JP4611347B2 - 窓板の装着方法と該方法に用いるガラスランチャンネル - Google Patents
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ガラスランチャンネルは、ゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性ポリマー材料を長尺に成形した横断面形状が略U字形の溝構成部材(長尺材)であり、窓枠の内部のガラスランチャンネル装着溝に装着され、窓板の昇降を案内する。窓板は、ドアパネル本体の上縁と窓枠とで包囲される窓開口部から窓枠に取り付けられたガラスランチャンネルの溝内に装着される。
即ち、請求項1の発明は、車体のドアパネル本体と、該ドアパネル本体の上側に略門形をなして一体化されている窓枠とを備え、前記ドアパネル本体の上縁と前記窓枠とで略四角形の窓開口部が形成された車両ドアであって、前記窓枠の内部に、長手方向に沿って弾性ポリマー材料から成る基底部と、該基底部の幅方向両側から起立する車内側側壁部及び車外側側壁部とを有する横断面形状が略U字形をなす溝形状の長尺材に成形されたガラスランチャンネルが取り付けられた車両ドアにおいて、前記窓開口部から略四角形の窓板を前記ガラスランチャンネルの前記溝内に装着する方法である。
本方法において前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部の表面には、粘着剤付きの剥離可能な保護フィルムが予め貼着されている。
また、本方法において前記窓開口部をなす窓枠の車外側部分の内向き部分の一部には、窓開口を外向きに広げる欠如部が窓枠の長手方向に所定の長さだけ形成されている。
そして、本方法は、前記窓板を装着する前に、前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部を外向きに移動させて該車外側側壁部の先端を元の位置を越えて回転状に外向きに変位させ、この変位に伴ってガラスランチャンネルの前記欠如部対応部分に、通常時における前記溝形状よりも開口が拡大した拡大開口部を形成する工程と、前記変位させた状態で前記車外側側壁部の先端側を前記欠如部の縁を構成する窓枠部分又は窓枠構成部材の少なくともいずれか一つに前記保護フィルムを介して着脱可能に係止させることによって前記ガラスランチャンネルの前記対応部分に形成した拡大開口部を維持する工程と、前記窓枠における前記欠如部が形成されている側の縁と前記窓開口部を介して対向する側の縁部に位置するガラスランチャンネルの溝内に、前記窓板の一方の縁を挿入すると共に、該窓板の他方の縁の角部を前記拡大開口部を通してガラスランチャンネルの溝内に挿入する工程と、前記窓板挿入工程の後に、前記外向きに変位させておいたガラスランチャンネルの前記係止を解除して前記車外側側壁部を元の位置に復帰させる工程と、前記保護フィルムを剥離する工程とを含むことを特徴とする。
即ち、請求項1の窓板装着方法によると、ガラスランチャンネルの車外側側壁部の一部を変位させて拡大開口部を形成し、その拡大された開口状態を維持することによって、窓板装着作業中に当該窓板がガラスランチャンネルの車外側側壁部を車内側に巻き込むことを防止することができる。そして、ガラスランチャンネルの車外側側壁部に邪魔されることなく窓板装着作業を効率よく行うことができる。
また、本構成の窓板装着方法では、前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部の表面に、粘着剤付きの剥離可能な保護フィルムを予め貼着しておき、前記車外側側壁部の先端側の前記係止は該フィルムを介して行われ、前記窓板を挿入した後に該フィルムを剥離する。かかる構成の窓板装着方法では、前記車外側側壁部の先端側を欠如部の縁を構成する窓枠部分又は窓枠構成部材の少なくともいずれか一つに着脱可能に係止する際、前記保護フィルムの介在によって当該係止に係るガラスランチャンネルの車外側側壁部の表面の傷付きを防止することができる。従って、車外側側壁部に傷や物理的な欠損を与えることなく、車外側側壁部の変位作業を行えるという効果も得られる。
