JP2011146409A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波電力の入力パワーに対して、プラズマ発生効率が良好で、エッチング速度が早く、スループットが高いプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】処理物(6)をプラズマ室(33b)にセットし、誘導結合コイル(4)を誘電板(34)を隔ててプラズマ室(33b)に隣接して設け、誘導結合コイル(4)に高周波電力を印加してプラズマ室(33b)にプラズマを発生させて処理物(6)を処理する。コイル室(33a)の内部はプラズマが発生しない放電限界圧力に減圧されており、誘電板(34)の厚みを従来に比べて薄くでき、誘導結合コイル(4)で生成する電磁波の誘電板(34)での減衰を低減して、プラズマ発生の効率を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】処理物(6)をプラズマ室(33b)にセットし、誘導結合コイル(4)を誘電板(34)を隔ててプラズマ室(33b)に隣接して設け、誘導結合コイル(4)に高周波電力を印加してプラズマ室(33b)にプラズマを発生させて処理物(6)を処理する。コイル室(33a)の内部はプラズマが発生しない放電限界圧力に減圧されており、誘電板(34)の厚みを従来に比べて薄くでき、誘導結合コイル(4)で生成する電磁波の誘電板(34)での減衰を低減して、プラズマ発生の効率を向上させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体および電子部品の製造などにおいて使用されているプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法に関するものである。
近年、電子機器の薄型化と共に、半導体装置の高密度実装化に対する要求が強くなっている。更に、微細加工技術の進歩による半導体装置の高集積化と合わせて、チップサイズパッケージ又はベアチップの半導体装置を直接に実装する、いわゆるチップ実装技術が提案されている。
例えば光学デバイスでは、光学デバイスの表面から光の信号の入出力が実行され、光学デバイスの裏面にはプリント基板からの電気信号用の端子が必要であるため、チップ実装の1種であるチップ積層をするために貫通電極を形成することが提案されている。
この貫通電極の製造方法は特許文献1などに記載されている。図8(a)に示すように表面がシリコン酸化膜24で覆われた半導体基板25に図8(g)に示すように貫通電極26を形成する場合には、次のように加工されている。
先ず図8(b)に示すように、シリコン酸化膜24に形成した孔27から図8(c)に示すように一方のシリコン酸化膜24から他方のシリコン酸化膜24に達する孔28を、ドライエッチングなどで開ける。そして図8(d)に示すように孔28の孔壁にCVDで絶縁膜29を形成する。図8(e)では、前記他方のシリコン酸化膜24の上に金属薄膜30,31を形成する。図8(f)では、孔28の端部のシリコン酸化膜24を除去する。図8(g)では、孔28にスパッタ、メッキなどで導電性物質を充填することによって貫通電極26を形成している。
図8(c)おける孔28の形成には、開口部の加工精度、底部のパッド・酸化膜の低ダメージ、側壁の平滑性、スループットが重要であるため、ドライエッチングが用いられている。
図9にプラズマ処理装置によるドライエッチング装置を示す。
このドライエッチング装置では、真空容器1の上部に誘電板5を介して誘導結合コイル4が設置されている。エッチングしようとする処理基板6は、真空容器1の内部の電極7の上にセットされている。真空容器1の内部へガス導入配管14からフッ素系ガスを導入しつつ、真空容器1の内部を圧力コントローラ10とターボ分子ポンプ11によって所定の圧力に制御している。この状態で誘導結合コイル4と電極7の間に、高周波電源2,9によって高周波電力を印加して、真空容器1の内部にプラズマを発生させ、処理基板6または処理基板6上の膜がエッチングされる。
