLY2はオフ)、FET駆動回路80は所定のデューティ比でFET86Bをオンさせる。上記の制御により、ウォッシャモータ64の出力軸の回転速度が制御される。
図6は、交差点220に侵入した車両222が左折しつつある状態を示した鳥瞰図の一例である。左折する車両222の運転者の視線226は、歩行者等の巻き込みを防ぐために、車両の左前方に集中する。本実施の形態では、一例として、交差点220の中心224から所定距離D以内に車両222が進入し、かつ車両222が左折する場合に、助手席側の広い視界を確保すべき状態(車両の姿勢が助手席側に変更される状態、言い換えると、運転車の視線が助手席側に変更される状態)であると判定する。かかる状況では、助手席側ワイパアーム24の動作範囲を拡大して、助手席側ワイパブレード28で払拭範囲Z2を払拭させる。所定距離Dは、一例として20〜30mであるが、かかる数値以外にも多様な値をとり得る。
以下、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100の制御について説明する。図7は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100における、車両222の左折を検知してウィンドシールドガラス1の助手席側を拡大払拭させる左折時拡大払拭処理の一例を示したフローチャートである。図7に示した一連の手順は、制御回路52内のマイクロコンピュータ58によって処理される。
図7のステップ110では、ワイパスイッチ50がオンになっているか否かを判定し、肯定判定の場合には手順をステップ112に移行させ、否定判定の場合には処理をリターンする。
ステップ112では、方向指示器スイッチ54が左折のためにオンになっているか否かを判定し、肯定判定の場合には手順をステップ114に移行させ、否定判定の場合には処理をリターンする。
ステップ114では、車両222が交差点220の中心224から所定距離D以内に侵入したか否かを判定する。車両222が交差点220に接近し、所定距離D以内に侵入しつつあるか否かは、GPS装置96によって算出された車両222の現在位置に基づいて判定する。車両222の現在位置は、GPS装置96により、GPS衛星から取得した信号に基づいて算出される。GPS装置96は、算出された車両222の現在位置をGPS装置96が備える地図データと照合し、車両222が地図データ上の交差点220の中心224から所定距離D以内に存在するか否かを判定する。
または、GPS装置96が、車両222が走行するコース及び当該コース上のランドマークとして交差点220の中心224の位置を登録可能であれば、車両222の現在位置と登録されたコース及びランドマークの位置とを照合して車両222が交差点220の中心224から所定距離D以内に存在するか否かを判定してもよい。
ステップ114で肯定判定の場合には、手順をステップ118に移行させる。ステップ114で否定判定の場合には、ステップ116で車両222の舵角が左折方向に閾値以上であるか否かを判定する。車両222の舵角は、操舵角センサ98が検知したステアリングの回転角度に基づいて車両ECU90又はマイクロコンピュータ58により算出される。ステップ116での舵角の閾値は多様な値をとり得るが、車両222が交差点220を左折するとの判断に足る角度であり、一般に車線変更等の場合よりも大きな値である。閾値の具体的な値は、車種及び車両の仕様によって異なるので、車種及び車両の仕様に応じて個別に決定する。
ステップ116で肯定判定の場合には、手順をステップ118に移行させる。ステップ116で否定判定の場合には、処理をリターンする。
ステップ118では、車速センサ92が出力した信号から算出した車両222の速度の情報を取得する。車両222の速度が車両ECU90により算出されるのであれば、マイクロコンピュータ58は、車両ECU90から車両222の速度の情報を取得する。
ステップ120では、車両222の速度が閾値速度以上か否かを判定する。閾値速度は、一例として徐行時の車両222の速度である。ステップ120で肯定判定の場合には、ステップ122で、図8(A)に示したように、助手席側ワイパアーム24の動作範囲を拡大して助手席側ワイパブレード28で払拭範囲Z2を払拭する。車両222の速度が閾値速度以上の場合に払拭範囲Z2を払拭するのは、交差点220にて信号待ち等をしているときに常に払拭範囲Z2を払拭することによる車両乗員への車両用ワイパ装置100の動作の違和感を与えることを防ぐためである。ステップ122における払拭範囲の拡大により、運転者の視野は図8(B)のように広い範囲が確保される。
ステップ122での払拭範囲Z2の払拭は、助手席側ワイパブレード28を下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作させる往動時に行われる。払拭範囲Z2を払拭した後に、助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに動作させる復動時には、図1に示した払拭範囲Z1を払拭させる通常動作を行うことにより、ウィンドシールドガラス1の広範な領域を払拭できる。なお、往動時に払拭範囲Z1を払拭させた後に、復動時に払拭範囲Z2を払拭するようにしてもよい。また、往動時及び復動時に払拭範囲Z2を払拭するようにしてもよい。
ステップ122での往動時における払拭範囲の拡大は、1以上の所定回数行われた後、処理をリターンする。所定回数は、交差点220での左折時に運転者の左前方の視界が確保されるに足る回数である。所定回数の具体的な値は、車種及び車両の仕様によって異なるので、車種及び車両の仕様に応じて個別に決定する。
または、左折の方向指示器がキャンセルされた場合、GPS装置96によって算出された車両の現在位置が交差点220の中心224から所定距離D以上離れた場合及び車両222の舵角が閾値未満になった場合の少なくともいずれか1つの場合に、ステップ122での払拭範囲の拡大を停止して処理をリターンしてもよい。
なお、ステップ120で否定判定の場合には、ステップ124で図1に示した払拭範囲Z1を払拭する通常動作を行って処理をリターンする。
以上説明したように、本実施の形態では、図7に示した左折時拡大払拭処理により、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲の拡大を要する状況である左折時に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大することができる。車両222が直進しているような場合には助手席側ワイパブレード28の払拭範囲の拡大を実行しないので、車両222の乗員が車両用ワイパ装置100の動作に違和感を覚えにくいという効果を奏する。
