JP4614196B2 - 球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造方法 - Google Patents

球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造方法に関するものである。より詳細には、ケイ酸エステルとしてシリコンアルコキシドを使用し、それから生成するシリカ溶存種、またシリカ溶存種と水混和性有機溶媒のアルコール溶液中に溶解した金属塩を原料とするTi、Zr、Al、Fe、Zn、Cr、Mn、Co、Cu、Ni、V、Sn等種々の金属溶存種の1種類あるいは複数を同時に含む溶液相において、アルキルアミンの秩序形成能に基づいて、規則的に配列した細孔を持つと同時に直径ミクロンオーダーの球状多孔質シリカ粒子、あるいはSiの他1種類以上の金属元素を含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子と、その製造法であり、形状選択性触媒、有用イオン・分子の吸着・分離・貯蔵剤、また有害イオン・分子の吸着・分離さらには分解用触媒として、工業および環境保全に有用な材料などに適した球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性材料開発の歴史の中で、1992年Nature誌上に発表された2〜10nmのメソ孔がハニカム状に規則配列した多孔体MCM-41と合成法は、エキサイティングな発見として特筆される。その発見以来メソポア多孔性材料の研究は一気に加速され、分子篩い性に基づいた触媒としてばかりでなく、メソ孔内における機能性分子の規則配列を利用した光、磁気、電気機能を有する包接化合物への応用も検討されている。
さらに、最近では、メソ孔の規則性ばかりでなく、ミクロンからセンチメータサイズのマクロ形態を制御した、繊維状、球状、中空球状、板状あるいは薄膜状のメソ多孔性材料の開発が注目されている。
【0003】
本発明に係わる球状多孔質シリカに関し多くの研究が報告されている。
例えば;
(1)Schacht, S.; Huo, Q.; Voigt-Martin, I.G.; Stucky, G.D.; Schuth, F.等の「Science, 1996, 273, 768.」には、塩酸を添加したCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)水溶液に、メシチレンを含んだテトラエチルオルトシリケート(TEOS)を滴下する際、攪拌速度を制御することによってミクロンオーダーの中空状球状多孔性シリカ粒子が生成するすること、
(2)Huo, Q.; Feng, J.; Schuth, F.; Stucky, G.D.等の「Chem. Mater. 1997, 9, 14.」には、CTABに水とNaOH等を添加した溶液に、テトラブチルオルトシリケート(TBOS)を添加して攪拌すると、粒径0.1〜2mmの球状シリカ多孔体が作製できる。この方法では、シリカ骨格中にCu、Co、Ti、ZrやV等の遷移金属が導入可能であること、
(3)Grun, M.; Lauer, I.; Unger, K. K.等の「Adv. Mater. 1997, 9, 254.」には、CTAB等の陽イオン型界面活性剤水溶液を、アンモニア水/エタノール混合溶液に加え、攪拌しながらTEOSを添加することによって、0.4〜1.1μmの球状粒子が得られること、
(4)Yang, H.; Vovk, G.; Coombs, N.; Sokolov, I.; Ozin, G. A. J.等の「Mater. Chem. 1998, 8, 743.」には、CTAC(セチルトリメチルアンモニウムクロライド)、TEOS及び低濃度の塩酸水溶液の混合割合を制御することによって、静的条件下、80℃、7〜10日間で直径1〜10μmの球状粒子を合成すること、
(5)Qi, L.; Ma, J.; Cheng, H.; Zhao, Z.等の「Chem. Mater. 1998, 10, 1623.」には、CTABとデカエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル(C16EO10)との混合界面活性剤を溶解させた低濃度の塩酸水溶液中でTEOSを静的条件下で加水分解することにより、直径2〜6μmの球状シリカメソ多孔体を作製すること、
(6)Lin, H. P.; Cheng, Y. R.; Mou, C. Y.等の「Chem. Mater. 1998, 10, 3772.」には、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド(C14TMAB)と珪酸ナトリウムにブタノールを添加して2相分離させた状態で、塩酸水溶液を滴下すると、直径4〜6μmの特殊な内部構造を有する中空状球状シリカメソ多孔体が生成すること、
(7)Singh, P.S.; Kosuge, K.等の「Chem. Lett. 1998, 101.」には、TEOSと塩酸水溶液の混合溶液中に、攪拌しながら直鎖オクチルアミンを添加すると、その混合比により、球殻の厚さの異なる中空状やスパイラル状の直径1〜6μmの球状シリカメソ多孔体を合成すること、
