JP4614624B2 - パターン欠陥検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一ピッチで平行に並んで形成されている複数本の細条からなるパターンを検査する装置に係り、特に、プラズマディスプレイなどのガラス基板上に印刷塗布された蛍光体の検査に好適なパターン欠陥検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビジョン受像機などにおける画像表示面の大型化は目覚ましく、このため、従来から広く用いられていたブラウン管に加えて、各種の平板型ディスプレイが市場に提供されるようになっている。
【0003】
ところで、このような平板型ディスプレイの場合、その表示画素の形成には、表示面サイズが大きいことから、一般的には印刷技法が用いられており、例えばプラズマディスプレイでは、その蛍光体パターンの形成に、図5に示すスクリーン印刷技法が用いられている。
【0004】
この図5に示した技法では、予めスリットSが形成してあるスクリーン原版Mを用いる。そして、このスクリーン原版Mの上に、ローラRにより蛍光塗料Fを伸ばしてゆき、このとき原版のスリットSを通過した蛍光塗料Fがプラズマディスプレイのガラス基板Bに塗布され、ストライプ状(細条)からなる蛍光体FSが形成されるようにするものである。
【0005】
なお、この図5では、スクリーン原版Mがガラス基板Bから離されているが、印刷中はスクリーン原版Mがガラス基板Bに密着していて、印刷後、図示のように離された状態にされるのはいうまでもない。
【0006】
ところで、このとき、図5では示されていないが、ガラス基板Bがプラズマディスプレイの基板の場合は、図6に示すように、その蛍光体が印刷される方の面に、表示面の縦方向に延び、表示面の横方向に平行に並んで配置された数多くの微細な隔壁Wが形成してある。
【0007】
そして、これら隔壁Wの各々の間の谷間部分に、図示のように、スクリーン原版MのスリットSにより、ストライプ状の蛍光体FSが印刷されるようになっている。
【0008】
ここで、この図6は、一例として、プラズマディスプレイ表示面の横方向画素数が1024で、各画素がRGBの3画素からなり、画素ピッチが0.9mmの場合を示したものであり、従って、上記表示面の幅は、厳密には921.6mm+隔壁Wの幅となる。
【0009】
そして、図6の(a)は、ガラス基板Bの隔壁Wのピッチと、スクリーン原版MのスリットSのピッチが共に等しく0.9mmになっていて、塗布されたストライプ状の蛍光体FSが各隔壁Wの谷間部分に全て正しく印刷された場合を示したものである。
【0010】
このとき図6(a)の下側に付してある数値は、スクリーン原版MのスリットSのピッチと、各スリットSの基準点(表示面の左端に最初にある画素位置)からの距離(寸法)であり、ここでは、隔壁WのピッチとスリットSのピッチが共に等しく0.9mmで距離も同じになっている場合が示されている。
【0011】
ところで、このように正しく印刷されるようにするためには、図5で説明したスクリーン印刷に際して、ガラス基板Bとスクリーン原版Mの位置合わせが正確に得られている必要がある。
【0012】
このときスクリーン印刷技法では、位置合わせの技法については一応確立していて、実用上は問題がないが、ここで、いま、スクリーン原版Mに変形が生じてしまったとすると、いかに正確に位置合わせをしたとしても、正しい印刷結果は得られない。
【0013】
ここで、図6の(b)は、一例として、スクリーン原版Mが0.01%、延びた場合を示したもので、この図で下側に付してある数値は、スクリーン原版MのスリットSのピッチと基準点からの距離であり、ガラス基板Bの隔壁Wのピッチと距離は、図示してないが、図6(a)のときと同じになっている。
【0014】
この図6(bの)場合は、一方の端を基準点として、ここにある1番目の画素PE1 の隔壁Wから他方の端の近傍にある1021番目の画素PE1021 の隔壁Wでは、上記したスクリーン原版Mの0.01%の延びにより、隔壁WとスリットSとのずれは0.1mmとなり、図示されているように、蛍光体FSが隔壁Wに乗り上げてしまい、このままでは、完成したプラズマディスプレイが不良品になってしまう。
【0015】
そこで、従来から、蛍光体の印刷塗布が終わった段階でガラス基板Bの検査を行ない、図6(a)に示すように、正しい印刷が得られたガラス基板Bだけが後の製造工程に回されるようにするのが通例である。
【0016】
