JP4464171B2 - 酸化物セラミックスナノシートの製造方法及び製造装置 - Google Patents

酸化物セラミックスナノシートの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、流動界面ゾル−ゲル法による酸化物セラミックスナノシートの製造方法およびその製造装置に関し、流動界面ゾルゲル法により酸化物セラミックスシートを、安定して長時間製造するための酸化物セラミックスナノシートの製造方法とその装置に関する。
従来、セラミックスの薄膜は、一般的にゾル−ゲル法、CVD法、スパッター法、レーザーアブレーション法などによって作成されているが、そのほとんどが基材の上に作成された薄膜である。いわゆる基材のない自立した薄膜は何らかの方法で薄膜を基材から剥離させる必要があり、著しく生産性にかけるものであった。一方、基材を必要としない薄膜の製造方法としては、特開2001−261434号公報に記載された部分的に加水分解した高濃度の金属アルコキシド溶液を気−液界面でゲル化させチタン酸バリウム自立膜を作製する方法、特許第2592307号公報や特開昭63−166748号公報に記載された金属アルコキシド溶液を液−液界面で重合させ酸化物セラミックス薄膜を得る方法、特開昭51−34219号公報に記載された金属アルコキシド溶液を水面に滴下しガラス薄膜を得る方法が知られている。また、いわゆるこのようなゾル−ゲル法によらない方法として、層状チタン酸化物微結晶を剥離して得られる薄片粒子からなるチタニアナノシートとその製造方法が特開2002−265223号公報や特開2001−270022号公報に記載されている。
前者の方法ではサブミクロン以上の膜厚の薄膜の作製が目的とされており、また加水分解によるゲル化の速度の制御が困難で、従って膜厚制御が困難であり、何よりも大量製造できない。後者の方法では、チタニアナノシートが得られるが、層状結晶性の原料にのみ有効な方法であり、また工程が複雑である。
本発明者は、すでに、金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化する工程、このポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液にする工程、この溶液を流動する水面上に精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程、これを回収する工程、および乾燥し焼成する工程を採用する酸化物セラミックスナノシートを製造する方法を見いだした。また、化学修飾して加水分解速度を調整した金属アルコキシドから得られたポリマーが、さらにポリマー溶液と水との界面で三次元網目構造のポリマーに転換し生成するゲルナノシートを酸化性雰囲気で焼成することにより酸化物セラミックスナノシート得られることを見いだした。
しかしながら、酸化物セラミックスナノシートを長時間安定して製造する際,プロセスの厳密な制御をしないとナノシートの膜厚が大きくばらついたりシート組成が変化したり、場合によってはノズルから溶液が滴下できないなど問題点が明らかになった。
特開2001−261434号公報 特許第2592307号公報 特開昭63−166748号公報 特開昭51−34219号公報 特開2002−265223号公報 特開2001−270022号公報
本発明は、上記流動界面ゾルゲル法の問題点に鑑みなされたものであり、酸化物セラミックスシートを、安定して長時間製造するための酸化物セラミックスナノシートの製造方法及び大量製造を実現する装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、酸化物セラミックスナノシートを製造する流動界面ゾルゲル法の、金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化する工程、このポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液にする工程、この溶液を流動する水面上に精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程、これを回収する工程、および乾燥し焼成する工程において、プロセスのケミカルデザインを厳密に制御し、装置化することにより、上記課題を解決しうることを見いだした。
