以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る通信装置の第1の実施例を用いた通信システムの構成を示している。FAX電話機2a及び2bは、ファクシミリ通信及び音声通信を行うものである。通信装置1a及び1bは、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理、及び、音声信号・IPパケット間変換処理を行うものである。ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理は、ファクシミリ信号からIPパケットへの変換、及び、IPパケットからファクシミリ信号への変換を行う処理のことである。音声信号・IPパケット間変換処理は、音声信号からIPパケットへの変換、及び、IPパケットから音声信号への変換を行う処理のことである。通信装置1aは、IPネットワーク3からIPパケットを受信して、受信したIPパケットをファクシミリ信号及び音声信号に変換してFAX電話機2aに送信する。また、通信装置1aは、FAX電話機2aから送信されるファクシミリ信号及び音声信号を、IPパケットに変換してIPネットワーク3に送信する。通信装置1bは、IPネットワーク3からIPパケットを受信して、受信したIPパケットをファクシミリ信号及び音声信号に変換してFAX電話機2bに送信する。また、通信装置1bは、FAX電話機2bから送信されるファクシミリ信号及び音声信号を、IPパケットに変換してIPネットワーク3に送信する。
図2に、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理、及び、音声信号・IPパケット間変換処理を行う通信装置1aの構成を示す。TEL/FAXインターフェース部4は、通信装置1aをFAX電話機2aに接続するためのアナログインターフェース、例えば、SLIC等である。A/D・D/A変換部5は、TEL/FAXインターフェース部4から受信したファクシミリ信号及び音声信号をディジタル信号に変換して、音声/FAX通信処理部6に送信する。また、A/D・D/A変換部5は、音声/FAX通信処理部6から受信したディジタル信号をファクシミリ信号及び音声信号に変換してTEL/FAXインターフェース部4に送信する。音声/FAX通信処理部6は、A/D・D/A変換部5から受信したディジタル信号をIPパケットに変換して、ネットワークインターフェース部7に送信する。また、音声/FAX通信処理部6は、ネットワークインターフェース部7から受信したIPパケットをディジタル信号に変換して、A/D・D/A変換部5に送信する。ネットワークインターフェース部7は、通信装置1aをIPネットワーク3に接続するためのインターフェース、例えば、WANポート等である。尚、図示しないが通信装置1bも通信装置1aと同様の構成である。
図3に、音声/FAX通信処理部6の構成を示す。音声/FAX通信処理部6は、ディジタル信号とIPパケットの間の変換を行うものである。信号処理部61は、ディジタル信号に変換されたファクシミリ信号及び音声信号に対するディジタル信号処理を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号のエコーを除去する。パケット処理部63は、エコーキャンセラ部62により処理されたディジタル信号にIPヘッダを付加してIPパケットを組み立てる。また、パケット処理部63は、ゆらぎ吸収部64から受信したIPパケットを分解して、ディジタル信号に変換する。ゆらぎ吸収部64は、音声のゆらぎ(ジッタ)を解消するために、IPパケットを一旦バッファ(ジッタバッファ)に蓄積して、一定の間隔で送信する。FAX/無音検出部65は、ファクシミリ信号の送信開始を知らせるCNG信号や、ファクシミリ信号の受信を許可するCED信号及びANSam信号等を検出して、FAX/音声判定部66に通知する。また、FAX/無音検出部65は、ファクシミリ信号が送受信されている場合に、信号が無音を表している状態、すなわち、無音状態で所定の無音検出判定時間が経過したことを検出して、FAX/音声判定部66に通知する。FAX/音声判定部66は、FAX/無音検出部65からの通知に基づいて、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であるか音声信号であるか、すなわち、FAX電話機2aで行われている通信がファクシミリ通信であるか音声通信であるかを判定する。制御部67は、FAX/音声判定部66の判定結果に基づいて、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に対する制御を行う。
図4に、FAX電話機2aでファクシミリ通信が行われ、ファクシミリ通信の終了後に、通話状態のまま、音声通信が開始される場合の通信装置1aの動作を示す。
まず、FAX電話機2aから呼を接続するための信号、例えば、発呼信号、ダイヤル信号又は呼出音等が送信されて、呼の接続が行われる(ステップS401)。呼の接続が行われると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62、パケット処理部63及びゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を開始する。信号処理部61は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、エコーの除去を行う。ゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理を行う場合は、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う。
