JP4610797B2 - 密封装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械のヒンジピン・リンクピン・ブッシュ部等の回転・揺動軸受用のダストシール等に使用される密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のダストシールとして用いられる密封装置としては、例えば図5(a)に示すものが知られている。即ち、この密封装置100は、軸受に外部A側からダストが侵入しないようにするために用いられるもので、ダストリップ部101が軸に摺動してシールするものであった。
【0003】
この密封装置100では、ダストリップ部101の軸に対する摺動接触面にダストが侵入してダストリップ部101が傷付くのを防止するためとダストリップ部101の潤滑状態を良好にするために、密封装置100の密封O側からグリースを供給し、侵入するダストを外部A側へ洗い流すと共に摺動接触面の潤滑状態を維持してダストリップ部101の摩耗を抑制していた。
【0004】
しかし、近年、軸と軸受間の潤滑状態を良好にするために軸受に潤滑油を含浸させた含油軸受が用いられるようになり、密封装置には含油軸受から浸出する潤滑油の外部漏れを防止する機能も望まれるようになった。
【0005】
この潤滑油外部漏れ防止機能を発揮する密封装置として、図5(b)に示すように、ダストリップ部101の密封O側にオイルリップ部102を備えた密封装置110の構成が考えられたが、オイルリップ部102で潤滑油を密封してしまい、外部A側のダストリップ部101の摺動接触面の潤滑が不充分となってしまう。
【0006】
そこで、グリースを供給してダストリップ部101の摺動接触面の潤滑を良好にする必要があり、図5(c)に示すように、オイルリップ部102先端に切り欠き102aを設け、オイルリップ部102の密封O側からグリースを圧抜きしながら流し込む流路を確保し、この切り欠き102aから流し込まれたグリースがダストリップ部101を潤滑する構成の密封装置120が採用された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の図5(c)に示す密封装置120では、オイルリップ部102先端に設けられた切り欠き102aからはグリースと共に潤滑油も漏れ出してしまう。一方、ダストリップ部101は古くなったグリースを外部Aへ排出するリリーフ効果を有する。このため、ダストリップ部101では潤滑油の漏れを防ぐことができず、密封装置120の外部A側へ潤滑油が漏れ出す結果となった。
【0008】
このような結果のため、ユーザーによっては図5(c)に示す密封装置120では潤滑油の外部漏れ防止の効果が低いと判断し、含油軸受から外部への潤滑油漏れを許容してより安価な図5(a)に示す密封装置100を採用する場合もあった。
【0009】
以上のように、従来技術の密封装置では、含油軸受から外部Aへの潤滑油漏れを防止すると共に密封装置の潤滑状態を良好に維持して摩耗を抑制することができなかった。
【0010】
また、従来技術の密封装置は、摺動接触面の潤滑を維持するためグリースの供給を定期的(短時間の場合では24時間おき)に行う必要があり、メンテナンスが煩わしいものであった。
【0011】
よって、グリースの供給までの時間を延長する対策としてシールの初期しめ代を増大させることもできるが、従来のものでは最大50時間までが限界であった。
【0012】
このため、含油軸受から浸出する潤滑油等で摺動接触面の潤滑を行い、5000時間、10000時間、さらにはノーメンテナンスのグリース供給を廃止したメンテナンス性に優れた密封装置が望まれていた。
【0013】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決するものであり、その目的とするところは、シール性の向上を図ると共に潤滑状態を良好に維持し、さらにメンテナンス性に優れた高性能な密封装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、2部材間の環状隙間を密封する密封装置であって、摺動自在に密封接触する樹脂製のシール部と、該シール部に緊迫力を付与するゴム状弾性体製の付勢部と、を有する第1シール部材と、該第1シール部材の外部側で摺動自在に密封接触する第1シールリップ部と、該第1シールリップ部の外部側で摺動自在に密封接触する第2シールリップ部と、前記第1シール部材の付勢部を固定すると共に前記第1シール部材の密封側に突出して溝壁面との間を密封するゴム状弾性体製の突起部が設けられた嵌め合い部と、を有する第2シール部材と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