ここで、図3は、このときの検査に従来から使用されている装置の一例を示したものであり、これは、ラインセンサカメラを使用してプラズマディスプレイのパターンを検査するようにした従来技術によるパターン欠陥検査装置の一例である。
【0017】
この図3において、30はカメラ、31は紫外線照明部、32はカメラ照明移動機構部、33は画像処理部、34は操作部、そして35は表示部であり、ここで、まずカメラ30は、例えばラインセンサカメラで構成され、プラズマディスプレイのガラス基板Bを撮像し、蛍光体が塗布された面から任意の領域の画像データを取り込む働きをする。
【0018】
このとき、紫外線照明部31はプラズマディスプレイのガラス基板Bの蛍光体が塗布された面に紫外線を照射し、塗布されている蛍光体を発光させ、カメラ30による撮像が得られるようにする。従って、カメラ30の撮像レンズには、撮像対象となる蛍光体の発光色に応じて所定のカラーフィルタが装着してある。
【0019】
次に、カメラ照明移動機構部32は、ガラス基板Bの蛍光体を塗布した面の任意の領域が全面にわたってカメラ30により撮像できるように、カメラ30と紫外線照明部31の双方を保持し、矢印Aで示すように、ガラス基板Bと平行に移動させる働きをする。
【0020】
そして、画像処理部33は、図示のように、画像入力部33Aと差画像検出部33B、それに欠陥検出部33Cを備え、画像入力部33Aによりカメラ30から画像データを取込み、差画像検出部33Bにより異なった領域の2枚の画像から差を検出し、欠陥検出部33Cにより、差画像検出部33Bによる検出結果から欠陥の有無を検出する働きをする。
【0021】
このとき、操作部34は、カメラ30の制御と紫外線照明部31の動作、それにカメラ照明移動機構部32の制御を実行し、これに合わせて画像処理部33による処理を制御し、画像処理部33による処理結果は、カラーモニタやプリンタなどからなる表示部35により所定の態様で表示される。
【0022】
次に、この図3の従来技術によるパターン欠陥検査装置による欠陥検出動作について、図4により説明する。ここで、この従来技術は、本来、塗布された蛍光体にピンホールなどの印刷欠陥があったとき、それを検出するための装置であり、このため、撮像面で近接した検査領域と基準比較領域の各画像を比較し、その差画像からピンホール欠陥を検出するようになっている。
【0023】
まず、図4(a)に示すように、撮像面で近接した検査領域と基準比較領域の各画像を取込み、次いで、同図の(b)に示すように、各領域の画像から差の画像を検出し、同図の(c)に示すように、差画像を求め、これを二値化し、そのレベルから同図の(d)に示すように、ピンホール欠陥を検出するようになっている。
【0024】
従って、このとき、図4の(a)において、ストライプ状の蛍光体にずれがあれば、検査領域と基準比較領域の画像に差が現れるので、パターン欠陥を検出することができる。
【0025】
ここで、従来技術としては、同一印刷面で複数のパターンを比較するようにした印刷物の検査方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この従来技術では、複数のパターン間での位置のずれの検出については何も言及していない。
【0026】
【特許文献1】
特許第3031286号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、複数本のストライプが同一のピッチで順次平行に並んたパターンを対象とした位置ずれの検出について配慮がされておらず、適用対象が制限されてしまうという問題があった。
【0028】
従来技術では、上記したように、検査面の検査領域と基準比較領域の画像を比較しているが、この場合、図6(b)に示したガラス基板Bの隔壁Wのピッチと、スクリーン原版MのスリットSのピッチのずれによる欠陥は検出できない。
【0029】
何故なら、図6(b)を見れば明らかなように、この場合は、スリットSのピッチ、すなわち蛍光体FSのピッチは、どの部分でも(0.9+ΔP)mmで、全て同じになっているからである。
【0030】
ここで、ΔPは、本来の画素ピッチである0.9mmの0.01%に相当する数値のことであり、従って、この場合は、ΔP=0.00009mmである。
【0031】
この図6(b)は、上記したように、スクリーン原版Mが僅か0.01%伸びた場合であるが、これでも基準点と反対側では、図示のように、100μmものずれが発生してしまう。なお、このことは、スクリーン原版Mが縮んだ場合も同じで、要するにスクリーン原版Mに伸縮が現れた場合には、ずれが発生してしまうのである。