以上のように本発明によれば、化学修飾した金属アルコキシドを部分加水分解することによりポリマー化した前駆体を水に適度な溶解性を有する溶媒に溶解し、精密にケミカルデザインしたプロセスで流動する水面上に滴下し展開する流動界面ゾル−ゲル法により、厚みが制御され、均一な構造の酸化物セラミックスナノシートが連続的に大量に製造でき、これを可能にする酸化物セラミックスナノシート高速大量製造装置が供給される。この方法は水に溶けやすい成分元素を含有する複合酸化物にも適用でき、従来技術では製造できなかったセラミックスナノシートを市場に供給できる。また、本発明のナノシートはシート間の焼結が従来の微粒子より低温で起こるため、新たな機能を有するセラミックス薄膜を形成する材料になりうる点で、セミックスナノ粒子などと相補的に材料ナノテクノロジーの発展に寄与できるという有利な効果が得られる。
たとえば積層セラミックスコンデンサーの誘電体層の更なる薄膜化や、可視光化光触媒薄膜や、プロトン導伝膜など電子セラミックスやエネルギー変換デバイス用薄膜への応用などへの展開が期待できる。
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の酸化物セラミックスナノシートの製造方法は、化学修飾した一種以上の金属アルコキシドを部分加水分解によりポリマー化する第一の工程、このポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液にする第二の工程、この溶液を流動する水面上に周囲の雰囲気を制御されたノズルから精密に連続して滴下しゲルナノシートとする第三の工程、これを回収し分散する第四の工程、乾燥し焼成する第五の工程を含む。
本発明による第一の工程では、目的とする酸化物セラミックスを構成する金属元素のアルコキシドを有機溶媒中で混合し部分加水分解によりポリマー化する。
第一の工程で使用する金属アルコキシドは単一のアルコキシドであっても複合アルコキシドであってもよいが、目的とする酸化物セラミックスの組成を厳密に制御するために一般式M(OR)(式中Rはアルキル基またはアリール基を表す)で表される単一アルコキシドを用い、目的とする酸化物セラミックスナノシートが複合酸化物である場合には、化学修飾した二種以上の金属アルコキシドを用いることが好ましい。Rは焼成により酸化物セラミックス中から除去されるため一般的には炭素数の少ないエチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル基などが好ましい。特別に、製造するセラミックスナノシートを多孔質構造にしたい場合には、炭素数の多いアルキル基やアリール基を有するアルコキシドを用いることもできる。
第一の工程において、金属アルコキシドを部分加水分解するにあたり、適宜アルコキシ基を選択することにより加水分解速度を調整することもできるが、金属アルコキシドをキレート化、エステル交換、アルコキシ交換、アシドリシス、酸無水物、二塩基酸との反応などにより化学修飾して加水分解速度を調整することが好ましい。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、オクタンジオール、ヘキサンジオールのようなグリコール類、アセチルアセトンのようなβ−ジケトン類、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸のようなヒドロキシカルボン酸類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルのようなケトエステル類、ジアセトンアルコールのようなケトアルコール類のO配位タイプの配位子、エチレンジアミン、アミノアルコール、オキシキノリン、シッフベースのようなN配位タイプの配位子、シクロペンタジエニル化合物のようなC配位タイプの配位子、P,B,S配位タイプの配位子によるキレート化、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのような有機酸エステル類によるエステル交換反応、n−ブチルアルコール、n−ペンタノールのようなアルキル鎖長の長いアルコール類によるアルコキシ交換反応、酢酸、プロピオン酸、フェニル酢酸のようなカルボン酸類とのアシドリシス、無水酢酸、無水ヘプタン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸のような酸無水物との反応、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸のような二塩基酸との反応により金属アルコキシドの一部あるいは全部を加水分解速度の異なる置換機に置換することにより、さらには一部ポリマー化することにより化学修飾して加水分解速度を調整することが可能となる。