したがって、第1シール部材の密封側の潤滑剤は、第1シール部材の樹脂製のシール部で許容された所定の少量だけ徐々に第1シール部材の外部側へ漏れ出す。また、第2シール部材のゴム状弾性体製の突起部が溝壁面との間を密封するので、嵌め合い部側の周りから第1シール部材の密封側の潤滑剤の漏れも防止できる。
【0026】
このため、第1シール部材の密封側の潤滑剤は所定の少量の漏れは許容されるが残りは全てシールされ、潤滑剤の漏れを防止するシール性の向上が図れると共に、密封装置の潤滑を潤滑剤で維持することができる。
【0027】
また、第1シール部材の密封側の潤滑剤で密封装置の潤滑を維持すると、定期的な潤滑剤を供給するメンテナンスが長期間の間隔で行えばよくなる、或いは全く必要なくなるので、密封装置はメンテナンス性に優れることができる。
【0028】
前記第1シール部材は、前記シール部の摺動面の軸方向中央部に潤滑ポケットを有し、前記付勢部にU字状溝が形成されていることが好適である。
【0029】
これにより、シール部の摺動面の面積を小さくし、付勢部のU字状溝で充填率を抑えつつしめ代の増加が図れ、面圧が大きくなり、シール性が向上するので、密封側の潤滑剤の所定の少量の漏れを限りなく少なくすることができる。
【0030】
前記第1シール部材の密封側に潤滑剤を封入したことが好適である。
【0031】
これにより、他の部品を必要とせず、単に潤滑剤を封入するだけであるので、部品点数の削減と簡易製造が可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0033】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係る密封装置1を示す半断面図である。図1の密封装置1は、ヒンジピン・リンクピン・ブッシュ部等の回転・揺動軸受用のダストシール等に使用されるもので、潤滑剤供給手段としての含油軸受2に外部A側からダストが侵入しないようにするために用いられる。
【0034】
この密封装置1は、2部材としての軸20とハウジング21間の環状隙間を密封し、密封O側の含油軸受2から浸出する潤滑剤としての潤滑油(オイル)の外部漏れを防止するものであって、密封O側の第1シール部材3と、外部A側の第2シール部材4と、を備えている。
【0035】
第1シール部材3は、軸20に摺動自在に密封接触する樹脂製のシール部としての内周リング5と、この内周リング5に外周から緊迫力を付与すると共にハウジング21に嵌合固定されるゴム状弾性体製の付勢部としての外周リング6と、から構成されている。
【0036】
内周リング5は摺動面の軸方向中央部に潤滑ポケットが形成されており、面圧を受ける位置が2つとなっている。このため、接触面積を減少させて面圧を大きくして、シール性の向上を図っている。また、潤滑特性にも優れる。
【0037】
内周リング5の材料としては、摺動抵抗が小さく耐摩耗性に優れた樹脂材料が選択される。例えば、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)等のフッ素系樹脂を用いることができる。PTFE等の樹脂材料には制御する漏れ量に応じてグラスファイバやグラファイト、炭素繊維等の各種充填剤を充填してもよい。もちろん、これらの樹脂材料に限られず、種々の材料、PFE,ETFE等を用いることができる。
【0038】
外周リング6は、断面X字状の径方向中央がくびれた形状をしており、弾性変形し易く、内周リング5が軸偏心に追随した際の変形を吸収することができる。つまり、内周リング5の周りにはU字状溝が形成されている。このU字状溝によってしめ代を増加させ、摺動抵抗を上昇させてしまう充填率が大幅に大きくなることがないようにしている。
【0039】
この外周リング6の材料としては、内周リング5に付与する緊迫力に応じてゴム状弾性体材料が選択される。例えば、NBR,二トリルゴム等を用いる。
【0040】
特に、外周リング6の材料として、追随性に優れ低圧縮永久歪み材料であるNBRを用いると、長期にわたり安定したシール性能を維持することができる。
【0041】
なお、外周リング6の断面形状は内周リング5に緊迫力を付与し、第1シール部材3を嵌合固定するものであれば種々の形状を用いることができる。
【0042】
この内周リング5と外周リング6は、焼付けによって一体化されている。もちろん、接着や組み付け等種々の接合方法を用いることができる。
