JP4610748B2 - 画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、仮想的な3次元空間であるオブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像を生成する画像生成システム(ゲームシステム)が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。ガンゲームを楽しむことができる画像生成システムを例にとれば、プレーヤ(操作者)は、銃などを模して作られたガン型コントローラ(シューティングデバイス)を用いて、画面に映し出される敵キャラクタ(敵オブジェクト)などの標的をシューティングすることで、3次元ゲームを楽しむ。
【0003】
さて、このような画像生成システムでは、プレーヤの仮想現実感の向上のために、よりリアルな画像を生成することが重要な課題になっている。従って、ゲーム画面中に表示される水面等についても、よりリアルに表現できることが望まれる。
【0004】
例えば、このような水面を表現する手法として、水面オブジェクトを構成する各ポリゴンに、水面の絵柄を表したテクスチャを一様にマッピングする手法を考えることができる。
【0005】
しかしながら、この手法では、仮想カメラから見てどの場所でも水面の絵柄が同じに見えてしまい、得られる画像が単調になるという問題点がある。
【0006】
一方、水面の画像が単調になるのを防止する手法として、水面オブジェクトの各ポリゴンに対して、場所に依って異なるテクスチャを切り替えてマッピングする手法を考えることができる。
【0007】
しかしながら、この手法では、テクスチャが切り替わる場所でテクスチャの境界線が目立ってしまい、今一つ高品質な画像を生成できないという問題点ある。
【0008】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水面、フォグ等のオブジェクトのリアルで高品質な画像を少ない処理負荷で生成できる画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、画像生成を行う画像生成システムであって、仮想カメラからの距離に応じて用意された複数のテクスチャを記憶する手段と、仮想カメラからの距離に基づいて前記複数のテクスチャの補間処理を行い、補間処理により得られたテクスチャをオブジェクトにマッピングする手段と、テクスチャに設定されたα値に基づいてα合成処理を行う手段と、オブジェクト空間において仮想カメラから見える画像を生成する手段とを含み、前記複数のテクスチャとして仮想カメラからの距離に応じて互いに異なるα値が設定された複数のテクスチャを用意し、オブジェクトの透明度を仮想カメラからの距離に応じて変化させることを特徴とする。また本発明に係るプログラムは、コンピュータにより使用可能なプログラム(情報記憶媒体又は搬送波に具現化されるプログラム)であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ことを特徴とする。また本発明に係る情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能(使用可能)な情報記憶媒体であって、上記手段をコンピュータに実現させる(上記手段としてコンピュータを機能させる)ためのプログラムを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1の距離用の第1のテクスチャ、第2の距離用の第2のテクスチャ・・・・・第Nの距離用の第Nのテクスチャというように、仮想カメラからの距離(奥行き距離又は直線距離等)に応じて複数のテクスチャが用意される。そして、仮想カメラからの距離に基づいて、これらの複数のテクスチャの補間処理(線形補間又は非線形補間等)が行われ、補間処理により得られたテクスチャがオブジェクトにマッピングされる。
【0011】
そして本発明では、これらの複数のテクスチャに対して、例えば仮想カメラからの距離に応じて異なるα値(αプレーン)が設定される。例えば第1の距離用の第1のテクスチャには第1のα値(αプレーン)が設定され、第2の距離用の第2のテクスチャには第2のα値が設定され・・・・・第Nの距離用の第Nのテクスチャには第Nのα値が設定される。
【0012】
このようにすることで本発明によれば、仮想カメラからの距離に応じてオブジェクトのα値(透明度)を徐々に変化させることが可能になり、水面やフォグ等のリアルな表現が可能になる。
【0013】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、仮想カメラから近い距離用のテクスチャとして、より高い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、仮想カメラから遠い距離用のテクスチャとして、より低い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、オブジェクトの透明度を、仮想カメラからの距離が遠くなるにつれて徐々に低くすることを特徴とする。このようにすれば、仮想カメラから近い場所ではオブジェクトの透明度が高くなり(透明になり)、仮想カメラから遠い場所ではオブジェクトの透明度が低くなる(不透明になる)画像を生成できるようになる。
【0014】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、仮想カメラから近い距離用のテクスチャであり水面オブジェクト用又はフォグオブジェクト用のテクスチャとして、より高い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、仮想カメラから遠い距離用のテクスチャであり水面オブジェクト用又はフォグオブジェクト用のテクスチャとして、より低い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、水面オブジェクト又はフォグオブジェクトの透明度を、仮想カメラからの距離が遠くなるにつれて徐々に低くすることを特徴とする。このようにすれば、仮想カメラから近い場所では水面オブジェクトを介して水面の奥側の背景画像(水底)が透けて見える一方、仮想カメラから遠い場所では背景画像が透けて見えないリアルな画像を生成できる。
【0015】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、仮想カメラからの距離が離れる方向にオブジェクトを移動させると共に、仮想カメラからの距離が離れるにつれてオブジェクトの透明度を徐々に低くすることを特徴とする。このようにすれば、例えば透明から不透明に変化しながら仮想カメラから離れる方向に移動するオブジェクトを表現でき、フォグ表現等に好適な画像を生成できる。
【0016】
なお本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、仮想カメラからの距離が所与の距離以上になった場合には、仮想カメラからの距離が離れるにつれてオブジェクトの透明度を徐々に高くするようにしてもよい。