【0032】
そして、この100μm程度のずれでも、大型のディスプレイの場合は、隔壁Wの間隔である0.3mm(各画素はRGBの3個あるので、画素ピッチである0.9mmの1/3になる。)という数値に対しては無視できない値のずれとなってしまう。
【0033】
従って、この結果、図6(b)に示すように、蛍光体FSが隔壁Wの谷間からはみ出して、隔壁Wの上にまで印刷され、塗布むら欠陥となってしまうが、この欠陥は従来技術では検出できず、このため、従来技術では、このような欠陥の検出には適用できないという問題が生じてしまうのである。
【0034】
本発明の目的は、スクリーン原版の伸縮により発生した印刷ずれが検出できるパターン欠陥検査装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、同一ピッチで平行に並んだ複数本の細条からなるパターンが形成されている基板を対象としたパターン欠陥検査装置において、
前記基板の前記パターンの一部にある細条を、前記基板の前記複数本の細条が並んでいる方向の一方の端部において撮像する第1のカメラと、
前記基板の前記一方の端部とは反対側にあり、前記一方の端部にある前記第1のカメラから前記細条のピッチの整数倍の基準間隔を隔てた他方の端部において、前記基板の前記パターンの一部とは異なった他の一部にある細条を撮像する第2のカメラと、
前記第1のカメラで撮像した前記パターンの前記一方の端部に一番近い画素を含んだ第1の画像と前記第2のカメラで撮像した前記パターンの前記他方の端部に一番近い画素を含んだ第2の画像の相関を演算する画像処理部とを設け、
前記第1の画像と前記第2の画像の相関値に基づいて、前記パターンの前記一方の端部から前記パターンの前記他方の端部までの長さの前記基準距離からのずれ量を検査するようにして達成される。
【0036】
このとき、前記所定の基準間隔が、前記パターンの前記複数本の細条が並んでいる方向の一方の端部の近傍から他方の端部の近傍までの距離に等しく設定されているようにしてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるパターン欠陥検査装置について、図示の実施の形態により詳細に説明すると、ここで図1は本発明の一実施形態で、この図において、1は基準カメラ(基準画像撮像用)、2は比較カメラ(比較画像撮像用)で、何れもエリアセンサカメラなどと呼ばれているテレビジョンカメラの一種である。
【0038】
そして、これら基準カメラ1と比較カメラ3は、ガラス基板Bにストライプ状に印刷されている蛍光体を撮像し、画像信号を個別に取得する働きをするが、このため、これらの基準カメラ1と比較カメラ2には、それぞれ環状の紫外線源を備えた紫外線照明部3、4が取付けられ、ガラス基板Bの蛍光体に紫外線を照射して発光させ、当該蛍光体がカメラ1、2で撮像できるようにしている。
【0039】
ここで、これら基準カメラ1と比較カメラ2は、図示してないが、所定の支持部材に保持されていて、これにより、各々の撮像中心線C1、C2 が何れも検査対象であるガラス基板Bの蛍光体が印刷された面に垂直になり、且つ、ガラス基板Bの隔壁Wが並んでいる方向に、つまりガラス基板Bの表示面の横方向に所定の基準間隔Lを保って相互に離れた状態で、それぞれ正確に位置決めされるように構成してある。
【0040】
そして、この状態で、基準カメラ1と比較カメラ2の双方により、ガラス基板Bを撮像し、それぞれから画像信号が出力され、画像処理部5に供給されるようになっている。
【0041】
画像処理部5は、図示のように、画像入力部5Aと相関演算処理部5B、それにずれ量算出部5Cを備え、画像入力部5Aにより基準カメラ1と比較カメラ2から基準画像データと比較画像データを取込み、相関演算処理部5Bにより、基準画像と比較画像の相関を演算し、ずれ量算出部5Cにより、相関演算結果からずれ量ΔEを算出する。
【0042】
そして、この画像処理部5による処理結果は、カラーモニタやプリンタなどからなる表示部7により所定の態様で表示されるが、このとき、操作部8は、基準カメラ1と比較カメラ2の制御と、各紫外線照明部3、4の制御を実行し、これに合わせて画像処理部5による処理を制御する。
【0043】
次に、この図1の実施形態の画像処理部5によるずれ量算出動作について、図2により説明すると、まず、画像入力部5Aでは、図2の(a)に示すように、基準カメラ1により撮像されたガラス基板Bの画像を基準画像Xとし、比較カメラ2により撮像されたガラス基板Bの画像を比較画像Yとする。
