JP4611170B2 - バリヤ膜形成装置 - Google Patents

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本発明は、例えば複数の容器の内面にバリヤ膜を一度に安定して成膜することができるバリヤ膜形成装置に関する。
プラスチック容器等の容器、例えばペットボトルは、外部からの酸素の透過、内部(例えば炭酸飲料水)からの二酸化炭素の透過を防止するためにその内面にバリヤ膜、例えばDLC(Diamond Like Carbon)のような炭素を主成分とするバリア膜やSiを主成分の一つとするシリカ膜などをコーティングすることが試みられている。
このような容器内面に炭素などのバリア膜をコーティングする方法としては、本出願人が既に出願し、公開された特許文献1に開示されている。この特許文献1の図7には、被処理物であるプラスチック容器が挿入された時にその容器を取り囲む大きさを有する外部電極と、前記プラスチック容器が挿入された時に少なくともその容器の口部および肩部と前記外部電極の間に介在された誘電体材料からなるスペーサと、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられた排気管と、前記外部電極内の前記プラスチック容器内に前記排気管側から挿入され、接地側に接続される内部電極と、前記排気管に取り付けられた排気手段と、前記内部電極に媒質ガスを供給するためのガス供給手段と、前記外部電極に接続された高周波電源とを備えたプラスチック容器内面への炭素膜形成装置が記載されている。
特開2003−286571号公報 特開平10−258825号公報 特開2001−335945号公報 特開2004−27271号公報
しかしながら、複数の容器に対して、連続して容器内面に成膜する場合には、均一な性能を得るために、放電電圧印加とほぼ同時の、安定したタイミングで着火させる必要がある。
特に、1つの電源を用いて同時に複数の外部電極で放電を発生させる場合、着火のタイミングをできるだけ合わせるとともに、均等なプラズマを発生する必要があるが、従来複数の外部電極をつないだ場合、着火のタイミングを合わせることが困難である、という問題がある。この結果、複数の外部電極をつなぐ方法をとることができず、電源が外部電極に対応した個数が必要となり、コストが高くなるという問題がある。
また、複数の外部電極に対して成膜する装置の提案がある(特許文献2〜4)が、何れの提案も複数外部電極でのプラズマ発生を目的としているものの、実際には着火のタイミングがあわなかったり、プラズマが1つの外部電極に集中したり、一つの外部電極で放電が発生しなかったりする場合があった。
よって、着火のタイミングをできるだけ合わせ、その後の放電電流、放電電圧が均一となるようにして、良好なバリヤ膜を形成することができる成膜装置の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、複数の容器を連続して成膜する際に、プラズマ放電の着火のタイミングを合わせ、その後の放電電流、放電電圧が均一となるようにして良好な成膜が可能となるバリヤ膜形成装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、被処理物である容器を1つずつ取り囲む大きさの空洞を有する複数の外部電極と、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられ、容器内部を、接地された排気管を介して減圧する排気手段と、前記外部電極内の前記容器内に、それぞれ前記排気管側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガスを吹き出すためのガス吹出し部と、前記排気管に接続されて接地された前記ガス吹き出し部を兼ねる内部電極、または、前記接地された排気管の内面の少なくともどちらかを接地電極とし、前記外部電極と前記接地電極間に電界を付与するための高周波電源とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、前記高周波電源からの複数の外部電極への電力の供給は、少なくとも電力分岐部、同軸線路、および、それぞれの外部電極への電力接続部を介してなり、前記同軸線路の中心導体はチャンバー内に設けられる前記外部電極上の前記電力接続部にて前記外部電極に接続され、前記同軸線路の外部導体は前記チャンバーに接続することで接地され、前記高周波電源からの電力を複数の外部電極へ供給する前記同軸線路の前記電力分岐部と、複数の外部電極への前記電力接続部との線路長(L)は、全て同じ長さであると共に、電気長(L/λg)は、(N/4)と略等しい関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、N=2n又はN=2n+1、nは整数である。)を有することを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第2の発明は、被処理物である容器を1つずつ取り囲む大きさの空洞を有する複数の外部電極と、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられ、容器内部を、接地された排気管を介して減圧する排気手段と、前記外部電極内の前記容器内に、それぞれ前記排気管側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガスを吹き出すためのガス吹出し部と、前記排気管に接続されて接地された前記ガス吹き出し部を兼ねる内部電極、または、前記接地された排気管の内面の少なくともどちらかを接地電極とし、前記外部電極と前記接地電極間に電界を付与するための高周波電源とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、前記高周波電源からの複数の外部電極への電力の供給は、少なくとも電力分岐部、同軸線路、および、それぞれの外部電極への電力接続部を介してなり、前記同軸線路の中心導体はチャンバー内に設けられる前記外部電極上の前記電力接続部にて前記外部電極に接続され、前記同軸線路の外部導体は前記チャンバーに接続することで接地され、前記高周波電源からの電力を複数の外部電極へ供給する前記同軸線路の前記電力分岐部と、複数の外部電極への前記電力接続部との線路長(L)は、全て同じ長さであると共に、電気長(L/λg)は、(1/4+n×1/2)と略等しい関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、nは整数である。)