一方、FAX/無音検出部65は、呼の接続を検出すると(ステップS402)、呼の接続を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS403)。FAX/音声判定部66は、呼の接続を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定する(ステップS404)。
呼が接続された後で、FAX電話機2aでファクシミリ通信が開始されて、FAX開始信号が送信されたとする(ステップS405)。FAX開始信号としては、ファクシミリの送信を行う場合は、CNG信号(1100Hz)が、ファクシミリの受信を行う場合は、CED信号又はANSam信号(2100Hz)が送信される。FAX/無音検出部65は、FAX開始信号を検出すると、FAX開始信号を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS406)。FAX/音声判定部66は、FAX開始信号を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS407)。
制御部67は、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であるとの判定結果を受信すると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理を行うようにFAX処理指示を送信する(ステップS408〜S410)。信号処理部61は、FAX処理指示を受信すると、ファクシミリ信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、FAX処理指示を受信すると、ファクシミリ信号がスーパーG3モードである場合は、エコーの除去を行う動作を停止する。ゆらぎ吸収部64は、FAX処理指示を受信すると、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う動作を停止する。
FAX電話機2aは、FAX開始信号を送信した後で、ファクシミリ信号の送受信を行う(ステップS411)。FAX/無音検出部65は、ファクシミリ信号の送受信が行われると、無音状態の監視を行う。無音状態で所定の無音検出判定時間が経過しない場合、FAX/無音検出部65は、ファクシミリ信号の送受信が行われていることの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS412)。FAX/音声判定部66は、ファクシミリ信号の送受信が行われていることの通知を受信すると、そのまま待機する。
ここで、FAX電話機2aで行われていたファクシミリ通信が終了して、無音状態になったとする。無音状態で所定の無音検出判定時間が経過した場合、FAX/無音検出部65は、無音状態で所定の無音検出判定時間が経過したことの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS413)。FAX/音声判定部66は、無音状態で所定の無音検出判定時間が経過したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS414)。
制御部67は、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であるとの判定結果を受信すると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に、音声信号・IPパケット間変換処理を行うように音声処理指示を送信する(ステップS415〜S417)。信号処理部61は、音声処理指示を受信すると、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声処理指示を受信すると、エコーの除去を行う動作を開始する。ゆらぎ吸収部64は、音声処理指示を受信すると、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う動作を開始する。これ以降、新たなFAX開始信号が検出されるまで、又は、呼の切断が行われるまで、音声信号・IPパケット間変換処理が行われる。
その後、FAX電話機2aでは、音声信号の送受信が行われる(ステップS418)。音声信号の送受信が終了すると、呼の切断が行われる(ステップS419)。
尚、無音検出判定時間は、ITU−T勧告T.30で規定されているページ間の再送時間(4.5秒±15%)よりも長い値に設定する。