(8)Boissiere, C.; van der Lee, A.; El Mansouri, A.; Larbot, A.; Prouzet, E. 等の「Chem. Commun. 1999, 2047.」には、直鎖非イオン性ポリオキシエチレンとTEOSを混合し、さらに塩酸を添加後、シリカの縮合を進めるため、フッ化ナトリウムを加えて3日間反応させ、直径10μm以下の球状シリカメソ多孔体を合成すること、
(9)Boissiere, C.; Larbot, A.; Prouzet, E.等の「Chem. Mater. 2000, 12, 1937.」には、直鎖非イオン性ポリオキシエチレンを塩酸水溶液に溶解して2℃に保持した後、珪酸ナトリウム溶液を添加し、20〜70℃に加温する。さらに、シリカの縮合を進めるため、フッ化ナトリウムを加えて3日間反応させ、直径5μm程度の球状シリカメソ多孔体を合成することが記載されている。
(10)Gallis, K.W.; Araujo, J.T.; Duff, K. J.; Moore, J. G.; Landry, C. C.等の「Adv. Mater. 1999, 11, 1452.」には、TEOSを希塩酸に溶解したCTAB溶液に加え1時間攪拌後、150℃で40分加熱することによって、直径4〜10μmの球状シリカメソ多孔体が得られること、
が記載されている。
【0004】
また、特開平10―328558号公報には、アルコキシシラン、水、界面活性剤及び酸を混合してアルコキシシランを縮合反応させた後、この反応液を、アルカリを添加した有機溶剤に注入し、球状状含シリカ/界面活性剤複合体を生成した後これを取り出し、その後このシリカ/界面活性剤複合体からその界面活性剤を除去することにより、球状メソ多孔体の製造方法が記載されている。
【0005】
更に、本発明者等は、TEOSと直鎖アルキルアミンの混合液に、塩酸水溶液を添加することで、直径5〜300μmの球状シリカメソ多孔体を合成し、さらに、常温で溶液状態にある金属アルコキシドを用いTEOSとの混合溶液を作製することによって、同様な手順で金属成分を含んだ球状シリカ・ベースメソ多孔体を合成した。また、金属塩を予め直鎖アルキルアミンあるいは塩酸水溶液中に溶解して用いることで球状シリカ・ベースメソ多孔体を合成した。(特許出願中)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、これまでに球状多孔質シリカの合成に関しては、幾つかの研究成果が公表されているが、上記(1)〜(7)、(10)は細孔構造を制御する試薬として高価な界面活性剤であるCTAB等の四級アンモニウム塩を使用したり、付加的に他の界面活性剤を添加している。さらに、上記(2)を除いては、球状シリカメソ多孔体の直径は10μm以下であり、さらにシリカ純成分のみを取り扱っている。しかも、最終生成物である球状多孔体の前駆体である界面活性剤を含んだ有機無機ナノ複合体を作製するための反応時間は、上記(10)を除き数十時間〜3日間と長時間を必要とする。さらに、Si以外の金属成分を導入する場合、ケイ酸エステルであるテトラエチルオルトシリケート(TEOS)と安定な均質溶液相を形成させるために、高価な金属アルコキシドや直鎖アルキルアミンに可溶な限られた金属塩しか使用できないこと等の課題がある。
【0007】
また、金属アルコキシドを出発原料としたゾル・ゲル法によって直径数ミクロンオーダーの球状粒子を作製することは可能であるが、多くの場合10μm以上の粒子を作製することは難しく、しかも骨格構造に基づいた細孔を有せず、粒子間隙に起因した多孔性しか示さない。
【0008】
従って、本発明は、細孔構造の制御剤としてアルキルアミンを使用し、ケイ酸エステル及び水混和性有機溶媒を混合した溶液に、水あるいは酸性水溶液を添加した極めて単純な反応系において、反応物質の混合割合、酸性度、またアルキル鎖のカーボン数を変化させることにより、ミクロンオーダーの球状多孔質シリカ粒子を製造することを目的とした。さらに、ケイ酸エステルとアルコールに溶解した金属塩を混合し、Siの一部を他の金属で置換したり、また骨格外に金属酸化物等を含む球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子を製造する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水混和性有機溶媒、アルキルアミン及びケイ酸エステル或いはケイ酸エステルと水混和性有機溶媒に可溶な金属塩との組み合わせを含み、且つ該ケイ酸エステル1モルあたり該水混和性有機溶媒を0.05乃至10モルの量で含む混合液を用意し、
前記混合液に、攪拌下に水或いは酸性水溶液を添加し、生成するシリカ‐アルキルアミン複合生成物を球状粒子に成長させ、球状粒子中のアルキルアミンを除去することを特徴とする球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造方法が提供される
本発明の製造方法によれば、
1.ケイ酸エステルとアルキルアミンとを1:0.1乃至1:0.8のモル比で用いること、
.水をケイ酸エステル1モル当たり20乃至100モルの量で添加すること、
.酸をケイ酸エステル1モル当たり0.15モル以下の量で用いること、
.水混和性有機溶媒が1価乃至多価のアルコールであること、