また、左折時に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大して運転者の視界をより広範に確保することにより、運転者が不安なく交差点220で車両222を左折させることができる。
なお、本実施の形態では、右ハンドル車を例示して説明したので、左折時に助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する制御を行っている。左ハンドル車の場合には、右折時に助手席側の視界を確保する必要がある。左ハンドル車では、図7に示した処理を、「左折」を「右折」、「方向指示器スイッチ54が左折のためにオン」を「方向指示器スイッチ54が右折のためにオン」と読み替えることにより、対応可能である。
右ハンドル車及び左ハンドル車のいずれの場合も、車両が助手席側に曲がる場合に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する制御を行うことで、運転者の視界を広範囲に確保する。
本実施の形態では、図7で示したように、左折の方向指示器がオン、かつ車両222が交差点220の中心224から所定距離D以内で、車両222の速度が閾値速度以上の場合に払拭範囲を拡大した。また、本実施の形態では、左折の方向指示器がオン、かつ車両222の舵角が閾値以上で、車両222の速度が閾値速度以上の場合に払拭範囲を拡大した。すなわち、本実施の形態では、複数の条件が合致した場合に払拭範囲を拡大するAND制御を実行している。
しかしながら、状況に応じてより迅速に助手席側ワイパブレード28の払拭範囲の拡大を開始するのであればOR制御を実行してもよい。例えば、左折の方向指示器がオン、車両222が交差点220の中心224から所定距離D以内、及び車両222の舵角が閾値以上の少なくともいずれか1つの場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態(車両の姿勢が助手席側に変更される状態、言い換えると運転者の視線が助手席側に変更される状態)であると判定して助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する。
または、左折の方向指示器がオン、車両222が交差点220の中心224から所定距離D以内、及び車両222の舵角が閾値以上の少なくともいずれか1つの場合で、かつ車両222の速度が閾値速度以上の場合に助手席側前方の視界の確保を要する状況が発生したと判定して助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大してもよい。
なお、GPS装置96によって算出された現在位置と地図情報とから所定地点へ向かうルートを設定するカーナビゲーションシステムにてルートを設定し、交差点220の中心224から所定距離D以内であり、かつカーナビゲーションシステムによる左折指示があった場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態であると判断するようにしてもよい。この場合、交差点220を直進する際に払拭範囲を拡大してしまうことを防ぐことができる。
また、カーナビゲーションシステムによる左折指示があった場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態であると判断するようにしてもよい。
なお、車載カメラ94やレーダ(図示せず)にて、助手席側にいる歩行者や助手席側にある障害物を検知して助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大してもよい。例えば、左折の方向指示器がオン、かつ助手席側に歩行者又は障害物が存在することを車載カメラ94又はレーダで検知した際に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する。これにより、車両が左折する場合でも、助手席側に歩行者又は障害物が存在しないときは助手席側ワイパブレード28の払拭範囲の拡大を実行しないので、車両222の乗員が車両用ワイパ装置100の動作に違和感を覚えにくいという効果を奏する。
また、図15に示した非払拭範囲Xの少なくとも一部の情報を取得可能なようにレインセンサ76及び車載カメラ94をウィンドシールドガラス1の車室内側の助手席側上部に設けることにより、非払拭範囲Xが汚れている(払拭範囲の拡大を要する)場合に払拭範囲の拡大を実行することができ、車両用ワイパ装置100の動作における違和感を軽減することができる。
なお、歩行者等が所持する携帯電話機等の通信機器が存在する位置を検出する受信部(図示せず)を備え、助手席側に存在する歩行者等を検知して助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大してもよい。例えば、左折の方向指示器がオン、かつ助手席側に歩行者が存在することを受信部により検知した場合に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する。これにより、車両222が左折する場合でも、助手席側に歩行者が存在しない場合には、助手席側ワイパブレード28払拭範囲を拡大しないので、車両222の乗員が車両用ワイパ装置100の動作に違和感を覚えにくいという効果を奏する。
本実施の形態では、上述のAND制御又はOR制御のような、左折時拡大払拭処理の制御の態様を運転者が適宜変更することが可能であってもよい。制御の態様を変更することにより、状況又は運転者の志向に応じた左折時拡大払拭処理が可能となる。
[第2の実施の形態]
続いて本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る車両用ワイパ装置の構成は、図1〜4に示した第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置100と同一なので、詳細な説明は省略する。
本実施の形態は、ウィンドシールドガラス1の車室内側、具体的にはバックミラーの裏側や助手席側上部等に設けられた車載カメラ94が撮影した画像のデータを画像処理することによって道路の左カーブを検知し、車両が左カーブに進入する際に助手席側前方の視界の確保を要する状況が発生したと判定して、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する。
