JP4609308B2 - 半導体回路装置 - Google Patents

半導体回路装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4609308B2
JP4609308B2 JP2005372814A JP2005372814A JP4609308B2 JP 4609308 B2 JP4609308 B2 JP 4609308B2 JP 2005372814 A JP2005372814 A JP 2005372814A JP 2005372814 A JP2005372814 A JP 2005372814A JP 4609308 B2 JP4609308 B2 JP 4609308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collector
circuit device
amplifier circuit
transistor
semiconductor circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005372814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007174565A (ja
Inventor
展正 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005372814A priority Critical patent/JP4609308B2/ja
Publication of JP2007174565A publication Critical patent/JP2007174565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4609308B2 publication Critical patent/JP4609308B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bipolar Integrated Circuits (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Description

本発明は、差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置に関する。
差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置が、例えば、特開2004−117032号公報(特許文献1)に開示されている。
図3は、差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置の一例で、図3(a)は、差動増幅回路を内部に有する演算増幅器(半導体回路装置)90の代表的な利用形態を示す回路図であり、図3(b)は、図3(a)の半導体回路装置90の内部構成を示す回路図である。
図3(a)に示すように、演算増幅器(OPアンプ、OPerational amplifier)90は、マイナスで示した反転入力端子1、プラスで示した非反転入力端子2、および出力端子3を有している。演算増幅器90においては、2つの入力端子1,2に加えられた信号の差の電圧を増幅して出力するする、極めて増幅度の大きな差動増幅器である。
図3(b)に示す半導体回路装置90の演算増幅回路は、接地ラインGLと1つの電源ラインDLの間に挿入される片電源演算増幅回路と呼ばれるもので、入力段である差動増幅回路90aと出力段である電圧増幅回路90bとから構成されている。
図3(b)の半導体回路装置90は、全て、安価な横型バイポーラトランジスタで構成されている。従って、差動増幅回路90aにおける2つの入力トランジスタQ1,Q2、および定電流駆動され2つの入力トランジスタQ1,Q2にバイアス電流を供給する電流供給トランジスタQ3も、横型バイポーラトランジスタからなる。
図3(b)に示すように、バイポーラトランジスタで構成される従来の差動増幅回路90aにおいては、電流供給トランジスタQ3のエミッタが、抵抗R1を介して所定電圧の電源ラインDLに接続され、電流供給トランジスタQ3のコレクタが、2つの入力トランジスタQ1,Q2の各エミッタに共通接続される。また、2つの入力トランジスタQ1,Q2の各コレクタは、それぞれ、トランジスタQ4と抵抗R2およびトランジスタQ5と抵抗R3を介して、接地ラインGLに接続されている。
また、電圧増幅回路90bは、定電流駆動されるトランジスタQ6とダーリントン接続されたトランジスタQ7、Q8とが、電源ラインDLと接地ラインGLとの間に直列に接続された回路構成となっている。また、トランジスタQ8のコレクタとトランジスタQ5のコレクタとの間には、位相補償用のコンデンサC1が接続されている。
特開2004−117032号公報
