JP4610516B2 - スライドファスナー付き物品 - Google Patents

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Description

本発明は、スライドファスナーが取着され、スライドファスナーに強い引裂き力が加わったときにもファスナーエレメントや止具の損傷、並びにスライダーのファスナーテープからの外れを、それぞれ防止する構造をもつ各種のスライドファスナー付き物品に関する。
スライドファスナーは、衣料品、日用雑貨品、産業用資材、自動車や列車、航空機等の各種シート類、トンネルなどの広い分野で採用されているが、一般的には衣料品、雑貨類、鞄類などの開閉具として多く使われている。スライドファスナーの通常の構造は、相対する側縁に沿って多数の噛合エレメントを等ピッチで取着した左右一対のファスナーストリンガーの各噛合エレメント列にスライダーが挿通され、その噛合エレメント列の上下両端に止具を取り付けられている。特殊な上止具を除くと、一般的な上止具は左右のファスナーテープにそれぞれ取り付けられ、下止具は左右のファスナーテープの対向縁部に跨がって取り付けられている。スライダーを各エレメント列に沿って摺動させることにより、噛合エレメントが噛合・離脱する。
また、スライドファスナーには大きく2つの種類があり、その1つはファスナーテープと同一平面上に噛合エレメントが取着され、その噛合エレメント列を、上下翼板とエレメント案内柱とをもつスライダーの案内通路に挿通させたものであり、他の1つは左右一対のファスナーテープの相対する側縁をU字状に折り曲げてセットし、その左右の折り曲げ端縁に沿って噛合エレメントの頭部を対向するように外側に向けて取着し、そのエレメント列に、下翼板とエレメント案内柱とを有するスライダーを挿通させた、いわゆる隠しスライドファスナーである。
更に機能的には、単に繊維製のファスナーテープに金属製又は合成樹脂製の噛合エレメントを取着した通常のスライドファスナーと、防水機能をもたせたスライドファスナーとがある。この防水性のスライドファスナーの代表的な構造は、ファスナーテープが繊維で織成又は編成したテープを芯材として、この芯材の表裏両面を天然ゴムや合成ゴム等のエラストマーで被覆した防水構造を有している。このファスナーテープの一側縁部に沿って表裏両面に跨るようにして合成樹脂製のファスナーエレメントが射出成形等により成形一体化される。通常、このファスナーテープのエレメント取付縁部には、各ファスナーエレメントの成形部位に、それぞれファスナーエレメントの成形樹脂の通過路となるとともにファスナーテープの表裏面に成形されるファスナーエレメントの上下半部を連結一体化するための貫通孔が形成されている。
ところで、こうしたスライドファスナーが各種物品に取り付けられて使用されるとき、その物品の種類によっては、例えば女性用衣服などのようにスライダー操作がしにくい背中部にスライドファスナーが取着されていたり、或いはウェットスーツのように防水構造をもつがためにスライダーの摺動が通常のスライダーと比較して硬めであったりする場合には、無理な姿勢で物品の開閉せざるを得ないことがある。また、前述の衣服などでは、スライドファスナーを開いても肉体に強く密着することが多く、極めて脱ぎにくい。そのため衣服を更に拡げようとして、その開き口を強く引っ張ったりしなければならない。このように、物品に強い力がかけられると、その力がスライダーに直接かかるようになる。その結果、スライダーの内部に挿通されているファスナーエレメントに損傷を与えたり、スライダー自体が損傷したり、更にはスライダーの下止具に対する押圧力が加わり、下止具をも破損させたり取着部から外れさせてしまうおそれがある。
こうした事態に対処するため、例えば米国特許第1,964,485号明細書(特許文献1)によれば、スライドファスナー裏面の下止具の取付け位置よりも上方に隣接する位置であって、左右一対のファスナーテープの外側縁部間にファスナーストリンガーに直交させて可橈性ある緊張テープを配し、その両端部をファスナーテープの外側縁部及び衣料の相対する側縁部に一体に縫着している。この特許文献1のスライドファスナーでは、前記衣料の相対する側縁部の一方をスライダーの引手及び相手方の側縁部を覆うように延在する被覆部を設けている。このような構成を採用することにより、スライダーが下止具に当接した状態で、仮に左右のファスナーテープを開こうとして強い力(引裂き力)が左右のファスナーストリンガーにかかったとしても、その引裂き力を前記緊張テープに受けさせて、スライダーには直接伝わらないようにしているため、スライダー、下止具及びファスナーエレメントが損傷したり外れてしまうようなことがなくなる。
米国特許第1,964,485号明細書
ところで、上記特許文献1に開示されたスライドファスナーにあっては、緊張テープの両端部だけを左右一対のファスナーテープの外側縁部に固着しているに過ぎない。この緊張テープの長さは、スライドファスナーを閉じたとき、緊張テープが僅かにたるむ長さとしている。その結果、スライドファスナーを閉じようとしてスライダーを摺動させると、スライダーが緊張テープとファスナーストリンガーとの間の空間を通過するとき、スライダーの下翼板が緊張テープに引っ掛かり、或いは緊張テープがスライダーの上下翼板の間に食い込んでしまい、それ以上のスライダー操作ができなくなることが多発する。その結果、スライドファスナーを完全には閉じることができなくなり、或いはスライダーを緊張テープから無理矢理に外すと緊張テープを傷つけたり、最悪の場合には緊張テープの固定が外れてしまい、或いは緊張テープを裂断しかねない。
