JP4617545B2 - センサの異常検出回路及び物理量検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の出力端子に発生する各出力電圧が、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するセンサの異常を検出するための異常検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のセンサとして、例えば、図6(a)〜(c)に示すように、各々の抵抗値が歪みによって変化すると共に互いがループ状に接続された4つのゲージ抵抗(一般に拡散抵抗からなるもので、歪みゲージとも呼ばれる)1,2,3,4を有した圧力センサ100がある。
【0003】
このような圧力センサ100では、上記4つのゲージ抵抗1〜4がSi(シリコン)基板101上に形成され、そのSi基板101は、例えば、内部に油圧などの圧力Pが加わる円筒状の金属ダイヤフラム102の端面に、接合部材103によって接合される。
【0004】
そして、各ゲージ抵抗1〜4同士の接続点A〜Dのうちで、特定の接続点A(図6の例では、ゲージ抵抗1,4同士の接続点)と該接続点Aから数えて2つ目の接続点C(図6の例では、ゲージ抵抗2,3同士の接続点)との間に駆動電圧VDが印加され、他の2つの接続点B,D(図6の例では、ゲージ抵抗1,2同士の接続点B及びゲージ抵抗3,4同士の接続点D)が一対の出力端子J1,J2となっている。
【0005】
そして更に、各ゲージ抵抗1,2,3,4の抵抗値を、それぞれR1,R2,R3,R4とすると、各ゲージ抵抗1,2,3,4は、下記の式1を満たすように、その抵抗値及びSi基板101上での配置が設計上決定されている。
尚、式1において、R0は、圧力P=0である時の各ゲージ抵抗1,2,3,4の抵抗値である。また、ΔRは、圧力Pが加わった時の抵抗値の増減を表しており、圧力P=0の場合には、ΔR=0である。
【0006】
【数1】
R1=R3=R0−ΔR,R2=R4=R0+ΔR …式1
このため、圧力P=0の場合には、ゲージ抵抗1,2同士の接続点B(以下、この接続点Bを第1の出力端子J1とする)に発生する第1の出力電圧V1と、ゲージ抵抗3,4同士の接続点D(以下、この接続点Dを第2の出力端子J2とする)に発生する第2の出力電圧V2とが、両方共に、駆動電圧VDの1/2の電圧である平衡点電圧V0(=VD/2)となる。
【0007】
また、金属ダイヤフラム102に圧力Pが加わって(圧力P=N≠0になって)、Si基板101上の各ゲージ抵抗1〜4に歪みが生じると、図6(d)に示すように、第1の出力電圧V1が平衡点電圧V0よりもΔV1だけ高くなると共に、第2の出力電圧V2が平衡点電圧V0よりもΔV2だけ低くなる。そして、ΔV1とΔV2は、ホイートストンブリッジの対象性(上記式1)より、両方共に同じ値(ΔV1=ΔV2)となる。つまり、第1の出力端子J1と第2の出力端子J2との各々に発生する各出力電圧V1,V2は、検出対象の物理量としての圧力Pに応じて、平衡点電圧V0を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化することとなり、|V1−V0|=|V2−V0|となる。
【0008】
よって、こうした圧力センサ100の出力電圧V1,V2を入力する信号処理回路は、上記両出力電圧V1,V2の電位差(V1−V2)に基づいて、圧力Pを検出する。そして、以上の原理により、圧力Pをより精度良く検出できるようにしている。
【0009】
以上が正常時の動作であるが、例えば図6(c)に示すように、Si基板101や接合部材103に亀裂Kが生じるなどして、4つのゲージ抵抗1〜4の何れかの抵抗値が正常な値でなくなると、センサの平衡点電圧V0や感度が変化して、圧力Pの検出精度が悪化してしまう。そして、こうした故障時には、図6(e)に例示するように、第1の出力電圧V1と本来の平衡点電圧V0との差の絶対値(|V1−V0|=ΔV1)と、第2の出力電圧V2と本来の平衡点電圧V0との差の絶対値(|V2−V0|=ΔV2)とが等しくならない現象が発生する。
【0010】
ここで、このようなセンサの異常は、2つの出力電圧V1,V2の電位差(V1−V2)を監視していても検出するができない。これは、センサの平衡点電圧V0は、回路上には存在しない仮想の電位であるためである。
そこで、こうしたセンサの異常を検出するための技術として、特開平8−247881号公報には、図7に示すような回路構成を採ることが記載されている。
【0011】
即ち、図7に示すように、上記公報に記載の異常検出装置では、圧力センサ100に印加される駆動電圧VDを1/2に分圧する2つの抵抗106,107と、3つの接点位置a,b,cを有した2つのスイッチSW1,SW2と、A/Dコンバータ,D/Aコンバータ,及びMPU(マイクロプロセッサユニット)などからなる情報処理装置108とを設けている。
【0012】
そして、この異常検出装置では、情報処理装置108がスイッチSW1,SW2を制御して、その両スイッチSW1,SW2の接点位置をaの位置にすることにより、圧力センサ100の両出力電圧V1,V2の差(V1−V2)を取り込み、また、両スイッチSW1,SW2の接点位置をbの位置にすることにより、圧力センサ100の一方の出力電圧V1と抵抗106,107による分圧電圧(即ちVD/2であり、圧力センサ100の本来の平衡点電圧V0と同じ電圧)V3との差(V1−V3)を取り込み、また更に、両スイッチSW1,SW2の接点位置をcの位置にすることにより、圧力センサ100の他方の出力電圧V2と抵抗106,107による分圧電圧V3との差(V2−V3)を取り込むようにしている。
【0013】
そして更に、情報処理装置108は、上記両スイッチSW1,SW2の接点位置をbの位置とcの位置とに夫々して取り込んだ「V1−V3」と「V2−V3」とを加算して、「V1+V2−2・V3」なる電圧を算出し、その算出した電圧(V1+V2−2・V3)が所定のしきい値を越えている場合に、センサ100が異常であると判断するようにしている。
【0014】
つまり、上記公報に記載の異常検出装置では、概念的には、センサ100の一方の出力電圧V1から平衡点電圧V0(=V3)を引いた値(V1−V0)と、センサ100の他方の出力電圧V2から平衡点電圧V0(=V3)を引いた値(V2−V0)とを加算した値(V1+V2−2・V3)が、正常時には0になるという点に着目して、その加算値(V1+V2−2・V3)に基づきセンサ100の異常を検出するようにしている。
【0015】
そして、この異常検出装置によれば、図6(e)に例示したような両出力電圧V1,V2のアンバランスを検出して、センサ100に異常が生じていることを検知することができるようになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の異常検出装置では、以下の問題がある。
▲1▼:まず、2つのスイッチSW1,SW2の接点位置を順次切り換えて上記加算値(V1+V2−2・V3)を得ているため、同じ時点の出力電圧V1,V2に基づいた正確な異常検出を行うことができない。つまり、スイッチSW1,SW2の接点位置をbの位置にしてからcの位置にするまでの間に、圧力センサ100に加わる圧力Pが変化して出力電圧V1,V2が正常に変化した場合、誤って異常であると判断してしまう可能性がある。
【0017】
▲2▼:そして更に、2つのスイッチSW1,SW2の接点位置を順次切り換えて上記加算値(V1+V2−2・V3)を得ているため、センサ100に異常が発生してから、その異常を検知できるまでに遅れが生じてしまう。
▲3▼:また、上記従来の異常検出装置では、スイッチSW1,SW2を制御したり異常検出用の演算を行うためのMPUを備えた情報処理装置108が必要となり、このような異常検出機能を持ったセンサユニットを構成する場合に、そのセンサユニットが大規模且つ高価格なものとなってしまう。
