JP2018123368A - プラズマcvd装置及び成膜方法 - Google Patents

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衛 橋本
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Abstract

【課題】複数の容器の内面に成膜処理を行うプラズマCVD装置におけるコストの低減。
【解決手段】高周波電源31と、高周波電源31に電気的に接続された自動整合器23と、自動整合器23に電気的に接続された切替器22と、切替器22に電気的に接続された第1の電極3及び第2の電極33と、第1の電極3の内側に配置された第1の容器7と、第2の電極33の内側に配置された第2の容器と、前記第1の容器内及び前記第2の容器内に原料ガスを供給するガス供給機構19と、第1の容器7内及び前記第2の容器内を真空排気する真空排気機構21と、を具備し、切替器22は、自動整合器23と第1の電極3とを電気的に接続する第1の経路と、自動整合器23と第2の電極33とを電気的に接続する第2の経路を有するプラズマCVD装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラズマCVD装置及び成膜方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等からなるプラスチック容器はガスバリア性が缶と比較して劣る。そのため、プラスチック容器の内面に硬質炭素膜であるDLC(Diamond Like Carbon)膜をコーティングすることで、プラスチック容器におけるガスバリア性を向上させる方法が知られている。プラスチック容器の外側に外部電極を配置し、プラスチック容器の内側に原料ガス導入管を兼ねた内部電極を配置し、容器内に原料ガスとしてアセチレンガスを供給した状態で、高周波電源から自動整合器を介して外部電極に高周波電圧を印加する。これにより、原料ガスがプラズマ化され、プラスチック容器の内面にDLC膜が成膜される(例えば特許文献1参照)。
上述したプラスチック容器の内面にDLC膜を成膜するプラズマCVD装置では、1つの外部電極に対して1つの自動整合器を用いて1つのプラスチック容器の内面にDLC膜を成膜している。そのため、複数のプラスチック容器に同時にDLC膜を成膜する場合は、プラスチック容器の数だけ自動整合器を必要とする。自動整合器は高価なものであるため、装置コストが増大する要因となっていた。なお、自動整合器は外部電極にほぼ隣接した状態で配置され、外部電極と自動整合器とは銅板によって電気的に接続されている。
特許2788412号公報
本発明の一態様は、複数の容器の内面に成膜処理を行うプラズマCVD装置のコストを低減することを課題とする。
以下に、本発明の種々の態様について説明する。
[1]高周波電源と、
前記高周波電源に電気的に接続された自動整合器と、
前記自動整合器に電気的に接続された切替器と、
前記切替器に電気的に接続された第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極の内側に配置された第1の容器と、
前記第2の電極の内側に配置された第2の容器と、
前記第1の容器内及び前記第2の容器内に原料ガスを供給するガス供給機構と、
前記第1の容器内及び前記第2の容器内を真空排気する真空排気機構と、
を具備し、
前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
[2]高周波電源と、
前記高周波電源に電気的に接続された自動整合器と、
前記自動整合器に電気的に接続された切替器と、
前記切替器に電気的に接続された第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極に配置された第1の容器と、
前記第2の電極に配置された第2の容器と、
前記第1の容器の外面及び前記第2の容器の外面に原料ガスを供給するガス供給機構と、
前記第1の容器の外側及び前記第2の容器の外側を真空排気する真空排気機構と、
を具備し、
前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
[3]上記[1]または[2]において、
前記第1の電極と前記切替器との間及び前記第2の電極と前記切替器との間それぞれは、0.5m以上離れていることを特徴とするプラズマCVD装置。
なお、前記第1の電極と前記切替器との間及び前記第2の電極と前記切替器との間それぞれは、プラズマCVD装置の全体構成によって異なるため、1.5m以上離れていることもあり、3m以上離れていることもあり、5m以上離れていていることもある。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれか一項において、
前記第1の電極と前記切替器は第1のケーブルによって電気的に接続され、前記第2の電極と前記切替器は第2のケーブルによって電気的に接続されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれか一項において、
前記自動整合器と前記切替器は一体的に形成されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
[6]上記[1]において、
前記切替器に電気的に接続された第3の電極と、
前記第3の電極の内側に配置された第3の容器と、
を有し、
前記切替器は、前記自動整合器と前記第3の電極とを電気的に接続する第3の経路を有し、
前記ガス供給機構は、前記第3の容器内に原料ガスを供給することができ、
前記真空排気機構は、前記第3の容器内を真空排気することができることを特徴とするプラズマCVD装置。
[7]上記[2]において、
前記切替器に電気的に接続された第3の電極と、
前記第3の電極に配置された第3の容器と、
を有し、
前記切替器は、前記自動整合器と前記第3の電極とを電気的に接続する第3の経路を有し、
前記ガス供給機構は、前記第3の容器の外面に原料ガスを供給することができ、
前記真空排気機構は、前記第3の容器の外側を真空排気することができることを特徴とするプラズマCVD装置。
[8]上記[1]乃至[7]のいずれか一項において、
