JP4612086B2 - ワークの計測基準点設定機能を有する工作機械 - Google Patents

ワークの計測基準点設定機能を有する工作機械 Download PDF

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本発明は、工作機械上に被加工物(ワーク)の形状測定および形状解析のために機上計測装置を備えた工作機械に関し、特に、ワークの形状計測のための基準位置設定機能を備えた工作機械に関する。
超精密加工において、ナノ単位の形状精度を実現するためには、加工を終了したワークを工作機械から取り外すことなく、工作機械上で加工形状を計測(機上計測)し、計測結果に基づいて補正加工を行うことが必要不可欠である。
そのような機上計測では、工具の刃先と機上計測装置に備えたプローブのスタイラス先端の位置関係を確立することにより、正確な補正加工が可能となる。そのために、ワークを加工するときの座標と、機上計測するときの計測座標の関係が確立していなければならない。このワークを加工するときの座標と、機上計測するときの計測座標の関係が確立していなければならない。このワークを加工するときの座標と、機上計測するときの計測座標の関係をとるためにワークの計測基準位置を設定する必要がある。
ワークの計測基準位置の設定方法として、従来、次のような方法が知られている。
ワークの計測基準位置をワークの取り付けられる回転軸の中心とする。そのために、最初に、芯出し球をワークが取り付けられる回転軸の面盤に載置する。そして、変位検出器を用いて芯出し球の中心を回転軸の中心に合わせた後、機上計測装置のプローブを用いて芯出し球の頂点出しを行い、回転軸の中心座標を確定する。次に、芯出し球を取り外し、ワークを取り付ける。ワークまたはワークの治具の中心座標を、変位検出器を用いて回転軸の中心に合わせて、求めておいた回転軸の中心座標をワーク、またはワークの治具の基準位置とするという方法が知られている。
また、特許文献1には、ワークの中心をワークが取り付けられる回転軸にあわせることなく、軸対称形状に必ず存在する頂点を十字機上計測により確定し、ワークの中心になると推定される前記頂点を計測基準点とする技術が開示されている。この技術では、対象となるワークの形状が軸対称形状のみに限定される。また、本加工前の荒加工されたワークの形状を機上計測するので、計測により求めた頂点がワークの中心とは言い難い。そのため、ワークの中心と機上計測により求めた頂点との不一致の問題に対処するために、ワークに加工面以外に余分なスペースを設け、中心が不一致であっても余分なスペースを加工している。
また、特許文献2には、ワークの端面座標を推定することによりワークの中心座標を求める技術が開示されている。この技術は、接触式プローブによるワークの形状測定において、ワークの端面でのプローブの変位の急激な変化を検知し測定原点を求めるものである。
また、特許文献3には、接触検知によるワークの基準位置設定機能を有する工作機械の技術が開示されている。この技術は、可動軸が流体軸受により支持された工作機械に、加工面が直交する2つの線に対して線対称なワークを、機械座標系の軸と前記2つの線が平行となるように配置し、前記2つの線と平行な第1の線に沿ってワークの両側からプローブのスタイラス先端の測定球を接触させ、接触によって増大する位置偏差を測定し、前記測定球とワークとの接触を検出するものである。
また、特許文献4には、加工原点設定方法及びその方法を実施するための工作機械の技術が開示されている。この技術は、コストをかけずに回転工具と被切削材の加工原点を容易かつ正確に設定するため技術であり、主軸に回転工具を回転させない程度の負荷トルクを印加し、主軸に負荷トルクが印加された状態で、切れ刃先端が外面から離れる方向に動くように、主軸またはワークテーブルの一方をジョグ送りし、主軸の回転が検知されたときの座標を加工原点として設定するものである。
特開2006−21277号公報 特開2000−298014号公報 特開2008−200798号公報 特開2008−62351号公報
背景技術で説明した従来技術である芯出し球をワークが取り付けられる回転軸面盤に載置してワークの基準位置を設定する方法は、基準位置設定までの手順が複雑で、設定する作業の時間がかかってしまう。また、芯出し球を外して、ワークを取り付ける際に誤差が生じることは避けられない。さらに、ワークが円筒形状ではない限り、ワークの円筒形状治具の中心とワークの中心を一致させることは困難である。また、オペレータの熟練度によってはかなりの設定誤差が生じる可能性があり問題である。
また、最近では、ワークの全面を加工する超精密加工に加えて、ワーク自体の形状および寸法が精密に仕上げられて提供され、そのようなワークの中の加工面の位置決めを高精度に行うことが求められるようになっている。しかし、特許文献1に開示される技術では、このような最近のワークの全面加工やワークの形状や寸法の高精度化の課題には対応できない。
また、特許文献2に開示される技術では、接触式プローブの接触子は球形で、ワーク端面のエッジを正確に検出できないため、測定データを処理することによりワークの端面のエッジを推定している。よって、測定データのサンプリング数が少ないと正確な推定ができない。測定装置の振動、被測定物端面または球型接触子表面の傷やゴミの付着などでワーク端面形状データと実際の端面形状と異なる可能性がある。
また、特許文献3に開示される技術では、位置偏差の増大を数値制御装置の中の制御プログラムによって行っている。位置偏差の値の設定と移動軸の選択、移動軸の送り速度等は加工作業の段取りによってその都度変更する必要があり、そのため数値制御装置にそれらを設定しなおさなければならない。この設定しなおし作業において、設定誤り(特に、符号など)があると正確な検出が行われない。最悪の事態では、プローブあるいは可動軸が移動をし続けプローブとワークとが強い力で衝突し、プローブおよびワークが損傷する恐れがある。また、この技術では、微小な位置偏差の変動を計測するために、工作機械の駆動軸は流体軸受による摩擦なしの機構であることが前提である。そして、流体軸受であっても、ねじ式のものだと、接触誤検知によって、流体軸受が噛んでしまう危険性があるので、リニア式に限定する必要がある。