本発明は、こうした従来のスライドファスナーの課題を解消するために開発されたものであり、具体的にはウェットスーツや衣料、鞄類などにおいてファスナーテープに強い引裂き力が加わった際にも、その力がスライダーに直接かからず噛合エレメントや下止具を傷付けたり、ファスナーテープから脱落させることがない上に、緊張テープがスライダーに引っ掛かったり食い込んだりせず、常に円滑なスライダー操作を可能にしたスライドファスナー付き物品を提供することを目的ととしている。
かかる目的は、本発明の基本的構成である、左右一対のファスナーテープの相対するエレメント取付縁部に沿って列設された複数のファスナーエレメントからなるエレメント列を有する左右一対のファスナーストリンガーの、少なくとも一方のエレメント列の下端に隣接して一対のファスナーテープの側縁を跨いで止具が取り付けられ、スライダーをエレメント列に沿って摺動させることにより開閉するスライドファスナーを装着した物品であって、前記スライダーが前記止具に当接したとき、物品の引裂き力が直接スライダーに伝わらない前記止具に近接する位置に配され、左右のファスナーストリンガーの裏面間を連結する可撓性ある連結部材と、少なくとも前記止具と前記連結部材とを同時に覆う領域に配された少なくとも一枚の被覆テープと、前記連結部材を常に被覆テープ側へと拘束する連結部材拘束手段とを有していることを特徴とするスライドファスナー付き物品により達成される。
ここで止具には、従来の一般的な下止具の他に、例えば2個のスライダーの後口同士を対向させて取り付けられた鞄などの防水性フライドファスナーに適用され、スライダーの肩口側からエレメント通路内にシール部が密圧状態で侵入して外部から水が入らないようにする防水止具が含まれる。
前記連結部材拘束手段の代表的な態様は、前記連結部材を被覆テープとは反対側を跨いで十文字状に交差して配され、少なくともその両端を前記被覆テープの裏面に固着した押えテープ片がある。しかし前記連結部材拘束手段としては、前記押えテープ片である必要はなく、例えば左右両端を左右のファスナーストリンガー間を連結する連結部材の中央を、被覆テープの裏面に、縫着や、溶着、接着剤による接着など接合により直接固着させる場合をも含んでいる。
前記スライダーは、上翼板と、下翼板と、上下翼板の間に配されるエレメント案内柱と、上翼板の上面に取り付けられた引手とを有する通常のスライダーであってもよく、或いは下翼板と、下翼板から立ち上がるエレメント案内柱と、エレメント案内柱の先端に取り付けられた引手とを有する、いわゆる隠しスライドファスナー用のスライダーであってもよい。
前記ファスナーテープは、通常の繊維製の織りテープや編みテープ、合成樹脂製のテープを用いてもよいが、織成又は編成により得られる一対のテープ状芯材の両面にエラストマーなどからなる防水層を有する防水性ファスナーテープを使うことができる。
前記連結部材は、スライドファスナーの長さ方向に直交させて直線状に両端部を左右のファスナーストリンガーに掛け渡すように固着してもよいが、その両端を同一方向を向けるようにU字状に折り返し、その折返し部分を前記被覆テープの裏面に面するようにして連結部材の一面側の両端をファスナーテープの裏面に取り付けることが望ましい。前記連結部材の両端は、左右のファスナーストリンガーのファスナーテープ部分に縫着又は超音波溶着、熱溶着、接着剤による接合により固定される。
前記連結部材と前記押えテープ片とを、その中央部同士で固着することが望ましい。また、少なくとも前記被覆テープの一側縁が全長にわたって前記物品に固着されていることが好まく、その他側縁は上記連結部材の固着部位の近傍まで固着されるようにするとよい。物品の代表的な例としてはウェットスーツや鞄類があるが、その他に例えば女性用の衣料などがある。
作用効果
本発明にあっては、左右のファスナーストリンガーの裏面間を連結する連結部材を下止の上方位置に配しているため、スライダーが前記下止具に当接したとき、物品に強力な引裂き力が加わったとしても、その力を前記連結部材にて受けるため、スライダーにはその力が直接伝わることがない。そのため、スライダーの上下翼板間に形成されているテープ案内間隙にあるテープ部分には格別の力が加わらず、ファスナーテープを傷めたり、或いはスライダーのエレメント案内空間に存在する噛合エレメントがファスナーテープから外れて脱落するようなことはない。また、前記強力な引裂き力がスライダーに加わったときは、スライダーは大きな力で下止具に強く当接する。その結果、止具がファスナーテープから外れたり、或いは外れないまでも取付け姿勢が変わってしまう場合がある。本発明によれば、前述のごとくスライダーに直接大きな力が働かないため、止具に対しても損傷等の不具合を生じさせることがない。
本発明にあっては、前述の構成に加えて、前記止具に前記スライダーが当接したときの前記物品の裏面であって、少なくともスライダー位置よりも上方に隣接する位置と前記下止具の固着位置との間の領域に被覆テープを取り付けてあり、その被覆テープの裏面に、前記連結部材を常に被覆テープ側へと拘束する連結部材拘束手段が設けられているため、連結部材とスライドファスナーとの裏面との間にスライダーの通過空間が常に確保され、スライダーが連結部材と干渉することがなくなる。