前記高周波電源の周波数は、10kHz以上27.12MHz以下(好ましくは1MHz以上13.56MHz以下、より好ましくは3MHz以上9MH以下、更に好ましくは5MHz以上7MHz以下)であることを特徴とするプラズマCVD装置。
[9]第1の容器内を真空排気する工程(a)と、
第2の容器内を真空排気する工程(b)と、
前記第1の容器内に第1の原料ガスを供給する工程(c)と、
前記第2の容器内に第2の原料ガスを供給する工程(d)と、
高周波電源から高周波出力を自動整合器に供給し、前記自動整合器から切替器を介して高周波出力を第1の電極に供給し、前記第1の電極の内側に配置された前記第1の容器内に前記第1の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第1の容器内に膜を成膜する工程(e)と、
前記工程(e)の後に、前記高周波電源から前記高周波出力を前記自動整合器に供給し、前記自動整合器から前記切替器を介して高周波出力を第2の電極に供給し、前記第2の電極の内側に配置された前記第2の容器内に前記第2の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第2の容器内に膜を成膜する工程(f)と、
を具備し、
前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とする成膜方法。
[10]第1の容器の外側を真空排気する工程(a)と、
第2の容器の外側を真空排気する工程(b)と、
前記第1の容器の外面に第1の原料ガスを供給する工程(c)と、
前記第2の容器の外面に第2の原料ガスを供給する工程(d)と、
高周波電源から高周波出力を自動整合器に供給し、前記自動整合器から切替器を介して高周波出力を第1の電極に供給し、前記第1の電極に配置された前記第1の容器内に前記第1の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第1の容器の外面に膜を成膜する工程(e)と、
前記工程(e)の後に、前記高周波電源から前記高周波出力を前記自動整合器に供給し、前記自動整合器から前記切替器を介して高周波出力を第2の電極に供給し、前記第2の電極に配置された前記第2の容器の外側に前記第2の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第2の容器の外面に膜を成膜する工程(f)と、
を具備し、
前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とする成膜方法。
なお、前記第1の原料ガスと前記第2の原料ガスは同じガスでもよい。
また、前記工程(a)と前記工程(b)を同時に行ってもよいし、前記工程(c)と前記工程(d)を同時に行ってもよい。
本発明の一態様によれば、複数の容器の内面に成膜処理を行うプラズマCVD装置のコストを低減することができる。
本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を模式的に示す断面図である。 本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を模式的に示す断面図である。 図1及び図2に示す第1の外部電極3及びその周囲を詳細に示す断面図である。 本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を模式的に示す構成図である。 図4に示すプラズマCVD装置の第1の上部電極を、一部を分解して示す斜視図である。
以下では、本発明の実施形態及び実施例について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施形態の記載内容及び実施例に限定して解釈されるものではない。
[第1の実施形態]
図1、図2及び図3は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、プラズマCVD装置はRF電源(高周波電源)31を有し、このRF電源31の周波数は10kHz以上27.12MHz以下(好ましくは1MHz以上13.56MHz以下、より好ましくは3MHz以上9MH以下、更に好ましくは5MHz以上7MHz以下)であるとよい。RF電源31は自動整合器23に電気的に接続されている。自動整合器23は切替器22に電気的に接続されている。自動整合器23と切替器22は一体的に形成されているとよい。
また、自動整合器23と切替器22とは銅板32(図2参照)によって電気的に接続されているとよいが、自動整合器23と切替器22とは同軸ケーブルまたは同軸ケーブル以外のケーブルによって電気的に接続されていてもよい。銅板32のサイズは、例えば幅30mm、厚み2mmである。このような銅板32を用いることで、自動整合器23と切替器22との間の抵抗を低減することができる。特に高周波電流の多くは銅板32の表面を流れるため、ケーブルや同軸ケーブル等の配線に比べて抵抗を低くすることができる。
切替器22は第1の外部電極(第1の電極ともいう)3、第2の外部電極(第2の電極ともいう)33及び第3の外部電極(第3の電極ともいう)34に電気的に接続されている。詳細には、切替器22と第1の外部電極3とは第1の同軸ケーブル35によって電気的に接続されているとよく、切替器22と第2の外部電極33とは第2の同軸ケーブル36によって電気的に接続されているとよく、切替器22と第3の外部電極34とは第3の同軸ケーブル37によって電気的に接続されているとよい。このように第1〜第3の同軸ケーブル35〜37によって接続する理由は、図1に示すプラズマCVD装置の切替器22と第1〜第3の外部電極3,33,34が図2に示すような位置関係を有するからである。
つまり、図2に示すように第1〜第3の外部電極3,33,34が円周上に配置され、その円の内側に切替器22が配置されているため、切替器22と第1〜第3の外部電極3,33,34それぞれとの距離は、短くても円の半径程度となる。また、上記の円を含む平面上に切替器22を配置できるとは限らず、当該平面の上方に切替器22を配置する場合は、切替器22と第1〜第3の外部電極3,33,34それぞれとの距離が円の半径より長くなる。そのため、円の半径が例えば1.5mであるとすると、第1〜第3の同軸ケーブル35〜37の少なくとも一つは1.5m以上の長さが必要となる。なお、円の半径が1.5mより長かったり、切替器22の位置が円を含む平面から離れている距離によっては、第1〜第3の同軸ケーブル35〜37の少なくとも一つが3m以上の長さであることもあるし、5m以上の長さであることもある。また、装置構成によっては円の半径が1.5mより短い場合、例えば円の半径が0.5mの場合も考えられ、その場合は第1〜第3の同軸ケーブル35〜37の少なくとも一つは0.5m以上の長さが必要となる。また、第1〜第3の同軸ケーブル35〜37の長さは、切替器22と第1〜第3の外部電極3,33,34それぞれとが離れている距離に言い換えてもよい。