図9(A)は、車載カメラ94が撮影した車両前方の画像の一例である。図9(A)の道路130は、左カーブと右カーブが連続する、いわゆる九十九折を呈している。道路130の左側には道路130の左側輪郭である左白線132が記され、道路130の右側には道路130の右側輪郭である右白線134が記されている。
本実施の形態では、図9(A)に示した画像データをキャニー法、微分エッジ検出法又はソーベル法等の公知の画像処理方法を用いて処理し、当該画像データから左白線132及び右白線134に係るエッジを抽出する。また、画像データ上の各画素の横方向の位置をX座標として定義し、当該画像データ上の縦方向の位置をY座標として定義する。かかる画像処理により、左白線132及び右白線134に係るエッジは、例えば、図9(B)に示したように、左白線エッジ132E及び右白線エッジ134Eのように、連続する点として抽出される。
次に、本実施の形態では、直線近似処理を行う。直線近似処理では、抽出された左白線エッジ132E及び右白線エッジ134Eをハフ(Hough)変換を用いて直線近似し、白線と推定される線に沿った近似直線132L、134Lを求める。
さらに、求めた近似直線132L、134Lの交点PN のX座標値(XN )を求め、求めた交点PN のX座標値(XN と画像データ中央のX座標値(X0 )との水平方向の変位量A(A=XN −X0 )を求める。図9(B)のX座標は左から右に向かってXの値が大きくなるので、図9(B)の場合はX0<XNであり、Aは正の値になる。閾値は、カーブの曲率が大きく、運転者の助手席側前方の視界確保が重要な場合を想定して、実車での走行試験等を通じて具体的に決定する。
そして、算出した変位量Aが所定の閾値以上の場合に、車両222は左カーブに進入する状況であると判定し、助手席側ワイパブレード28を図1、図8(A)に示した払拭範囲Z2で払拭させるように、ワイパモータ18の回転及び伸縮機構120の往復運動を制御する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、左カーブを通過する等の払拭範囲の拡大を要する状況おいて、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大して、運転者の視界をより広範に確保する事が可能になる。
払拭範囲の拡大は、第1の実施の形態のように、車両222の速度が閾値速度以上の場合に実行してもよい。車両222が低速の場合には、払拭範囲の拡大は必ずしも要しないからである。
図10は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100における、車両222の前方の左カーブ(助手席側のカーブ)を検知してウィンドシールドガラス1の助手席側を拡大払拭させる左折時拡大払拭処理の一例を示したフローチャートである。図10に示した一連の手順は、制御回路52内のマイクロコンピュータ58によって処理される。
ステップ140では、車載カメラ94が撮影した画像データを取得し、ステップ142では、画像データをキャニー法、微分エッジ検出法又はソーベル法等の公知の画像処理方法を用いて処理し、当該画像データから左白線132及び右白線134に係るエッジを抽出する。
ステップ144では、エッジを抽出した画像データ上にX、Yの座標を設定し、ステップ146では、抽出された左白線エッジ132E及び右白線エッジ134Eをハフ変換により直線近似し、白線と推定される線に沿った近似直線132L、134Lを算出する。
ステップ148では、近似直線132L、134Lの交点PN のX座標値(XN )を算出し、交点PN のX座標値(XN と画像データ中央のX座標値(X0 )との水平方向の変位量A(A=XN −X0 )を算出する。
ステップ150では、変位量Aが閾値以上か否かを判定する。ステップ150で肯定判定の場合には、ステップ152で、図8(A)に示したように、助手席側ワイパアーム24の動作範囲を拡大して助手席側ワイパブレード28で払拭範囲Z2を払拭する。
ステップ152での払拭範囲Z2の払拭は、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する往動時に行われる。払拭範囲Z2を払拭した後に、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに動作する復動時には、図1に示した払拭範囲Z1を払拭する通常動作を行うことにより、ウィンドシールドガラス1の広範な領域を払拭できる。なお、往動時に払拭範囲Z1を払拭して、復動時に払拭範囲Z1を払拭してもよい。また、往復動時に払拭範囲Z2を払拭してもよい。
ステップ152での往動時における払拭範囲の拡大は、1以上の所定回数行われた後、処理をリターンする。所定回数は、左カーブ通過時に運転者の左前方の視界が確保されるに足る回数ある。所定回数の具体的な値は、車種及び車両の仕様によって異なるので、車種及び車両の仕様に応じて個別に決定する。
なお、ステップ150で否定判定の場合には、ステップ154で図1に示した払拭範囲Z1を払拭する通常動作を行って処理をリターンする。
本実施の形態で説明した車載カメラ94によって取得した画像データの画像処理によって左カーブを検出する制御と共に、第1の実施の形態で説明した、車両222が交差点220で左折するか否かを判定する制御を組み合わせてもよい。本実施の形態と、第1の実施の形態とを組み合わせることにより、交差点220及び道路130の左カーブの各々に対応した払拭範囲の拡大の制御が可能になる。
また、本実施の変形例として、車載カメラ94とは別に車両222の車室内の運転者の顔を撮影する車室内カメラ(図示せず)を備えてもよい。車室内カメラが取得した画像データを上述のような公知の方法で運転者の顔のエッジを検出することにより、運転者の顔の向き及び視線の方向の少なくともいずれか1つを検出し、運転者の顔の向き及び視線の方向が車両222の左前方(助手席側)に向けられている場合に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大するようにしてもよい。
運転者の顔の向き及び視線の方向の少なくともいずれかに基づいて助手席側ワイパブレード28の払拭範囲の拡大の要否を判定することにより、払拭範囲の拡大を状況に応じて効果的に実行することが可能になる。