かかる構成の請求項2の窓板装着方法では、ガラスランチャンネルの前記欠如部対応部分の車外側側壁部を変位させる際、ガラスランチャンネル全体が変位するのを防止することができる。
このため、請求項2の窓板装着方法によると、請求項1の窓板装着方法の奏する効果に加えて、窓板装着作業をより安定して行えるという効果が得られる。
かかる構成の請求項3の窓板装着方法では、ガラスランチャンネルの前記欠如部対応部分の車外側側壁部を比較的大きく変位させるため、窓板装着作業中に窓板とガラスランチャンネルの車外側側壁部との干渉を防止することができる。
このため、請求項3の窓板装着方法によると、請求項1又は2の窓板装着方法の奏する効果に加えて、窓板装着作業を更に容易に行えるという効果が得られる。
かかる構成の請求項4の窓板装着方法では、前記フィルムの突出部を持って容易に当該フィルムを剥離することができる。従って、請求項4の窓板装着方法によると、請求項1〜3のいずれか1項の窓板装着方法の奏する効果に加えて、窓板挿入後に容易に前記保護フィルムを剥離できるため、より効率よく窓板装着作業が行えるという効果が得られる。
かかる構成の請求項5の窓板装着方法では、保護フィルムを車外側側壁部から剥がす際に車外側側壁部への粘着剤の付着残りが発生することを防止する。従って、請求項5の窓板装着方法によると、請求項1〜4のいずれか1項の窓板装着方法の奏する効果に加えて、保護フィルムが剥がされたガラスランチャンネルの外観を損ねることなく窓板装着作業が行えるという効果が得られる。
かかる構成の請求項6の窓板装着方法では、支持部材の取り付けによってガラスランチャンネルの車外側側壁部が車外側に変位するのを防止する。従って、請求項6の窓板装着方法によると、請求項1〜5のいずれか1項の窓板装着方法の奏する効果に加えて、ガラスランチャンネル本来の良好なシール性および良好な窓板ガイド性を保つことができるという効果が得られる。
かかる構成の請求項7の窓板装着方法では、遮蔽部材(前記支持部材と同一部材であり得る。)の取り付けによって欠如部が遮蔽され、外部から欠如部が目視されない。従って、請求項7の窓板装着方法によると、請求項1〜6のいずれか1項の窓板装着方法の奏する効果に加えて、欠如部の露出によって美観が損なわれることを防止するという効果が得られる。
即ち、請求項8の発明は、車体のドアパネル本体と、該ドアパネル本体の上側に略門形をなして一体化されている窓枠とを備え、前記ドアパネル本体の上縁と前記窓枠とで略四角形の窓開口部が形成された車両ドアであって、前記窓開口部をなす窓枠の車外側部分の内向き部分の一部に窓開口を外向きに広げる欠如部が窓枠の長手方向に所定の長さだけ形成されている車両ドアの該窓枠の内部に装着されるガラスランチャンネルである。
本ガラスランチャンネルは、前記窓枠の内部に長手方向に沿って取り付けられる弾性ポリマー材料から成る基底部と、該基底部の幅方向両側から起立する車内側側壁部及び車外側側壁部とを有する横断面形状が略U字形をなす溝形状の長尺材に成形されている。
そして本ガラスランチャンネルは、前記欠如部に対応する部分における前記車外側側壁部の表面には、粘着剤付きの剥離可能な保護フィルムが貼着されており、ガラスランチャンネルが前記窓枠内部に装着された際、前記欠如部に対応する部分の車外側側壁部が外向きに移動して該車外側側壁部の先端が元の位置を越えて回転状に外向きに変位したときに、前記フィルムが貼着された部分の該車外側側壁部の先端側が前記欠如部の縁を構成する窓枠部分又は窓枠構成部材の少なくともいずれか一つに着脱可能に係止させ得るように構成されていることを特徴とする。
かかる構成の請求項9のガラスランチャンネルでは、前記フィルムの突出部を持って容易に当該フィルムを剥離することができる。従って、請求項9のガラスランチャンネルによると、請求項8のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、窓板挿入後に容易に前記保護フィルムを剥離できるため、より効率よく窓板装着作業が行えるという効果が得られる。
