JP4918800B2 - 外観検査装置 - Google Patents

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本発明は、カラーフィルタ等のガラス基板上の周期パターン形状異常を検出する機能と透過ムラを検出する機能とを有する観検査装置に関する。
従来のスジムラ検査機では周期ピッチの数分の一程度からマクロ視野で撮像していた。したがって、微細欠陥の検査の解像力は周期ピッチの数十分の一程度必要である。ムラと微細欠陥を検出したい場合、普通二光学系に増設しなければならないため、コストやメンテナンスを必要とし、スペースを要していた。
この問題を解決するために各メーカはひとつの光学系でミクロとマクロの欠陥処理を試みようとしているが、パターン形状を有し、わずかな差異が認められるムラの検出としては機能していないのが現状である。
このような問題を解決すべく、1台の検査装置で同一画像データから複数種類の異なった欠陥を高速に検出でき、しかも検出された欠陥の種別を報知して欠陥を総合的に判定することのできる欠陥検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この欠陥検査装置の場合、被検査対象がパターンのない無地の場合には有効と思われるが、カラーフィルタのようなパターン形状を有する場合、ブラックマトリクス領域の変動を捉えるため結局コントラストが低下する原因となっている。
特開平08−145907号公報
これまでは、カラーフィルタ等のパターン形状を有する基板の検査において、パターン欠陥(微細欠陥)検査は、解像度の高い例えば周期ピッチの数十分の一の画像を取得して、検査していた。
また、ムラ検査については、逆に、解像度の低い画像によって検査していた。すなわち、それぞれに必要な原画像が必要であり、上記2つの検査機能を有する検査機を作ろうとすると、それぞれの検査機能に応じた光学系、撮像系を用意する必要があった。
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、カラーフィルタ等のパターン形状を有する基板を解像度の高い光学系と撮像系を用いて撮像した画像データより、カラーフィルタ等のパターン欠陥(微細欠陥)を検出する機能とムラ欠陥を検出する機能とを兼ね備えた外観検査装置を提供することを目的とする。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1においては、周期パターンを有するカラーフィルタを被検査体とし、被検査体の原画像を取得する撮像手段10と、前記被検査体に均一光を投光する投光手段20と、パターン異常を判定するための微細欠陥検査部30と、被検査体に対し水平または垂直のスジムラを検出するためのムラ検査部40とを具備しており、
前記ムラ検査部40は、まず、前記原画像の輝度値のヒストグラムから、カラーフィルタのR(レッド画素)、G(グリーン画素)、B(ブルー画素)それぞれの最大度数を示す輝度値及びαを算出または設定し、R、G、Bそれぞれの最大度数を示す輝度値±α以外を排除したデータ内座標において、水平、垂直方向へそれぞれ正常値数をカウントし計上するステップと、周期分の移動平均を算出し所定の移動平均を掛けるステップとを経ることにより、所定の移動平均値との差分値が所定の閾値を越えた場合にスジムラと判断する機能とを有することを特徴とする外観検査装置としたものである。
また、請求項2においては、前記撮像手段10にて取得した前記原画像二次元データを微細欠陥検査部30とムラ検査部40とで取り込み、独立に並列処理させることを特長とする請求項1記載の外観検査装置としたものである。
また、請求項においては、感度補正用光学フィルタ11を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外観検査装置としたものである。
さらにまた、請求項においては、周期ピッチの取得手段と、注目画素が周期パターンの内の同一位置正常部候補を選択する機能を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外観検査装置としたものである。