.ケイ酸エステルが炭素数が1乃至4のアルコールのケイ酸エステルであること、
が好ましい。
本発明の製造方法によって得られる球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、触媒或いは触媒担体、脱臭剤、調湿剤として好適に使用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、上記従来の技術の(7)で記述した通り、テトラエチルオルトシリケート(以下、略してTEOSということもある)、直鎖アルキルアミン、塩酸水溶液を使用した反応系で、中空状並びにスパイラル状の直径1〜6μmの球状中シリカ多孔体が合成できることを明らかにした。さらに、前述(7)と同じ反応系において、反応物質の添加順序を変化させることで、5〜300ミクロンの球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子が作製できることを示した。
【0011】
本発明では、ミクロンオーダーの球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造法において、前記ケイ酸エステルとしてアルコキシド原料を用い、アルコキシドがSi-アルコキシド以外の高価な金属アルコキシドを使用する必要がないこと、反応系にアルコールを加えることで不規則形状の粒子の生成を抑制し、粒径分布が均一でより大きな球状多孔質シリカが得られること、攪拌速度により粒径が制御可能なこと、また、酸性水溶液を単なる水で代替できる場合がある等、製造条件に格段の進歩性を有する。
【0013】
本発明の製造方法によれば、水混和性有機溶媒、好ましくは1価乃至多価のアルコールをケイ酸エステル1モル当たり0.05乃至10モル、好ましくは0.1乃至3.0モルの量で混合して使用するが、ケイ酸エステルとアルキルアミンとを1:0.1乃至1:0.8、好ましくは1:0.2乃至1:0.7のモル比で混合することが好ましく、その後水をケイ酸エステル1モル当たり20乃至100モル、好ましくは25乃至65の量で添加し、必要に応じて酸をケイ酸エステル1モル当たり0.15モル以下、好ましくは0.11以下の量で用いることにより、外接円法で求めた真球度が実質上1であり、且つ走査型電子顕微鏡写真で見て実質上単分散粒子が得られる。この範囲以外では不規則形状の粒子で真球度が実質上1のものは得られず、走査型電子顕微鏡写真で見て単分散した粒子が得られない。(後述する図8参照)
【0014】
本発明の製造方法によって得られる球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子においては、下記式
SiO・nMOm/2
式中、Mは多価金属、好ましくはTi、Zr、Al、Fe、Zn、Cr、Mn、
Co、Cu、Ni、V、Sn等から選ばれる少なくとも一種を表し、mは多価
金属の価数であり、
nはゼロを含む0.1以下の数、好ましくは0.05以下である、
で表される化学的組成を有する球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子であって、粒径が0.1乃至500μm、好ましくは1乃至300μmの範囲にあり、外接円法で求めた真球度が実質上1であり、回折角1乃至5度(Cu−Kα)にX線回折ピークを有し且つ細孔径15乃至40オングストロームに細孔容積の極大値を有している
【0015】
本発明の球状多孔質シリカ粒子の製造法の具体的な一例として、概略を図1に示す。アルコール存在下アルキルアミンの秩序形成能に基づいて、TEOS及び金属溶存種との均質透明溶液(A)に、酸性水溶液を添加することで、イオン化したアルキルアミンとSiを含む金属溶存種との協調的な相互作用によってシリカ‐アルキルアミン複合生成物が生成し(図1(B)中3)、これが核となって1次粒子が生成し(B)、さらに1次粒子間の衝突により粒子成長することで、ミクロンオーダーのマクロ形態を有する球状粒子が生成する(C)。有機成分を加熱等の処理により除去することで得られる最終生成物は、ミクロンオーダーの球状を呈すると同時に、(A)の段階で形成されたミクロ構造すなわち細孔構造の規則性を併せ持つことになり、2つの異なるスケールで秩序構造を有していることになる。また、1次粒子の衝突により球状粒子が成長することから(図1中(B)から(C)への進行)、得られる球状多孔質シリカ粒子は1次粒子が凝集集合した充填型となる。さらに、種々の金属塩はアルコールに可溶であり、Ti、Zr、Al、Fe、Zn、Cr、Mn、Co、Cu、Ni、V、Sn等を含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子が作製できる。ここで、アルコールは金属塩とTEOSの可溶化を促進するばかりでなく、溶媒の極性を低下させることによって、図1中の(B)から(C)への成長を速める効果があるものと推定される。
【0016】
本製造法は、周期的に配列する細孔を有し、しかも細孔径が容易にコントロール可能なことはもとより、ミクロンオーダーの球状多孔質シリカ及び球状多孔質金属複合体粒子の前駆体を、常温常圧下、80分以内で製造できる。また、攪拌速度、酸濃度あるいはアルコールの添加割合により粒子径の制御が可能となる。
【0017】
