JP4608783B2 - 水分散型フッ素系共重合体組成物 - Google Patents

水分散型フッ素系共重合体組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物へ撥水撥油性を付与する水分散型フッ素系共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフルオロアルキル基を含む付加重合性の重合性単量体の重合単位を有する重合体を水系媒体分散液とした撥水撥油剤を用いて繊維製品または紙等を処理し、それらの表面に撥水撥油性や耐水耐油性を付与する技術は、現在工業的に行われている。また、該水系媒体分散液の製造方法は、重合体を水系媒体中に乳化剤を用いて乳化分散して製造する方法や、付加重合性の重合性単量体を用いて乳化重合により製造する方法が知られている。
これまでこれらの撥水撥油剤については、撥水撥油性の向上とともに、洗濯や摩擦に対する耐久性の向上や耐水耐油性の改良が行われてきた。
また、ポリエステル、ナイロンまたはアクリルなどの合成繊維、綿、ウールまたは絹などの天然繊維等、種々の繊維に対する適応性を向上させる技術が検討されている。これらを達成するために特定の有機溶剤の使用、特定の単量体の使用、特定の界面活性剤の使用等が提案されている。
さらに近年は、経済性の見地から少量で撥水撥油性、耐水耐油性が付与できる効率的な撥水撥油剤、低い熱処理温度で撥水撥油性、耐水耐油性が発現する撥水撥油剤、加工効率の向上を目指して加工時に仕上り不良が発生せず、加工条件に左右されない安定な撥水撥油剤に対する要望が高まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−49319号公報では、含フッ素アクリル系重合体エマルションにカチオン性水溶性高分子化合物を配合し、繊維等への接着性を向上させる技術が開示されている。しかし、該重合体にはカルボキシル基が含まれるため、カチオン性水溶性高分子化合物と反応しやすく、加工安定性が不充分であった。
すなわち、撥水性と撥油性とを両立し、加工時の安定性および被処理物への接着性を同時に確保することは困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、少量で撥水撥油性を発現し、かつ撥水撥油加工時の安定性に優れた水分散型フッ素系共重合体組成物を、特定のポリフルオロ基含有共重合体と特定のポリアミン共重合体とを含む組成物とすることにより実現した。
すなわち、本発明は下記の(1)〜(4)に示す水分散型フッ素系共重合体組成物である。
(1)水系媒体、下記重合体Aおよび下記重合体Bを含む水分散型フッ素系共重合体組成物。
重合体A:ポリフルオロアルキル基と1個の重合性不飽和基とを有する単量体の重合単位、およびポリフルオロアルキル基とカルボキシル基とを有さず1個以上の重合性不飽和基を有する単量体の重合単位を含む共重合体。
重合体B:側鎖にアミノ基またはアンモニウム基を有するポリアミン共重合体。
(2)重合体Bが、下式1〜8で示される重合単位のいずれか1種以上を含むポリアミン共重合体である水分散型フッ素系共重合体組成物。
【0005】
【化2】
Figure 0004608783
【0006】
式1〜8において、
nは、それぞれ独立に、1以上の正の整数を表し、
- は、それぞれ独立に、アニオン残基を表す。
(3)コーティング用前処理、ボンディング用前処理またはラミネート用前処理に用いる水分散型フッ素系共重合体組成物。
(4)繊維、繊維織物または紙への処理に用いる水分散型フッ素系共重合体組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、アクリレートとメタクリレートとを総称して(メタ)アクリレートと記す。(メタ)アクリルアミド等の表記においても同様である。また、本明細書においては、ポリフルオロアルキル基をRf 基と記す。
本発明における重合体Aは、Rf 基と1個の重合性不飽和基とを有する単量体の重合単位、およびRf 基とカルボキシル基とを有さず1個以上の重合性不飽和基を有する単量体の重合単位を含む共重合体である。
【0008】
本発明において、Rf 基とは、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。Rf 基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。Rf 基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、直鎖構造が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分がRf 基の末端部分に存在し、かつ炭素数1〜4の短鎖であるのが好ましい。
【0009】
f 基は、フッ素原子以外の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。また、Rf 基中の炭素−炭素結合間には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよい。
f 基の末端部分の構造としては、−CF2 CF3 、−CF(CF3 2 、−CF2 H、−CFH2 または−CF2 Cl等が挙げられ、これらの中でも−CF2 CF3 が好ましい。
f 基中のフッ素原子の数は、[(Rf 基中のフッ素原子数)/(Rf 基と同一炭素数の対応するアルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表現した場合に、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましい。
【0010】
さらにRf 基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基(すなわちペルフルオロアルキル基)、またはペルフルオロアルキル基を末端部分に有する基が好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。ペルフルオロアルキル基の炭素数が少なすぎると撥水性および撥油性が低下しやすく、ペルフルオロアルキル基の炭素数が多すぎると取扱いが困難になるおそれがある。
【0011】
f 基の具体例としては、以下の基が好ましく挙げられる。