置換されるアルコキシ基の割合は金属の種類、アルコキシ基の種類により異なるが、全アルコキシ基の5〜80%が置換されていることが好ましい。5%以下では効果が十分ではなく、80%を超えると以下の部分加水分解でポリマー化が不十分となり、ゲルナノシート化する第三の工程においてゲル化しにくく好ましくない。
このような金属アルコキシドの化学修飾により、金属アルコキシド分子中には加水分解の速い置換基と遅い置換機が導入され、場合によっては加水分解によるポリマー化が部分的に達成されたのと同様の効果を期待できる。こうして化学修飾された金属アルコキシドはエタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ジエチルエーテルのような水を溶解する溶媒で希釈され、これに同様の溶媒中に所望の量の水を溶解し、さらに必要に応じて塩酸などの酸触媒を加えたものを、溶液が白濁しない程度の速度で攪拌しながら加えることにより部分的に加水分解され、ポリマー化する。
化学修飾された金属アルコキシドは必ずしも希釈する必要はないが、十分な流動性を確保するために、適宜溶媒で希釈することができる。この希釈用の溶媒は脱水されていることが望ましい。
また混合する水の量は金属アルコキシドを部分的に加水分解する量であることが必要であり、一般的に、金属アルコキシドの0.5〜2倍モルの範囲で化学量論的に決定されなければならない。すなわち、本発明では、金属アルコキシドのポリマー化を、溶媒に可溶であることはもちろん、後述する流動する水面上に精密に連続して滴下しゲルナノシートとする工程において、ポリマー溶液と水との界面で三次元網目構造のポリマーに転換しゲルナノシートを生成するために鎖状ポリマーあるいは分岐構造を有する鎖状ポリマーとして得ることが必須である。水の量が金属アルコキシドの0.5倍モルより少ないと鎖状ポリマーを形成しないアルコキシドが残留し、2倍モルを超えるとゲル化するか一部無機微粒子を形成し前駆体溶液を形成しにくくなるので好ましくない。
このように調製された金属アルコキシドポリマー溶液は、本発明の第二の工程に用いることができるが、鎖状ポリマーあるいは分岐構造を有する鎖状ポリマーの十分な発達と溶液の組成および濃度を厳密に制御するために減圧下で熟成および濃縮することが望ましい。熟成時間は濃縮に要する時間で十分である。濃縮温度は室温から100℃で十分であり、100℃以上では精製したポリマーがゲル化する場合があり好ましくない。
本発明による製造方法の第二の工程では、第一の工程で得られたポリマーを水に対する適度な溶解性を有する溶媒を用いて所望の濃度の溶液に調整する。
第二の工程で用いる水に対する適度な溶解性を有する溶媒とは、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、プロパナール−1、ブタナール−1、ジエチルエーテル、エチルメチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、ニトロメタン、ジメチルスルホキシドなどであり、ポリマーの性質にもよるが、例えばイソプロパノール、あるいはイソプロパノールと1−ブタノール、エタノールと1−ブタノール、イソプロパノールとブタナール−1などの混合溶媒が一般によい結果を与える。シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど水にほとんど不溶の溶媒も用いることができるが、このような溶媒中では基本的に本発明の第三の工程でポリマーの加水分解による三次元網目構造の生成が起こらず、したがって加水分解速度の制御が著しく困難になり、ナノシートの厚みの制御ができない点で好ましくない。