また、第1〜第3の外部電極3,33,34が円周上に配置される理由は、図2に示すように円周上に合計30個の外部電極を配置できるように構成されているからである。つまり、1つのRF電源31と1つの自動整合器23と1つの切替器22と第1〜第3の外部電極3,33,34を1組とし、これを10組配置することで、図2に示す円周上に30個の外部電極を配置することができる。
切替器22は、自動整合器23と第1の外部電極3とを電気的に接続する第1の経路と、自動整合器23と第2の外部電極33とを電気的に接続する第2の経路と、自動整合器23と第3の外部電極34とを電気的に接続する第3の経路を有する。つまり、RF電源31から高周波出力を自動整合器23に供給し、この自動整合器23から切替器22を介して高周波出力を第1の外部電極3に供給することができ、自動整合器23から切替器22を介して高周波出力を第2の外部電極33に供給することができ、自動整合器23から切替器22を介して高周波出力を第3の外部電極34に供給することができる。
図3は、図1及び図2に示す第1の外部電極3及びその周囲を詳細に示す断面図である。図3に示すように、第1の外部電極3の内側には第1の容器7が配置されており、第1の容器7としては種々の容器を用いることができ、例えば飲料用容器、食料品用容器、医薬品用容器、薬剤用容器、日用品用容器または化学品用容器などである。また、第1の容器7の例としてはペットボトル等のプラスチック容器が挙げられる。
プラスチック容器を成形する際に使用する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンテレフタレート系コポリエステル樹脂(ポリエステルのアルコール成分にエチレングリコールの代わりに、シクロヘキサンディメタノールを使用したコポリマーをPETGと呼んでいる、イーストマン製)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、を例示することができる。この中で、PETが特に好ましい。
図1及び図2に示す第2の外部電極33及び第3の外部電極34それぞれは、図3に示す第1の外部電極3と同様の構造を有している。第2の外部電極33の内側には第2の容器(図示せず)が配置されており、第3の外部電極34の内側には第3の容器(図示せず)が配置されている。第2の容器及び第3の容器それぞれは第1の容器7と同様のものである。
また、プラズマCVD装置は、第1の容器7内に原料ガスを供給する第1のガス供給機構と、第1の容器7内を真空排気する第1の真空排気機構を有する。また、プラズマCVD装置は、第2の容器内に原料ガスを供給する第2のガス供給機構と、第3の容器内に原料ガスを供給する第3のガス供給機構と、第2の容器内を真空排気する第2の真空排気機構と、第3の容器内を真空排気する第3の真空排気機構を有する。第2及び第3のガス供給機構それぞれは第1のガス供給機構と同様のものであり、第2及び第3の真空排気機構それぞれは第1の真空排気機構と同様のものである。
なお、本実施形態では、第1の容器7内に第1のガス供給機構によって原料ガスを供給し、第2の容器内に第2のガス供給機構によって原料ガスを供給し、第3の容器内に第3のガス供給機構によって原料ガスを供給する構成としているが、第1〜第3の容器それぞれの内部に一つのガス供給機構によって原料ガスを供給する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1の容器7内を第1の真空排気機構によって真空排気し、第2の容器内を第2の真空排気機構によって真空排気し、第3の容器内を第3の真空排気機構によって真空排気する構成としているが、第1〜第3の容器それぞれの内部を一つの真空排気機構によって真空排気する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1〜第3の同軸ケーブル35〜37を用いているが、RF電源31の周波数が50kHz以下ならば、必ずしも同軸ケーブルを用いる必要はなく、同軸ケーブル以外のケーブルを用いてもよい。自動整合器23と切替器22とを接続するケーブルについても同様である。
また、本実施形態では、複数の外部電極が円周上に配置される方式を用いているが、これに限定されるものではなく、複数の外部電極が直線上に配置される方式を用いてもよい。
以下にプラズマCVD装置について図3を参照しつつ説明する。
プラズマCVD装置は真空チャンバー6を有し、この真空チャンバー6は、導電性の蓋部5、絶縁部材4及び第1の外部電極3から構成されている。蓋部5の下には絶縁部材4が配置されており、この絶縁部材4の下には第1の外部電極3が配置されている。第1の外部電極3は、上部電極2と下部電極1からなり、上部電極2の下部に下部電極1の上部がOリング8を介して着脱自在に取り付けられるよう構成されている。また、第1の外部電極3は絶縁部材4によって蓋部5と絶縁されている。
第1の外部電極3の内部には空間が形成されており、この空間はコーティング対象の第1の容器7を収容するためのものである。第1の外部電極3内の空間は、そこに収容される第1の容器7の外形よりも僅かに大きくなるように形成されている。すなわち、第1の外部電極3は第1の容器7の外側を囲むように配置されている。絶縁部材4及び蓋部5には、第1の外部電極3内の空間につながる開口部が設けられている。また、蓋部5の内部には空間が設けられており、この空間は上記開口部を介して第1の外部電極3内の空間につながっている。第1の外部電極3内の空間は、上部電極2と下部電極1の間に配置されたOリング8によって外部から密閉されている。
第1の外部電極3の下部電極1は第1の同軸ケーブル35を介して切替器22に電気的に接続されており、切替器22は銅板32を介して自動整合器23に電気的に接続されている。自動整合器23はRF電源31に電気的に接続されている。