4 9 −[F(CF2 4 −、(CF3 2 CFCF2 −、(CF3 3 C−、またはCF3 CF2 (CF3 )CF−等の構造異性の基のいずれか]、 C5 11−[たとえばF(CF2 5 −]、C6 13−[たとえばF(CF2 6 −]、C7 15−[たとえばF(CF2 7 −]、C8 17−[たとえばF(CF2 8 −]、C9 19−[たとえばF(CF2 9 −]、C1021−[たとえばF(CF2 10−]、C1225−[たとえばF(CF2 12−]、C1429−[たとえばF(CF2 14−]、C1633−[たとえばF(CF2 16−]、Cl(CF2 s −(sは1〜16の整数。)、H(CF2 t −(tは1〜16の整数。)、(CF3 2 CF(CF2 y −(yは1〜14の整数。)等。
【0012】
f 基が、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子、またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された基である場合の具体例としては、以下の基が好ましく挙げられる。
F(CF2 5 OCF(CF3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]r CF(CF3 )CF2 CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]r CF(CF3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2 −、F(CF2 CF2 CF2 O)v CF2 CF2 −、F(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −、F(CF2 5 SCF(CF3 )−、F[CF(CF3 )CF2 S]r CF(CF3 )CF2 CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 S]r CF(CF3 )−、F[CF(CF3 )CF2 S]u CF2 CF2 −、F(CF2 CF2 CF2 S)v CF2 CF2 −、F(CF2 CF2 S)w CF2 CF2 −(ここで、rは独立に1〜10の整数、uは独立に2〜6の整数、vは独立に1〜11の整数、wは独立に1〜11の整数を示す。)等。
【0013】
本発明における重合体Aは、Rf 基と1個の重合性不飽和基とを有する単量体(a1 )の重合単位、およびRf 基とカルボキシル基とを有さず1個以上の重合性不飽和基を有する単量体(a2 )の重合単位を含む共重合体であれば特に限定されない。
重合性不飽和基としては、オレフィン類の残基、ビニルエーテル類の残基、ビニルエステル類の残基、(メタ)アクリレート類の残基、スチレン類の残基等が挙げられる。Rf 基と1個の重合性不飽和基とを有する単量体としては、Rf 基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
【0014】
重合体Aに含まれるRf 基を有する(メタ)アクリレートとは、Rf 基が(メタ)アクリレートのアルコール残基部分に存在する化合物をいう。Rf 基を有する(メタ)アクリレートとしては、下式a11で表される化合物が好ましく挙げられる。ただし、式a11においてRf はRf 基、Qは2価の有機基、Rは水素原子またはメチル基を示す。
f −Q−OCOCR=CH2 ・・・式a11
式a11におけるRf としては、上記において例示したRf 基であればいずれであってもよいが、中でも、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含まないRf 基が好ましく、特にペルフルオロアルキル基が好ましく、とりわけ直鎖構造のペルフルオロアルキル基が好ましい。直鎖構造のペルフルオロアルキル基としては、−(CF2 m F(ただし、mは1〜16の整数であり、4〜16の整数が好ましく、特に6〜12の整数が好ましい。)で表される基が好ましい。
【0015】
式a11におけるQとしては、−(CH2 p+q −、−(CH2 p CONRa (CH2 q −、−(CH2 p OCONRa (CH2 q −、−(CH2 p SO2 NRa (CH2 q −、−(CH2 p NHCONH(CH2 q −、−(CH2 p CH(OH)(CH2 q −、−(CH2 p CH(OCORa )(CH2 q −等が好ましく挙げられる。ただし、Ra は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。また、pおよびqはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。
【0016】
特に、式a11におけるQは、−(CH2 p+q −、−(CH2 p CONRa (CH2 q −、または−(CH2 p SO2 NRa (CH2 q −であり、かつ、qが2以上の整数であり、かつp+qが2〜6である場合が好ましく、p+qが2〜6である場合の−(CH2 p+q −(すなわち、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基)である場合がさらに好ましい。また、式a11において、Qと結合するRf の炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
【0017】
f 基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、下記化合物が好ましく挙げられる。ただし、下記化合物中のRは水素原子またはメチル基を示す。
F(CF2)5CH2OCOCR=CH2
F(CF2)6CH2CH2OCOCR=CH2
H(CF2)6CH2OCOCR=CH2
H(CF2)8CH2OCOCR=CH2
H(CF2)10CH2OCOCR=CH2
H(CF2)8CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)8CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)10CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)12CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)14CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)16CH2CH2OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)8(CH2)4OCOCR=CH2
F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)5CH2CH2CH2OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCR=CH2
(CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2OCOCR=CH2
F(CF2)9CH2CH2OCOCR=CH2
F(CF2)9CONHCH2CH2OCOCR=CH2
【0018】
重合体A中には、上記のRf 基を有する(メタ)アクリレートの重合単位を1種単独で、または2種以上含むのが好ましい。Rf 基を有する(メタ)アクリレートの重合単位を2種以上含む場合には、炭素数の異なるRf 基を有する(メタ)アクリレートの重合単位を含むのが好ましい。
【0019】
さらに重合体Aは、Rf 基と1個の重合性不飽和基とを有する単量体(a1 )の重合単位とともに、Rf 基とカルボキシル基とを有さず1個以上の重合性不飽和基を有する単量体(a2 )の重合単位を含む。
単量体(a2 )としては、Rf 基とカルボキシル基とを有さない公知または周知の単量体が挙げられ、1種または2種以上の単量体(a2 )を組み合せて用いることができる。物性面からは、2種以上の単量体(a2 )を組み合せて用いることが、被処理物への接着性が向上し、かつエマルションの機械的安定性が確保できるため好ましい。
【0020】
単量体(a2 )としては、例えば、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する単量体(a2 )、
ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン等のハロゲン原子を有する単量体(a2 )、
カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル等のオキシカルボニル基を有する単量体(a2 )、
ジアルキルマレート等の2以上のカルボニルオキシ基を有する単量体(a2 )、
(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する単量体(a2 )、
ブロック化イソシアネート基含有(メタ)アクリレート等のブロック化イソシアネート基を有する単量体(a2 )、
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有する単量体(a2 )、
アジリジニル(メタ)アクリレート、アジリジニルアルキル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基を有する単量体(a2 )、
ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン基を有する単量体(a2 )、
ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート等のポリジメチルシロキサン基を有する単量体(a2 )、
トリアリルシアヌレート等のシアヌレートエステル基を有する単量体(a2 )、
その他、置換アミノアルキル(メタ)アクリレート、アルアルキル(メタ)アクリレート、アルキルビニルエーテル、(置換アルキル)ビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド、モノオレフィン、ジオレフィン、スチレン、炭素数1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数5〜8のシクロアルキル基を有するシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
中でも、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する単量体(a2 )、
塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロプレン等のハロゲン原子を有する単量体(a2 )、
酢酸ビニル、酢酸アリル等のオキシカルボニル基を有する単量体(a2 )、
ジオクチルマレート等の2以上のカルボニルオキシ基を有する単量体(a2 )、
(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する単量体(a2 )、
ブロック化イソシアネート基含有(メタ)アクリレート等のブロック化イソシアネート基を有する単量体(a2 )、
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有する単量体(a2 )、
アジリジニル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基を有する単量体(a2 )、
ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(2−エチルヘキシル)エーテル、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、2−ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン基を有する単量体(a2 )、
ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート等のポリジメチルシロキサン基を有する単量体(a2 )、
トリアリルシアヌレート等のシアヌレートエステル基を有する単量体(a2 )その他、(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルキルビニルエーテル、(ハロゲン化アルキル)ビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド、エチレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が好ましい。
【0022】
特に、単量体(a2 )としては、ヒドロキシル基またはN−メチロール基で置換されたアミド基を有する単量体(a2 )を含むことが好ましく、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびN−メチロール(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上を含むことが特に好ましい。
さらに、単量体(a2 )としては、上記ヒドロキシル基またはN−メチロール基で置換されたアミド基を有する単量体と併用して、塩化ビニル、ブロック化イソシアネート基含有(メタ)アクリレート、炭素数1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数5〜8のシクロアルキル基を有するシクロアルキル(メタ)アクリレート等から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【0023】