【0018】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、一対の出力端子に発生する各出力電圧が、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するセンサの異常を、遅れなく且つ正確に検出することができる小規模な異常検出回路と、その異常検出回路を用いた物理量検出装置とを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の異常検出回路は、図1に例示するように、第1の出力端子J1に発生する第1の出力電圧V1と、第2の出力端子J2に発生する第2の出力電圧V2とが、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧V0を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するように形成されたセンサ10の異常を検出するためのものであり、前記平衡点電圧V0とほぼ同じの基準電圧VEを発生する基準電圧発生回路11と、該基準電圧発生回路11によって発生される基準電圧VEが一方の入力端子に入力された演算増幅器(オペアンプ)12と、一端に前記センサ10の第1の出力電圧V1が印加されると共に、他端が前記演算増幅器12の他方の入力端子に接続された第1の抵抗13と、一端に前記センサ10の第2の出力電圧V2が印加されると共に、他端が前記演算増幅器12の他方の入力端子に接続され、更に抵抗値が前記第1の抵抗13と同じに設定された第2の抵抗14と、前記演算増幅器12の出力端子と他方の入力端子との間に接続され、該出力端子から該他方の入力端子に負帰還をかける第3の抵抗15と、演算増幅器12から、第1の出力電圧V1と基準電圧VEとの差分と、第2の出力電圧V2と基準電圧VEとの差分とを加算した電圧に基づく出力電圧Voutが入力され、該出力電圧Voutが予め定められた電圧範囲内であるか判定することにより、これらの差分を加算した電圧が正常な値であるか判定し、該出力電圧Voutが該電圧範囲内にない場合に、センサ10が異常であることを示す信号を出力する判定回路16とを備えている。
【0020】
尚、図1では、演算増幅器12の一方の入力端子を非反転入力端子(+)とし、演算増幅器12の他方の入力端子を反転入力端子(−)としている。また図1は、異常検出対象のセンサ10が、図6を用いて説明した圧力センサ100と同じセンサである場合を例示しているが、本発明の異常検出回路は、それ以外のセンサについても適用することができる。
【0021】
このような異常検出回路において、第1の抵抗13及び第2の抵抗14の各抵抗値をRとし、第3の抵抗15の抵抗値をX・Rとすると、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、下記式2のようになる。
【0022】
【数2】
VOUT =−X{(V1−VE)+(V2−VE)}+VE …式2
つまり、演算増幅器12からは、基準電圧VEを基準として、センサ10の一方の出力電圧V1から基準電圧VEを引いた値と、センサ10の他方の出力電圧V2から基準電圧VEを引いた値とを、互いに加算した値に比例した電圧VOUT が出力されることとなる。
【0023】
また、センサ10の両出力電圧V1,V2のうち、第1の出力電圧V1が検出対象の物理量の増加に応じて正方向に変化し、第2の出力電圧V2が検出対象の物理量の増加に応じて負方向に変化するものとすれば、第1の出力電圧V1と基準電圧VEとの差の絶対値(|V1−VE|)をΔV1’とし、第2の出力電圧V2と基準電圧VEとの差の絶対値(|V2−VE|)をΔV2’とすると、式2は下記式3のようになり、演算増幅器12からは、基準電圧VEを基準として、ΔV1’とΔV2’との差に比例した電圧VOUT が出力されることとなる。
【0024】
【数3】
VOUT =−X(ΔV1’−ΔV2’)+VE …式3
そして、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、基準電圧発生回路11によって発生される基準電圧VEがセンサ10の平衡点電圧V0とほぼ等しいことから、センサ10が正常であれば、上記式2,3から分かるように、ほぼVEとなる。
【0025】
これに対し、センサ10に異常が生じて、その両出力電圧V1,V2のバランスが崩れると、即ち、図6(e)に例示したように、第1の出力電圧V1と平衡点電圧V0との差の絶対値ΔV1と、第2の出力電圧V2と平衡点電圧V0との差の絶対値ΔV2とが等しくならない現象が発生すると、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、基準電圧VEから正方向あるいは負方向にずれることとなる。
【0026】
そこで、この異常検出回路では、判定回路16により、演算増幅器12の出力電圧VOUT が良否判定用の電圧範囲外であるか否かを判定し、その電圧範囲外である場合に、センサ10が異常であることを示す信号を出力するようにしている。
【0027】
そして、このような請求項1の異常検出回路によれば、常に同じ時点の出力電圧V1,V2に基づいて、センサ10の異常を正確に検出することができ、しかも、センサ10に異常が発生してからその異常を検知できるまでの遅れも殆ど無い。そして更に、MPUといった高機能な情報処理装置を設けることなく、非常に小規模な回路構成でセンサ10の異常を検出することができるようになる。
【0028】
尚、上記検出原理から分かるように、基準電圧発生回路11が発生させる基準電圧VEは、センサ10の平衡点電圧V0と同じであることが望ましい。但し、基準電圧VEがセンサ10の平衡点電圧V0と完全に一致していなくても、その誤差分は判定回路16での良否判定用電圧範囲で吸収させることができるため、その意味で、本発明においては、基準電圧VEをセンサ10の平衡点電圧V0とほぼ同じ電圧としている。
【0029】
ところで、請求項1の異常検出回路において、第1の抵抗13の一端をセンサ10の第1の出力端子J1に直接接続すると共に、第2の抵抗14の一端をセンサ10の第2の出力端子J2に直接接続するようにしても良いが、センサ10の構造によっては、その出力端子J1,J2から演算増幅器12及び第1〜第3の抵抗13,14,15からなる回路部分へ電流が流れると出力電圧V1,V2がずれてしまう場合がある。
【0030】
そこで、請求項2に記載の異常検出回路では、図1に例示するように、前記センサ10の第1の出力電圧V1を入力して、該第1の出力電圧V1を第1の抵抗13の一端に印加する第1のバッファ17と、前記センサ10の第2の出力電圧V2を入力して、該第2の出力電圧V2を第2の抵抗14の一端に印加する第2のバッファ18とを設けるようにしている。つまり、センサ10の第1の出力端子J1と第1の抵抗13との間に、第1のバッファ17を設けると共に、センサ10の第2の出力端子J2と第2の抵抗14との間に、第2のバッファ18を設けるようにしている。
【0031】
そして、このような請求項2の異常検出回路によれば、センサ10の出力端子J1,J2から演算増幅器12及び第1〜第3の抵抗13,14,15からなる回路部分へ電流が流れることが防止され、センサ10の異常をより正確に検出することができるようになる。
【0032】
また更に、上記第1のバッファ及び第2のバッファに加えて、請求項3に記載の如く、基準電圧発生回路により発生される基準電圧VEを入力して、その基準電圧VEを演算増幅器の前記一方の入力端子に入力させる第3のバッファを設けるようにしても良い。
【0033】