【0017】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、仮想カメラからの距離に基づいて、前記複数のテクスチャから少なくとも2つのテクスチャが選択されると共にテクスチャ補間率が求められ、求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択されたテクスチャの補間処理が行われることを特徴とする。このようにすれば、仮想カメラの距離に応じて変化するテクスチャ補間率でテクスチャが補間されるようになるため、テクスチャ間の境界線を目立たなくすることが可能になる。
【0018】
また本発明に係る画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体は、描画対象となるピクセルについての仮想カメラからの距離に基づいて、前記複数のテクスチャから少なくとも2つのテクスチャが選択されると共にテクスチャ補間率が求められ、求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択されたテクスチャのテクセルに設定された色データ及びα値の補間処理が行われ、補間処理により得られた色データ及びα値に基づいて、描画対象となるピクセルが描画されることを特徴とする。このようにすれば、テクスチャ単位ではなくテクセル単位で、仮想カメラからの距離に応じてテクスチャの色データ及びα値が徐々に変化するようになるため、テクスチャ間の境界線を更に目立たなくすることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
【0020】
1.構成
図1に、本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)の機能ブロック図の一例を示す。なお同図において本実施形態は、少なくとも処理部100を含めばよく(或いは処理部100と記憶部170を含めばよく)、それ以外のブロックについては任意の構成要素とすることができる。
【0021】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、マイク、或いは筺体などのハードウェアにより実現できる。
【0022】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0023】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本発明(本実施形態)の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本発明(本実施形態)の手段(特に処理部100に含まれるブロック)をコンピュータに実現(実行、機能)させるためのプログラムが格納され、このプログラムは、例えば1又は複数のモジュール(オブジェクト指向におけるオブジェクトも含む)を含む。
【0024】
なお、情報記憶媒体180に格納される情報の一部又は全部は、システムへの電源投入時等に記憶部170に転送されることになる。また情報記憶媒体180には、本発明の処理を行うためのプログラム、画像データ、音データ、表示物の形状データ、本発明の処理を指示するための情報、或いはその指示に従って処理を行うための情報などを含ませることができる。
【0025】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアにより実現できる。
【0026】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカなどのハードウェアにより実現できる。
【0027】
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などを考えることができる。
【0028】
通信部196は、外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ、或いは通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0029】
なお本発明(本実施形態)の各手段を実現(実行、機能)するためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180に配信するようにしてもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0030】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。この場合、処理部100は、記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として使用して、各種の処理を行う。
【0031】
ここで、処理部100が行う処理としては、コイン(代価)の受け付け処理、各種モードの設定処理、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、オブジェクト(1又は複数のプリミティブ面)の位置や回転角度(X、Y又はZ軸回り回転角度)を求める処理、オブジェクトを動作させる処理(モーション処理)、視点の位置(仮想カメラの位置)や視線角度(仮想カメラの回転角度)を求める処理、マップオブジェクトなどのオブジェクトをオブジェクト空間へ配置する処理、ヒットチェック処理、ゲーム結果(成果、成績)を演算する処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイするための処理、或いはゲームオーバー処理などを考えることができる。
【0032】
処理部100は、移動・動作演算部110、仮想カメラ制御部112、オブジェクト空間設定部114、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0033】
ここで移動・動作演算部110は、キャラクタ、車などのオブジェクト(移動オブジェクト)の移動情報(位置、回転角度)や動作情報(オブジェクトの各パーツの位置、回転角度)を演算するものであり、例えば、操作部160によりプレーヤが入力した操作データやゲームプログラムなどに基づいて、オブジェクトを移動させたり動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。
【0034】
より具体的には、移動・動作演算部110は、オブジェクトの位置や回転角度を例えば1フレーム(1/60秒、1/30秒等)毎に変化させる。例えば(k−1)フレームでのオブジェクトの位置、回転角度をPk-1、θk-1とし、オブジェクトの1フレームでの位置変化量(速度)、回転変化量(回転速度)を△P、△θとする。するとkフレームでのオブジェクトの位置Pk、回転角度θkは例えば下式(1)、(2)のように求められる。
【0035】
Pk=Pk-1+△P (1)
θk=θk-1+△θ (2)