図2は上記製造法によって得られた球状多孔質シリカ粒子((a)、(b))、およびAlを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子((c)、(d))の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図3は、図2の(a)〜(d)に対応するX線回折図であり、底面反射の存在は細孔配列が不規則的ではないことを示している。また、図4は、図2の(a)〜(d)に対応する窒素吸着等温線であり、Horvath-Kawazoe法によって求めた細孔系分布曲線から、(a)は平均有効径1.8nmを中心にブロードな分布を示し、(b)〜(d)はそれぞれ(b)3.21nm、(c)1.85nm、(d)3.54nmを中心にシャープな分布をしていることが分かった。
【0018】
図5に本発明によって得られる球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子(以下、単に本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子と呼ぶことがある)のアンモニア昇温脱離スペクトルを示す。スペクトルの形状から、含有される金属種によって固体酸強度並びに固体酸量に差異が認められる。Feのアンモニア脱離量は極めて少量であるが、Cr、Zn等はAlと同様固体酸としての機能を有することから、種々の触媒としての応用が可能である。
【0019】
本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、卓越的に発達したメソ細孔内へ悪臭物質を吸着することもできるため、それ自体が消臭剤としての機能を有する。また、表面に弱い強度ながらも固体酸性を示すシラノール基を有し、アンモニアやアミンなどの塩基性悪臭物質を化学吸着する。
【0020】
図6に本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子のトリメチルアミン、アセトアルデヒド、エチルメルカプタン及び硫化水素に対する脱臭試験結果を示す。本図にはシリカ金属複合体粒子に関しては、特に顕著な脱臭効果の認められた金属種を含む複合体粒子についてのみ示し、比較のため球状多孔質シリカに関しては全ガス種の脱臭特性を示した。トリメチルアミン及びエチルメルカプタンに対する球状多孔質シリカ粒子を除き、本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は悪臭成分に対して高い初期吸着能と飽和吸着量を示すことから脱臭剤としての応用が可能である。
【0021】
図7にアセトアルデヒドに対する光触媒能の試験結果を示す。本図により、波長254nmの紫外線を照射した結果、実施例1の球状多孔質シリカ粒子は光触媒能を有しないことが解る。また、実施例6のCrを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子に顕著な光触媒能が認められた。本発明の球状多孔質シリカ金属複合体粒子は、種々のガス成分に対して優れた初期吸着能と光触媒能を併せ持つことから、悪臭成分ばかりでなくNOx等の環境汚染分子の除去・分解のための光触媒として使用できる。
【0022】
さらに、水蒸気の吸着等温線を測定した結果、本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は細孔径並びに加熱処理温度に応じたある一定範囲の狭い相対圧で顕著な吸着能が認められる。例えば、球状多孔質シリカ粒子を800℃で1時間加熱処理した場合、相対圧0.5付近で急激な水蒸気吸着等温線の立ち上がりが認められ、0.5〜0.6で430ml(STP)/gの吸着量を有することから、調湿剤としての利用も可能である。
【0023】
本発明で使用される水混和性有機溶媒、アルキルアミン及びケイ酸エステル或いはケイ酸エステルと水混和性有機溶媒に可溶な金属塩を示す。
【0024】
本発明で使用するシリカ原料としてのケイ酸エステルとしては、Si-アルコキシドで、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトライソプロピルオルトシリケート、テトラ-n-ブチルオルトシリケート等を用いることが可能で好ましくはテトラエチルオルトシリケート(以下TEOSと略す)を使用する。
【0025】
水混和性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を用いることができ、好ましくはエタノールを使用する。
【0026】
アルキルアミンとしては、直鎖アルキルアミンが好ましく、カーボン数8〜18のものが使用され、比較的廉価で常温において溶液状態にあるオクチルアミンとドデシルアミンが好ましい。
【0027】
水混和性有機溶媒に可溶な金属塩としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩やその水和物等アルコールに可溶な全ての金属塩を使用することができる。
【0028】
また、酸としては、塩酸、硝酸、酢酸等を使用することができる。
【0029】