かかる構成の請求項10のガラスランチャンネルでは、保護フィルムを車外側側壁部から剥がす際に車外側側壁部への粘着剤の付着残りが発生することを防止する。従って、請求項10のガラスランチャンネルによると、請求項8又は9のガラスランチャンネルの奏する効果に加えて、上記変位を伴う窓板装着作業後(保護フィルム剥離後)、粘着剤の付着残りによって外観を損ねることがないという効果が得られる。
すなわち、窓枠3の前枠部4に配置される前方ガラスランチャンネル22と、上枠部6に配置される上側ガラスランチャンネル26と、後枠部5に配置される後方ガラスランチャンネル30とを有する。各ガラスランチャンネル22,26,30は、窓枠3の前後2箇所のコーナー部分に装着されるコーナージョイント部材24,28によって連結され、これらが一体となったガラスランチャンネル組立体を構成している。かかるガラスランチャンネル組立体は、押出成形した各ガラスランチャンネル22,26,30の端部に所定のコーナージョイント部材24,28を連結することによって構築することができる。窓板(窓ガラス)7は、窓開口部8から窓枠3の内部に取り付けられたガラスランチャンネル組立体のガイド溝40に装着される。このことは後述する。
図2は図1におけるII−II線断面図であり、後枠部5に配置される後方ガラスランチャンネル30の横断面図である。なお、以下は後方ガラスランチャンネル30についての説明であるが、後述する保護フィルム70の貼着を除いて前枠部4及び上枠部6に配置される各ガラスランチャンネル22,26も同じ横断面形状を有しており、重複した記載は省略する。
車外側側壁部32及び車内側側壁部38の先端部(自由末端部)には、それぞれ、窓板7の端部が溝40に挿入された際に当該窓板7に密接して車内への水の浸入を防止するための車外側シールリップ34及び車内側シールリップ35が車外側側壁部32及び車内側側壁部38の突出方向と交差する方向(ここではリップ先端が溝40内を向く方向)に形成されている。
また、車外側側壁部32の先端には、該車外側側壁部の突出方向と交差する方向(ここでは車外方向)に突出する突出リップ33が一体に形成されている。
また、車内側側壁部38の更に車内側において長手方向に沿って車内側側壁部38の先端から折り返し状に保持リップ36が形成されている。
このとき、車外側側壁部32及び車内側側壁部38の外面に形成された係合用リップ(抜け止めリップ)32a,38aが凸条12a,18aをのり越えて挿入され、係合用リップ32a,38aが凸条12a,18aに係合する。これにより、ガラスラン装着溝9(サッシュ部材10)からのガラスランチャンネル30の脱落(抜け)や溝9内におけるガラスランチャンネル30の装着ずれの発生を防止することができる。
また、車内側側壁部38及び車外側側壁部32は、良好に変位し、また良好に元の形状に復帰する弾性ポリマー材料から形成されることが好ましい。例えば、前記基底部31と同一のEPDMを主体とする加硫済みゴムやオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の熱可塑性エラストマーにより形成されていることが特に好ましい。EPDM加硫済みゴムは、耐久性や耐候性に優れるため特に好ましい弾性ポリマー材料である。本実施形態はEPDM加硫済みゴムによって成形されている。
なお、ガラスランチャンネル30は、全体を同一の成形材料(弾性ポリマー材料)から形成してもよいし、部位毎に異なるポリマー材料を用いてもよい。2種以上の成形材料を用いる場合は、いわゆる共押出成形法によって所望のガラスランチャンネルを形成することができる。なお、押出成形法(共押出成形法)自体は本発明を特徴付けるものではないので、詳細な説明は省略する。
具体的には、図3に示すように、欠如部100においてアウターパネル5aは、当該部位においてサッシュ部材10の底壁部11が露出するように底壁部11よりも後方まで外向きに切り欠かれている。具体的には、ドアパネル本体2の上縁部2aに沿って水平に切り欠かれた下側切欠き縁114と、該下側切欠き縁114から上方に向けて直線状に切り欠かれた後側切欠き縁115と、該後側切欠き縁115の上端から斜めに切り欠かれた上側切欠き縁112とが形成されており、図示されるようにこれら切欠き縁112,114,115とサッシュ部材10の底壁部11との間に切欠き内部空間117が生じるように欠如部100が構成されている。