前記連結部材拘束手段の好適な態様の一例として挙げられた押えテープ片によれば、少なくとも、その両端を前記連結部材の被覆テープとは反対側を跨いで十文字状に交差させて被覆テープに固着しているため、押えテープ片が常に前記連結部材を被覆テープ側へと引き寄せており、前述のようにスライダーと連結部材とが干渉することがなく、スライダーの摺動操作を円滑に行うことができるようになる。
前記連結部材は、スライドファスナーの長さ方向に直交させて両端部を左右のファスナーストリンガーに掛け渡すように固着してもよいが、この場合、物品に強力な力がかかったとき、その移動量に余裕をもたせるに必要な長さとしなければならず、物品の種類によっては外観的な不具合が生じる場合があり、更にはスライダーと噛合エレメントとの間に食い込まれる場合がある。これを避けるため、本発明の好適な態様では連結部材をU字状に折り畳んでセットし、この状態で、その両端を前記ファスナーストリンガーの裏面に取り付ける。こうすることにより、物品に極端な引裂き力が働かないときには短尺に折り畳まれた状態が維持され、外観的にも不具合が生じず、しかも物品に極端な引裂き力が働いたときは折り畳んだ部分が伸びて左右のファスナーストリンガーが、それ以上は開かないようにして、上述のようにファスナーテープや下止具などを損傷させることがない。
前記連結部材の両端をファスナーストリンガーのテープ部分に固定するには、縫着又は超音波溶着、熱溶着、接着剤による接合など多様な方法があるが、それらの固定方法のうち使用分野に基づいて適宜採用すればよく、例えば物品が防水機能をもつ場合には溶着や接着剤による接合などが好ましく、通常の被服などの場合には縫着により取り付けるようにする。一方の前記押えテープ片についても同様の手段により、その両端を前記被覆テープの裏面に固定する。また、少なくとも前記被覆テープの一側縁が全長にわたって前記物品に固着されており、その他側縁は上記連結部材の固着部位の近傍まで物品に固着すれば、止具と止具から連結部材の固着部位までの領域が常に被覆テープにより被覆され、外部に露呈しなくなる。
例えば、ウェットスーツや女性用のワンピースなどのように、背開きの衣料品では、両手を後ろに回した恰好でスライドファスナーを開閉せざるを得ない。特に、ウェストに比べて腰部が大きいため、これらの衣料品を脱ごうとしてスライダーを下止具に当接するまで下げたのち、無理して脱衣動作をしなければならないことが多い。このとき、衣料品の本体を大きく拡げようとするため、通常であれば、その時の力がスライダーを介して強く伝わり、スライダー内にあるファスナーエレメントや下止具に無理な力がかかる。その結果、ファスナーエレメントや下止具がファスナーテープの取付位置からずれたり、最悪の場合には損傷を与えかねない。このとき、当然にファスナーテープをも傷めることになる。
また、例えば鞄類の開閉時、衣料品などと比べるとスライダー操作が乱暴になされることが多い。特に、旅行鞄のように収納物が収納容積を越えて収納されているようなときには、スライドファスナーの開閉操作にあたっては、スライドファスナーにファスナーテープを開こうとする横方向の大きな力、いわゆる大きな引裂き力が加わっている。そのため、鞄を開閉しようとすると、どうしても強くスライダー操作を行わざるを得なくなる。そのため、上述の衣料品と同様に、スライダー操作時にスライダーに強い力がかかるとともに収納物の反発力が加わり更に大きな引裂き力となり、その時の力がスライダーを介して強く伝わり、スライダー内にあるファスナーエレメントや下止具に無理な力がかかり、ファスナーエレメントや下止具の取付位置のずれや損傷、或いはファスナーテープを傷付けたりする。
そこで、上記特許文献1により提案されているように、左右のファスナーストリンガーの間を連結部材によって連結すれば、前述のような不具合はなくなる。しかしながら、単に可撓性ある連結部材を取り付けただけでは、スライダー操作時にスライダーの下翼板が連結部材とファスナーストリンガーの裏面との間の空間を通過しようとするとき、連結部材が前記下翼板に引っ掛かり、或いは上下翼板間の間隙に食い込んでしまいやすい。
本発明にあっては、これらの構成に加えて、上述のように物品の裏面に被覆テープを取り付けるとともに、上記押えテープ片を連結部材を跨いで、その両端を前記被覆テープの裏面に固着させているため、スライダーの操作時にも、前記連結部材との干渉がなくなり、スライダーの摺動操作を円滑に行うことができるようになる。従って、かかる構成は、特に上記ウェットスーツや女性用被服、或いは旅行鞄類に好適に適用される。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に示す代表的な実施例に基いて具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明の実施例1を示している。図1は同実施例によるウェットスーツのスライドファスナー取付け部の一部を切開して示す部分斜視図、図2は同取付け部に配された被覆テープの中央部を切開して同取付け部の内部構成を示す部分平面図、図3は図2のIII-III 線の矢視断面図、図4は同スーツの背面が強い力により引っ張られ、引裂き力が働いているときの状態を示すスライダーの肩口側から見たスライドファスナーの正面図である。ここで引裂き力とは、ファスナーストリンガー2をそれぞれ互いに離間する方向に引張る力である。