本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の合成には、攪拌しながらTEOSにアルコール、次いで1−アルキルアミンを添加し15秒〜5分間後、酸性水溶液を添加し、充分な混合状態を保持しながら、室温で80分以内好ましくは10〜60分程度反応させる。出発原料の混合モル比は、TEOS:1−アルキルアミン:アルコール:酸:水:金属元素=1:0.1〜0.8:0.05〜10:0〜0.15:20〜100:0〜0.1である。
【0030】
さらに出発原料の混合モル比を詳細に記述すると、球状多孔質シリカ粒子の合成には、オクチルアミンの場合、好ましくは、TEOS:オクチルアミン:エタノール:酸:水=1:0.20〜0.45:1.10〜2.95:0.030〜0.110:25〜63である。ドデシルアミンの場合、好ましくはTEOS:ドデシルアミン:エタノール:酸:水=1:0.30〜0.65:0.10〜2.55:0.002〜0.007:25〜63である。
【0031】
シリカマトリックス中に他の金属元素を含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子の合成には、予めアルコールに溶解した金属塩を攪拌しながらTEOSに添加後、直ぐにアルキルアミンを加え1分から20分間攪拌し、さらに攪拌を続けながら酸性水溶液を添加し、充分な混合状態を保持しながら、室温で80分以内好ましくは10〜60分程度反応させる。出発原料の混合モル比は、オクチルアミンの場合、好ましくは、TEOS:オクチルアミン:エタノール:金属元素:酸:水=1:0.20〜0.45:1.10〜2.95:0.001〜0.05:0〜0.035:25〜63である。ドデシルアミンの場合、好ましくは、TEOS:ドデシルアミン:エタノール:金属元素:酸:水=1:0.30〜0.65:0.65〜2.55:0.001〜0.025:0〜0.004:25〜63である。
【0032】
上記いずれの場合も、反応後懸濁液から固体生成物を分離し、室温〜100℃で充分乾燥させる。最後に有機成分を除去して球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子を作製するために、400℃以上で2時間以上、好ましくは500℃以上で1時間加熱処理する。
【0033】
(用途)
本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、触媒或いは触媒担体、脱臭剤、調湿剤、吸着剤等として使用され、用途に応じて無機吸着剤、抗菌剤、光反応性半導体、等を組み合わせて使用できる。必要に応じて、例えば、本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子を顆粒状、棒状、ペレット状、ハニカム状に押出しを行うなど公知の方法により、用途に応じた形状に容易に成形することができる。また、これら様々な形状の素材に塗布、含浸、ねりこみ等で添加することもできる。素材としては、木材、紙、プラスチック、繊維や無機系内外装材等がある。また、一般の塗料に添加して、調湿機能をもつ塗料として幅広く利用できる。
【0034】
悪臭成分の種類により上記本発明に用いる球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、卓越的に発達したメソ細孔内へ悪臭物質を吸着することもできるため、それ自体が消臭剤としての機能を有する。また、表面に弱い強度ながらも固体酸性を示すシラノール基を有し、アンモニアやアミンなどの塩基性悪臭物質を化学吸着する。
【0035】
本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子を、消臭剤として用いる場合、消臭力を補助するため、例えばセピオライト、パリゴルスカイト、活性炭、ゼオライト、活性炭素繊維、セピオライト混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュライト、ケイソウ土などを併用してよい。また、他の消臭剤、例えば硫化水素、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン等に対して消臭性のある消臭剤と組み合わせて、総合的な消臭剤とすることもできる。 組み合わせる消臭剤としては合成フィロケイ酸マグネシウム、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛が好ましい。
【0036】
また、光反応性半導体としては、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム及びニオブ酸カリウム等が挙げられる。本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子100重量部に対し光反応性半導体を0.1乃至200重量部配合することができる。
【0037】
更に、本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子100重量部に対し抗菌剤を0.1乃至20重量部配合することにより、抗菌性及び消臭性の機能をもつ抗菌消臭調湿剤として使用できる。具体的には、銀を担持したゼオライト、非晶質アルミノケイ酸塩、アパタイト、リン酸ジルコニウム、シリカゲル、ケイ酸カルシウム及びガラス等の銀系無機抗菌剤又は塩化ベンザルコニウム―シリカ複合体から成る徐放性抗菌剤が挙げられる。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されない。