一方、上記第1のバッファ、第2のバッファ、及び第3のバッファの各々としては、入力電圧と同じ電圧を出力するものではなく、請求項4に記載のように、入力電圧を特定の電圧Vsfだけシフトさせた電圧を、出力電圧として出力するレベルシフト回路を用いることもできる。尚、シフトする分の電圧Vsfの値は、正と負の何れでも良い。また、各バッファは同じ構成のレベルシフト回路とすれば良い。
【0034】
つまり、第1〜第3のバッファとして、このようなレベルシフト回路を用いた場合、第1の抵抗の一端には、センサの第1の出力電圧V1をVsfだけシフトさせた電圧(=V1+Vsf)が印加され、第2の抵抗の一端には、センサの第2の出力電圧V2をVsfだけシフトさせた電圧(=V2+Vsf)が印加され、演算増幅器の前記一方の入力端子には、基準電圧VEをVsfだけシフトさせた電圧(=VE+Vsf)が入力されることとなり、3つの入力電圧が全て同じ電圧Vsfだけシフトすることとなる。よって、この場合でも、演算増幅器からは、センサの一方の出力電圧V1から基準電圧VEを引いた値と、センサの他方の出力電圧V2から基準電圧VEを引いた値とを、互いに加算した値に比例した電圧VOUT が出力されることとなり(式2参照)、前述した請求項1〜3の異常検出回路と同じ効果を得ることができる。
【0035】
また一般に、レベルシフト回路は、入力電圧と同じ電圧を出力する構成のバッファに比べると構成が簡単であるため、請求項4の異常検出回路によれば、回路規模を小さくすることができるという利点がある。
次に、請求項5に記載の異常検出回路も、第1の出力端子に発生する第1の出力電圧V1と、第2の出力端子に発生する第2の出力電圧V2とが、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧V0を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するように形成されたセンサの異常を検出するためのものである。
【0036】
そして、請求項5の異常検出回路は、前記平衡点電圧V0とほぼ同じの基準電圧VEを発生する基準電圧発生回路と、該基準電圧発生回路によって発生される基準電圧VEが一方の入力端子に入力された演算増幅器と、前記センサの第1の出力電圧V1を非反転入力とし、前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧VEを反転入力とした第1の差動増幅器と、前記センサの第2の出力電圧V2を非反転入力とし、前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧VEを反転入力とした第2の差動増幅器と、一端に前記第1の差動増幅器の出力電圧V1Sが印加されると共に、他端が前記演算増幅器の他方の入力端子に接続された第1の抵抗と、一端に前記第2の差動増幅器の出力電圧V2Sが印加されると共に、他端が前記演算増幅器の他方の入力端子に接続され、更に抵抗値が前記第1の抵抗と同じに設定された第2の抵抗と、前記演算増幅器の出力端子と他方の入力端子との間に接続され、該出力端子から該他方の入力端子に負帰還をかける第3の抵抗と、演算増幅器から、第1の出力電圧V1と基準電圧VEとの差分と、第2の出力電圧V2と基準電圧VEとの差分とを加算した電圧に基づく出力電圧Voutが入力され、該出力電圧Voutが予め定められた電圧範囲内であるか判定することにより、これらの差分を加算した電圧が正常な値であるか判定し、該出力電圧Voutが該電圧範囲内にない場合には、センサが異常であることを示す信号を出力する判定回路とを備えている。
【0037】
つまり、請求項5の異常検出回路では、前述した請求項2の異常検出回路に対し、第1及び第2のバッファに代えて、第1及び第2の差動増幅器を設けている。
このような請求項5の異常検出回路において、第1の差動増幅器及び第2の差動増幅器の増幅率(増幅度)をYとすると、第1の差動増幅器の出力電圧V1Sは、式4のようになり、第2の差動増幅器の出力電圧V2Sは、式5のようになる。
【0038】
【数4】
V1S=Y(V1−VE)+VE …式4
【0039】
【数5】
V2S=Y(V2−VE)+VE …式5
そして、演算増幅器の出力電圧VOUT は、式2におけるV1とV2とを、夫々、V1SとV2Sとに置き換えることにより、下記式6のようになる。
【0040】
【数6】
VOUT =−X・Y{(V1−VE)+(V2−VE)}+VE …式6
この式6から分かるように、請求項5の異常検出回路によれば、センサの出力電圧V1,V2のバランスが崩れた場合に、演算増幅器の出力電圧VOUT が、基準電圧VEから正方向あるいは負方向に、より大きくずれることとなる。
【0041】
このため、センサの異常をより確実に検出することが可能となる。また、一般に、演算増幅器にはオフセット電圧が存在するが、こうしたオフセット電圧の影響が十分小さい領域でその演算増幅器を動作させることができるようになり、異常検出精度を更に向上させることができる。
【0042】
また、第1及び第2の差動増幅器は、請求項2に記載の第1及び第2のバッファと同様の役割も果たすこととなる。つまり、センサの出力端子から演算増幅器及び第1〜第3の抵抗からなる回路部分へ余分な電流が流れることも防止される。
【0043】
ところで、上記請求項1〜5の異常検出回路において、判定回路は、請求項6に記載の如く、前記演算増幅器の出力電圧VOUT が、基準電圧発生回路によって発生される基準電圧VEよりも所定電圧αだけ高い第1の判定電圧(VE+α)より高い場合、及び前記演算増幅器の出力電圧VOUT が、基準電圧発生回路によって発生される基準電圧VEよりも所定電圧βだけ低い第2の判定電圧(VE−β)より低い場合に、センサが異常であることを示す信号を出力するように構成すれば良い。
【0044】
具体的な構成例としては、基準電圧VEよりも所定電圧αだけ高い第1の判定電圧と、基準電圧VEよりも所定電圧βだけ低い第2の判定電圧とを発生する判定電圧発生回路を設け、その判定電圧発生回路で発生される第1の判定電圧と第2の判定電圧とが判定回路に供給されるようにする。そして、判定回路は、演算増幅器の出力電圧VOUT が、上記供給される2つの電圧のうちの高い方(即ち、第1の判定電圧)よりも高い場合、及び演算増幅器の出力電圧VOUT が、上記供給される2つの電圧のうちの低い方(即ち、第2の判定電圧)よりも低い場合に、センサが異常であることを示す信号を出力するように構成すれば良い。尚、所定電圧α,βは、同じ値に設定することが望ましいが、意図的に異なる値とすることも可能である。
【0045】
但し、レベルシフト回路からなる第1〜第3のバッファを備えた請求項4の異常検出回路では、前述した式2,3における「+VE」の項が「+(VE+Vsf)」となり、演算増幅器の出力電圧VOUT は「VE+Vsf」を基準とした電圧となるため、特に請求項7に記載の如く構成するのが有効である。
【0046】
即ち、請求項7に記載の異常検出回路では、請求項4の異常検出回路において、上記第1の判定電圧と第2の判定電圧とを発生する判定電圧発生回路に加えて、その判定電圧発生回路で発生される第1の判定電圧を、前記第1〜第3のバッファと同じ特定の電圧Vsfだけシフトさせて判定回路に供給する第4のバッファと、上記判定電圧発生回路で発生される第2の判定電圧を、前記特定の電圧Vsfだけシフトさせて判定回路に供給する第5のバッファとを備えている。そして、判定回路は、演算増幅器の出力電圧VOUT が第4のバッファから供給される電圧(即ち、第1の判定電圧+Vsf)よりも高い場合、及び演算増幅器の出力電圧VOUT が第5のバッファから供給される電圧(即ち、第2の判定電圧+Vsf)よりも低い場合に、センサが異常であることを示す信号を出力するように構成するのである。
【0047】
このような請求項7の異常検出回路によれば、演算増幅器の出力電圧VOUT だけではなく、判定回路における良否判定用の電圧範囲も、全体的に特定の電圧Vsfだけシフトすることとなるため、判定電圧発生回路を調整する等して第1の判定電圧と第2の判定電圧とを設定し直さなくても、正確な異常判定が行えるようになる。