図3(b)に示す半導体回路装置90の片電源演算増幅回路においては、差動増幅回路90aに流す図中に太線矢印で示したバイアス電流Ibにより、差動増幅回路90aの増幅率が決定され、位相補償は、位相補償用のコンデンサC1の容量とバイアス電流Ibで決定される。図3(a),(b)に示す半導体回路装置90の演算増幅回路では、回路の動作スピードと発信の起き難さである回路の安定性が、トレードオフ関係にある。すなわち、半導体回路装置90の演算増幅回路の応答スピードを上げるためには、“バイアス電流Ibを増やす”こと、“コンデンサC1の容量を減らす”こと、それぞれに効果がある。逆に、半導体回路装置90の演算増幅回路の安定性は、“バイアス電流Ibを減らす”こと、“コンデンサC1の容量を増やす”こと、それぞれに効果がある。このように、回路の動作スピードと安定性がバイアス電流IbとコンデンサC1容量に対してトレードオフ関係にあるため、図3(b)に示す半導体回路装置90の片電源演算増幅回路の回路構成において、発振のしない安定した回路で応答スピードの高い回路を実現することが困難であった。
これに対して、回路の動作スピードと安定性を両立させるために、これまで次に示すような方法が提案されてきている。
例えば、図3(b)に示す半導体回路装置90の演算増幅回路は、バイアス電流IbとコンデンサC1からなる1ポールによる位相補償であるが、パラメータを増やした2ポール位相補償やフィードフォワード補償といった方法が提案されている。しかしながら、2ポール位相補償は、回路のばらつきに対して発振余裕度の低下が激しい等、公差設計上の難しさがある。また、フィードフォワード補償は、非反転増幅回路やボルテージフォロアでは使用できないという欠点がある。
また、回路構成を変更して、入力端子のうち反転入力端子のインピーダンスを下げ、電流帰還形の演算増幅回路とする方法が提案されている。この方法では、非常に高速な回路動作を実現できるものの、反転増幅回路のみの限定使用となってしまう。
さらに別の方法として、横型バイポーラトランジスタから高速の縦型バイポーラトランジスタやMOSトランジスタへ、トランジスタ素子を変更する方法が提案されている。この方法は、上記のように適用回路に制限がなく、非常に良好な特性が得られる反面、製造工程が複雑となり、製造コストが増大してしまう。
そこで本発明は、差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置であって、回路の動作スピードと安定性を両立させることができると共に、適用回路に制限がなく、安価に製造することのできる半導体回路装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置であって、前記差動増幅回路を構成するトランジスタが、バイポーラトランジスタであり、前記差動増幅回路における2つの入力トランジスタにバイアス電流を供給する電流供給トランジスタが、マルチコレクタのバイポーラトランジスタからなり、前記電流供給トランジスタの第1コレクタが、前記2つの入力トランジスタの各エミッタに共通接続され、前記第1コレクタと前記電流供給トランジスタの第2コレクタとの間で、寄生抵抗が形成され、前記第2コレクタと接地ラインの間で、バイアス点調整用のダイオードと基準電圧を発生する直流電源が、前記ダイオードのアノードが第2コレクタ側で前記直流電源の負極が接地ライン側となるように、順に直列接続されてなり、前記直流電源の基準電圧により、前記第2コレクタが、前記2つの入力トランジスタに入力が無い状態で、前記第1コレクタと同電位に設定されてなり、前記2つの入力トランジスタのいずれかに入力があると、前記第1コレクタの電位が前記第2コレクタの電位より下がり、前記寄生抵抗を介して第2コレクタ側から第1コレクタ側へ電流が流れるように構成されてなることを特徴としている。
上記半導体回路装置においては、第2コレクタと接地ラインの間でバイアス点調整用のダイオードと共に接続されている直流電源の基準電圧により、2つの入力トランジスタに入力が無い状態で、電流供給トランジスタの第2コレクタが1コレクタと同電位に設定されている。このため、上記半導体回路装置においては、電流供給トランジスタがシングルコレクタのバイポーラトランジスタからなり寄生抵抗を有しない従来の半導体回路装置と同様に、差動増幅回路のバイアス電流を設定することができる。従って、上記半導体回路装置は、バイアス電流に依存した差動増幅回路の安定性に係わる位相補償について、従来の半導体回路装置と同様の位相補償をすることができ、従来の半導体回路装置と同様の安定性を持たせることができる。