【0043】
一方、第2シール部材4は、ゴム状弾性体製であり、密封O側で軸20に摺動自在に密封接触する第1シールリップ部としてのオイルリップ部7と、このオイルリップ部7の外部A側で軸に摺動自在に密封接触する第2シールリップ部としてのダストリップ部8と、を備えている。
【0044】
この第2シール部材4の材料としては、ウレタンゴムを用いる。ウレタンゴムは合成ゴムの中では最も耐久性に優れており、潤滑保持特性に優れる。ウレタンゴムはポリオール+イソシアネート+鎖伸長剤で構成される。特に構成する種類までは限定しないが、ポリオールにPCL(ポリカプロラクタン),PHC(ポリヘキサメチレンカーボネート)を使用することで材料劣化に対する耐性がアップする。また、イソシアネートにTODI(オルソトリジンジイソシアネート),PPDI(パラフェニレンジイソシアネート)を使用することで耐熱性(耐へたり性)が向上する。ポリオール、イソシアネート、鎖伸長剤以外に耐摩耗性に優れる充填剤を配合することで耐久性向上も期待できる。
【0045】
オイルリップ部7は、密封O側に向かって徐々に内径方向に傾斜して延びており、先端が軸20に摺動自在に密封接触する。また、ダストリップ部8は、外部A側に向かって徐々に内径方向に傾斜して延びており、先端が軸20に摺動自在に密封接触する。
【0046】
なお、オイルリップ部7及びダストリップ部8は、それぞれ2段リップに形成されており、潤滑保持特性に優れ、面圧のピークの発生ポイントが増えることで耐ダスト性、シール性も向上している。
【0047】
また、第2シール部材4は、オイルリップ部7及びダストリップ部8が取り付けられ、外周が嵌合固定される環状の嵌め合い部9を備えている。嵌め合い部9は、ゴム状弾性体に断面略L字状の金属環10を焼付けた構成で、外周面に金属環10が露出しており、嵌合固定される円筒部10aと、円筒部10aの外部A側端部から内径方向に延びる内向きフランジ部10bと、から構成される。なお、金属環10の材料としては、SPCC,SUS等を用いることができる。また、オイルリップ部7及びダストリップ部8と嵌め合い部9のゴム状弾性体は、一体的なものである。
【0048】
この第2シール部材4には、オイルリップ部7の密封O側空間と、オイルリップ部7とダストリップ部8間の空間と、を連通する通路としての貫通孔11がオイルリップ部7の根元に1箇所だけ設けられている。なお、貫通孔11の径の大きさや数は、オイルリップ部7とダストリップ部8間の空間への潤滑油の供給状態に応じて適宜設定される。この貫通孔11により、オイルリップ部7の密封O側の潤滑油はオイルリップ部7とダストリップ部8間の空間に供給され易くなり、潤滑条件が良化しリップ部7,8の摩耗を効果的に防ぐことができる。
【0049】
なお、貫通孔11を設けなくてもよく、設けない場合にも従来に比して耐久性向上が見込める。この貫通孔11が無い場合については第2の実施の形態で説明するので、ここでは説明を省略する。
【0050】
そして、第1,第2シール部材3,4は、外周リング6及び嵌め合い部9がガイドリング12に嵌合固定され、ガイドリング12がハウジング21に嵌着してハウジング21に一体的に装着される。
【0051】
ガイドリング12は、第1シール部材3の外周リング6が嵌合される内環13と、この内環13外周が嵌着されると共に第2シール部材4の嵌め合い部9が嵌合される外環14と、から構成されている。
【0052】
内環13は、断面L字状の金属環で、円筒部13aと、この円筒部13aの外部A側端部に設けられる内向きフランジ部13bと、から構成されている。
【0053】
外環14は、断面コ字状の金属環で、円筒部14aと、この円筒部14aの密封O側端部及び外部A側端部に設けられる第1,第2内向きフランジ部14b,14cと、から構成されている。
【0054】
なお、内環13及び外環14の材料としては、SPCC,SUS等を用いることができる。
【0055】
このように、ガイドリング12を用いて、第1,第2シール部材3,4を外環14に固定して位置決めした状態で一体的にハウジング21に嵌合することができるので、第1,第2シール部材3,4を強固に固定でき、また、密封装置1の装着・取り外しを容易に行うことができる。
【0056】
一方、この密封装置1の密封O側には、軸20と軸受2間の潤滑状態を良好にするために潤滑油を含浸させた含油軸受2があり、この含油軸受2から潤滑油が浸出する。
【0057】