このように、第1の実施例の通信装置によれば、ファクシミリ通信から音声通信に切り替わる際の一定時間の無音状態を検出することにより、ファクシミリ通信が終了して音声通信に切り替わったと判定している。それ故、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ファクシミリ通信が終了したことを判定することが出来る。ファクシミリ通信の終了を正しく判定することが出来るため、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ゆらぎ吸収やエコーキャンセラなどの動作を開始することが出来るため、音声の品質を劣化させることなく音声通信をおこなうことが出来る。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図5は、本発明に係る通信装置の第2の実施例を用いた通信システムの構成を示している。FAX電話機2a及び2bは、ファクシミリ通信及び音声通信を行うものである。通信装置1a及び1bは、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理、及び、音声信号・IPパケット間変換処理を行うものである。ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理は、ファクシミリ信号からIPパケットへの変換、及び、IPパケットからファクシミリ信号への変換を行う処理のことである。音声信号・IPパケット間変換処理は、音声信号からIPパケットへの変換、及び、IPパケットから音声信号への変換を行う処理のことである。通信装置1aは、IPネットワーク3からIPパケットを受信して、受信したIPパケットをファクシミリ信号及び音声信号に変換してFAX電話機2aに送信する。また、通信装置1aは、FAX電話機2aから送信されるファクシミリ信号及び音声信号を、IPパケットに変換してIPネットワーク3に送信する。通信装置1bは、IPネットワーク3からIPパケットを受信して、受信したIPパケットをファクシミリ信号及び音声信号に変換してFAX電話機2bに送信する。また、通信装置1bは、FAX電話機2bから送信されるファクシミリ信号及び音声信号を、IPパケットに変換してIPネットワーク3に送信する。
図6に、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理、及び、音声信号・IPパケット間変換処理を行う通信装置1aの構成を示す。TEL/FAXインターフェース部4は、通信装置1aをFAX電話機2aに接続するためのアナログインターフェース、例えば、SLIC等である。A/D・D/A変換部5は、TEL/FAXインターフェース部4から受信したファクシミリ信号及び音声信号をディジタル信号に変換して、音声/FAX通信処理部6に送信する。また、A/D・D/A変換部5は、音声/FAX通信処理部6から受信したディジタル信号をファクシミリ信号及び音声信号に変換してTEL/FAXインターフェース部4に送信する。音声/FAX通信処理部6は、A/D・D/A変換部5から受信したディジタル信号をIPパケットに変換して、ネットワークインターフェース部7に送信する。また、音声/FAX通信処理部6は、ネットワークインターフェース部7から受信したIPパケットをディジタル信号に変換して、A/D・D/A変換部5に送信する。ネットワークインターフェース部7は、通信装置1aをIPネットワーク3に接続するためのインターフェース、例えば、WANポート等である。尚、図示しないが通信装置1bも通信装置1aと同様の構成である。
図7に、音声/FAX通信処理部6の構成を示す。音声/FAX通信処理部6は、ディジタル信号とIPパケットの間の変換を行うものである。信号処理部61は、ディジタル信号に変換されたファクシミリ信号及び音声信号に対するディジタル信号処理を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号のエコーを除去する。パケット処理部63は、エコーキャンセラ部62により処理されたディジタル信号にIPヘッダを付加してIPパケットを組み立てる。また、パケット処理部63は、ゆらぎ吸収部64から受信したIPパケットを分解して、ディジタル信号に変換する。ゆらぎ吸収部64は、音声のゆらぎ(ジッタ)を解消するために、IPパケットを一旦バッファ(ジッタバッファ)に蓄積して、一定の間隔で送信する。信号成分検出部68は、ファクシミリ信号の送信開始を知らせるCNG信号や、ファクシミリ信号の受信を許可するCED信号及びANSam信号等を検出して、FAX/音声判定部66に通知する。また、信号成分検出部68は、FAX電話機2aで送受信されている信号の成分を検出する。そして、信号成分検出部68は、検出した成分がファクシミリ信号であるか否かを、FAX/音声判定部66に通知する。FAX/音声判定部66は、信号成分検出部68からの通知に基づいて、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であるか音声信号であるか、すなわち、FAX電話機2aで行われている通信がファクシミリ通信であるか音声通信であるかを判定する。制御部67は、FAX/音声判定部66の判定結果に基づいて、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に対する制御を行う。
図8に、FAX電話機2aでファクシミリ通信が行われ、ファクシミリ通信の終了後に、通話状態のまま、音声通信が開始される場合の通信装置1aの動作を示す。
まず、FAX電話機2aから呼を接続するための信号、例えば、発呼信号、ダイヤル信号又は呼出音等が送信されて、呼の接続が行われる(ステップS801)。呼の接続が行われると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62、パケット処理部63及びゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を開始する。信号処理部61は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、エコーの除去を行う。ゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理を行う場合は、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う。