一方、上記半導体回路装置においては、電流供給トランジスタの第1コレクタと第2コレクタ間に、寄生抵抗が形成されている。また、第2コレクタは、第2コレクタと接地ラインの間でバイアス点調整用のダイオードと共に接続されている直流電源の基準電圧により、2つの入力トランジスタに入力が無い状態で、第1コレクタと同電位に設定されている。2つの入力トランジスタのいずれかに入力があると、上記半導体回路装置においては、第1コレクタの電位が第2コレクタの電位より下がり、前記寄生抵抗を介して第2コレクタ側から第1コレクタ側へ電流が流れる。従って、2つの入力トランジスタのいずれかに入力がある場合のみ、差動増幅回路のバランスがくずれて、バイアス電流が増量する。すなわち、2つの入力トランジスタのいずれかに入力がある場合のみ、バイアス電流が増量して、差動増幅回路の応答スピードが高められる。
上記半導体回路装置の差動増幅回路を構成するトランジスタは、高速のMOSトランジスタではなく、任意のバイポーラトランジスタであってよい。また、高速の縦型バイポーラトランジスタである必要もなく、安価な横型バイポーラトランジスタであってよい。従って、上記半導体回路装置は、安価な半導体回路装置とすることができる。
また、上記半導体回路装置の差動増幅回路の基本的な回路構成は、電流供給トランジスタをマルチコレクタのバイポーラトランジスタとし、第1コレクタと第2コレクタとの間に寄生抵抗を形成する点、第2コレクタと接地ラインの間でバイアス点調整用のダイオードと基準電圧を発生する直流電源を順に直列接続する点を除いて、一般的な差動増幅回路の回路構成と同様である。従って、上記半導体回路装置における差動増幅回路の回路構成は、2ポール位相補償やフィードフォワード補償、あるいは電流帰還形のように特殊な回路構成をとるものではないため、当該差動増幅回路の適用回路に特に制限はない。
以上のようにして、上記半導体回路装置は、差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置であって、回路の動作スピードと安定性を両立させることができると共に、適用回路に制限がなく、安価に製造することのできる半導体回路装置とすることができる。
上記半導体回路装置は、例えば請求項2に記載のように、前記半導体回路装置が、演算増幅回路が形成されてなる半導体回路装置であって、前記差動増幅回路が、前記演算増幅回路の入力段であるように構成することができる。またこの場合には、例えば請求項3に記載のように、前記演算増幅回路が、出力段である電圧増幅回路を有してなり、前記電圧増幅回路を構成するトランジスタが、バイポーラトランジスタであるように構成することができる。
上記半導体回路装置における差動増幅回路は、接地ラインと2つの電源ラインを有する両電源差動増幅回路であってもよいが、請求項4に記載のように、前記差動増幅回路が、接地ラインと1つの電源ラインを有する片電源差動増幅回路である場合に好適である。
片電源差動増幅回路は、両電源差動増幅回路に較べて、回路構成が簡単で安価に製造できる反面、回路の動作スピードと安定性を両立させるための回路パラメータが少ない。従って、電流供給トランジスタの構成により回路の動作スピードと安定性を両立できる本発明の半導体回路装置は、上記したように回路パラメータが少なく回路の動作スピードと安定性の両立が困難な片電源差動増幅回路に特に好適である。
一般的に、上記半導体回路装置では、2つの入力トランジスタのいずれかに入力信号が入った状態において、2つの入力トランジスタに流れるバイアス電流の差は、数μAと非常に小さくなる。このため、上記寄生抵抗の抵抗値は、10MΩ程度の極めて大きな抵抗値が必要である。
このため、上記半導体回路装置は、例えば請求項5に記載のように、前記電流供給トランジスタが、横型PNPバイポーラトランジスタであり、前記寄生抵抗が、前記第1コレクタと第2コレクタをソースおよびドレインとして、ゲート接地された寄生PチャネルMOSトランジスタにおける、前記ソースとドレイン間のインピーダンスであるように構成することが好ましい。
上記半導体回路装置においては、横型PNPバイポーラトランジスタである電流供給トランジスタの第1コレクタと第2コレクタが、通常のコレクタ動作を行うと共に、第1コレクタと第2コレクタの電位差が大きくなると、それぞれ、寄生PチャネルMOSトランジスタのドレインおよびソースとして動作する。上記寄生PチャネルMOSトランジスタのゲートは接地されているため、当該寄生PチャネルMOSトランジスタはオン状態で使用されることになり、ソースとドレイン間のインピーダンスを上記寄生抵抗として利用することができる。
またこの場合には、請求項6に記載のように、前記横型PNPバイポーラトランジスタが、埋め込み酸化膜を有するSOI基板のN導電型のSOI層に形成され、前記埋め込み酸化膜に達する絶縁分離トレンチにより取り囲まれて絶縁分離されてなり、前記絶縁分離トレンチが、側壁酸化膜を介して内部にポリシリコンが埋め込まれてなる絶縁分離トレンチであり、前記寄生PチャネルMOSトランジスタのゲートが、前記絶縁分離トレンチの外側の前記SOI層からなるフィールド領域であるように構成することが好ましい。