【0044】
このとき、上記した基準距離Lについては、測定対象となるディスプレイ用のガラス基板Bに予め隔壁Wにより形成してある画素PEのピッチの整数倍になるように設定しておく。
【0045】
具体例で説明すると、例えば図6(a)に示したガラス基板B場合、1番目の画素PE1 から1021番目の画素PE1021 までの距離918.9mmを基準距離Lに設定しておくのである。
【0046】
次に、相関演算処理部5Bでは、図2(b)に示すように、次の(数1)式による相関演算処理を実行し、基準画像Xと比較画像Yの相関値(相関の強さ)Qを演算する。
【0047】
【数1】
Figure 0004614624
M:基準画像X及び比較画像Yの縦方向画素数
N:基準画像X及び比較画像Yの横方向画素数
Gr(n,m):n×m画素からなる基準画像X
Gs(n,m):n×m画素からなる比較画像Y
そこで、ずれ量算出部5Cでは、図2(c)に示すように、相関演算処理部5Bで演算した相関値Qを、予め設定してある良否判定用の基準相関値Qth と比較する。
【0048】
相関値Qは、基準画像Xと比較画像Yとの乗算の総和値を取っている。そのために、比較画像YをΔEずらした場合の相関値Qは、基準画像Xの2乗倍の総和となり、最大となる。従って、基準画像Xと比較画像Yの間の相関の強さは、これらの間の距離が、上記した基準距離Lに等しくなっていたとき最大になり、ずれるに従って小さくなる。
【0049】
何故なら、この基準距離Lは、予めガラス基板Bの画素のピッチの整数倍になるように設定してあり、従って、基準画像Xと比較画像Yの間の距離が、上記した基準距離Lに等しくなったとき、つまり、図5で説明したように、スクリーン原版Mにより印刷された蛍光体FSにずれがなく、図6(a)に示すようになっているとき基準画像Xと比較画像Yがずれなく一致するからである。
【0050】
上記した具体例の場合、スクリーン原版Mにより印刷された蛍光体FSにずれがなくて、図6(a)に示すようになるのは、スクリーン原版Mに伸縮がなく、スクリーン原版Mによる1番目の画素PE1 の印刷位置から1021番目の画素PE1021 の印刷位置までの長さが基準距離Lに等しくなっているときである。
【0051】
そこで、このとき比較結果(Q≧Qth)が得られたガラス基板、すなわち基準相関値Qth 以上の相関値Qが得られたガラス基板Bは、印刷ずれについては良品と判定し、比較結果(Q<Qth)となったガラス基板、すなわち相関値Qが基準相関値Qth より小さかったガラス基板Bは不良品であると判定するのである。
【0052】
そして、このずれ量算出部5Cによる判定結果は表示部7に送られ、当該ガラス基板Bについての良否判定結果が表示される。
【0053】
従って、この実施形態によれば、不良品を除き、蛍光体の印刷が正しく得られたガラス基板Bだけを後の製造工程に回わすことができ、不良品がいたずらに製造されてしまう虞れを確実に抑えることができる。
【0054】
このとき、図2(c)から明らかなように、相関値Qの大きさは、ずれ量ΔEと関数関係にある。そこで、予め相関値Qとずれ量ΔEについて校正(較正:目盛合わせのこと)しておけば、相関値Qからμm単位によるずれ量ΔE、つまり、ΔE(μm)を得ることができる。
【0055】
この場合、例えば上記した校正結果をテーブル化し、ずれ量算出部5Cでは、このテーブルを用いて相関値Qからずれ量ΔE(μm)を検索してやれば良く、こうすることにより、表示部7では、当該ガラス基板Bのずれ量ΔE(μm)を表示することができる。
【0056】
そして、上記したことから明らかなように、この実施形態によれば、スクリーン原版Mの0.01%程度の伸縮による印刷ずれでも容易に検出ができるので、大型ディスプレイのガラス基板Bを対象として、製造工程の管理に有効に役立てることができる。
【0057】
また、この実施形態によれば、ずれの検出に画像の相関を用いているので、図1において、ガラス基板Bの位置が多少ずれても検出結果に影響を与える虞れがなく、従って、印刷ずれの検出に際してガラス基板の固定に精度を必要とせず、この結果、ガラス基板の搬入、搬出や固定に必要な機構について簡素化を図ることができる。
【0058】
次に、この実施形態における基準画像Xと比較画像Y(図2)について説明すると、これは基準距離L(図1)だけ離れた位置にあり、ここで基準距離Lは、基準カメラ1の撮像中心線C1 と比較カメラ2の撮像中心線C2 の距離で決まることは、既に説明した通りである。