を有することを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第3の発明は、被処理物である容器を1つずつ取り囲む大きさの空洞を有する複数の外部電極と、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられ、容器内部を、接地された排気管を介して減圧する排気手段と、前記外部電極内の前記容器内に、それぞれ前記排気管側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガスを吹き出すためのガス吹出し部と、前記排気管に接続されて接地された前記ガス吹き出し部を兼ねる内部電極、または、前記接地された排気管の内面の少なくともどちらかを接地電極とし、前記外部電極と前記接地電極間に電界を付与するための高周波電源とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、前記高周波電源からの複数の外部電極への電力の供給は、少なくとも電力分岐部、同軸線路、および、それぞれの外部電極への電力接続部を介してなり、前記同軸線路の中心導体はチャンバー内に設けられる前記外部電極上の前記電力接続部にて前記外部電極に接続され、前記同軸線路の外部導体は前記チャンバーに接続することで接地され、前記高周波電源からの電力を複数の外部電極へ供給する前記同軸線路の前記電力分岐部と、複数の外部電極への前記電力接続部との線路長(L)は、全て同じ長さであると共に、電気長(L/λg)は、(n×1/2)と略等しい関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、nは整数である。)を有することを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記同軸線路の先端にコイルを設けてなることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、複数の外部電極を回転基台に所定間隔を持って円環状に配置されてなると共に、回転基台が一回りする間に、容器の供給工程、容器内の真空排気工程、容器内への放電工程及び容器の排出工程を完了してなり、且つ2以上の外部電極からなる外部電極群同士と、他の2以上の外部電極からなる外部電極群同士とがスイッチを介して1つの高周波電源と連結する際に、1つの外部電極群が放電工程内に存在する場合に、高周波電源と通電すると共に、その他の1つの外部電極群が放電工程以外の工程に位置するように存在してなることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第6の発明は、第5の発明において、前記他の2以上の外部電極からなる外部電極群が、少なくとも二以上であることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第7の発明は、第5の発明において、前記外部電極群を構成する外部電極の数が、少なくとも二種類以上の異なるものであり、前記高周波電源から供給する電力をそれに合わせて変化させてなることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第8の発明は、第1の発明において、複数のチャンバーを回転基台に所定間隔を持って円環状に配置されてなると共に、回転基台が一回りする間に、容器の供給工程、容器内の真空排気工程、容器内への放電工程及び容器の排出工程を完了してなり、且つ2以上のチャンバー内に設けられる外部電極群同士と、他の2以上のチャンバー内に設けられる外部電極群同士とがスイッチを介して1つの高周波電源と連結する際に、1つのチャンバー群が放電工程内に存在する場合に、高周波電源と通電すると共に、他の1つチャンバー群が放電工程以外の工程に位置するように存在してなることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第9の発明は、第8の発明において、前記他の2以上のチャンバーからなるチャンバー群が、少なくとも二以上であることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第10の発明は、第8の発明において、前記チャンバー群を構成するチャンバーの数が、少なくとも二種類以上の異なるものであり、前記高周波電源から供給する電力をそれに合わせて変化させてなることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第11の発明は、第1乃至10のいずれか一つの発明において、前記バリヤ膜は炭素を主成分の一つとして含む膜であることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
第12の発明は、第1乃至11のいずれか一つの発明において、前記バリヤ膜はSiを主成分の一つとして含む膜であることを特徴とするバリヤ膜形成装置にある。
本発明によれば、複数の容器を連続して成膜する際に、プラズマ放電の着火のタイミン
グを合わせることができ、かつ、その後の放電電流、放電電圧が均一となるようにして良
好な成膜を行うことができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係るバリヤ膜形成装置について、図面を参照して説明する。