ここで、周期ピッチの取得手段とは、設計パターンファイル、または基本情報リストからブラックマトリックスの縦、横方向周期の値を取得することである。
また、注目画素とは、検査する際、どこの位置に欠陥があるかを調べるために1ピクセル毎について、欠陥か正常かを判断する。画像データをXY座標系で表す場合、注目画素をI(i,j)とすると、0≦i≦u、0≦j≦vの範囲を順に走査する。u、vはそれぞれ、水平方向、垂直方向の画素数である。
また、注目画素が周期パターンの内の同一位置正常部候補を選択する機能とは、注目画素について、縦、横周期ピッチの整数倍にあたる任意の点を任意の数だけ同一位置正常部とし、リファレンス候補値として取得する。候補に挙がった点内の輝度値の中央値をリファレンス値とする機能のことである。
本発明の外観検査装置を用いることにより、カラーフィルタ等のパターン形状を有する基板を解像度の高い光学系と撮像系を用いて撮像した同一画像データより、カラーフィルタ等のパターン欠陥(微細欠陥)とムラ欠陥とを感度良く検査することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の外観検査装置の一実施例を示す模式構成概略図である。
外観検査装置100は、図1に示すように、カラーフィルタ等のパターン形状を有する被検査体を撮像する撮像手段10と、被検査体に均一光を投光する投光手段20と、撮像手段10で得られた画像データを取り込み、独立に処理するパターン異常を判定するための微細欠陥検査部30と、被検査体に対し水平または垂直のスジムラを検出するためのムラ検査部40とから構成されており、カラーフィルタ等の周期パターンを有する被検査体に透光手段10にてムラの無い均一光を透過照射し、その透過光を撮像手段10にて撮像する。撮像手段10にて撮像された画像データは、微細欠陥検査部30と、ムラ検査部40とで処理されて、パターン欠陥(微細欠陥)及びスジムラ等のパターン異常を判定する外観検査装置である。
撮像手段10は、エリアカメラ、ラインスキャンカメラ等が使用できる。
微細欠陥検査部30とムラ検査部40とは、それぞれコンピュータ内にプログラム化されて設定されており、随時制御処理を行って、検査結果等をディスプレイに表示及びプリントアウト等を行う。
請求項2に係わる発明は、撮像手段10にて撮像された画像データを微細欠陥検査部30とスジムラ検査部40へ分配し、各々独立に並列処理し、パターン異常の判定をする。これによって検査タクトの短縮維持が実現できる。
請求項3に係わる発明は、ムラ検査部40において、撮像手段10にて撮像された画像データに対しヒストグラムを取り、R、G、Bの正常範囲を取得し、設定しておくか、または、予め既知のものとして登録しておく。
そして、R、G、Bそれぞれの最大度数を示す輝度値±αである正常範囲の位置でそれぞれ二値化する。
すなわち、横u画素、縦v画素の場合、通常uv(BYTE)を3(u+v)(BYTE)データに変換する。
R、G、Bの一次元データをそれぞれ水平方向へプロジェクションすると、3v個のデータ配列を取得し、格納されたデータは正常値としてカウントされた数が入る。
ここで、R、G、Bの二値データを水平方向に足し込み、平均値を求める。すなわち、プロジェクト配列データPrjt_u[j]=ΣI(i,j)/u、0≦i≦なる処理を施す。ただし、0≦j≦vである。
R、G、Bについて、横方向にプロジェクションをとることで、3v個のデータが得られ、同様にして縦方向にプロジェクションをとることで、3u個のデータが得られる。
周期パターンのパターン内バラツキがある場合は、そのまま処理できないため、周期と重なる画素数分を足し込んで処理する。すなわち、3v個のデータ配列をR配列データ、G配列データ、B配列データにふり分けると、それぞれについてピクセルピッチ分の加算値を代入する。
さらに、各プロジェクションデータをピクセルピッチ分移動平均を取る。
すなわち、ピクセルピッチをpとするとRvのデータ配列Rv[i]=(Prjt_v[i]+Prjt_v[i+1]+Prjt_v[i+2]+…Prjt_v[i+P])/Pとなる。ただし、Rv[v−p]からRv[v]のpピクセルは検査対象外領域となる。ただし、0≦i≦v。この処理を同様に、Ru、Gv、Gu、Bv、Buについて行う。