仮想カメラ制御部112は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点での画像を生成するための仮想カメラを制御する処理を行う。即ち、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転(X、Y、Z軸回りでの回転)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)等を行う。
【0036】
例えば、仮想カメラにより移動オブジェクトを後方から撮影する場合には、移動オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転(仮想カメラの方向)を制御することが望ましい。この場合には、移動・動作演算部110で得られた移動オブジェクトの位置、方向又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御することになる。或いは、仮想カメラを、予め決められた移動経路で移動させながら予め決められた角度で回転させるようにしてもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)や回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御することになる。
【0037】
オブジェクト空間設定部114は、マップなどの各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間内に設定するための処理を行う。より具体的には、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(方向)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転)でオブジェクトを配置する。
【0038】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて画像処理を行い、ゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。例えば、いわゆる3次元のゲーム画像を生成する場合には、まず、座標変換、クリッピング処理、透視変換、或いは光源計算等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の構成点(頂点)に付与される位置座標、テクスチャ座標、色(輝度)データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、ジオメトリ処理後のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)の画像が、描画バッファ174(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画される。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成されるようになる。
【0039】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0040】
画像生成部120は、テクスチャマッピング部122、α合成部124を含む。
【0041】
ここでテクスチャマッピング部122は、テクスチャ記憶部176に記憶されるテクスチャをオブジェクトにマッピングするための処理を行う。
【0042】
α合成部124は、α値(A値)に基づくα合成処理(αブレンディング、α加算又はα減算等)を行う。例えばα合成がαブレンディングである場合には下式のような合成処理が行われる。
【0043】
Q=(1−α)×R1+α×R2 (3)
Q=(1−α)×G1+α×G2 (4)
Q=(1−α)×B1+α×B2 (5)
ここで、R1、G1、B1は、描画バッファ174に既に描画されている画像の色(輝度)のR、G、B成分であり、R2、G2、B2は、描画画像の色のR、G、B成分である。またRQ、GQ、BQは、αブレンディングにより生成される画像の色のR、G、B成分である。
【0044】
なお、α値(A値)は、各ピクセルに関連づけられて記憶される情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0045】
そして本実施形態では、テクスチャ記憶部176が、仮想カメラ(視点)からの距離(奥行き距離又は直線距離等)に応じて用意された複数のテクスチャを記憶する。即ちテクスチャ記憶部176は、第1の距離(仮想カメラから最も近い距離)用の第1のテクスチャ、第2の距離(第1の距離の次に近い距離)用の第2のテクスチャ、第3の距離(第2の距離の次に近い距離)・・・・・第Nの距離(仮想カメラから最も遠い距離)用の第Nのテクスチャを記憶する。
【0046】
そして本実施形態では、これらの複数のテクスチャ(第1〜第Nのテクスチャ)として、仮想カメラからの距離に応じて異なるα値が設定されたテクスチャを用意する。
【0047】
例えば第1のテクスチャには、透明度(半透明度、不透明度)が最も高くなるα値(例えば完全に透明となるα値)を設定する。また、第2のテクスチャには、第1のテクスチャのα値よりも透明度が低くなるα値を設定する。また、第3のテクスチャには、第2のテクスチャのα値よりも透明度が更に低くなるα値を設定する。そして第Nのテクスチャでは透明度が最も低くなるα値(例えば完全に不透明となるα値)を設定する。
【0048】
そして画像生成部120のテクスチャマッピング部122は、仮想カメラからの距離に基づいて、テクスチャ記憶部176に記憶されるこれらの複数のテクスチャ(第1〜第Nのテクスチャ)の補間処理を行い、得られたテクスチャを水面オブジェクト、フォグオブジェクト等のオブジェクトにマッピングする処理を行う。
【0049】
より具体的には、テクスチャマッピング部122は、描画対象となるピクセル(オブジェクトのピクセル)についての仮想カメラの距離(例えばZバッファに格納されているZ値)に基づいて、テクスチャ記憶部176に記憶される複数のテクスチャから例えば2つ(3つ以上でもよい)のテクスチャを選択する。また、仮想カメラからの距離に基づいて、補間処理に使用するテクスチャ補間率を求める。そして、選択されたテクスチャと求められたテクスチャ補間率に基づいて、テクスチャのテクセルに設定された色データ(例えばRGB)及びα値の補間処理を行う。そして、このような補間処理により得られた色データ及びα値に基づいて、描画対象となるピクセルが描画されることになる。
【0050】
なお、メモリの使用記憶容量を節約しながら高品質な画像を生成するために、テクスチャ記憶部176に記憶される第1〜第Nのテクスチャは、ミップマップ用のテクスチャであることが望ましい。即ち、第1のテクスチャを最も精密度が高いテクスチャとし、第2のテクスチャを第1のテクスチャよりも精密度が低いテクスチャとし、第3のテクスチャを第2のテクスチャよりも精密度が低いテクスチャとし・・・・・・第Nのテクスチャを最も精密度が低いテクスチャとすることが望ましい。