また、図3に示すように、かかる欠如部100に対応するサッシュ部材10の車外側フランジ12も、同様に外向きに切り欠かれている。具体的には、車外側フランジ12の欠如部100における切欠き領域は、図示されるように、パネル本体2の上縁部2aに沿ってアウターパネル5aの下側切欠き縁114と一致する水平に切り欠かれた下端切欠き縁104と、該下端切欠き縁104から上方に向けて車外側フランジ12のほぼ全体を除去するように底壁部11の車外側の端に沿って鉛直方向に直線状に切り欠かれた直線状切欠き縁103と、該直線状切欠き縁103の上方端から徐々に車外側フランジ12の底壁部11から高さ方向の残存部分が漸増するように斜めに切り欠かれ且つアウターパネル5aの上側切欠き縁112と一致する上端切欠き縁102とによって画定される。
なお、保護フィルム70としては、ガラスランチャンネル30の車外側側壁部32を構成する材料に接着し得る種々の粘着剤とフィルム基材とから構成される片面粘着タイプの粘着シートを用いることが好ましい。車外側側壁部32への粘着力よりもフィルム基材への粘着力が大きい粘着剤付き保護フィルムが特に好ましい。例えば、車外側側壁部32がTPO等の熱可塑性エラストマーから構成されている場合、ポリエステル等の比較的硬質な樹脂成形フィルム基材の片面にアクリル系粘着剤からなる粘着層(特に発泡体層が好ましい)が形成された粘着シート(例えば住友スリーエム社製品:商品名ベータテープ♯5076)を好適に使用することができる。
なお、かかる保護フィルム(粘着シート)の製造方法自体は本発明を特徴付けるものではないので、詳細な説明は省略する。
窓板7を窓枠3へ挿入する前に、欠如部100において露出するガラスランチャンネル30の車外側側壁部32を変位させて拡大開口部110を形成する。具体的には、作業者は、欠如部100に対応するガラスランチャンネル30の車外側側壁部32をアウターパネル5a側に捲るように開いていく。具体的には、図4に示すように、サッシュ部材に装着された状態の車外側側壁部32の先端を元の位置を越えて回転状に外向き(図4の矢印のOP方向)に変位させる。
このため、図4に示すように、外向き(図4の矢印のOP方向)に回転変位させた車外側側壁部32の先端部分をアウターパネル5aの欠如部100の後側切欠き縁115に圧接させて係合させることができる。具体的には、車外側側壁部32の先端部分がアウターパネル5aの後側切欠き縁115に当たってもなお回転変位を続ける(即ち作業者からの応力が加えられ続ける)ことにより、車外側側壁部32が撓み、その弾性力によって切欠き縁115に圧接される。
これにより、作業者が何も力を加えない状態(典型的には車外側側壁部32から手を離した状態)としても、図4に示す拡大開口部110の形成状態を維持することができる。
このとき、保護フィルム70が車外側側壁部32の表面に貼着されているため、かかる保護フィルム70がバリアとなって車外側側壁部32に傷が付くことを防止する。
なお、かかる拡大開口部110が形成・維持された状態であっても、図示されるようにインナーパネル5b及びサッシュ部材10の車内側フランジ18を車内側側壁部38と保持リップ36との間に挟んで支持しているため、ガラスランチャンネル30全体が変位するのを防止でき、ガラスランチャンネル30の装着状態には影響を与えない。
図1に示すように、窓枠に装着したガラスランチャンネル30が上記拡開されずに通常の状態(フリー状態)であるとき、図1に示す前方ガラスランチャンネル22の基底部(図示せず)と後方ガラスランチャンネル30の基底部31との間の長さ:LCと、窓板7の横幅の長さ:LWと、前方ガラスランチャンネル22の車外側側壁部(図示せず)の先端部(自由末端部)と後方ガラスランチャンネル30の車外側側壁部32の先端部(自由末端部)との間の長さ:LSとは、「LS<LW≒LC」の関係にある。さらに図4に示すように、LCは、LC=LS+2×H(ここでHは基底部から車外側シールリップまでの長さ)の関係にある。従って、拡大開口部110を設けない場合には、LS<LWの関係によって、窓板7をガラスランチャンネルの溝40内に挿入(装着)することはできない。