図1−1、1−2は同軸線路を用いた整合器、チャンバーおよび該チャンバー内に設けられる外部電極の接続状態を示す模式図であり、図2は、実施例1に係るバリヤ膜形成装置を示す概略図である。 図2に示すように、本実施例に係るバリヤ膜形成装置10Aは、被処理物である例えばプラスチック容器(以下、「容器」という)12を取り囲む大きさの空洞を有する外部電極13と、前記容器12の口部11が位置する側の前記外部電極13の端面に絶縁部材26を介して取り付けられ、容器12内部を、排気管14を介して減圧する図示しない排気手段と、前記外部電極13内の前記容器12内に、前記排気管14側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガス15を吹き出すためのガス吹出し孔16と、前記外部電極13と接地電極である内部電極17間に電界を付与するための高周波電源18aと整合器18bとからなる電界付与手段18とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、前記高周波電源18aからの電力を複数の外部電極へ供給する同軸線路62(本実施例では3本)の電力分岐部(図中黒丸で示す。)61と、複数の外部電極への各電力接続部(図中白丸で示す。)63との線路長Lは、全て同じ長さ(例えばL1=L2=L3)であると共に、電気長(L/λg)は、
略(N/4)・・・(1)
の関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、N=2n又はN=2n+1、nは整数である。)を有するものである。
なお、図2に示すようにチャンバー22内には外部電極(外部電極(上部)13−1と外部電極(下部)13−2とから構成される)13が設けられている。
ここで、図3に示すように、式(1)において、N=2nの場合は偶数となり、各接続部点において、電圧が等しくなる。
また、式(1)において、N=2n+1の場合は奇数となり、各接続部点において、電流が等しくなる。
次に、前記式(1)において、N=2n+1の場合において奇数となり、各接続部点において、電流が等しくなる場合について説明する。
本実施例では、図1−1に示すように、前記高周波電源18aから連結する整合器18bからの電力を複数の外部電極(上部)13−1へ供給する同軸線路62−1、62−2、62−3の電力分岐部(図中黒丸で示す。)61と、複数の外部電極への各電力接続部(図中白丸で示す。)63との線路長(L)は、全て同じ長さ(L1=L2=L3)であると共に、電気長(L/λg)は、略(1/4+n×1/2)の関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、nは整数である。)を有するようにしている。
なお、実際には図1−2に示すように、同軸線路62はコネクタ41等の接続部材を介し、その中心導体62bが外部電極(上部)13−1上の電力接続部63に接続されているので、それらの接続長(α1+α2)と真の同軸線路の線路長L'とを合わせたものが線路長である。
すなわち、それぞれの部分での伝搬波長を考慮し、(L'/λg)+(α1/λg1)+(α2/λg2)は、略(1/4+n×1/2)となる。
ここで、前記整合器18bの出力部に設けた電力分岐部61に、同軸線路62(同軸ケーブルまたは同軸管)を複数本(本実施例では3本)62−1、62−2、62−3接続し、該同軸線路62−1、62−2、62−3のそれぞれをチャンバー22−1、22−2、22−3内の外部電極(上部)13−1−1、13−1−2,13−1−3にそれぞれ接続する。
前記同軸線路62−1、62−2、62−3の線路長は、3本とも全て同じ(L1=L2=L3)とすると共に、電力分岐部61からチャンバー22内の外部電極(上部)13−1上の電力接続部63までの電気長が略(1/4+n×1/2)とする。
ここで、nは整数であり、電気長(L/λg)は実際の線路長Lを、供給するRF電力の線路内伝搬波長λgで割ったもので、線路内伝搬波長λgが線路の部分部分で異なる場合は、それぞれの部分を別々に計算して足し合わせたものである。
一般の同軸ケーブルの場合、線路内伝搬波長λgは、真空中の波長λ0に短縮率1/√(εr)を掛けたものである。たとえばポリエチレンを内部の絶縁体に用いた同軸ケーブルの場合、λg=λ0・(1/√(εr))≒0.67λ0である。
また、本実施例では外部電極13を遮蔽するようにチャンバー22を用いているので、図2に示すように、前記チャンバー22は容器12を取り囲む外部電極13を支持すると共に、配管部材14で接地されており、同軸線路62は接続部材41a及び41bからなるコネクタ41を介して、前記外部導体62aが直接あるいは間接的に接地部材に接続され、その中心導体62bが外部電極13に接続されている。
そして、線路長Lが(1/4+n×1/2)×(λg)の複数の同軸線路の片端をお互いに一点で接続し電力を供給すると、図3に示すように、その点ではすべての同軸線路の電圧が等しいので、他端では電流が等しい状態となる。
そして、他端は個々のチャンバー22(内の外部電極13:図2参照)であり、放電電流をすべてのチャンバー22で等しくすることができ、容器内部で均等なプラズマを発生させることができる。
もし、一つのチャンバーで放電が早く着火するなどの原因で電流が大きくなると、全チャンバーの電流が同時に大きくなる(このとき、他端の電力分岐点では電圧が高くなっている)か、あるいはそのチャンバーの電流増加が抑制されて、結果として全チャンバーの放電電流が一定に維持される。このため、チャンバー間の放電着火遅れがほとんど無くなり、ほぼ同時に着火する。
また、着火後も放電電流がほぼ等しい状態が保たれる。
次に、N=2nの偶数となり、各接続部点において、電圧が等しくなる場合について説明する。
本実施例では、図1に示すように、前記高周波電源18aからの電力を複数の外部電極へ供給する同軸線路62−1、62−2、62−3の電力分岐部(図中黒丸で示す。)61と、複数の外部電極への各電力接続部(図中白丸で示す。)63との線路長(L)は、全て同じ長さ(L1=L2=L3)であると共に、電気長(L/λg)は、略(n×1/2)の関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、nは整数である。)を有するようにしている。