【0051】
またテクスチャ記憶部176に記憶されるテクスチャは、例えば、電源投入時等に情報記憶媒体180からテクスチャ記憶部176(VRAM等)に転送されるものである。
【0052】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、このようなシングルプレーヤモードのみならず、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。
【0053】
また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて生成してもよい。
【0054】
2.本実施形態の特徴
次に本実施形態の特徴について図面を用いて説明する。なお、以下では仮想カメラからの距離(仮想カメラからオブジェクトまでの距離)がZ値(奥行き距離)である場合を主に例にとり説明するが、本発明における仮想カメラからの距離はZ値に限定されない。また、以下では、水面表現に本発明を適用した場合を主に例にとり説明するが、本発明は、フォグ表現等の他の画像表現にも適用できる。
【0055】
2.1 水面表現
本実施形態では、異なるα値が設定されたテクスチャをトライリニア補間することでリアルな水面表現を実現している。
【0056】
より具体的には本実施形態では図2に示すように、仮想カメラVC(視点)からの奥行き距離であるZ値(カメラ(視点)座標系でのZ値)に応じて設定される、例えば4つ(少なくとも2以上)の水面表現用のテクスチャTEX1〜TEX4を用意する。
【0057】
ここでTEX1はZ=Z1の場合用に用意されたテクスチャである。同様に、TEX2、TEX3、TEX4は、各々、Z=Z2、Z3、Z4の場合用に用意されたテクスチャである。
【0058】
そして本実施形態では、これらのテクスチャ間でα値の設定を互いに異ならせている。
【0059】
即ち、図2に示すようTEX1は、色(RGB)のプレーンR1、G1、B1とα値のプレーンα1を含む。同様に、TEX2はプレーンR2、G2、B2、α2を含み、TEX3はプレーンR3、G3、B3、α3を含み、TEX4はプレーンR4、G4、B4、α4を含む。
【0060】
そして本実施形態では、これらのプレーンα1、α2、α3、α4のα値を互いに異ならせている。より具体的には、α1では最も高い透明度(例えば完全な透明)のα値が設定され、α2ではα1よりも低い透明度のα値が設定され、α3ではα2よりも低い透明度のα値が設定され、α4では最も低い透明度(例えば完全な不透明)のα値が設定される。
【0061】
そして本実施形態ではこれらの水面表現用(或いはフォグ表現用)のテクスチャTEX1〜4(異なるα値が設定されたテクスチャ)を用いてトライリニア補間を行い、水面(或いはフォグ)を表現している。
【0062】
より具体的には図3に示すように、複数のポリゴン(広義にはプリミティブ面)で構成される水面オブジェクトOBS(或いはフォグオブジェクト)を用意する。
【0063】
そして、仮想カメラVCからの奥行き距離であるZ値がZ1(第1の距離)〜Z2(第2の距離)の間にある場合には、Z1用のテクスチャTEX1とZ2用のテクスチャTEX2を選択する。そして、これらのテクスチャTEX1、TEX2を例えば下式のような線形式で補間し、補間により得られたテクスチャTEX12を水面オブジェクトOBSにマッピングする(テクセル単位でマッピングする)。
【0064】
TEX12=(1−γ1)×TEX1+γ1×TEX2 (6)
ここで、テクスチャ補間率γ1は例えばZ値の線形式により表され、Z=Z1の時にγ1=0になり、Z=Z2の時にγ1=1になる。
【0065】
また、Z値がZ2(第2の距離)〜Z3(第3の距離)の間にある場合には、Z2用のテクスチャTEX2とZ3用のテクスチャTEX3を選択する。そして、これらのテクスチャTEX2、TEX3を例えば下式のような線形式で補間し、補間により得られたテクスチャTEX12を水面オブジェクトOBSにマッピングする。
【0066】
TEX23=(1−γ2)×TEX2+γ2×TEX3 (7)
ここで、テクスチャ補間率γ2は例えばZ値の線形式により表され、Z=Z2の時にγ2=0になり、Z=Z3の時にγ2=1になる。
【0067】
また、Z値がZ3(第3の距離)〜Z4(第4の距離)の間にある場合には、Z3用のテクスチャTEX3とZ4用のテクスチャTEX4を選択する。そして、これらのテクスチャTEX3、TEX4を例えば下式のような線形式で補間し、補間により得られたテクスチャTEX34を水面オブジェクトOBSにマッピングする。
【0068】
TEX34=(1−γ3)×TEX3+γ3×TEX4 (8)
ここで、テクスチャ補間率γ3は例えばZ値の線形式により表され、Z=Z3の時にγ3=0になり、Z=Z4の時にγ3=1になる。
【0069】
そして本実施形態では前述のように、テクスチャTEX1のα値(α1)は最も高い透明度に設定され、テクスチャTEX4のα値(α4)は最も低い透明度に設定されている。
【0070】
従って、これらのテクスチャTEX1〜4を図3に示すようにトライリニア補間して水面オブジェクトOBSにマッピングすることで、仮想カメラVCに近い場所では透明な水面を介して水底が透けて見え、仮想カメラVCから遠い場所では不透明(半透明)な水面により水底が見えなくなるというリアルな画像を生成できるようになる。
【0071】
しかも、本実施形態では、テクスチャTEX1〜4がトライリニア補間されて水面オブジェクトOBSにマッピングされる。従って、テクスチャTEX1〜4を単純に切り替えてマッピングする手法と異なり、テクスチャTEX1〜4が切り替わる場所(Z1、Z2、Z3、Z4)での境界線も目立たなくなる。即ち、テクスチャの色やα値がテクスチャ単位ではなくてテクセル(ドット)単位で徐々に変化してゆくため、水面が透明から不透明にスムーズに変化して見える自然な画像を生成できる。
【0072】
図4に本実施形態により生成された画像の例を示す。
【0073】
図4に示すように本実施形態によれば、仮想カメラ(視点)から近い場所では、水中にある壁や水底が透けて見え、仮想カメラから遠ざかるにつれて、水面が徐々に不透明になり水底が透けて見えなくなるリアルな水面表現を実現できる。
【0074】
なお、図5に示すように、トライリニア補間に使用する複数のテクスチャTEX1〜4は、仮想カメラVCからの距離(Z値)が遠くなるにつれて精密度が低くなるミップマップ用のテクスチャであることが望ましい。
【0075】
より具体的には図5に示すように、Z=Z2用のテクスチャTEX2として、Z=Z1用のテクスチャTEX1よりもテクセル数(ドット数)が少ないテクスチャ(精密度、解像度が低いテクスチャ)を使用する。同様に、Z=Z3用のテクスチャTEX3として、Z=Z2用のテクスチャTEX2よりもテクセル数が少ないテクスチャを使用し、Z=Z4用のテクスチャTEX4として、Z=Z3用のテクスチャTEX3よりもテクセル数が少ないテクスチャを使用する。
【0076】