さらに、周期が画素数ピッチの整数倍にならない場合がほとんどであるため、このズレを補正するためにさらに移動平均を掛けてノイズを除去する。これをAveI'[i]とする。ムラの周期と異なる移動平均値との差分、または所定の良品規定度数基準値から所定の閾値を越えた場合にスジムラと判断する。これをR、G、Bの水平、垂直方向の計6回行い判定する。
ここで、移動平均とは、移動平均の移動ピクセル数をmとし、移動平均後データ配列をAveI[i]、0≦i≦uとすると、AveI[i]=ΣI[k]、i≦k≦i+mのことである。
さらに、ムラの幅がn±βピクセルで生じると仮定すると2n以上移動平均を取り、そのデータ配列をAveI''[i]とすると、差分はAveI'[i]−AveI''[i]であり、差分値の絶対値が閾値を越えた場合、すなわち、Abs(AveI'[i]−AveI''[i])>Thresholdの場合スジムラと判断する。
カラーフィルタ等の被検査体では、上記R、G、Bフィルタパターンの他にY(イエロー)、M(マジェンダ)、C(シアン)が追加になる場合があり、最大6色構成となる。この場合、上記手順を拡張し、最大2倍の処理負荷が掛かるが処理できる。
このように、フィルタ色としてはあらゆる色フィタを有するカラーフィルタ等の被検査体が対象となる。
請求項4に係わる発明は、光源やカメラの分光感度特性によって、ヒストグラムがR、G、B、Y、M、Cについて綺麗に分離できない場合がある。また、分離できるが、R、G、B、Y、M、Cの帯域領域が広範囲に渡って分布する場合、パターン検査において、各色の検出能力が異なってくる。これを補正する光学フィルタを設計し取付けることで、適切な分布に補正することでムラ検査、パターン検査両方に使用できる画像データが得られるようにしたものである。
請求項5に係わる発明は、周期ピッチを設計データ、またはレシピ、または画像データから読み取れるようにしたものである。
設計パターンファイル、または基本情報リストからブラックマトリックスの縦、横方向周期の値を取得する。周期ピッチは設計時点で設定されている。
周期ピッチをtとし、カメラ分解能をrとすると、水平方向ピクセルピッチPh=t/r、垂直ピクセルピッチPv=V/fで求められる。
ただし、Vは被写体移動速度、fはカメラのサンプリング周波数とする。
従って、検査注目画素に対する周期パターンの同一位置は水平方向でnPh、垂直方向でnPvの位置であり、この位置から任意の点を選びメディアン値または平均値を基準値とし、注目画素との差分を取る。nは整数。
以下に、本発明の外観検査装置を用いたスジムラ及びパターン欠陥(微細欠陥)の検査方法について説明する。
図1の本発明の外観検査装置100において、まず、カラーフィルタ等の周期パターンを有する被検査体71の下面より投光手段20にて均一照明を行う。
次に、ラインカメラからなる撮像手段10にて被検査体71のカラーフィルタを撮像し、図2に示すカラーフィルタ画像を得る。
ここで、撮像手段10のレンズ前面に光学特性補正フィルタ11を取り付けて感度補正し、図3に示すヒストグラムのようにR、G、Bの輝度値が分離できるレベルに合わせる。
次に、撮像手段10にて撮像されたカラーフィルタ画像のヒストグラムの一例を図3に示す。横軸は輝度値で縦軸は度数である。
図3のヒストグラムはカラーフィルタ画像の輝度分布を表したもので、横軸に輝度値、縦軸に度数を表しており51、52、53のようにR、G、Bそれぞれのピークが分離される。54はノイズ成分や異物等の黒欠陥、55はBM(ブラックマトリクス)であり、56はノイズ成分や白欠陥である。
取得された2次元画像データは、データバッファを介して微細欠陥検査部30及びスジムラ検査部40へと取り込まれ、各々独立に並列処理される。
スジムラ検査部40では、図3のRに着目し、Rのピーク±αの正常値領域のみを二値化し一次元データとしたものが、図4の画像である。