【0048】
一方、上記請求項1〜7の異常検出回路において、異常検出対象のセンサとしては、請求項8に記載の如く、各々の抵抗値が歪みによって変化すると共に互いがループ状に接続された4つのゲージ抵抗を有し、前記各ゲージ抵抗同士の接続点のうちで、特定の接続点と該特定の接続点から数えて2つ目の接続点との間に駆動電圧が印加され、他の2つの接続点が前記第1及び第2の出力端子となっている圧力センサとすることができる。
【0049】
そして、このようにすれば、小規模な回路構成でありながら、4つのゲージ抵抗を有した圧力センサの異常を、遅れなく且つ正確に検出することができるようになる。また特に、この種の圧力センサでは、通常、各出力電圧V1,V2と平衡点電圧V0との差が小さいため、請求項5の構成が有効である。
【0050】
ここで、異常検出対象のセンサを圧力センサとした場合、基準電圧発生回路は、請求項9に記載の如く、その圧力センサに印加される駆動電圧VDを分圧して前記基準電圧VEを発生させる少なくとも2つの抵抗とすることができる。
例えば、図1に示すように、基準電圧発生回路11は、駆動電圧VDを分圧する2つの抵抗11a,11bによって構成することができる。そして、この場合、その両抵抗11a,11bの抵抗値を、互いの接続点に基準電圧VEが発生するように設定すれば良い。
【0051】
尚、駆動電圧VDを分圧する抵抗の数は3つ以上であっても良い。つまり、何れかの抵抗同士の接続点に発生する分圧電圧が目的の基準電圧VEとなるように、各抵抗の抵抗値を設定すれば良いからである。
そして、このような請求項9の異常検出回路によれば、圧力センサへの駆動電圧VDが変動して該圧力センサの実際の平衡点電圧V0が変化しても、その平衡点電圧V0の変化に追従して基準電圧VEが変わることとなる。よって、駆動電圧VDが変動しても、圧力センサの異常を正確に検出することができる。
【0052】
次に、請求項10に記載の物理量検出装置は、第1の出力端子に発生する第1の出力電圧と、第2の出力端子に発生する第2の出力電圧とが、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するように形成されたセンサを備えており、そのセンサの第1の出力電圧と第2の出力電圧とに基づいて、検出対象の物理量を示す検出信号を出力端子から出力するものである。
【0053】
そして特に、請求項10の物理量検出装置は、前記センサの異常を検出するために、請求項1〜9の何れかに記載の異常検出回路を備えており、その異常検出回路の判定回路からセンサが異常であることを示す信号が出力されると、出力端子から、前記検出信号に代えて、異常の発生を示す特定の信号を出力する。
【0054】
このような物理量検出装置によれば、センサが正常である場合には、検出対象の物理量を示す検出信号が出力端子から出力されるが、センサに異常が生じた場合には、出力端子から異常の発生を示す特定の信号が出力されることとなる。よって、当該物理量検出装置からの検出信号を入力して処理する電子制御装置などの他の装置は、その入力している検出信号が上記特定の信号に変わったことを検知するだけで、センサが正常か否かを判断することができ、信号ラインを別途設ける必要がない。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態のセンサの異常検出回路について、図面を用いて説明する。
まず、図2は、第1実施形態の異常検出回路の構成を表す回路図である。
【0056】
尚、本第1実施形態の異常検出回路は、図6を用いて説明した圧力センサ100と同じ構成の圧力センサ10の異常を検出するためのものであり、前述した図1の異常検出回路を、より具体的にしたものである。そして、図2において、前述の図1及び図6に示した構成要素と同じものについては、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0057】
図2に示すように、本第1実施形態の異常検出回路は、図1と比較すると、下記の(1−1)〜(1−3)の点が異なっている。
(1−1):圧力センサ10を構成する各ゲージ抵抗1〜4同士の接続点A〜Dのうち、ゲージ抵抗1,4同士の接続点Aとゲージ抵抗2,3同士の接続点Cとの間に、接続点A側から接続点C側へと、4つの抵抗21,22,23,24が順次直列に接続されている。
【0058】
このため、圧力センサ10に印加される駆動電圧VD、即ち上記接続点Aと上記接続点Cとの間に印加される駆動電圧VDは、上記4つの抵抗21〜24によって分圧されることとなるが、本第1実施形態では、その4つの抵抗21〜24の抵抗値を、各抵抗21〜24同士の接続点に下記(1)〜(3)のような電圧が発生するように設定している。
【0059】
(1):抵抗22と抵抗23との接続点に、駆動電圧VDの1/2の電圧であって、圧力センサ10の両出力電圧V1,V2の平衡点電圧V0と同じ電圧が、基準電圧VEとして発生するようにする。そして、この抵抗22と抵抗23との接続点が、演算増幅器12の非反転入力端子に接続されている。
【0060】
(2):抵抗21と抵抗22との接続点に、上記基準電圧VE(=VD/2)よりも所定電圧αだけ高い第1の判定電圧VH(=VE+α)が発生するようにする。
(3):抵抗23と抵抗24との接続点に、上記基準電圧VE(=VD/2)よりも上記所定電圧αだけ低い第2の判定電圧VL(=VE−α)が発生するようにする。
【0061】
尚、本第1実施形態では、こうした4つの抵抗21〜24が、基準電圧発生回路11に相当している。そして、上記抵抗21〜24としては、温度依存性をほとんど持たない薄膜抵抗を用いており、その抵抗値はレーザトリミングによって調整するか、あるいは、抵抗の比率さえ精度良くできればトリミングなしでも良い。
【0062】
(1−2):第1のバッファ17として、反転入力端子と出力端子とが接続された演算増幅器25を用いている。そして、その演算増幅器25の非反転入力端子が、第1のバッファ17の入力端子として、圧力センサ10の第1の出力端子J1(ゲージ抵抗1,2同士の接続点B)に接続され、該演算増幅器25の出力端子が、第1のバッファ17の出力端子として、第1の抵抗13の一端に接続されている。
【0063】
同様に、第2のバッファ18として、反転入力端子と出力端子とが接続された演算増幅器26を用いている。そして、その演算増幅器26の非反転入力端子が、第2のバッファ18の入力端子として、圧力センサ10の第2の出力端子J2(ゲージ抵抗3,4同士の接続点D)に接続され、該演算増幅器26の出力端子が、第2のバッファ18の出力端子として、第2の抵抗14の一端に接続されている。
【0064】
(1−3):判定回路16として、ウィンドウコンパレータ27を備えている。
そして、このウィンドウコンパレータ27は、演算増幅器12の出力電圧VOUT が抵抗21と抵抗22との接続点に発生する第1の判定電圧VHよりも高い場合にローレベル信号を、そうでない場合にハイレベル信号を出力する第1の比較器(コンパレータ)28と、演算増幅器12の出力電圧VOUT が抵抗23と抵抗24との接続点に発生する第2の判定電圧VLよりも低い場合にハイレベル信号を、そうでない場合にローレベル信号を出力する第2の比較器29と、上記両比較器28,29の出力が両方共にハイレベルである場合にハイレベル信号を、そうでない場合にローレベル信号を出力する第1のアンドゲート30と、上記両比較器28,29の出力が両方共にローレベルである場合にハイレベル信号を、そうでない場合にローレベル信号を出力する第2のアンドゲート31と、上記両アンドゲート30,31の出力の論理和信号を出力するオアゲート32とから構成されている。
【0065】
このため、ウィンドウコンパレータ27の上記オアゲート32からは、演算増幅器12の出力電圧VOUT が、第2の判定電圧VL(=VE−α)から第1の判定電圧VH(=VE+α)までの電圧範囲(良否判定のために設定された電圧範囲に相当)に入っていれば、ローレベル信号が出力される。