上記半導体回路装置における寄生PチャネルMOSトランジスタのゲート酸化膜は、絶縁分離トレンチの側壁酸化膜となる。この側壁酸化膜の膜厚は非常に厚いため、寄生PチャネルMOSトランジスタの閾値電圧は10〜20Vと非常に高くなり、当該寄生PチャネルMOSトランジスタのオン抵抗は、数MΩのハイインピーダンスとなる。このように、絶縁分離トレンチの厚い側壁酸化膜を利用して、通常では製造困難な高抵抗値の寄生抵抗を作り出すことができ、入力トランジスタに入力信号が入った時の電流供給トランジスタのバイアス電流制御に好適に利用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1は、差動増幅回路が形成されてなる本発明の半導体回路装置の一例で、演算増幅器である半導体回路装置100の内部構成を示す回路図である。尚、図1の半導体回路装置100において、図3(b)に示す半導体回路装置90と同様の部分については、同じ符号を付した。また、図3(a)の演算増幅器(半導体回路装置)90の代表的な利用形態を示す回路図は、図1の演算増幅器(半導体回路装置)100にも同様に適用される。
図1に示す半導体回路装置100の演算増幅回路も、図3(b)に示す半導体回路装置90の演算増幅回路と同様で、接地ラインGLと1つの電源ラインDLの間に挿入される片電源演算増幅回路である。図1の半導体回路装置100の演算増幅回路は、入力段である差動増幅回路100aと出力段である電圧増幅回路90bとから構成されている。
また、図1の半導体回路装置100も、図3(b)の半導体回路装置90と同様に、全て、バイポーラトランジスタで構成されている。従って、差動増幅回路100aにおける2つの入力トランジスタQ1,Q2、および2つの入力トランジスタQ1,Q2にバイアス電流を供給する電流供給トランジスタQ3pも、バイポーラトランジスタからなる。しかしながら、図1の半導体回路装置100における電流供給トランジスタQ3pは、図3(b)の半導体回路装置90における電流供給トランジスタQ3に対して、以下の点で詳細構造が異なっている。
すなわち、図3(b)の従来の半導体回路装置90における電流供給トランジスタQ3が、シングルコレクタのバイポーラトランジスタであるのに対し、図1の半導体回路装置100における図中に破線で囲った電流供給トランジスタQ3pは、マルチコレクタのバイポーラトランジスタからなる。電流供給トランジスQ3pの複数個あるコレクタのうちの一つである第1コレクタcは、2つの入力トランジスタQ1,Q2の各エミッタに共通接続されている。一方、第1コレクタcと電流供給トランジスQ3pの複数個あるコレクタのうちのもう一つの第2コレクタcとの間で、寄生抵抗Rpが形成されている。第2コレクタcは、2つの入力トランジスタQ1,Q2に入力が無い状態で、基準電圧E1とバイアス点調整ダイオードD1により、第1コレクタcと同電位に設定される。
尚、図3(b)の半導体回路装置90における差動増幅回路90aと同様に、図1の半導体回路装置100の差動増幅回路100aにおいても、電流供給トランジスタQ3pのエミッタが、抵抗R1を介して所定電圧の電源ラインDLに接続される。また、2つの入力トランジスタQ1,Q2の各コレクタは、それぞれ、トランジスタQ4と抵抗R2およびトランジスタQ5と抵抗R3を介して、接地ラインGLに接続されている。
また、図1の半導体回路装置100における電圧増幅回路90bは、図3(b)の半導体回路装置90における電圧増幅回路90bと同じである。すなわち、半導体回路装置100の電圧増幅回路90bは、定電流駆動されるトランジスタQ6とダーリントン接続されたトランジスタQ7、Q8とが、電源ラインDLと接地ラインGLとの間に直列に接続された回路構成となっている。また、トランジスタQ8のコレクタとトランジスタQ5のコレクタとの間には、位相補償用のコンデンサC1が接続されている。尚、製造コストを低減するため、電圧増幅回路90bを構成するトランジスタも、差動増幅回路100aを構成するトランジスタと同様のバイポーラトランジスタとすることが好ましい。
図1に示す半導体回路装置100においては、2つの入力トランジスタQ1,Q2に入力が無い状態で、図3(b)に示す電流供給トランジスタQ3がシングルコレクタのバイポーラトランジスタからなり寄生抵抗を有しない従来の半導体回路装置90と同様に、差動増幅回路100aのバイアス電流Ibを設定することができる。従って、図1の半導体回路装置100は、バイアス電流Ibに依存した差動増幅回路100aの安定性に係わる位相補償について、図3(b)の従来の半導体回路装置90と同様の位相補償をすることができ、従来の半導体回路装置90と同様の安定性を持たせることができる。