ポリマーの濃度はナノシートの厚みを制御するために厳密に制御しなければならず、1〜90%の濃度が好適である。1%以下ではではゲルナノシートの厚みが実質的に制御できなくなり、90%以上ではポリマーに起因する溶液の粘度の上昇が支配的になり、溶液が第三の工程でノズルからの滴下が困難になったり、流動する界面に滴下された際に水面上に広がりにくくなるためナノシートが得られない。
本発明による製造方法の第三の工程では、流動する水面上に前駆体溶液を精密に連続して滴下しゲルナノシートとする。
図1は、本発明の第三の工程および第四の工程の一部を実施するための装置を示す説明図である。第三の工程は、水槽1に流動界面を形成させるため、水槽2から循環ポンプにより水を循環させ、水槽1から水槽2に向かって水を流し、形成された水の流動界面に、第二の工程で得られたポリマー溶液をディスペンサにより液滴量を制御してマイクロシリンジより滴下する。滴下されたポリマー溶液の液滴は水の表面で展開し、溶媒は主に水に対する溶解性に応じて水中に溶解する。溶液中のポリマー化した金属アルコキシドは溶液と水との界面で加水分解により鎖状ポリマーあるいは分岐構造を有する鎖状ポリマー間で縮合しゲル化してゲルナノシートを形成する。ゲルナノシートは水槽2に向かって移動するためゲルナノシート上にポリマー溶液が滴下しないように滴下速度を調整しさえすれば、連続的にポリマー溶液を滴下することにより、ゲルナノシートの大量製造が可能である。水中の有機溶媒成分は適宜分離槽を介することにより分離することが可能である。前駆体溶液を流動する水面上に滴下する第三の工程では、図1に示すように、周囲の雰囲気を制御されたノズルから前駆体溶液を滴下することが好ましい。すなわち水蒸気圧の高い流動界面上では、ノズル先端で前駆体溶液がゲル化し、長時間の液滴の滴下が困難になるため、乾燥空気や二酸化炭素を除去した乾燥空気、窒素ガスなどでノズル周囲を置換しておくことが好ましい。
本発明の第三の工程において、流動する界面を形成する水の温度を0℃から100℃まで制御することが、流動界面で展開する前駆体溶液の粘度及び加水分解によるゲル化速度を制御し、結果として酸化物セラミックスナノシートの膜厚を厳密に制御できるために好ましい。水温が低すぎると前駆体の粘度が一般的に高くなりすぎ、また高温では加水分解速度が大きくなりすぎたり水面上の水の蒸気圧が高くなりすぎるため、一般的には10℃から50℃に制御することがより好ましい。
さらに、本発明の第三の工程においては、流動する界面を形成する水に水の表面張力を制御する物質を溶解させ、前駆体溶液の界面上での展開速度を制御し、酸化物セラミックスナノシートの膜厚を制御することができる。水の表面張力は普通前駆体溶液の表面張力より2〜3倍大きく、したがって界面上での前駆体溶液の展開速度は極めて大きい。したがって一般的に水の表面張力を低下させる物質、例えば、通常の界面活性剤や、プロパノール、ブタノール、ミリスチルアルコールなどを添加することが、水の表面張力を低下させゲルナノシートの膜厚を制御するために好適に用いられる。
また、本発明の第三の工程においては、流動する界面を形成する水に界面で生成するゲルナノシートからの成分元素の溶出を制御する物質を溶解させることができる。例えばチタン酸バリウムナノシートのような水に対する溶解性の高いバリウムのようなアルカリあるいはアルカリ土類金属を成分元素として含有する前駆体溶液を用いる場合、これらの成分は前駆体溶液が加水分解されてゲルナノシート化する際、水中に溶出しやすい。これを抑制するために予め流動界面を形成する水中にこれら成分を含有するイオン性化合物を溶解させておくことは極めて有効である。例えばチタン酸バリウムナノシートを製造する場合には水酸化バリウムをその溶解度まで溶解させておくことが好ましい結果を与える。同様に、流動する界面を形成する水のpHを制御することは、界面上での前駆体溶液の加水分解速度を制御することができるため前駆体溶液の展開面積を制御でき、したがってゲルナノシートの膜厚を制御できるので好ましい。pHの制御の方法は、流動する界面を形成する水にpHを制御する物質を溶解させることで達成でき、一般的には、アンモニア水、KOH、NaOH、アミン類、塩酸、硝酸、カルボン酸類などが好適である。
さらに本発明の第三の工程においては、流動する界面上の雰囲気を制御することが安定に酸化物セラミックスナノシートを製造するために好ましい。例えば、空気中の二酸化炭素は、チタン酸バリウムナノシートを製造する際、前述した流動界面を形成する水中に溶解された水酸化バリウムと反応し不溶性の炭酸バリウムを生成するため、得られるチタン酸バリウムナノシート中に粗大化した粒子を精製させる。したがって、図1に示したナノシート製造装置全体を例えば二酸化炭素を除去した空気や窒素ガスなどで置換できることが好ましい。