このドライエッチング装置では、真空容器1の上部に誘電板5を介して誘導結合コイル4が設置されている。エッチングしようとする処理基板6は、真空容器1の内部の電極7の上にセットされている。真空容器1の内部へガス導入配管14からフッ素系ガスを導入しつつ、真空容器1の内部を圧力コントローラ10とターボ分子ポンプ11によって所定の圧力に制御している。この状態で誘導結合コイル4と電極7の間に、高周波電源2,9によって高周波電力を印加して、真空容器1の内部にプラズマを発生させ、処理基板6または処理基板6上の膜がエッチングされる。
高周波電源9は、真空容器1の内部のプラズマに存在しているイオンの引き込みのために電極7に高周波電力を印加している。3,8はマッチングボックスである。
前記フッ素系ガスはSF6とO2の混合ガスである。SF6流量1400sccm、O2流量100sccmのガスを、それぞれガス導入配管14から真空容器1に流している。具体的には、SF6の入ったボンベ12aがマスフローコントローラ13aを介してガス導入配管14に接続されている。また、O2の入ったボンベ12bがマスフローコントローラ13bを介してガス導入配管14に接続されている。
前記フッ素系ガスはSF6とO2の混合ガスである。SF6流量1400sccm、O2流量100sccmのガスを、それぞれガス導入配管14から真空容器1に流している。具体的には、SF6の入ったボンベ12aがマスフローコントローラ13aを介してガス導入配管14に接続されている。また、O2の入ったボンベ12bがマスフローコントローラ13bを介してガス導入配管14に接続されている。
誘導結合プラズマを発生させる高周波電源2から誘導結合コイル4に5000Wの電力を印加している。誘電板5の厚みは40mmである。このときSiのエッチングレートは30μm/分である。
特許文献2では、エッチングガスとしてSF6ガスを用い、デポジションガスとしてC4F8ガスを用いて、エッチング工程とデポジション工程を数秒で繰り返しながら加工するエッチング方法でSi基板のエッチングを行っている。また、エッチングレートを向上させるために、800sccmのガス流量とコイルに印加する電力は5000Wを印加しなければならない。
特許文献3では、スパッタ装置に1ターンの誘導結合用コイルを設置しているが、スパッタ粒子をイオン化するものとして使用しており、プラズマ高密度は必要ないものである。
半導体前工程での加工寸法と貫通電極での加工寸法とを比べると、貫通電極での加工寸法の方が10〜100倍程度大きい。そのため、半導体前工程で使用されているドライエッチング、CVD技術を、貫通電極で使用した場合には、加工時間がかかり、スループットが悪くなる難点がある。
通常、エッチングレート向上を行うときは誘導結合コイルにより高出力の高周波電力を印加している。しかしながら高出力の高周波電力の印加は、マッチングボックスおよび誘導結合コイルとアースの絶縁をとることが必要になり、プラズマ処理装置が複雑な構成になる。
ドライエッチング処理時にSF6流量を上げるとエッチングレートが早くなるが、SF6の地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)は、CO2の地球温暖化係数の23900倍であり、削減が要望されている。現状ではスクラバー、フルオロカーボン除害用プラズマユニットで分解しているが、分解エネルギーが非常に高いため使用電力が増加する。
また、図9に示す従来のプラズマ処理装置では、誘導結合コイル4は真空容器1の外部に設置されており、誘電板5を介して高周波電力を印加し、プラズマを発生させている。このとき、誘導結合コイル4と真空容器1内のプラズマ発生箇所の距離が遠いため、誘導結合コイル4からの電磁波の減衰が大きい。そのため、誘導結合コイル4には高出力の高周波電力が必要である。
本発明では、このような従来の課題を解決するためのものであり、プラズマの発生効率が向上し、エッチングレートが向上したプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供することを目的としている。