一方、図1の半導体回路装置100においては、電流供給トランジスタQ3pの第1コレクタc1と第2コレクタc2間に、寄生抵抗Rpが形成されている。また、第2コレクタc2は、2つの入力トランジスタQ1,Q2に入力が無い状態で、基準電圧E1とバイアス点調整ダイオードD1により第1コレクタc1と同電位に設定されている。従って、2つの入力トランジスタQ1,Q2のいずれかに入力がある場合のみ、差動増幅回路100aのバランスがくずれて、イアス電流Ibが増量する。すなわち、2つの入力トランジスタQ1,Q2のいずれかに入力がある場合のみ、バイアス電流Ibが増量して、差動増幅回路100aの応答スピードが高められる。
図1の半導体回路装置100の差動増幅回路100aを構成するトランジスタは、高速のMOSトランジスタではなく、任意のバイポーラトランジスタであってよい。また、高速の縦型バイポーラトランジスタである必要もなく、図3(b)の半導体回路装置90と同様に、安価な横型バイポーラトランジスタであってもよい。従って、図1の半導体回路装置100は、安価な半導体回路装置とすることができる。
また、図1に示す半導体回路装置100の差動増幅回路100aの基本的な回路構成は、電流供給トランジスタQ3pをマルチコレクタのバイポーラトランジスタとし、第1コレクタcと第2コレクタcとの間に寄生抵抗Rpを形成し、第2コレクタcの電位を設定する基準電圧E1とバイアス点調整ダイオードD1を追加する点を除いて、図3(b)に示す一般的な差動増幅回路90aの回路構成と同様である。従って、図1の半導体回路装置100における差動増幅回路100aの回路構成は、2ポール位相補償やフィードフォワード補償、あるいは電流帰還形のように特殊な回路構成をとるものではないため、図1に示す差動増幅回路100aの適用回路に特に制限はない。
以上のようにして、図1に示す半導体回路装置100は、差動増幅回路100aが形成されてなる半導体回路装置であって、回路の動作スピードと安定性を両立させることができると共に、適用回路に制限がなく、安価に製造することのできる半導体回路装置となっている。
尚、図1の半導体回路装置100は、演算増幅回路が形成された半導体回路装置であって、本発明の要部である上記構成の電流供給トランジスタQ3pを有する差動増幅回路100aが、演算増幅回路の入力段として用いられている。しかしながら、本発明の半導体回路装置およびそこに形成される差動増幅回路は、演算増幅回路の入力段に限らず、ボルテージフォロア等の任意の差動増幅回路であってよく、従って、任意の差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置に適用することができる。
また、図1の半導体回路装置100における差動増幅回路100aは、接地ラインGLと1つの電源ラインDLを有する片電源差動増幅回路である。上記した本発明の差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置は、接地ラインと2つの電源ラインを有する両電源差動増幅回路であってもよいが、特に、片電源差動増幅回路に好適である。
片電源差動増幅回路は、両電源差動増幅回路に較べて、回路構成が簡単で安価に製造できる反面、回路の動作スピードと安定性を両立させるための回路パラメータが少ない。従って、図1に示す電流供給トランジスタQ3pの構成により回路の動作スピードと安定性を両立できる本発明の半導体回路装置100は、上記したように回路パラメータが少なく回路の動作スピードと安定性の両立が困難な片電源差動増幅回路に特に適している。
次に、本発明の半導体回路装置に形成される差動増幅回路が片電源差動増幅回路である場合において、図1の半導体回路装置100における電流供給トランジスタQ3pの好適な実施形態について説明する。
図2は、上記電流供給トランジスタQ3pの好適な実施形態で、図2(a)は、電流供給トランジスタQ3pの模式的な上面図である。図2(b)と図2(c)は、それぞれ、図2(a)における一点鎖線A−AとB−Bでの模式的な断面図である。
一般的に、図1の半導体回路装置100では、2つの入力トランジスタQ1,Q2のいずれかに入力信号が入った状態において、2つの入力トランジスタQ1,Q2に流れるバイアス電流の差は、数μAと非常に小さくなる。このため、電流供給トランジスタQ3pにおける寄生抵抗Rpの抵抗値は、10MΩ程度の極めて大きな抵抗値が必要である。
図2(a)〜(c)に示す電流供給トランジスタQ3pは、埋め込み酸化膜11を有するSOI(Silicon On Insulator)基板10のN導電型のSOI層12に形成され、埋め込み酸化膜11に達する絶縁分離トレンチTにより取り囲まれて絶縁分離された、横型PNPバイポーラトランジスタである。図2の電流供給トランジスタQ3pでは、N導電型(N−)のSOI層12がベース領域となっており、表層部に形成された高濃度N導電型(N+)領域bがベースへのコンタクト領域となっている。また、電流供給トランジスタQ3pでは、SOI層12の表層部に形成された高濃度P導電型(P+)領域eがエミッタ領域となっており、別の2つの高濃度P導電型(P+)領域c,cが図1の第1コレクタcと第2コレクタcに対応するコレクタ領域で、マルチコレクタのバイポーラトランジスタとなっている。図2(a)〜(c)において、電流供給トランジスタQ3pを取り囲む絶縁分離トレンチTは、側壁酸化膜13を介して内部にポリシリコン14が埋め込まれてなる絶縁分離トレンチである。