このようにすれば、仮想カメラVCからの距離が近い場所では、精密度の高いテクスチャにより高精細な画像を生成できる。
【0077】
一方、仮想カメラVCからの距離が遠い場所では、精密度の低いテクスチャにより画像が生成されてしまう反面、テクスチャの使用記憶容量を節約できるという利点を得ることができる。そして、仮想カメラVCからの距離が遠い場所では、距離が遠いため画像の粗さが目立たなく、それほど問題は生じない。このように図5の手法を採用すれば、少ないメモリ使用記憶容量で高品質な画像を生成できるという利点を得ることができる。
【0078】
2.2 フォグ表現
図3では、仮想カメラVCの前方に広がる水面(フォグでもよい)を表現する場合について説明したが、プレーヤの足下からプレーヤの前方にフォグが流れて行くような表現にも本実施形態は適用できる。
【0079】
例えば図6(A)、(B)、(C)に示すように、仮想カメラVCからの距離(Z値)が離れる方向に、フォグオブジェクトOBFをリアルタイムに移動させる(VCとOBFの相対的な距離を変化させる)。
【0080】
そして図3で説明した手法を用いて、図6(A)、(B)に示すように仮想カメラVCからの距離が離れるにつれてフォグオブジェクトOBFの透明度が徐々に低くなる(徐々に不透明になる)画像を生成する。
【0081】
一方、図6(C)に示すように、仮想カメラVCからの距離が所与の距離(ZG)以上になった場合には、今度は逆に、仮想カメラVCからの距離が離れるにつれてフォグオブジェクトOBFの透明度が徐々に高くなる(徐々に透明になる)画像を生成する。
【0082】
より具体的には以下のような手法により図6(A)、(B)、(C)のフォグオブエジェクトを表現する。
【0083】
即ち図2と同様に、仮想カメラVCからの距離(Z値)に応じて設定される複数(少なくとも2以上)のフォグ表現用のテクスチャTEX1〜TEX4を用意する。
【0084】
そして図2と同様に、これらのテクスチャ間でα値の設定を互いに異ならせておく。即ち、テクスチャTEX1〜4が含むαプレーンα1〜4を互いに異ならせる。
【0085】
そして、これらのフォグ表現用のテクスチャTEX1〜4を用いてトライリニア補間を行い、フォグを表現する。
【0086】
より具体的には図3と同様に、フォグオブジェクトOBFのZ値(仮想カメラVCからの距離)がZ1〜Z2の間にある場合にはテクスチャTEX1、2を選択し、これらのテクスチャTEX1、2を線形補間し、補間により得られたテクスチャTEX12をOBFにマッピングする。
【0087】
また、フォグオブジェクトOBFのZ値がZ2〜Z3の間にある場合にはテクスチャTEX2、3を選択し、これらのTEX2、3を線形補間し、補間により得られたテクスチャTEX23をOBFにマッピングする。
【0088】
また、フォグオブジェクトOBFのZ値がZ3〜Z4の間にある場合にはテクスチャTEX3、4を選択し、これらのTEX3、4を線形補間し、補間により得られたテクスチャTEX34をOBFにマッピングする。
【0089】
このようにすることで、仮想カメラVCに近い場所では透明なフォグを介して地面(背景)が透けて見え、VCからZGの距離では不透明なフォグにより地面が透けて見えなくなり、VCから更に離れると再度地面が透けて見えるようになるというリアルなフォグ表現を実現できる。
【0090】
しかも、本実施形態では、テクスチャTEX1〜4がトライリニア補間されてフォグオブジェクトOBFにマッピングされるため、TEX1〜4が切り替わる様子も目立たなくなる。
【0091】
従って図7に模式的に示されるように、フォグが透明から不透明、不透明から透明にスムーズに変化して見えるリアルな画像を生成できるようになる。
【0092】
2.3 トライリニア補間
次に、トライリニア補間の詳細について説明する。
【0093】
図8に、トライリニア補間を実現するテクスチャマッピング部の機能ブロック図の例を示す。なお図8のテクスチャマッピング部の機能は、ハードウェアのみにより実現してもよいし、プログラム(ソフトウェア)のみによりも実現してもよい。或いはハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0094】
ピクセルデータ演算部140は、前段から入力されたポリゴンデータ(広義にはプリミティブ面データ)に基づいてポリゴンの各ピクセル(ドット)のデータを求める。
【0095】
ここで、ピクセルデータ演算部140に入力されるポリゴンデータは、ポリゴンの各頂点(構成点)の位置座標VX、VY、VZ、テクスチャ座標VTX、VTY等を含む。また、ピクセルデータ演算部140が出力するピクセルデータは、ポリゴンの各ピクセルの位置座標(表示座標)X、Y、テクスチャ座標TX、TY、Z値Z等を含む。
【0096】
アドレス生成部142は、ピクセルデータ演算部140から入力されたピクセルデータ(TX、TY、Z)に基づいて、テクスチャ記憶部176に記憶されるテクスチャを読み出すためのテクスチャアドレスを生成し、テクスチャ記憶部176に出力する。また、Z値に基づいてテクスチャ補間率γを算出し、補間部144に出力する。
【0097】
テクスチャ記憶部176は、アドレス生成部142から入力されたテクスチャアドレスに基づいて、テクスチャの各テクセルのデータを補間部144に出力する。
【0098】
ここで、テクスチャ記憶部176が出力するテクセルデータは、テクスチャの各テクセルの色データR、G、B、α値を含む。
【0099】
補間部144は、アドレス生成部142からのテクスチャ補間率γとテクスチャ記憶部176からのテクセルデータ(R、G、B、α)に基づいて補間処理を行い、補間テクセルデータ(R’、G’、B’、α’)を算出する。
【0100】
そして、ピクセルデータ演算部140からの位置(表示)座標(X、Y)と補間テクセルデータ(R’、G’、B’、α’)に基づいてポリゴンの描画処理が行われる。より具体的には、位置座標(X、Y)により特定される描画バッファ(フレームバッファ)の各ピクセルに対して、補間テクセルデータ(R’、G’、B’、α’)が描画される。
【0101】
本実施形態では、アドレス生成部142が、各ピクセルのテクスチャ座標TX、TY及びZ値(仮想カメラからの距離)に基づいて、複数のテクスチャTEX1〜4から2つ(2以上)のテクスチャを選択するためのテクスチャアドレスを生成すると共にテクスチャ補間率γを算出する。図3を例にとれば、Z値がZ1〜Z2の間にある場合にはテクスチャTEX1、TEX2を読み出すためのテクスチャアドレスが生成される。また、Z値に基づく線形補間により、TEX1とTEX2を補間するためのテクスチャ補間率γを算出する。
【0102】
そして、補間部144は、生成されたテクスチャアドレスによりテクスチャ記憶部176から読み出されたテクセルデータ(R、G、B、α)と、アドレス生成部142からのテクスチャ補間率γとに基づいて、図3で説明したような補間処理を行い、補間テクセルデータ(R’、G’、B’、α’)を算出する。そして、この補間テクセルデータ(R’、G’、B’、α’)に基づいて、当該ピクセルについての描画行われることになる。