本実施例における物品であるウェットスーツ6は、上半身部の背中部分に首部から腰部にかけて切り込まれて分離しており、その切込み部に沿って防水性のスライドファスナー1が取り付けられている。このスライドファスナー1は、一対の防水性ファスナーテープ10の対向縁部であるエレメント取付縁部11に沿って、相手方のファスナーエレメント21との噛合間隔を作って、それぞれ複数個のファスナーエレメント21が成形一体化され、左右のファスナーエレメント列20を形成する。更に同スライドファスナー1は、対のファスナーストリンガー2に対向して形成された各ファスナーエレメント列20の首部側の端部エレメント21に近接して図示せぬ上止具がそれぞれに取り付けられており、腰部側の端部には噛合状態にある端部エレメント21に近接して単一の下止具3が取り付けられている。上止具はスライドファスナー1を閉じたとき、端部でスライダー4の抜止めをする機能を有し、下止具3はスライドファスナー1を開いたとき、端部でスライダー4の抜止めをする機能を有している。前記上止具と下止具3との間のファスナーエレメント列20に通常の構成を有する合成樹脂製又は金属製のスライダー4が挿通される。
本実施例に適用される防水性スライドファスナー1は、一般的な防水性スライドファスナーであり、同ファスナーに使われるスライダーも一般的な構造を有している。すなわち、図1及び図4に示すように、本実施例にて使われるスライダー4は、上翼板4a、下翼板4b、上下翼板4a,4bの肩口側半部を連結するエレメント案内柱4c、上翼板4aの上面中央部に立設された引手支持環4d、及び引手5とを備えている。また、上下翼板4a,4bの左右側線には互いに近接する方向に突設されるフランジ4eを有し、ファスナーエレメント21は上下翼板4a,4b、フランジ4e及びエレメント案内柱4cによって作られるエレメント案内空間内をガイドされる。
前記防水性ファスナーテープ10は、図6〜図8に示すように、従来と同様に繊維製の織物や編物からなるテープ状芯材12の全面を、例えば天然又は合成ゴム材料や各種の合成樹脂からなるエラストマー材料13をもって固着被覆して製造される。このファスナーテープ10の上記エレメント取付縁部11の各エレメント成形部位には、それぞれファスナーエレメント21の溶融状態にある原料樹脂が通過できるに十分な大きさをもつ貫通孔14が形成されている。
一方、前記ファスナーエレメント21は、平面視で上下(ファスナーの長手方向)に僅かに長い長円形状を呈する噛合頭部22と、同噛合頭部22に首部23を介して連続する同じく平面視で略六角形状を呈する胴部24と、前記首部23と胴部24との間に渡って左右に延設される翼状の肩部25と、前記胴部24の下端から股部26を介して二本に分岐して下方に延びる脚部27とから構成されている。かかる構成を備えるファスナーエレメント21は、上記ファスナーテープ10のエレメント取付縁部11を挟んで、上記貫通孔14で成形される連結部21cを介して連結一体化されるとともにファスナーテープ10の表裏面に成形一体化される半部21a,21bからなる。なお、前記肩部25は排除してもよい。
上記噛合頭部22、首部23、胴部24、肩部25及び脚部27の各半部22a,22b;23a,23b;24a,24b;25a,25b;27a,27bのそれぞれが、ファスナーテープ10の表裏に同テープ10を挟んで対称的な形状で成形一体化されている。ここで、前記噛合頭部22を除く各半部23a,23b;24a,24b;25a,25b;27a,27bは、ファスナーテープ10の表裏両面に融着一体化している。
ファスナーテープ10を挟んで前後に対称的に成形される前記噛合頭部22の半部22a,22bは、図7に示すようにファスナーテープ10のエレメント取付縁部11の端縁11aを僅かに外側に露呈させた状態で、同端縁11aから左右へ丁度ファスナーテープ10の約1枚分の間隔をあけて、同端縁11aから外側に平行に延出させて成形されている。ファスナーテープ10のエレメント取付縁部11の端縁11aの露呈長さは相手方の噛合頭部22と噛合したとき、同端縁11aの露呈端面が相手方のファスナーテープ10の露呈端面と互いに圧接する寸法に設定されている。
首部23及び胴部24の各半部23a,23b;24a,24bの肉厚は最も厚く、肩部25及び脚部27の各半部25a,25b;27a,27bの肉厚は、図7に示すように前記首部23及び胴部24の各半部23a,23b;24a,24bの肉厚よりも薄くされている。また、前記噛合頭部22の半部22a,22bの外側表面は、同じく図6に示すように前記首部23及び胴部24の各半部23a,23b;24a,24bの外側表面と同一平面上にある。かかる構成により、ファスナーエレメント21同士が噛合すると、図6及び図8に示すように、一方のファスナーエレメント21の噛合頭部22の半部22a,22bの内面に、左右に隣接するファスナーエレメント21の各肩部25の半部25a,25bが当接するようになる。
本実施例にあって、上述の構成を備えた防水性のスライドファスナー1が、図1〜図3に示すように、ウェットスーツ6に取り付けられる。すなわち、スライダー4の引手5側にある上翼板4aをウェットスーツ6の表面側に向けて、左右のファスナーテープ10をウェットスーツ6の切込み部6aに沿って、その裏面に接着剤によって接着固定される。本実施例では、接着剤としてホットメルト接着剤を使用しているが、ファスナーテープ10とウェットスーツ6の本体の素材との間で双方に親和性のある接着剤であれば他の接着剤を使用することもできる。また、接着に代えて超音波溶着や高周波溶着などによって接合一体化してもよい。ただし、この実施例では防水性を確保すべく縫着による固定を行う場合には、縫着糸の水密性を保持する必要がある。