一方、信号成分検出部68は、呼の接続を検出すると(ステップS802)、呼の接続を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS803)。FAX/音声判定部66は、呼の接続を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定する(ステップS804)。
呼が接続された後で、FAX電話機2aでファクシミリ通信が開始されて、FAX開始信号が送信されたとする(ステップS805)。FAX開始信号としては、ファクシミリの送信を行う場合は、CNG信号(1100Hz)が、ファクシミリの受信を行う場合は、CED信号又はANSam信号(2100Hz)が送信される。信号成分検出部68は、FAX開始信号を検出すると、FAX開始信号を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS806)。FAX/音声判定部66は、FAX開始信号を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS807)。
制御部67は、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であるとの判定結果を受信すると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理を行うようにFAX処理指示を送信する(ステップS808〜S810)。信号処理部61は、FAX処理指示を受信すると、ファクシミリ信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、FAX処理指示を受信すると、ファクシミリ信号がスーパーG3モードである場合は、エコーの除去を行う動作を停止する。ゆらぎ吸収部64は、FAX処理指示を受信すると、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う動作を停止する。
FAX電話機2aは、FAX開始信号を送信した後で、ファクシミリ信号の送受信を行う(ステップS811)。信号成分検出部68は、FAX電話機2aで送受信されている信号の成分を検出する。信号の成分の検出は、ファクシミリ通信を開始するときのCNG信号、CED信号及びANSam信号等の制御信号や、送受信されているデータを特定して検出してもよいし、ファクシミリ信号を構成する信号の成分(一定の周波数パターン)を検出してもよい。検出された信号の成分がファクシミリ信号である場合、信号成分検出部68は、ファクシミリ信号の送受信が行われていることの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS812)。FAX/音声判定部66は、ファクシミリ信号の送受信が行われていることの通知を受信すると、そのまま待機する。
ここで、FAX電話機2aで行われていたファクシミリ通信が終了して、音声通信が開始されたとする(ステップS813)。信号成分検出部68は、FAX電話機2aで送受信されている信号において、ファクシミリ信号以外の信号を検出すると、ファクシミリ信号以外の信号を検出したことの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS814)。FAX/音声判定部66は、ファクシミリ信号以外の信号を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS815)。
制御部67は、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であるとの判定結果を受信すると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に、音声信号・IPパケット間変換処理を行うように音声処理指示を送信する(ステップS816〜S818)。信号処理部61は、音声処理指示を受信すると、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声処理指示を受信すると、エコーの除去を行う動作を開始する。ゆらぎ吸収部64は、音声処理指示を受信すると、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う動作を開始する。これ以降、新たなFAX開始信号が検出されるまで、又は、呼の切断が行われるまで、音声信号・IPパケット間変換処理が行われる。
FAX電話機2aは、音声信号の送受信が終了すると、呼の切断を行う(ステップS819)。
このように、第2の実施例の通信装置によれば、ファクシミリ通信から音声通信に切り替わる際に、ファクシミリ信号以外の信号を検出することにより、ファクシミリ通信が終了して音声通信に切り替わったと判定している。それ故、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ファクシミリ通信が終了したことを判定することが出来る。ファクシミリ通信の終了を正しく判定することが出来るため、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ゆらぎ吸収やエコーキャンセラなどの動作を開始することが出来るため、音声の品質を劣化させることなく音声通信をおこなうことが出来る。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