【0059】
このとき、基準距離Lの長さは、とにかく画素ピッチの整数倍であれば、一応は任意に決めることができるが、ここで、ずれ量の検出精度の観点からすれば、検査対象となるガラス基板Bの横方向の一方の端部に一番近い画素を含んだ画像が基準画像Xになり、他方の端部に一番近い画素を含んだ画像が比較画像Yとなるような長さに設定するのが好適である。
【0060】
例えば、図6で説明したディスプレイ表示面の横方向画素数が1024のガラス基板Bの場合は、図示のように、基準点にある1番目の画素PE1 を含んだ画像が基準画像Xになり、他方の端の近傍にある1021番目の画素PE1021 を含んだ画像が基準画像Xになるように、基準距離Lを918.9mmにしてやれば良い。
【0061】
ここで、この基準距離Lの設定には、実際には次のようにして行なえばよい。
すなわち、まず、判定対象のガラス基板と同じもので、蛍光体の印刷について良品となっているガラス基板を用意して、基準スケールとする。なお、この基準スケールとしては、ガラス基板によるものに限らないが、同じガラス基板によって校正するのが簡便である。
【0062】
次に、基準カメラ1と比較カメラ2の間の距離がおおよそ基準距離Lになるようにした上で、上記した基準スケールとした良品のガラス基板を、図1に示す撮像位置に位置決め設置し、この状態で基準カメラ1と比較カメラ2でガラス基板を撮像し、上記した相関値Qを演算する。
【0063】
そして、このとき演算されてくる相関値Qが最大になるように、基準カメラ1と比較カメラ2の双方、又は一方の位置を調整するのである。このとき、基準カメラ1は固定したままにし、比較カメラ2だけを動かすようにすれば、基準距離Lに容易に調整することができる。
【0064】
ここで、この基準距離Lの校正は、随時、実施することにより、容易に高精度を保持することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷原版の0.01%程度の伸縮による印刷ずれでも容易に検出できるので、ディスプレイの大型化にも容易に適用することができる。
【0066】
また、本発明によれば、ガラス基板の位置がずれても検出結果に影響を与えないことから、ガラス基板の固定精度も必要せず、このため、ガラス基板の搬入、搬出や固定のための機構部が簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパターン欠陥検査装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による欠陥検査の動作説明図である。
【図3】従来技術によるパターン欠陥検査装置の一例を示すブロック図である。
【図4】従来技術による欠陥検査の動作説明図である。
【図5】スクリーン原版を用いた蛍光塗料の印刷技法の説明図である。
【図6】ディスプレイ用ガラス基板に対する蛍光体の印刷ずれの説明図である。
【符号の説明】
1 基準カメラ(基準画像撮像用のテレビジョンカメラ)
2 比較カメラ(比較画像撮像用のテレビジョンカメラ)
3、4 紫外線照明部
5 画像処理部
7 表示部
8 操作部
B ガラス基板(プラズマディスプレイ用)
M スクリーン原版
F 蛍光塗料
FS 印刷された蛍光体(ストライプ状)
R ローラ
S スリット
W 隔壁7

Claims (1)

  1. 同一ピッチで平行に並んだ複数本の細条からなるパターンが形成されている基板を対象としたパターン欠陥検査装置において、
    前記基板の前記パターンの一部にある細条を、前記基板の前記複数本の細条が並んでいる方向の一方の端部において撮像する第1のカメラと、
    前記基板の前記一方の端部とは反対側にあり、前記一方の端部にある前記第1のカメラから前記細条のピッチの整数倍の基準間隔を隔てた他方の端部において、前記基板の前記パターンの一部とは異なった他の一部にある細条を撮像する第2のカメラと、
    前記第1のカメラで撮像した前記パターンの前記一方の端部に一番近い画素を含んだ第1の画像と前記第2のカメラで撮像した前記パターンの前記他方の端部に一番近い画素を含んだ第2の画像の相関を演算する画像処理部とを設け、
    前記第1の画像と前記第2の画像の相関値に基づいて、前記パターンの前記一方の端部から前記パターンの前記他方の端部までの長さの前記基準距離からのずれ量を検査するように構成したことを特徴とするパターン欠陥検査装置。
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