本発明のプラズマ処理装置は、コイルに電力を印加して真空容器内のプラズマ室の被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理装置において、前記プラズマ室に隣接して設けられ前記コイルをその内部に有するコイル室と、前記コイル室と前記プラズマ室とを隔てる誘電板と、前記コイル室に接続されて前記コイル室の内部を排気する排気手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理方法は、コイルに電力を印加して真空容器内のプラズマ室の被処理物をプラズマ処理するに際し、前記コイルをその内部に有するコイル室を、前記プラズマ室との間を誘電板で隔てつつ前記プラズマ室に隣接して設け、前記コイル室の内部を放電限界圧力に制御しつつ前記被処理物をプラズマ処理することを特徴とする。
本発明のプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を用いることで、プラズマの発生効率が上がり、エッチングレートが向上させることができる。
以下、本発明の各実施の形態を図に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付して、適宜、説明を省略する。
(実施の形態1)
図1〜図5は本発明の実施の形態1を示す。
なお、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付して、適宜、説明を省略する。
(実施の形態1)
図1〜図5は本発明の実施の形態1を示す。
図1は本発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置を示す。
このプラズマ処理装置は、真空容器33の庫内を、誘電板34によってコイル室33aとプラズマ室33bに分けている。エッチング対象である処理基板6(被処理物)は、前記誘導板34に対向して設けられているプラズマ室33bの電極7の上にセットされている。コイル室33aには、誘導結合コイル4が前記誘導板34に対向して設けられている。2,9は高周波電源、3,8はマッチングボックスである。
このプラズマ処理装置は、真空容器33の庫内を、誘電板34によってコイル室33aとプラズマ室33bに分けている。エッチング対象である処理基板6(被処理物)は、前記誘導板34に対向して設けられているプラズマ室33bの電極7の上にセットされている。コイル室33aには、誘導結合コイル4が前記誘導板34に対向して設けられている。2,9は高周波電源、3,8はマッチングボックスである。
なお、この実施の形態では単一の真空容器33の庫内の空間を、誘電板34で隔ててコイル室33aとプラズマ室33bに区画しているが、本発明の効果を奏するには、少なくとも、誘導結合コイル4を有するコイル室33aを、誘電板34を隔てて前記プラズマ室33bに隣接して設けられている必要がある。
誘導結合コイル4の形状は図2(a)または図2(b)のような1ターンまたは複数ターンの一般的なものを用いるが、図2(c)のような螺旋状の形状や、図2(d)のような並列のコイルを並べた形状でもよい。
図1のコイル室33aは、真空ポンプとしてのターボ分子ポンプ15(第1の排気手段)によって排気される。ボンベ12a,12bからマスフローコントローラ13a,13bを介して設定流量のプロセスガスをガス導入配管14からプラズマ室33bに流すと共に、真空ポンプとしてのターボ分子ポンプ11(第2の排気手段)と圧力コントローラ10によってプラズマ室33bの内部圧力を設定圧力(40Pa)に制御する。これらの制御は、図示しない制御装置によって行われる。
誘導結合コイル4にはプラズマ室33bの圧力が安定した後に、高周波電源2から高周波電力を印加し、マッチングボックス3によりインピーダンス整合させることによってプラズマ室33bに高密度プラズマを発生させる。
高周波電源2の高周波電力の印加と同時またはその印加後に、高周波電源9から電極7に高周波電力を印加し、マッチングボックス8によってインピーダンス整合をさせ、処理基板6の方向にプラズマ中のイオンおよび電子を引き込み、処理基板6またはその上の膜をエッチングする。ここで、コイル室33aはターボ分子ポンプ15の到達圧力(0.001Pa程度)であるため、コイル室33aではプラズマが発生しない。一方、プラズマ室33bを設定圧力の40Paに制御しているため、プラズマ室33bではプラズマ放電を容易に開始させることができる。