本発明による製造方法の第四の工程では、第三の工程で得られたゲルナノシートを回収する。ゲルナノシートの回収は、図1の水槽2においてガラスフィルター製などのセパレーター6を設けることにより達成されるが、連続的に大量のゲルナノシートの製造を行う場合には、適宜水槽2から回収すればよい。回収の方法は、フィルター様の網ですくい取るか、あるいは交換可能のセパレータごと回収する方法がある。
本発明による製造方法の第五の工程では、第四の工程で回収されたゲルナノシートを乾燥し焼成する。具体的には、得られたゲルナノシート中には水分とポリマー由来の有機物が含有されているので、まず回収されたゲルナノシートからこれらを除去する目的で室温から100℃の温度範囲で乾燥する。乾燥する雰囲気は大気あるいは酸素雰囲気であるが、乾燥速度を制御し、さらにゲルナノシート中にバリウムなどが含まれていて炭酸塩を生成する場合には、水蒸気圧を制御したり、二酸化炭素を除去した雰囲気を使用することが好ましく、水蒸気圧を制御した空気や二酸化炭素を除去した空気、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気が好適である。乾燥したゲルナノシートは、さらに酸化物セラミックスの種類に応じて残留する有機物を除去し、所望の構造を得るために所望の温度まで焼成する。このときの昇温速度はゲルナノシートをナノシートの構造を維持させながら酸化物セラミックスに転換させるために重要であり、ゲル中に形成された金属と酸素の三次元的な結合をさらに発達させるために急激に昇温しないことが必要である。好ましくはゲル中の残留有機物が徐々に熱分解し酸化する1〜200℃/時間で昇温する。焼成温度はゲルナノシート中の炭素が酸化除去される温度以上であればよく、一般的には400℃以上であればよい。焼成する雰囲気は大気でよいが、酸化物セラミックスナノシートの緻密化を促進し、組成を一定に保つために、水蒸気圧を制御したり、二酸化炭素を除去した雰囲気を使用することが好ましく、例えば水蒸気圧を制御し、二酸化炭素を除去した空気が好ましい。
次に本発明による流動界面ゾル−ゲル法により酸化物セラミックスナノシートを連続的に製造するために、上述のプロセスのケミカルデザインを実施できる酸化物セラミックスゲルナノシートの製造装置について説明する。
本発明の酸化物セラミックスゲルナノシートの製造装置はナノシート製造部と制御部から構成される。
ナノシート製造部は、ナノシート化部(流動界面形成部)と回収部から構成される。ナノシート製造部では、ポンプにより水を循環しナノシート化部において層流を形成させ流動界面とする。層流の厚さは10mm程度で十分であり、その線速度は0.1〜100mm/秒であればよい。流動界面上に前駆体溶液を滴下し展開させるために、流動界面上に非接触で、前駆体溶液がディスペンスできる例えば非接触ディスペンサー部を設け、滴下する前駆体溶液の重量を1mgから100mgで制御できればよい。また、滴下される前駆体溶液の特性にあわせノズルと流動界面とのクリアランスを1〜50mmで制御できることが好ましい。展開する前駆体溶液のゲル化速度を制御するために、ナノシート化が起こる界面温度は5〜50℃(±0.5℃)で制御できることが好ましい。ゲルナノシート回収部は、厚さ10〜100nm、さしわたし径10μm以上のナノシートを効率よく分離するためのセパレーターを、回収部に蓄積されるナノシートを容易に回収できるように、カートリッジ式のフィルターにすることが好ましい。さらに、安定してゲルナノシートを長時間製造するために製造部内の雰囲気を給排気により制御できる構造とする。また、同様の理由により、pH計、監視カメラ、流量計を設置することが好ましい。
制御部は、正面よりナノシート製造部の監視、計測、操作が出来る構造であり、制御盤は、運転中表示器、警報装置、非常停止装置、状態表示器、pH表示器、温度表示器、記録計、流量表示計、シーケンサー、滴下ディスペンサー用コントローラー、監視用モニターから構成される。
次に、本発明の具体例を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
1モルのペンタエトキシタンタルを1モルの3−オキソブタン酸エチルでキレート化し、発熱がおさまってから、攪拌しながら1時間かけて1モルの水で部分加水分解を行った。さらにロータリーエバポレーターにより減圧下で60℃まで加熱し濃縮して、粘稠な生成物を得た。これにイソプロパノールあるいはイソプロパノールを加え、50〜90%溶液をそれぞれ調整した。
これらの溶液を本発明の酸化物セラミックスナノシートの製造装置を用いて、ノズル周囲の雰囲気を窒素雰囲気として、23℃に制御した流動する水面上に5〜20mgの液滴で正確に滴下し、ゲルナノシートを5時間以上連続的に作製した得られたゲルナノシートを100℃で3時間大気中で乾燥し、その後200℃/時の昇温速度で大気中で1000℃まで加熱し、1時間保持して焼成し、厚みがおよそ100〜400nmの酸化物セラミックスナノシートが得られた。から、ナノシートの構造は、回折線の半値幅からTaの結晶子サイズの大きさがおよそ12〜23nmの結晶粒からなることが確認された。しかしながら、ノズルからの滴下を大気中で行った場合には数分で前駆体溶液がノズル先端でゲル化し、滴下ができなくなった。また温度制御しない流動する水面上に滴下した場合には、水面上に展開するゲルナノシートの面積を制御できず、結果としてナノシートの厚みがばらついた。
実施例1と同様の方法で、1モルのテトライソプロポキシチタンを0.6モルの3−オキソブタン酸エチルでキレート化し、発熱がおさまってから、攪拌しながら1時間かけて1モルの水で部分加水分解を行いポリマー化し、19℃に制御した流動する水面上で70%イソプロパノール溶液からゲルナノシートを作製した。これを回収して、80℃で6時間乾燥し、500℃まで加熱し、1時間保持して焼成した。得られたチタニアナノシートの厚みはほぼ100nmで、X線回折測定の結果から結晶子サイズは10.2nmと推定された。1000℃で焼成されたナノシートでアナターゼ相からルチル相への転移が観測された。
ペンタエトキシタンタルのエトキシ基をブトキシ基に変換し、実施例1と同様の方法で、ポリマー化した。得られたポリマーを実施例1と同様の方法で70%溶液としてゲルナノシートを作製した。さらに100℃で3時間乾燥後、100℃/時で1000℃まで加熱し、1時間保持して焼成した。シートの厚みは70nm程度であった。
実施例2と同様の方法により、ペンタエトキシタンタルをポリマー化した。得られたポリマーを実施例1と同様の方法で70%溶液として、流動界面形成水に10wt%のイソプロパノールを溶解し水の表面張力を低下させてゲルナノシートを作製した。さらに100℃で3時間乾燥後、100℃/時で1000℃まで加熱し、1時間保持して焼成した。シートの厚みは120nm程度であり、水の表面張力を低下させることにより膜厚を厚く制御できた。
実施例2と同様の方法によりテトライソプロポキシチタンをポリマー化し、2−メトキシエタノールに溶解したジエトキシバリウムを添加した。さらにロータリーエバポレーターにより減圧下で60℃まで加熱し濃縮して、粘稠な生成物を得た。これをイソプロパノールとブタナールの3:1の混合溶媒を用いて50wt%溶液を調整し、ノズル周囲の雰囲気と、水酸化バリウムを溶解してpHを7、10、12、14に調整し、流動界面上の雰囲気を窒素雰囲気としてゲルナノシートを作製した。得られたゲルナノシートを二酸化炭素を除去した空気中、80℃で3時間乾燥し、その後酸素雰囲気中で1000℃まで100℃/時で加熱し、1時間保持して焼成した。得られたナノシートは粗大化した粒子が観測されず、厚みは50〜150nmであった。それぞれのpHで作製したシートのX線回折測定の結果を図2に示す。pH7、10、12では、Baが流動界面を形成する水中に溶出するためBaの欠損したBaTi相が生成しているのに対してpH14ではBaTiO相のみが生成した。
また、比較のためノズル周囲の雰囲気を窒素雰囲気にすること以外は全ての操作を大気中で行う方法によりpH14の流動界面から作製したチタン酸バリウムナノシートは、ほぼBaTi相を形成したが、シートの表面および内部に粗大化した粒子が観測された。これは大気中の二酸化炭素により流動界面形成水中に炭酸バリウム粒子が生成し、また乾燥および焼成工程中でゲルナノシート中に炭酸バリウム粒子が生成したためであることが分かった。
本発明の第三の工程および第四の工程の一部を実施するための装置を概念的に示す説明図である。 流動界面のpHを制御して得られたゲルナノシートを1000℃で焼成して得られたチタン酸バリウムナノシートのX線回折図である。

Claims (9)

  1. 化学修飾した一種以上の金属アルコキシドを加水分解によりポリマー化する第一の工程、このポリマーをエタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、プロパナール−1、ブタナール−1、ジエチルエーテル、エチルメチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、ニトロメタン又はジメチルスルホキシドから選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を用いて溶液にする第二の工程、この溶液を周囲の雰囲気が乾燥空気、二酸化炭素を除去した乾燥空気又は不活性ガスの何れかの気体で置換されたノズルから、流動する水面上に精密に連続して滴下しゲルナノシートとする第三の工程、これを回収する第四の工程、乾燥し焼成する第五の工程からなることを特徴とする化物セラミックスナノシートを連続的に製造する酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  2. レート化、エステル化、アルコキシ交換、アシドリシス、又は酸無水物二塩基酸との反応、の何れかにより化学修飾して加水分解速度を調整した金属アルコキシドの一種以上を用いる請求項1に記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  3. 流動する界面を形成する水に水の表面張力を制御する物質を溶解させる請求項1〜2の何れかに記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  4. 流動する界面を形成する水に前記の界面で生成するゲルナノシートからの成分元素の溶出を制御する物質を溶解させる請求項1〜3の何れかに記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  5. 流動する界面を形成する水にpH制御剤を溶解させることによって、前記の流動する界面を形成する水のpHを制御する請求項1〜4の何れかに記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  6. 流動する界面を形成する水、若しくは前記の水の表面張力を制御する物質、前記の界面で生成するゲルナノシートからの成分元素の溶出を制御する物質又は前記のpH制御剤の何れかを含み、流動する界面を形成する水溶液の温度を0℃から100℃までの内の特定の値に制御する請求項1〜5の何れかに記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  7. 流動する界面上の雰囲気が二酸化炭素を除去した空気又は不活性ガスによって置換された請求項1〜6の何れかに記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  8. ゲルナノシートを乾燥し焼成する工程の雰囲気が水蒸気圧を制御した空気、二酸化炭素を除去した空気又は不活性ガスの何れかによって置換された請求項1〜7の何れかに記載の酸化物セラミックスナノシートの製造方法。
  9. 請求項記載の方法によって酸化物セラミックスナノシートを連続的に製造するための装置であって前記のポリマーを有する溶液を滴下するノズルと水若しくは前記の水の表面張力を制御する物質、前記の界面で生成するゲルナノシートからの成分元素の溶出を制御する物質又は前記のpH制御剤の何れかを含む水溶液を流動させることによって流動界面を形成するための槽と、前記酸化物セラミックスナノシートの製造条件を監視、計測、操作するための制御部と、前記のノズルから前記のポリマーを有する溶液を前記の流動する界面上に滴下することによって得られるゲルナノシートを回収するための回収部と前記の回収部から回収されるゲルナノシートを乾燥し焼成するための熱処理段とを有する酸化物セラミックスゲルナノシートの製造装置。
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