蓋部5の上部から蓋部5内の空間、蓋部5と絶縁部材4の開口部を通して、第1の外部電極3内の空間に第1の内部電極9が差し込まれている。即ち、第1の内部電極9の基端は蓋部5の上部に配置され、第1の内部電極9の先端は第1の外部電極3内の空間であって第1の外部電極3内に収容された第1の容器7の内部に配置される。
第1の内部電極9は、その内部が中空からなる管形状を有している。第1の内部電極9の先端にはガス吹き出し口9aが設けられている。第1の内部電極9の基端には配管10の一方側が接続されており、この配管10の他方側は真空バルブ16を介してマスフローコントローラー19の一方側に接続されている。マスフローコントローラー19の他方側は配管11を介して原料ガス発生源20に接続されている。この原料ガス発生源20は炭化水素ガス等を発生させるものである。第1の内部電極9の内部は第1の容器7内に原料ガスを供給するガス供給経路を有している。
第1の内部電極9は蓋部5を介して接地されている。蓋部5内の空間は配管12の一方側に接続されており、配管12の他方側は真空バルブ17を介して大気開放状態とされている。また、蓋部5内の空間は配管13の一方側に接続されており、配管13の他方側は真空バルブ18を介して真空ポンプ21に接続されている。この真空ポンプ21は排気側に接続されている。配管13は第1の容器7内を真空排気する排気経路を有している。
次に、図1〜図3に示すプラズマCVD装置を用いて第1の容器7、第2の容器及び第3の容器それぞれの内面にDLC膜を成膜する方法について説明する。
まず、真空バルブ17を開いて真空チャンバー6内を大気開放する。これにより、配管12を通して空気が蓋部5内の空間、第1の外部電極3内の空間に入り、真空チャンバー6内を大気圧にする。同様に、第2の外部電極33の真空チャンバー内及び第3の外部電極34の真空チャンバー内も大気圧にする。次に、第1の外部電極3の下部電極1を上部電極2から取り外し、上部電極2の下側から上部電極2内の空間に第1の容器7を差し込み、設置する。これにより、第1の容器7の外側を第1の外部電極3で囲む。この際、第1の内部電極9は第1の容器7内に挿入された状態になる。同様に、第2の容器の外側を第2の外部電極33で囲み、第3の容器の外側を第3の外部電極34で囲む。この際も同様に、第2の内部電極は第2の容器内に挿入された状態になり、第3の内部電極は第3の容器内に挿入された状態となる。次に、下部電極1を上部電極2の下部に装着し、第1の外部電極3はOリング8によって密閉される。同様に、第2の外部電極33及び第3の外部電極34それぞれもOリングによって密閉される。
この後、真空バルブ17を閉じた後、真空バルブ18を開き、真空ポンプ21を作動させる。これにより、第1の容器7内を含む真空チャンバー6内(第1の外部電極3内の空間及び蓋部5内の空間)が配管13を通して排気され、第1の外部電極3内を真空引きする。同様に、第2の外部電極33内及び第3の外部電極34内それぞれを真空引きする。
次に、真空バルブ16を開き、原料ガス発生源20において炭化水素ガスを発生させ、この炭化水素ガスを配管11内に導入し、マスフローコントローラー19によって流量制御された炭化水素ガスを配管10及びアース電位の第1の内部電極9を通してガス吹き出し口9aから吹き出す。これにより、炭化水素ガスが第1の容器7内に導入される。そして、真空チャンバー6内と第1の容器7内を、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、DLC成膜に適した圧力(例えば0.05〜0.5Torr程度)に保つ。同様に、第2の容器内及び第3の容器内それぞれも、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、DLC成膜に適した圧力(例えば0.05〜0.5Torr程度)に保つ。
この後、RF電源31から自動整合器23及び切替器22を介して第1の外部電極3に10kHz以上27.12MHz以下の高周波出力を供給する。これにより、第1の外部電極3と第1の内部電極9間にプラズマを着火する。このとき、自動整合器23は、第1の外部電極3と第1の内部電極9のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、第1の容器7内に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が第1の容器7の内面に成膜される。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
次に、切替器22によって高周波電流の経路を切り替え、RF電源31から自動整合器23及び切替器22を介して第2の外部電極33に10kHz以上27.12MHz以下の高周波出力を供給する。これにより、第2の外部電極33と第2の内部電極間にプラズマを着火する。このとき、自動整合器23は、第2の外部電極33と第2の内部電極のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、第2の容器内に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が第2の容器の内面に成膜される。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
次に、切替器22によって高周波電流の経路を切り替え、RF電源31から自動整合器23及び切替器22を介して第3の外部電極34に10kHz以上27.12MHz以下の高周波出力を供給する。これにより、第3の外部電極34と第3の内部電極間にプラズマを着火する。このとき、自動整合器23は、第3の外部電極34と第3の内部電極のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、第3の容器内に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が第3の容器の内面に成膜される。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