前記電気長が略(n×1/2)の複数の同軸線路の片端をお互いに一点で接続し電力を供給すると、その供給点ではすべての同軸線路の電圧が等しいので、他端の接続点でも電圧が等しい状態となる。他端は個々の外部電極であり、放電電圧をすべての外部電極で等しくすることができ、均等なプラズマを発生させることができる。
その結果として当該外部電極に放電が集中することが無くなる。よって、外部電極間の放電着火遅れがほとんど無くなり、ほぼ同時に着火することとなる。また、着火後も放電電圧がほぼ等しい状態が保たれる。
なお、本発明のように電気長を(N/4)とする分配法は、負荷が同一の固定インピーダンスである場合や、一つの負荷への給電に用いる場合は、文献等に提案があるが、本発明のように独立した電極への均等給電の例は本発明が初めてであり、これにより均質な放電着火が可能となる。
以下、図2に示す成膜装置の構成について更に詳細に説明する。
図2に示すように、本実施例にかかるバリヤ膜形成装置10Aの前記外部電極13は、上下端にフランジ22a,22bを有する筒状のチャンバー22内に設けられている。また、円板状の絶縁板24は、基台23と前記外部電極(下部)13−2の底部側との間に配置されている。外部電極(上部)13−1と有底の外部電極(下部)13−2とを分離可能とするのは、容器12の挿入に際して外部電極全体を降下させる場合に較べて、降下のストロークを軽減させ、装置のコンパクト化を図るためである。
また、前記筒状のチャンバー22も前記外部電極13と同様に、二分割可能としてチャンバー(上部)22−1とチャンバー(下部)22−2とから構成されている。
ここで、前記チャンバー22の材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス等の断面が矩形又は円形状の筒体であり、外部電極の全体を覆い、電磁波を遮蔽している。また、チャンバー22はアースに接地された排気管14に接続され、アース電位となっている。なお、容器を挿入する場合には、チャンバー(下部)22−2と外部電極(下部)13−2とは、絶縁板24及び基台23と一体となって昇降している。
なお、本実施例では、チャンバー22を用いて外部電極全体を覆い、電磁波を遮蔽するようにしているが、これを用いないものであってもよい。
また、前記排気管14は、上下に上部フランジ14a及び下部フランジ14bを有しおり、下部フランジ14bからチャンバー22の上フランジ22aを介してチャンバー22が垂下されている。なお、蓋体32は、前記排気管14の上部フランジ14aに取り付けられている。
ここで、前記チャンバー22は、筒状としており、導電性の材料(アルミニウム、ステンレス、銅、真鍮等の導電部材)からなり、電磁波のシールド及び高周波のアースとして機能するアースシールドの役割も兼ねている。また、無垢材料、メッシュ、パンチングメタル等から構成されている。なお、形状は、円筒状、角状等の筒状体としている。
また、前記外部電極13、前記絶縁板24及び前記基台23は、図示しないプッシャーにより一体的に上下動自在となっている。そして、容器内への成膜の際には、外部電極(下部)13−2を下降させて、前記外部電極(下部)13−2の底部空間内に容器12を配設した後に、上昇させ、次いで内部電極17を挿入するようにしている。
一方、成膜後の場合には真空状態を解除した後、外部電極(下部)13−2を下降させて、容器12を排出する。
また、本実施例では、内部に挿入される容器12の口部11および肩部に対応する円柱および円錐台を組み合わせた形状をなす空洞部を有する誘電体材料からなる円柱状のスペーサ25が外部電極13の内側に配設されている。前記円板状のスペーサ25は、この上に載置される環状の絶縁部材26から螺着されたねじ(図示せず)により固定されている。このように円柱状のスペーサ25を前記外部電極13の上部に挿入固定することにより、前記外部電極13の底部側から容器12を挿入すると、その容器12の口部および肩部が前記円板状のスペーサ25の空洞部内に位置し、かつこれ以外の容器12の外周が前記外部電極13内面に位置する。
前記円板状のスペーサ25を構成する誘電体材料としては、例えばプラスチックまたはセラミックを挙げることができる。プラスチックとしては、種々のものを用いることができるが、特に高周波損失が低く、耐熱性の優れたポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂が好ましい。セラミックとしては、高周波損失が低いアルミナ、ステアタイトまたは機械加工性が高いマコール(登録商標)が好ましい。
高周波電力を出力する高周波電源18aは、同軸線路62を通して前記外部電極13に接続されている。整合器18bは、前記高周波電源18aと前記外部電極13との間の前記同軸線路62に介装されている。
前記内部電極17は、前記外部電極13及び円板状のスペーサ25内に挿入された容器12内にこの容器長手方向のほぼ全長に亙って配置され、その上端が前記容器12の口部側に位置する前記ガス流路37と兼用している。なお、ガス流路37が接地端子を兼ねるようにしている。また、内部電極17の長さはこれより短くても良い。ボトルの全長の1/4程度以下になると、内部電極17よりも排気管14内面の方が接地電極としての機能を支配的に果たすようになり、内部電極はガス供給の機能が主となる。
なお、ガス吹出し孔16は前記内部電極17の下部側壁にガス流路37と連通するように開口してもよい。この場合、ガス吹出し孔は前記内部電極17の底部から前記容器12内に挿入された長さの25%までの範囲内の側面領域に開口するようにしてもよい。前記内部電極17の径は、プラスチック容器の口金径以下とし、その長さは容器12の長手方向のほぼ全長にわたって挿入可能な長さとする。
前記内部電極17は、例えばタングステンやステンレス鋼のような耐熱性を有する金属材料により作られるが、アルミニウムで作ってもよい。また、内部電極表面が平滑であると、その表面に堆積する炭素膜を剥離し易くなる虞がある。このため、内部電極17の表面を予めサンドブラスト処理し、表面粗さを大きくして表面に堆積する炭素膜を剥離し難くすることが好ましい。
次に、図2に示すバリヤ膜形成装置を用いて内面炭素膜被覆プラスチック容器の製造方法を説明する。