図9は、本発明に係る通信装置の第3の実施例を用いた通信システムの構成を示している。FAX電話機2a及び2bは、ファクシミリ通信及び音声通信を行うものである。通信装置1a及び1bは、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理、及び、音声信号・IPパケット間変換処理を行うものである。ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理は、ファクシミリ信号からIPパケットへの変換、及び、IPパケットからファクシミリ信号への変換を行う処理のことである。音声信号・IPパケット間変換処理は、音声信号からIPパケットへの変換、及び、IPパケットから音声信号への変換を行う処理のことである。通信装置1aは、IPネットワーク3からIPパケットを受信して、受信したIPパケットをファクシミリ信号及び音声信号に変換してFAX電話機2aに送信する。また、通信装置1aは、FAX電話機2aから送信されるファクシミリ信号及び音声信号を、IPパケットに変換してIPネットワーク3に送信する。通信装置1bは、IPネットワーク3からIPパケットを受信して、受信したIPパケットをファクシミリ信号及び音声信号に変換してFAX電話機2bに送信する。また、通信装置1bは、FAX電話機2bから送信されるファクシミリ信号及び音声信号を、IPパケットに変換してIPネットワーク3に送信する。
図10に、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理、及び、音声信号・IPパケット間変換処理を行う通信装置1aの構成を示す。TEL/FAXインターフェース部4は、通信装置1aをFAX電話機2aに接続するためのアナログインターフェース、例えば、SLIC等である。A/D・D/A変換部5は、TEL/FAXインターフェース部4から受信したファクシミリ信号及び音声信号をディジタル信号に変換して、音声/FAX通信処理部6に送信する。また、A/D・D/A変換部5は、音声/FAX通信処理部6から受信したディジタル信号をファクシミリ信号及び音声信号に変換してTEL/FAXインターフェース部4に送信する。音声/FAX通信処理部6は、A/D・D/A変換部5から受信したディジタル信号をIPパケットに変換して、ネットワークインターフェース部7に送信する。また、音声/FAX通信処理部6は、ネットワークインターフェース部7から受信したIPパケットをディジタル信号に変換して、A/D・D/A変換部5に送信する。ネットワークインターフェース部7は、通信装置1aをIPネットワーク3に接続するためのインターフェース、例えば、WANポート等である。尚、図示しないが通信装置1bも通信装置1aと同様の構成である。
図11に、音声/FAX通信処理部6の構成を示す。音声/FAX通信処理部6は、ディジタル信号とIPパケットの間の変換を行うものである。信号処理部61は、ディジタル信号に変換されたファクシミリ信号及び音声信号に対するディジタル信号処理を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号のエコーを除去する。パケット処理部63は、エコーキャンセラ部62により処理されたディジタル信号にIPヘッダを付加してIPパケットを組み立てる。また、パケット処理部63は、ゆらぎ吸収部64から受信したIPパケットを分解して、ディジタル信号に変換する。ゆらぎ吸収部64は、音声のゆらぎ(ジッタ)を解消するために、IPパケットを一旦バッファ(ジッタバッファ)に蓄積して、一定の間隔で送信する。FAX/音声判定部66は、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であるか音声信号であるか、すなわち、FAX電話機2aで行われている通信がファクシミリ通信であるか音声通信であるかを判定する。制御部67は、FAX/音声判定部66の判定結果に基づいて、信号処理部61、エコーキャンセラ部62及びゆらぎ吸収部64に対する制御を行う。
FAX/無音検出部81は、ファクシミリ信号の受信を許可するCED信号及びANSam信号を検出する。また、FAX/無音検出部81は、ファクシミリ信号が送受信されている場合に、信号が無音を表している状態、すなわち、無音状態で所定の無音検出判定時間が経過したことを検出する。無音検出判定時間の値は、ファクシミリ通信がG3モードで行われるかスーパーG3モードで行われるかにより異なる。ファクシミリ通信がG3モードである場合は、ITU−T勧告T.30で規定されているページ間の再送時間(4.5秒±15%)よりも長い値を無音検出判定時間の値として設定する。ファクシミリ通信がスーパーG3モードである場合は、通信中の瞬断を無音状態と誤判定しない時間(数百ミリ秒以上)の値を無音検出判定時間の値として設定する。タイマ82は、FAX/無音検出部81がANSam信号を検出した時刻、及び、無音状態でスーパーG3モードに対応する無音検出判定時間を経過したことを検出した時刻を記録する。そして、記録した時刻の差分を算出する。FAX信号判定部83は、タイマ82が算出した差分の値に基づいて、ファクシミリ通信がG3モードであるかスーパーG3モードであるかの判定を行う。
図12に、FAX電話機2aでG3モードでのファクシミリ通信が行われ、ファクシミリ通信の終了後に、通話状態のまま、音声通信が開始される場合の通信装置1aの動作を示す。