誘電板34にはガラス、セラミックスなどを使用できる。誘電板34の厚みは、自重を支えることおよびプラズマで発生する熱による破損を防止するために熱膨張係数・ヤング率がともに小さい石英が適当である。本実施の形態1では、処理基板6の大きさはφ8インチであり、誘電板34の大きさはφ300mmのものを用いている。コイル室33aとプラズマ室33bとの圧力差が40Pa程度であるため、誘電板34としては自重に耐えるための厚みが必要なだけであり、石英の誘電板34の厚みは1mmとしている。
図8に示した従来のプラズマ処理装置における誘電板5の配置の場合には、大気圧の圧力に耐えることが必要であるため、石英の誘電板5の厚みとしては35mm程度が必要であった。それに対して、本実施の形態1の配置では誘電板34の厚みを薄くできるので、誘導結合コイル4とプラズマ室33bの距離を近づけることができ、誘電板での電磁波のロスを低減でき、プラズマ密度の効率を上げることができる。
本実施の形態1のプラズマ処理装置による具体的な加工例を図3に示す。
図3(a)はドライエッチング加工前の断面図、図3(b)はドライエッチング加工後の断面図を示す。
図3(a)はドライエッチング加工前の断面図、図3(b)はドライエッチング加工後の断面図を示す。
Si基板16上にはレジスト17が塗布されている。レジスト17を露光・現像し、ビア開口18をパターニングする。本実施の形態1のプラズマ処理装置によってビア開口18のSiをエッチング加工する。ドライエッチングを進め、図3(b)のようにレジスト側とは反対の面のパッド19とSi基板16との間にある層間絶縁膜20まで孔21が達したときエッチングを停止する。Si基板厚200μm、レジスト膜厚20μm、ビア開口18の開口加工寸法100μmとしている。層間絶縁膜20の厚みは1000nm、パッド19の材質はアルミ1μmおよびTi30nmである。
この加工例において、使用したガスはSF6が1400sccm、O2が100sccmであり、プラズマ室33bの圧力40Pa、電極7に印加した高周波電力は50Wであった。図8に示した従来のプラズマ処理装置の場合には、誘導結合コイル4に印加する高周波電力の周波数は13.56MHz、電力量5000Wであったが、この加工例では、誘導結合コイル4に印加する高周波電力は周波数13.56MHz、電力量2000Wとなった。この加工例でのSiエッチングレートは30μm/minであり、図8に示した従来のプラズマ処理装置に対して、プラズマ発生効率が向上していることがわかった。
なお、本実施の形態1での厚み1mmの石英の誘電板34の場合は、プラズマ室33bの圧力差が100Pa以下であれば、コイル室33aとプラズマ室33bの圧力が異なっていてもよい。ただし、コイル室33aの圧力とプラズマ室33bの圧力差が100Pa以上になった場合、誘電板34が圧力差によって破損する可能性があるため、100Paの圧力差が発生したときには、プラズマ室33bとコイル室33aの間のバイパスライン(図示せず)を開き、コイル室33aとプラズマ室33bの圧力差を100Pa未満にする必要がある。バイパスラインは、誘導結合コイル4に高周波電力を印加しない状態で開く必要がある。
ここで、プラズマが発生しない圧力である放電限界圧力について考察する。発明者らの実験での確認によると、コイル室33aの圧力を上昇させているときは、図4のようにコイル室33aの圧力0.5Paまではプラズマが発生しない(放電しない)ことがわかった。しかし、プラズマが一旦発生してしまうと、圧力を低下させてもプラズマが維持される。同じく発明者らの実験での確認によると、コイル室33aの圧力を減少させているときでも、図4のようにコイル室33aの圧力0.1Pa以下では全くプラズマが発生しない(放電しない)ことがわかった。本実施の形態1では、ターボ分子ポンプ15の到達圧力0.001Pa程度としているため、プラズマは発生しない。