なお、本実施形態では、第1〜第3の外部電極3,33,34に供給する高周波出力を連続波としているが、これに限定されるものではなく、第1〜第3の外部電極3,33,34に供給する高周波出力を所定の周期及びDUTY比のパルス状のものとしてもよい。
次に、RF電源31からの高周波出力を停止し、真空バルブ16を閉じて原料ガスの供給を停止する。この後、真空バルブ18を開き、真空チャンバー6内及び第1の容器7内の炭化水素ガスを真空ポンプ21によって排気する。その後、真空バルブ18を閉じ、真空ポンプ21を停止する。このときの真空チャンバー6内の真空度は5×10-3 Torr〜5×10-2 Torrである。この後、真空バルブ17を開いて真空チャンバー6内を大気開放する。同様に、第2の容器内及び第3の容器内それぞれの炭化水素ガスを真空ポンプによって排気し、真空チャンバー内を大気開放する。
次に、前述した成膜方法を繰り返すことにより、多数の容器内にDLC膜を成膜することができる。
上記実施形態によれば、第1〜第3の外部電極3,33,34と自動整合器23との間に切替器22を配置し、この切替器22によってRF電源31からの高周波電流の経路を切り替える構成とする。これにより、1つの自動整合器23によってRF電源31からの高周波出力を複数の外部電極に供給することが可能となる。このように高価な自動整合器23の数を少なくすることができるため、複数の容器の内面に成膜処理を行うプラズマCVD装置のコストを低減することが可能となる。
また、本実施形態によるプラズマCVD装置を用いてプラスチック容器の内面にDLC膜を成膜し、その成膜したDLC膜のガスバリア性を検査した。また従来のプラズマCVD装置(即ち1つの外部電極に対して1つの自動整合器を用いて1つのプラスチック容器の内面にDLC膜を成膜するプラズマCVD装置)を用いてプラスチック容器の内面にDLC膜を成膜し、その成膜したDLC膜のガスバリア性を検査した。その結果、本実施形態によるプラズマCVD装置によって成膜したDLC膜のガスバリア性は、従来のプラズマCVD装置によって成膜したDLC膜に比べて10%程度低下していたことが確認された。10%程度のガスバリア性の低下であれば容器に入れる液体によっては十分に実用に耐えることができる。なお、この10%程度のガスバリア性の低下の原因は、切替器と外部電極との間の電力ロスによるものであると考えられる。
なお、本実施形態では、1つの自動整合器23を切替器22によって3つの外部電極に接続しているが、これに限定されるものではなく、1つの自動整合器を切替器によって2つまたは4つ以上の外部電極に接続することも可能である。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を模式的に示す構成図であり、図5は、図4に示すプラズマCVD装置の第1の上部電極を、一部を分解して示す斜視図である。図4及び図5において図1〜図3と同一部分には同一符号を付す。図4に示す第1の上部電極110に電気的に接続された切替器22、自動整合器23及びRF電源31は、図1及び図2と同一構造を有している。図4は、図3に対応する図である。
本実施形態によるプラズマCVD装置は、図1及び図2に示すRF電源(高周波電源)31と、RF電源31に電気的に接続された自動整合器23と、自動整合器23に電気的に接続された切替器22を有している。この切替器22は、図4に示すように第1の上部電極(第1の電極ともいう)110、第2の上部電極(第2の電極ともいう)133及び第3の上部電極(第3の電極ともいう)134に電気的に接続されている。詳細には、切替器22と第1の上部電極110とは第1の同軸ケーブル35によって電気的に接続されているとよく、切替器22と第2の上部電極133とは第2の同軸ケーブル36によって電気的に接続されているとよく、切替器22と第3の上部電極134とは第3の同軸ケーブル37によって電気的に接続されているとよい。このように第1〜第3の同軸ケーブル35〜37によって接続する理由は、図1に示すプラズマCVD装置の切替器22と第1〜第3の上部電極110,133,134が図2に示すような位置関係を有するからである。
切替器22は、自動整合器23と第1の上部電極110とを電気的に接続する第1の経路と、自動整合器23と第2の上部電極133とを電気的に接続する第2の経路と、自動整合器23と第3の上部電極134とを電気的に接続する第3の経路を有する。つまり、RF電源31から高周波出力を自動整合器23に供給し、この自動整合器23から切替器22を介して高周波出力を第1の上部電極110に供給することができ、自動整合器23から切替器22を介して高周波出力を第2の上部電極133に供給することができ、自動整合器23から切替器22を介して高周波出力を第3の上部電極134に供給することができる。
図4は、図1及び図2に示す第1の上部電極110及びその周囲を詳細に示す断面図である。図4に示すプラズマCVD装置はDLC膜を第1の容器7の外面に成膜する装置である。第1の容器7としては第1の実施形態と同様の容器を用いることができ、例えば薬品ボトル(バイアル)やプラスチック容器を用いることができる。
図4に示す第2の上部電極133及び第3の上部電極134それぞれは、図4に示す第1の上部電極110と同様の構造を有している。第2の上部電極133には第2の容器(図示せず)が配置されており、第3の上部電極134には第3の容器(図示せず)が配置されている。第2の容器及び第3の容器それぞれは第1の容器7と同様のものである。
また、プラズマCVD装置は、第1の容器7の外面に原料ガスを供給する第1のガス供給機構と、第1の容器7の外側を真空排気する第1の真空排気機構を有する。また、プラズマCVD装置は、第2の容器の外面に原料ガスを供給する第2のガス供給機構と、第3の容器の外面に原料ガスを供給する第3のガス供給機構と、第2の容器の外側を真空排気する第2の真空排気機構と、第3の容器の外側を真空排気する第3の真空排気機構を有する。第2及び第3のガス供給機構それぞれは第1のガス供給機構と同様のものであり、第2及び第3の真空排気機構それぞれは第1の真空排気機構と同様のものである。