まず、FAX電話機2aから呼を接続するための信号、例えば、発呼信号、ダイヤル信号又は呼出音等が送信されて、呼の接続が行われる(ステップS1201)。呼の接続が行われると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62、パケット処理部63及びゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を開始する。信号処理部61は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、エコーの除去を行う。ゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理を行う場合は、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う。
一方、FAX/無音検出部81は、呼の接続を検出すると(ステップS1202)、呼の接続を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS1203)。FAX/音声判定部66は、呼の接続を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定する(ステップS1204)。
呼が接続された後で、FAX電話機2aでファクシミリ信号の受信が開始されて、CED信号が送信されたとする(ステップS1205)。FAX/無音検出部81は、CED信号を検出すると、ファクシミリ通信がG3モードであると判定して、無音検出判定時間をG3モードに対応した値に設定する。検出した信号がCED信号である場合、ファクシミリ通信は、G3モードで行われることは明らかなので、タイマ82及びFAX信号判定部83は動作させない。そして、FAX/無音検出部81は、CED信号を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS1206)。FAX/音声判定部66は、CED信号を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS1207)。
FAX電話機2aは、CED信号を送信した後で、ファクシミリ信号の受信を行う(ステップS1208)。FAX/無音検出部81は、ファクシミリ信号の送受信が行われると、無音状態の監視を行う。ここで、FAX電話機2aで行われていたファクシミリ通信が終了して、無音状態になったとする。無音状態でG3モードに対応した無音検出判定時間が経過した場合、FAX/無音検出部81は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS1209)。FAX/音声判定部66は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS1210)。
その後、FAX電話機2aでは、音声信号の送受信が行われる(ステップS1211)。音声信号の送受信が終了すると、呼の切断が行われる(ステップS1212)。
図13に、FAX電話機2aでスーパーG3モードでのファクシミリ通信が行われ、ファクシミリ通信の終了後に、通話状態のまま、音声通信が開始される場合の通信装置1aの動作を示す。
まず、FAX電話機2aから呼を接続するための信号、例えば、発呼信号、ダイヤル信号又は呼出音等が送信されて、呼の接続が行われる(ステップS1301)。呼の接続が行われると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62、パケット処理部63及びゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を開始する。信号処理部61は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、エコーの除去を行う。ゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理を行う場合は、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う。
一方、FAX/無音検出部81は、呼の接続を検出すると(ステップS1302)、呼の接続を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS1303)。FAX/音声判定部66は、呼の接続を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定する(ステップS1304)。
呼が接続された後で、FAX電話機2aでファクシミリ信号の受信が開始されて、ANSam信号が送信されたとする(ステップS1305)。FAX/無音検出部81は、ANSam信号を検出すると、暫定的にファクシミリ通信がスーパーG3モードであると判定して、無音検出判定時間をスーパーG3モードに対応した値に設定する。但し、この時点では、対向側のFAX電話機2bがG3対応機であるかスーパーG3対応機であるかは判らないため、ファクシミリ通信がG3モードで行われるかスーパーG3モードで行われるかは確定していない。無音検出判定時間を設定した後で、FAX/無音検出部81は、ANSam信号を検出したことを、FAX/音声判定部66及びタイマ82に通知する(ステップS1306〜S1307)。FAX/音声判定部66は、ANSam信号を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS1308)。タイマ82は、ANSam信号を検出したことの通知を受信すると、その時刻を記録する。