【0066】
これに対して、演算増幅器12の出力電圧VOUT が、上記電圧範囲(VE±α)外になると、即ち、演算増幅器12の出力電圧VOUT が第1の判定電圧VHよりも高くなるか、或いは第2の判定電圧VLよりも低くなると、ウィンドウコンパレータ27の上記オアゲート32から、圧力センサ10が異常であることを示すハイレベル信号が出力されることとなる。
【0067】
以上のような第1実施形態の異常検出回路において、第1のバッファ17としての演算増幅器25からは、圧力センサ10の第1の出力電圧V1(第1の出力端子J1に発生する出力電圧V1)と同じ電圧V1が出力され、同様に、第2のバッファ18としての演算増幅器26からは、圧力センサ10の第2の出力電圧V2(第2の出力端子J2に発生する出力電圧V2)と同じ電圧V2が出力される。
【0068】
また、本第1実施形態の異常検出回路において、第3の抵抗15の抵抗値は、第1及び第2の抵抗13,14の抵抗値のX倍(但しXは1よりも大きい値)に設定されている。
このため、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、前述した式2,3のようになり、圧力センサ10が正常であれば(即ち、圧力センサ10の各出力電圧V1,V2の、基準電圧VEからの変化量が同じであれば)、演算増幅器12の出力電圧VOUT は基準電圧VEと等しくなる。
【0069】
これに対し、圧力センサ10に異常が生じて、その両出力電圧V1,V2のバランスが崩れると、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、基準電圧VEから正方向あるいは負方向にずれることとなる。そして、演算増幅器12の出力電圧VOUT が、良否判定用の上記電圧範囲(VE±α)から外れると、ウィンドウコンパレータ27(詳しくは、そのオアゲート32)から、圧力センサ10が異常であることを示すハイレベル信号が出力されることとなる。
【0070】
このような本第1実施形態の異常検出回路によれば、常に同じ時点の出力電圧V1,V2に基づいて、圧力センサ10の異常を正確に検出することができ、しかも、圧力センサ10に異常が発生してからその異常を検知できるまでの遅れも殆ど無い。そして更に、MPUなどの高機能な情報処理装置を設けることなく、非常に小規模な回路構成で圧力センサ10の異常を検出できる。
【0071】
また、圧力センサ10に印加される駆動電圧VDを抵抗21〜24で分圧して、基準電圧VEを発生させるようにしているため、駆動電圧VDが変動して圧力センサ10の実際の平衡点電圧V0が変化しても、基準電圧VEを常にその平衡点電圧V0と同じ値にすることができる。よって、圧力センサ10への駆動電圧VDが変動しても、その圧力センサ10の異常を正確に検出することができる。
【0072】
また更に、圧力センサ10の第1の出力端子J1と第1の抵抗13との間に、演算増幅器25からなる第1のバッファ17を設けると共に、圧力センサ10の第2の出力端子J2と第2の抵抗14との間に、演算増幅器26からなる第2のバッファ18を設けるようにしているため、圧力センサ10の出力端子J1,J2から演算増幅器12及び第1〜第3の抵抗13,14,15からなる回路部分へ電流が流れて出力電圧V1,V2がずれてしまうことが防止され、圧力センサ10の異常をより正確に検出することができる。
【0073】
次に、図3は、第2実施形態の異常検出回路の構成を表す回路図である。
尚、本第2実施形態の異常検出回路も、第1実施形態の異常検出回路と同様に、図6を用いて説明した圧力センサ100と同じ構成の圧力センサ10の異常を検出するためのものである。そして、図3において、図2に示した構成要素と同じものについては、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0074】
図3に示すように、本第2実施形態の異常検出回路は、第1実施形態の異常検出回路(図2)と比較すると、下記の(2−1)及び(2−2)の点が異なっている。
(2−1):演算増幅器25からなる第1のバッファ17に代えて、圧力センサ10の第1の出力電圧V1を非反転入力とし、抵抗22と抵抗23との接続点に発生する基準電圧VEを反転入力とした第1の差動増幅器35を備えている。
【0075】
同様に、演算増幅器26からなる第2のバッファ18に代えて、圧力センサ10の第2の出力電圧V2を非反転入力とし、上記基準電圧VEを反転入力とした第2の差動増幅器36を備えている。
具体的に説明すると、第1の差動増幅器35は、非反転入力端子が圧力センサ10の第1の出力端子J1に接続された演算増幅器41と、抵抗22と抵抗23との接続点と演算増幅器41の反転入力端子との間に接続された抵抗42と、演算増幅器41の出力端子と反転入力端子との間に接続された抵抗43とからなり、上記演算増幅器41の出力端子が、当該第1の差動増幅器35の出力端子として、第1の抵抗13の一端に接続されている。そして、この場合、演算増幅器41の非反転入力端子が、当該第1の差動増幅器35の非反転入力端子となり、抵抗42の演算増幅器41側とは反対側の端部が、当該第1の差動増幅器35の反転入力端子となっている。
【0076】
同様に、第2の差動増幅器36は、非反転入力端子が圧力センサ10の第2の出力端子J2に接続された演算増幅器44と、抵抗22と抵抗23との接続点と演算増幅器44の反転入力端子との間に接続された抵抗45と、演算増幅器44の出力端子と反転入力端子との間に接続された抵抗46とからなり、上記演算増幅器44の出力端子が、当該第2の差動増幅器36の出力端子として、第2の抵抗14の一端に接続されている。そして、この場合、演算増幅器44の非反転入力端子が、当該第2の差動増幅器36の非反転入力端子となり、抵抗45の演算増幅器44側とは反対側の端部が、当該第2の差動増幅器36の反転入力端子となっている。
【0077】
そして更に、上記抵抗42,43,45,46の各抵抗値は、抵抗43と抵抗42との抵抗値の比と、抵抗46と抵抗45との抵抗値の比とが、互いに同じになるように設定されている。
このため、抵抗43の抵抗値を抵抗42の抵抗値で割った値と、抵抗46の抵抗値を抵抗45の抵抗値で割った値とを、「Rb/Ra」とすると、第1の差動増幅器35及び第2の差動増幅器36の増幅率Yは、「1+Rb/Ra」となり、前述した式4,5から、第1の差動増幅器35の出力電圧(即ち、第1の抵抗13の一端に印加される電圧)V1Sと、第2の差動増幅器36の出力電圧(即ち、第2の抵抗14の一端に印加される電圧)V2Sとは、夫々、下記式7,8のようになる。
【0078】
【数7】
V1S=(1+Rb/Ra)×(V1−VE)+VE …式7
【0079】
【数8】
V2S=(1+Rb/Ra)×(V2−VE)+VE …式8
そして、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、式2におけるV1とV2とを、夫々、上記式7,8のV1SとV2Sとに置き換えることにより、下記式9のようになる。
【0080】
【数9】
VOUT =−X(1+Rb/Ra)×{(V1−VE)+(V2−VE)}+VE …式9
よって、この式9から分かるように、本第2実施形態の異常検出回路では、圧力センサ10の両出力電圧V1,V2のバランスが崩れた場合に、演算増幅器12の出力電圧VOUT が、基準電圧VEから正方向あるいは負方向に、より大きくずれることとなる。
【0081】
(2−2):このため、本第2実施形態の異常検出回路では、抵抗21と抵抗22との接続点に発生する第1の判定電圧VHが第1実施形態の場合よりも若干高く、且つ、抵抗23と抵抗24との接続点に発生する第2の判定電圧VLが第1実施形態の場合よりも若干低くなるように、4つの抵抗21〜24の抵抗値を設定している。つまり、良否判定用の電圧範囲(VE±α)を、基準電圧VEを中心にして若干広げている。