尚、実施例で行った各試験方法は次の方法により行った。
【0039】
(測定法)
(1)走査型電子顕微鏡:日本電子製JSM5300を使用し、加速電圧10kV、WD11mmで観察した。
【0040】
(2)比表面積・細孔径分布:日本ベル製BELSORP28を使用し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線からBET比表面積を求め、細孔径分布はHorvath-Kawazoe法により解析した。
【0041】
(3)粒径:ベックマン・コールター製Coulter MultisizerIIを用い、200ミクロンメーターのアパーチャー・チューブで測定した。
【0042】
(4)真球度:粒子の代表的走査型電子顕微鏡写真の粒子外周形状(外接円)を観察して求めた。
【0043】
(5)X線回折:リガク製ロータフレックスRU−300を使用し、Cu−Kα線源、加速電圧40kV、80mAで測定した。
【0044】
(6)アンモニア昇温脱離スペクトル:日本ベル製TPD装置を用い以下の条件で測定した。
前処理 400℃、1時間真空脱気
アンモニア吸着 100℃、30分
物理吸着分アンモニアの除去 180℃
TPD測定 100〜600℃、昇温速度10℃/min
【0045】
(7)脱臭試験:ガステック製ガス検知管を用いて、サンプル0.1g、測定室容積900mlの条件で対象ガス初期濃度100ppmに対する濃度変化を測定した。
【0046】
(8)光触媒能試験:低圧水銀灯を用いて、波長254nmの紫外線を上記脱臭試験装置に照射し、ガステック製ガス検知管を用いて、アセトアルデヒドガスの濃度変化を測定した。
【0047】
(9)水蒸気吸着:日本ベル製BELSORP18を使用し、25℃で測定した吸着等温線から水蒸気量を求めた。
【0048】
(10)化学組成分析
シリカ(SiO)分はフッ化水素酸溶融法により測定し、金属(M)のAl、Zr、Fe、Cr、Zn、Snについては、アルカリ溶融後、ICP−AES法により測定した。
【0049】
(実施例1)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールとオクチルアミンを添加後、塩酸水溶液を加え、そのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:HCl:水 = 1:0.34:1.94:0.068:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ粒子を作製する。生成球状多孔質シリカ粒子の中位径は34.9μmで、比表面積は955m/gを示す。また、分析結果を表4に示す。
【0050】
(実施例2)
TEOSを一定速度で攪拌し、エタノールとドデシルアミンを添加後、塩酸水溶液を加え、そのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:ドデシルアミン:エタノール:HCl:水 = 1:0.35:0.87:0.004:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ粒子を作製する。
また、反応物質の混合比を同一として、攪拌速度を変化させると、粒径の異なる球状多孔質シリカ粒子が得られ、中位径は攪拌速度によって表1のように顕著に変化する。
【0051】
【表1】
Figure 0004614196
【0052】
(実施例3)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したAlCl・6HOを添加後、オクチルアミンを加え20分間攪拌した後、水あるいは塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:Al:HCl:水 = 1:0.34:1.19:0.023:0〜0.07:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。
また、本反応系では、塩酸水溶液の混合モル比を変化させても球状多孔質シリカ金属複合体粒子が得られ、表2に中位径と比表面積等を示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004614196
【0054】
(実施例4)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したAlCl・6HOを添加後、ドデシルアミンを加え3分間攪拌した後、水を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:ドデシルアミン:エタノール:Al:水 = 1:0.34:1.16〜1.36:0.004:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。表3に示すように、生成球状多孔質シリカ金属複合体粒子の中位径はエタノールの僅かな混合比の差異により顕著に変化することが分かる。また、分析結果を表4に示す。