以上の構成の本実施の形態では、密封装置1の第2シール部材4のダストリップ部8によって外部Aのダストの侵入が防止される。ここで、このダストリップ部8は含油軸受2から浸出した潤滑油で侵入するダストを外部A側へ洗い流すと共に摺動接触面の潤滑が維持される。
【0058】
即ち、第1シール部材3は樹脂製の内周リング5でシールを行うのでシール部分からある程度の潤滑油の漏れが許容されており、含油軸受2から浸出した潤滑油は第1シール部材3の外部A側へ漏れ出す。また、第2シール部材4のオイルリップ部7の根元には貫通孔11が設けられているので潤滑油はオイルリップ部7とダストリップ部8間の空間へ流出する。このため、含油軸受2から浸出した潤滑油でダストリップ部8の摺動接触面を潤滑することができる。
【0059】
潤滑油の流れを詳細に説明すると、まず、潤滑油は含油軸受2から浸出する。そして、第1シール部材3の内周リング5のシール部分で許容された漏れ量だけ、徐々に第1シール部材3の外部A側へ漏れ出す。第2シール部材4のオイルリップ部7はシール性に優れておりオイルリップ部7のシール部分では潤滑油の漏れが抑制される。このため、第1シール部材3の外部A側へ漏れ出た潤滑油は第1,第2シール部材3,4間で蓄積されていく。
【0060】
さらに、潤滑油が第1シール部材3の外部A側へ漏れ出すと、潤滑油は第2シール部材4のオイルリップ部7の根元に設けられた貫通孔11に流入し、潤滑油はオイルリップ部7とダストリップ部8間の空間へ流出する。そして、流出した潤滑油でダストリップ部8の摺動接触面が潤滑される。
【0061】
ここで、第1シール部材3の外部A側へ漏れ出す潤滑油の量は、第1シール部材3の内周リング5がシール部分で許容する漏れ量であり、単位時間当たりに漏れ出す潤滑油の量は増減なく所定の少量に一定に保たれる。したがって、第2シール部材4のオイルリップ部7の根元に設けられた貫通孔11に流入する潤滑油も定期的に少量ずつオイルリップ部7とダストリップ部8間の空間へ流出するので、潤滑油の無駄な消費がなく、ダストリップ部8の摺動接触面の潤滑は含油軸受2から潤滑油が浸出する限り維持することができる。
【0062】
また、第1,第2シール部材3,4間で蓄積された潤滑油の貫通孔11への流入により、第1,第2シール部材3,4間に潤滑油が蓄積されすぎて蓄圧を発生させることも防止されており、第1,第2シール部材3,4間に発生した蓄圧によるオイルリップ部7の摩耗等が防止され、第1,第2シール部材3,4の耐久性を向上させている。
【0063】
したがって、含油軸受2から浸出する潤滑油は所定の少量の漏れは許容されるが残りは全てシールされ、潤滑油の漏れを防止するシール性の向上が図れると共に、ダストリップ部8の摺動接触面の潤滑を潤滑油で維持する、即ち密封装置1の潤滑を潤滑油で維持することができる。
【0064】
このように、含油軸受2から浸出する潤滑油で密封装置1の潤滑を維持すると、定期的な潤滑油を供給するメンテナンスが長期間の間隔で行えばよくなる、或いは全く必要なくなるので、密封装置1はメンテナンス性に優れることができる。
【0065】
そして、特に含油軸受2から潤滑油が浸出する期間が密封装置1が適用された建設機械等の寿命に等しければ潤滑油の永続的な無給油も可能となり、メンテナンスフリーでさらにメンテナンス性に優れることができる。
【0066】
なお、第1の実施の形態の密封装置1としては、第1,第2シール部材3,4がそれぞれの作用をなすように配置されればよく、例えば、外環14を設けず、ガイドリングとして内環13だけを備えることで、図2に示すように第1,第2シール部材3,4が一体化されずにハウジング21に設けられた各環状溝に直接嵌合固定される(挿入工数が2回となる)ものや、第1シール部材3は軸20に設けられた環状溝に嵌合固定され第2シール部材4はハウジング21に設けられた環状溝に嵌合固定されるものであってもよい。これらにおいても第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。このように第1、第2シール部材3,4以外には、内環13のみが用いられており、部品点数の削減、装置のコンパクト化が図れる。
【0067】
また、第1の実施の形態では、含油軸受2から潤滑油を浸出させて密封装置1に供給する構成であったが、これに限られず、密封装置1の密封O側に潤滑剤として潤滑油やグリースを封入する構成でもよい。さらには従来通り定期的なグリース供給を行ってもよく、この場合、従来の最大50時間おきだった定期的な供給を1000時間おき,5000時間おきまで延長することができる。
【0068】
(第2の実施の形態)