更に本実施例では、図1及び図2に示すように、下止具3に当接した状態のスライダー4から図示せぬ上止具側のスライダー4の略1個半ほどの間隔をおいた部位に、左右のファスナーストリンガー2のテープ部分に跨がって一本のテープ状連結部材15の端部が固着されている。この連結部材15は、繊維織物の表面に熱可塑性合成樹脂をコーティングした可撓性のある材料が使われており、その端部をファスナーストリンガー2のテープ部分に超音波溶着又は高周波溶着によって固着している。本実施例における連結部材15は、例えば引っ張り強度の高い材質からなるポリエステルやナイロンなどの合成繊維製の織物テープが使われており、その取付け形状は、図1及び図2に示すように、U字形に折り畳んだ形状とし、折畳部分は一面側が被覆テープ16に対面し、その左右端部を下止具3とは反対側端部に取り付けられた図示せぬ上止め具の方向に向け、その左右端部の同一面側を左右のファスナーストリンガー2の各ファスナーテープ10に、超音波溶着やホットメルト接着剤により接合一体化している。
更にまた本発明にあっては、少なくとも前記下止具3と同下止具3から前記連結部材15までとが覆われる領域に本発明の特徴部の一つである被覆テープ16が取り付けられる。本実施例における被覆テープ16は、図1〜図4に示すように、ウェットスーツ6の上記切込み部6aの全長にわたって取り付けられている。この被覆テープ16はウェットスーツ本体と同じ素材が使われる。ウェットスーツ6の素材は、表裏に伸縮性を備えた繊維糸条により編成した柔軟性に富んだ密度の高い薄手の2枚の編物との間に、軟質の発泡ポリウレタン、合成ゴム発泡体などの柔軟で伸縮性のある発泡層を介装一体化したシート状材料からなる。被覆テープ16は、ウェットスーツ6の前記切込み部6aの全長を裏面から覆うようにして、切込み部6aの一側縁部に沿って縫着又は接合によりウェットスーツ6に取り付けられる。本実施例では物品がウェットスーツであることから、縫着よりも高周波加熱や超音波加熱による溶着、或いは熱溶着などの接合による取付けの方が好ましいが、図示例では固着線を明確にするため、縫着線にて示している。
本発明にあっては、上記連結部材15と被覆テープ16との間に、本発明の他の特徴部を構成する押えテープ片17が設けられている。
この押えテープ片17は、左右のファスナーストリンガー2の裏面に両端部が溶着された前記連結部材15をファスナーストリンガー2側から跨ぐようにして、連結部材15と十文字状に被覆テープ16の長さ方向に沿って配され、その両端部を前記被覆テープの裏面に同じく溶着により固着している。また、縫着によって取り付けることもできる。このとき、この押えテープ片17を前記連結部材15に固着してもよいが、押えテープ片17の両端固着部の間を自由に動けるようにしたいときは、必ずしも押えテープ片17と連結部材15とを固着させる必要はない。また、押えテープ片17を使用することなく、連結部材15の中央部を直接被覆テープ16の裏面に固着してもよい。
以上の構成を備えた本実施例におけるウェットスーツを、スライダーを上方に又は下方に摺動させて、着用しようとし又は脱ごうとするとき、左右のファスナーストリンガー2とともにウエットスーツ6の切込み部6aが、大きく開かれ、ウェットスーツ6に極めて大きな力が作用して、スライドファスナー1にいわゆる引裂き力が加わる。上記連結部材15が取り付けられていなければ、その力はスライダーに直接伝達され、スライダー4の内部通路でエレメント案内柱4c側に存在するファスナーテープ10やファスナーエレメント21の部分がスライダー4と強く接触して傷つき、果てはスライダー自体を損傷しかねない。また、スライドファスナー1を開こうとする前述のような強い力がかかると、特にスライダー4が下方側の終端に取り付けられている下止具3を強力な力で押し付けられることになり、左右のファスナーストリンガー2に固着された下止具3が変形し、或いはその取付け位置がずれてしまい、場合によってはスライドファスナー1から脱落しかねない。
しかるに、本実施例によれば、上述のように連結部材15の両端部が下止具3の上方位置にて、左右のファスナーストリンガー2に固着され、同ストリンガー2間を連結しているため、前述のような外部の強力な力は連結部材15に伝わり、一直線状となって受けられ、スライダー4とそのスライダー4の内部通路に存在するファスナーテープ部分及びファスナーエレメント部分にはその力が伝達されず、上述のような損傷を生じさせることを防ぐことができる。更には、ファスナーストリンガー2とスライダー4との間に前述の力が働かないため、スライダー4の摺動操作も円滑になされるようになる。
更に本実施例にあっては、上述のようにウェットスーツ裏面に被覆テープ16の少なくとも一側縁部を固着するとともに、前記被覆テープ16のウェットスーツ側の裏面に、左右のファスナーストリンガー2間を連結する前記連結部材15の表面側を跨いで押えテープ片17の両端部を固着しているため、連結部材15は常に被覆テープ16側へと押え付けられ、スライダー4が連結部材15と左右のファスナーストリンガー2との間の空間を通過するとき、連結部材15が被覆テープ16に押し付けられた状態で、連結部材15と被覆テープ16が一体化しているため、連結部材15とファスナーストリンガー2との間にスライダー4の下翼板4bが通過するに十分な空間が確保され、連結部材15がスライダー4に引っ掛かったり、食い込んだりすることがなく、スライダー4を円滑に摺動させることが可能となる。
