JP2018095045A - 車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法 - Google Patents

車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】払拭範囲への雨垂れを防止する車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法を提供する。【解決手段】マイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36をウィンドシールドガラス1上の異なる2つの反転位置間で払拭動作させる第1モータ11の回転に同期させて第2モータ12の回転を制御して、助手席側ワイパアーム35に設けられた伸縮機構を作動させて助手席側ワイパブレード36によるウィンドシールドガラス1の払拭範囲を可変させると共に、助手席側ワイパブレード36のラバー先端部をウィンドシールドガラス1上部の外縁部の外側に突出させるように第2モータ12の回転を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、払拭範囲を拡大できる車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法に関する。
自動車のウィンドシールドガラス等を払拭する車両用ワイパ装置は、ワイパブレードが取り付けられたワイパアームをワイパモータによって下反転位置と上反転位置との間を往復動作させている。ワイパアームの動作の軌跡は、多くの場合、ワイパアームのピボット軸を中心とした略円弧状である。従って、ワイパブレードがウィンドシールドガラス等を払拭する領域である払拭範囲は、ピボット軸を中心とした略扇形を呈する。
車両用ワイパ装置は、運転者の視界確保のために、ウィンドシールドガラス上の水滴を迅速に除去することが望まれる。特許文献1には、ウィンドシールドガラスに付着する水滴の変化量を検出する水滴検出センサが設けられた車両用ワイパ装置の発明が開示されている。特許文献1に開示された車両用ワイパ装置は、水滴検出センサの検知結果に基づいて、ワイパブレードの払拭動作を自動的に制御する。特許文献1に記載の車両用ワイパ装置は、図18に示したように、先端部にワイパブレード154D、154Pが連結されたワイパアーム150D、150Pをワイパモータによって下反転位置P4D、P4Pと上反転位置P3D、P3Pとの間を往復動作させている。
特開2005−206032号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ワイパ装置は、図18に示したように、ワイパブレード154D、154Pがウィンドシールドガラス1等を払拭する領域である払拭範囲156D、156Pは、ピボット軸152D、152Pを中心とした略扇形を呈する。その結果、ウィンドシールドガラス1の助手席側の上部の角1Cを中心として、ワイパブレード154Pによって払拭されない非払拭範囲158が生じる。
非払拭範囲158には、ワイパブレード154Pが下反転位置P4Pから上反転位置P3Pを払拭する往動時に水滴が集まりやすい。非払拭範囲158に集められた水滴は、払拭範囲156Pに流下して、いわゆる雨垂れを生じさせる。かかる雨垂れは運転者の視界に悪影響を及ぼすのみならず、前述の水滴検出センサの誤作動を招来するおそれがあった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、払拭範囲への雨垂れを防止する車両用ワイパ装置及び車両用ワイパ装置の制御方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用ワイパ装置は、ワイパアームの先端部に連結されたワイパブレードがウィンドシールドを払拭するように前記ワイパアームを揺動させる第1モータと、前記ワイパアームに設けられた伸縮機構を伸縮させて前記ワイパブレードの払拭範囲を変更させる第2モータと、前記ワイパブレードの払拭動作に連動して前記伸縮機構が伸縮されると共に、前記ワイパブレードのラバー先端部が前記ウィンドシールド上部の外縁部に対応する部分を払拭する際に前記ラバー先端部が前記外縁部の外側に突出するように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する制御部と、を含んでいる。
この車両用ワイパ装置は、ワイパブレードをウィンドシールドガラスの外縁部を越えて払拭させることにより、払拭範囲への雨垂れを防止することができる。
請求項2に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1に記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、前記ラバー先端部を、前記ウィンドシールド上部側の前記外縁部の外側に突出させ、前記ウィンドシールド側部側の前記外縁部の外側には突出させないように制御する。
この車両用ワイパ装置は、ラバー先端部を、ウィンドシールド上部側の外縁部の外側に突出させることにより、払拭範囲への雨垂れを防止すると共に、ウィンドシールド側部側の外縁部の外側には突出させないように制御することにより、車幅方向へのラバー先端部の突出を防止する。
請求項3に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1又は2に記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、前記ワイパブレードが前記ウィンドシールドの上部の角部に対応する部分と上反転位置との間に位置する際に前記伸縮機構の伸長量が極大になるように制御する。
この車両用ワイパ装置は、車載センサが設けられた範囲を払拭するように、伸縮機構の伸長がウィンドシールドガラスの上部で極大となるようにする。その結果、車載センサが設けられた範囲を含む領域への雨垂れを防止することができる。
請求項4に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置において、前記制御部は、下反転位置で前記ワイパブレードを停止させる場合は、前記ワイパブレードを上反転位置で反転させた後の下反転位置方向への払拭動作で、前記ラバー先端部を前記外縁部の外側に突出させるように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する。
この車両用ワイパ装置は、払拭動作を終了する直前の上反転位置から下反転位置への払拭動作で、ワイパブレードをウィンドシールドガラスの外縁部を越えて払拭させることにより、払拭範囲への雨垂れを防止することができる。
前記課題を解決するために、請求項5に記載の車両用ワイパ装置の制御方法は、第1モータにより、ワイパアームの先端部に連結されたワイパブレードがウィンドシールドを払拭するように前記ワイパアームを揺動させる揺動ステップと、第2モータにより、前記ワイパアームに設けられた伸縮機構を伸縮させて前記ワイパブレードの払拭範囲を拡縮させる払拭範囲変更ステップと、を含む車両用ワイパ装置の制御方法であって、前記ワイパブレードの払拭動作に連動して前記伸縮機構が伸縮されると共に、前記ワイパブレードのラバー先端部が前記ウィンドシールド上部の外縁部に対応する部分を払拭する際に前記ラバー先端部が前記外縁部の外側に突出するように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する。
この車両用ワイパ装置の制御方法は、ワイパブレードをウィンドシールドガラスの外縁部を越えて払拭させることにより、払拭範囲への雨垂れを防止することができる。
請求項6に記載の車両用ワイパ装置は、請求項5に記載の車両用ワイパ装置の制御方法において、前記ラバー先端部を、前記ウィンドシールド上部側の前記外縁部の外側に突出させ、前記ウィンドシールド側部側の前記外縁部の外側には突出させないように制御する。
この車両用ワイパ装置の制御方法は、ラバー先端部を、ウィンドシールド上部側の外縁部の外側に突出させることにより、払拭範囲への雨垂れを防止すると共に、ウィンドシールド側部側の外縁部の外側には突出させないように制御することにより、車幅方向へのラバー先端部の突出を防止する。
請求項7に記載の車両用ワイパ装置は、請求項5又は6に記載の車両用ワイパ装置の制御方法において、前記ワイパブレードが前記ウィンドシールドの上部の角部に対応する部分と上反転位置との間に位置する際に前記伸縮機構の伸長量が極大になるように制御する。
この車両用ワイパ装置の制御方法は、車載センサが設けられた範囲を払拭するように、伸縮機構の伸長がウィンドシールドガラスの上部で極大となるようにする。その結果、車載センサが設けられた範囲を含む領域への雨垂れを防止することができる。
請求項8に記載の車両用ワイパ装置は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置の制御方法において、下反転位置で前記ワイパブレードを停止させる場合は、前記ワイパブレードを上反転位置で反転させた後の下反転位置方向への払拭動作で、前記ラバー先端部を前記外縁部の外側に突出させるように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する。
この車両用ワイパ装置の制御方法は、払拭動作を終了する直前の上反転位置から下反転位置への払拭動作で、ワイパブレードをウィンドシールドガラスの外縁部を越えて払拭させることにより、払拭範囲への雨垂れを防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置を含む車両用ワイパシステムの一例を示した概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の停止状態での平面図である。 図2のA−A線に沿った第2ホルダ部材の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両用ワイパ装置の動作中の平面図である。 本発明の実施の形態に係る助手席側ワイパブレードの一例を示した概略図である。 (A)は助手席側ワイパブレードの側面を示した概略図であり、(B)は助手席側ワイパブレードの基端部の拡大図である。 助手席側ワイパブレードのブレードラバーの固定方法を示した説明図である。 助手席側ワイパブレードのブレードラバーの固定方法を示した説明図である。 本発明の実施の形態に係るワイパシステムの回路を模式的に示した回路図である。 本発明の実施の形態における第1出力軸の回転角度に応じた第2出力軸の回転角度を規定した第2出力軸回転角度マップの一例を示している。 図14に示した第2出力軸回転角度マップによる払拭範囲の一例を示した概略図である。 本発明の実施の形態に係るワイパシステムにおける、拡大払拭処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るワイパシステムにおける、拡大払拭処理の簡素化された一例を示したフローチャートである。 払拭範囲を変更できない車両用ワイパ装置の一例を示した概略図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用ワイパ装置(以下、「ワイパ装置」と称する)2を含むワイパシステム100の一例を示した概略図である。図1に示したワイパシステム100は、例えば、乗用自動車等の車両に備えられた「ウィンドシールド」としてのウィンドシールドガラス1を払拭するためのものであり、一対のワイパアーム(後述する運転席側ワイパアーム17及び助手席側ワイパアーム35)と、第1モータ11と、第2モータ12と、制御回路52と、駆動回路56と、ウォッシャ装置70と、を含んで構成されている。