図2の電流供給トランジスタQ3pでは、図1に示す寄生抵抗Rpが、次のように構成される。すなわち、図2の電流供給トランジスタQ3pでは、第1コレクタcと第2コレクタcをソースsおよびドレインdとして、絶縁分離トレンチTの外側のSOI層12からなるフィールド領域Fをゲートgとする、図2(a)に示した寄生PチャネルMOSトランジスタMpが構成される。フィールド領域Fは通常接地(GND,0V)されるため、図2(a)に示す寄生PチャネルMOSトランジスタMpは、ゲート接地された寄生PチャネルMOSトランジスタとなる。このように、ゲートg(フィールド領域F)が接地された寄生PチャネルMOSトランジスタMpは、オン状態で使用されることになり、第1コレクタcと第2コレクタcであるソースsとドレインd間のインピーダンスを、図1に示す寄生抵抗Rpとして利用することができる。
ここで、図2の電流供給トランジスタQ3pを用いた図1の半導体回路装置100について、その動作を詳細に説明する。
演算増幅器である図1の半導体回路装置100では、入力信号がない場合の反転入力端子1と非反転入力端子2が同電位であることを利用して、基準電圧E1とバイアス点調整ダイオードD1により、第1コレクタcと第2コレクタcが同電位に設定される。そのため、入力信号がない場合の図1に太線矢印で示した差動増幅回路100aのバイアス電流Ibは、寄生PチャネルMOSトランジスタMp(従って寄生抵抗Rp)が無い図3(b)に示す半導体回路装置90と同じバイアス電流Ibに設定できる。
入力信号により反転入力端子1と非反転入力端子2に電位差が生じると、第1コレクタcの電位はバランス点から下がるので、第2コレクタcの電位が高くなり、第1コレクタcと第2コレクタc間の電圧と寄生PチャネルMOSトランジスタMpのインピーダンス(寄生抵抗Rp)で決まる電流が、第1コレクタc側に流れ込み、入力信号がない場合のバイアス電流Ibが増量される。この寄生PチャネルMOSトランジスタMpのインピーダンス(寄生抵抗Rp)および基準電圧E1とバイアス点調整ダイオードD1によるバイアス電流Ibの増量は、反転入力端子1と非反転入力端子2がバランスせず異なる電位にある場合のみ動作し、差動増幅回路100aの高速な動作が可能となる。一方、反転入力端子1と非反転入力端子2がバランスして同電位にある場合のバイアス電流は、寄生抵抗Rpが無い図3(b)に示す従来の半導体回路装置90と同じバイアス電流Ibであり、図1の半導体回路装置100の安定性は損なわれない。
以上のように、図2の電流供給トランジスタQ3pが形成された図1の半導体回路装置100では、横型PNPバイポーラトランジスタである電流供給トランジスタQ3pの第1コレクタcと第2コレクタcが、通常のコレクタ動作を行うと共に、寄生PチャネルMOSトランジスタMpのドレインdおよびソースsとしても動作し、このソースsとドレインd間のインピーダンスが寄生抵抗Rpとして機能する。
図2(a)に示す寄生PチャネルMOSトランジスタMpのゲート酸化膜は、絶縁分離トレンチTの側壁酸化膜13となる。この側壁酸化膜13の膜厚は非常に厚いため、寄生PチャネルMOSトランジスタMpの閾値電圧は10〜20Vと非常に高くなり、寄生PチャネルMOSトランジスタMpのオン抵抗は、数MΩのハイインピーダンスとなる。このように、図2の電流供給トランジスタQ3pによれば、絶縁分離トレンチTの厚い側壁酸化膜13を利用して、通常では製造困難な高抵抗値の寄生抵抗Rpを作り出すことができ、入力トランジスタQ1,Q2に入力信号が入った時の電流供給トランジスタQ3pのバイアス電流制御に好適に利用することができる。
以上のように、図2に示した電流供給トランジスタQ3pに形成される寄生PチャネルMOSトランジスタMpのソースsとドレインd間のインピーダンスは、図1に示す半導体回路装置100における寄生抵抗Rpとして好適である。しかしながら、これに限らず、図1に示した本発明の半導体回路装置100における電流供給トランジスタQ3pの第1コレクタcと第2コレクタc間に形成される寄生抵抗Rpは、高い抵抗値を有する任意の寄生抵抗であってよい。
差動増幅回路が形成されてなる本発明の半導体回路装置の一例で、演算増幅器である半導体回路装置100の内部構成を示す回路図である。 図1の電流供給トランジスタQ3pの好適な実施形態で、(a)は、電流供給トランジスタQ3pの模式的な上面図である。(b)と(c)は、それぞれ、(a)における一点鎖線A−AとB−Bでの模式的な断面図である。 差動増幅回路が形成されてなる従来の半導体回路装置の一例で、(a)は、差動増幅回路を内部に有する演算増幅器(半導体回路装置)90の代表的な利用形態を示す回路図であり、(b)は、(a)の半導体回路装置90の内部構成を示す回路図である。