FAX電話機2aは、ANSam信号を送信した後で、ファクシミリ信号の受信を行う(ステップS1309)。FAX/無音検出部81は、ファクシミリ信号の送受信が行われると、無音状態の監視を行う。ここで、FAX電話機2aで行われていたファクシミリ通信が終了して、無音状態になったとする。無音状態でスーパーG3モードに対応した無音検出判定時間が経過した場合、FAX/無音検出部81は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知をタイマ82に送信する(ステップS1310)。タイマ82は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知を受けると、その時刻を記録する。そして、タイマ82は、記録した時刻の差分ΔTM、すなわち、FAX/無音検出部81がANSam信号を検出した時刻と無音状態で無音検出判定時間が経過したことを検出した時刻の差分を算出する。タイマ82は、差分ΔTMを算出すると、差分ΔTMをFAX信号判定部83に送信する(ステップS1311)。
FAX信号判定部83は、差分ΔTMを受信すると、差分ΔTMに基づいて、ファクシミリ通信がG3モードで行われているかスーパーG3モードで行われているかの判定を行う。ファクシミリ通信がG3モードで行われた場合は、ANSam信号が検出されてから無音状態が検出されるまでの時間が、スーパーG3モードでの通信の場合よりも短い。それ故、FAX信号判定部83は、差分ΔTMが、所定のFAX信号判定閾値よりも小さい場合は、ファクシミリ通信がG3モードであると判定する。また、差分ΔTMが、所定のFAX信号判定閾値以上である場合は、ファクシミリ通信がスーパーG3モードであると判定する。ここでは、差分ΔTMが、所定のFAX信号判定閾値以上であり、ファクシミリ通信がスーパーG3モードであると判定されたとする。FAX信号判定部83は、ファクシミリ通信がスーパーG3モードであると判定すると、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS1312)。
FAX/音声判定部66は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS1313)。その後、FAX電話機2aでは、音声信号の送受信が行われる(ステップS1314)。音声信号の送受信が終了すると、呼の切断が行われる(ステップS1315)。
図14に、FAX電話機2aでANSam信号を送信した後にG3モードでファクシミリ通信が行われ、ファクシミリ通信の終了後に、通話状態のまま、音声通信が開始される場合の通信装置1aの動作を示す。
まず、FAX電話機2aから呼を接続するための信号、例えば、発呼信号、ダイヤル信号又は呼出音等が送信されて、呼の接続が行われる(ステップS1401)。呼の接続が行われると、信号処理部61、エコーキャンセラ部62、パケット処理部63及びゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を開始する。信号処理部61は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、音声信号の送受信に最適となるようにレベルダイヤの設定等を行う。エコーキャンセラ部62は、音声信号・IPパケット間変換処理の動作を行う場合は、エコーの除去を行う。ゆらぎ吸収部64は、音声信号・IPパケット間変換処理を行う場合は、IPパケットの蓄積及び一定間隔での送信を行う。
一方、FAX/無音検出部81は、呼の接続を検出すると(ステップS1402)、呼の接続を検出したことを、FAX/音声判定部66に通知する(ステップS1403)。FAX/音声判定部66は、呼の接続を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定する(ステップS1404)。
呼が接続された後で、FAX電話機2aでファクシミリ信号の受信が開始されて、ANSam信号が送信されたとする(ステップS1405)。FAX/無音検出部81は、ANSam信号を検出すると、暫定的にファクシミリ通信がスーパーG3モードであると判定して、無音検出判定時間をスーパーG3モードに対応した値に設定する。但し、この時点では、対向側のFAX電話機2bがG3対応機であるかスーパーG3対応機であるかは判らないため、ファクシミリ通信がG3モードで行われるかスーパーG3モードで行われるかは確定していない。無音検出判定時間を設定した後で、FAX/無音検出部81は、ANSam信号を検出したことを、FAX/音声判定部66及びタイマ82に通知する(ステップS1406〜S1407)。FAX/音声判定部66は、ANSam信号を検出したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号がファクシミリ信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS1408)。タイマ82は、ANSam信号を検出したことの通知を受信すると、その時刻を記録する。