なお、本実施形態では、第1の容器7の外面に第1のガス供給機構によって原料ガスを供給し、第2の容器の外面に第2のガス供給機構によって原料ガスを供給し、第3の容器の外面に第3のガス供給機構によって原料ガスを供給する構成としているが、第1〜第3の容器それぞれの外面に一つのガス供給機構によって原料ガスを供給する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1の容器7の外側を第1の真空排気機構によって真空排気し、第2の容器の外側を第2の真空排気機構によって真空排気し、第3の容器の外側を第3の真空排気機構によって真空排気する構成としているが、第1〜第3の容器それぞれの外側を一つの真空排気機構によって真空排気する構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1〜第3の同軸ケーブル35〜37を用いているが、RF電源31の周波数が50kHz以下ならば、必ずしも同軸ケーブルを用いる必要はなく、同軸ケーブル以外のケーブルを用いてもよい。自動整合器23と切替器22とを接続するケーブルについても同様である。
また、本実施形態では、複数の上部電極が円周上に配置される方式を用いているが、これに限定されるものではなく、複数の上部電極が直線上に配置される方式を用いてもよい。
以下にプラズマCVD装置について図4及び図5を参照しつつ説明する。
このプラズマCVD装置は図示しない真空チャンバーを有しており、この真空チャンバーは図示しないリーク弁及び真空ポンプ等を含む第1の真空排気機構に接続している。真空ポンプと真空チャンバーの間には図示しない真空バルブが取り付けられている。
真空チャンバーの内部には、図4に示すように、第1の上部電極110及び第1の対向アース電極(下部電極)120が配置されている。第1の上部電極110と第1の対向アース電極120の間隔は0mm〜90mmの範囲で調整可能である。第1の上部電極110は第1の同軸ケーブル35を介して切替器22に電気的に接続されており、切替器22は銅板32によって自動整合器23に電気的に接続されている。自動整合器23は高周波電源31に電気的に接続されている。第1の対向アース電極120は接地されており、また第1のガス供給機構のシャワーヘッド(図示せず)が取り付けられている。このシャワーヘッドからは、第1の上部電極110と第1の対向アース電極120の間の空間に原料ガスがシャワー状に供給され、これにより原料ガスが第1の容器7の外面近傍に供給される。なお上記した第1のガス供給機構は、シャワーヘッドの他に、シャワーヘッドに原料ガスを導入する配管122、真空チャンバー外部の図示しないマスフローコントローラー及び原料ガス供給源を有している。原料ガスとしてはトルエンが好適である。
図4及び図5に示すように、第1の上部電極110は、切替器22に接続されているRF印加電極112を備えている。RF印加電極112は略円板状の部分を有している。この部分のうち第1の対向アース電極120と対向する面には外周電極114及び内部電極116それぞれが取り付けられている。なおRF印加電極112には、外周電極114が取り付けられている面とは反対側の面及び側面に、RFシールド119が絶縁材119aを介して取り付けられている。
外周電極114は第1の容器7の外側面を囲むための電極であり、ボルト115によりRF印加電極112に着脱可能に取り付けられている。外周電極114の平面形状はRF印加電極112の略円板状の部分と略同じである。
また外周電極114における第1の対向アース電極120と向き合う面には略円柱状の貫通穴114aが複数設けられている。貫通穴114aは内部電極116、容器固定リング117及び第1の容器7を内部に配置するためのものであり、その深さは第1の容器7の高さより例えば50mmほど深く、また水平方向の断面の大きさは第1の容器7の横断面より大きい。
内部電極116は第1の容器7の内部に挿入される電極であり、第1の容器7の口及び首部7aならびにその近傍に位置している。内部電極116の側面は、第1の容器7の口及び首部7aならびにその近傍の内面に略沿う形状を有している。すなわち、第1の容器7の口及び首部7aならびにその近傍の内面から略等距離の表面を有する。内部電極116の表面は第1の容器7の口及び首部7aならびにその近傍の内面形状に略相似形であっても良い。
なお内部電極116は内部電極116の底面及びRF印加電極112それぞれに形成されている雌ネジ孔(図示せず)にビスを通すことにより、RF印加電極112に固定されている。
容器固定リング117は、中心部に位置する空洞部117bに第1の容器7の首部7aを嵌め込んだ状態で、貫通穴114a内部に差し込まれてRF印加電極112に取り付けられる。詳細には、図5に示すように、容器固定リング117は2つのリング分割材117aから構成される。それぞれのリング分割材117aはリングを略2等分した形状であるが、2つのリング分割材117aを組み合わせたときにはリングを形成しつつ該リングの側面に隙間117cが形成されるようになっている。この隙間117cを介して空洞部117bは容器固定リング117側面から外部に開放されている。
またリング分割材117aの内周面には凸部117dが設けられている。リング分割材117aの内周面が第1の容器7を挟み込む際、凸部117dは首部7aに嵌る。このため、第1の容器7は貫通穴114aから抜けなくなる。なおリング分割材117aをRF印加電極112に取り付ける際にはボルト118を用いている。
次に、図4に示すプラズマCVD装置を用いて第1の容器7、第2の容器及び第3の容器それぞれの外面にDLC膜を成膜する方法の一例について説明する。本例において第1の上部電極110の外周電極114と第1の対向アース電極120の間隔は例えば30mm以上50mm以下である。
まず真空ポンプと真空チャンバーの間に位置する真空バルブを閉じ、リーク弁を開くことにより真空チャンバーを大気開放する。次いでボルト118及び容器固定リング117をRF印加電極112から取り外す。そして容器固定リング117のリング分割材117aの内側面で第1の容器7を挟み込み、第1の容器7の首部7aに凸部117dを嵌め込んだ状態で、容器固定リング117及びボルト118をRF印加電極112に取り付ける。このとき内部電極116は空洞部117bに挿通され、第1の容器7の内部に挿入され、口及び首部7aならびにその近傍に位置する。