また、特許文献4に開示される技術では、検知する面はワークの片側の面であり、その反対側の面は治具などに取り付けられている。この治具などに取り付けられている面を検知しようとすると、主軸あるいはワークを180度回転させなければならないが、工作機械においてそのような姿勢にするのは非常に困難であるし、主軸を180度回転させても、スピンドルの正確な位置決めがなされていない限り、検知する両座標との線分が移動軸と水平に保つことは非常に困難である。そのため、ワークの中心を正確に特定することはできない。
そこで本発明の目的は、従来技術の課題を解決しワークの中心位置を機上計測装置の計測基準位置として設定することができる計測基準点設定機能を有する工作機械を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、ワークの加工面が直交する2つの線に対して線対称なワークの形状測定および形状解析のための機上計測装置を備え、前記機上計測装置からの位置検出信号が入力される数値制御装置で制御される複数の可動軸を有する工作機械において、前記機上計測装置は、機上計測装置内部に流体軸受により支持される接触式プローブと、該接触式プローブの軸方向の移動変位を検出し位置検出信号を出力する位置検出手段とを備え、前記工作機械は、前記工作機械の各可動軸の位置を検出する可動軸位置検出手段を備え、前記数値制御装置は、前記2つの線が機械座標系の軸と平行になるように配置された前記ワークの前記加工面に前記接触式プローブの測定子を一定の接触圧で接触させた状態で前記ワークの端面から前記接触式プローブの測定子が完全に離れるまで前記2つの線とそれぞれ平行な方向であって、ワークの加工面内からそれぞれの端面に向かって前記接触式プローブを移動するように前記可動軸を駆動する可動軸駆動制御手段と、前記位置検出手段から出力される位置検出信号に基づいて該接触式プローブの軸方向の移動速度を算出するプローブ移動速度算出手段と、前記プローブ移動速度算出手段により算出された前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したか否か判断する判断手段と、前記判断手段により前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したと判断された時の前記各可動軸位置検出手段により検出された各可動軸の位置データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された各可動軸の位置から前記ワークの中心座標を算出しワークの計測基準点として設定する設定手段と、を備えたことを特徴とするワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
請求項2に係る発明は、前記工作機械の各可動軸の位置を検出する可動軸位置検出手段からの位置検出信号はモータを駆動するモータ駆動装置が有するインタフェースを介して前記数値制御装置に入力し、前記機上計測装置からの位置検出信号はモータが接続されていないモータ駆動装置が有するインタフェースを介して前記数値制御装置に入力することを特徴とする請求項1に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
請求項3に係る発明は、前記可動軸位置検出手段および前記接触式プローブ位置検出手段から出力される信号は、位相が略90度異なる2相の正弦波アナログ信号で構成され、
前記インタフェースは、前記正弦波アナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記A/D変換装置から出力されるデジタル信号を前記正弦波アナログ信号の1周期分を分割したデジタル信号で出力する内挿分割装置を備えていることを特徴とする請求項2に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
請求項4に係る発明は、前記位置検出装置または前記機上計測装置に備えられる位置検出装置は、リニアスケール、パルスコーダ、またはレーザ干渉計のうちのいずれかの検出装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
請求項5に係る発明は、前記記憶手段は、前記判断手段により前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したと判断された時の前記各可動軸位置検出手段により検出された各可動軸の位置データを自動的に記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
請求項6に係る発明は、前記設定手段は、前記加工面の水平方向の左右両端において前記記憶手段に記憶された前記可動軸の位置データの差を求め、この差の半分の値を小さい方の座標に加算した座標をワークの水平方向の中心座標とし、前記加工面の垂直方向の上限両端において前記記憶手段に記憶された前記可動軸の位置データの差を求め、この差の半分の値を小さい方の座標に加算した座標をワークの垂直方向の中心座標として、前記ワークの中心座標を求め、ワークの計測基準点として設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械である。
本発明により、接触式プローブが流体軸受される構成の機上計測装置を用いてワークの計測基準点を設定できる計測基準点設定機能を有する工作機械を提供できる。
以下、図面を用いながら本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明の実施形態で用いられる機上計測機を説明する。図1は、本発明の実施形態で用いられる機上計測装置1の要部断面を示している。この機上計測装置1は、可動部であるプローブ本体1bをケース1aに内蔵して備えている。プローブ本体1bは図示省略した軸受により支持されプローブ本体1bの中心軸方向に移動可能である。軸受としては空気軸受などの流体軸受が用いられる。
プローブ本体1bにはリニアスケール1dが取り付けられている。レーザヘッド1cからレーザ光をリニアスケール1dに照射し、リニアスケール1dからの反射光を図示省略した受光素子により受光し、プローブ本体1bの軸方向の移動変位を検出する。
プローブ本体1bの一端には、球型測定子1fを備えたスタイラス1eが取り付けられている。スタイラス1eは細い棒状の部材である。そして、スタイラス1eの一端はプローブ本体1bに固定され、他端には球型測定子1fが取り付けられている。なお、説明をし易くするためにこれ以降、プローブ本体1b、スタイラス1e、および球型測定子1fを一まとめにしてプローブPrと称する。
プローブPrの球型測定子1fは、ワークWの加工面Waを接触圧Tで押圧して接触し、加工面Waを倣いながら形状計測を行う。接触圧Tは、機上計測装置1に内蔵される磁石、バネなどの弾性体、あるいは流体圧力などの付勢手段(図示省略)を用いて適宜な大きさの接触圧に調整可能である。プローブPrは、図1に示されるプローブ移動方向の矢印方向に移動変位可能である。また、プローブPrの移動変位可能な範囲は図示省略した機上計測装置1内の規制手段により規制されている。このため、プローブPrの球型計測子1fがワークWの加工面Waから離れても、プローブPrのプローブ本体1bが機上計測装置1から飛び出してしまう恐れはない。
図2は、本発明においてプローブPrの球型測定子1fが、ワークWの加工面Waに接触した状態でワークWの加工面Waの両端に向けて相対的に移動し、ワークWから離れることを示している(経路RRと経路RL)。ここで、ワークWの加工面Waは粗加工された加工面、又は補正加工前の加工面とする。符号APは、ワークWの端面の位置を検出するために、プローブPrをワークWの加工面Waへ接触する位置である(以降、「アプローチ位置AP」という)。図2に示されるプローブPrのワークWの加工面Waに対する動作は、本発明におけるプローブPrの原理的な動作である。
まず、ワークWの加工面Waのアプローチ位置APから紙面右側へ向かってプローブPrを相対的に移動し(経路RR)、ワークWの右端面位置REから離れた後、再度ワークWの前記アプローチ位置APに戻り、ワークWの加工面のアプローチ位置APから紙面左側へ向かってプローブPrを相対的に移動させ(経路RL)、ワークWの左端面位置LEから離れるまで移動させる。このようにプローブPrをワークWの加工面Waに対して相対移動させることによりワークWの両端面の位置を検出する。
次に、図3を用いて、図2で説明したワークWの端面の位置を検出する本発明の原理をより詳細に説明する。まず、図3中の記号を説明する。Tは、プローブPrの球型測定子1fがワークWの加工面Waを押圧する力である接触圧である。V0は、プローブPrがワークWの加工面Waから離れる時のプローブPrの軸方向の初速度である。Vは、プローブPrがワークWの加工面Waから離れた後のプローブPrの軸方向の移動速度である。Mは、プローブPrの質量である。αは、プローブPrがワークWの加工面Waから離れた後のプローブPrの軸方向の加速度である。tは、プローブPrの球型測定子1fがワークWの加工面Waの端面から離脱した時点からの経過時間である。vは、プローブPrのワークWの加工面Waに沿った送り速度を表す。
機上計測装置1に備えられたプローブPrのプローブ本体1bは、空気軸受などの流体軸受により支持されている。そして、ワークWの加工面Waを接触圧Tで球型測定子1fにより押圧しながら倣う。接触圧Tは前述した磁力などの付勢手段からプローブ本体1bに対して働く外力である。
なお、ここでは、鉛直方向の下向き方向は、紙面に垂直な方向であって紙面の表側から裏側へ向かう方向とし、プローブPrの運動に重力の影響がないとする。また、接触圧Tは変動しない一定の力であるとする。
状態Aでは、球型測定子1fはワークWの加工面上を倣っている状態であるので、球型測定子1fはワークWの加工面から接触圧Tの抗力−Tを受けている。また、ワークWの加工面がプローブPrの軸に垂直な平面である場合、プローブ本体1bの軸方向の移動速度はほぼ0である。
そして、状態Bでは、プローブPrの球型測定子1fはワークWの加工面から完全に離れており、球型測定子1fはワークWの加工面Waから接触圧Tの抗力−Tを受けない。従って、プローブPrは、接触圧Tに等しい外力(大きさT)で等加速度運動する。ここで、プローブPrの質量をM、プローブPrの加速度運動の加速度をαで表すと、プローブPrの運動方程式は、T=M*αで表すことができる。そしてプローブPrは、プローブ本体1bの可動範囲まで運動することができる。なお、機上計測装置1では、付勢手段からプローブPrに作用する力は、プローブPrの球型測定子1fがワークWの加工面Waから離れても瞬間的にゼロになるわけではない。
してみると、プローブPrの送り速度が同一であり、球型測定子1fがワークWの加工面の端面から離れる時の接触圧Tが同一であり、また、球型測定子1fがワークWの加工面の端面から離れる時のプローブPrの軸方向の初速度が同じであれば、球型測定子1fがワークWの加工面から離れた後のプローブPrの速度変化はワークWの加工面Waのどの端面の位置でも同じになり、また、プローブPrの運動の軌跡はワークWの加工面Waのどの端面の位置でも同じ軌跡になる。
次に、図4を用いてプローブPrの運動の軌跡と速度の変化について説明する。図4では、プローブPrの球型測定子1fのみを示してプローブPrの運動の軌跡を説明する。図4は、プローブPrの球型測定子1fがワークWの加工面Wa(計測面)から離れる際の様子を詳細に説明している。なお、図3を参照しながら図4を見ると理解し易い。
●位置P1では、プローブPrはワークWの端面位置に在るが、球型測定子1fが球型であるため、この時点では球型測定子1fが端面から離れない場合が多い。
●位置P2までがワークWの端面ぎりぎりまでの計測になる。通常、プローブPrの球型測定子1fは加工面(計測面)に倣って移動するため、位置P2までのプローブPrのプローブ軸方向の速度は0(ゼロ)に近く、微小な速度変化は粗加工された加工面、又は補正加工前の加工面においての形状誤差およびプローブPrが移動する経路RRとワークWの加工面の実際の形状のずれによるものである。
●位置P2から位置P3までは、プローブPrの中心軸はワーク端面から離れているが、球型測定子1fが球型であるため、まだ球型測定子1fとワークWとの接触が有る場合である。この区間は想定している加工面(測定面)ではないので、形状に沿って動くことができず、速度変化が大きくなる。ただし、この部分の測定面は加工面ではない部分であるため、速度変化は不規則である。