【0103】
本実施形態では図8に示すように、オブジェクトの各ピクセルのZ値に基づいてテクスチャアドレスが生成される(テクスチャが選択される)と共にテクスチャ補間率γが算出される。従って、補間により得られた補間テクセルデータ(R’、G’、B’、α’)は、テクセル(ピクセル)単位で滑らかに変化することになるため、テクセル間の境界が目立ってしまうというような事態を防止でき、スムーズにα値が変化する高品質な画像を生成できる。
【0104】
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態の処理の詳細例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0105】
まず、視点(仮想カメラ)から遠いほど透明度が低くなるα値が設定されたミップマップ用の複数のテクスチャ(図2、図5参照)を、テクスチャ記憶部(VRAM等)に転送しておく(ステップS1)。
【0106】
次に、転送されたミップマップ用の複数のテクスチャのうち、視点から最も近い2枚のテクスチャの組を選択する(ステップS2)。即ち図3においてテクスチャTEX1、2の組を選択する。
【0107】
次に、描画対象となるピクセルのZ値が、選択された2枚のテクスチャの設定Z値の間の値か否かを判断する(ステップS3)。即ち図3において、Z値がZ1〜Z2の間の値か否かを判断する。そして、設定Z値の間の値ではないと判断された場合には、視点から次に近い2枚のテクスチャの組を選択して(ステップS4)、ステップS3に戻る。即ち図3においてテクスチャTEX2、3を選択する。
【0108】
一方、ステップS3で設定Z値の間の値であると判断された場合には、描画対象ピクセルのZ値と、選択された2枚のテクスチャの設定Z値とに基づいて、テクスチャ補間率を求める(ステップS5)。即ち図3において、描画対象ピクセルのZ値と、テクスチャTEX1、2の設定Z値Z1、Z2に基づいて、テクスチャ補間率γ1を求める。
【0109】
次に、ステップS5で求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択された2枚のテクスチャのテクセルのR、G、B、α値を補間する(ステップS6)。即ち図3において、テクスチャ補間率γに基づいて、TEX1、2のテクセルのR、G、B、α値を補間する。
【0110】
次に、ステップS6の補間処理により得られたR、G、B、α値に基づいて、α合成処理(αブレンディング)を行いながら、描画対象ピクセルを描画する処理を行う(ステップS7)。
【0111】
以上の処理をオブジェクト(ポリゴン)の各ピクセルに対して行うことにより、視点から遠ざかるにつれて徐々に透明度が変化する水面やフォグの画像を生成できるようになる。
【0112】
4.ハードウェア構成
次に、本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例について図10を用いて説明する。
【0113】
メインプロセッサ900は、CD982(情報記憶媒体)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介して転送されたプログラム、或いはROM950(情報記憶媒体の1つ)に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などの種々の処理を実行する。
【0114】
コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、高速並列演算が可能な積和算器や除算器を有し、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えば、オブジェクトを移動させたり動作(モーション)させるための物理シミュレーションに、マトリクス演算などの処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0115】
ジオメトリプロセッサ904は、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、高速並列演算が可能な積和算器や除算器を有し、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えば、座標変換、透視変換、光源計算などの処理を行う場合には、メインプロセッサ900で動作するプログラムが、その処理をジオメトリプロセッサ904に指示する。
【0116】
データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データを伸張するデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする処理を行う。これにより、オープニング画面、インターミッション画面、エンディング画面、或いはゲーム画面などにおいて、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できるようになる。なお、デコード処理の対象となる画像データや音データは、ROM950、CD982に格納されたり、或いは通信インターフェース990を介して外部から転送される。
【0117】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を高速に実行するものである。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970の機能を利用して、オブジェクトデータを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると、描画プロセッサ910は、これらのオブジェクトデータやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した陰面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に高速に描画する。また、描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行うことができる。そして、1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれると、その画像はディスプレイ912に表示される。
【0118】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などの高品位のゲーム音を生成する。生成されたゲーム音は、スピーカ932から出力される。
【0119】
ゲームコントローラ942(レバー、ボタン、筺体、パッド型コントローラ又はガン型コントローラ等)からの操作データや、メモリカード944からのセーブデータ、個人データは、シリアルインターフェース940を介してデータ転送される。