【0082】
以上のような本第2実施形態の異常検出回路によれば、圧力センサ10の出力電圧V1,V2のバランスが崩れると、演算増幅器12の出力電圧VOUT が基準電圧VEからより大きくずれることとなるため、圧力センサ10が異常であるか否かをより正確に判断して、一層正確な異常検出を行うことができる。
【0083】
また、演算増幅器12が持つオフセット電圧の影響を小さくすることができる。
また更に、第1及び第2の差動増幅器35,36を構成する各演算増幅器41,44は、第1実施形態における第1及び第2のバッファ17,18(演算増幅器25,26)と同様の役割も果たす。つまり、圧力センサ10の出力端子J1,J2から演算増幅器12及び第1〜第3の抵抗13,14,15からなる回路部分へ余分な電流が流れることも防止される。
【0084】
次に、図4は、第3実施形態の異常検出回路の構成を表す回路図である。
尚、本第3実施形態の異常検出回路も、第1実施形態の異常検出回路と同様に、図6を用いて説明した圧力センサ100と同じ構成の圧力センサ10の異常を検出するためのものである。そして、図4において、図2に示した構成要素と同じものについては、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0085】
図4に示すように、本第3実施形態の異常検出回路は、第1実施形態の異常検出回路(図2)と比較すると、下記の(3−1)及び(3−2)の点が異なっている。
(3−1):演算増幅器25によるボルテージフォロワ回路のバッファ17に代えて、後述する構成のバッファ51を備えている。そして同様に、演算増幅器26によるボルテージフォロワ回路のバッファ18に代えて、後述する構成のバッファ52を備えている。
【0086】
(3−2):抵抗22と抵抗23との接続点と、演算増幅器12の非反転入力端子との間に、抵抗22と抵抗23との接続点に生じる基準電圧VEを入力としたバッファ53が追加されている。
更に、抵抗21と抵抗22との接続点と、ウィンドウコンパレータ27を構成する第1の比較器28の非反転入力端子とが、直接接続されるのではなく、その間に、抵抗21と抵抗22との接続点に生じる第1の判定電圧VHを入力としたバッファ54が追加されている。そして同様に、抵抗23と抵抗24との接続点と、ウィンドウコンパレータ27を構成する第2の比較器29の非反転入力端子とが、直接接続されるのではなく、その間に、抵抗23と抵抗24との接続点に生じる第2の判定電圧VLを入力としたバッファ55が追加されている。
【0087】
ここで、上記5つのバッファ51〜55は、入力電圧Viを特定の電圧Vsfだけシフトさせた電圧(=Vi+Vsf)を、出力電圧Voとして出力するレベルシフト回路であり、例えば図5(A)のような構成のものである、
即ち、図5(A)に示すように、各バッファ51〜55は、圧力センサ10に印加される駆動電圧VD(詳しくは、駆動電圧VDの高電位側)にコレクタが接続されたNPNトランジスタ60と、そのNPNトランジスタ60のエミッタと接地電位(即ち、駆動電圧VDの低電位側)との間に接続された抵抗Rとを備えている。そして、NPNトランジスタ60のベースが、当該バッファの入力端子となり、NPNトランジスタ60のエミッタが、当該バッファの出力端子となっている。
【0088】
よって、バッファ51〜55からは、入力電圧ViをNPNトランジスタ60のベース−エミッタ間電圧Vbeだけ低電位側へシフトさせた電圧(=Vi−Vbe)が、出力電圧Voとして出力されることとなる。つまり、上記特定の電圧Vsfであって、入力電圧Viをシフトさせる電圧分Vsfは、「−Vbe」となっている。
【0089】
このようなバッファ51〜55を備えた本第3実施形態の異常検出回路において、バッファ51から第1の抵抗13の一端に出力される電圧Vo1は、圧力センサ10の第1の出力電圧V1を上記Vbeだけ低電位側にシフトした電圧(=V1−Vbe)となり、同様に、バッファ52から第2の抵抗14の一端に出力される電圧Vo2は、圧力センサ10の第2の出力電圧V2を上記Vbeだけ低電位側にシフトした電圧(=V2−Vbe)となる。そして更に、バッファ53から演算増幅器12の非反転入力端子に出力される電圧VoEは、基準電圧VEを上記Vbeだけ低電位側にシフトした電圧(=VE−Vbe)となる。つまり、第1〜第3の抵抗13,14,15と演算増幅器12とからなる信号処理回路部分への3つの入力電圧Vo1,Vo2,VoEが、全て同じ電圧Vbeだけ低電位側にシフトすることとなる。
【0090】
よって、前述した式2からも分かるように、本第3実施形態の異常検出回路においても、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、圧力センサ10の第1の出力電圧V1から基準電圧VEを引いた値と、圧力センサ10の第2の出力電圧V2から基準電圧VEを引いた値とを、互いに加算した値に比例した電圧となる。
【0091】
そして更に、この構成の場合、演算増幅器12の出力電圧VOUT は、「VE−Vbe」を基準に変化することとなるが、バッファ54,55の作用により、ウィンドウコンパレータ27の判定値(即ち、良否判定用の電圧範囲)も、前述の電圧Vbeだけ低電位側にシフトして、「VH−Vbe」〜「VL−Vbe」となる。これは、バッファ54から第1の比較器28の非反転入力端子に供給される電圧が、第1の判定電圧VHを上記Vbeだけ低電位側にシフトした電圧(=VH−Vbe)となり、同様に、バッファ55から第2の比較器29の非反転入力端子に供給される電圧が、第2の判定電圧VLを上記Vbeだけ低電位側にシフトした電圧(=VL−Vbe)となるからである。
【0092】
このため、本第3実施形態の異常検出回路によっても、第1実施形態の異常検出回路と同じ作用及び効果を得ることができる。また、抵抗21〜24の抵抗値を調整して第1及び第の判定電圧VH,VLを設定し直さなくても、正確な異常判定が行えるようになる。
【0093】
そして特に、レベルシフト回路は、演算増幅器によるボルテージフォロワ回路よりも構成が簡単であるため、本第3実施形態の異常検出回路によれば、回路規模を小さくすることができるという利点がある。
尚、本第3実施形態では、バッファ51が第1のバッファに相当し、バッファ52が第2のバッファに相当し、バッファ53が第3のバッファに相当している。そして、バッファ54が第4のバッファに相当し、バッファ55が第5のバッファに相当している。また、抵抗21〜24が、基準電圧発生回路11としてだけではなく、請求項7の判定電圧発生回路としても機能している。
【0094】
また、バッファ51〜55としては、図5(A)に示したレベルシフト回路の他にも、例えば図5(B),(C),(D)の各々に示すレベルシフト回路を用いることができる。
まず、図5(B)に示すレベルシフト回路は、図5(A)のレベルシフト回路におけるNPNトランジスタ60を、ダーリントン接続された2つのNPNトランジスタ61,62に置き換えたものである。そして、1段目のNPNトランジスタ61のベースが、当該バッファの入力端子となり、2段目のNPNトランジスタ62のエミッタが、当該バッファの出力端子となっている。
【0095】
そして、この図5(B)のレベルシフト回路では、1段目のNPNトランジスタ61のベース−エミッタ間電圧を「Vbe1」とし、2段目のNPNトランジスタ62のベース−エミッタ間電圧を「Vbe2」とすると、入力電圧Viを「Vbe1+Vbe2」だけ低電位側へシフトさせた電圧(=Vi−(Vbe1+Vbe2)が、出力電圧Voとして出力されることとなる。つまり、入力電圧Viをシフトさせる電圧分Vsfは、「−(Vbe1+Vbe2)」となる。
【0096】