●位置P3は、球型測定子1fが完全にワークWから離れる場合である。この時点からワークの加工面Wa(計測面)との摩擦による影響や、ワーク表面からの抗力を受けることはない。プローブPrのプローブ本体1bは前述したように流体軸受により支持されているので、プローブ本体1bには摩擦力が働かない。したがって、この時点からはプローブPrの軸方向の速度は、接触圧T(押し出し力)に基づく線形的な速度変化になる(但し、接触力Tは一定とする)。離れる時の速度をVaで表す。プローブPrの軸方向の速度変化については、図3を用いて説明したとおりである。なお、プローブPrの傾きにより接触圧Tを調整する場合には、プローブPrの速度変化は重力加速度と傾き角度に依存する。
●位置P4は、検知のためにあらかじめ決めておいた速度Vbに達したときの座標である(以下、「検知座標」という)。プローブPrの姿勢、プローブPrの倣い方向の移動速度、接触圧Tが同じであると、ワークWの端面位置(位置P1)と検知座標(位置P4)との差はどの端面でも一定になるため、正確な端面位置を求めることができる。これを基にして、正確なワークWの中心位置が求められる。
図4では、図4(c)に示されるようにプローブの軸方向移動速度がVbの時に端面検出としている。
上述した説明では、接触圧Tは一定、重力の影響なしとして説明した。しかし、図2に示されるワークWの加工面にプローブPrに重力が作用する方向からプローブPrを接触させ、ワークWの右端面位置REと左端面位置LEを検出する場合、プローブPrに等しく重力の影響が及ぶことから、上述の重力の影響がないとした場合と同様にワークWの端面位置と検知座標の差はどの端面でも一定となる。また、右端面位置REと左端面位置LEの検出を行う際に、接触圧Tの時間による変動が同じである場合でもよく、接触圧Tも必ずしも一定であることに限定されない。つまり、ワークWのどの端面の位置でも同じ物理的条件がそろっていればよい。
次に、上述した測定原理を用いたワークの計測基準点設定機能を有する工作機械の本発明の実施形態を説明する。図5は、数値制御装置によって制御され、各軸が直動軸、または回転軸で駆動される工作機械の一例である。図5では、X軸、Y軸、Z軸の直動軸を有し、X軸上に回転軸であるB軸と、Y軸上に回転軸であるC軸を有し、5軸同時制御が可能な工作機械の要部が示されている。本発明では、機上計測装置の接触式プローブが離脱する方向によるワーク端面の検出を基本原理としていることから、本発明は、工作機械の可動軸は流体軸受に限定されず、種々の形式の可動軸に適用できる。
図6は、機上計測装置からの位置検出信号と工作機械の各駆動軸からの位置検出信号を数値制御装置に入力する工作機械の実施形態の概略構成図である。この実施形態では、数値制御装置8のサーボ制御部8bには、ワークWの表面形状を測定するB軸に取り付けられた機上計測装置1から、プローブ本体1bの移動変位に関する計測信号である位置検出信号ipfがインタフェース2(図8(b)参照)を介して入力する。工作機械の各可動軸に設けられた位置検出装置から出力される位置検出信号も図示を省略したインタフェースを介してサーボ制御部8bに簡単に同期しながら入力する。このインタフェースは、サーボモータ95に内蔵される位置検出装置96(図7参照)から出力される位置検出信号と機上計測装置1から出力される計測信号とが、数値制御装置8のサーボ制御部8bに同期して入力するように構成される。
本発明の実施形態において、機上計測装置1のプローブ本体1bの移動変位を検出する位置検出装置や工作機械の直動軸の位置を検出する位置検出装置は、例えば、リニアスケール、レーザ干渉計などの高精度の検出装置を用いるとよい。また、工作機械の回転軸の位置を検出する位置検出装置は、パルスコーダを用いるとよい。
また、数値制御装置8は、工作機械の各可動軸の位置情報と機上計測装置1からの計測情報(位置情報)を格納する記憶手段と、この記憶手段に格納された位置情報を外部の記憶装置のパソコンに11に送り出すインタフェースを備えている。プローブPrの軸方向移動速度は、数値制御装置8に格納される位置情報によって算出することができる。例えば、制御周期毎の位置情報の差分から速度を求めることができる。
工作機械の各可動軸からのフィードバック信号である位置検出信号と機上計測装置1からの位置検出信号とが同じ回路構成のインタフェース(図8を参照)を介して数値制御装置8のサーボ制御部8bに取得されることから、各軸の位置検出装置と機上計測装置とからの計測信号(つまり、各軸の軸位置検出信号と機上計測装置の位置検出信号)が、数値制御装置8に同期して入力される。そして、読み込まれた軸位置検出信号と位置検出信号は、位置情報として数値制御装置8のレジスタである記憶手段(図示省略)に数値制御装置の制御周期毎に記憶される。
本発明において、ワークWの端面の位置を検出し、検知座標として記憶する手段としては、プローブPrの軸方向の移動速度が所定以上になったら、可動軸の位置データを制御周期毎に書換えて記憶しているレジスタの書き換えを遮断する(ラダーの常閉接点)、あるいは、別の保存レジスタに転送する方法(DIFU、MOV)などのラダープログラムによって行える。DIFUは信号立ち上がり検出命令、MOVはデータ転送命令である。
また、数値制御装置8は、外部装置であるパソコン11に、イーサネット(登録商標)12経由でLAN通信を行ない、パソコン11に接続あるいは内蔵される記憶装置11aに、各軸からの位置情報と機上計測装置1からの計測信号とをパソコン11に送る。パソコン11は、サンプリング周期毎に各軸からの位置情報と機上計測装置1からの位置情報を記憶装置11aに同期して格納する。
パソコン11内には計測用ソフトウェアが格納されており、数値制御装置8を介して読み込まれた前記位置情報に基づき、被加工物の形状計測など所要の演算処理を実行する。この形状計測などの所要の演算処理は従来技術と同様である。また、パソコン11には、計測用NCプログラム、加工用NCプログラム、加工用補正NCプログラムが格納されている。
図7は、図6に示される工作機械において、工作機械の各可動軸と機上計測装置からの信号が数値制御装置により同時にフィードバック制御されることを説明する図である。図7は、図6に示される工作機械の可動軸X、Y、Z、B、Cが、数値制御装置8のサーボ制御部8bX、8bY、8bZ、8bB、8bCにより、位置・速度・電流のフィードバック制御されていることを示す図である。このフィードバック制御は、工作機械を制御する数値制御装置で通常行われている制御である。X軸サーボ制御部8bXを例として説明する。図6では、同様な機能を有する部分は同じ符号を付与して説明している。速度制御部92、電流ループ制御する電流制御部93から構成される。