符号の説明
90,100 半導体回路装置(演算増幅器)
90a,100a 差動増幅回路
90b 電圧増幅回路
1 反転入力端子
2 非反転入力端子
3 出力端子
Q1,Q2 入力トランジスタ
Q3,Q3p 電流供給トランジスタ
第1コレクタ
第2コレクタ
Rp 寄生抵抗
E1 基準電圧
D1 バイアス点調整ダイオード
GL 接地ライン
C1 位相補償用のコンデンサ
10 SOI基板
11 埋め込み酸化膜
12 SOI層
T 絶縁分離トレンチ
13 側壁酸化膜
14 ポリシリコン
F フィールド領域
Mp 寄生PチャネルMOSトランジスタ
s ソース
d ドレイン
g ゲート

Claims (6)

  1. 差動増幅回路が形成されてなる半導体回路装置であって、
    前記差動増幅回路を構成するトランジスタが、バイポーラトランジスタであり、
    前記差動増幅回路における2つの入力トランジスタにバイアス電流を供給する電流供給トランジスタが、マルチコレクタのバイポーラトランジスタからなり、
    前記電流供給トランジスタの第1コレクタが、前記2つの入力トランジスタの各エミッタに共通接続され、
    前記第1コレクタと前記電流供給トランジスタの第2コレクタとの間で、寄生抵抗が形成され、
    前記第2コレクタと接地ラインの間で、バイアス点調整用のダイオードと基準電圧を発生する直流電源が、前記ダイオードのアノードが第2コレクタ側で前記直流電源の負極が接地ライン側となるように、順に直列接続されてなり、
    前記直流電源の基準電圧により、前記第2コレクタが、前記2つの入力トランジスタに入力が無い状態で、前記第1コレクタと同電位に設定されてなり、
    前記2つの入力トランジスタのいずれかに入力があると、前記第1コレクタの電位が前記第2コレクタの電位より下がり、前記寄生抵抗を介して第2コレクタ側から第1コレクタ側へ電流が流れるように構成されてなることを特徴とする半導体回路装置。
  2. 前記半導体回路装置が、演算増幅回路が形成されてなる半導体回路装置であって、
    前記差動増幅回路が、前記演算増幅回路の入力段であることを特徴とする請求項1に記載の半導体回路装置。
  3. 前記演算増幅回路が、出力段である電圧増幅回路を有してなり、
    前記電圧増幅回路を構成するトランジスタが、バイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項2に記載の半導体回路装置。
  4. 前記差動増幅回路が、片電源差動増幅回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体回路装置。
  5. 前記電流供給トランジスタが、横型PNPバイポーラトランジスタであり、
    前記寄生抵抗が、前記第1コレクタと第2コレクタをソースおよびドレインとして、ゲート接地された寄生PチャネルMOSトランジスタにおける、前記ソースとドレイン間のインピーダンスであることを特徴とする請求項4に記載の半導体回路装置。
  6. 前記横型PNPバイポーラトランジスタが、埋め込み酸化膜を有するSOI基板のN導電型のSOI層に形成され、前記埋め込み酸化膜に達する絶縁分離トレンチにより取り囲まれて絶縁分離されてなり、
    前記絶縁分離トレンチが、側壁酸化膜を介して内部にポリシリコンが埋め込まれてなる絶縁分離トレンチであり、
    前記寄生PチャネルMOSトランジスタのゲートが、前記絶縁分離トレンチの外側の前記SOI層からなるフィールド領域であることを特徴とする請求項5に記載の半導体回路装置。
JP2005372814A 2005-12-26 2005-12-26 半導体回路装置 Expired - Fee Related JP4609308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372814A JP4609308B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 半導体回路装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372814A JP4609308B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 半導体回路装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007174565A JP2007174565A (ja) 2007-07-05