図3は第2の実施の形態に係る密封装置1’を示す半断面図である。図3の密封装置1’は、ヒンジピン・リンクピン・ブッシュ部等の回転・揺動軸受用のダストシール等に使用されるもので、密封O側に外部A側からダストが侵入しないようにするために用いられる。また、第1の実施の形態のような密封O側の含油軸受を必要とせず部品点数が少なく簡易なものである。なお、各部材の材質などは第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
この密封装置1’は、2部材としての軸20とハウジング21間の環状隙間を密封し、密封O側に封入された潤滑油の外部漏れを防止するものであって、密封O側の第1シール部材3と、外部A側の第2シール部材4と、を備えている。
【0070】
第1シール部材3は、軸20に摺動自在に密封接触する樹脂製のシール部としての内周リング5と、この内周リング5に外周から緊迫力を付与すると共にハウジング21に嵌合固定されるゴム状弾性体製の付勢部としての外周リング6と、から構成されている。
【0071】
内周リング5は摺動面の軸方向中央部に潤滑ポケットが形成されており、面圧を受ける位置が2つとなっている。このため、接触面積を減少させて面圧を大きくして、シール性の向上を図っている。また、潤滑特性にも優れる。
【0072】
外周リング6は、断面X字状の径方向中央がくびれた形状をしており、弾性変形し易く、内周リング5が軸偏心に追随した際の変形を吸収することができる。つまり、内周リング5の周りにはU字状溝が形成されている。このU字状溝によってしめ代を増加させ、摺動抵抗を上昇させてしまう充填率が大幅に大きくなることがないようにしている。
【0073】
この内周リング5と外周リング6は、焼付けによって一体化されている。もちろん、接着や組み付け等種々の接合方法を用いることができる。
【0074】
一方、第2シール部材4は、ゴム状弾性体製であり、密封O側で軸20に摺動自在に密封接触する第1シールリップ部としてのオイルリップ部7と、このオイルリップ部7の外部A側で軸20に摺動自在に密封接触する第2シールリップ部としてのダストリップ部8と、を備えている。
【0075】
オイルリップ部7は、密封O側に向かって徐々に内径方向に傾斜して延びており、先端が軸20に摺動自在に密封接触する。また、ダストリップ部8は、外部A側に向かって徐々に内径方向に傾斜して延びており、先端が軸20に摺動自在に密封接触する。
【0076】
なお、オイルリップ部7及びダストリップ部8は、それぞれ2段リップに形成されており、潤滑保持特性に優れ、面圧のピークの発生ポイントが増えることで耐ダスト性、シール性も向上している。
【0077】
また、第2シール部材4は、オイルリップ部7及びダストリップ部8が取り付けられ、外周が嵌合固定される環状の嵌め合い部9を備えている。
【0078】
嵌め合い部9は、第1シール部材3の外周リング6を固定すると共に第1シール部材3の密封O側に突出して溝壁面21aとの間を密封するゴム状弾性体製の突起部9aが設けられている。
【0079】
突起部9aは、溝壁面21aに密着してシール性を発揮するので、第2シール部材4の外周側を回り込んで潤滑油が漏れることが防止できる。なお、ゴム状弾性体製の突起部9aの形状は、溝壁面21aとの間を密封することができれば形状等は限定されないものである。
【0080】
この嵌め合い部9は、ゴム状弾性体に断面略L字状の金属環10を焼付けた構成で、外周面に金属環10が露出して外周共廻りを防止しており、嵌合固定される円筒部10aと、円筒部10aの外部A側端部から内径方向に延びる内向きフランジ部10bと、から構成される。
【0081】
なお、オイルリップ部7及びダストリップ部8と嵌め合い部9のゴム状弾性体は、一体的なものである。
【0082】
そして、第1,第2シール部材3,4間には、第1シール部材3の外周リング6が嵌合される内環13が設けられている。
【0083】
内環13は、断面L字状の金属環で、円筒部13aと、この円筒部13aの外部A側端部に設けられる内向きフランジ部13bと、から構成されている。
【0084】
このように第1、第2シール部材3,4以外には、内環13のみが用いられており、部品点数の削減、装置のコンパクト化が図れる。
【0085】
一方、この密封装置1’の密封O側には、軸20と軸受間の潤滑状態を良好にするために潤滑油が封入されている。
【0086】
以上の構成の本実施の形態では、密封装置1’の第2シール部材4のダストリップ部8によって外部Aのダストの侵入が防止される。ここで、このダストリップ部8は浸出した潤滑油で侵入するダストを外部A側へ洗い流すと共に摺動接触面の潤滑が維持される。
