JP4612086B2 - ワークの計測基準点設定機能を有する工作機械 - Google Patents
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Description
ワークの計測基準位置をワークの取り付けられる回転軸の中心とする。そのために、最初に、芯出し球をワークが取り付けられる回転軸の面盤に載置する。そして、変位検出器を用いて芯出し球の中心を回転軸の中心に合わせた後、機上計測装置のプローブを用いて芯出し球の頂点出しを行い、回転軸の中心座標を確定する。次に、芯出し球を取り外し、ワークを取り付ける。ワークまたはワークの治具の中心座標を、変位検出器を用いて回転軸の中心に合わせて、求めておいた回転軸の中心座標をワーク、またはワークの治具の基準位置とするという方法が知られている。
前記インタフェースは、前記正弦波アナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記A/D変換装置から出力されるデジタル信号を前記正弦波アナログ信号の1周期分を分割したデジタル信号で出力する内挿分割装置を備えていることを特徴とする請求項2に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
まず、本発明の実施形態で用いられる機上計測機を説明する。図1は、本発明の実施形態で用いられる機上計測装置1の要部断面を示している。この機上計測装置1は、可動部であるプローブ本体1bをケース1aに内蔵して備えている。プローブ本体1bは図示省略した軸受により支持されプローブ本体1bの中心軸方向に移動可能である。軸受としては空気軸受などの流体軸受が用いられる。
プローブ本体1bにはリニアスケール1dが取り付けられている。レーザヘッド1cからレーザ光をリニアスケール1dに照射し、リニアスケール1dからの反射光を図示省略した受光素子により受光し、プローブ本体1bの軸方向の移動変位を検出する。
なお、ここでは、鉛直方向の下向き方向は、紙面に垂直な方向であって紙面の表側から裏側へ向かう方向とし、プローブPrの運動に重力の影響がないとする。また、接触圧Tは変動しない一定の力であるとする。
●位置P2までがワークWの端面ぎりぎりまでの計測になる。通常、プローブPrの球型測定子1fは加工面(計測面)に倣って移動するため、位置P2までのプローブPrのプローブ軸方向の速度は0(ゼロ)に近く、微小な速度変化は粗加工された加工面、又は補正加工前の加工面においての形状誤差およびプローブPrが移動する経路RRとワークWの加工面の実際の形状のずれによるものである。
●位置P2から位置P3までは、プローブPrの中心軸はワーク端面から離れているが、球型測定子1fが球型であるため、まだ球型測定子1fとワークWとの接触が有る場合である。この区間は想定している加工面(測定面)ではないので、形状に沿って動くことができず、速度変化が大きくなる。ただし、この部分の測定面は加工面ではない部分であるため、速度変化は不規則である。
図4では、図4(c)に示されるようにプローブの軸方向移動速度がVbの時に端面検出としている。
速度制御部92は、この速度指令から速度フィードバック量(速度FB)を差し引いて得た速度偏差量に基づいて、速度制御部92で速度ループ制御を行い、電流指令を電流制御部93に出力する。
まず、X軸、Y軸、Z軸を移動させてワークWの加工面Waのアプローチ位置AP’(図9(e)参照)にプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させる。そしてアプローチ位置AP’から球型測定子1fが図9(d)に示されるように垂直方向(Y軸方向)にY軸を駆動し移動させる。ここでは最初に上側に向かって球型測定子1fは加工面Waを倣いながら加工面Waに対して垂直方向に相対的に移動し、球型測定子1fが加工面Waから完全に離れると、前述したようにプローブPrは、プローブPrの軸方向に接触圧Tは加速度運動を開始する。そして、プローブPrがあらかじめ設定された軸方向速度に到達した時点の座標を一方の検知座標(Y座標)として記憶する。
図9(b)〜(e)に示されるように、本発明のワークの端面検出方法は、プローブPrをワークWから相対的に離していく方向の動作であるから、プローブPrとワークWの衝突の危険がなくなり、高価な機上計測装置1やワークWの破損を防止できる。
工作機械に、機械の座標系の軸とワークWの対称線が平行となるようにワークWを取り付け、機上計測装置1のプローブPrの中心軸がワークWの加工面に対して垂直となるように配置し、かつ、実行する加工プログラムを数値制御装置8に入力した後、ワークWの基準位置設定指令を図示省略した手動入力装置などを用いて数値制御装置に入力すると、数値制御装置8の数値制御部8a(図7参照)のプロセッサは、図11に示す処理を開始する。
●[ステップS2]ステップS1で求めた水平方向の第1のアプローチ線の一方のアプローチ位置にプローブPrを移動させ、球形測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS4]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS5]ステップS4で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、X軸のモータ95xの駆動を停止し、X軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS7]プローブPrをワークWと接触しないように退避させ、ステップS1で求めた水平方向の他方の測定アプローチ位置でプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS8]ワークWの他端面に向かってプローブPrを水平方向に移動させる。すなわち、X軸のモータ95xを駆動し、X軸のテーブルを移動(ステップS3でのX軸のテーブルの移動と反対方向)させてプローブPrの球型測定子1fをワークWの加工面Waを倣いながらワークWの他端に向かって相対的に移動させる。なお、プローブPrを相対的に移動させる速度は一方方向の移動とその反対方向の移動とで同一である。
●[ステップS10]ステップS9で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、X軸のモータ95xの駆動を停止し、X軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS11]ステップS9で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された時の移動軸の座標、すなわち、X座標を検知座標としてレジスタR2に記憶する。