図1は、右ハンドル車の場合を示しているので、車両の右側(図1の左側)が運転席側、車両の左側(図1の右側)が助手席側である。車両が左ハンドル車の場合には、車両の左側(図1の右側)が運転席側、車両の右側(図1の左側)が助手席側になる。また、車両が左ハンドル車の場合には、ワイパ装置2の構成が左右反対になる。
第1モータ11は、出力軸が所定の回転角度の範囲で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパアーム17及び助手席側ワイパアーム35の各々をウィンドシールドガラス1上で往復動作させるための駆動源である。本実施の形態では、第1モータ11が正回転した場合に、運転席側ワイパアーム17は運転席側ワイパブレード18が下反転位置P2Dから上反転位置P1Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム35は助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pを払拭するように動作する。また、第1モータ11が逆回転した場合には、運転席側ワイパアーム17は運転席側ワイパブレード18が上反転位置P1Dから下反転位置P2Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム35は助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pを払拭するように動作する。
ウィンドシールドガラス1の外縁部は、可視光及び紫外線を遮るため、セラミックス系の黒色顔料が塗布された遮光部1Aとなっている。黒色顔料は、ウィンドシールドガラス1の車室内側の外縁部に塗布された後、所定温度で加熱されることにより溶融し、ウィンドシールドガラス1の車室側表面に定着される。ウィンドシールドガラス1は、外縁部に塗布された接着剤により車体に固定されるが、図1に示したように、紫外線を透過させない遮光部1Aを外縁部に設けることにより、紫外線による当該接着剤の劣化を抑制する。
後述する第2モータ12が動作しない場合には、第1モータ11の出力軸(後述する第1出力軸11A)が0°から所定の回転角度(以下、「第1所定回転角度」と称する)までの回転角度で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパブレード18は払拭範囲H1を、助手席側ワイパブレード36は払拭範囲Z1を、各々払拭する。
第2モータ12は、当該第2モータ12の出力軸(後述する第2出力軸12A)が0°から所定の回転角度(以下、「第2所定回転角度」と称する)までの回転角度で正回転及び逆回転することにより、助手席側ワイパアーム35を見かけ上伸長させる駆動源である。前述の第1モータ11が動作中に第2モータ12が動作することにより、助手席側ワイパアーム35は助手席側上方に見かけ上伸長され、助手席側ワイパブレード36は払拭範囲Z2を払拭する。また、第2所定回転角度の大きさを変更することにより、助手席側ワイパアーム35が伸長する範囲を変更することが可能となる。例えば、第2所定回転角度を大きくすれば、助手席側ワイパアーム35が伸長する範囲は大きくなり、第2所定回転角度を小さくすれば、助手席側ワイパアーム35が伸長する範囲は小さくなる。本実施の形態では、後述するように、払拭範囲Z1、Z2以外に払拭範囲Z3を払拭することが可能である。
第1モータ11及び第2モータ12は、各々の出力軸の回転方向を正回転及び逆回転に制御可能であると共に、各々の出力軸の回転速度も制御可能なモータであり、一例としてブラシ付きDCモータ及びブラシレスDCモータのいずれかである。
第1モータ11及び第2モータ12には、各々の回転を制御するための制御回路52が接続されている。本実施の形態に係る制御回路52は、例えば、第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸末端付近に設けられた「回転角検出部」としての絶対角センサ(図示せず)が検知した第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸の回転方向、回転位置、回転速度及び回転角度に基づいて、第1モータ11及び第2モータ12の各々に印加する電圧のデューティ比を算出する。
本実施の形態では、第1モータ11及び第2モータ12の各々に印加する電圧を、電源である車載バッテリの電圧(略12V)をスイッチング素子によってオンオフしてパルス状の波形に変調するパルス幅変調(PWM)によって生成する。本実施の形態でデューティ比は、PWMによって生成される電圧の波形の1周期間に対する前述のスイッチング素子がオンになったことで生じる1のパルスの時間の割合である。また、PWMによって生成される電圧の波形の1周期は、前述の1のパルスの時間と前述のスイッチング素子がオフになりパルスが生じない時間との和である。駆動回路56は、制御回路52によって算出されたデューティ比に従って駆動回路56内のスイッチング素子をオンオフさせて第1モータ11及び第2モータ12の各々に印加する電圧を生成し、生成した電圧を第1モータ11及び第2モータ12の各々の巻線の端子に印加する。
本実施の形態に係る第1モータ11及び第2モータ12の各々は、ウォームギアで構成された減速機構を有しているので、各々の出力軸の回転方向、回転速度及び回転角度は、第1モータ11本体及び第2モータ12本体の各々の回転速度及び回転角度と同一ではない。しかしながら、本実施の形態では、各モータと各減速機構とは、一体不可分に構成されているので、以下、第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸の回転速度及び回転角度を、第1モータ11及び第2モータ12の各々の回転方向、回転速度及び回転角度とみなすものとする。
絶対角センサは、例えば第1モータ11及び第2モータ12の各々の減速機構内に設けられ、各々の出力軸に連動して回転する励磁コイル又はマグネットの磁界(磁力)を電流に変換して検出するセンサであり、一例として、MRセンサ等の磁気センサである。
制御回路52は、第1モータの出力軸末端付近に設けられた絶対角センサが検出した第1モータ11の出力軸の回転角度から運転席側ワイパブレード18のウィンドシールドガラス1上での位置を算出可能なマイクロコンピュータ58を備えている。マイクロコンピュータ58は、算出した位置に応じて第1モータ11の出力軸の回転速度が変化するように駆動回路56を制御する。
また、マイクロコンピュータ58は、第1モータの出力軸末端付近に設けられた絶対角センサが検出した第1モータ11の出力軸の回転角度から助手席側ワイパブレード36のウィンドシールドガラス1上での位置を算出し、算出した位置に応じて第2モータ12の出力軸の回転速度が変化するように駆動回路56を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、第2モータ12の出力軸末端付近に設けられた絶対角センサが検出した第2モータ12の出力軸の回転角度から助手席側ワイパアーム35の伸長の程度を算出する。
制御回路52には、駆動回路56の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶した記憶装置であるメモリ60が設けられている。メモリ60は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36のウィンドシールドガラス1上の位置を示す第1モータ11の出力軸の回転角度に応じて第1モータ11及び第2モータ12の各々の出力軸の回転速度等(回転角度を含む)を算出するためのデータ及びプログラムを記憶している。
また、マイクロコンピュータ58には、車両のエンジン等の制御を統括する車両ECU(Electronic Control Unit)90が接続されている。また、車両ECU90には、ワイパスイッチ50、方向指示器スイッチ54、ウォッシャスイッチ62、レインセンサ76、車両の速度を検知する車速センサ92、車両の前方を撮影する車載カメラ94、GPS(Global Positioning System)装置96、操舵角センサ98及びミリ波レーダ102が接続されている。
ワイパスイッチ50は、車両のバッテリから第1モータ11に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ワイパスイッチ50は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36を、低速で動作させる低速作動モード選択位置、高速で動作させる高速作動モード選択位置、一定周期で間欠的に動作させる間欠作動モード選択位置、レインセンサ76が雨滴を検知した場合に動作させるAUTO(オート)作動モード選択位置、格納(停止)モード選択位置に切替可能である。また、各モードの選択位置に応じた信号を、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に出力する。
ワイパスイッチ50から各モードの選択位置に応じて出力された信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力されると、マイクロコンピュータ58がワイパスイッチ50からの出力信号に対応する制御をメモリ60に記憶されたデータ及びプログラムを用いて行う。