【0055】
【表3】
Figure 0004614196
【0056】
(実施例5)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したZrOCl・8HOを添加後、オクチルアミンを加え10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:Zr:HCl:水 = 1:0.35:1.18:0.017:0.034:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。生成球状多孔質シリカ金属複合体粒子の中位径は63.4μmで、比表面積は822m/gである。また、分析結果を表4に示す。
【0057】
(実施例6)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したCrCl・6HOを添加後、オクチルアミンを加え10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:Cr:HCl:水 = 1:0.34:1.18:0.01:0.034:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。生成球状多孔質シリカ金属複合体粒子の中位径は39.0μmで、比表面積は774m/gである。また、分析結果を表4に示す。
【0058】
(実施例7)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したFeCl・6HOを添加後、オクチルアミンを加え10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:Fe:HCl:水 = 1:0.34:1.17:0.01:0.068:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。また、分析結果を表4に示す。
【0059】
(実施例8)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したZnClを添加後、オクチルアミンを加え10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:Zn:HCl:水 = 1:0.35:1.18:0.02:0.069:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。また、分析結果を表4に示す。
【0060】
(実施例9)
TEOSを600rpmで攪拌し、エタノールに溶解したSnCl・5HOを添加後、オクチルアミンを加え10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌する。混合溶液のモル比はTEOS:オクチルアミン:エタノール:Sn:HCl:水 = 1:0.35:1.18:0.01:0.034:38である。反応後懸濁液から固体生成物を濾別し、50℃で充分乾燥させた後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去して球状多孔質シリカ金属複合体粒子を作製する。
カ金属複合体粒子が得られ、表2に中位径と比表面積等を示す。
【0061】
【表4】
Figure 0004614196
【0062】
(比較例1)
本製造法の特徴は溶媒にエタノールを添加することであり、その添加効果を示すため、エタノール無添加で実施例1と同様な合成を行った。エタノールの添加の有無により比表面積やX線回折図にほとんど差異は認められないが、図8のSEM写真から明らかなように、エタノールの添加によって、不規則形状の粒子の生成が抑制されることが分かる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、細孔構造の制御剤としてアルキルアミンを使用し、TEOSとアルコールとの混合溶液に、水あるいは酸性水溶液を添加した極めて単純な反応系において、反応物質の混合割合、酸性度、またアルキル鎖のカーボン数を変化させることにより、常温、常圧下で球状多孔体の前駆体となる界面活性剤を含んだ有機無機ナノ複合体を短時間で作製し、最終的に有機物を取除くことによる、直径数ミクロン〜数百ミクロンにわたるミクロンオーダーの球状多孔質シリカ粒子の製造方法を提供する。さらに、TEOSと、アルコールに溶解した金属塩を混合後、その均質溶液にアルキルアミン、次いで水あるいは酸性水溶液を添加することにより、Siの一部を他の金属で置換したり、また骨格外に金属酸化物等を含むミクロンオーダーの球状多孔質シリカ金属複合体粒子の製造方法を提供する。しかも、球状というマクロ形態の秩序性と、同時に15〜40オングストロームの細孔が規則性をもって配列しており、2つの異なるスケールで規則性を有する高比表面積球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造法を提供するものである。