●[ステップS13]ワークWの一端面に向かってプローブPrを垂直方向に移動させる。すなわち、Y軸のモータ95yを駆動し、X軸のテーブルを移動させてプローブPrの球型測定子1fをワークWの加工面Waを倣いながらワークWの一端に向かって相対的に移動させる。
●[ステップS14]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS16]ステップS14で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された時の移動軸の座標、すなわち、Y座標を検知座標としてレジスタR3に記憶する。
●[ステップS17]プローブPrをワークWと接触しないように退避させ、ステップS1で求めた垂直方向の第2のアプローチ線の他方の測定アプローチ位置でプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS19]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS20]ステップS19で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、Y軸のモータ95yの駆動を停止し、X軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS22]レジスタR1〜レジスタR4に記憶された検知座標よりワーク中心座標を求め、ワークWの計測基準点として設定する。詳述すると、レジスタR1とレジスタR2に記憶される検知座標のX座標を加算し2で割ることによって、2つのX座標の中間座標を求める。また、レジスタR3とレジスタR4に記憶される検知座標のY座標を加算し、2つのY座標の中間座標を求める。
1b プローブ本体
1e スタイラス
1f 球型測定子
W ワーク
Wa 加工面
AP アプローチ位置
RE 右端面位置
LE 左端面位置
Claims (6)
- ワークの加工面が直交する2つの線に対して線対称なワークの形状測定および形状解析のための機上計測装置を備え、前記機上計測装置からの位置検出信号が入力される数値制御装置で制御される複数の可動軸を有する工作機械において、
前記機上計測装置は、
機上計測装置内部に流体軸受により支持される接触式プローブと、該接触式プローブの軸方向の移動変位を検出し位置検出信号を出力する位置検出手段とを備え、
前記工作機械は、前記工作機械の各可動軸の位置を検出し軸位置検出信号を出力する可動軸位置検出手段を備え、
前記数値制御装置は、
前記2つの線が機械座標系の軸と平行になるように配置された前記ワークの前記加工面に前記接触式プローブの測定子を一定の接触圧で接触させた状態で前記ワークの端面から前記接触式プローブの測定子が完全に離れるまで前記2つの線とそれぞれ平行な方向であって、ワークの加工面内からそれぞれの端面に向かって前記接触式プローブを移動するように前記可動軸を駆動する可動軸駆動制御手段と、
前記位置検出手段から出力される位置検出信号に基づいて該接触式プローブの軸方向の移動速度を算出するプローブ移動速度算出手段と、
前記プローブ移動速度算出手段により算出された前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したか否か判断する判断手段と、
前記判断手段により前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したと判断された時の
前記各可動軸位置検出手段により検出された各可動軸の位置データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各可動軸の位置から前記ワークの中心座標を算出しワークの計測基準点として設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とするワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。 - 前記工作機械の各可動軸の位置を検出する可動軸位置検出手段からの軸位置検出信号はモータを駆動するモータ駆動装置が有するインタフェースを介して前記数値制御装置に入力し、前記機上計測装置の前記位置検出手段からの位置検出信号はモータが接続されていないモータ駆動装置が有するインタフェースを介して前記数値制御装置に入力することを特徴とする請求項1に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
- 前記可動軸位置検出手段と前記機上計測装置の前記位置検出手段から出力される位置検出信号は、それぞれ位相が略90度異なる2相の正弦波アナログ信号で構成され、
前記インタフェースは、前記正弦波アナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記A/D変換装置から出力されるデジタル信号を前記正弦波アナログ信号の1周期分を分割したデジタル信号で出力する内挿分割装置を備えていることを特徴とする請求項2に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。 - 前記可動軸位置検出手段または前記機上計測装置に備えられる前記位置検出手段は、リニアスケール、パルスコーダ、またはレーザ干渉計のうちのいずれかの検出装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
- 前記記憶手段は、前記判断手段により前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したと判断された時の前記各可動軸位置検出手段により検出された各可動軸の位置データを自動的に記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
- 前記設定手段は、前記加工面の水平方向の左右両端において前記記憶手段に記憶された前記可動軸の位置データの差を求め、この差の半分の値を小さい方の座標に加算した座標をワークの水平方向の中心座標とし、前記加工面の垂直方向の上下両端において前記記憶手段に記憶された前記可動軸の位置データの差を求め、この差の半分の値を小さい方の座標に加算した座標をワークの垂直方向の中心座標として、前記ワークの中心座標を求め、ワークの計測基準点として設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
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