特に、本実施例にあっては連結部材15の形状を直線状の長いテープをU字状に折り畳み、熱セットして形状を固定しているため、スライドファスナー1が閉められた状態では、連結部材15はU字形を維持しているが、一対のファスナーストリンガー2が左右に開かれたとき、U字形から直線状へと変形する。このことは、一対のファスナーストリンガー2に、図4に示すような大きな引裂き力が加わっても、連結部材15を引っ張る方向と同一方向となるためるので、固着部分が均一に力に耐え、ファスナーテープ10と連結部材15との間の引張り力による裂断が回避される。
図5は本発明の上記連結部材15の変形例を示している。この変形例では、上記実施例のように連結部材をU字形に折り畳むことなく、単なる直線状として、その両端を左右のファスナーストリンガー2に縫着によって固着している。このように連結部材15を直線状のままで左右のファスナーストリンガー2に固着したとしても、既述した特許文献1に開示された連結部材の長さよりも長い連結部材15を採用することができる。その理由は、上述のような本発明の特徴部である連結部材を被覆テープ側に押し付けるために被覆テープ16の裏面に固着された上記押えテープ片17の存在があるからである。すなわち、連結部材15の長さを従来よりも長くしても、押えテープ片17により常に被覆テープ16側に押し付けているため、スライダー4の通過用空間が常に確保され、スライダー4と連結部材15との間で緩衝することがなくなる。
図9〜図11は、本発明の第2実施例を示している。この実施例に採用されるスライドファスナーは、いわゆる隠しスライドファスナーと言われるスライドファスナーである。この種の隠しスライドファスナー101の構造は良く知られているので、ここでは簡単な説明に止める。この隠しスライドファスナー用のファスナーストリンガー102は、図9に示すように左右一対のファスナーテープ110の対向縁部が同じ方向にテープ面に沿ってU字状に折り曲げられ、その折り曲げ端に沿って多数のファスナーエレメント121が取り付けられている。このとき、ファスナーエレメント121の噛合頭部122は折り曲げ端部から外部に突出している。一方、隠しスライドファスナー用のスライダー104も、構造の上でも実施例1にて使われたスライダー4とは異なるものであり、図9に示すように、下翼板104aの肩口側半部の左右中央部にエレメント案内柱104bが立設され、その案内柱104bの先端に引手支持環104cが一体に形成されている。
前記下翼板104aの左右端縁は左右のフランジ104a−1が立設されており、各フランジ104a−1の自由端縁には互いに接近するように延びる庇部104a−2が形成され、前記エレメント案内柱104bと前記フランジ104a−1及び庇部104a−2とにより囲まれる空間がエレメント案内空間を形成している。前述の構造をもつファスナーストリンガー102は、そのファスナーテープ110の折り曲げ端部と同端部に取り付けられたファスナーエレメント121とを、前記エレメント案内空間に収容した状態で、ファスナーテープ110を前記エメント案内柱104bと前記庇部104a−2との間の間隙を通して外部へと導出しており、ファスナーエレメントが噛合してスライドファスナー101が閉じたときは、左右のファスナーテープ110の折り曲げ端部が当接して、スライダー104のの引手支持環104cと引手105とが外部に露呈するのみで、スライダー104の他の部分はスライドファスナー101の裏側に隠れてしまう。
この種の隠しスライドファスナーの多くは、ワンピースやスカートなど女性用衣料に使われることが多い。ところで、この種の女性用衣料にあっても、スライドファスナー101は、首筋から腰部にかけて、或いは腰部から臀部にかけて取り付けられることが多い。その結果、スライドファスナーの開閉操作は目に見えない状態でスライダー104を操作することによりなされなければならなくなる。この腰部から臀部にかけては特に身体の線が大きく変化するところであって、しかも被着する衣料品は身体の線に沿わせて密着させて作られていることか多い。従って、こうした衣料品を被着したり脱いだりする際には、上記ウェットスーツと同様にスライドファスナーに強力な引裂き力が作用することになる。そのため、本実施例にあっても上記実施例1と同様に、上記連結部材15、被覆テープ16及び押えテープ片17を衣料品106の裏面側に取り付けている。なお、上記実施例1に使われる部材と実質的に一致する部材については、同一の符号を使用する。
本実施例にあっても、図10及び図11に示すように、被覆テープ16の一側縁を衣料品106の切込み部106aの裏面に沿って縫着により固定している。また、同じく実施例と同様に、被覆テープ16の他の側縁はその下端から上記連結部材15の取付部の近傍まで前記切込み部106aの他の端縁に縫着により固定している。本実施例にあっては、前記被覆テープ106の取付け位置は、必ずしも切込み部106aの全長にわたって取り付ける必要はなく、少なくとも下止具103の下方位置から前記連結部材15の固着位置の上方、すなわち下止具103から前記連結部材15にかけて、それらの部材を被覆するに十分な長さであればよい。
前記連結部材15の取付け位置は、上記実施例1と同様であり、また前記押えテープ片17の取付け位置及び取付け構造もまた上記実施例1と同様である。従って、その奏する作用効果もまた、上述の実施例1における作用効果と実質的に一致する。ただし、この実施例2にあっては、物品対象が女性用衣料であることから、概して柔軟で且つ薄手の繊維素材が使われるため、連結部材15及び押えテープ片17にも、柔軟性があり、且つ引張強度の高い素材を使う必要がある。こうした要求に沿うには、合成繊維のマルチフィラメント、特にテクスチャード加工を施したマルチフィラメントを構成糸条とする繊維織物などが好適であるが、必要に応じて他の素材を使うこともできる。
図12は、本発明の第3実施例である物品に適用される防水性スライドファスナーの部分裏面図である。なお、同図には本発明の特徴部の一部である連結部材15のみが記載されており、上記被覆テープ16及び押えテープ片17は記載を省略しているが、上記第1及び第2実施例と同様に、このスライドファスナー201にも被覆テープと押えテープ片が取り付けられている。また、本実施例に係る物品としては図示を省略しているが、例えば旅行用の鞄があり、2個のスライダー4が後口同士が対向して取り付けられている。図12を参考にすれば、同図に示すスライドファスナー部分の下方にも同様の構造をもつ部分が対称的に配されている。
この実施例におけるスライドファスナー201において、上記実施例1の防水性スライドファスナー1と異なるところは、止具203の部分にある。従って、以下の説明では実施例1と実質的に同じ部材や部分について同じ符号を使っている。
本実施例による止具203は、同図に示すようにエレメント列20の上下終端に配されている左右のファスナーエレメント21に隣接する左右のファスナーテープ10を跨いで設けられている。その全体形状は馬蹄形の平面形状に近似している。具体的にはU字形部分から端部に向けて互いが接近するように屈曲して延びる延設部分が存在する。ただし、その左右両端の位置は、テープ方向にファスナーエレメント21の1個分だけ長さに差がある。本実施例による止具203は、例えば天然又は合成によるゴムやエラストマーなどの弾性素材からなり、射出成形により防水性のファスナーテープ10に一体に成形される。
同図において、左右のファスナーテープ10に跨がって広がる領域は補強領域203aであり、せいぜいファスナーエレメント21の表裏部分の厚みを有しており、その平面形状は弾性変形しながら、ちょうどスライダー4の上翼板4a、下翼板4b、エレメント案内柱4c及び上下翼板4a,4bのそれぞれの左右両端縁から互いに接近する方向に延在するフランジ4eの間に形成される案内通路に嵌まり込む形状を有している。この補強領域203aの内周縁に沿って、ちょうどエレメント案内柱4cの高さに等しい高さをもつ突条203bがファスナーテープ10の表裏面から外側に向けて突設されている。この突条203bの外周側面はテープ面に向けて広がるテーパ面を有している。
前記補強領域203aのU字形平面部分の屈曲部に相当する底部に左右のファスナーテープ10に跨がって直線状に延びる部分は止部203cである。この止部203cのファスナーテープ10の表裏から突出する厚みはスライダー4の上下翼板4a,4bの間に形成される肩口の間隔と等しいか、それよりも大きい。
本実施例である図示を省略した鞄にあって、以上の構成を備えたスライドファスナー201を装着すると、同スライドファスナー201のスライダー4を止具203に向けて摺動させたとき、止具203はスライダー4の肩口へとエレメント案内柱4cにより案内されて、止具203の左右両端部を拡げながらエレメント案内通路内へと導かれる。ここで、止具203の突条203bの底部部分203b−1の内面が、スライダー4の案内柱4cの肩口側端面に密着すると同時に、前記突条203bはスライダー4のエレメント案内柱の周面に密着するとともに、上下翼板4a,4bの内面に密着した状態となり、外部からの雨水などの侵入を確実に防止する。勿論、このとき鞄の開き部に大きな外力が加わり、ファスナーテープ10に強い引裂き力が加わったとしても、上記連結部材15、図示せぬ被覆テープ及び押えテープ片が取り付けられていることにより、その引裂き力はスライダー4に直接伝達されず、しかもスライダー操作も円滑になされる。
また、上記実施例におけるファスナーエレメントはファスナーテープに合成樹脂材料を射出してエレメントを成形一体化しているが、本発明におけるファスナーエレメントは実施例に特に限定するものではないことは勿論であり、合成樹脂製のコイル状エレメントや金属製のエレメントであってもよい。
本発明の第1実施例であるウェットスーツのスライドファスナー取付部の下端領域を裏面から見た部分斜視図である。 同部の被覆テープの一部を切開して示す部分裏面図である。 図2に示すIII-III 線に沿った矢視断面図である。 スライドファスナーに大きな引裂き力が加わったときの同ファスナーの正面図である。 第1実施例の変形例を示す部分裏面図である。 第1実施例に使われる防水性スライドファスナーのエレメント取付縁部を中心に示す要部の平面図である。 同スライドファスナーのファスナーストリンガーにおける単一のエレメント周辺の構成を示す部分拡大平面図である。 図6におけるVIII-VIII 線に沿った矢視断面図である。 本発明の第2実施例に適用される隠しスライドファスナーの構造例を一部を切断して示す斜視図である。 同スライドファスナーを適用した衣料品の部分裏面図である。 図10におけるXI-XI 線に沿った矢視断面図である。 本発明の第3実施例に適用される防水性スライドファスナーの構造例を示す部分裏面図である。
符号の説明
1,101 スライドファスナー
2,102 ファスナーストリンガー
3,103 下止具
4 スライダー
4a 上翼板
4b 下翼板
4c エレメント案内柱
4d 引手支持環
4e フランジ
5 引手
6,106 ウェットスーツ、衣料品(物品)
6a,106a 切込み部
10,110 ファスナーテープ
11,111 エレメント取付縁部
11a,111a 端縁
12 芯材
13 エラストマー材料
14 貫通孔
15 連結部材(テープ)
16 被覆テープ
17 押えテープ片
20,120 エレメント列
21,121 ファスナーエレメント
21a,21b ファスナーエレメントの上下半部
21c 連結部
22 噛合頭部
22a,22b 噛合頭部の上下半部
23 首部
23a,23b 首部の上下半部
24 胴部
24a,24b 胴部の上下半部
25 肩部
25a,25b 肩部の上下半部
25a-1,25a-2;
25b-1,25b-2 切除部
26 股部
27 脚部
27a,27b 脚部の上下半部
104 隠しスライドファスナー用スライダー
104a 下翼板
104a−1 フランジ
104a−2 庇部
104b エレメント案内柱
104c 引手支持環
105 引手
201 スライドファスナー
203 止具
203a 補強領域
203b 突条
203b−1 底部部分
203c 止部

Claims (9)

  1. 一対のファスナーテープ(10,110)の相対するエレメント取付縁部(11,111)に沿って列設された複数のファスナーエレメント(21,121)からなるエレメント列(20,120)を有する左右一対のファスナーストリンガー(2,102) の、少なくとも一方のエレメント列(20,120)の端部に隣接して一対のファスナーテープ(10,110)の側縁を跨いで止具(3,103,203) が取り付けられ、スライダー(4,104) をエレメント列(20,120)に沿って摺動させることにより開閉するスライドファスナー(1,101,201) を装着した物品であって、
    前記スライダー(4,104) が前記止具(3,103,203) に当接したとき、物品(6,106) の引裂き力が直接スライダー(4,104) に伝わらない前記止具(3,103,203) に隣接する位置に配され、左右のファスナーストリンガー(2,102) の裏面間を連結する可撓性ある連結部材(15)と、
    前記物品(6,106) の裏面の、少なくとも前記止具(3,103,203) と前記連結部材(15)とを同時に覆う領域に配された少なくとも一枚の被覆テープ(16)と、
    前記連結部材(15)を常に被覆テープ(16)側へと拘束する連結部材拘束手段と、
    を有してなることを特徴とするスライドファスナー付き物品。
  2. 前記連結部材拘束手段が、前記連結部材(15)を被覆テープ(16)とは反対側を跨いで十文字状に交差して配され、少なくともその両端を前記被覆テープ(16)の裏面に固着した押えテープ片(17)である請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
  3. 前記連結部材拘束手段が、前記連結部材(15)の中央部を被覆テープ(16)に縫着、溶着、接着などの固着手段を含んでなる請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
  4. 前記スライダーが、上翼板(4a)と、下翼板(4b)と、上下翼板(4a,4b) の間に配されるエレメント案内柱(4c)と、上翼板(4a)の上面に取り付けられた引手(5) とを有してなる請求項1〜3の何れかに記載のスライドファスナー付き物品。
  5. 前記スライダーが、下翼板(104a)と、下翼板(104a)から立ち上がるエレメント案内柱(104b)と、エレメント案内柱(104b)の上端に取り付けられた引手(105) とを有してなる隠しスライドファスナー用のスライダー(104) である請求項1〜3のいずれかに記載のスライドファスナー付き物品。
  6. 前記ファスナーテープ(10)が織成又は編成により得られる一対のテープ状芯材(12)の表裏両面にエラストマーなどからなる防水層を形成した防水性ファスナーテープである請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
  7. 前記連結部材(15)は、その両端が同一方向を向くようにU字状に折り返され、その一面側の両端がファスナーテープ(10)の裏面に取り付けられ、その折返し部分が前記被覆テープ(16)の裏面に面してなる請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
  8. 前記連結部材(15)と前記押えテープ片(17)とが中央部同士で固着されてなる請求項2記載のスライドファスナー付き物品。
  9. 少なくとも前記被覆テープ(16)の一側縁が、その全長にわたって前記物品(6,106) に固着されてなる請求項1記載のスライドファスナー付き物品。
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