これをu、v方向にプロジェクションを取ると、異常ラインは度数が落ち込むため、そのポイントは窪む。ピクセルピッチ分移動平均を取り、ピクセルピッチとパターン周期誤差がノイズ成分として乗るため移動平均を掛けこれを取り除いた波形がそれぞれPjct_u、Pjct_vとなり、スジムラ61として表せる。
ここで、u、v方向にプロジェクションを取るとは、R、G、Bの二値データを水平方向u方向に足し込み、平均値を求める。すなわち、プロジェクト配列データPrjt_u[j]=ΣI(i,j)/u、0≦i≦なる処理を施すことである。ただし、0≦j≦vである。
v方向の垂直方向は、同様にして、Prjt_v[i]=ΣI(i,j)/v、0≦j≦である。
また、ピクセルピッチ分移動平均を取るとは、移動平均の移動ピクセル数をmとし、移動平均後データ配列をAveI[i]、0≦i≦uとすると、ピクセルピッチ分移動平均したデータ配列は、AveI[i]=ΣI[k]、i≦k≦i+mとなる。
したがって、この波形に対し、ムラの周期と重ならないようにムラの幅がn±βピクセルで生じると仮定すると2n以上移動平均を取り、この差分値(AveI'[i]とAveI''[i]の差分値)が閾値を越えた場合に異常として欠陥と判断する。または規定値を決めておき、一定基準値との差分が閾値を越えた場合に異常値として欠陥と判断する。
微細欠陥検査部30では、注目画素について、縦、横周期ピッチのn倍にあたる任意の点を任意の数だけ同一位置正常部とし、リファレンス候補値として取得する。候補に挙がった点内の輝度値を並び替えて、その中央値をリファレンス値とする。
注目画素とリファレンス値との差が閾値を越えた場合、注目画素を欠陥とみなす。
複数点の取り方は搬送方向と垂直方向が被写体速度変動の影響が無いため精度は良くなる。
本発明の外観検査装置の一実施例を示す模式構成図である。 撮像手段10にて撮像されたカラーフィルタ画像の一例を示す説明図である。 撮像手段10にて撮像されたカラーフィルタ画像のヒストグラムの一例を示す説明図である。 図3のヒストグラムのRに着目し、その正常値領域のみを二値化し一次元データとし表示した説明図である。
符号の説明
10……撮像手段
11……感度補正用光学フィルタ
20……投光手段
30……微細欠陥検査部
50……ムラ検査部
51、52、53……選択領域
54……ノイズ成分や異物等の黒欠陥
55……BM(ブラックマトリクス)
56……ノイズ成分や白欠陥
61……スジムラ
71……被検査体
100……外観検査装置

Claims (4)

  1. 周期パターンを有するカラーフィルタを被検査体とし、微細欠陥検査用の原画像を取得する撮像手段(10)と、前記被検査体に均一光を投光する投光手段(20)と、パターン異常を判定するための微細欠陥検査部(30)と、被検査体に対し水平または垂直のスジムラを検出するためのムラ検査部(40)とを具備しており、
    前記ムラ検査部(40)は、まず、前記原画像の輝度値のヒストグラムから、カラーフィルタのR、G、Bそれぞれの最大度数を示す輝度値及びαを算出または設定し、前記のR、G、Bそれぞれの最大度数を示す輝度値±α以外を排除したデータ内座標において、水平、垂直方向へそれぞれ正常値数をカウントし計上するステップと、周期分の移動平均を算出し所定の移動平均を掛けるステップとを経ることにより、所定の移動平均値との差分値が所定の閾値を越えた場合にスジムラと判断する機能とを有することを特徴とする外観検査装置。
  2. 前記撮像手段(10)にて取得した前記原画像二次元データを微細欠陥検査部(30)とムラ検査部(40)とで取り込み、独立に並列処理させることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
  3. 感度補正用光学フィルタ(11)を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外観検査装置。
  4. 周期ピッチの取得手段と、注目画素が周期パターンの内の同一位置正常部候補を選択する機能を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外観検査装置。
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