JP4617093B2 - 窒化物および酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法 - Google Patents

窒化物および酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、流動界面ゾル−ゲル法を利用した窒化物および酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法に関し、流動界面ゾル−ゲル法を利用した窒化物あるいは酸窒化物セラミックスナノシートの工業的な製造方法に関する。
従来、セラミックスの薄膜は、一般的にゾル−ゲル法、CVD法、スパッター法、レーザーアブレーション法などによって作成されているが、そのほとんどが基材の上に作成された薄膜であり、いわゆる基材のない自立した薄膜は何らかの方法で薄膜を基材から剥離させる必要があり、著しく生産性にかけるものであった。一方、基材を必要としない薄膜の製造方法としては、特開2001−261434号公報に記載された部分的に加水分解した高濃度の金属アルコキシド溶液を気−液界面でゲル化させチタン酸バリウム自立膜を作製する方法、特許第2592307号公報や特開昭63−166748号公報に記載された金属アルコキシド溶液を液−液界面で重合させ酸化物セラミックス薄膜を得る方法、特開昭51−34219号公報に記載された金属アルコキシド溶液を水面に滴下しガラス薄膜を得る方法が知られている。また、いわゆるこのようなゾル−ゲル法によらない方法として、層状チタン酸化物微結晶を剥離して得られる薄片粒子からなるチタニアナノシートとその製造方法が特開2002−265223号公報、特開2001−270022号公報に記載されている。
これらの方法ではサブミクロン以上の膜厚の薄膜の作製が目的とされており、また加水分解によるゲル化の速度の制御が困難で、従って膜厚制御が困難であり、何よりも大量製造できない。後者の方法では、チタニアナノシートが得られるが、層状結晶性の原料にのみ有効な方法であり、また工程が複雑である。
一方、本発明者らは、化学修飾して加水分解速度を調整した金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化する工程、このポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液にする工程、この溶液を流動する水面上に精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程、これを回収する工程、および乾燥し焼成する工程を採用する酸化物セラミックスナノシートを工業的に製造できる流動界面ゾル−ゲル法を見いだした。
しかしながら、これらの技術は全て酸化物セラミックスが対象であり、電子セラミックスや光触媒など高機能材料の分野で応用範囲の広い窒化物あるいは酸窒化物セラミックスは製造できないという欠点があった。
特開2001−261434号公報 特許第2592307号公報 特開昭63−166748号公報 特開昭51−34219号公報 特開2002−265223号公報 特開2001−270022号公報
本発明は、上記従来の流動界面ゾル−ゲル法を利用した窒化物あるいは酸窒化物セラミックスナノシートの工業的な製造方法の課題に鑑み、電子セラミックスや光触媒など高機能材料の分野で応用範囲の広い窒化物あるいは酸窒化物セラミックスを製造することが出来る窒化物あるいは酸窒化物セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、流動界面ゾル−ゲル法で製造される酸化物セラミックスナノシートあるいは酸化物セラミックス前駆体であるゲルナノシートを、濃度を制御したアンモニア雰囲気中で焼成することにより、窒素含有量を制御して窒化物あるいは酸窒化物セラミックスナノシートが得られ、上記課題を解決しうることを見いだした。
以上のように本発明によれば、化学修飾した金属アルコキシドを部分加水分解することによりポリマー化した前駆体を水に適度な溶解性を有する溶媒に溶解し、精密にケミカルデザインしたプロセスで流動する水面上に滴下し展開する流動界面ゾル−ゲル法により製造される、厚みが制御され、均一な構造の酸化物セラミックス前駆体のゲルナノシートあるいは酸化物セラミックスナノシートを原料にして、これらをアンモニア中で焼成することにより酸窒化物あるいは窒化物セラミックスナノシートが大量に製造できる。この方法によれば、従来技術では製造できなかった新規なセラミックスナノシートを市場に供給できる。また、本発明のナノシートは厚みが数百nm以下であるため、シート間の焼結が従来の微粒子より低温で起こるため、新たな機能を有するセラミックス薄膜を形成する材料になりうる点で、セミックスナノ粒子などと相補的に材料ナノテクノロジーの発展に寄与できるという有利な効果が得られる。