次いでリーク弁を閉じて真空バルブを開くことにより、真空チャンバーの内部を排気する。このとき容器固定リング117の隙間117cを介して空洞部117b及び第1の容器7の内部も排気される。そして、真空チャンバー内部が0.2Torr程度の真空状態になったとき、原料ガスであるトルエンを気化させ、この気化したトルエンをマスフローコントローラーによって流量制御して配管122及び第1の対向アース電極120のシャワーヘッドに流す。これにより、外周電極114と第1の対向アース電極120の間にトルエンが導入され、第1の容器7の外面近傍にトルエンが供給される。そして真空チャンバー内は、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、数秒程度で定常状態となり、DLC成膜に適した圧力(例えば0.05〜0.2Torr程度)に保たれる。
この後、高周波電源31から自動整合器23及び切替器22を介して第1の上部電極110のRF印加電極112に10kHz以上27.12MHz以下の高周波出力を供給する。高周波出力は例えば500W以上2000W以下である。この高周波出力はRF印加電極112から外周電極114及び内部電極116に伝達する。これにより、外周電極114及び内部電極116と第1の対向アース電極120の間の空間にプラズマを着火する。このとき、自動整合器23は、第1の上部電極110と第1の対向アース電極120のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、第1の容器7の外側に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が第1の容器7の外面に成膜される。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
次に、切替器22によって高周波電流の経路を切り替え、RF電源31から自動整合器23及び切替器22を介して第2の上部電極133に10kHz以上27.12MHz以下の高周波出力を供給する。高周波出力は例えば500W以上2000W以下である。この高周波出力はRF印加電極から外周電極及び内部電極に伝達する。これにより、第2の上部電極133の外周電極及び内部電極と第2の対向アース電極の間の空間にプラズマを着火する。このとき、自動整合器23は、第2の上部電極133と第2の対向アース電極のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、第2の容器の外側に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が第2の容器の外面に成膜される。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
次に、切替器22によって高周波電流の経路を切り替え、RF電源31から自動整合器23及び切替器22を介して第3の上部電極134に10kHz以上27.12MHz以下の高周波出力を供給する。高周波出力は例えば500W以上2000W以下である。この高周波出力はRF印加電極から外周電極及び内部電極に伝達する。これにより、第3の上部電極134の外周電極及び内部電極と第3の対向アース電極の間の空間にプラズマを着火する。このとき、自動整合器23は、第3の上部電極134と第3の対向アース電極のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、第3の容器の外側に炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜が第3の容器の外面に成膜される。このときの成膜時間は数秒程度と短いものとなる。
なお、本実施形態では、第1〜第3の上部電極110,133,134に供給する高周波出力を連続波としているが、これに限定されるものではなく、第1〜第3の上部電極110,133,134に供給する高周波出力を所定の周期及びDUTY比のパルス状のものとしてもよい。
次に、RF電源31からの高周波出力を停止し、真空バルブを閉じて原料ガスの供給を停止する。この後、真空バルブを開き、真空チャンバー内及び第1の容器7の外側の炭化水素ガスを真空ポンプによって排気する。その後、真空バルブを閉じ、真空ポンプを停止する。このときの真空チャンバー内の真空度は5×10-3 Torr〜5×10-2 Torrである。この後、リーク弁を開いて真空チャンバー内を大気開放する。同様に、第2の容器内及び第3の容器内それぞれの炭化水素ガスを真空ポンプによって排気し、真空チャンバー内を大気開放する。
次に、前述した成膜方法を繰り返すことにより、多数の容器の外面にDLC膜を成膜することができる。
本実施形態によれば、第1〜第3の上部電極110,133,134と自動整合器23との間に切替器22を配置し、この切替器22によってRF電源31からの高周波電流の経路を切り替える構成とする。これにより、1つの自動整合器23によってRF電源31からの高周波出力を複数の上部電極に供給することが可能となる。このように高価な自動整合器23の数を少なくすることができるため、複数の容器の外面に成膜処理を行うプラズマCVD装置のコストを低減することが可能となる。
なお、本実施形態では、1つの自動整合器23を切替器22によって3つの上部電極に接続しているが、これに限定されるものではなく、1つの自動整合器を切替器によって2つまたは4つ以上の上部電極に接続することも可能である。
また、外周電極114及び内部電極116それぞれと第1の容器7の距離が近すぎると第1の容器7にバイアスがかかりすぎるため、DLC膜は硬くなって剥がれやすくなる。また、内部電極116と第1の容器7の距離が遠すぎると第1の容器7にバイアスがかかりにくくなるため、DLC膜の遮光性は低下する。このため外周電極114及び内部電極116それぞれと第1の容器7の距離は適宜調節するのが好ましい。例えば外周電極114と第1の容器7の距離は、例えば10mm以上20mm以下が好ましい。
1 下部電極
2 上部電極
3 第1の外部電極
4 絶縁部材
5 蓋部
6 真空チャンバー
7 第1の容器
7a 首部
8 Oリング
9 第1の内部電極
9a ガス吹き出し口
10,11,12,13 配管
16 真空バルブ
17,18 真空バルブ
19 マスフローコントローラー
20 原料ガス発生源
21 真空ポンプ
22 切替器
23 自動整合器
31 RF電源
32 銅板
33 第2の外部電極
34 第3の外部電極
35 第1の同軸ケーブル
36 第2の同軸ケーブル
37 第3の同軸ケーブル
110 上部電極
112 RF印加電極
114 外周電極
114a 貫通穴