なお、本実施の形態では、右ハンドル車を例示して説明したので、左カーブの通過時に助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する制御を行っている。左ハンドル車の場合には、右カーブの通過時に助手席側の視界を確保する必要がある。左ハンドル車では、以上の処理を、「左カーブ」を「右カーブ」、「算出した変位量Aが所定の閾値を超える場合」を「算出した変位量Aが負の値であり、かつその絶対値が所定の閾値を超える場合」と読み替えることにより、対応可能である。
右ハンドル車及び左ハンドル車のいずれの場合も、車両が助手席側に曲がる場合に、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大する制御を行うことで、運転者の視界を広範囲に確保する。
[第3の実施の形態]
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200の構成の一例を示した概略図である。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して、ウォッシャ装置170のノズル、ウォッシャ液が圧送されるホース及びウォッシャ液を圧送するウォッシャポンプ166が相違する。しかしながら、他の構成については、第1の実施の形態と同一なので、ノズル、ホース及びウォッシャポンプ166以外の構成の詳細な説明は省略する。
本実施の形態は、運転席側ワイパアーム26の先端部の上反転位置P1Dに対向する側(運転席側ワイパアーム26の往動側)に運転席側往動時ノズル174ADを、運転席側ワイパアーム26の先端部の下反転位置P2Dに対向する側(運転席側ワイパアーム26の復動側)に運転席側復動時ノズル174BDを、各々備えている。
また、本実施の形態では、助手席側ワイパアーム24の先端部の上反転位置P1Pに対向する側(助手席側ワイパアーム24の往動側)に助手席側往動時ノズル174APを、助手席側ワイパアーム24の先端部の下反転位置P2Pに対向する側(助手席側ワイパアーム24の復動側)に助手席側復動時ノズル174BPを、各々備えている。
運転席側往動時ノズル174AD及び助手席側往動時ノズル174APは、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2D、P2Pから上反転位置P1D、P1Pまで各々払拭する往動時に往動時噴射方向176Aで各々ウォッシャ液を噴射する。
運転席側復動時ノズル174BD及び助手席側復動時ノズル174BPは、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1D、P1Pから下反転位置P2D、P2Pまで各々払拭する復動時に復動時噴射方向176Bで各々ウォッシャ液を噴射する。
ウォッシャ液タンク68内のウォッシャ液は、ウォッシャポンプ166により、往動時は往動時噴射用ホース172Aに、復動時には復動時噴射用ホース172Bに圧送される。往動時噴射用ホース172Aは、図11に示した分岐部178で、運転席側往動時噴射用ホース172ADと助手席側往動時噴射用ホース172APとに分岐する。また、復動時噴射用ホース172Bは、図11に示した分岐部178で、運転席側復動時噴射用ホース172BDと助手席側復動時噴射用ホース172BPとに分岐する
運転席側往動時噴射用ホース172AD及び運転席側復動時噴射用ホース172BDは、図11に示したように、運転席側ワイパアーム26の内部に配設されている。また、助手席側往動時噴射用ホース172AP及び助手席側復動時噴射用ホース172BPは、図11に示したように、助手席側ワイパアーム24の内部に配設されている。
運転席側往動時噴射用ホース172ADは運転席側往動時ノズル174ADに、運転席側復動時噴射用ホース172BDは運転席側復動時ノズル174BDに、助手席側往動時噴射用ホース172APは助手席側往動時ノズル174APに、助手席側復動時噴射用ホース172BPは助手席側復動時ノズル174BPに、各々接続されている。
運転席側往動時噴射用ホース172AD、運転席側復動時噴射用ホース172BD、助手席側往動時噴射用ホース172AP及び助手席側復動時噴射用ホース172BPは、運転席側ワイパアーム26及び助手席側ワイパアーム24の動作によって屈曲及び引張の応力が作用するおそれを回避するために、十分かつ適切な長さで各々配設されることが望ましい。特に本実施の形態では、助手席側ワイパアーム24は、拡大払拭時に上方に向かって移動するので、当該移動によっても、無理な応力が作用しないように助手席側往動時噴射用ホース172AP及び助手席側復動時噴射用ホース172BPの長さを決定することが望ましい。
また、往動時噴射用ホース172A、復動時噴射用ホース172B、運転席側往動時噴射用ホース172AD、運転席側復動時噴射用ホース172BD、助手席側往動時噴射用ホース172AP及び助手席側復動時噴射用ホース172BPの材質は、屈曲及び引張に対して強靭であり、かつ柔軟性を有する合成ゴム又は合成樹脂等であることが望ましい。
ウォッシャモータ64は、往動時と復動時とで回転方向を逆転させて、往動時は運転席側往動時ノズル174AD及び助手席側往動時ノズル174APから、復動時は運転席側復動時ノズル174BD及び助手席側復動時ノズル174BPから、各々ウォッシャ液を噴射するようにウォッシャポンプ166を駆動させる。
図12は、本実施の形態に係るウォッシャポンプ166の一例を示す断面図である。本実施の形態に係るウォッシャポンプ166は、ウォッシャモータ64で駆動されるタービン166Aを備えたターボポンプの一種である。タービン166Aは、往動時には矢印往動時方向に、復動時には矢印復動時方向に、各々駆動させる。
タービン166Aが駆動されることにより、吸入口166Cからウォッシャ液タンク68内のウォッシャ液がポンプハウジング166B内に吸引される。そして、タービン166Aが矢印往動時方向に駆動された場合には往動時吐出口166Dから、タービン166Aが矢印復動時方向に駆動された場合には復動時吐出口166Eに、ポンプハウジング166B内のウォッシャ液が吐出される。往動時吐出口166Dは、往動時噴射用ホース172A等を介して運転席側往動時ノズル174AD及び助手席側往動時ノズル174APに、復動時吐出口166Eは復動時噴射用ホース172B等を介して運転席側復動時ノズル174BD及び助手席側復動時ノズル174BPに、各々接続されている。従って、ウォッシャ液は、タービン166Aが矢印往動時方向に駆動されると運転席側往動時ノズル174AD及び助手席側往動時ノズル174APから、タービン166Aが矢印復動時方向に駆動されると運転席側復動時ノズル174BD及び助手席側復動時ノズル174BPから、各々噴射される。