FAX電話機2aは、ANSam信号を送信した後で、ファクシミリ信号の受信を行う(ステップS1409)。FAX/無音検出部81は、ファクシミリ信号の送受信が行われると、無音状態の監視を行う。ここで、無音状態でスーパーG3モードに対応した無音検出判定時間が経過したとする。無音状態でスーパーG3モードに対応した無音検出判定時間が経過した場合、FAX/無音検出部81は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知をタイマ82に送信する(ステップS1410)。タイマ82は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知を受けると、その時刻を記録する。そして、タイマ82は、記録した時刻の差分ΔTMを算出する。タイマ82は、差分ΔTMを算出すると、差分ΔTMをFAX信号判定部83に送信する(ステップS1411)。
FAX信号判定部83は、差分ΔTMを受信すると、差分ΔTMに基づいて、ファクシミリ通信がG3モードで行われているかスーパーG3モードで行われているかの判定を行う。ここでは、差分ΔTMが、所定のFAX信号判定閾値より小さい値であり、ファクシミリ通信がG3モードで行われていると判定されたとする。FAX信号判定部83は、ファクシミリ通信がG3モードであると判定すると、無音検出判定時間をG3モードに対応した値に変更するように時間変更指示を、FAX/無音検出部81に送信する(ステップS1412)。
FAX/無音検出部81は、時間変更指示を受信すると、無音検出判定時間をG3モードに対応した値に変更する。そして、FAX/無音検出部81は、無音状態の監視を継続して行う。ここで、FAX電話機2aで行われていたファクシミリ通信が終了して、無音状態になったとする。無音状態でG3モードに対応した無音検出判定時間が経過した場合、FAX/無音検出部81は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知をFAX/音声判定部66に送信する(ステップS1413)。
FAX/音声判定部66は、無音状態で無音検出判定時間が経過したことの通知を受信すると、FAX電話機2aで送受信されている信号が音声信号であると判定して、判定結果を制御部67に通知する(ステップS1414)。その後、FAX電話機2aでは、音声信号の送受信が行われる(ステップS1415)。音声信号の送受信が終了すると、呼の切断が行われる(ステップS1416)。
尚、FAX信号判定閾値の値を決定する方法としては、複数の種類のスーパーG3モードのFAX電話機と、G3モードのFAX電話機を組み合わせて、ANSam信号が検出されてから無音状態が検出されるまでの時間を測定して、その測定結果から最適な値を決定する方法等を用いることが出来る。
このように、第3の実施例の通信装置によれば、ファクシミリ通信から音声通信に切り替わる際の一定時間の無音状態を検出することにより、ファクシミリ通信が終了して音声通信に切り替わったと判定している。それ故、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ファクシミリ通信が終了したことを判定することが出来る。ファクシミリ通信の終了を正しく判定することが出来るため、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ゆらぎ吸収やエコーキャンセラなどの動作を開始することが出来、音声の品質を向上させることが出来る。
また、第3の実施例の通信装置は、ANSam信号が検出されてから無音状態が検出されるまでの時間に基づいて、ファクシミリ通信がG3モードで行われているかスーパーG3モードで行われているかの判定を行っている。それ故、ファクシミリ通信がG3モードであるかスーパーG3モードであるかを正しく判定することが出来る。
例えば、送信側のFAX電話機がG3モード対応機種であり、受信側のFAX電話機がスーパーG3モード対応機種であるとする。この場合、実際に送信されるファクシミリ信号はG3モードであるが、ファクシミリ通信の開始時には、受信側のFAX電話機はANSam信号を送信する。それ故、単に受信側の端末装置が送信する信号に基づいて、ファクシミリ信号がG3モードであるかスーパーG3モードであるかの判定を行う場合、ファクシミリ信号がスーパーG3モードであると誤って判定される。誤ってスーパーG3モードであると判定されると、無音検出判定時間もスーパーG3モードに対応した値に設定される。しかし、送信側のFAX電話機がG3モードなので実際に送信されるファクシミリ信号は、G3モードである。それ故、ファクシミリ通信の途中で、無音状態を検出して、ファクシミリ通信が終了したと判定してしまう。ファクシミリ通信が終了したと判定すると、ゆらぎ吸収やエコーキャンセラなどの動作が開始されるので、ファクシミリ通信が失敗してしまう場合が生じる。
このとき、回線のS/N比と帯域に基づいて、ファクシミリ通信がG3モードであるかスーパーG3モードであるかの判定する方法では、新たに専用の検出回路を用意する必要があり、回路構成や処理量が大きくなってしまう。
本発明の第3の実施例の通信装置では、ANSam信号が検出されてから無音状態が検出されるまでの時間に基づいて、ファクシミリ通信がG3モードであるかスーパーG3モードであるかの判定を行っている。それ故、ファクシミリ通信の終了を正しく判定することが出来る。
上記説明したように、本発明の通信装置によれば、端末装置において送受信されている信号がファクシミリ信号であるか音声信号であるかを判定して、ファクシミリ信号・IPパケット間変換処理及び音声信号・IPパケット間変換処理のいずれか一方の変換処理を行っている。それ故、ファクシミリ通信の終了を正しく判定することが出来、ファクシミリ通信の終了後に通話状態を維持したまま音声通信に切り替わった場合でも、ゆらぎ吸収やエコーキャンセラなどの動作を開始して音声の品質を向上させることが出来る。