【0087】
即ち、第1シール部材3は樹脂製の内周リング5でシールを行うのでシール部分から極力少ない、ある程度の潤滑油の漏れが許容されており、密封O側の潤滑油は第1シール部材3の外部A側へ漏れ出す。また、第2シール部材4のオイルリップ部7から潤滑油はオイルリップ部7とダストリップ部8間の空間へオイルリップ部7で形成された油膜の状態で微小量流出する。このため、密封O側から浸出した潤滑油でダストリップ部8の摺動接触面を潤滑することができる。
【0088】
ここで、第1シール部材3の外部A側へ漏れ出す潤滑油の量は、第1シール部材3の内周リング5がシール部分で許容する漏れ量であり、単位時間当たりに漏れ出す潤滑油の量は増減なく所定の少量に一定に保たれる。したがって、第2シール部材4のオイルリップ部7の油膜で潤滑油も定期的に少量ずつオイルリップ部7とダストリップ部8間の空間へ流出するので、潤滑油の無駄な消費がなく、ダストリップ部8の摺動接触面の潤滑は常に維持することができる。
【0089】
したがって、含油軸受2から浸出する潤滑油は所定の少量の漏れは許容されるが残りは全てシールされ、潤滑油の漏れを防止するシール性の向上が図れると共に、ダストリップ部8の摺動接触面の潤滑を潤滑油で維持する、即ち密封装置1’の潤滑を潤滑油で維持することができる。
【0090】
このように、密封O側から浸出する潤滑油で密封装置1’の潤滑を維持すると、密封装置1’は定期的な潤滑油の供給メンテナンスが5000時間おき,10000時間おきまで延長することができ、さらには供給を廃止してノーメンテナンスとなり、メンテナンス性に優れることができる。また、第1の実施の形態のような含油軸受等の他の部品を必要とせず、単に密封O側に潤滑油を封入するだけであるので、部品点数の削減と簡易製造が可能となる。
【0091】
そして、特に潤滑油が浸出する期間が、密封装置1’が適用された建設機械等の寿命に等しければ潤滑油の永続的な無給油も可能となり、メンテナンスフリーでさらにメンテナンス性に優れることができる。
【0092】
なお、第2の実施の形態の他の例として、図4に示すものもある。図4の例では内環13が断面コ字状の金属環である点と、ダストリップ部8の先端が金属環10のフランジ部10bよりも密封O側に配置され、外部A側に飛び出していない点と、が図3と異なっている。
【0093】
図4に示す内環13は、断面コ字状の金属環で、円筒部13aと、この円筒部13aの外部A側端部に設けられる内向きフランジ部13bと、円筒部13aの密封O側端部に設けられる内向きフランジ部13cと、から構成されている。このため、第1シール部材3が内環13に覆われることになり、内環13が一般のシール装着溝と同じ効果を発揮し、第1シール部材3の挙動が安定することで、シール性能も安定する。
【0094】
また、図4に示すダストリップ部8は、フランジ部10bよりも外部A側に飛び出していないため、図示のように第2シール部材4の外部A側に耐ダスト性向上を目的にフランジ部材22を設けてもダストリップ部8とフランジ部材22が接触することはなく、互いに干渉しない。
【0095】
なお、第2の実施の形態では、密封O側に潤滑油(オイル)を封入して密封装置1’に供給する構成であったが、これに限られず、密封装置1’の密封O側に潤滑剤としてグリースを封入する構成でもよい。さらには従来通り定期的なグリース供給を行ってもよいし、第1の実施の形態と同様に含油軸受を用いる構成としてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、第1シール部材の密封側の潤滑剤は、第1シール部材の樹脂製のシール部で許容された所定の少量だけ徐々に第1シール部材の外部側へ漏れ出すので、第1シール部材の密封側の潤滑剤で第2シールリップ部を潤滑することができる。
【0097】
このため、第1シール部材の密封側の潤滑剤は所定の少量の漏れは許容されるが残りは全てシールされ、潤滑剤の漏れを防止するシール性の向上が図れると共に、密封装置の潤滑を潤滑剤で維持することができる。
【0098】
また、第1シール部材の密封側の潤滑剤で密封装置の潤滑を維持すると、定期的な潤滑剤を供給するメンテナンスが長期間の間隔で行えばよくなる、或いは全く必要なくなるので、密封装置はメンテナンス性に優れることができる。
【0099】