本実施の形態に係るウォッシャポンプ166は、図12に示したように、ゴム又は合成樹脂等の弾性体で構成された弁166Fを有している。弁166Fは、タービン166Aが圧送してきたウォッシャ液の圧力でたわみ、往動時ウォッシャ液入口166G又は復動時ウォッシャ液入口166Hを閉塞する。
例えば、タービン166Aが矢印往動時の方向に駆動された場合には、往動時ウォッシャ液入口166G側の圧力が高まることで弁166Fが復動時ウォッシャ液入口166H側にたわんで当該復動時ウォッシャ液入口166Hを閉塞する。また、タービン166Aが矢印復動時の方向に駆動された場合には、復動時ウォッシャ液入口166H側の圧力が高まることで弁166Fが往動時ウォッシャ液入口166G側にたわんで当該往動時ウォッシャ液入口166Gを閉塞する。その結果、タービン166Aが駆動される方向を正回転又は逆回転させることにより、ウォッシャ液を往動時噴射用ノズル(運転席側往動時ノズル174AD、助手席側往動時ノズル174AP)又は復動時噴射用ノズル(運転席側復動時ノズル174BD、助手席側復動時ノズル174BP)から選択的に噴射させる。
ウォッシャポンプ166を駆動するウォッシャモータ64の駆動回路56の構成は、図4に示した第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、駆動回路56を以下のように動作させて、ウォッシャモータ64を正回転及び逆回転させる。なお、本実施の形態では、ウォッシャモータ64は、往動時に正回転、復動時に逆回転する。
ウォッシャモータ64を正回転させる場合には、リレー駆動回路78はリレーRLY1をオンさせ(リレーRLY2はオフ)、FET駆動回路80は所定のデューティ比でFET86Bをオンさせる。ウォッシャモータ64を逆回転させる場合には、リレー駆動回路78はリレーRLY2をオンさせ(リレーRLY1はオフ)、FET駆動回路80は所定のデューティ比でFET86Bをオンさせる。
なお、本実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、1つのウォッシャモータと1つのウォッシャポンプとで構成されているが、ウォッシャモータ及びウォッシャポンプを、往動時用と復動時用とで、各々専用のものを備えてもよい。
続いて本実施の形態の作用について説明する。ウォッシャ液のノズルがウィンドシールドガラス1の下方に設けられた第1の実施の形態の車両用ワイパ装置100では、図13(A)に示したように、運転席側ノズル74Aから噴射されたウォッシャ液は、例えば、着水領域180Aに付着する。また、助手席側ノズル74Bから噴射されたウォッシャ液は、例えば、着水領域180Bに付着する。
着水領域180A、180Bは、いずれもウィンドシールドガラス1の一部分である。従って、払拭範囲H1及び払拭範囲Z2の全域にウォッシャ液を付着させることが達成できていない。
図13(B)は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200の往動時でのウォッシャ液噴射の一例を示した概略図である。図13(B)では、ウォッシャ液は、運転席側往動時ノズル174AD及び助手席側往動時ノズル174APの各々から往動時噴射方向176Aにウォッシャ液が噴射されている。噴射されたウォッシャ液は、各々往動している、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28により、付着領域182A、182Bに各々塗り広げられる。
運転席側往動時ノズル174ADからウォッシャ液を噴射させながら運転席側ワイパブレード30が上反転位置P1Dに達すると、付着領域182Aは払拭範囲H1の全域に及ぶ。また、助手席側往動時ノズル174APからウォッシャ液を噴射させながら助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pに達すると、付着領域182Bは払拭範囲Z2の全域に及ぶ。
復動時には、運転席側復動時ノズル174BDからウォッシャ液を噴射させながら運転席側ワイパブレード30で払拭範囲H1を払拭させると共に、助手席側復動時ノズル174BPからウォッシャ液を噴射させながら助手席側ワイパブレード28で払拭範囲Z1を払拭させる。
その結果、上述の往動時の動作及び復動時の動作により、ウォッシャ液を払拭範囲H1、Z1、Z2に付着させることができ、ウィンドシールドガラス1の略全面に相当する広範な領域をウォッシャ液で洗浄することが可能となる。
また、より効果的にウィンドシールドガラス1を洗浄するために、運転席側ワイパブレード30が上反転位置P1Dに助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pに各々到達した際に、各ワイパブレードの払拭動作を所定時間停止させて、運転席側復動時ノズル174BD及び助手席側復動時ノズル174BPからウォッシャ液を噴射させてもよい。
また、往動時に助手席側ワイパアーム24がウィンドシールドガラス1の助手席側上方の角に向かって最大に伸長された際に、払拭動作を所定時間停止させて、助手席側往動時ノズル174APからウォッシャ液を噴射させることによって、より効果的にウィンドシールドガラス1を洗浄するようにしてもよい。
本実施の形態におけるウォッシャ液を噴射させながらの往動復動の動作は、ウォッシャスイッチ62が操作された場合に実行されるが、ウィンドシールドガラス1の車室内側、具体的にはバックミラーの裏側や助手席側上部等に設けられたレインセンサ76により、ウィンドシールドガラス1上に雨滴、汚れ、雪又は霜等を検知した場合に、自動的に実行されるようにしてもよい。または、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態で、助手席側前方の視界の確保を要する状況が発生したと判定された場合に、ウォッシャ液を噴射させてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、払拭範囲を拡大可能な車両用ワイパ装置100において、運転席側ワイパアーム26及び助手席側ワイパアーム24の先端部に往動時用及び復動時用のウォッシャ液噴射ノズルを各々設けている。往動時には、往動時用のウォッシャ液噴射ノズルからウォッシャ液を噴射させて助手席側ワイパブレード28の払拭範囲をウィンドシールドガラス1の助手席側上方に拡大させ、復動時には、復動時用のウォッシャ液噴射ノズルからウォッシャ液を噴射させて助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大させずにウィンドシールドガラス1を払拭させることにより、ウィンドシールドガラス1上の広範囲にウォッシャ液を迅速に行き渡らせることが可能となる。