さらに高比表面積、細孔径の均一性を有することから、形状選択能を発揮して効率的に種々の有用あるいは有害な分子、イオンをトラップできることから、工業および環境保全の両面で有用な分子篩い、触媒担体、触媒さらにはセンサー等の機能性セラミックス素材の製造法として活用できる。特に、ミクロンオーダーの球状粒子の特性を活かし、固定床ばかりでなく、流動床反応用の化学プロセス用触媒・触媒担体やクロマト分離用カラム充填剤の製造法として価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造法を示す模式図である。
【図2】実施例1(a)、実施例2-2(b)の球状多孔質シリカ粒子、および実施例3-4(c)、実施例4-1(d)のAlを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例1、実施例2-2の球状多孔質シリカ粒子、および実施例3-4、実施例4-1のAlを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子のX線回折パターン図である。
【図4】実施例1、実施例2-2の球状多孔質シリカ粒子、および実施例3-4、実施例4-1のAlを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子の窒素吸着等温線である。白抜きは吸着、塗りつぶしは脱着等温線である。
【図5】Alを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(実施例3−4(□);実施例4−1(◆))、Crを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(実施例6(○))、Feを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(実施例7(△))、およびZnを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(実施例8(●))のアンモニア昇温脱離スペクトルである。
【図6】実施例1(■、▲、●、◆)の球状多孔質シリカ粒子、および実施例6のCrを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(△、◇)、実施例8のZnを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(○)、実施例9のSnを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子(□)の脱臭試験結果である。
【図7】実施例1(□)の球状多孔質シリカ粒子、および実施例6(○)のCrを含む球状多孔質シリカ金属複合体粒子の光触媒能試験結果である。
【図8】比較例1の球状多孔質シリカ粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. 水混和性有機溶媒、アルキルアミン及びケイ酸エステル或いはケイ酸エステルと水混和性有機溶媒に可溶な金属塩との組み合わせを含み、且つ該ケイ酸エステル1モルあたり該水混和性有機溶媒を0.05乃至10モルの量で含む混合液を用意し、
    前記混合液に、攪拌下に水或いは酸性水溶液を添加し、生成するシリカ‐アルキルアミン複合生成物を球状粒子に成長させ、球状粒子中のアルキルアミンを除去することを特徴とする球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造方法。
  2. 球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子が下記式
    SiO・nMOm/2
    式中、Mは多価金属を表し、mは多価金属の価数であり、
    nはゼロを含む0.1以下の数である、
    で表される化学的組成を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 球状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子が0.1乃至500μmの粒子径を有することを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. ケイ酸エステルとアルキルアミンとを1:0.1乃至1:0.8のモル比で用いることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の製造方法。
  5. 水をケイ酸エステル1モル当たり20乃至100モルの量で添加することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の製造方法。
  6. 酸をケイ酸エステル1モル当たり0.15モル以下の量で用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の製造方法。
  7. 水混和性有機溶媒が1価乃至多価のアルコールであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の製造方法。
  8. ケイ酸エステルが炭素数が1乃至4のアルコールのケイ酸エステルであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の製造方法。
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