位置制御部91はエラーレジスタ91aと位置ループゲインKの増幅器91bを有する。位置制御部91は数値制御部8aからの移動指令を受け取り、位置フィードバック量(位置FB)を差し引いて得た位置偏差量を処理して速度指令を速度制御部92に出力する。この位置偏差量は図7に示されるように、エラーレジスタ91aで算出される。エラーレジスタ91aで算出される位置偏差量は、数値制御部8aにも出力される。
速度制御部92は、この速度指令から速度フィードバック量(速度FB)を差し引いて得た速度偏差量に基づいて、速度制御部92で速度ループ制御を行い、電流指令を電流制御部93に出力する。
電流制御部は、この電流指令から、サーボモータ95を駆動するアンプ94に内蔵される、サーボモータ95を流れる電流を検出する電流センサ(図示省略)からの電流フィードバック(電流FB)を差し引いて得た電流偏差量に基づいて電流ループ制御を行う。サーボモータ95はX軸を駆動する駆動手段であり、サーボモータ95にはその位置・速度を検出する検出装置(以下、「位置検出装置」という)96が取り付けられている。位置検出装置96からの位置フェードバック量(位置FB)は位置制御部91にフィードバックされ、速度フィードバック量(速度FB)は速度制御部92にフィードバックされる。
以上がX軸サーボ制御部8bXの構成の説明であるが、他の可動軸サーボ制御部8bY、8bZ、8bB、8bCに関しても、X軸サーボ制御部8bXと同様の構成であることから、説明を省略する。なお、X軸、Y軸、およびZ軸は直動軸であり、B軸及びC軸は回転軸である。
そして、本実施形態では更に、工作機械の可動軸を駆動するモータおよびその位置・速度検出手段を接続しないサーボ制御部8bFを設ける。なお、符号8bFの「F」は、工作機械の可動軸を制御しないという意味での「自由」(free)を意味しており、工作機械のいずれかの可動軸を意味するものではない。
数値制御部8は、サーボ制御部8bFを単に制御軸が1つ増加したと認識する。そして、この増加したサーボ制御部8bFには、工作機械の可動軸を制御するほかのサーボ制御部8bX〜8bCと同様にアンプが接続されている。このサーボ制御部8bFにはサーボモータが接続されていないことから、数値制御装置8は、サーボ制御部8bFをサーボオフにしつつ、フォローアップ機能を用いて位置検出信号のカウントは通常通り行われるように、パラメータおよび制御ソフトが変更される。
そして、サーボ制御部8bFにはサーボモータの代わりに機上計測装置1が接続される。本実施形態では、サーボ制御部8bFには、サーボ制御部8bFに接続されるアンプが有するインタフェースを介して、サーボモータ95に内蔵される位置検出装置96からの位置検出信号に換えて、機上計測装置1からの計測信号ipfが入力する。前記インタフェースは、アンプに備えられるものであり従来技術と相違するものではない。
図8は、本発明の実施形態に用いられているインタフェースの一例を示すブロック図である。図8(a)に示されるように、アンプユニットには、モータ駆動手段であるアンプ94、A/D変換装置97と内挿分割装置98が設けられている。サーボモータ95に内蔵される位置検出装置96から出力される元信号(正弦波、余弦波)は、A/D変換装置97に入力する。
A/D変換装置97は、位置検出装置からのアナログ信号である元信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を内挿分割装置98に出力する。内挿分割装置98は、元信号1周期(正弦波1周期)分のデジタル信号を分割する処理を行う。通常のアナログ信号の分解能より、細かい分解能が要求される場合に行う処理として、元信号1周期分を細かく分割して、分割した周期を分解能とする。
図8(b)においても同様である。図8(b)は図6にインタフェース2の一例である。このように、機上計測装置1においてもサーボモータの駆動制御用のインタフェースを用いることで、容易に信号を同期して数値制御装置8に取り込むことが容易に行え、更に、機上計測装置1のための特別なインタフェースを用意する必要がなく、コストアップを避けることができる。なお、機上計測装置1から数値制御装置8への位置検出信号の入力は図8に示されるインタフェースに限定されるものではない。
図9は、本発明の実施形態において、ワークWが直方体でその加工面Waの中心座標を求めワークの基準位置として設定する場合の説明図である。ここでは、ワークWを図6に示されるように工作機械に取り付ける。この直方体のワークWは、図9(a)に示されるように、加工面Waは垂直面であり、加工面Waは垂直方向(Y軸方向)と水平方向(X軸方向)の2つの直交する直線に対して線対称の形状である。なお、加工面Waは平面に限定されず、例えば、XY平面に投影した加工面Waの図形が、直交する2つの線に対して線対称な形状であればよい。
このようなワークWの中心座標を検出しワークの計測基準点として設定する場合、機上計測装置1におけるプローブPrのスタイラス1eに設けられている球型測定子1fをワークWの加工面Waのアプローチ位置APから線対称の線と平行な線に沿って加工面Waに倣いながら移動させ、球型測定子1fが加工面Waの端部から完全に離れるまで移動させる。そして、プローブPrの軸方向の移動速度が所定値になった時の座標を検知座標として記憶する。
図9(b),図9(c)は、水平方向(X軸方向)にワークWとプローブPrを相対的に移動させて、球型測定子1fがワークWの加工面Waから完全に離れる時の検知座標を求める動作説明図である。図9(b)はワークWの上面Wbを上方から見たときの図であり、図6において上方から見下ろした図である。また、図9(c)はワークWの加工面Waを上方から見たときの図であり、図6において機上計測装置1の方向からワークWの加工面を見下ろした図である。
まず、X軸、Y軸、Z軸を移動させてワークWの加工面Waのアプローチ位置AP(図9(c)参照)にプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させる。そしてアプローチ位置APから球型測定子1fが図9(b)に示されるように水平方向(X軸方向)にX軸を駆動し移動させる。ここでは最初に紙面右側に向かって球型測定子1fは加工面Waを倣いながら加工面Waに対して水平方向に相対的に移動し、球型測定子1fが加工面Waから完全に離れると、前述したようにプローブPrは、プローブPrの軸方向に接触圧Tによる加速度運動を開始する。そして、プローブPrがあらかじめ設定された軸方向速度に到達した時点の座標を一方の検知座標(X座標)として記憶する。なお、検知座標については図4を用いて既に説明した用語である。