図示しないプッシャーにより外部電極(下部)13−2、絶縁板24及び基台23を取り外して外部電極(上部)13−1の底部を開放する。つづいて、容器12を外部電極(下部)13−2に配設し、この状態で上昇させて、外部電極(上部)13−1の開放側からその容器12の口部側から挿入することによって、図2に示すように容器12を前記外部電極13の空洞内に収納する。このとき、前記容器12は排気管14にその口部11を通して連通される。
次いで、図示しない排気手段によりガス排気管14を通して前記容器12内外のガスを排気する。つづいて、媒質ガス15を内部電極17のガス流路37に供給し、この内部電極17の底部に挿着した絶縁材料からなるガス吹き出し孔16から容器12内に吹き出させる。この媒質ガス15は、さらに容器12の口部に向かって流れていく。つづいて、ガス供給量とガス排気量のバランスをとり、前記容器12内を所定のガス圧力に設定する。
次いで、高周波電源18aから例えば周波数13.56MHzの高周波電力を、整合器18bから同軸線路62を通して前記外部電極13に供給する。このとき、前記内部電極17の周囲にプラズマが生成される。このようなプラズマの生成によって、媒質ガス15が前記プラズマで解離されて前記外部電極13内の容器12内面に均一厚さで均質な炭素膜がコーティングされる。なお、本発明では周波数は高周波(3〜30MHz)以外の周波数であってもよい。
炭素膜の厚さが所定の膜厚に達した後、前記高周波電源18aからの高周波電力の供給を停止し、媒質ガスの供給の停止、残留ガスの排気を行い、ガスの排気を停止した後、窒素、希ガス、又は空気等を前記内部電極17のガス流路37及びガス吹き出し孔16を通して容器12内に供給し、この容器12内外を大気圧に戻し、内面炭素膜被覆プラスチック容器を取り出す。その後、前述した順序に従って容器12を交換し、次のペットボトルのコーティング作業へ移る。
ここで、複数(例えば3台)の成膜を行う際に、前記外部電極13と整合器18bの分岐部61からの距離がこれらの各線路長Lは、全て同じ長さ(L1=L2=L3)であると共に、前記電気長(L/λg))は略(N/4)・・・式(1)の関係(ここで、N=2n又N=2n+1、nは整数である。)を有するものである場合、式(1)において、N=2nの場合は偶数となり、各接続部点において、電圧が等しくなり、安定したタイミングで放電の着火が可能となり、その後の放電電流、放電電圧が均一となる。
また、式(1)において、N=2n+1の場合は奇数となり、各接続部点において、電流が等しくなり、安定したタイミングで放電の着火が可能となり、その後の放電電流、放電電圧が均一となる。
ここで、本発明で得られる炭素を主成分の一つとして含むバリヤ膜とは、具体的にはアモルファスカーボン膜をいい、ダイヤモンド成分(炭素原子の結合がSP3結合)とグラファイト成分(炭素原子の結合がSP2結合)、ポリマー成分(炭素原子の結合がSP1合)が混在したアモルファス状の構造を有する炭素膜のことである。前記アモルファスカーボン膜は、それぞれの炭素原子の結合成分の存在比率の変化により硬度が変化し、硬質の炭素膜及び軟質の炭素膜を含むものをいう。また、前記硬質の炭素膜には、SP3結合を主体にしたアモルファスなDLC(Diamond Like Carbon)膜も含まれる。
また、ケイ素(Si)を主成分としたバリヤ膜であってもよい。
次に、本発明の成膜装置を回転式の成膜装置に適用した一例について説明する。
図4は、実施例1に係るロータリー式のバリヤ膜形成装置の概略図である。図5は、図4の接続状態を示す概略図である。図6は、図4の電力供給配置を示す概略図である。
本実施例では、チャンバーを3台同じ同軸線路で連結し、整合器に接続している様子を示している。なお、チャンバー22内の数字は30台のチャンバーの連続番号である。
そして、ユニットIでは、3台のNo1〜No3のチャンバー22と整合器36−1aとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、3台のNo16〜No18のチャンバー22と整合器36−1bとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、これらがスイッチ60−1を介してスイッチングされて第1の高周波電源18−1からチャンバー22内の外部電極13(図2参照、以下同様)に高周波電力を供給するようにしている。
同様にして、ユニットIIでは、3台のNo4〜No6のチャンバー22と整合器36−2aとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、3台のNo19〜No21のチャンバー22と整合器36−2bとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、これらがスイッチ60−2を介してスイッチングされて第2の高周波電源18−2からチャンバー22内の外部電極13に高周波電力を供給するようにしている。
同様にして、ユニットIIIでは、3台のNo7〜No9のチャンバー22と整合器36−3aとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、3台のNo22〜No24のチャンバー22と整合器36−3bとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、これらがスイッチ60−3を介してスイッチングされて第3の高周波電源18−3からチャンバー22内の外部電極13に高周波電力を供給するようにしている。
同様にして、ユニットIVでは、3台のNo10〜No12のチャンバー22と整合器36−4aとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、3台のNo25〜No27のチャンバー22と整合器36−4bとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、これらがスイッチ60−4を介してスイッチングされて第4の高周波電源18−4からチャンバー22内の外部電極13に高周波電力を供給するようにしている。