なお、本実施の形態では、運転席側ワイパアーム26の先端部の上反転位置P1Dに対向する側(運転席側ワイパアーム26の往動側)に運転席側往動時ノズル174ADを、運転席側ワイパアーム26の先端部の下反転位置P2Dに対向する側(運転席側ワイパアーム26の復動側)に運転席側復動時ノズル174BDを、各々備えているが、これに限定されるわけではない。例えば、運転席側往動時ノズル174AD及び運転席側復動時ノズル174BDを運転席側ワイパアーム26の先端側(運転席側ワイパアーム26の長手方向中間部より先端側)に設けてもよい。また、運転席側往動時ノズル174ADを運転席側ワイパアーム26の先端部に設け、運転席側復動時ノズル174BDを運転席側ワイパアーム26の先端側に設けてもよい。
また、本実施の形態では、助手席側ワイパアーム24の先端部の上反転位置P1Pに対向する側(助手席側ワイパアーム24の往動側)に助手席側往動時ノズル174APを、助手席側ワイパアーム24の先端部の下反転位置P2Pに対向する側(助手席側ワイパアーム24の復動側)に助手席側復動時ノズル174BPを、各々備えているが、これに限定されるわけではない。例えば、助手席側往動時ノズル174AP及び助手席側復動時ノズル174BPを助手席側ワイパアーム24の先端側(助手席側ワイパアーム24の長手方向中間部より先端側)に設けてもよい。また、助手席側往動時ノズル174APを助手席側ワイパアーム24の先端部に設け、助手席側復動時ノズル174BPを助手席側ワイパアーム24の先端側に設けてもよい。
なお、本実施の形態は、助手席側ワイパブレード28の払拭進行方向側のノズル(助手席側往動時ノズル174APと助手席側復動時ノズル174BPとの一方)から洗浄液を噴射する構成であるが、往動時に助手席側ワイパアーム24が備える助手席側往動時ノズル174AP及び助手席側復動時ノズル174BPから洗浄液を噴射してもよい。また、復動時に助手席側ワイパアーム24が備える助手席側往動時ノズル174AP及び助手席側復動時ノズル174BPから洗浄液を噴射してもよい。この場合ウォッシャポンプの構成の簡素化を図ることができる。また、同様に運転席側ワイパブレード30が往復動する時に、運転席側往動時ノズル174AD及び運転席側復動時ノズル174BDから洗浄液を噴射してもよい。
なお、本発明の実施の形態の各々は、ワイパモータ18の出力軸32が正逆(往復)回転可能に制御されていたが、これに限定されることはない。例えば、出力軸32が一方向に回転するものでもよい。
なお、本実施の形態は、ワイパモータ18の出力軸32の回転により、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1D、P1Pと下反転位置P2D、P2Pとの間で移動させていたが、これに限定されることはない。例えば、ワイパモータ18として「運転席側ワイパモータ」と「助手席側ワイパモータ」とを備え、運転席側ワイパモータの回転によって運転席側ワイパブレード30を上反転位置P1Dと下反転位置P2Dとの間で移動させ、助手席側ワイパモータの回転によって助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1Pと下反転位置P2Pとの間で移動させる構造でもよい。
なお、本実施の形態では、運転席側ワイパブレード30と助手席側ワイパブレード28とが下反転位置P2D、P2Pにて車幅方向に重ならない構造になっていたが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード28の運転席側ワイパブレード30側を長く設定してもよい。換言すると、助手席側ワイパブレード28の運転席側ワイパブレード30側が、当該運転席側ワイパブレード30の助手席側ワイパブレード28側と重なるように助手席側ワイパブレード28の長さを設定してもよい。これにより、往復動時に払拭範囲Z2を払拭する際に、ウィンドシールドガラスの中央下側に残る払拭不能領域を少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、出力軸32の所定回転角度における中間角度付近までの間で助手席側ワイパアーム24(助手席側ワイパブレード28)を伸長させ、中間角度付近から所定回転角度までの間で助手席側ワイパアーム24(助手席側ワイパブレード28)を縮小させる制御を行ったが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに向かって払拭する際(往動払拭時)に、助手席側ワイパアーム24が徐々に伸長するように制御してもよい。
なお、本実施の形態では、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度と伸縮機構120の作動量とを用いた実施の形態を説明したが、これに代えて出力軸32の回転位置と可動子126の回転位置とを用いたものとしてもよい。
なお、本発明の実施の形態の各々では、払拭範囲の拡大は、1以上の所定回数行われた後、処理をリターンするとしたが、これに限定されることはない。例えば、払拭範囲の拡大が1以上の所定回数行われたにもかかわらず、非払拭範囲Xの汚れ等が除去されていない場合は、除去不能な状況(凍結又は内面曇り)と判断し、所定期間払拭範囲の拡大を実行しないように制御してもよい。かかる制御により、凍結又は内面曇り等の払拭範囲を拡大しても除去不能な状況の場合に払拭範囲の拡大を実行しないので、車両用ワイパ装置100の動作における違和感を抑制することができる。
なお、本発明の実施の形態の各々では、助手席側の広い視野を確保すべき状況で、払拭範囲Z2を払拭するようにワイパモータ18及び伸縮機構120を制御したが、上記制御の実行をキャンセルすることができる「自動拡大切替えスイッチ」を別途備えていてもよい。自動拡大切替えスイッチを備えることで、助手席側の広い視野を確保すべき状況でも払拭範囲の拡大を実行せずに払拭範囲Z1の払拭を行うことができる。車両222の乗員が払拭範囲の拡大が不要と考える場合に、払拭範囲の拡大(払拭範囲Z2の払拭)を実行しないため、車両用ワイパ装置100の動作における違和感を抑制することができる。自動拡大切替えスイッチを設ける位置に限定はないが、ハンドル等の運転者に近い位置に設けられることが望ましい。