次に、図5(C)に示すレベルシフト回路は、接地電位にコレクタが接続されたPNPトランジスタ70と、そのPNPトランジスタ70のエミッタと駆動電圧VD(詳しくは、駆動電圧VDの高電位側)との間に接続された抵抗Rとを備えている。そして、PNPトランジスタ70のベースが、当該バッファの入力端子となり、PNPトランジスタ70のエミッタが、当該バッファの出力端子となっている。つまり、このレベルシフト回路は、図5(A)のレベルシフト回路におけるNPNトランジスタ60を、PNPトランジスタ70に置き換えた構成のものである。
【0097】
そして、この図5(C)のレベルシフト回路では、入力電圧ViをPNPトランジスタ70のベース−エミッタ間電圧Vbeだけ高電位側へシフトさせた電圧(=Vi+Vbe)が、出力電圧Voとして出力されることとなる。つまり、入力電圧Viをシフトさせる電圧分Vsfは、「Vbe」となる。
【0098】
また、図5(D)に示すレベルシフト回路は、図5(C)のレベルシフト回路におけるPNPトランジスタ70を、ダーリントン接続された2つのPNPトランジスタ71,72に置き換えたものである。そして、1段目のPNPトランジスタ71のベースが、当該バッファの入力端子となり、2段目のPNPトランジスタ72のエミッタが、当該バッファの出力端子となっている。
【0099】
そして、この図5(D)のレベルシフト回路では、1段目のPNPトランジスタ71のベース−エミッタ間電圧を「Vbe1」とし、2段目のPNPトランジスタ72のベース−エミッタ間電圧を「Vbe2」とすると、入力電圧Viを「Vbe1+Vbe2」だけ高電位側へシフトさせた電圧(=Vi+(Vbe1+Vbe2)が、出力電圧Voとして出力されることとなる。つまり、入力電圧Viをシフトさせる電圧分Vsfは、「Vbe1+Vbe2」となる。
【0100】
次に、第4実施形態として、前述した第1〜第3実施形態の各異常検出回路のうちの何れかを備えた物理量検出装置としての圧力検出装置80について、図8を用いて説明する。
図8に示すように、本実施形態の圧力検出装置80は、前述した圧力センサ10と、圧力センサ10の第1の出力電圧V1と第2の出力電圧V2とが入力されて、その両出力電圧V1,V2の電位差を増幅することにより、圧力センサ10で検出される圧力Pに応じたアナログ電圧信号(検出対象の物理量を示す検出信号に相当し、本実施形態では、0.5V〜4.5Vの電圧信号)を出力するアンプ82と、アンプ82の出力を外部へ出力するための出力端子84と、その出力端子84とアンプ82との間に設けられた出力回路86と、異常検出回路88とを備えている。
【0101】
尚、異常検出回路88は、前述した第1〜第3実施形態(図2〜図4)の各異常検出回路の何れかであり、圧力センサ10の異常を検出するために設けられている。また、アンプ82は、温度補償機能を有したものである。
ここで、出力回路86は、異常検出回路88のウィンドウコンパレータ27(詳しくは、オアゲート32)からローレベル信号が出力されている正常時には、アンプ82の出力を、そのまま出力端子84に供給して外部へと出力させる。
【0102】
これに対して、ウィンドウコンパレータ27からハイレベル信号が出力されている異常発生時には、出力端子84の電圧を、アンプ82の出力に拘わらず、上記0.5V〜4.5Vの所定電圧範囲内にない電圧(具体的には、0.3V以下あるいは4.7V以上)にする。
【0103】
つまり、この圧力検出装置80では、ウィンドウコンパレータ27から圧力センサ10が異常であることを示す信号が出力されると、出力端子84から、異常の発生を示す特定の信号として、正常時とは異なる電圧を出力するようにしている。
【0104】
このような本実施形態の圧力検出装置80によれば、当該装置80からのアナログ電圧信号を入力して圧力を検知する電子制御装置などの他の装置は、その入力している電圧信号が上記所定電圧範囲外の電圧(0.3V以下または4.7V以上)になったことを検知するだけで、圧力センサ10が正常か否かを判断することができ、信号ラインを別途設ける必要がない。
【0105】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、図2の異常検出回路において、抵抗22と抵抗23との接続点と、演算増幅器12の非反転入力端子との間に、図2のバッファ17,18と同様のバッファ(第3のバッファに相当)を設け、そのバッファから演算増幅器12の非反転入力端子に基準電圧VEを入力するようにしても良い。つまり、図4の異常検出回路における各バッファ51〜55を、演算増幅器によるボルテージフォロワ回路のバッファに置き換えることも可能である。
【0106】
また、図3の異常検出回路において、抵抗22と抵抗23との接続点と、抵抗42と抵抗45との接続点との間に、ボルテージフォロワ回路によるバッファを設け、そのバッファから抵抗42と抵抗45との接続点及び演算増幅器12の非反転入力端子へ基準電圧VEを印加するように構成すれば、基準電圧VEがずれてしまうことが全く無くなり、より高精度な異常検出が可能となる。尚、抵抗21〜24の抵抗値が抵抗42〜46の抵抗値に対して十分に小さければ、基準電圧VEが大きくずれることは無いため、このようなバッファは必要に応じて設ければ良い。
【0107】
また更に、図3の異常検出回路において、圧力センサ10の第1の出力端子J1と第1の差動増幅器35との間、及び圧力センサ10の第2の出力端子J2と第2の差動増幅器36との間に、夫々、バッファを設けるようにしても良い。
一方、上記各実施形態の異常検出回路は、図6を用いて説明した圧力センサ100と同じ構成の圧力センサ10の異常を検出するものであったが、本発明は、こうした圧力センサに限らず、図6(a)と同じ回路構成を備えた加速度センサや、それ以外の他のセンサについても、全く同様に適用することができる。
【0108】
また、異常検出対象のセンサの平衡点電圧V0が、正常時において変化する可能性が無い場合(例えば、上記実施形態における圧力センサ10の駆動電圧VDが変動しない場合)、基準電圧VEや第1及び第2の判定電圧VH,VLは、定電圧回路によって発生させるようにしても良い。
【0109】
尚、演算増幅器やコンパレータには、誤差としてオフセット電圧があるが、以上の数式において、これらは十分小さく無視できるものとして説明してある。また、図2,3の各異常検出回路及びその変形例において、バッファは、演算増幅器によるボルテージフォロワ回路以外で構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1,2の本発明の異常検出回路を例示する回路図である。
【図2】 第1実施形態の異常検出回路を表す回路図である。
【図3】 第2実施形態の異常検出回路を表す回路図である。
【図4】 第3実施形態の異常検出回路を表す回路図である。
【図5】 バッファとしてのレベルシフト回路を表す回路図である。
【図6】 圧力センサを説明する説明図である。
【図7】 従来技術を説明する説明図である。
【図8】 実施形態の圧力検出装置の構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
1〜4…ゲージ抵抗 10,100…圧力センサ 11…基準電圧発生回路
11a,11b,21〜24,42,43,45,46…抵抗
12…演算増幅器 13…第1の抵抗 14…第2の抵抗 15…第3の抵抗
16…判定回路 17,51…第1のバッファ 18,52…第2のバッファ
27…ウィンドウコンパレータ 28…第1の比較器 29…第2の比較器
30…第1のアンドゲート 31…第2のアンドゲート 32…オアゲート
35…第1の差動増幅器 36…第2の差動増幅器 53…第3のバッファ
54…第4のバッファ 55…第5のバッファ 80…圧力検出装置
82…アンプ 84…出力端子 86…出力回路 88…異常検出回路
Claims (10)