次に、X軸、Y軸、Z軸を移動させて、プローブPrの球型測定子1fをアプローチ位置APに再度位置決めし、球型測定子1fが前述の方向とは反対方向に加工面Waと相対移動するようにX軸を駆動する。そして、同様にプローブPrがあらかじめ設定された軸方向速度に到達した時点の座標を他方の検知座標(X座標)として記憶する。なお、加工面Waのアプローチ位置APは同一地点であることに限定されなくてもよい。つまり、反対方向にプローブPrを相対移動させてワークWの端面を検出する際には、一方向にプローブPrを移動させた際の移動の直線上であってワークWの加工面Wa内であればよい。
こうして求められた2つのX座標値を加算し2で割れば、ワークWの加工面Waの水平方向(X軸方向)の中間座標が求められる。この座標は加工面Waの水平方向の中心位置、すなわち、X軸中心座標を表すものとなる。なお、前記2つの検知座標である2つのX座標値はX軸を反対方向に駆動することによって得られた値であるので、2つのX座標値を加算する処理によって、X軸の駆動系が有するバックラッシなどの機械誤差が相殺される。これによって、X軸中心座標を精度よく求めることができる。
図9(d),図9(e)は、水平方向(X軸方向)にワークWとプローブPrを相対的に移動させて、球型測定子1fがワークWの加工面Waから完全に離れる時の検知座標を求める動作説明図である。
まず、X軸、Y軸、Z軸を移動させてワークWの加工面Waのアプローチ位置AP’(図9(e)参照)にプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させる。そしてアプローチ位置AP’から球型測定子1fが図9(d)に示されるように垂直方向(Y軸方向)にY軸を駆動し移動させる。ここでは最初に上側に向かって球型測定子1fは加工面Waを倣いながら加工面Waに対して垂直方向に相対的に移動し、球型測定子1fが加工面Waから完全に離れると、前述したようにプローブPrは、プローブPrの軸方向に接触圧Tは加速度運動を開始する。そして、プローブPrがあらかじめ設定された軸方向速度に到達した時点の座標を一方の検知座標(Y座標)として記憶する。
次に、X軸、Y軸、Z軸を移動させて、プローブPrの球型測定子1fをアプローチ位置AP’に再度位置決めし、球型測定子1fが前述の方向とは反対方向(下側方向)に加工面Waと相対移動するようにY軸を駆動する。そして、同様にプローブPrがあらかじめ設定された軸方向速度に到達した時点の座標を他方の検知座標(Y座標)として記憶する。なお、加工面Waのアプローチ位置AP’は同一地点であることに限定されなくてもよい。つまり、反対方向にプローブPrを相対移動させてワークWの端面を検出する際には、一方向にプローブPrを移動させた際の移動の直線上であってワークWの加工面Wa内であればよい。
こうして求められた2つのY座標値を加算し2で割れば、ワークWの加工面Waの垂直方向(Y軸方向)の中間座標が求められる。この座標は加工面Waの垂直方向の中心位置、すなわち、Y軸中心座標を表すものとなる。なお、前記2つの検知座標である2つのY座標値はY軸を反対方向に駆動することによって得られた値であるので、2つのY座標値を加算する処理によって、Y軸の駆動系が有するバックラッシなどの機械誤差が相殺される。これによって、Y軸中心座標を精度よく求めることができる。
図9(b)〜(e)に示されるように、本発明のワークの端面検出方法は、プローブPrをワークWから相対的に離していく方向の動作であるから、プローブPrとワークWの衝突の危険がなくなり、高価な機上計測装置1やワークWの破損を防止できる。
図10は、本発明の実施形態において、ワークWが円柱形状でその加工面Waの中心座標を求めワークWの基準位置として設定する場合の説明図である。この例も図6に示されるように、加工面Waが垂直面となるように取り付けられる。加工面Waは水平軸のX軸と垂直軸のY軸に対して線対称である。そして、図9を用いてワークWが直方体の場合と同様に、ワークWの加工面Waの端面の検出動作を行う。そして、水平方向(X軸方向)の検知座標と、垂直方向(Y軸方向)の検知座標を検出し、水平方向と垂直方向で得られた検知座標のそれぞれの中間点を求めれば、円柱形状のワークWの加工面WaのX座標とY座標の中心座標が求まる。
また、円柱形状のワークWにおいても直方体のワークWと同様に、X軸、Y軸の駆動系が有するバックラッシなどの機械誤差が相殺され、プローブPrをワークWから相対的に離していく方向の動作であるから、プローブPrとワークWの衝突の危険がなくなり、高価な機上計測装置1やワークWの破損を防止できる。
このようにして求めたワークWの中心座標を基準位置として設定すれば、機上計測装置1のプローブPrの球形測定子1fの先端位置と工具刃先位置の対応を確立することができる。例えば、加工プログラムの座標系の原点をワーク中心位置とすれば、設定した座標を原点とすることによって、球形測定子1fの先端位置と工具刃先位置は同じ位置を示すものとなり、正確な補正加工を実行できる。
図11は、本発明の実施形態におけるワークの基準位置設定処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
工作機械に、機械の座標系の軸とワークWの対称線が平行となるようにワークWを取り付け、機上計測装置1のプローブPrの中心軸がワークWの加工面に対して垂直となるように配置し、かつ、実行する加工プログラムを数値制御装置8に入力した後、ワークWの基準位置設定指令を図示省略した手動入力装置などを用いて数値制御装置に入力すると、数値制御装置8の数値制御部8a(図7参照)のプロセッサは、図11に示す処理を開始する。
●[ステップS1]まず、入力された加工プログラムにより、ワークWの加工面における2つの対称線と平行な線を第1のアプローチ線(この実施形態では、第1のアプローチ線は水平線のX軸と平行な線である)、第2のアプローチ線(この実施形態では、第2のアプローチ線は垂直線のY軸と平行な線である)とし、第1のアプローチ線と第2のアプローチ線上で、ワークWの加工面Waの水平方向の2つのアプローチ位置、ワークWの加工面Waの垂直方向の2つのアプローチ位置を求めステップS2へ移行する。