例えば、窒素をドープした可視光応答性光触媒の研究開発が盛んに行われている現在、それらの材料にナノシートという従来にない材料形態を与えることができ、より高性能のエネルギー変換デバイス用薄膜への応用などへの展開が期待できる。
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の窒化物あるいは酸窒化物セラミックスナノシートの出発物質である酸化物セラミックスナノシートあるいは酸化物セラミックス前駆体であるゲルナノシートの製造方法はすでに特許出願されている流動界面ゾル−ゲル法を利用することができる。すなわち、化学修飾した一種以上の金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化する工程、このポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液にする工程、この溶液を流動する水面上に周囲の雰囲気を制御されたノズルから精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程、これを回収し乾燥する工程、さらに焼成する工程からなる製造方法である。
化学修飾した一種以上の金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化する工程では、目的とする酸化物セラミックスを構成する金属元素のアルコキシドを有機溶媒中で混合し部分加水分解によりポリマー化する。
この工程で使用する金属アルコキシドは目的とする窒化物あるいは酸窒化物セラミックスナノシートの構成成分を含む単一のアルコキシドあるいは複合アルコキシドであってもよいが、目的とするセラミックスの組成を厳密に制御するために、セラミックスナノシートが複合酸化物である場合には、化学修飾した二種以上の金属アルコキシドを用いることが好ましい。アルコキシ基は焼成により酸化物セラミックス中から除去されるため一般的には炭素数の少ないエチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル基などが好ましい。特別に、製造するセラミックスナノシートを多孔質構造にしたい場合には、炭素数の多いアルキル基やアリール基を有するアルコキシドを用いることもできる。
金属アルコキシドを部分加水分解するにあたり、適宜アルコキシ基を選択することにより加水分解速度を調整することもできるが、金属アルコキシドをキレート化、エステル交換、アルコキシ交換、アシドリシス、酸無水物、二塩基酸との反応などにより化学修飾して加水分解速度を調整することが好ましい。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、オクタンジオール、ヘキサンジオールのようなグリコール類、アセチルアセトンのようなβ−ジケトン類、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸のようなヒドロキシカルボン酸類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルのようなケトエステル類、ジアセトンアルコールのようなケトアルコール類のO配位タイプの配位子、エチレンジアミン、アミノアルコール、オキシキノリン、シッフベースのようなN配位タイプの配位子、シクロペンタジエニル化合物のようなC配位タイプの配位子、P、B、S配位タイプの配位子によるキレート化、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのような有機酸エステル類によるエステル交換反応、n−ブチルアルコール、n−ペンタノールのようなアルキル鎖長の長いアルコール類によるアルコキシ交換反応、酢酸、プロピオン酸、フェニル酢酸のようなカルボン酸類とのアシドリシス、無水酢酸、無水ヘプタン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸のような酸無水物との反応、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸のような二塩基酸との反応により金属アルコキシドの一部あるいは全部を加水分解速度の異なる置換機に置換することにより、さらには一部ポリマー化することにより化学修飾して加水分解速度を調整することが可能となる。置換されるアルコキシ基の割合は金属の種類、アルコキシ基の種類により異なるが、全アルコキシ基の5〜80%が置換されていることが好ましい。5%以下では効果が十分ではなく、80%を超えると以下の部分加水分解でポリマー化が不十分となり、ゲルナノシート化する次の工程においてゲル化しにくく好ましくない。
このような金属アルコキシドの化学修飾により、金属アルコキシド分子中には加水分解の速い置換基と遅い置換機が導入され、場合によっては加水分解によるポリマー化が部分的に達成されたのと同様の効果を期待できる。こうして化学修飾された金属アルコキシドはエタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ジエチルエーテルのような水を溶解する溶媒で希釈され、これに同様の溶媒中に所望の量の水を溶解し、さらに必要に応じて塩酸などの酸触媒を加えたものを、溶液が白濁しない程度の速度で攪拌しながら加えることにより部分的に加水分解され、ポリマー化する。
化学修飾された金属アルコキシドは必ずしも希釈する必要はないが、十分な流動性を確保するために、適宜溶媒で希釈することができる。この希釈用の溶媒は脱水されていることが望ましい。
また混合する水の量は金属アルコキシドを部分的に加水分解する量であることが必要であり、一般的に、金属アルコキシドの0.5〜2倍モルの範囲で化学量論的に決定されなければならない。すなわち、本発明では、金属アルコキシドのポリマー化を、溶媒に可溶であることはもちろん、後述する流動する水面上に精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程において、ポリマー溶液と水との界面で三次元網目構造のポリマーに転換しゲルナノシートを生成するために鎖状ポリマーあるいは分岐構造を有する鎖状ポリマーとして得ることが必須である。水の量が金属アルコキシドの0.5倍モルより少ないと鎖状ポリマーを形成しないアルコキシドが残留し、2倍モルを超えるとゲル化するか一部無機微粒子を形成し前駆体溶液を形成しにくくなるので好ましくない。
このように調製された金属アルコキシドポリマー溶液は、次の工程に用いることができるが、鎖状ポリマーあるいは分岐構造を有する鎖状ポリマーの十分な発達と溶液の組成および濃度を厳密に制御するために減圧下で熟成および濃縮することが望ましい。熟成時間は濃縮に要する時間で十分である。濃縮温度は室温から100℃で十分であり、100℃以上では精製したポリマーがゲル化する場合があり好ましくない。
流動界面ゾル−ゲル法のポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液にする工程では、得られたポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液に調整する。
水に対する適度な溶解性を有する溶媒とは、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、プロパナール−1、ブタナール−1、ジエチルエーテル、エチルメチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、ニトロメタン、ジメチルスルホキシドなどであり、ポリマーの性質にもよるが、例えばイソプロパノール、あるいはイソプロパノールと1−ブタノール、エタノールと1−ブタノール、イソプロパノールとブタナール−1などの混合溶媒が一般によい結果を与える。シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど水にほとんど不溶の溶媒も用いることができるが、このような溶媒中では基本的に流動界面でポリマーの加水分解による三次元網目構造の生成が起こらず、したがって加水分解速度の制御が著しく困難になり、ナノシートの厚みの制御ができない点で好ましくない。
ポリマーの濃度はナノシートの厚みを制御するために厳密に制御しなければならず、1〜90%の濃度が好適である。1%以下ではではゲルナノシートの厚みが実質的に制御できなくなり、90%以上ではポリマーに起因する溶液の粘度の上昇が支配的になり、溶液が次の前駆体溶液を展開するための工程でノズルからの滴下が困難になったり、流動する界面に滴下された際に水面上に広がりにくくなるためナノシートが得られない。
調整した前駆体溶液を流動する水面上に周囲の雰囲気を制御されたノズルから精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程では、流動する水面上に前駆体溶液を精密に連続して滴下しゲルナノシートとする。この工程においては、流動する界面を形成する水の温度の制御、流動する界面を形成する水の表面張力やpHの制御、ゲルナノシートからの成分元素の溶出を制御する物質の溶解、流動する界面上の雰囲気の制御などによって前駆体溶液の展開面積を制御でき、したがってゲルナノシートの膜厚を制御できる。
前記の工程で得られたゲルナノシートを回収し乾燥する。乾燥する温度は、室温から100℃の温度範囲でよく、乾燥する雰囲気は大気あるいは酸素雰囲気でよい。ゲルナノシート中にバリウムなどが含まれていて炭酸塩を生成する場合には、二酸化炭素を除去した雰囲気を使用することが好ましい。こうして得られたゲルナノシートを本発明の製造方法における窒化物あるいは酸窒化物ナノシートの原料とすることができる。
所望の窒化物あるいは酸窒化物ナノシートを得るために、本発明による製造方法ではさらにゲルナノシートを焼成し、酸化物セラミックスナノシートに転換したものを原料として用いることができる。すなわち、得られたゲルナノシート中にはポリマー由来の有機物が含有されているので、ゲルナノシートから残留する有機物を除去し、所望の酸化物を得るために所定の温度まで焼成する。このときの昇温速度はゲルナノシートをナノシートの構造を維持させながら酸化物セラミックスに転換させるために重要であり、ゲル中に形成された金属と酸素の三次元的な結合をさらに発達させるために急激に昇温しないことが必要である。好ましくはゲル中の残留有機物が徐々に熱分解し酸化する50〜200℃/時間で昇温する。焼成温度はゲルナノシート中の炭素が酸化除去される温度以上であればよく、一般的には200℃以上であればよい。焼成する雰囲気は大気でよいが、酸化物セラミックスナノシートの緻密化を促進し、組成を一定に保つために、水蒸気圧を制御したり、二酸化炭素を除去した雰囲気を使用することが好ましく、例えば水蒸気圧を制御し、二酸化炭素を除去した空気が好ましい。
こうして得られた酸化物ゲルナノシートあるいは酸化物セラミックスナノシートを本発明の製造方法における窒化物あるいは酸窒化物ナノシートの原料とすることができる。すなわち、アンモニア雰囲気中で焼成することによって、酸化物ゲルナノシートあるいは酸化物セラミックスナノシートを窒化物あるいは酸窒化物ナノシートに転換する。
原料として酸化物ゲルナノシートあるいは酸化物セラミックスナノシートのいずれを用いるかについては所望する窒化物あるいは酸窒化物ナノシートにより異なるが、一般的に窒素含有量の高い、すなわち窒化物セラミックスナノシートには酸化物ゲルナノシートを選択し、窒素含有量の低い、すなわち酸窒化物セラミックスナノシートには酸化物ナノシートを選択するのが望ましい。
酸化物ゲルナノシートあるいは酸化物セラミックスナノシートを焼成する雰囲気はアンモニア雰囲気が好適であるが、酸窒化物を製造する場合など、セラミックス中の窒素含有量を制御したい場合には、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガスなどで希釈して用いることができる。濃度は、所望する酸窒化物の窒素含有量が極めて低い場合があり、アンモニア濃度の下限値を決めることはできない。数ppm以下でも十分目的を達成できる場合がある。また原料アルコキシドの化学修飾の種類によっては窒素ガスを用いることができる場合もある。
焼成する温度は窒化が起こる温度であればよいが、一般的にはゲルナノシートの方が低温で窒化する。通常300℃〜1500℃で焼成することが好ましい。
以上の製造方法により流動界面ゾル−ゲル法を利用して窒化物および酸窒化物セラミックスナノシートが製造できる。
本製造方法では厚さが数百nm以下の自立した窒化物および酸窒化物セラミックスナノシートが得られるが、電子デバイス用セラミックスやエネルギー変換デバイス用セラミックスへの応用が期待される。例えば光エネルギー変換デバイス用セラミックスとして期待されている酸化物半導体であるチタニアなどの光触媒では、紫外線だけでなく可視光も有効に利用しさらに高効率光触媒を開発しようとする研究が活発化している。そのなかでも特に窒素をドープした光触媒の開発は注目を集め、TiNxO2−xやTaON、Taなどの開発が進められている。
本発明の窒化物および酸窒化物セラミックスナノシートは厚さが数百nm以下の自立したナノシートであっるため、従来にない新しい機能が発現する可能性があり、新規な電子デバイスやエネルギー変換デバイスに利用されることが期待できる。
次に、本発明の具体例を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
1モルのペンタエトキシタンタルを1モルの3−オキソブタン酸エチルでキレート化し、発熱がおさまってから、攪拌しながら1時間かけて塩酸とエタノールの混合液に溶解した1モルの水で部分加水分解を行った。さらにロータリーエバポレーターにより減圧下で60℃まで加熱し濃縮して、粘稠な生成物を得た。これにイソプロパノールを加え、90%溶液を調整した。