同様にして、ユニットVでは、3台のNo13〜No15のチャンバー22と整合器36−5aとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、3台のNo28〜No30のチャンバー22と整合器36−5bとが同軸線路62で連結されてチャンバー群を構成し、これらがスイッチ60−5を介してスイッチングされて第5の高周波電源18−5からチャンバー22内の外部電極13に高周波電力を供給するようにしている。
これにより、高周波電源が5台、それに接続された2系統スイッチが各1台で合計5台、それに接続された整合器が各2台で合計10台、それに接続された前記同軸線路が各3系統で合計30系統配置されており、当該同軸線路62のそれぞれがそれぞれの放電チャンバーと接続されている。
このようなロータリー装置100において、容器供給部101で容器12が供給され、チャンバー開閉部102において、開放されたチャンバー内に容器が挿入され、真空排気部103において、チャンバー内を真空とし、放電部104において、放電するようにしている。この際、図6に示すように、例えばユニットVのNo30、29、28の全てのチャンバーが放電部104内に入った際に、高周波電源をONにしてチャンバー22内の外部電極13に高周波電力を供給して放電を均一に発生するようにし、成膜を開始するようにしている。
そして、ユニットIIのNo21、20、19のチャンバーが、放電部104の領域の最後に到達した際に、高周波電源をOFFにして高周波電力の供給を停止している。
この構成により、高周波電源からチャンバー22内の外部電極13に高周波電力をある1つのユニットに供給している間は、該高周波電源に接続された対向するユニットには電源を供給するようなことはない。
そして、同軸線路は、高周波電源からの高周波電力が各チャンバー22内の外部電極13の接続点において、電流が同じ又は電圧を同じとしているので、チャンバー22内の外部電極13に間の放電着火遅れがほとんどなくなり、ほぼ同時に着火することとなる。この結果、複数チャンバーを用いた場合でも、容器内に均一な成膜が可能となる。
この結果、30台のチャンバーを用いた場合でも、5台の高周波電源で済むこととなり、放電の着火安定性を確保すると共に、装置の簡素化を図ることができる。また、配線も同軸ケーブル等のようなフレキシブルであるので、スペースを必要とせず、しかもメンテナンスが容易となる。
なお、本実施例ではチャンバーを3台からなる群としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2台又は3台以上としてもよい。この場合には、電界付与手段からの供給する電力は、接続する台数の数に応じて適宜変化させるようにすればよい。
図7はチャンバーを36台用いて、高周波電源1台に対して、3台のチャンバーからなる群を3セット接続した場合である。
図8は各ユニットI〜IVのロータリー装置での配置を示しており、例えばユニットIVが放電部104の領域内に入った際に、高周波電源をONにしてチャンバー22内の外部電極13に供給し、ユニットIが放電部104の領域の最後に達した際に、高周波電源をOFFにしている。
この構成により、高周波電源から高周波電力をある1つのユニットに供給している間は、該高周波電源に接続された他のユニットには電源を供給するようなことはない。
また、図9に示すように、図8に示したロータリー装置のユニットIVにおいて、3台のチャンバーからなる群が2セットの場合には、電界付与手段である第3の高周波電源18−4からの電力の供給を停止するようにすればよい。
さらに、図10に示すように、ロータリー装置のユニットIにおいて、接続するチャンバーの台数が異なる場合には、それぞれの数に応じた電力を供給するよう変化させるようにすればよい。具体的には、3台のチャンバー(No1、2、3)の電力を1とした場合に、2台のチャンバー(No4、5)に対してはその1/2を、1台のチャンバー(No6)に対してはその1/3をそれぞれスイッチングの際に調整して供給するようにすればよい。
次に、本発明の第2の実施例にかかるバリヤ膜形成装置について説明する。
図11は第2の実施例にかかるバリヤ膜形成装置の概略図である。図11に示すように、本実施例にかかるバリヤ膜形成装置10Bは、図2に示したチャンバー22を4台からなる固定式の成膜装置である。本実施例では、1台の高周波電源18a及び1台の整合器18bからなる電界付与手段18と、2本の同軸線路70−1、70−2が接続された1台の2系統の切り替えのスイッチ71と、2本の同軸線路70−1、70−2の2個所の電力分岐部72−1、72−2から分岐された計4本の同軸線路73−1、73−2、73−3、73−4と、この4本の同軸線路に電力接続点74−1、74−2、74−3、74−4で接続されたチャンバー22−1、22−2、22−3、22−4とから構成されている。
ここで、複数(本実施例では4台)の成膜を行う際に、前記チャンバー22−1〜22−4と分岐部72−1、72−3からの距離が、全て同じ長さであると共に、前記電気長は略(N/4)・・・式(1)の関係(ここで、N=2n又N=2n+1、nは整数である。)を有するものである場合、式(1)において、N=2nの場合は偶数となり、各接続部点において、電圧が等しくなり、安定したタイミングで放電の着火が可能となる。また、式(1)において、N=2n+1の場合は奇数となり、各接続部点において、電流が等しくなり、安定したタイミングで放電の着火が可能となり、その後の放電電流、放電電圧が均一となる。
次に、本発明の第3の実施例にかかるバリヤ膜形成装置について説明する。
図12は第3の実施例にかかるバリヤ膜形成装置の概略図である。
本実施例では、同軸線路の単部にコイルを設けたものであり、他の構成は実施例2と同様である。
図12に示すように、本実施例にかかるバリヤ膜形成装置10Cは、実施例2のバリヤ膜形成装置10Bにおいて、計4本の同軸線路73−1、73−2、73−3、73−4のチャンバー接続側に、コイル80−1、80−2、80−3、80−4を設けている。