●[ステップS2]ステップS1で求めた水平方向の第1のアプローチ線の一方のアプローチ位置にプローブPrを移動させ、球形測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS3]ワークWの一端面に向かってプローブPrを水平方向に移動させる。すなわち、X軸のモータ95xを駆動し、X軸のテーブルを移動させてプローブPrの球型測定子1fをワークWの加工面Waを倣いながらワークWの一端に向かって相対的に移動させる。
●[ステップS4]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS5]ステップS4で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、X軸のモータ95xの駆動を停止し、X軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS6]ステップS4で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された時の移動軸の座標、すなわち、X座標を検知座標としてレジスタR1に記憶する。
●[ステップS7]プローブPrをワークWと接触しないように退避させ、ステップS1で求めた水平方向の他方の測定アプローチ位置でプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS8]ワークWの他端面に向かってプローブPrを水平方向に移動させる。すなわち、X軸のモータ95xを駆動し、X軸のテーブルを移動(ステップS3でのX軸のテーブルの移動と反対方向)させてプローブPrの球型測定子1fをワークWの加工面Waを倣いながらワークWの他端に向かって相対的に移動させる。なお、プローブPrを相対的に移動させる速度は一方方向の移動とその反対方向の移動とで同一である。
●[ステップS9]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS10]ステップS9で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、X軸のモータ95xの駆動を停止し、X軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS11]ステップS9で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された時の移動軸の座標、すなわち、X座標を検知座標としてレジスタR2に記憶する。
●[ステップS12]プローブPrを退避し、ステップS1で求めた垂直方向の第2のアプローチ線の一方のアプローチ位置にプローブPrを移動させ、球形測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS13]ワークWの一端面に向かってプローブPrを垂直方向に移動させる。すなわち、Y軸のモータ95yを駆動し、X軸のテーブルを移動させてプローブPrの球型測定子1fをワークWの加工面Waを倣いながらワークWの一端に向かって相対的に移動させる。
●[ステップS14]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS15]ステップS14で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、Y軸のモータ95yの駆動を停止し、Y軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS16]ステップS14で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された時の移動軸の座標、すなわち、Y座標を検知座標としてレジスタR3に記憶する。
●[ステップS17]プローブPrをワークWと接触しないように退避させ、ステップS1で求めた垂直方向の第2のアプローチ線の他方の測定アプローチ位置でプローブPrの球型測定子1fを接触圧Tで接触させて位置決めする。
●[ステップS18]ワークWの他端面に向かってプローブPrを垂直方向に移動させる。すなわち、Y軸のモータ95yを駆動し、Y軸のテーブルを移動(ステップS13でのY軸のテーブルの移動と反対方向)させてプローブPrの球型測定子1fをワークWの加工面Waを倣いながらワークWの他端に向かって相対的に移動させる。
●[ステップS19]そして、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたか否かを判断する。
●[ステップS20]ステップS19で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された場合には、プローブPrの移動を停止する。つまり、Y軸のモータ95yの駆動を停止し、X軸テーブルの移動を止める。この時点では、プローブPrの球型測定子1fはワークWから完全に離脱している。
●[ステップS21]ステップS19で、プローブPrの軸方向の移動速度が基準値を超えたと判断された時の移動軸の座標、すなわち、Y座標を検知座標としてレジスタR4に記憶する。
●[ステップS22]レジスタR1〜レジスタR4に記憶された検知座標よりワーク中心座標を求め、ワークWの計測基準点として設定する。詳述すると、レジスタR1とレジスタR2に記憶される検知座標のX座標を加算し2で割ることによって、2つのX座標の中間座標を求める。また、レジスタR3とレジスタR4に記憶される検知座標のY座標を加算し、2つのY座標の中間座標を求める。
このX座標、Y座標の中間座標は、ワークWの中心座標を表すものであるから、このワークWの中心座標をワークの基準位置として設定し、この基準位置設定処理を終了する。なお、水平方向両端の座標値の差を求め、この差の半分の値を小さいほうの座標値に加算した座標値をワークWの水平方向の中心座標とし、垂直方向両端の座標値の差を求め、この差の半分の値を小さいほうの座標値に加算した座標値をワークWの垂直方向の中心座標としてワークWの中心座標を求め、ワークWの基準位置として設定してもよい。