[第4の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は、伸縮機構230が助手席側ワイパアーム24のピボット軸42の近くに設けられている点で、第1〜3の実施の形態と相違するが、その他の構成については、第1〜3の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
図16は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置の伸縮機構230の一例を示した概略図である。図16に示したように、本実施の形態の伸縮機構230は、助手席側ワイパアーム24を望遠鏡状に伸縮させる機構であり、一端がピボット軸42に連結され、内部に電磁石列230Aを備えた固定子である外部筒24Bと、永久磁石列230Bを備えた可動子である内部筒24Aと、を含み、ゴム等の弾性体で構成されたシール部材234によって伸縮機構230の内部の機構が保護されている。外部筒24Bの内部に入り込んだ水は、排水孔236を介して外部筒24Bの外に排出される。
永久磁石列230Bは、電磁石列230Aに面した側の磁極が交互に異なるように複数の永久磁石が配置されている。従って、電磁石列230Aが励磁されると、電磁石列230Aの磁界と永久磁石列230Bとの磁界の吸引及び反発による相互作用により、内部筒24Aは、外部筒24Bに対して図16の矢印D方向または矢印E方向に移動する、いわゆる往復運動を行う。
外部筒24B内には、移動検出センサ232が設けられている。移動検出センサ232は、可動子である内部筒24Aの移動に伴って変化する永久磁石列230Bの磁界を検出し、電気信号に変換して制御回路52に出力する。
マイクロコンピュータ58は、第1の実施の形態で説明したように、出力軸32の回転角度から算出した運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置に基づいて、内部筒24Aの移動量を制御することにより、ワイパモータ18と伸縮機構230との各々の動作を同期させる。
以上説明したように、本実施の形態では、伸縮機構230を助手席側ワイパアーム24が搖動する支点であるピボット軸42近くに設けられるので、第1の実施の形態及び第2の実施の形態よりも、助手席側ワイパアーム24の揺動による遠心力が伸縮機構230に作用しにくくなり、伸縮機構230をより安定して動作させることができる。
また、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を払拭する助手席側ワイパブレード28近くに設けられた第1の実施の形態及び第2の実施の形態の伸縮機構120よりも、本実施の形態に係る伸縮機構230は、助手席側ワイパブレード28から離れた位置に設けられるので、内部機構に雨水が侵入するおそれが軽減できる。
以上、第4の実施の形態について説明したが、本願は、上記に限定されるものではなく、上記以外にも、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。例えば、第1の実施の形態と第2の実施の形態と第3の実施の形態と第4の実施の形態とを適宜組み合わせることが可能である。
1…ウィンドシールドガラス(ウィンドシールド)、1A…遮光部、1B…脚、1C…角、14,16…ワイパ、18…ワイパモータ、20…リンク機構、24…助手席側ワイパアーム、24A…内部筒、24B…外部筒、24P…固定軸、26…運転席側ワイパアーム、28…助手席側ワイパブレード、30…運転席側ワイパブレード、32…出力軸、34…クランクアーム、36…第1リンクロッド、38…ピボットレバー、40…ピボットレバー、42,44…ピボット軸、46…第2リンクロッド、48…減速機構、50…ワイパスイッチ、52…制御回路、54…方向指示器スイッチ、56…駆動回路、57…ウォッシャモータ駆動回路、58…マイクロコンピュータ、60…メモリ、62…ウォッシャスイッチ、64…ウォッシャモータ、66…ウォッシャポンプ、68…ウォッシャ液タンク、70…ウォッシャ装置、72A…運転席側ホース、72B…助手席側ホース、74A…運転席側ノズル、74B…助手席側ノズル、76…レインセンサ、78…リレー駆動回路、80…FET駆動回路、84…リレーユニット、84A1,84A2…第1端子、84B1,84B2…第2端子、84C1,84C2…共通端子、90…車両ECU、92…車速センサ、94…車載カメラ、94L…左撮像部、94R…右撮像部、96…GPS装置、98…操舵角センサ、100…車両用ワイパ装置、102…機能エリア、104…第1プリドライバ、106…第2プリドライバ、108…ワイパモータ駆動回路、110…伸縮機構駆動回路、112…出力軸端部、112A…センサマグネット、114…絶対角センサ、118…移動検出センサ、120…伸縮機構、120A…固定子、120B…永久磁石列、120C…コイル、120H…ハウジング、120R…案内機構、122…ブレードラバー、122A…基端部、124…バッキング、126…可動子、126A…バッキング保持部、126B…ブレードラバー保持部、126R…ガイドレール、130…道路、132…左白線、132E…左白線エッジ、132L…近似直線、134…右白線、134E…右白線エッジ、150D,150P…ワイパアーム、152D,152P…ピボット軸、154D,154P…ワイパブレード、156D…払拭範囲、158…非払拭範囲、166…ウォッシャポンプ、166A…タービン、166B…ポンプハウジング、166C…吸入口、166D…往動時吐出口、166E…復動時吐出口、166F…弁、166G…往動時ウォッシャ液入口、166H…復動時ウォッシャ液入口