このように、計4本の同軸線路73−1、73−2、73−3、73−4のチャンバー接続側に、コイル80−1、80−2、80−3、80−4を設けているので、同軸線路先端の電圧が等しいため、もし一つのチャンバー22内の外部電極13にの放電開始が早く放電電流が大きくなると、コイルに逆起電力が生じ、チャンバーにかかる電圧が低くなり、当該チャンバー22内の外部電極13に放電電流が集中するのを防ぐことができる。
このため、チャンバー22内の外部電極13間の放電着火遅れがほとんど無くなり、ほぼ同時に着火することができる。
また、着火後も放電電流がほぼ等しい状態が保たれる。
ここで、良好な効果が得られるコイルのインピーダンスはチャンバー22内の外部電極13によって異なるが、例えば0.1Ω〜10Ωの範囲とするのが好ましい。
前述した各実施例では、容器内面へのバリヤ膜の被覆について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、容器の外面へのバリヤ膜の複数のチャンバーを用いた連続被覆や、容器以外の被覆対象の基材についても適用することができる。
ここで、本発明で基材とは、いわゆるプラスチック等の樹脂基材の他にガラス基材、セラミック基材、紙基材等を例示することができる。
また、この樹脂、ガラス、セラミック基材には、例えば発光層、電極層等の電子材料を有するものであってもよい。例えば電子材料としては、有機EL(Organic Electro Luminescence、又は、OLED(Organic Light Emitting Diode)ともいう。)又は無機EL基板の保護膜としてアモルファスカーボン膜を用いるようにしてもよい。
また、有機トランジスタ等の有機電子デバイスにおいて、機能材料を水分や酸素等から保護する必要性の高い保護膜として用いるようにしてもよい。
なお、前記容器としては、例えばガソリンタンク等の燃料を充填する容器等を挙げることができる。また、それ以外の容器としては、例えば医薬品用プラスチック容器、食品用プラスチック容器を挙げることができる。また、容器以外には、フィルム等に対するガスバリア膜として有効である。
ここで、前記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等の公知の材料を例示することができる。
また、有機トランジスタ等の有機電子デバイスにおいて、機能材料を水分や酸素等から保護する必要性の高い保護膜として用いるようにしてもよい。
以上のように、本発明に係るバリヤ膜形成装置は、複数の容器を連続して成膜する際に、プラズマ放電の着火のタイミングを合わせることができ、容器の表面にバリヤ膜を大量に被覆する製造設備に用いて適している。
実施例1に係るバリヤ膜形成装置の接続状態の概略図である。 実施例1に係るバリヤ膜形成装置の接続状態の概略図である。 実施例1に係るバリヤ膜形成装置の概略図である。 同軸線路の分岐部と接続部との電圧と電流の関係図である。 実施例1に係るロータリー式のバリヤ膜形成装置の概略図である。 図4の接続状態を示す概略図である。 図4の電力供給配置を示す概略図である。 実施例1の他のロータリー式のバリヤ膜形成装置の接続状態を示す概略図である。 図7の電力供給配置を示す概略図である。 実施例1の他のロータリー式のバリヤ膜形成装置の接続状態を示す概略図である。 実施例1の他のロータリー式のバリヤ膜形成装置の接続状態を示す概略図である。 実施例2の他固定式のバリヤ膜形成装置の接続状態を示す概略図である。 実施例3の他固定式のバリヤ膜形成装置の接続状態を示す概略図である。
10A〜10C バリヤ膜形成装置
11 口部
12 プラスチック容器
13 外部電極
14 排気管
15 媒質ガス
16 ガス吹出し孔
17 内部電極
18a 高周波電源
18b 整合器
18 電界付与手段
61 電力分岐部
62 同軸線路
63 電力接続部

Claims (12)

  1. 被処理物である容器を1つずつ取り囲む大きさの空洞を有する複数の外部電極と、前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられ、容器内部を、接地された排気管を介して減圧する排気手段と、
    前記外部電極内の前記容器内に、それぞれ前記排気管側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガスを吹き出すためのガス吹出し部と、
    前記排気管に接続されて接地された前記ガス吹き出し部を兼ねる内部電極、または、前記接地された排気管の内面の少なくともどちらかを接地電極とし、
    前記外部電極と前記接地電極間に電界を付与するための高周波電源とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、
    前記高周波電源からの複数の外部電極への電力の供給は、少なくとも電力分岐部、同軸線路、および、それぞれの外部電極への電力接続部を介してなり、
    前記同軸線路の中心導体はチャンバー内に設けられる前記外部電極上の前記電力接続部にて前記外部電極に接続され、
    前記同軸線路の外部導体は前記チャンバーに接続することで接地され、
    前記高周波電源からの電力を複数の外部電極へ供給する前記同軸線路の前記電力分岐部と、複数の外部電極への前記電力接続部との線路長(L)は、全て同じ長さであると共に、
    電気長(L/λg)は、(N/4)と略等しい関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、N=2n又はN=2n+1、nは整数である。)を有することを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  2. 被処理物である容器を1つずつ取り囲む大きさの空洞を有する複数の外部電極と、
    前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられ、
    容器内部を、接地された排気管を介して減圧する排気手段と、
    前記外部電極内の前記容器内に、それぞれ前記排気管側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガスを吹き出すためのガス吹出し部と、