こうして設定されたワークWの基準位置に基づいて、プローブPrのスタイラス1eの先端に取り付けられた球型測定子1fの先端をワーク面に接触させ、機上計測装置によりワークWを工作機械上で計測する。このワークWの基準位置を介して、球型測定子1fの先端と刃物の刃先が関係づけられることから、計測した形状に基づいて補正加工が明確になる。
本発明の実施形態で用いられる機上計測装置の要部断面図である。 ワークの加工面(計測面)にプローブが接触した状態で、ワークWの両端に向けて移動しワークWから離れることを示している。 本発明の測定原理を説明する図である。 プローブがワークの端面から離れる際の様子を詳細に説明する図である。 本発明の実施形態で用いられる5軸の可動部を説明する図である。 機上計測装置からの位置検出信号と工作機械の各駆動軸からの位置検出信号を数値制御装置に入力する工作機械の概略構成図である。 図6に示される工作機械において、工作機械の各可動軸と機上計測装置からの信号が数値制御装置により同時にフィードバック制御されることを説明する図である。 本発明の実施形態に用いられているインタフェースを示すブロック図である。 本発明の実施形態において、ワークが直方体でその加工面の中心座標を求めワークの基準位置として設定する場合の説明図である。 本発明の実施形態において、ワークが円柱でその加工面の中心座標を求めワークの基準位置として設定する場合の説明図である。 本発明の実施形態におけるワークの基準位置設定処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
符号の説明
Pr プローブ
1b プローブ本体
1e スタイラス
1f 球型測定子
W ワーク
Wa 加工面
AP アプローチ位置
RE 右端面位置
LE 左端面位置

Claims (6)

  1. ワークの加工面が直交する2つの線に対して線対称なワークの形状測定および形状解析のための機上計測装置を備え、前記機上計測装置からの位置検出信号が入力される数値制御装置で制御される複数の可動軸を有する工作機械において、
    前記機上計測装置は、
    機上計測装置内部に流体軸受により支持される接触式プローブと、該接触式プローブの軸方向の移動変位を検出し位置検出信号を出力する位置検出手段とを備え、
    前記工作機械は、前記工作機械の各可動軸の位置を検出し軸位置検出信号を出力する可動軸位置検出手段を備え、
    前記数値制御装置は、
    前記2つの線が機械座標系の軸と平行になるように配置された前記ワークの前記加工面に前記接触式プローブの測定子を一定の接触圧で接触させた状態で前記ワークの端面から前記接触式プローブの測定子が完全に離れるまで前記2つの線とそれぞれ平行な方向であって、ワークの加工面内からそれぞれの端面に向かって前記接触式プローブを移動するように前記可動軸を駆動する可動軸駆動制御手段と、
    前記位置検出手段から出力される位置検出信号に基づいて該接触式プローブの軸方向の移動速度を算出するプローブ移動速度算出手段と、
    前記プローブ移動速度算出手段により算出された前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したか否か判断する判断手段と、
    前記判断手段により前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したと判断された時の
    前記各可動軸位置検出手段により検出された各可動軸の位置データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された各可動軸の位置から前記ワークの中心座標を算出しワークの計測基準点として設定する設定手段と、
    を備えたことを特徴とするワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
  2. 前記工作機械の各可動軸の位置を検出する可動軸位置検出手段からの軸位置検出信号はモータを駆動するモータ駆動装置が有するインタフェースを介して前記数値制御装置に入力し、前記機上計測装置の前記位置検出手段からの位置検出信号はモータが接続されていないモータ駆動装置が有するインタフェースを介して前記数値制御装置に入力することを特徴とする請求項1に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
  3. 前記可動軸位置検出手段と前記機上計測装置の前記位置検出手段から出力される位置検出信号は、それぞれ位相が略90度異なる2相の正弦波アナログ信号で構成され、
    前記インタフェースは、前記正弦波アナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換装置と、前記A/D変換装置から出力されるデジタル信号を前記正弦波アナログ信号の1周期分を分割したデジタル信号で出力する内挿分割装置を備えていることを特徴とする請求項2に記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
  4. 前記可動軸位置検出手段または前記機上計測装置に備えられる前記位置検出手段は、リニアスケール、パルスコーダ、またはレーザ干渉計のうちのいずれかの検出装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
  5. 前記記憶手段は、前記判断手段により前記移動速度があらかじめ決められた速度に達したと判断された時の前記各可動軸位置検出手段により検出された各可動軸の位置データを自動的に記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
  6. 前記設定手段は、前記加工面の水平方向の左右両端において前記記憶手段に記憶された前記可動軸の位置データの差を求め、この差の半分の値を小さい方の座標に加算した座標をワークの水平方向の中心座標とし、前記加工面の垂直方向の上下両端において前記記憶手段に記憶された前記可動軸の位置データの差を求め、この差の半分の値を小さい方の座標に加算した座標をワークの垂直方向の中心座標として、前記ワークの中心座標を求め、ワークの計測基準点として設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のワークの計測基準点設定機能を有する工作機械。
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