例えば、窓板装着の後工程として、ガラスランチャンネル30の車外側側壁部32における欠如部100に配置される部分(即ち露出部分)を車外側から支持して該部分の車外側への変位を防止する支持部材を欠如部100の車外側に取り付けてもよい。
或いは、窓板装着の後工程として、欠如部100を車外側から覆う遮蔽部材を窓枠3に取り付けてもよい。
例えば、図1に示す別体のカバー部材120を後枠部5のアウターパネル5aの表面に取り付けてもよい。具体的には、欠如部100におけるアウターパネル5aの切欠き縁115にカバー部材120の係止片124を係止させると共に、後枠部5のアウターパネル5a表面に設けられた取付孔116にカバー部材120の裏面から突出する位置決めボス兼止め具122を挿入して固定することにより、カバー部材120をアウターパネル5a表面に取り付ける。カバー部材120は、後枠部5と同じ材質から成形されており、後枠部5と同じかそれよりも小さい幅の平板部材であり、少なくとも欠如部100におけるパネル切欠き部分を全て被覆し得るサイズに成形されている。従って、このようなカバー部材120は上記遮蔽部材として好適である。また、カバー部材120の装着によって車外側側壁部32の車外側への変位が防止されるため、かかる構造のカバー部材120は上記支持部材としても好適である。
例えば、上述の実施形態では、リアドアとして取り付けられる左側面スライドドア用パネルの後枠部に欠如部を設けた例で説明したが、車体の他の部分に取り付けられるドアパネル(フロントドアや右側面のリアドア)に適用可能なことはいうまでもない。
2 パネル本体
2a 上縁部
3 窓枠
4 前枠部
5 後枠部
5a アウターパネル
5b インナーパネル
7 窓板
8 窓開口部
9 ガラスラン装着溝
10 サッシュ部材
11 底壁部
12 車外側フランジ
18 車内側フランジ
22 前方ガラスランチャンネル
26 上側ガラスランチャンネル
30 後方ガラスランチャンネル
31 基底部
32 車外側側壁部
38 車内側側壁部
40 溝
70 保護フィルム
72 突出部(把持部)
74 貼着本体部
100 欠如部
110 拡大開口部
112 上側切欠き縁
114 下側切欠き縁
115 後側切欠き縁
120 カバー部材
Claims (10)
- 車体のドアパネル本体と、該ドアパネル本体の上側に略門形をなして一体化されている窓枠とを備え、前記ドアパネル本体の上縁と前記窓枠とで略四角形の窓開口部が形成された車両ドアであって、前記窓枠の内部に、長手方向に沿って弾性ポリマー材料から成る基底部と、該基底部の幅方向両側から起立する車内側側壁部及び車外側側壁部とを有する横断面形状が略U字形をなす溝形状の長尺材に成形されたガラスランチャンネルが取り付けられた車両ドアにおいて、前記窓開口部から略四角形の窓板を前記ガラスランチャンネルの前記溝内に装着する方法であって、
前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部の表面には、粘着剤付きの剥離可能な保護フィルムが予め貼着されており、
前記窓開口部をなす窓枠の車外側部分の内向き部分の一部には、窓開口を外向きに広げる欠如部が窓枠の長手方向に所定の長さだけ形成されており、
前記窓板を装着する前に、前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部を外向きに移動させて該車外側側壁部の先端を元の位置を越えて回転状に外向きに変位させ、この変位に伴ってガラスランチャンネルの前記欠如部対応部分に、通常時における前記溝形状よりも開口が拡大した拡大開口部を形成する工程と、
前記変位させた状態で前記車外側側壁部の先端側を前記欠如部の縁を構成する窓枠部分又は窓枠構成部材の少なくともいずれか一つに前記保護フィルムを介して着脱可能に係止させることによって前記ガラスランチャンネルの前記対応部分に形成した拡大開口部を維持する工程と、