第1シールリップ部の密封側空間と前記第1,第2シールリップ部間の空間とを連通する通路を備えたことで、第1シール部材の樹脂製のシール部で許容された所定の少量だけ徐々に第1シール部材の外部側へ漏れ出した潤滑剤は、第2シール部材の通路に流入して第1,第2シールリップ部間の空間へ流出するので、第1シール部材の密封側の潤滑剤で第2シールリップ部を潤滑することができる。
【0100】
第1シール部材の密封側に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段が備えられたことで、潤滑剤供給手段から潤滑剤が供給される限り潤滑剤の補給が必要なく、メンテナンスフリーとなり、さらに密封装置はメンテナンス性に優れることができる。
【0101】
潤滑剤は、潤滑油であり、潤滑剤供給手段は、含浸した潤滑油を浸出する含油軸受であることで、含油軸受で軸と軸受間の潤滑状態を良好にすることができると共に、含油軸受から浸出した潤滑油で密封装置の潤滑を維持することができる。
【0102】
一方、第2シール部材にゴム状弾性体製の突起部が設けられた嵌め合い部を有する密封装置では、第1シール部材の密封側の潤滑剤は、第1シール部材の樹脂製のシール部で許容された所定の少量だけ徐々に第1シール部材の外部側へ漏れ出す。また、第2シール部材のゴム状弾性体製の突起部が溝壁面との間を密封するので、嵌め合い部側の周りから第1シール部材の密封側の潤滑剤の漏れも防止できる。
【0103】
このため、第1シール部材の密封側の潤滑剤は所定の少量の漏れは許容されるが残りは全てシールされ、潤滑剤の漏れを防止するシール性の向上が図れると共に、密封装置の潤滑を潤滑剤で維持することができる。
【0104】
また、第1シール部材の密封側の潤滑剤で密封装置の潤滑を維持すると、定期的な潤滑剤を供給するメンテナンスが長期間の間隔で行えばよくなる、或いは全く必要なくなるので、密封装置はメンテナンス性に優れることができる。
【0105】
第1シール部材は、シール部の摺動面の軸方向中央部に潤滑ポケットを有し、付勢部にU字状溝が形成されていることで、シール部の摺動面の面積を小さくし、付勢部のU字状溝で充填率を抑えつつしめ代の増加が図れ、面圧が大きくなり、シール性が向上するので、密封側の潤滑剤の所定の少量の漏れを限りなく少なくすることができる。
【0106】
第1シール部材の密封側に潤滑剤を封入したことで、他の部品を必要とせず、単に潤滑剤を封入するだけであるので、部品点数の削減と簡易製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図2】第1の実施の形態の他の例に係る密封装置を示す半断面図である。
【図3】第2の実施の形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図4】第2の実施の形態の他の例に係る密封装置を示す半断面図である。
【図5】従来技術の密封装置を示す半断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 密封装置
2 含油軸受
3 第1シール部材
4 第2シール部材
5 内周リング
6 外周リング
7 オイルリップ部
8 ダストリップ部
9 嵌め合い部
9a 突起部
10 金属環
10a 円筒部
10b フランジ部
11 貫通孔
12 ガイドリング
13 内環
13a 円筒部
13b フランジ部
14 外環
14a 円筒部
14b,14c フランジ部
20 軸
21 ハウジング
21a 溝壁面
22 フランジ部材
Claims (3)
- 2部材間の環状隙間を密封する密封装置であって、摺動自在に密封接触する樹脂製のシール部と、該シール部に緊迫力を付与するゴム状弾性体製の付勢部と、を有する第1シール部材と、該第1シール部材の外部側で摺動自在に密封接触する第1シールリップ部と、該第1シールリップ部の外部側で摺動自在に密封接触する第2シールリップ部と、前記第1シール部材の付勢部を固定すると共に前記第1シール部材の密封側に突出して溝壁面との間を密封するゴム状弾性体製の突起部が設けられた嵌め合い部と、を有する第2シール部材と、を備えたことを特徴とする密封装置。
- 前記第1シール部材は、前記シール部の摺動面の軸方向中央部に潤滑ポケットを有し、前記付勢部にU字状溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
- 前記第1シール部材の密封側に潤滑剤を封入したことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
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