さらに大きいφ300mmの処理基板6を誘導結合プラズマで加工する場合は、図8に示した従来のプラズマ処理装置の場合には、誘電板5の厚みが50mmとさらに厚くする必要があるが、本実施の形態1では、自重に耐える構造体である厚み2mmの誘電板34でよい。すなわち、本実施の形態1の誘電板34の厚みは、誘電板34が自重に耐える厚みでよく、真空容器33や処理基板6の径に依存する。たとえば、径が小さいφ4インチ処理基板6の場合はφ150mm程度の径の誘電板34でよく、そのとき誘電板34の厚みは0.7mm以上となればよい。径がφ300mmの誘電板34の場合は、自重に耐えるための厚みは1.5mm以上あればよい。
逆に誘導結合コイル4から交流磁界が発生し、交流磁界の強め合う位置が遠くなるほど、その強度が弱くなる。そのために、誘導結合コイル4とプラズマ発生位置をできる限り近づける必要がある。このとき交流磁界の強度を50%以上にするためには、誘電板34の厚みは15mm以下が望ましい。
処理基板6と誘電板34の距離は、プラズマ室33b内のプラズマ中のイオンが十分拡散する距離10cm以上であればよいが、誘導結合コイル4の形状を図2(a)〜(d)に示した何れかを使用することで交流磁界の強度分布・位置を変えることができる。このときに処理基板6と誘電板34の距離は10mmまで近づけることができる。
また、本実施の形態1では誘電板34が薄くなったため、図2(e)のように電流の流れる向きを反転させるコイルなどを用いることが考えられ、コイルに囲まれている部分の磁界を局所的に強め、プラズマ発生箇所を制御できる。なお、誘導結合コイル4は真空中では断熱されているため、電流を流したときに温度が上がってしまい誘電板などを破損させる可能性がある。そのため、誘導結合コイル4のコイル内部を水などの冷媒で冷却する必要がある。
なお、ここではSiエッチング加工の事例を説明したが、Siエッチング以外の材料についても有効である。
また、図1ではコイル室33aをターボ分子ポンプ15などの真空ポンプによって排気し、プラズマ室33bをコイル室33aとは別の真空ポンプによって排気したが、これに代えて図5のようにする事も可能である。図5では、ターボ分子ポンプ15を無くすと共に、コイル室33aの排気配管接続を圧力コントローラ10とターボ分子ポンプ11の間にしている。ただし、図5のような構成の場合は、コイル室33aの到達圧力が0.1Pa以下になるように設計しなければならない。なお、コイル室33aの到達圧力が0.1Paより大きくなるときは、図1のようにターボ分子ポンプ15を取り付ける必要がある。
また、図1ではコイル室33aをターボ分子ポンプ15などの真空ポンプによって排気し、プラズマ室33bをコイル室33aとは別の真空ポンプによって排気したが、これに代えて図5のようにする事も可能である。図5では、ターボ分子ポンプ15を無くすと共に、コイル室33aの排気配管接続を圧力コントローラ10とターボ分子ポンプ11の間にしている。ただし、図5のような構成の場合は、コイル室33aの到達圧力が0.1Pa以下になるように設計しなければならない。なお、コイル室33aの到達圧力が0.1Paより大きくなるときは、図1のようにターボ分子ポンプ15を取り付ける必要がある。
(実施の形態2)
図6は実施の形態2に係るプラズマ処理装置を示す。
図6の実施の形態2では、誘電板34と誘導結合コイル4の間に、ファラデーシールド(静電シールド)22が設けられている点が実施の形態1と異なる。その他は実施の形態1と同じである。ここではコイル室33aにおける誘電板34の誘導結合コイル4の側の上に、導電性の銅などの金属板22aを配置してファラデーシールド22を実現している。
図6は実施の形態2に係るプラズマ処理装置を示す。
図6の実施の形態2では、誘電板34と誘導結合コイル4の間に、ファラデーシールド(静電シールド)22が設けられている点が実施の形態1と異なる。その他は実施の形態1と同じである。ここではコイル室33aにおける誘電板34の誘導結合コイル4の側の上に、導電性の銅などの金属板22aを配置してファラデーシールド22を実現している。
誘導結合プラズマは、誘導結合コイル4のインダクタンスのため、誘導結合コイル4とマッチングボックス3の接続部Pの電圧が最も高い。そのため、前記接続部Pとプラズマ室33bで発生しているプラズマ23との容量結合が発生することによって、その容量結合の部分で誘電板34が削られてしまう。