    前記排気管に接続されて接地された前記ガス吹き出し部を兼ねる内部電極、または、前記接地された排気管の内面の少なくともどちらかを接地電極とし、
    前記外部電極と前記接地電極間に電界を付与するための高周波電源とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、
    前記高周波電源からの複数の外部電極への電力の供給は、少なくとも電力分岐部、同軸線路、および、それぞれの外部電極への電力接続部を介してなり、
    前記同軸線路の中心導体はチャンバー内に設けられる前記外部電極上の前記電力接続部にて前記外部電極に接続され、
    前記同軸線路の外部導体は前記チャンバーに接続することで接地され、
    前記高周波電源からの電力を複数の外部電極へ供給する前記同軸線路の前記電力分岐部と、複数の外部電極への前記電力接続部との線路長(L)は、全て同じ長さであると共に、
    電気長(L/λg)は、(1/4+n×1/2)と略等しい関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、nは整数である。)を有することを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  3. 被処理物である容器を1つずつ取り囲む大きさの空洞を有する複数の外部電極と、
    前記容器の口部が位置する側の前記外部電極の端面に絶縁部材を介して取り付けられ、
    容器内部を、接地された排気管を介して減圧する排気手段と、
    前記外部電極内の前記容器内に、それぞれ前記排気管側から挿入され、バリヤ膜生成用の媒質ガスを吹き出すためのガス吹出し部と、
    前記排気管に接続されて接地された前記ガス吹き出し部を兼ねる内部電極、または、前記接地された排気管の内面の少なくともどちらかを接地電極とし、
    前記外部電極と前記接地電極間に電界を付与するための高周波電源とを具備してなるバリヤ膜形成装置であって、
    前記高周波電源からの複数の外部電極への電力の供給は、少なくとも電力分岐部、同軸線路、および、それぞれの外部電極への電力接続部を介してなり、
    前記同軸線路の中心導体はチャンバー内に設けられる前記外部電極上の前記電力接続部にて前記外部電極に接続され、
    前記同軸線路の外部導体は前記チャンバーに接続することで接地され、
    前記高周波電源からの電力を複数の外部電極へ供給する前記同軸線路の前記電力分岐部と、複数の外部電極への前記電力接続部との線路長(L)は、全て同じ長さであると共に、
    電気長(L/λg)は、(n×1/2)と略等しい関係(ここで、λgは線路内伝搬波長であり、nは整数である。)を有することを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記同軸線路の先端にコイルを設けてなることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    複数の外部電極を回転基台に所定間隔を持って円環状に配置されてなると共に、
    回転基台が一回りする間に、容器の供給工程、容器内の真空排気工程、容器内への放電工程及び容器の排出工程を完了してなり、且つ
    2以上の外部電極からなる外部電極群同士と、他の2以上の外部電極からなる外部電極群同士とがスイッチを介して1つの高周波電源と連結する際に、1つの外部電極群が放電工程内に存在する場合に、高周波電源と通電すると共に、
    その他の1つの外部電極群が放電工程以外の工程に位置するように存在してなることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  6. 請求項5において、
    前記他の2以上の外部電極からなる外部電極群が、少なくとも二以上であることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  7. 請求項5において、
    前記外部電極群を構成する外部電極の数が、少なくとも二種類以上の異なるものであり、前記高周波電源から供給する電力をそれに合わせて変化させてなることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  8. 請求項1において、
    複数のチャンバーを回転基台に所定間隔を持って円環状に配置されてなると共に、
    回転基台が一回りする間に、容器の供給工程、容器内の真空排気工程、容器内への放電工程及び容器の排出工程を完了してなり、且つ
    2以上のチャンバー内に設けられる外部電極群同士と、他の2以上のチャンバー内に設けられる外部電極群同士とがスイッチを介して1つの高周波電源と連結する際に、1つのチャンバー群が放電工程内に存在する場合に、高周波電源と通電すると共に、
    他の1つのチャンバー群が放電工程以外の工程に位置するように存在してなることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  9. 請求項8において、
    前記他の2以上のチャンバーからなるチャンバー群が、少なくとも二以上であることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  10. 請求項8において、
    前記チャンバー群を構成するチャンバーの数が、少なくとも二種類以上の異なるものであり、前記高周波電源から供給する電力をそれに合わせて変化させてなることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一つにおいて、
    前記バリヤ膜は炭素を主成分の一つとして含む膜であることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一つにおいて、
    前記バリヤ膜はSiを主成分の一つとして含む膜であることを特徴とするバリヤ膜形成装置。
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