前記窓枠における前記欠如部が形成されている側の縁と前記窓開口部を介して対向する側の縁部に位置するガラスランチャンネルの溝内に、前記窓板の一方の縁を挿入すると共に、該窓板の他方の縁の角部を前記拡大開口部を通してガラスランチャンネルの溝内に挿入する工程と、
前記窓板挿入工程の後に、前記外向きに変位させておいたガラスランチャンネルの前記係止を解除して前記車外側側壁部を元の位置に復帰させる工程と、
前記保護フィルムを剥離する工程と、
を含むことを特徴とする、窓板装着方法。 - 前記ガラスランチャンネルには、前記車内側側壁部の更に車内側において長手方向に沿って該車内側側壁部から折り返し状に保持リップが形成されており、
前記車内側側壁部と前記保持リップとの間に前記窓枠の車内側の一部を挟んで支持することを特徴とする、請求項1に記載の窓板装着方法。 - 前記拡大開口部形成工程において、前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部の少なくとも先端が基底部を越える位置まで、回転状に外向きに該車外側側壁部の先端を変位させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の窓板装着方法。
- 前記フィルムの一部に前記車外側側壁部の表面から突出する突出部を形成しておき、前記フィルムを剥離する際は前記突出部を把持して該フィルムを剥離することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窓板装着方法。
- 前記保護フィルムとして、前記車外側側壁部への粘着力よりもフィルム基材への粘着力が大きい粘着剤付き保護フィルムを貼着することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窓板装着方法。
- 前記ガラスランチャンネルの車外側側壁部における前記欠如部に配置される部分を車外側から支持して該部分の車外側への変位を防止する支持部材を、該欠如部の車外側に取り付ける工程を更に含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窓板装着方法。
- 前記欠如部を車外側から覆う遮蔽部材を窓枠に取り付ける工程を更に含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の窓板装着方法。
- 車体のドアパネル本体と、該ドアパネル本体の上側に略門形をなして一体化されている窓枠とを備え、前記ドアパネル本体の上縁と前記窓枠とで略四角形の窓開口部が形成された車両ドアであって、前記窓開口部をなす窓枠の車外側部分の内向き部分の一部に窓開口を外向きに広げる欠如部が窓枠の長手方向に所定の長さだけ形成されている車両ドアの該窓枠の内部に装着されるガラスランチャンネルであって、
前記窓枠の内部に長手方向に沿って取り付けられる弾性ポリマー材料から成る基底部と、該基底部の幅方向両側から起立する車内側側壁部及び車外側側壁部とを有する横断面形状が略U字形をなす溝形状の長尺材に成形されており、
前記欠如部に対応する部分における前記車外側側壁部の表面には、粘着剤付きの剥離可能な保護フィルムが貼着されており、
ガラスランチャンネルが前記窓枠内部に装着された際、前記欠如部に対応する部分の車外側側壁部が外向きに移動して該車外側側壁部の先端が元の位置を越えて回転状に外向きに変位したときに、前記フィルムが貼着された部分の該車外側側壁部の先端側が前記欠如部の縁を構成する窓枠部分又は窓枠構成部材の少なくともいずれか一つに着脱可能に係止させ得るように構成されていることを特徴とする、ガラスランチャンネル。 - 前記保護フィルムの一部に前記車外側側壁部の表面から突出する突出部が形成されていることを特徴とする、請求項8に記載のガラスランチャンネル。
- 前記保護フィルムとして、前記車外側側壁部への粘着力よりもフィルム基材への粘着力が大きい粘着剤付き保護フィルムが貼着されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のガラスランチャンネル。
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