【0120】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。なお、業務用ゲームシステムの場合には、ROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納されることになる。なお、ROM950の代わりにハードディスクを利用するようにしてもよい。
【0121】
RAM960は、各種プロセッサの作業領域として用いられる。
【0122】
DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ(RAM、VRAM、ROM等)間でのDMA転送を制御するものである。
【0123】
CDドライブ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるCD982(情報記憶媒体)を駆動し、これらのプログラム、データへのアクセスを可能にする。
【0124】
通信インターフェース990は、ネットワークを介して外部との間でデータ転送を行うためのインターフェースである。この場合に、通信インターフェース990に接続されるネットワークとしては、通信回線(アナログ電話回線、ISDN)、高速シリアルバスなどを考えることができる。そして、通信回線を利用することでインターネットを介したデータ転送が可能になる。また、高速シリアルバスを利用することで、他の画像生成システムとの間でのデータ転送が可能になる。
【0125】
なお、本発明の各手段は、その全てを、ハードウェアのみにより実現(実行)してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムのみにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0126】
そして、本発明の各手段をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、本発明の各手段をハードウェアを利用して実現するためのプログラムが格納されることになる。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930等に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930等は、その指示と渡されたデータとに基づいて、本発明の各手段を実現することになる。
【0127】
図11(A)に、本実施形態を業務用ゲームシステム(画像生成システム)に適用した場合の例を示す。プレーヤは、ディスプレイ1100、1101上に映し出されたゲーム画像を見ながら、ガン型コントローラ1102、1103などを操作してゲームを楽しむ。内蔵されるシステムボード(サーキットボード)1106には、各種プロセッサ、各種メモリなどが実装される。そして、本発明の各手段を実現するためのプログラム(データ)は、システムボード1106上の情報記憶媒体であるメモリ1108に格納される。以下、このプログラムを格納プログラム(格納情報)と呼ぶ。
【0128】
図11(B)に、本実施形態を家庭用のゲームシステム(画像生成システム)に適用した場合の例を示す。プレーヤはディスプレイ1200に映し出されたゲーム画像を見ながら、ガン型コントローラ1202、1204などを操作してゲームを楽しむ。この場合、上記格納プログラム(格納情報)は、本体システムに着脱自在な情報記憶媒体であるCD1206、或いはメモリカード1208、1209などに格納されている。
【0129】
図11(C)に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300とネットワーク1302(LANのような小規模ネットワークや、インターネットのような広域ネットワーク)を介して接続される端末1304-1〜1304-n(ゲーム機、携帯電話)とを含むシステムに本実施形態を適用した場合の例を示す。この場合、上記格納プログラム(格納情報)は、例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、メモリなどの情報記憶媒体1306に格納されている。端末1304-1〜1304-nが、スタンドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1304-1〜1304-nに配送される。一方、スタンドアロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304-1〜1304-nに伝送し端末において出力することになる。
【0130】
なお、図11(C)の構成の場合に、本発明の各手段を、ホスト装置(サーバー)と端末とで分散して実現するようにしてもよい。また、本発明の各手段を実現するための上記格納プログラム(格納情報)を、ホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体と端末の情報記憶媒体に分散して格納するようにしてもよい。
【0131】
またネットワークに接続する端末は、家庭用ゲームシステムであってもよいし業務用ゲームシステムであってもよい。そして、業務用ゲームシステムをネットワークに接続する場合には、業務用ゲームシステムとの間で情報のやり取りが可能であると共に家庭用ゲームシステムとの間でも情報のやり取りが可能なセーブ用情報記憶装置(メモリカード、携帯型ゲーム装置)を用いることが望ましい。
【0132】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0133】
例えば本発明の手法は、水面オブジェクトやフォグオブジェクトの画像生成に特に有効だが、これら以外のオブジェクトの画像生成にも適用できる。
【0134】
またトライリニア補間の手法としては図3で説明した手法が特に望ましいが、これと均等な種々の変形実施が可能である。
【0135】
また、テクスチャのα値の設定手法も、図2等で説明した手法が特に望ましいが、これに限定されるものではない。
【0136】
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
【0137】
また、本発明は種々のゲーム(格闘ゲーム、シューティングゲーム、ロボット対戦ゲーム、スポーツゲーム、競争ゲーム、ロールプレイングゲーム、音楽演奏ゲーム、ダンスゲーム等)に適用できる。
【0138】
また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード等の種々の画像生成システム(ゲームシステム)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像生成システムの機能ブロック図の例である。
【図2】テクスチャのα値の設定手法について説明するための図である。
【図3】異なるα値が設定されたテクスチャをトライリニア補間することにより水面を表現する手法について説明するための図である。
【図4】本実施形態により生成された画像の例を示す図である。
【図5】ミップマップ用のテクスチャについて説明するための図である。
【図6】図6(A)、(B)、(C)は、仮想カメラから離れる方向に移動するフォグオブジェクトによりフォグを表現する手法について説明するための図である。