170…ウォッシャ装置、172A…往動時噴射用ホース、172AD…運転席側往動時噴射用ホース、172AP…助手席側往動時噴射用ホース、172B…復動時噴射用ホース、172BD…運転席側復動時噴射用ホース、172BP…助手席側復動時噴射用ホース、174AD…運転席側往動時ノズル、174AP…助手席側往動時ノズル、174BD…運転席側復動時ノズル、174BP…助手席側復動時ノズル、176A…往動時噴射方向、176B…復動時噴射方向、178…分岐部、180A,180B…着水領域、182A,182B…付着領域、190…曲線、200…車両用ワイパ装置、220…交差点、222…車両、224…中心、226…視線、230…伸縮機構、230A…電磁石列、230B…永久磁石列、232…移動検出センサ、234…シール部材、236…排水孔、RLY,RLY2…リレー、θ1…所定回転角度、θA…出力軸回転角度、θm…中間回転角度、θ1…回転角度、A…変位量、D…所定距離、H1…払拭範囲、MV…伸縮機構作動量、MV2…所定作動量、P1D,P1P…上反転位置、P2D,P2P…下反転位置、P3D,P3D…格納位置、P4D,P4P…下反転位置、P5D,P5P…上反転位置、PN…交点、X…非払拭範囲、Z1,Z2…払拭範囲

Claims (11)

  1. 揺動されるワイパアーム、前記ワイパアームに連結されたワイパブレード、及び前記ワイパアームの揺動の支点と前記ワイパブレードの先端とを接近及び離反させる接離機構を備えたワイパのワイパアームを揺動させ、前記ワイパブレードをウィンドシールドの上反転位置と下反転位置との間で払拭動作させる第1駆動源と、
    前記接離機構を駆動して前記ワイパブレードによる前記ウィンドシールドの払拭範囲を変更する第2駆動源と、
    助手席側の広い視界を確保すべき状態で、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う制御部と、
    を含む車両用ワイパ装置。
  2. 前記制御部は、助手席側の広い視界を確保すべき状態で、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じて、前記第2駆動源の作動量を0から所定値の間で変化させて前記接離機構を駆動するように前記第2駆動源の制御を行う請求項1に記載の車両用ワイパ装置。
  3. 前記制御部は、前記ワイパブレードが、前記上反転位置及び前記下反転位置のいずれかに到達してから前記上反転位置と前記下反転位置との中間位置に到達するまでの間に、前記第2駆動源の作動量を0から所定値まで変化させる払拭範囲拡大制御を行うと共に、前記ワイパブレードが、前記中間位置に到達してから前記上反転位置及び前記下反転位置のいずれかに到達するまでの間に、前記第2駆動源の作動量を所定値から0まで変化させる収束制御を行う請求項2に記載の車両用ワイパ装置。
  4. 衛星から受信した信号に基づいて車両の現在位置を算出する車両位置測位部をさらに含み、
    前記制御部は、前記車両位置測位部で算出された現在位置が交差点の中心から所定距離以内の場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  5. 衛星から受信した信号に基づいて車両の現在位置を算出する車両位置測位部をさらに含み、
    前記制御部は、前記車両位置測位部により算出された現在位置と地図情報とから所定地点へ向かうルートを設定するカーナビゲーションシステムにてルートを設定し、当該カーナビゲーションシステムによる左折指示があった場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  6. 前記制御部は、車両の方向指示器スイッチから入力された信号が車両が助手席側に曲がることを示した場合に助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1〜5のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  7. 前記制御部は、車両の操舵角センサによって検知された車両の助手席側への舵角が閾値角度以上の場合に、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1〜6のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  8. 車両の前方の画像を取得する撮影部をさらに含み、
    前記制御部は、前記撮影部によって取得された画像から道路の輪郭を抽出し、該抽出した輪郭が助手席側への屈曲を示した場合に、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1〜7いずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  9. 車両の速度を検知する車速検知部をさらに含み、
    前記制御部は、助手席側の広い視界を確保すべき状態であり、かつ前記車速検知部によって検知された車両の速度が閾値速度以上の場合に、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1〜8のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  10. 前記ワイパアームに設けられたノズルから洗浄液を噴射させる洗浄液噴射部をさらに含み、
    前記制御部は、助手席側の広い視界を確保すべき状態である場合は、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行うと共に前記ノズルから洗浄液を噴射させるように前記洗浄液噴射部を制御する請求項1〜9のいずれか1項記載の車両用ワイパ装置。
  11. 前記ウィンドシールドの画像データを取得する撮影部と、
    前記ウィンドシールドに赤外線を照射し、該赤外線の反射量または透過量に基づいて前記ウィンドシールドの表面の付着物を検知する光学検知部と、
    をさらに含み、
    前記撮影部及び前記光学検知部は前記ウィンドシールドの車室内側に各々設けられ、
    前記制御部は、前記撮影部が取得した画像データと前記光学検知部の検知結果とに基づいて、助手席側の広い視界を確保すべき状態と判定し、前記ワイパブレードの前記ウィンドシールド上の位置に応じた前記第2駆動源の制御を行う請求項1記載の車両用ワイパ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111976654A (zh) * 2019-05-30 2020-11-24 宁波市鄞州乐可机电科技有限公司 一种挡雨装置
CN114559905A (zh) * 2022-04-18 2022-05-31 山东理工大学 一种可伸缩式多功能雨刷器

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