115 ボルト
116 内部電極
117 容器固定リング
117a リング分割材
117b 空洞部
117c 隙間
117d 凸部
118 ボルト
119 RFシールド
119a 絶縁材
120 対向アース電極(下部電極)
122 配管

Claims (10)

  1. 高周波電源と、
    前記高周波電源に電気的に接続された自動整合器と、
    前記自動整合器に電気的に接続された切替器と、
    前記切替器に電気的に接続された第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極の内側に配置された第1の容器と、
    前記第2の電極の内側に配置された第2の容器と、
    前記第1の容器内及び前記第2の容器内に原料ガスを供給するガス供給機構と、
    前記第1の容器内及び前記第2の容器内を真空排気する真空排気機構と、
    を具備し、
    前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 高周波電源と、
    前記高周波電源に電気的に接続された自動整合器と、
    前記自動整合器に電気的に接続された切替器と、
    前記切替器に電気的に接続された第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極に配置された第1の容器と、
    前記第2の電極に配置された第2の容器と、
    前記第1の容器の外面及び前記第2の容器の外面に原料ガスを供給するガス供給機構と、
    前記第1の容器の外側及び前記第2の容器の外側を真空排気する真空排気機構と、
    を具備し、
    前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1の電極と前記切替器との間及び前記第2の電極と前記切替器との間それぞれは、0.5m以上離れていることを特徴とするプラズマCVD装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記第1の電極と前記切替器は第1のケーブルによって電気的に接続され、前記第2の電極と前記切替器は第2のケーブルによって電気的に接続されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記自動整合器と前記切替器は一体的に形成されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
  6. 請求項1において、
    前記切替器に電気的に接続された第3の電極と、
    前記第3の電極の内側に配置された第3の容器と、
    を有し、
    前記切替器は、前記自動整合器と前記第3の電極とを電気的に接続する第3の経路を有し、
    前記ガス供給機構は、前記第3の容器内に原料ガスを供給することができ、
    前記真空排気機構は、前記第3の容器内を真空排気することができることを特徴とするプラズマCVD装置。
  7. 請求項2において、
    前記切替器に電気的に接続された第3の電極と、
    前記第3の電極に配置された第3の容器と、
    を有し、
    前記切替器は、前記自動整合器と前記第3の電極とを電気的に接続する第3の経路を有し、
    前記ガス供給機構は、前記第3の容器の外面に原料ガスを供給することができ、
    前記真空排気機構は、前記第3の容器の外側を真空排気することができることを特徴とするプラズマCVD装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記高周波電源の周波数は、10kHz以上27.12MHz以下であることを特徴とするプラズマCVD装置。
  9. 第1の容器内を真空排気する工程(a)と、
    第2の容器内を真空排気する工程(b)と、
    前記第1の容器内に第1の原料ガスを供給する工程(c)と、
    前記第2の容器内に第2の原料ガスを供給する工程(d)と、
    高周波電源から高周波出力を自動整合器に供給し、前記自動整合器から切替器を介して高周波出力を第1の電極に供給し、前記第1の電極の内側に配置された前記第1の容器内に前記第1の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第1の容器内に膜を成膜する工程(e)と、
    前記工程(e)の後に、前記高周波電源から前記高周波出力を前記自動整合器に供給し、前記自動整合器から前記切替器を介して高周波出力を第2の電極に供給し、前記第2の電極の内側に配置された前記第2の容器内に前記第2の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第2の容器内に膜を成膜する工程(f)と、
    を具備し、
    前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とする成膜方法。
  10. 第1の容器の外側を真空排気する工程(a)と、
    第2の容器の外側を真空排気する工程(b)と、
    前記第1の容器の外面に第1の原料ガスを供給する工程(c)と、
    前記第2の容器の外面に第2の原料ガスを供給する工程(d)と、
    高周波電源から高周波出力を自動整合器に供給し、前記自動整合器から切替器を介して高周波出力を第1の電極に供給し、前記第1の電極に配置された前記第1の容器内に前記第1の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第1の容器の外面に膜を成膜する工程(e)と、
    前記工程(e)の後に、前記高周波電源から前記高周波出力を前記自動整合器に供給し、前記自動整合器から前記切替器を介して高周波出力を第2の電極に供給し、前記第2の電極に配置された前記第2の容器の外側に前記第2の原料ガスのプラズマを生成することで、前記第2の容器の外面に膜を成膜する工程(f)と、
    を具備し、
    前記切替器は、前記自動整合器と前記第1の電極とを電気的に接続する第1の経路と、前記自動整合器と前記第2の電極とを電気的に接続する第2の経路を有することを特徴とする成膜方法。
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