【図7】本実施形態により生成された画像の例を示す図である。
【図8】トライリニア補間を行うテクスチャマッピング部の詳細な機能ブロック図の例である。
【図9】本実施形態の処理の詳細例について示すフローチャートである。
【図10】本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図11】図11(A)、(B)、(C)は、本実施形態が適用される種々の形態のシステムの例を示す図である。
【符号の説明】
VC 仮想カメラ
OBS 水面オブジェクト
OBF フォグオブジェクト
TEX1〜4 テクスチャ
Z Z値(仮想カメラからの距離)
Z1〜4 設定Z値
α1〜4 α値(αプレーン)
γ1〜4 テクスチャ補間率
100 処理部
110 移動・動作演算部
112 仮想カメラ制御部
114 オブジェクト空間設定部
120 画像生成部
122 テクスチャマッピング部
124 α合成部
130 音生成部
160 操作部
170 記憶部
172 主記憶部
174 描画バッファ
176 テクスチャ記憶部
180 情報記憶媒体
190 表示部
192 音出力部
194 携帯型情報記憶装置
196 通信部

Claims (11)

  1. 画像生成を行う画像生成システムであって、
    仮想カメラからの距離に応じて用意された複数のテクスチャを記憶する手段と、
    仮想カメラからの距離に基づいて前記複数のテクスチャの補間処理を行い、補間処理により得られたテクスチャをオブジェクトにマッピングする手段と、
    テクスチャに設定されたα値に基づいてα合成処理を行う手段と、
    オブジェクト空間において仮想カメラから見える画像を生成する手段とを含み、
    仮想カメラから近い距離用のテクスチャであり水面オブジェクト用又はフォグオブジェクト用のテクスチャとして、より高い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、仮想カメラから遠い距離用のテクスチャであり水面オブジェクト用又はフォグオブジェクト用のテクスチャとして、より低い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、水面オブジェクト又はフォグオブジェクトの透明度を、仮想カメラからの距離が遠くなるにつれて徐々に低くすることを特徴とする画像生成システム。
  2. 請求項において、
    仮想カメラからの距離が離れる方向にオブジェクトを移動させると共に、仮想カメラからの距離が離れるにつれてオブジェクトの透明度を徐々に低くすることを特徴とする画像生成システム。
  3. 請求項において、
    仮想カメラからの距離が所与の距離以上になった場合には、仮想カメラからの距離が離れるにつれてオブジェクトの透明度を徐々に高くすることを特徴とする画像生成システム。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    仮想カメラからの距離に基づいて、前記複数のテクスチャから少なくとも2つのテクスチャが選択されると共にテクスチャ補間率が求められ、求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択されたテクスチャの補間処理が行われることを特徴とする画像生成システム。
  5. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    描画対象となるピクセルについての仮想カメラからの距離に基づいて、前記複数のテクスチャから少なくとも2つのテクスチャが選択されると共にテクスチャ補間率が求められ、求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択されたテクスチャのテクセルに設定された色データ及びα値の補間処理が行われ、補間処理により得られた色データ及びα値に基づいて、描画対象となるピクセルが描画されることを特徴とする画像生成システム。
  6. 仮想カメラからの距離に応じて用意された複数のテクスチャを記憶する手段と、
    仮想カメラからの距離に基づいて前記複数のテクスチャの補間処理を行い、補間処理により得られたテクスチャをオブジェクトにマッピングする手段と、
    テクスチャに設定されたα値に基づいてα合成処理を行う手段と、
    オブジェクト空間において仮想カメラから見える画像を生成する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    仮想カメラから近い距離用のテクスチャであり水面オブジェクト用又はフォグオブジェクト用のテクスチャとして、より高い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、仮想カメラから遠い距離用のテクスチャであり水面オブジェクト用又はフォグオブジェクト用のテクスチャとして、より低い透明度のα値が設定されたテクスチャを用意し、水面オブジェクト又はフォグオブジェクトの透明度を、仮想カメラからの距離が遠くなるにつれて徐々に低くすることを特徴とするプログラム。
  7. 請求項のいずれかにおいて、
    仮想カメラからの距離が離れる方向にオブジェクトを移動させると共に、仮想カメラからの距離が離れるにつれてオブジェクトの透明度を徐々に低くすることを特徴とするプログラム。
  8. 請求項において、
    仮想カメラからの距離が所与の距離以上になった場合には、仮想カメラからの距離が離れるにつれてオブジェクトの透明度を徐々に高くすることを特徴とするプログラム。
  9. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    仮想カメラからの距離に基づいて、前記複数のテクスチャから少なくとも2つのテクスチャが選択されると共にテクスチャ補間率が求められ、求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択されたテクスチャの補間処理が行われることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    描画対象となるピクセルについての仮想カメラからの距離に基づいて、前記複数のテクスチャから少なくとも2つのテクスチャが選択されると共にテクスチャ補間率が求められ、求められたテクスチャ補間率に基づいて、選択されたテクスチャのテクセルに設定された色データ及びα値の補間処理が行われ、補間処理により得られた色データ及びα値に基づいて、描画対象となるピクセルが描画されることを特徴とするプログラム。
  11. コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項乃至10のいずれかのプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
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