この溶液を酸化物セラミックスナノシート製造装置を用いて、流動界面ゾル−ゲル法により、ノズル周囲の雰囲気を窒素雰囲気として、23℃に制御した流動する水面上に12mgの液滴で正確に滴下し、ゲルナノシートを作製した。得られたゲルナノシートを100℃で3時間、大気中で乾燥し、その後200℃/時の昇温速度で大気中で1000℃まで加熱し、1時間保持して焼成し、厚みがおよそ150nmのTaナノシートを得た。このナノシートをアンモニア雰囲気中で100℃/時の昇温速度で1000℃まで加熱し、1時間保持して焼成し窒化した。得られた赤色の窒化物のX線回折図形を図1に示す。この結果からTaが生成していることが分かった。生成物のSEM写真を図2に示す。Taナノシートが生成していることが確認された。
実施例1と同様の方法で、1モルのテトライソプロポキシチタンを0.6モルの3−オキソブタン酸エチルでキレート化し、発熱がおさまってから、攪拌しながら1時間かけて1モルの水で部分加水分解を行いポリマー化し、19℃に制御した流動する水面上で、ノズル周囲の雰囲気を窒素雰囲気として、70%イソプロパノール溶液を6mgの液滴で滴下して、ゲルナノシートを作製した。これを回収して、80℃で6時間乾燥した。さらに500℃まで加熱し、1時間保持して焼成し、チタニアナノシートを得た。得られたチタニアナノシートの厚みはほぼ100nmで、X線回折測定の結果から結晶相はアナターゼであった。
こうして得られたチタニアナノシートをアンモニア雰囲気中で100℃/時の昇温速度で所定の温度まで加熱し、1時間保持して焼成し窒化した。得られた窒化物のX線回折図形と温度の関係を図1に示す。これらの結果から600℃まではナノシートは黄色に着色し窒化されていることが分かったが、図3に示したX線回折の結果からアナターゼ結晶層を維持し窒素がドープされた酸窒化物のTiNxO2−xが生成していることが分かった。700℃以上ではナノシートは黒色となり、X線回折の結果からTiN相が生成していることが分かった。
さらにゲルナノシートを同様の条件で1000℃で窒化した結果、黄金色のTiNのナノシートが得られた。
テトライソプロポキシジルコニウムのイソプロポキシ基をブトキシ基に変換し、実施例1と同様の方法で、ポリマー化した。これにイソプロパノールを加え、50%溶液を調整した。
この溶液を酸化物セラミックスナノシート製造装置を用いて、ノズル周囲の雰囲気を窒素雰囲気として、23℃に制御した流動する水面上に8mgの液滴で滴下し、ゲルナノシートを作製した。得られたゲルナノシートを100℃で3時間大気中で乾燥し、その後200℃/時の昇温速度でアンモニア中で1000℃まで加熱し、1時間保持して焼成し、厚みがおよそ100〜200nmのジルコニアナノシートが得られた。ナノシートの構造は、X線回折の結果からモノクリニック相であったが灰色に着色しており、化学分析の結果、0.6%の窒素が含有された酸窒化ジルコニウムであることが分かった。
実施例1で得られたTaのX線回折図形である。 実施例1で得られたTaのナノシートのSEM写真である。 実施例2で得られたTiNxO−xナノシートのX線回折図形である。

Claims (4)

  1. 化学修飾した一種以上の金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化し、水を溶解する溶媒を用いてこのポリマーを望の濃度の溶液にした後、流動界面ゾルーゲル法でゲルナノシート化し、乾燥してアンモニア雰囲気中で焼成することを特徴とする窒化物および/または酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法。
  2. 流動界面ゾルーゲル法で得られたゲルナノシートを大気中または二酸化炭素を除去した空気中で焼成して得た酸化物セラミックスナノシートをさらにアンモニア雰囲気中で焼成することを特徴とする請求項1に記載の窒化物および/または酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法。
  3. キレート化、エステル交換、アルコキシ交換、アシドリシス、酸無水物、二塩基酸との反応などにより化学修飾して加水分解速度を調整した金属アルコキシドの一種以上を用いる請求項1または2に記載の窒化物および/または酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法。
  4. ゲルナノシートを焼成する雰囲気が濃度を制御したアンモニア雰囲気中である請求項1〜3の何れかに記載の窒化物および/または酸窒化物セラミックスナノシートの製造方法。
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