- 第1の出力端子に発生する第1の出力電圧と、第2の出力端子に発生する第2の出力電圧とが、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するように形成されたセンサの異常を検出するための異常検出回路であって、
前記平衡点電圧とほぼ同じの基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
該基準電圧発生回路によって発生される基準電圧が一方の入力端子に入力された演算増幅器と、
一端に前記センサの第1の出力電圧が印加されると共に、他端が前記演算増幅器の他方の入力端子に接続された第1の抵抗と、
一端に前記センサの第2の出力電圧が印加されると共に、他端が前記演算増幅器の他方の入力端子に接続され、更に抵抗値が前記第1の抵抗と同じに設定された第2の抵抗と、
前記演算増幅器の出力端子と他方の入力端子との間に接続され、該出力端子から該他方の入力端子に負帰還をかける第3の抵抗と、
前記演算増幅器から、前記第1の出力電圧と前記基準電圧との差分と、前記第2の出力電圧と前記基準電圧との差分とを加算した電圧に基づく出力電圧が入力され、該出力電圧が予め定められた電圧範囲内であるか判定することにより、これらの差分を加算した電圧が正常な値であるか判定し、該出力電圧が該電圧範囲内にない場合に、前記センサが異常であることを示す信号を出力する判定回路と、
を備えたことを特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項1に記載のセンサの異常検出回路において、
前記センサの第1の出力電圧を入力して、該第1の出力電圧を前記第1の抵抗の一端に印加する第1のバッファと、
前記センサの第2の出力電圧を入力して、該第2の出力電圧を前記第2の抵抗の一端に印加する第2のバッファと、
を備えていることを特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項2に記載のセンサの異常検出回路において、
前記基準電圧発生回路により発生される基準電圧を入力して、該基準電圧を前記演算増幅器の前記一方の入力端子に入力させる第3のバッファを備えていること、
を特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項3に記載のセンサの異常検出回路において、
前記第1のバッファと、前記第2のバッファと、前記第3のバッファは、
入力電圧を特定の電圧だけシフトさせた電圧を、出力電圧として出力するレベルシフト回路であること、
を特徴とするセンサの異常検出回路。 - 第1の出力端子に発生する第1の出力電圧と、第2の出力端子に発生する第2の出力電圧とが、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するように形成されたセンサの異常を検出するための異常検出回路であって、
前記平衡点電圧とほぼ同じの基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
該基準電圧発生回路によって発生される基準電圧が一方の入力端子に入力された演算増幅器と、
前記センサの第1の出力電圧を非反転入力とし、前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧を反転入力とした第1の差動増幅器と、
前記センサの第2の出力電圧を非反転入力とし、前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧を反転入力とした第2の差動増幅器と、
一端に前記第1の差動増幅器の出力電圧が印加されると共に、他端が前記演算増幅器の他方の入力端子に接続された第1の抵抗と、
一端に前記第2の差動増幅器の出力電圧が印加されると共に、他端が前記演算増幅器の他方の入力端子に接続され、更に抵抗値が前記第1の抵抗と同じに設定された第2の抵抗と、
前記演算増幅器の出力端子と他方の入力端子との間に接続され、該出力端子から該他方の入力端子に負帰還をかける第3の抵抗と、
前記演算増幅器から、前記第1の出力電圧と前記基準電圧との差分と、前記第2の出力電圧と前記基準電圧との差分とを加算した電圧に基づく出力電圧が入力され、該出力電圧が予め定められた電圧範囲内であるか判定することにより、これらの差分を加算した電圧が正常な値であるか判定し、該出力電圧が該電圧範囲内にない場合に、前記センサが異常であることを示す信号を出力する判定回路と、
を備えたことを特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項1ないし請求項5の何れかに記載のセンサの異常検出回路において、
前記判定回路は、
前記演算増幅器の出力電圧が、前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧よりも所定電圧だけ高い第1の判定電圧より高い場合、及び前記演算増幅器の出力電圧が、前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧よりも所定電圧だけ低い第2の判定電圧より低い場合に、前記信号を出力するように構成されていること、
を特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項4に記載のセンサの異常検出回路において、
前記基準電圧発生回路によって発生される基準電圧よりも所定電圧だけ高い第1の判定電圧と、前記基準電圧よりも所定電圧だけ低い第2の判定電圧とを発生する判定電圧発生回路と、
該判定電圧発生回路によって発生される前記第1の判定電圧を、前記特定の電圧だけシフトさせて前記判定回路に供給する第4のバッファと、
前記判定電圧発生回路によって発生される前記第2の判定電圧を、前記特定の電圧だけシフトさせて前記判定回路に供給する第5のバッファとを備え、
前記判定回路は、前記演算増幅器の出力電圧が前記第4のバッファから供給される電圧よりも高い場合、及び前記演算増幅器の出力電圧が前記第5のバッファから供給される電圧よりも低い場合に、前記信号を出力するように構成されていること、
を特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項1ないし請求項7の何れかに記載のセンサの異常検出回路において、
前記センサは、
各々の抵抗値が歪みによって変化すると共に互いがループ状に接続された4つのゲージ抵抗を有し、前記各ゲージ抵抗同士の接続点のうちで、特定の接続点と該特定の接続点から数えて2つ目の接続点との間に駆動電圧が印加され、他の2つの接続点が前記第1及び第2の出力端子となっている圧力センサであること、
を特徴とするセンサの異常検出回路。 - 請求項8に記載のセンサの異常検出回路において、
前記基準電圧発生回路は、
前記駆動電圧を分圧して前記基準電圧を発生させる少なくとも2つの抵抗からなること、
を特徴とするセンサの異常検出回路。 - 第1の出力端子に発生する第1の出力電圧と、第2の出力端子に発生する第2の出力電圧とが、検出対象の物理量に応じて、所定の平衡点電圧を基準として正方向と負方向とに夫々同じ電圧だけ変化するように形成されたセンサを備え、
該センサの前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧とに基づいて、前記検出対象の物理量を示す検出信号を出力端子から出力する物理量検出装置であって、
前記センサの異常を検出するために請求項1ないし請求項9の何れかに記載の異常検出回路を備えると共に、その異常検出回路の前記判定回路から前記センサが異常であることを示す信号が出力されると、前記検出信号に代えて、異常の発生を示す特定の信号を前記出力端子から出力するように構成されていること、
を特徴とする物理量検出装置。
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