そこでこの実施の形態2では、誘導結合コイル4と誘電板34の間にファラデーシールド22を設置することで前記容量結合の成分を緩和し、プラズマ室33bで発生しているプラズマ23との容量結合をさせないようにして、誘電板34の削れを抑制している。
なお、図6ではコイル室33aにおける誘電板34の誘導結合コイル4の側の上に、金属板22aを配置してファラデーシールド22を実現したが、誘電板34の誘導結合コイル4の側の上に、導体を蒸着させてファラデーシールド22を実現することもできる。
図7はファラデーシールド22と誘電板35の更に別の例を示す。
図7の誘電板35は、図6の誘電板34に代えて、第1,第2の誘電板35a,35bを貼り合わせて形成されている。ファラデーシールド22は第1,第2の誘電板35a,35bの間に挟み込で構成されている。2つの誘電板35a,35bの厚みは、ファラデーシールド22と誘導結合コイル4、およびファラデーシールド22とプラズマの電気的絶縁を維持するために、誘導結合コイル4に近い誘電板35aの厚みをプラズマ23に近い誘電板35bより厚くすることが好ましい。
図7の誘電板35は、図6の誘電板34に代えて、第1,第2の誘電板35a,35bを貼り合わせて形成されている。ファラデーシールド22は第1,第2の誘電板35a,35bの間に挟み込で構成されている。2つの誘電板35a,35bの厚みは、ファラデーシールド22と誘導結合コイル4、およびファラデーシールド22とプラズマの電気的絶縁を維持するために、誘導結合コイル4に近い誘電板35aの厚みをプラズマ23に近い誘電板35bより厚くすることが好ましい。
誘電板35aの厚みを誘電板35bより厚くする必要がある理由について説明する。
誘導結合コイル4には高周波電力が印加されているため、マッチングボックス3の側の誘導結合コイル4は高周波電力の印加によって約1kVの高電圧になっている。たとえば誘電板35aの材料が石英の場合、石英の絶縁破損の強さが20〜40MV/mであるため、誘導結合コイル4に1kVの電圧が印加されたときの誘電板35aの厚みは50μm以上でよいが、誘電板35aの表面のゴミがあったときに電界が集中する可能性がある。そのため、誘電板35bの厚みは1mm程度が適当である。また、誘電板35aと誘電板35bを合わせた厚みは、誘導結合コイル4で発生する交流磁界強度を落とさないように、実施の形態1で説明した誘電板33の厚み0.7mm〜15mmであるほうが望ましい。
誘導結合コイル4には高周波電力が印加されているため、マッチングボックス3の側の誘導結合コイル4は高周波電力の印加によって約1kVの高電圧になっている。たとえば誘電板35aの材料が石英の場合、石英の絶縁破損の強さが20〜40MV/mであるため、誘導結合コイル4に1kVの電圧が印加されたときの誘電板35aの厚みは50μm以上でよいが、誘電板35aの表面のゴミがあったときに電界が集中する可能性がある。そのため、誘電板35bの厚みは1mm程度が適当である。また、誘電板35aと誘電板35bを合わせた厚みは、誘導結合コイル4で発生する交流磁界強度を落とさないように、実施の形態1で説明した誘電板33の厚み0.7mm〜15mmであるほうが望ましい。
ファラデーシールド22の厚みは電気抵抗による熱の発生を抑制するためにできる限り抵抗の低い材料を使う必要がある。具体的には、金属板22aとして厚み1mmの銅板を用いた。
プラズマ室33bと誘導結合コイル4の距離が大きくなりプラズマ室33bのプラズマ発生効率を落とさないようにするために、金属板22aは2mm以下が望ましい。また、高周波の表皮効果以上の厚みがあれば、金属板の電気抵抗は変化しないため、13.56MHzの高周波電源を使用する場合は、銅板の金属板22aであれば18μm以上厚みがあればよい。
図7ではファラデーシールド22には銅板を使用したが、誘電板35b上に導体を蒸着させて、これを第1,第2の誘電板35a,35bの間に挟み込んで構成することもできる。具体的には、誘電板35bの上に20μmの厚さに銅を蒸着させて構成する。
本実施の形態2では、ファラデーシールド22または金属板22aの材料は銅としたが、条件次第で、金、銀、アルミなどの金属とすることもできる。