JP4609308B2 true JP4609308B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=38300490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005372814A Expired - Fee Related JP4609308B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 半導体回路装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4609308B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5018645B2 (ja) * 2008-05-28 2012-09-05 株式会社デンソー 半導体集積回路

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5570064A (en) * 1978-11-21 1980-05-27 Toshiba Corp Multi-collector type transistor
JPS5892744U (ja) * 1981-12-14 1983-06-23 株式会社東芝 半導体素子
JPH10190375A (ja) * 1996-12-25 1998-07-21 Nec Corp 演算増幅回路
JP2005159831A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Denso Corp 回路装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5570064A (en) * 1978-11-21 1980-05-27 Toshiba Corp Multi-collector type transistor
JPS5892744U (ja) * 1981-12-14 1983-06-23 株式会社東芝 半導体素子
JPH10190375A (ja) * 1996-12-25 1998-07-21 Nec Corp 演算増幅回路
JP2005159831A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Denso Corp 回路装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007174565A (ja) 2007-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100756317B1 (ko) 딥 엔웰 씨모스 공정으로 구현한 수직형 바이폴라 정션트랜지스터를 이용한 전압 기준 회로 및 전류 기준 회로
JP4960808B2 (ja) 半導体温度センサ
US20090002084A1 (en) Oscillator
JPH1022750A (ja) 低電圧演算増幅器の入力段および方法
JP3325396B2 (ja) 半導体集積回路
KR100227583B1 (ko) 반도체 장치
JP4609308B2 (ja) 半導体回路装置
JPH04239809A (ja) 振幅制限回路
KR940004402B1 (ko) 센스 앰프를 구비한 반도체 기억장치
JP4137510B2 (ja) 差動増幅回路を有する半導体装置
US10026738B2 (en) Semiconductor device and semiconductor integrated circuit using the same
JP3145650B2 (ja) オペアンプ位相補償回路およびそれを用いたオペアンプ
KR100203965B1 (ko) 반도체 집적회로
US20040183597A1 (en) Differential input circuit
US6867633B2 (en) Complementary electronic system for lowering electric power consumption
JPH07130869A (ja) 半導体集積回路装置
JP2714996B2 (ja) 半導体集積回路装置
JPH09181587A (ja) 自由コレクタ端子を備えたバイポーラトランジスタ回路
JP2695870B2 (ja) 電界効果トランジスタ
KR100374219B1 (ko) 차동 증폭기를 구비한 집적 반도체 회로
US20020163046A1 (en) Merged semiconductor device and method
JPS6228089Y2 (ja)
JPH02132854A (ja) エミッタカップルドロジック回路
JP2671304B2 (ja) 論理回路
JPH08153852A (ja) 半導体集積回路装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100927

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees