JP4610401B2 - チャネル推定装置 - Google Patents

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本発明は、マルチキャリア無線通信の技術分野に属し、特に、受信したマルチキャリア信号に含まれるパイロットチャネルを利用してチャネル推定値を出力するチャネル推定装置に関連する。
無線通信環境における通信信号は、マルチパス伝搬環境に委ねられ、伝搬途中で遭遇する地物や障害物により反射し、複数の到来波として受信装置に到達する。また、通信信号はその伝搬途中でフェージングの影響も受ける。従って、無線通信を良好に行なうには、マルチパスやフェージング等の影響に対処する必要がある。このような観点から、複数の搬送波又はサブキャリアを用いて信号伝送を行なうマルチキャリア方式が近年注目されている。中でも、直交周波数分割多重化(OFDM)方式は、周波数の利用効率の観点からも有利であり特に注目されている。また、マルチキャリア方式と符号分割多重接続(CDMA)方式を組み合わせたMC−CDMA方式や、OFDM方式とCDMA方式を組み合わせたOFCDM方式等も提案されている。
この種の技術分野では、伝搬路又はチャネルの様子を調べるために送信側及び受信側双方で既知のパイロットチャネルが利用される。即ち、振幅や位相が予め定められているパイロットチャネルが送信側から送信され、受信側にて受信されたパイロットチャネルの振幅や位相を調べることで、その伝搬路でどのような歪みが信号に導入されるかを把握することが可能になる(受信側でのこの作業は、チャネル推定と呼ばれる。)。例えば、振幅が1で位相が0度で送信されたパイロットチャネルを受信したところ、その振幅が0.5で位相が+30度であったとする。この場合の伝搬路は、振幅を1/2に減らし、位相を+30度回すような歪みをもたらしている。従って、受信信号に対して、振幅を2倍に増やし、位相を−30度回すような操作をすれば、適切な信号内容に復元される。
図1は、時間及び周波数の観点から描いた信号伝送の様子を示す概念図である。図示されている信号は、8つのサブキャリア(f〜f)と5つのタイムスロット(t〜t)で指定される。説明の便宜上、比較的少ない数が採用されているが、サブキャリア数やタイムスロット数は任意の値をとり得る。パイロットチャネルは、データ信号を伝送する合間に時間方向に又は周波数方向に沿って定期的に挿入される。図示されている例では、タイムスロットt,tでデータ信号が伝送され、タイムスロットtでパイロットチャネルが伝送され(図中の斜線部)、タイムスロットt,tでデータ信号が伝送される。受信機は、受信したパイロットチャネルに基づいて伝搬路の様子を調べ、伝搬路で導入される歪み(振幅や位相の変化)を補償する。例えば、周波数fに関するパイロットチャネルに基づいて、周波数fに関するタイムスロットt,t,t,tのデータ信号の内容が補償され得る。適切な補償を行なうには、伝搬路で導入される歪み即ちチャネル変動を正確に把握する必要がある。しかしながら、受信機内で発生する雑音や、他の通信装置との干渉その他の要因により、瞬時的なパイロットシンボルがチャネル変動を正確に表現することが妨げられる。
図2は、瞬時的なパイロットシンボルと実際のチャネル変動との関係を模式的に示す図である。実際のチャネル変動とは、理想的に測定されたチャネル変動を表し、受信機による雑音や他の通信装置との干渉等の影響が充分に排除される場合に得られるパイロットシンボルで表現されるチャネル変動である。図示されるように、瞬時的なパイロットシンボルにより得られる曲線(折れ線)が、実際のチャネル変動から大きく逸脱し得る。ところで、あるタイムスロットの中で隣接するサブキャリア同士の間では、パイロットチャネルは類似している。これに対して、上記の雑音や干渉等は、その性質上各パイロットシンボルにランダムに寄与する。そこで、隣接するパイロットシンボル同士を平均化してパイロットシンボルを修正すると、統計的には、パイロットチャネル成分同士は強め合うが、雑音等の成分は相殺される傾向にある。この好都合な性質を利用して、パイロットシンボルの各々について、隣接するパイロットシンボルを用いて平均化してパイロットシンボルを修正すると、図3に示されるように、チャネル変動の推定精度を向上させることが可能になる。
上記の手法を含む従来のチャネル推定は、例えば、非特許文献1乃至4に開示されている。
P.Hoeher,"TCM on frequency selective land−mobile fading channels",in Proc.Tirrenia Int.,Workshop Digital Communications,pp.317−328,Sept.1991 J.J.van de Beek,O.Edfors,M.Sandell,S.K.Wilson,and P.O.Borjesson,"On channel estimation in OFDM systems",in Proc.VTV ’95,pp.815−819,1995 O.Edfors,M.Sandell,J.J.van de Beek,S.K.Wilson,and P.O.Borjesson,"OFDM channel estimation by singular value decomposition",IEEE Trans.Commun.,vol.46,no.7,pp.902−915,July 1998 T.Onizawa,M.Mizoguchi and M.Morikura,"A novel channel estimation scheme employing adaptive selection of frequency−domain filters for OFDM systems",IEICE Trans.Commun.,vol.E82−B,no.12,pp.1923−1931,Dec.1999
非特許文献1記載発明では、時間領域及び周波数領域で独立にウィーナ解を求めて上記の平均化の際の重み係数を推定する。この手法によれば、仮に推定したチャネル推定値に基づいてチャネル変動を推定し、その結果に基づいてチャネル推定値を反復的に求める。このため、当初のチャネル推定の精度が良好ならば好結果が得られるが、当初の推定精度が悪い場合には、推定値を累積的に悪化させてしまう虞がある。また、適切な値に収束するまでの時間が長期化し、1パケット内で終了しない虞もある。
非特許文献2記載発明では、周波数領域の信号を逆離散フーリエ変換(IDFT)することで時間領域の信号に変換し、閾値より小さなパス(パイロットシンボル又は受信サンプル)を除去することで雑音を除去し、推定精度を向上させる。しかしながら、この手法を実行するのに要する演算負担が大きくなってしまうという問題がある。言い換えれば、簡易な装置では充分に高い精度を確保することが困難になってしまう虞がある。
非特許文献3記載発明は、非特許文献2記載発明を改良したものであり、その基本的な手法は同様であるため、同様な欠点を有する。
非特許文献4記載発明は、隣接サブキャリア信号との差分や相対的な振幅値に基づいて、サブキャリア毎に予め用意されている複数のフィルタ係数(重み係数)の中から1つを選択する。この手法は演算負担が少なくて済む点で有利であるが、フィルタ係数が段階的に変化し、適応的に追従的に変化させることができない点で、推定精度を向上させる観点からは不利である。
本発明は、上記問題点の少なくとも1つに対処するためになされたものであり、その課題は、受信したマルチキャリア信号に含まれるパイロットチャネルを構成するパイロットシンボルを重み付け平均化し、マルチキャリア信号の伝搬路を高精度に推定することの可能なチャネル推定装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、受信したマルチキャリア信号に含まれるパイロットチャネルを利用してチャネル推定値を出力するチャネル推定装置が使用される。前記パイロットチャネルを構成するパイロットシンボルの各々は、自身を含む複数のパイロットシンボルの間で重み付け平均化されることで修正される。当該チャネル推定装置は、希望信号と非希望信号の比率に基づいて信号品質を求める信号品質測定手段と、所定数のパイロットシンボルの各々に与える重み係数を算出するウエイト算出手段とを備える。あるパイロットシンボルの修正後のパイロットシンボルに、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルの寄与する程度が、前記信号品質の良否に依存して異なるように前記重み係数が設定される。
信号品質ρの計算は比較的複雑ではないので、パイロットシンボルに対する重み付けされた平均値ひいてはチャネル推定値を高精度に且つ速やかに求めることが可能になる。
本発明の一態様によれば、信号品質が良好な場合には、あるパイロットシンボルの修正後のパイロットシンボルに、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルが小さく寄与し、信号品質が良好でない場合には、あるパイロットシンボルの修正後のパイロットシンボルに、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルが大きく寄与するように、前記重み係数が設定される。
信号品質に基づいて重み係数を決定することで、伝搬路の実情を正確に反映した重み係数を導出することが可能になる。
本発明の一態様によれば、前記重み係数が、第1の重み係数及び第2の重み係数より成る。第1の重み係数は、あるパイロットシンボルの修正後のパイロットシンボルに、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルの寄与する程度が、複数のパイロットシンボルにわたるパイロットシンボルの変動量の多少に依存して異なるように設定される。第2の重み係数は、あるパイロットシンボルの修正後のパイロットシンボルに、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルの寄与する程度が、前記信号品質の良否に依存して異なるように設定される。
変動量を表す相関値や信号品質等の計算は比較的複雑ではないので、第1,第2の重み係数は比較的簡易に算出され得る。従って、パイロットシンボルに対する重み付けされた平均値ひいてはチャネル推定値を更に高精度に且つ速やかに求めることが可能になる。
本発明によれば、マルチキャリア信号の伝搬路を高精度に推定することが可能になる。
図4は、本願実施例によるチャネル推定装置を利用することの可能な受信装置の部分ブロック図を示す。簡単のため、本実施例では、OFDM方式の通信システムで使用され得る受信装置を想定しているが、本発明はこれに限定されず、チャネル推定を行なう任意のマルチキャリア方式の用途に利用可能である。受信装置400は、アンテナ402と、ガードインターバル除去部(−GI)404と、シンボルタイミング検出部406と、高速フーリエ変換部(FFT)408と、チャネル推定部410と、並列直列変換部(S/P)412とを有する。
アンテナ部402により受信されたOFDM信号は、不図示の受信部を経てガードインターバル除去部404及びシンボルタイミング検出部406に入力される。ガードインターバル除去部404では、シンボルタイミング検出部406により検出されたタイミングを利用して、OFDMシンボルのガードインターバルを分離することで、データ信号やパイロットチャネルを含む情報部分を抽出する。抽出された情報部分は高速フーリエ変換部408に入力される。高速フーリエ変換部408では、時系列情報として抽出された情報部分をサブキャリア毎の信号成分(ξ,ξ,...,ξfMAX)に分解する。fMAXの値は、使用されるサブキャリア数に対応付けることが可能であり、本実施例では、fMAX=768である。チャネル推定部410は、パイロットチャネルのサブキャリア毎の信号成分から、チャネル推定値を求め、それらを乗算部411に与える。チャネル推定部410の詳細については、図5に関連して説明される。乗算部411では、サブキャリア毎に振幅及び位相の変動を補償するような乗算が行なわれる。各乗算部411からの出力は並列直列変換部412に入力される。並列直列変換部412は、補償されたサブキャリア毎の信号を直列信号に変換し、後段の復調部に伝送する。
図5は、チャネル推定部410の詳細な機能ブロック図を示す。チャネル推定部は、概して、ウエイト算出部502と、第1乗算部504と、第2乗算部506と、加算部508とを有する。ウエイト算出部502は、更に、第1ウエイト算出部510と、信号品質測定部512と、第2ウエイト算出部514とを有する。
上述したように、チャネル変動の様子を適切に求めるために、瞬時的なパイロットシンボルξは、それ自身を含む複数のパイロットシンボルの間で平均化される。本実施例では、あるパイロットシンボルξは、複数のパイロットシンボルξm−Navg,...,ξm−2,ξm―1,ξ,ξm+1,ξm+2,...,ξm+Naveの間で平均化される。ここで、Navgは、平均化の演算に考慮され得るパイロットシンボル数(又は平均化を行なう範囲)を定めるパラメータである。本実施例では、Navg=5である。本実施例では、この平均化は、単なる算術平均ではなく、適切な重み係数(ウエイト)を利用して行なわれる。この重み係数は、ウエイト算出部502内の第1及び第2ウエイト算出部510,514で生成される。
第1ウエイト算出部504で算出される重み係数α(−Navg≦i≦Navg)は、以下の(1)式で表現され、
Figure 0004610401
ここで、パラメータγは、以下の(2)式
Figure 0004610401
で表現され、これは相関値に相当する量である。記号「*」は複素共役をとることを表す。γは、以下の(3)式
Figure 0004610401
で表現され、これは後述するように正規化するための基準値である。
この重み係数αは、γの定義(2)式から明らかなように、パイロットシンボルの相関値を表す。一般に、ある一連のパイロットシンボルと、別の一連のパイロットシンボルとが類似していればそれらの間の相関値(相互相関値)は大きく、類似していなければ相関値は小さく、相関値の最大値は自身との相関値(自己相関値)を演算する場合に得られる。一連のパイロットシンボル{ξm−Navg,...,ξ,...,ξm+Navg}と別の一連のパイロットシンボル{ξm−Navg+i,...,ξm+i,...,ξm+Navg+i}が類似する場合は、それらのパイロットシンボル間でチャネル変動が少ないことが予想される。従って、あるパイロットシンボルξを平均化する際に、近隣のパイロットシンボルξm±1,ξm±2,...をなるべく多く考慮した方が、チャネル変動を正確に求めることができる。逆に、一連のパイロットシンボル{...ξ...}と別の一連のパイロットシンボル{...ξm+i...}が類似しない場合は、それらのパイロットシンボル間でチャネル変動が大きいことが予想される。従って、あるパイロットシンボルξを平均化する際に、多くの近隣のパイロットシンボルξm±1,ξm±2,...を考慮しても、チャネル変動の推定精度は向上しにくいと考えられる。
図6は、チャネル変動と重み係数αとの関係を模式的に表す図である。図示されるように、チャネル変動量が小さい場合(右側)、平均化の対象となるパイロットシンボルξに与える重みαだけでなく、近隣の多くのパイロットシンボルが平均値に寄与するように重み係数α±1,α±2,...が定められている。これに対して、チャネル変動量が大きい場合(左側)は、平均化の対象となるパイロットシンボルξのみが平均値に大きく寄与し、近隣のパイロットシンボルはほとんど寄与しないように重み係数が定められる(αは大きいが、αi≠0は非常に小さい)。或いは、i=0の極近傍でαは大きく、それ以外では小さくするようにすることも可能である。
ところで、第1の重み係数を算出する際に、相関値を規格化するために、基準値、即ち自己相関値(γ)を算出する必要がある。この基準値γを、(2)式に基づいて算出することも理論的には可能であるが、本実施例では、基準値γは(3)式によって求めている。パイロットシンボルに、サブキャリア毎に独立した白色雑音が含まれていたとする。(2)式により相互相関を計算する場合(i≠0)は雑音成分が相殺し合うので演算精度は良好であるが、自己相関を計算する場合(i=0)にはそのような相殺効果を期待できないので、演算精度が劣化する虞がある。そこで、(2)式により基準値γ(自己相関値)を計算する代りに、(3)式による補間を用いて、基準値γが求められている。
本実施例では、簡単のため、パイロットシンボルξが瞬時的なサンプル値であることを想定していたが、本発明は必ずしもそのような形式に限定されない。例えば、図7に示されるように、m番目のサブキャリアについて、kで指定されるサンプリング時間と共に得られる一連のパイロットシンボルξm,kを時間的に平均化することで、サブキャリアmに対するパイロットシンボルξを求めることも可能である。
図5に戻って、ウエイト算出部502内の信号品質測定部では、パイロットシンボルに対する信号品質が求められる。この信号品質は第2ウエイト算出部514に与えられ、第2の重み係数βを算出するために使用される。本実施例による信号品質測定部512では、受信信号に対する信号対雑音及び干渉比(SINR)が算出される。この信号品質(SINR)は、目下平均化の対象としているξに関して求められる瞬時的な値(ρ)であり、この瞬時値を平均化することで、例えば送信電力制御に使用されるような信号品質パラメータを求めることが可能になる。SINRは、希望信号Sと非希望信号Iとの比率(ρ=S/I)によって定められる。より具体的には、非希望信号Iは、パイロットシンボルξの統計的な分散によって算出され得る。希望信号Sは、パイロットシンボルξ又はその平均化後の二乗値で求めることが可能である。この場合に、希望信号Sを、(a)サブキャリア毎に別々に求めても良いし、(b)全サブキャリアにわたる平均値を求めることで全サブキャリアに共通の値を採用しても良いし、(c)更にはサブキャリアをいくつかのブロックに分割し、そのブロック毎に異なる値を使用することも可能である。個々のパイロットシンボルξの信頼性が低い場合は、総てのパイロットシンボルを平均化する手法(a)が有利であるが、信頼性が高ければ(b)が有利である。このようにして導出された信号品質(SINR)は、第2ウエイト算出部514に与えられる。尚、信号品質は、SINRに限定されず、信号対雑音比(SNR)、信号対干渉比(SIR)その他任意の品質尺度を採用することが可能である。
第2ウエイト算出部514で算出される第2の重み係数βm,i(−Navg≦i≦Navg)は、以下の(4)式で表現され、
Figure 0004610401
ここで、ρは、m番目のサブキャリアに関する信号品質を表し、δは後述する調整パラメータである。
ところで、図8に模式的に示されるように、信号品質(SINR)が良好である場合は、パイロットシンボルにより表現されるチャネル変動は正確であり(左側)、SINRが良好でない場合はチャネル変動の表現も不正確になる(右側)。パイロットシンボルの表現するチャネル変動が不正確である場合は(右側)、あるパイロットシンボルξを平均化する際に、近隣のパイロットシンボルξm±1,ξm±2,...をなるべく多く考慮した方が、チャネル変動を正確になものに近づける。チャネル変動の表現が正確である場合(左側)には、あるパイロットシンボルξを平均化する際に、近隣のパイロットシンボルξm±1,ξm±2,...の多くを考慮しても(推定内容は既に良好な水準に達しているので)、チャネル変動の推定精度はさほど向上しないであろう。そこで、第2の重み係数βm,i(混乱の虞がなければ、βと略す。)は、信号品質が良好でない場合は、平均化の対象となるパイロットシンボルξに与える重みβだけでなく、近隣の多くのパイロットシンボルが平均値に寄与するように重み係数β±1,β±2,...が定められる。これに対して、信号品質が良好な場合(左側)は、平均化の対象となるパイロットシンボルξに与える重みβだけが平均値に支配的に大きく寄与し、近隣のパイロットシンボルはほとんど寄与しないように重み係数が定められる。例えば、βは大きくするが、βi≠0は0又は小さくする、或いはi=0の極近傍のβは大きくするが、それ以外は0又は小さくすることが可能である。
調整パラメータδの値をどのように設定するかに依存して、信号品質ρの第2の重み係数βm,iへの依存性を調整することができる。一群の調整パラメータδ={δ,δ±1,δ±2,δ±3,...,δ±Navg}は、例えば、{δ=0,δ±1=0.1,δ±2=0.5,δ±3=1,...}のような一群の固定値とすることも可能であるし、何らかのパラメータに依存して動的に変化する関数とすることも可能である。そのようなパラメータとしては、例えば、通信システムに採用されているセル構成、伝搬路状況、チャネル負荷等の情報を示すパラメータが挙げられる。更には、
δ=1−|α ・・・(5)
となるように調整パラメータを設定することで、上記のチャネル変動性に関する第1の重み係数αに依存させることも可能である。このようにすると、チャネル変動が小さい場合には(|αi≠0|が比較的大きい場合には)、調整パラメータδi≠0は小さくなり、信号品質ρの第2の重み係数βm,iへの寄与も小さくなり、第2の重み係数βm,i≠0が比較的大きくなる。一方、チャネル変動が大きい場合には(|αi≠0|が比較的小さい場合には)、調整パラメータδi≠0は大きくなり、信号品質ρの第2の重み係数βm,iへの寄与も大きくなり、第2の重み係数βm,i≠0が比較的小さくなる。このような調整パラメータを採用すると、チャネル変動と第1の重み係数αの大小関係が、チャネル変動と第2の重み係数βm,iの大小関係に符号するようにすることが可能になる。言い換えれば、チャネル変動とは別に信号品質ρの観点から第2の重み係数βm,iを定めることも可能であるし、信号品質ρに加えてチャネル変動にも配慮しながら第2の重み係数βm,iを定めることも可能である。(5)式で表現される関数形は一例であり、他の様々な関数形が存在し得る。
ウエイト算出部502で算出された第1及び第2の重み係数は、第1及び第2乗算部504,506に与えられる。第1乗算部504では、2Navg+1個のパイロットシンボル(ξm−Navg,...,ξm−2,ξm―1,ξ,ξm+1,ξm+2,...,ξm+Nave)と、2Navg+1個の第1の重み係数(α−Navg,...,α+Navg)とがそれぞれ乗算される。その結果の2Navg+1個の出力と、第2の重み係数(β−Navg,...,β+Navg)との乗算が、第2乗算部506にて行なわれ、それらの出力は加算部508に与えられる。加算部508では、重み付けされた2Navg+1個のパイロットシンボルを加算することで、m番目のサブキャリアに対するパイロットシンボルξの重み付け平均値ζが出力される。この重み付け平均値ζは、適切なチャネル変動の影響を表現する振幅及び位相を有しており、チャネル推定値としてチャネル推定部410(図4)から出力される信号を形成する。尚、本実施例では、第1の重み係数α及び第2の重み係数βm,iを、第1乗算部504及び第2乗算部506で別々に乗算しているが、本発明は必ずしもこの態様に限定されない。ウエイト算出部502にて、第1及び第2の重み係数の積(α×βm,i)を算出し、それらを各パイロットシンボルに乗算することも可能である。但し、複素数演算を要する第1の重み係数の乗算と、実数演算で済む第2の重み係数の乗算とを区別する観点からは、図5に示される本実施例のように構成することが望ましい。
本実施例では、第1の重み係数αと第2の重み係数βm,iの双方を使用しているが、通信環境によっては、第1の重み係数αのみを採用する、第2の重み係数βm,iのみを採用することも可能である。後者の場合には、調整パラメータδが第1の重み係数αに依存して変化するようにすることで、チャネル変動の影響を考慮することも可能である。双方の重み係数を使用すると、チャネル変動の激しさと信号品質とを考慮するので、伝搬路の実情に適した重み係数を生成することが可能になり、チャネル推定の高精度化に一層寄与することが可能になる。
本願実施例における相関値γや、信号品質ρ等の計算は比較的複雑ではないので、第1,第2の重み係数α,βm,iは比較的簡易に算出され得る。従って、本願実施例によれば、パイロットシンボルに対する重み付けされた平均値を高精度に且つ速やかに求めることが可能になる。
時間及び周波数の観点から描いた伝送信号を示す概念図である。 瞬時的なパイロットシンボルと実際のチャネル変動との関係を示す図である。 平均化されたパイロットシンボルと実際のチャネル変動との関係を示す図である。 本願実施例によるチャネル推定装置を利用することの可能な受信装置の部分ブロック図である。 チャネル推定部のより詳細なブロック図を示す。 チャネル変動と第1の重み係数αとの関係を模式的に表す図である。 パイロットシンボルを求めるための変形例を示す図である。 チャネル変動と第2の重み係数βとの関係を模式的に表す図である。
符号の説明
400 受信装置
402 アンテナ
404 ガードインターバル除去部
406 シンボルタイミング検出部
408 高速フーリエ変換部
410 チャネル推定部
412 並列直列変換部
502 ウエイト算出部
504 第1乗算部
506 第2乗算部
508 加算部
510 第1ウエイト算出部
512 信号品質測定部
514 第2ウエイト算出部

Claims (6)

  1. 受信したマルチキャリア信号に含まれるパイロットチャネルを利用してチャネル推定値を出力するチャネル推定装置であって、前記パイロットチャネルを構成するパイロットシンボルの各々について、自身を含む複数のパイロットシンボルの間で重み付け平均化ることでチャネル推定を行ない、当該チャネル推定装置は、
    希望信号電力と非希望信号電力の比率に基づいて信号品質を求める信号品質測定手段と、
    所定数のパイロットシンボルの各々に与える重み係数を算出するウエイト算出手段と
    を備え、前記重み係数が、第1の重み係数及び第2の重み係数より成り、
    あるパイロットシンボルを平均化する際に、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルの寄与する程度が、複数のパイロットシンボルにわたるパイロットシンボルの変動量の多少に依存して異なるように前記第1の重み係数が設定され、
    あるパイロットシンボルを平均化する際に、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルの寄与する程度が、前記信号品質の良否に依存して異なるように前記第2の重み係数が設定され、かつ前記第2の重み係数の逆数、前記信号品質に比例するチャネル推定装置。
  2. 前記信号品質が、信号と雑音及び干渉との比率により算出されることを特徴とする請求項1記載のチャネル推定装置。
  3. 前記信号品質が、パイロットシンボルの統計的な分散に基づいて算出されることを特徴とする請求項2記載のチャネル推定装置。
  4. あるパイロットシンボルを平均化する際に、前記あるパイロットシンボルとは別のパイロットシンボルの寄与する程度が、複数のパイロットシンボルにわたるパイロットシンボルの変動量が小さい場合には多くなり、該変動量が大きい場合には少なくなるように前記第1の重み係数が設定されている、請求項1ないし3の何れか1項に記載のチャネル推定装置。
  5. あるパイロットシンボルについて、前記第1の重み係数が大きい場合、前記第2の重み係数も大きく、前記第1の重み係数が小さい場合、前記第2の重み係数も小さい、請求項4記載のチャネル推定装置。
  6. 前記重み係数は、
    α(1+ρ(1−|α| )) −1
    により算出され、αは前記第1の重み係数を表し、ρは前記信号品質を表す、請求項5記載のチャネル推定装置。
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