また、何れの場合もファラデーシールド22はアースに対してフローティング電位になるが、積極的にファラデーシールド22をアースと接続しても良い。
また、何れの場合もファラデーシールド22はアースに対してフローティング電位になるが、積極的にファラデーシールド22をアースと接続しても良い。
本発明は半導体基板のエッチングや各種の電子部品等の電極の表面加工の作業効率の改善に寄与する。
33 真空容器
33a コイル室
33b プラズマ室
2,9 高周波電源
3,8 マッチングボックス
4 誘導結合コイル
34 誘電板
35a,35b 第1,第2の誘電板
6 処理基板
7 電極
10 圧力コントローラ
11 ターボ分子ポンプ
12 ボンベ
13 マスフローコントローラ
14 ガス導入配管
15 ターボ分子ポンプ
22 ファラデーシールド
22a 金属板
23 プラズマ
P 誘導結合コイル4とマッチングボックス3の接続部
33a コイル室
33b プラズマ室
2,9 高周波電源
3,8 マッチングボックス
4 誘導結合コイル
34 誘電板
35a,35b 第1,第2の誘電板
6 処理基板
7 電極
10 圧力コントローラ
11 ターボ分子ポンプ
12 ボンベ
13 マスフローコントローラ
14 ガス導入配管
15 ターボ分子ポンプ
22 ファラデーシールド
22a 金属板
23 プラズマ
P 誘導結合コイル4とマッチングボックス3の接続部
Claims (12)
- コイルに電力を印加して真空容器内のプラズマ室の被処理物をプラズマ処理するプラズマ処理装置において、
前記プラズマ室に隣接して設けられ前記コイルをその内部に有するコイル室と、
前記コイル室と前記プラズマ室とを隔てる誘電板と、
前記コイル室に接続されて前記コイル室の内部を排気する排気手段と
を備えたプラズマ処理装置。 - 前記コイル室の内部を0.1Pa以下に制御する制御装置を
備えた請求項1記載のプラズマ処理装置。 - 前記誘電板の厚みが、0.7mm以上15mm以下である
請求項1または請求項2記載のプラズマ処理装置。 - 前記プラズマ室の圧力を制御する第1のポンプと、
前記コイル室の圧力を制御する第2のポンプと
を備えた請求項1から請求項3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。 - 前記プラズマ室の圧力をコントロールバルブを介して制御する第1のポンプを備え、
前記コントロールバルブと前記第1のポンプとの接続点に前記コイル室を接続して圧力を制御するように構成した
請求項1から請求項3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。 - 前記真空容器内において、前記誘電板と前記コイルの間にファラデーシールドを設けた
請求項1から請求項5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。 - 前記誘電板は、ファラデーシールドをその間に挟む第1,第2の誘電板で構成された
請求項1から請求項5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。 - 前記コイルの側の第1の誘電板の厚みが、前記プラズマ室側の第2の誘電板よりも厚い
請求項7記載のプラズマ処理装置。 - コイルに電力を印加して真空容器内のプラズマ室の被処理物をプラズマ処理するに際し、
前記コイルをその内部に有するコイル室を、前記プラズマ室との間を誘電板で隔てつつ前記プラズマ室に隣接して設け、
前記コイル室の内部を放電限界圧力に制御しつつ前記被処理物をプラズマ処理する
プラズマ処理方法。 - 前記コイル室の内部を0.1Pa以下に制御する
請求項9記載のプラズマ処理方法。 - 前記真空容器内の前記誘電板と前記コイルの間にファラデーシールドを設ける
請求項9または請求項10記載のプラズマ処理方法。 - 前記誘電板を、ファラデーシールドをその間に挟む第1,第2の誘電板で構成する
請求項9から請求項11のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
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