本実施の形態では、ワイパスイッチ50には、助手席側ワイパブレード36の払拭範囲を払拭範囲Z2に変更する拡大モードスイッチが別途設けられていてもよい。拡大モードスイッチがオンになると、所定の信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力される。マイクロコンピュータ58は、所定の信号が入力されると、例えば、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する場合に、払拭範囲Z2を払拭するように第2モータ12を制御する。
方向指示器スイッチ54は、車両の方向指示器(図示せず)の作動を指示するスイッチであり、運転者の操作により、右又は左の方向指示器をオンにするための信号を車両ECU90に出力する。車両ECU90は、方向指示器スイッチ54から出力された信号に基づいて、右又は左の方向指示器のランプを点滅させる。方向指示器スイッチ54から出力された信号は、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58にも入力される。
ウォッシャスイッチ62は、車両のバッテリからウォッシャモータ64、第1モータ11及び第2モータ12に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ウォッシャスイッチ62は、例えば、前述のワイパスイッチ50を備えたレバー等の操作手段に一体に設けられ、当該レバー等を乗員が手元に引く等の操作によりオンになる。マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになると、ウォッシャモータ64及び第1モータ11を作動させる。マイクロコンピュータ58は、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z2を払拭するように、助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z1を払拭するように第2モータ12を各々制御する。かかる制御により、ウィンドシールドガラス1の助手席側を広く払拭することが可能となる。
ウォッシャスイッチ62がオンになっている間は、ウォッシャ装置70が備えるウォッシャモータ64の回転でウォッシャポンプ66が駆動される。ウォッシャポンプ66はウォッシャ液タンク68内のウォッシャ液を運転席側ホース72A又は助手席側ホース72Bに圧送する。運転席側ホース72Aは、ウィンドシールドガラス1の運転席側の下方に設けられた運転席側ノズル74Aに接続されている。また、助手席側ホース72Bは、ウィンドシールドガラス1の助手席側の下方に設けられた助手席側ノズル74Bに接続されている。圧送されたウォッシャ液は、運転席側ノズル74A及び助手席側ノズル74Bからウィンドシールドガラス1上に噴射される。ウィンドシールドガラス1上に付着したウォッシャ液は、動作している運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36によってウィンドシールドガラス1上の汚れと一緒に払拭される。
マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになっている間のみ動作するようにウォッシャモータ64を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオフになっても運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2D、P2Pに達するまで動作を継続するように第1モータ11を制御する。さらにマイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1D、P1Pに向かって払拭している際にウォッシャスイッチ62がオフになった場合には、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36が、第1モータ11の回転により上反転位置P1D、P1Pに達するまで、払拭範囲Z2を払拭するように第2モータ12を制御する。
レインセンサ76は、例えば、ウィンドシールドガラス1の車室内側に設けられる光学センサの一種であり、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。レインセンサ76は、一例として、赤外線の発光素子であるLED、受光素子であるフォトダイオード、赤外線の光路を形成するレンズ及び制御回路を含んでいる。LEDから放射された赤外線はウィンドシールドガラス1で全反射するが、ウィンドシールドガラス1の表面に水滴が存在すると赤外線の一部が水滴を透過して外部に放出されるため、ウィンドシールドガラス1での反射量が減少する。その結果、受光素子であるフォトダイオードに入る光量が減少する。かかる光量の減少に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。
車速センサ92は、車両の車輪の回転数を検知し、当該回転数を示す信号を出力するセンサである。車両ECU90は、車速センサ92が出力した信号と車輪の周長から車速を算出する。
車載カメラ94は、車両前方を撮影し、動画像のデータを取得する装置である。車両ECU90は、車載カメラ94で取得した動画像のデータを画像処理することにより、車両がカーブに差し掛かっている等を判定することが可能である。また、車両ECU90は、車載カメラ94で取得した動画像のデータの輝度から、車両前方の明るさを算出できる。
なお、レインセンサ76及び車載カメラ94は、一例として、ウィンドシールドガラス1の車室内側の中央上部に相当する位置に設けられ、より具体的にはバックミラーの裏側等に相当する機能エリア120に設けられる。
マイクロコンピュータ58は、ワイパスイッチ50がAUTO作動モード選択位置の場合に、レインセンサ76によってウィンドシールドガラス1表面、例えば機能エリア120に水滴を検知した際に、払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するように第2モータ12を制御してもよい。
また、マイクロコンピュータ58は、ワイパスイッチ50がAUTO作動モード選択位置の場合に、車載カメラ94が取得した画像データの画素特徴量に基づいて、払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するように第2モータ12を制御してもよい。例えば、マイクロコンピュータ58は、車載カメラ94が取得した画像データにおけるウィンドシールドガラス1の払拭範囲Z1の画像特徴量と非払拭範囲Xの画像特徴量との差が所定値以上になった場合に払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するように第2モータ12を制御する。
画像特徴量は、一例として輝度値であり、マイクロコンピュータ58は、払拭範囲Z1の輝度値と非払拭範囲Xの輝度値との差が所定値以上になった場合に非払拭範囲Xに付着物が存在すると判定して払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するように第2モータ12を制御する。
また、画像特徴量は、助手席側ワイパブレード36の先端部の動きベクトルを示すオプティカルフローであり、マイクロコンピュータ58は、当該オプティカルフローが示す助手席側ワイパブレード36の動きベクトルの変化量が所定値以下になった場合に、積雪がウィンドシールドガラス1上に存在するとみなして、払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するように第2モータ12を制御する。
本実施の形態では、ワイパスイッチ50が、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36を低速で動作させる低速作動モード選択位置の場合には、原則として払拭範囲Z2を払拭し、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36を高速で動作させる高速作動モードの場合には、原則として払拭範囲Z1を払拭する。払拭動作が速い場合には、助手席側ワイパアーム35の伸長を迅速に行うことになり、助手席側ワイパアーム35を伸長させるリンク機構及び第2モータ12の負荷が大きくなると共に、助手席側ワイパアーム35の忙しない伸長がユーザに違和感を覚えさせるおそれがある。ただし、払拭範囲Z1のみを払拭すると、非払拭範囲Xに水滴が溜まりやすく、かかる水滴が払拭範囲Z1に流下して雨垂れを生じるおそれがある。本実施の形態では、ワイパスイッチ50をオフして払拭動作を停止させる場合の最後の払拭で、払拭範囲Z3を払拭して、非払拭範囲Xに溜まった水滴を除去し、払拭範囲Z1、Z2への雨垂れを防止する。なお、払拭動作の終了後に雨垂れが問題になりやすいのは、払拭範囲Z1を払拭した場合であるが、本実施の形態では、払拭範囲Z2を払拭した場合も、払拭動作停止前の最後の払拭動作では払拭範囲Z3を払拭して雨垂れを防止する。
GPS装置は、上空にあるGPS衛星から受信した測位のための信号に基づいて車両の現在位置を算出する装置である。本実施の形態では、ワイパシステム100専用のGPS装置96を用いるが、車両がカーナビゲーションシステム等の他のGPS装置を備える場合には、当該他のGPS装置を用いてもよい。
操舵角センサ98は、一例としてステアリングの回転軸(図示せず)に設けられ、当該ステアリングの回転角度を検出するセンサである。
ミリ波レーダ102は、前方の障害物までの距離を検出する前方ミリ波レーダ、前側方の障害物までの距離を検出する前側方ミリ波レーダ、後方の障害物までの距離を検出する後方ミリ波レーダ、後側方の障害物までの距離を検出する後側方ミリ波レーダを含む。
前方ミリ波レーダは、例えば、車両のフロントグリル中央付近に設けられ、前側方ミリ波レーダは、バンパ内の車幅方向両端付近等に設けられ、各々車両前方や前側方にミリ波を出射することで対象物から反射してきた電波を受信し、伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差などを基に対象物までの距離や自車との相対速度等を測定する。また、後方ミリ波レーダ及び後側方ミリ波レーダは、車両のリアバンパー等に設けられ、各々車両後方や後側方にミリ波を出射することで対象物から反射してきた電波を受信し、伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差などを基に対象物までの距離や自車との相対速度等を測定する。
以下、図2〜8を用いて、本実施の形態に係るワイパ装置2の構成を説明する。図2、図4〜8に示したように、本実施の形態に係るワイパ装置2は、板状の中央フレーム3と、中央フレーム3に一端部が固定され、中央フレーム3から車両幅方向両側に延設された一対のパイプフレーム4、5とを備える。パイプフレーム4の他端部には、運転席側ワイパアーム17の運転席側ピボット軸15等を備えた第1ホルダ部材6が形成されている。また、パイプフレーム5の他端部には、助手席側ワイパアーム35の第2助手席側ピボット軸22等が設けられた第2ホルダ部材7が形成されている。ワイパ装置2は、中央フレーム3に設けられた支持部3Aで車両に支持されると共に、第1ホルダ部材6の固定部6A及び第2ホルダ部材7の固定部7Aの各々がボルト等により車両に締結されることにより、車両に固定される。
ワイパ装置2は、中央フレーム3の裏面(車室側に対向する面)に、ワイパ装置2を駆動させるための第1モータ11と第2モータ12とを備えている。第1モータ11の第1出力軸11Aは、中央フレーム3を貫通して中央フレーム3の表面(車両の外部側の面)に突出し、第1出力軸11Aの先端部には第1駆動クランクアーム13の一端が固定されている。第2モータ12の第2出力軸12Aは、中央フレーム3を貫通して中央フレーム3の表面に突出し、第2出力軸12Aの先端部には第2駆動クランクアーム14の一端が固定されている。
第1ホルダ部材6には、運転席側ピボット軸15が回転可能に支持され、運転席側ピボット軸15の基端部(図2の奥側)には運転席側揺動レバー16の一端が固定され、運転席側ピボット軸15の先端部(図2の手前側)には運転席側ワイパアーム17のアームヘッドが固定されている。図1に示したように、運転席側ワイパアーム17の先端部には、ウィンドシールドガラス1の運転席側を払拭するための運転席側ワイパブレード18が連結されている。
第1駆動クランクアーム13の他端と運転席側揺動レバー16の他端とは、第1連結ロッド19を介して連結されている。第1モータ11が駆動されると、第1駆動クランクアーム13は回転し、その回転力が第1連結ロッド19を介して運転席側揺動レバー16に伝達されて運転席側揺動レバー16を搖動させる。運転席側揺動レバー16が搖動されることにより運転席側ワイパアーム17も搖動し、運転席側ワイパブレード18が下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間の払拭範囲H1を払拭する。
図3は、図2のA−A線に沿った第2ホルダ部材7の断面図である。図3に示したように、第2ホルダ部材7には、第1助手席側ピボット軸21が第1軸線L1を中心として回転可能に支持させると共に、第2助手席側ピボット軸22が第2軸線L2を中心として回転可能に支持されている。本実施の形態では、第1軸線L1と第2軸線L2とが同一直線L(同心)上に配置されている。なお、図3は、図2、図4〜8に示されている防水カバーKを外した状態を示している。
第2ホルダ部材7には、筒状部7Bが形成され、筒状部7Bの内周側には軸受23を介して第1助手席側ピボット軸21が回転可能に支持されている。第1助手席側ピボット軸21は筒状に形成され、第1助手席側ピボット軸21の内周側には軸受24を介して第2助手席側ピボット軸22が回転可能に支持されている。
第1助手席側ピボット軸21の基端部には、第1助手席側揺動レバー25の一端が固定され、第1助手席側ピボット軸21の先端部には、第1駆動レバー26の一端が固定されている。図2に示したように、第1助手席側揺動レバー25の他端と運転席側揺動レバー16の他端とは、第2連結ロッド27により連結されている。従って、第1モータ11が駆動されて運転席側揺動レバー16搖動すると、第2連結ロッド27が駆動力を第1助手席側揺動レバー25に伝達し、第1助手席側揺動レバー25と共に、第1駆動レバー26を第1軸線L1周りに揺動(回転)させる。
図3に示したように、第2助手席側ピボット軸22は、第1助手席側ピボット軸21よりも長く形成され、第2助手席側ピボット軸22の基端部及び先端部が第1助手席側ピボット軸21から軸方向に突出し、第2助手席側ピボット軸の基端部には、第2助手席側揺動レバー28の一端が固定され、第2助手席側ピボット軸22の先端部には、第2駆動レバー29の一端が固定されている。
第2駆動クランクアーム14の他端と第2助手席側揺動レバー28の他端とは、第3連結ロッド31によって連結されている。従って、第2モータ12が駆動されると、第2駆動クランクアーム14が回転し、第3連結ロッド31が第2駆動クランクアーム14の駆動力を第2助手席側揺動レバー28に伝達し、第2助手席側揺動レバー28と共に、第2駆動レバー29を揺動(回転)させる。前述のように第1助手席側ピボット軸21及び第2助手席側ピボット軸22は同軸に設けられているが、第1助手席側ピボット軸21及び第2助手席側ピボット軸22は互いには連動しておらず、第1助手席側ピボット軸21及び第2助手席側ピボット軸22は、各々独立して回転する。
図2、図4〜8に示したように、ワイパ装置2は、第1駆動レバー26の他端側にある第3軸線L3を中心として回転可能に基端部が連結された第1従動レバー32を備える。
ワイパ装置2は、第1従動レバー32の先端側にある第4軸線L4を中心として回転可能に基端部が連結されると共に、第2駆動レバー29の他端側にある第5軸線L5を中心として回転可能に先端側が連結された第2従動レバーであるアームヘッド33を備える。アームヘッド33は、当該アームヘッド33の先端に基端部が固定されるリテーナ34と共に助手席側ワイパアーム35を構成する。助手席側ワイパアーム35の先端部には、ウィンドシールドガラス1の助手席側を払拭するための助手席側ワイパブレード36が連結されている。
第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33は、第1軸線L1(第2軸線L2)から第3軸線L3までの長さと、第4軸線L4から第5軸線L5までの長さが同じになるように連結されている。第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33は、第3軸線L3から第4軸線L4までの長さと、第1軸線L1(第2軸線L2)から第5軸線L5までの長さが同じになるように連結されている。従って、第1駆動レバー26とアームヘッド33とが平行を保持し、かつ第2駆動レバー29と第1従動レバー32とが平行を保持することになり、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33は、略平行四辺形状のリンク機構(伸縮機構)を構成する。
第5軸線L5は、助手席側ワイパアーム35が動作する際の支点であり、助手席側ワイパアーム35は、第1モータ11の駆動力により、第5軸線L5を中心として回転することによりウィンドシールドガラス1上を往復動作する。また、第2モータ12は、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33で構成される略平行四辺形状のリンク機構を介して、第5軸線L5を、図4〜6に示したように、図2、図7及び図8の場合よりもウィンドシールドガラス1の上方に移動させる。かかる第5軸線L5の移動により、助手席側ワイパアーム35は見かけ上伸長される。従って、第1モータ11と共に第2モータ12が動作することにより、助手席側ワイパブレード36は払拭範囲Z2を払拭する。
第2モータ12が動作せずに第1モータ11のみが動作する場合には、第5軸線L5は図2、図7及び図8に示した位置(以下、「第1位置」と称する)から動かない。従って、助手席側ワイパアーム35は、位置が変化しない第5軸線L5を中心に略円弧状の軌跡を描きながら下反転位置P2Pと上反転位置P1Pの間を動作し、助手席側ワイパブレード36は略扇形の払拭範囲Z1を払拭する。
本実施の形態では、ウィンドシールドガラス1を広く払拭することを要する場合には、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する往動時(往路払拭時)に、払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するように第1モータ11及び第2モータ12を各々制御する。そして、上反転位置P1Pで反転した助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pに向かって動作する復動時(復路払拭時)に、払拭範囲Z1を払拭するように第1モータ11及び第2モータ12を各々制御する。助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間を往復する際に、往動時には払拭範囲Z2を、復動時には払拭範囲Z1を、各々払拭することにより、ウィンドシールドガラス1の幅広い範囲を払拭できる。または、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間を往復する際に、往動時には払拭範囲Z1を、復動時には払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を、各々払拭することによっても、ウィンドシールドガラス1の幅広い範囲を払拭できる。または、往動時及び復動時に、払拭範囲Z2又は払拭範囲Z3を払拭するようにしてもよい。
以下、本実施の形態に係るワイパ装置2の動作について説明する。本実施の形態では、運転席側ワイパアーム17及び運転席側ワイパブレード18は、第1モータ11の回転に従い、運転席側ピボット軸15を中心として動作するのみなので、以下では、助手席側ワイパアーム35及び助手席側ワイパブレード36の動作について詳述する。
図2は、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pに位置している状態であり、助手席側ワイパアーム35が停止位置にある状態を示している。かかる状態で、前述のウォッシャスイッチ62又は拡大モードスイッチがオンになると、制御回路52の制御により第1モータ11の第1出力軸11Aが図4に示した回転方向CC1で回転することにより、第1駆動レバー26が回転を開始し、助手席側ワイパアーム35は、第5軸線L5を中心として回転動作を開始する。同時に、第2モータ12の第2出力軸12Aも、図4に示した回転方向CC2での回転を開始する。なお、本実施の形態では、第1出力軸11Aの回転方向CC1での回転、及び第2出力軸12Aの回転方向CC2での回転を、各々の出力軸における正回転とする。
図4は、助手席側ワイパブレード36がウィンドシールドガラス1を途中(往動行程の略1/4)まで払拭した状態を示している。本実施の形態では、第1モータ11が回転方向CC1での回転を開始すると、第2モータ12の回転方向CC2での回転による駆動力が第2駆動レバー29に伝達される。第2モータ12の駆動力が伝達された第2駆動レバー29は、動作方向CW3に動作し、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5をウィンドシールドガラス1の助手席側の上方に向けて移動させる。
図5は、第1出力軸11Aが0°と第1所定角度との間の中間回転角度まで回転したことにより、第1駆動レバー26がさらに回転され、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間の行程(往動行程)の略中間点に到達した場合を示している。図5では、第2モータ12の第2出力軸12Aは、図4で示した回転方向CC2で第2所定回転角度まで回転した状態でもある。第2出力軸12Aの正回転での回転角度が最大となったことにより、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は、第2駆動クランクアーム14、第3連結ロッド31、第2助手席側揺動レバー28及び第2駆動レバー29により、最も上方の位置(第2位置)まで持ち上げられる。その結果、助手席側ワイパブレード36の先端部は、図1に示したように、ウィンドシールドガラス1の助手席側の上方の角に近い位置まで移動される。なお、前述の中間回転角度は、第1所定回転角度の半分程度であるが、ウィンドシールドガラス1の形状等に応じて、個別に設定する。なお、第2位置は、各々の拡大率において第5軸線L5が最も上方に配置される位置である。詳説すると、第2位置は、助手席側ワイパブレードが払拭範囲Z1より広い範囲(例えば、払拭範囲Z2)を払拭する際に、第1出力軸11Aが0°と第1所定角度との間の中間回転角度まで回転した時の第5軸線L5が配置される位置である。
図6は、第1駆動レバー26がさらに回転されたことにより、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間の行程(往動行程)の略3/4に達した場合を示している。図6では、第1モータ11の第1出力軸11Aの回転方向は図4、5の場合と同じだが、第2モータ12の第2出力軸12Aは、図4、5の場合とは逆の回転方向CW2で回転する(逆回転)。第2出力軸12Aが回転方向CW2で回転することにより、第2駆動レバー29は動作方向CC3で動作し、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は第2位置から下方へ移動される。その結果、助手席側ワイパブレード36は、その先端部が図1に示した払拭範囲Z2上方の破線で示された軌跡を描きながらウィンドシールドガラス1上を移動し、払拭範囲Z2を払拭する。
図7は、第1モータ11の第1出力軸11Aが第1所定回転角度まで正回転し、かつ第2モータ12の第2出力軸12Aが第2所定回転角度で逆回転した場合を示している。第1モータ11の第1出力軸11Aの正回転での回転角度が最大となったことにより、運転席側ワイパアーム17及び運転席側ワイパブレード18は、上反転位置P1Dに到達する。また、第2モータ12の第2出力軸12Aは、図5の示した状態(第2出力軸12Aが正回転にて第2所定回転角度に達した状態)から、第2所定回転角度で逆回転したことにより、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は、図2に示した第2モータ12の第2出力軸12Aが正回転を開始する前の位置である第1位置に戻っている。その結果、助手席側ワイパアーム35及び助手席側ワイパブレード36は、第2モータ12を駆動しない場合の払拭範囲Z1と同じ上反転位置P1Pに達する。
図8は、運転席側ワイパアーム17及び運転席側ワイパブレード18並びに助手席側ワイパアーム35及び助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1D、P1Pから下反転位置P2D、P2Pに移動する復動時の状態(復動行程)を示している。復動時では、第1モータ11の第1出力軸11Aは逆回転し、図2、図4〜7の場合とは逆方向の回転方向CW1で回転する。しかしながら、第2モータ12の第2出力軸12Aは回転せず、従って助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5は第1位置から移動しないので、第1モータ11の第1出力軸11Aが逆回転することにより、助手席側ワイパアーム35は略円弧状の軌跡を描く。その結果、助手席側ワイパアーム35の先端に連結された助手席側ワイパブレード36は、払拭範囲Z1を払拭する。
図9は、本実施の形態に係る助手席側ワイパブレード36の一例を示した概略図である。本実施の形態では、払拭範囲Z3を払拭する場合に、助手席側ワイパブレード36の先端部がウィンドシールドガラス1の外縁部を越えるので、外縁部との干渉によりブレードラバーが外れることを防止する構成となっている。
図9及び図10(A)に示すように、助手席側ワイパブレード36は、メインレバー213と、2つのヨークレバー214と、2つの可動カバー部材215、216(カバー部材)と、ブレードラバー217とを備えている。なお、本実施形態では、助手席側ワイパアーム35のリテーナ34からの押圧力をブレードラバー217の長手方向に分配する構成としてメインレバー213とヨークレバー214とがラバーホルダを構成している。
メインレバー213及び可動カバー部材215、216は樹脂材料よりなり、メインレバー213は助手席側ワイパブレード36の長手方向中央に、可動カバー部材215、216はメインレバー213の長手方向両側に各々配置されて助手席側ワイパブレード36の上部外殻を構成している。なお、2つの可動カバー部材215、216において、助手席側ワイパブレード36の基端側(第2出力軸12Aに近い側)に配置されるものを可動カバー部材215とし、助手席側ワイパブレード36の先端側に配置されるものを可動カバー部材216としている。
メインレバー213及び可動カバー部材215、216は、長手方向と直交する断面がウィンドシールドガラス1側に開口した略逆U字状に形成され、そのメインレバー213及び可動カバー部材215、216の下側には、ゴム材にて長尺状に形成されたブレードラバー217がメインレバー213及び可動カバー部材215、216の長手方向に沿って配置されている。なお、メインレバー213及び可動カバー部材215、216には、走行風から受ける力をウィンドシールドガラス1側への押圧力に変換するためのフィン部218が各々形成されている。
メインレバー213は、その中央部にて連結部材220(図9参照)を介して助手席側ワイパアーム35のリテーナ34の先端部と回動可能かつ着脱可能に連結されている。また、図10(A)に示すように、メインレバー213の長手方向両端部には各々回動軸部213Aが設けられ、ヨークレバー214の中央部が各回動軸部213Aに組み付けられて、メインレバー213の両端部の各々にヨークレバー214が回動可能に支持されている。なお、回動軸部213Aの軸線は、助手席側ワイパブレード36の幅方向(図10(A)における紙面直交方向)に対して平行をなしている。
各ヨークレバー214の中央部の回動連結部分よりも若干長手方向外側には、可動カバー部材215、216の基端部が各々回動軸部215A、216Aにて組み付けられており、各ヨークレバー214に対して可動カバー部材215、216が各々回動可能に支持されている。各ヨークレバー214の両端部には各々、幅方向で対をなす把持部214A(ホルダ側保持部)が形成され、その把持部214Aにてブレードラバー217を長手方向に所定間隔で把持している。
図10(B)に示すように、ブレードラバー217の幅方向両側には、長手方向に沿って延びる保持溝217Aが形成され、その保持溝217Aにヨークレバー214の各把持部214Aが挿通されている。ブレードラバー217の保持溝217Aよりも上側位置には、そのブレードラバー217と同等の長手方向長さを有する板バネ部材としての一対のバッキング219が装着されている。また、ブレードラバー217の保持溝217Aよりも下側位置には、ウィンドシールドガラス1と接触するリップ部217Bが長手方向全体に亘って基部に対して傾動可能に形成されている。なお、バッキング219は、自然状態(無負荷状態)では中央部において反払拭面側に凸となる湾曲形状に湾曲形成され、ウィンドシールドガラス1に押し当てられたときにブレードラバー217の長手方向端部側(後述する追従端部217X)が弾性追従するようになっている。
可動カバー部材215、216の先端部からやや長手方向内側の位置には、幅方向で対をなす保持爪215B、216B(カバー側保持部)が各々形成されている。各保持爪215B、216Bは、可動カバー部材215、216の幅方向両側の側壁部221から各々下方(ウィンドシールドガラス1側)に延びる延出部222と、その各延出部222の下端から幅方向内側に延びる挿入部223とを有している(図11参照)。各保持爪215B、216Bの挿入部223は、ブレードラバー217の保持溝217Aに挿通されている。これにより、保持爪215B、216Bは、保持溝217Aに対してブレードラバー217の高さ方向に係止されている。
なお、図11に示すように、各可動カバー部材215、216の先端部の裏側には、ブレードラバー217の長手方向端部の上面と当接する一対の当接壁225が、可動カバー部材215、216の上部内面から下方に延出形成されている。この当接壁225は、ブレードラバー217の端部と高さ方向に当接することで、ブレードラバー217の端部の高さ方向への湾曲によってその端部が可動カバー部材215、216内に入り込まないように規制している。
ブレードラバー217は、各可動カバー部材215、216及び各ヨークレバー214に対して先端部217C(図9及び図10(A)参照)が基端側の可動カバー部材215から長手方向の矢印Aに沿って挿入するように取り付けられる。具体的には、ブレードラバー217の先端部217Cは、基端側の可動カバー部材215の保持爪215B、ヨークレバー214の各把持部214A、そして、先端側の可動カバー部材216の保持爪216Bに順に挿入され、これにより、各保持爪215B、216Bの挿入部223及び各把持部214Aが保持溝217Aに挿通されるようになっている。
ここで、ブレードラバー217の取付方向後方側の端部である基端部217Dには、図12に示すように、各保持溝217Aの底部217Eから幅方向外側に突出する係止部としての係止凸部231が形成されている。この係止凸部231の幅方向への突出量は、保持溝217Aの深さよりも小さく形成され、係止凸部231の取付方向前方側には、基端側の可動カバー部材215の保持爪215Bの挿入部223の係止凸部231への乗り上げを容易とするための傾斜面231Aが形成されている。
また、ブレードラバー217の基端部217Dにおいて、係止凸部231よりも更に取付方向後方側には、各保持溝217Aから幅方向外側に突出してその保持溝217Aを埋める係止部としてのストッパ部232が形成されている。ストッパ部232は、その幅方向への突出量が係止凸部231の突出量よりも大きく形成されるとともに、保持溝217Aの幅方向外側に突出するように形成されている。このストッパ部232が形成されたブレードラバー217の基端部217Dは、ブレードラバー217の他の部位よりも幅方向両側に膨らんだ形状をなしている。
ブレードラバー217が取付方向に挿入されると、基端側の可動カバー部材215の保持爪215Bの挿入部223は、傾斜面231Aと当接して係止凸部231を押し潰すように乗り越え、その係止凸部231とストッパ部232との間の凹部に配置される。そして、保持爪215Bの挿入部223が係止凸部231とストッパ部232に対してブレードラバー217の長手方向に係止されるようになっている。
図13は、本実施の形態に係るワイパシステム100の回路を模式的に示した回路図である。図13に示すように、ワイパシステム100は、制御回路52と駆動回路56とを含んでいる。
制御回路52は、前述のようにマイクロコンピュータ58とメモリ60を有し、マイクロコンピュータ58には、車両ECU90(図示せず)を介して、ワイパスイッチ50、方向指示器スイッチ54、ウォッシャスイッチ62、レインセンサ76、車速センサ92、車載カメラ94、GPS装置96、操舵角センサ98、ミリ波レーダ102が各々接続されている。
駆動回路56は、第1モータ11を駆動させるための第1プリドライバ104及び第1モータ駆動回路108、第2モータ12を駆動させるための第2プリドライバ106及び第2モータ駆動回路110を備えている。また駆動回路56は、ウォッシャモータ64を駆動させるための、リレー駆動回路78、FET駆動回路80及びウォッシャモータ駆動回路57を有している。
制御回路52のマイクロコンピュータ58は、第1プリドライバ104を介して第1モータ駆動回路108を構成するスイッチング素子をオンオフさせることにより第1モータ11の回転を、第2プリドライバ106を介して第2モータ駆動回路110のスイッチング素子をオンオフさせることにより第2モータ12の回転を、各々制御する。また、マイクロコンピュータ58は、リレー駆動回路78及びFET駆動回路80を制御することによりウォッシャモータ64の回転を制御する。
第1モータ11及び第2モータ12がブラシ付きDCモータの場合、第1モータ駆動回路108及び第2モータ駆動回路110は、各々4個のスイッチング素子を含む。スイッチング素子は、一例としてN型のFET(電界効果トランジスタ)である。
図13に示すように、第1モータ駆動回路108は、FET108A〜108Dを含んでいる。FET108Aは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが第1モータ11の一端部に接続されている。FET108Bは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが第1モータ11の他端部に接続されている。FET108Cは、ドレインが第1モータ11の一端部に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが接地されている。FET108Dは、ドレインが第1モータ11の他端部に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが接地されている。
第1プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に従ってFET108A〜108Dのゲートに供給する制御信号を切り替えることで、第1モータ11の駆動を制御する。すなわち、第1プリドライバ104は、第1モータ11の第1出力軸11Aを所定方向に回転(正回転)させる場合には、FET108AとFET108Dの組をオンさせ、第1モータ11の第1出力軸11Aを所定方向と逆方向に回転(逆回転)させる場合には、FET108BとFET108Cの組をオンさせる。また、第1プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、FET108A及びFET108Dを断続的にオンオフさせるPWMを行う。
第1プリドライバ104はPWMにより、FET108A及びFET108Dのオンオフに係るデューティ比を変化させることにより、第1モータ11の正回転での回転速度を制御する。当該デューティ比が大きくなれば、正回転時に第1モータ11の端子に印加される電圧の実効値が高くなり、第1モータ11の回転速度は大きくなる。
同様に、第1プリドライバ104はPWMにより、FET108B及びFET108Cのオンオフに係るデューティ比を変化させることにより、第1モータ11の逆回転での回転速度を制御する。当該デューティ比が大きくなれば、逆回転時に第1モータ11の端子に印加される電圧の実効値は高くなり、第1モータ11の回転速度は大きくなる。
第2モータ駆動回路110は、FET110A〜110Dを含んでいる。FET110Aは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが第2モータ12の一端部に接続されている。FET110Bは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが第2モータ12の他端部に接続されている。FET110Cは、ドレインが第2モータ12の一端部に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが接地されている。FET110Dは、ドレインが第2モータ12の他端部に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが接地されている。
第2プリドライバ106は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に従ってFET110A〜110Dのゲートに供給する制御信号を切り替えることで、第2モータ12の駆動を制御する。すなわち、第2プリドライバ106は、第2モータ12の第2出力軸12Aを所定方向に回転(正回転)させる場合には、FET110AとFET110Dの組をオンさせ、第2モータ12の第2出力軸12Aを所定方向と逆方向に回転(逆回転)させる場合には、FET110BとFET110Cの組をオンさせる。また、第2プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、前述の第1プリドライバ104のようなPWMを行うことにより、第2モータ12の回転速度を制御する。
第1モータ11の減速機構内における第1出力軸11Aの出力軸端部112には、2極のセンサマグネット112Aが固定され、センサマグネット112Aに対向するように第1絶対角センサ114が設けられている。
第2モータ12の減速機構内における第2出力軸12Aの出力軸端部116には、2極のセンサマグネット116Aが固定され、センサマグネット116Aに対向するように第2絶対角センサ118が設けられている。
第1絶対角センサ114はセンサマグネット112Aの磁界を、第2絶対角センサ118はセンサマグネット116Aの磁界を、各々検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する。マイクロコンピュータ58は、第1絶対角センサ114及び第2絶対角センサ118が各々出力した信号に基づいて、第1モータ11の第1出力軸11A及び第2モータ12の各々の回転角度、回転位置、回転方向及び回転速度を算出する。
第1モータ11の第1出力軸11Aの回転角度からは、運転席側ワイパブレード18の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置が算出できる。また、第2モータ12の第2出力軸12Aの回転角度からは、助手席側ワイパアーム35の見かけの伸長の程度(拡大の程度)が算出できる。マイクロコンピュータ58は、第1出力軸11Aの回転角度から算出した運転席側ワイパブレード18の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置に基づいて、第2出力軸12Aの回転角度を制御することにより、第1モータ11と第2モータ12の各々の動作を同期させる。一例として、メモリ60に、運転席側ワイパブレード18の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置(又は第1出力軸11Aの回転角度)と第2出力軸12Aの回転角度とを対応付けたマップ(例えば、後述する第2出力軸回転角度マップ)を予め記憶させ、当該マップに従って、第1出力軸11Aの回転角度に応じて第2出力軸12Aの回転角度を制御する。
ウォッシャモータ駆動回路57は、2個のリレーRLY1、RLY2を内蔵したリレーユニット84、2個のFET86A、86Bを含んでいる。リレーユニット84のリレーRLY1、RLY2のリレーコイルはリレー駆動回路78に各々接続されている。リレー駆動回路78はリレーRLY1、RLY2のオンオフ(リレーコイルの励磁/励磁停止)を切り替える。リレーRLY1、RLY2は、リレーコイルが励磁されていない間は、共通端子84C1、84C2が第1端子84A1、84A2と各々接続している状態(オフ状態)を維持し、リレーコイルが励磁されると共通端子84C1、84C2を第2端子84B1、84B2に各々接続する状態に切り替わる。リレーRLY1の共通端子84C1はウォッシャモータ64の一端に接続されており、リレーRLY2の共通端子84C2はウォッシャモータ64の他端に接続されている。また、リレーRLY1、RLY2の第1端子84A1、84A2の各々はFET86Bのドレインに接続され、リレーRLY1、RLY2の第2端子84B1、84B2の各々は電源(+B)に接続されている。
FET86BはゲートがFET駆動回路80に接続され、ソースが接地されている。FET86Bのオンオフに係るデューティ比はFET駆動回路80によって制御される。また、FET86Bのドレインと電源(+B)との間にはFET86Aが設けられている。FET86Aは、ゲートに制御信号が入力されないのでオンオフの切り替えは行われず、寄生ダイオードをサージの吸収に用いる目的で設けられている。
リレー駆動回路78及びFET駆動回路80は、2個のリレーRLY1、RLY2とFET86Bとのオンオフを切り替えることで、ウォッシャモータ64の駆動を制御する。すなわち、ウォッシャモータ64の出力軸を所定方向に回転(正回転)させる場合、リレー駆動回路78はリレーRLY1をオンさせ(リレーRLY2はオフ)、FET駆動回路80は所定のデューティ比でFET86Bをオンさせる。上記の制御により、ウォッシャモータ64の出力軸の回転速度が制御される。
図14は、本実施の形態における第1出力軸11Aの回転角度に応じた第2出力軸12Aの回転角度を規定した第2出力軸回転角度マップの一例を示している。図14の横軸は第1出力軸11Aの回転角度である第1出力軸回転角度θAであり、縦軸は第2出力軸12Aの回転角度である第2出力軸回転角度θBである。図14の原点Oは、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pにある状態を示している。図14のθ1は、第1出力軸11Aが第1所定回転角度θ1回転して、助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pにある状態を示している。
マイクロコンピュータ58は、第1絶対角センサ114が第1モータ11の第1出力軸11Aが回転を始めると、第1絶対角センサ114で検知した第1出力軸11Aの回転角度と第2出力軸回転角度マップとを照合する。かかる照合により、図14の曲線190で示された角度から、第1絶対角センサ114で検知した第1出力軸回転角度θAに対応する第2出力軸回転角度θBを算出し、算出した第2出力軸回転角度θBになるように第2モータ12の第2出力軸12Aの回転角度を制御する。図14には、曲線190、192、194、198の3本の第2出力軸回転角度マップが記載されている。曲線190は払拭範囲Z2を払拭する場合に第1出力軸回転角度θAに応じて決定される第2出力軸12Aの回転角度を示している。曲線192は払拭範囲Z3を払拭する場合に第1出力軸回転角度θAに応じて決定される第2出力軸12Aの回転角度を示している。曲線194は助手席側ワイパアーム35を伸長させない場合に、第1出力軸回転角度θAに応じて決定される第2出力軸12Aの回転角度を示している。曲線198は、曲線192の変形例であり、拡大率は曲線192の場合よりも低くなっているが、助手席側ワイパブレード36の先端部はウィンドシールドガラス1の外縁部を越えて、車両のルーフ132側に突出するように第1出力軸回転角度θAに対する第2出力軸回転角度θBが設定されている。図14における曲線196は、助手席側ワイパブレード36の先端部がウィンドシールドガラス1の外縁部を越えるか否かの境界線を示している。曲線196の右側の範囲では助手席側ワイパブレード36の先端部はウィンドシールドガラス1の外縁部を越え、曲線196の左側の範囲では助手席側ワイパブレード36の先端部はウィンドシールドガラス1の外縁部を越えない。
曲線190で示した第2出力軸回転角度マップを用いた場合、第1出力軸回転角度θAが0°と第1所定回転角度θ1との間の中間回転角度θmになった場合に、第2出力軸12Aの正回転での回転角度が極大値である第2所定回転角度θ2となる。第2出力軸12Aの正回転での回転角度が第2所定回転角度θ2になることで、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5をウィンドシールドガラス1上の助手席側上方(第2位置)に移動させる。
曲線192で示した第2出力軸回転角度マップを用いた場合、第1出力軸回転角度θAが中間回転角度θmと第1所定回転角度θ1との間の角度θnで、第2出力軸12Aの正回転での回転角度が極大値である第3所定回転角度θ3となる。図14に示したように、第3所定回転角度θ3は、第2所定回転角度θ2よりも大きいので、第2出力軸12Aの正回転での回転角度が第3所定回転角度θ3になることで、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5をウィンドシールドガラス1上の助手席側上方(第2位置)よりもさらに上方に移動させる。
助手席側ワイパアーム35を伸長させない場合、すなわち第2モータ12が回転しない場合には、理論上、第2出力軸12Aの回転角度は、第1出力軸回転角度θAの値に関係なく常に0°になる。しかしながら、本実施の形態では、助手席側ワイパアーム35の支点である第5軸線L5を移動させるリンク機構にも、運転席側ワイパアーム17及び助手席側ワイパアーム35を往復動作させる第1モータ11の駆動力が影響する場合があり、第2出力軸12Aの回転角度は、実際には第1出力軸回転角度θAの値に関係なく常に0°にはならない場合がある。
図15は、図14に示した第2出力軸回転角度マップによる払拭範囲の一例を示した概略図である。払拭範囲Z1は、助手席側ワイパアーム35を伸長させない場合の払拭範囲である。払拭範囲Z2は、図14に示した曲線190を用いた場合の払拭範囲である。そして、払拭範囲Z3は、曲線192を用いた場合の払拭範囲である。
図14に示したように、曲線192は、第1出力軸回転角度θAが0°と第1所定回転角度θ1との間の中間回転角度θmの手前で、曲線190から分岐している。分岐前までは曲線190と曲線192とは略一致するので、曲線192で示した第2出力軸回転角度マップを用いた場合も、曲線190で示した第2出力軸回転角度マップを用いた場合と同様に、助手席側ワイパブレード36の先端部は車両のAピラー側へ逸脱せずにウィンドシールドガラス1を払拭する。
曲線192は、曲線190との分岐後、第1出力軸回転角度θAが中間回転角度θmと第1所定回転角度θ1との間で、第2出力軸12Aの正回転での回転角度が極大値である第3所定回転角度θ3となる。曲線192を用いた場合、第1駆動レバー26、第2駆動レバー29、第1従動レバー32及びアームヘッド33で構成される伸縮機構の伸長は、助手席側ワイパブレード36がウィンドシールドガラス1の助手席側上部の角部に対応する部分と上反転位置P1Pとの間に位置する際、具体的には下反転位置P2P及び上反転位置P1Pの中間位置付近と上反転位置P1Pとの間で極大となる。また、第3所定回転角度θ3は、第2所定回転角度θ2よりも大きいので、助手席側ワイパブレード36の先端部はウィンドシールドガラス1の外縁部を越えて、車両のルーフ132側に突出する。その結果、払拭範囲Z3は、払拭範囲Z2に比して、ウィンドシールドガラス1の上部側を広く払拭できる。その結果、ウィンドシールドガラス1の外縁部に存在していた水滴を効果的に払拭でき、雨垂れを防止することができる。
以下、本実施の形態に係るワイパシステム100の制御について説明する。図17は、本実施の形態に係るワイパシステム100における、拡大払拭処理の一例を示したフローチャートである。図16の処理は、ワイパスイッチ50がオンになるとスタートし、ステップ160でワイパ装置2を駆動させる。
ステップ162では、ワイパスイッチ50がオフになったか否かを判定し、肯定判定の場合には手順をステップ164に移行させ、否定判定の場合には、手順をステップ160に戻し、払拭動作を継続する。
ステップ162で肯定判定の場合には、ステップ164で、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pへ移動するOPEN動作か否かを判定する。ステップ164での判定は、第1絶対角センサ114の回転角度の変化に基づいて行われる。
ステップ164で肯定判定の場合には、ステップ166で、助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに移動するCLOSE動作で、図14に示した曲線192の第2出力軸回転角度マップを用いて第2出力軸12Aの回転角度を制御し、図1及び図15に示した払拭範囲Z3を払拭する雨垂れ抑制払拭を行って処理を終了する。
ステップ164で否定判定の場合には、ステップ168で、下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間を雨垂れ抑制払拭を含む1往復の払拭動作を行う。具体的には、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまで払拭するOPEN動作では、図14に示した曲線190の第2出力軸回転角度マップを用いて第2出力軸12Aの回転角度を制御し、図1及び図15に示した払拭範囲Z2を払拭する。そして、助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに移動するCLOSE動作で、図14に示した曲線192の第2出力軸回転角度マップを用いて第2出力軸12Aの回転角度を制御し、図1及び図15に示した払拭範囲Z3を払拭する雨垂れ抑制払拭を行って処理を終了する。
図17は、本実施の形態に係るワイパシステム100における、拡大払拭処理の簡素化された一例を示したフローチャートである。図17の処理は、ワイパスイッチ50がオンになるとスタートし、ステップ170でワイパ装置2を駆動させる。
ステップ172では、ワイパスイッチ50がオフになったか否かを判定し、肯定判定の場合には手順をステップ174に移行させ、否定判定の場合には、手順をステップ170に戻し、払拭動作を継続する。ステップ174では、図1及び図15に示した払拭範囲Z3を払拭する雨垂れ抑制払拭を含む下反転位置P2Pと上反転位置P1Pとの間を1往復する払拭動作を行って処理を終了する。ステップ174の払拭動作は、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまで払拭するOPEN動作では、図14に示した曲線190の第2出力軸回転角度マップを用いて第2出力軸12Aの回転角度を制御し、図1及び図15に示した払拭範囲Z2を払拭する。そして、助手席側ワイパブレード36が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに移動するCLOSE動作で、図14に示した曲線192の第2出力軸回転角度マップを用いて第2出力軸12Aの回転角度を制御し、図1及び図15に示した払拭範囲Z3を払拭する雨垂れ抑制払拭を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、曲線192で示した第2出力軸回転角度マップを用いることにより、ウィンドシールドガラス1の外縁部の水滴を除去し、ウィンドシールドガラス1上への雨垂れを防止できる。ウィンドシールドガラス1の上部には、レインセンサ76及び車載カメラ94が設けられる機能エリア120が含まれるので、機能エリア120への雨垂れを防止することにより、レインセンサ76の誤作動の防止、車載カメラ94の機能の正常化を図ることができる。図17の処理では、ワイパスイッチ50がオフになった場合に雨垂れ抑制払拭を行ったが、ワイパスイッチ50が低速作動モード選択位置や高速作動モード選択位置から間欠作動モード選択位置に切り替えられた場合に、雨垂れ抑制払拭を行ってもよい。間欠作動モードでは、下反転位置で助手席側ワイパブレード36が停止するので、雨垂れ抑制払拭によってウィンドシールドガラス1の外縁部の水滴を除去する。
ウィンドシールドガラス1への雨垂れは、車両が減速した場合にも生じやいので、車速センサ92で検出された車速の単位時間当たりの減速が一定値以上の場合に、図1及び図15に示した払拭範囲Z3を払拭することにより、機能エリア120への雨垂れを防止するようにしてもよい。
また、車載カメラ94で取得した画像データからウィンドシールドガラス1の上部に雪、霜、泥等の異物が存在すると判定された場合に、払拭範囲Z3を払拭してもよい。また、GPS装置96が車両の交差点への接近を検出した場合、操舵角センサ98によって検出した車両の舵角が所定の閾値上の場合、又は方向指示器スイッチが操作された場合に、運転席からの視野を幅広く確保する必要があると判定して、払拭範囲Z3を払拭するようにしてもよい。さらには、ミリ波レーダ102が前方又は側方に障害物を発見した場合も、払拭範囲Z3を払拭することにより、運転席からの視野を幅広く確保するようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態は、第1モータ11の第1出力軸11A及び第2モータ12の第2出力軸12Aが正逆(往復)回転可能に制御されていたが、これに限定されることはない。例えば、第1出力軸11A及び第2出力軸12Aの一方が一方向に回転するものでもよい。
なお、本発明の実施の形態は、第1モータ11の第1出力軸11Aの回転により、運転席側ワイパブレード18及び助手席側ワイパブレード36を上反転位置P1D、P1Pと下反転位置P2D、P2Pとの間で移動させていたが、これに限定されることはない。例えば、第1モータ11として「運転席側第1モータ」と「助手席側第1モータ」とを備え、運転席側第1モータの回転によって運転席側ワイパブレード18を上反転位置P1Dと下反転位置P2Dとの間で移動させ、助手席側第1モータの回転によって助手席側ワイパブレード36を上反転位置P1Pと下反転位置P2Pとの間で移動させる構造でもよい。
なお、本発明の実施の形態では、伸長させた助手席側ワイパアーム35(助手席側ワイパブレード36)が上反転位置P1Pに近づくに従って縮小させる制御を行ったが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード36が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに向かって払拭する際(往動払拭時)に、助手席側ワイパアーム35が徐々に伸長するように制御してもよい。
なお、本実施の形態では、第1モータ11の第1出力軸11Aの回転角度と第2モータ12の第2出力軸12Aの回転角度とを用いた実施の形態を説明したが、これに代えて第1出力軸11Aの回転位置と第2出力軸12Aの回転位置とを用いたものとしてもよい。
なお、本発明の実施の形態では、助手席側の広い視野を確保すべき状況で、払拭範囲Z2を払拭するように第1モータ11及び第2モータ12を制御したが、上記制御の実行をキャンセルすることができる「自動拡大切替えスイッチ」を別途備えていてもよい。自動拡大切替えスイッチを備えることで、助手席側の広い視野を確保すべき状況でも払拭範囲の拡大を実行せずに払拭範囲Z1の払拭を行うことができる。車両122の乗員が払拭範囲の拡大が不要と考える場合に、払拭範囲の拡大(払拭範囲Z2の払拭)を実行しないため、ワイパ装置2の動作における違和感を抑制することができる。自動拡大切替えスイッチを設ける位置に限定はないが、ハンドル等の運転者に近い位置に設けられることが望ましい。
1…ウィンドシールドガラス(ウィンドシールド)、1A…遮光部、1B…脚、1C…角、2…ワイパ装置、3…中央フレーム、3A…支持部、4…パイプフレーム、5…パイプフレーム、6…第1ホルダ部材、6A…固定部、7…第2ホルダ部材、7A…固定部、7B…筒状部、11…第1モータ、11A…第1出力軸、12…第2モータ、12A…第2出力軸、13…第1駆動クランクアーム、14…第2駆動クランクアーム、15…運転席側ピボット軸、16…運転席側揺動レバー、17…運転席側ワイパアーム、18…運転席側ワイパブレード、19…第1連結ロッド、21…第1助手席側ピボット軸、22…第2助手席側ピボット軸、23,24…軸受、25…第1助手席側揺動レバー、26…第1駆動レバー、27…第2連結ロッド、28…第2助手席側揺動レバー、29…第2駆動レバー、31…第3連結ロッド、32…第1従動レバー、33…アームヘッド、34…リテーナ、35…助手席側ワイパアーム、36…助手席側ワイパブレード、50…ワイパスイッチ、52…制御回路、54…方向指示器スイッチ、56…駆動回路、57…ウォッシャモータ駆動回路、58…マイクロコンピュータ、60…メモリ、62…ウォッシャスイッチ、64…ウォッシャモータ、66…ウォッシャポンプ、68…ウォッシャ液タンク、70…ウォッシャ装置、72A…運転席側ホース、72B…助手席側ホース、74A…運転席側ノズル、74B…助手席側ノズル、76…レインセンサ、78…リレー駆動回路、80…FET駆動回路、84…リレーユニット、84A1、84A2…第1端子、84B1、84B2…第2端子、84C1、84C2…共通端子、90…車両ECU、92…車速センサ、94…車載カメラ、96…GPS装置、98…操舵角センサ、100…ワイパシステム、102…ミリ波レーダ102、104…第1プリドライバ、106…第2プリドライバ、108…第1モータ駆動回路、110…第2モータ駆動回路、112…出力軸端部、112A…センサマグネット、114…第1絶対角センサ、116…出力軸端部、116A…センサマグネット、118…第2絶対角センサ、120…機能エリア、122…車両、132…ルーフ、150D,150P…ワイパアーム、152D,152P…ピボット軸、154D,154P…ワイパブレード、156D,156P…払拭範囲、158…非払拭範囲、190,192,194,196,198…曲線、213…メインレバー、213A…回動軸部、214…ヨークレバー、214A…把持部、215…可動カバー部材、215A…回動軸部、215B…保持爪、216…可動カバー部材、216B…保持爪、217…ブレードラバー、217A…保持溝、217B…リップ部、217C…先端部、217D…基端部、217E…底部、217X…追従端部、218…フィン部、219…バッキング、220…連結部材、221…側壁部、222…延出部、223…挿入部、225…当接壁、231…係止凸部、231A…傾斜面、232…ストッパ部、RLY1,RLY2…リレー、CC1,CC2,CW1,CW2…回転方向、CC3,CW3…動作方向、H1…払拭範囲、K…防水カバー、L1…第1軸線、L2…第2軸線、L3…第3軸線、L4…第4軸線、L…同一直線、P1D,P1P,P3D,P3P…上反転位置、P2D,P2P,P4D,P4P…下反転位置、X…非払拭範囲、Z1,Z2,Z3…払拭範囲、θ1…第1所定回転角度、θ2…第2所定回転角度、θ3…第3所定回転角度、θA…第1出力軸回転角度、θB…第2出力軸回転角度、θm…中間回転角度、θn…角度

Claims (8)

  1. ワイパアームの先端部に連結されたワイパブレードがウィンドシールドを払拭するように前記ワイパアームを揺動させる第1モータと、
    前記ワイパアームに設けられた伸縮機構を伸縮させて前記ワイパブレードの払拭範囲を変更させる第2モータと、
    前記ワイパブレードの払拭動作に連動して前記伸縮機構が伸縮されると共に、前記ワイパブレードのラバー先端部が前記ウィンドシールド上部の外縁部に対応する部分を払拭する際に前記ラバー先端部が前記外縁部の外側に突出するように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する制御部と、
    を含む車両用ワイパ装置。
  2. 前記制御部は、前記ラバー先端部を、前記ウィンドシールド上部側の前記外縁部の外側に突出させ、前記ウィンドシールド側部側の前記外縁部の外側には突出させないように制御する請求項1に記載の車両用ワイパ装置。
  3. 前記制御部は、前記ワイパブレードが前記ウィンドシールドの上部の角部に対応する部分と上反転位置との間に位置する際に前記伸縮機構の伸長量が極大になるように制御する請求項1又は2に記載の車両用ワイパ装置。
  4. 前記制御部は、下反転位置で前記ワイパブレードを停止させる場合は、前記ワイパブレードを上反転位置で反転させた後の下反転位置方向への払拭動作で、前記ラバー先端部を前記外縁部の外側に突出させるように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置。
  5. 第1モータにより、ワイパアームの先端部に連結されたワイパブレードがウィンドシールドを払拭するように前記ワイパアームを揺動させる揺動ステップと、
    第2モータにより、前記ワイパアームに設けられた伸縮機構を伸縮させて前記ワイパブレードの払拭範囲を拡縮させる払拭範囲変更ステップと、を含む車両用ワイパ装置の制御方法であって、
    前記ワイパブレードの払拭動作に連動して前記伸縮機構が伸縮されると共に、前記ワイパブレードのラバー先端部が前記ウィンドシールド上部の外縁部に対応する部分を払拭する際に前記ラバー先端部が前記外縁部の外側に突出するように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する車両用ワイパ装置の制御方法。
  6. 前記ラバー先端部を、前記ウィンドシールド上部側の前記外縁部の外側に突出させ、前記ウィンドシールド側部側の前記外縁部の外側には突出させないように制御する請求項5に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
  7. 前記ワイパブレードが前記ウィンドシールドの上部の角部に対応する部分と上反転位置との間に位置する際に前記伸縮機構の伸長量が極大になるように制御する請求項5又は6に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
  8. 下反転位置で前記ワイパブレードを停止させる場合は、前記ワイパブレードを上反転位置で反転させた後の下反転位置方向への払拭動作で、前記ラバー先端部を前記外縁部の外側に突出させるように前記第1モータ及び前記第2モータの回転を制御する請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置の制御方法。
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