本発明においては、単量体(a2 )としてカルボキシル基を有さない単量体を使用する。
カルボキシル基を有すると、重合体Bとの反応性が高くなるために、繊維への接着性向上効果が不充分となる。さらに水分散体(エマルション)の凝集沈降が起こり、希釈安定性、機械的安定性などが不充分になり実用上好ましくない。ただし、重合体Bを過剰量用いると水分散体の安定性を向上できる場合もあるが、この場合には撥水撥油性が低下するために好ましくない。
本発明では、カルボキシル基を有する単量体を使用しないので、安定性に優れ、優れた撥水撥油性を被処理物に付与できる。
【0024】
本発明において重合体Aとは、単量体(a1 )の重合単位と単量体(a2 )の重合単位とを含む共重合体であるが、単量体(a1 )の重合単位または単量体(a2 )の重合単位のいずれか1種を含む重合体の混合物であっても、本発明と同様の効果を有する。
重合体A中の各重合単位の割合は、単量体(a1 )の重合単位は60〜96質量%が好ましく、単量体(a2 )の重合単位は4〜40質量%が好ましい。
【0025】
本発明においては、単量体(a1 )および単量体(a2 )は、水系媒体中、界面活性剤(c)の存在下に乳化分散させた後に、重合するのが好ましい。
界面活性剤(c)は1種単独でも2種以上を組み合せて用いてもよく、界面活性剤(c)は、ノニオン性界面活性剤のみからなっていてもよく、ノニオン性界面活性剤とともにノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤からなっていてもよい。ノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤または両性界面活性剤が好ましい。
【0026】
界面活性剤(c)におけるノニオン性界面活性剤としては、下記界面活性剤(c1 )〜(c6 )から選択される1種以上のノニオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤(c1 )は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノアルカポリエニルエーテルからなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤(c1 )におけるアルキル基、アルケニル基またはアルカポリエニル基は、それぞれ炭素数4〜26であるのが好ましい。また、アルキル基、アルケニル基またはアルカポリエニル基は、それぞれ直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。分岐構造である場合には、2級アルキル基、2級アルケニル基または2級アルカポリエニル基が好ましい。アルキル基、アルケニル基またはアルカポリエニル基の具体例としては、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基(ドコシル基)、またはオレイル基(9−オクタデセニル基)等が挙げられる。
【0027】
界面活性剤(c1 )は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルであるのが好ましい。
界面活性剤(c1 )のポリオキシアルキレン部分は、1種または2種のオキシアルキレン基からなるのが好ましく、2種からなる場合にはそれらの連なり方はブロック状であることが好ましい。ポリオキシアルキレン部分は、オキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基が2個以上連なった部分からなるのが好ましい。
【0028】
界面活性剤(c1 )としては、下式c11で表される化合物が好ましい。ただし、式c11中のR10は炭素数8以上のアルキル基または炭素数8以上のアルケニル基を示し、gは0〜20の整数を示し、hは5〜50の整数を示す。また、gとhとが2以上である場合、式C11中のオキシエチレン基とオキシプロピレン基とはブロック状になって連結されている。
R10O[CH2CH(CH3)O ]g -(CH2CH2O)h H ・・・式c11
式c11中のR10は、直鎖構造または分岐構造のいずれであってもよい。hは10〜30の整数が好ましく、gは0〜10の整数が好ましい。hが4以下、またはgが21以上では、水に難溶性となり、水系媒体中に均一に溶解しないため、浸透性向上効果を低下させるおそれがある。また、hが51以上では親水性が高くなり、撥水性を低下させるおそれがある。
【0029】
化合物(式c11)の具体例としては下記化合物が挙げられる。ただし、下式においてhおよびgは上記と同じ意味を示し、好ましい態様も同じである。また、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とはブロック状になって連結されている。
C18H37O[CH2CH(CH3)O]g -(CH2CH2O)h H 、
C18H35O[CH2CH(CH3)O]g -(CH2CH2O)h H 、
C16H33O[CH2CH(CH3)O]g -(CH2CH2O)h H 、
C12H25O[CH2CH(CH3)O]g -(CH2CH2O)h H 、
(C8H17)(C6H13CHO[CH2CH(CH3)O]g )-(CH2CH2O) h H 、
C10H21O[CH2CH(CH3)O]g -(CH2CH2O)h H 。
【0030】
界面活性剤(c2 )は、分子中に1個以上の炭素−炭素三重結合および1個以上の水酸基を有し、かつ界面活性を示す化合物からなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤(c2 )は、分子中に1個の炭素−炭素三重結合、および1個または2個の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤が好ましい。また、該ノニオン性界面活性剤は、部分構造としてポリオキシアルキレン部分を有していてもよい。ポリオキシアルキレン部分としては、ポリオキシエチレン部分、ポリオキシプロピレン部分、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とがランダム状に連なった部分、またはポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとがブロック状に連なった部分、が挙げられる。
【0031】
界面活性剤(c2 )としては、下式c21、式c22、式c23または式c24で表される化合物が好ましい。
HO-CR11R12-C≡C-CR13R14-OH ・・・式c21
HO-(A1O)i -CR11R12-C≡C-CR13R14-(OA2) j -OH ・・・式c22
HO-CR15R16-C≡C-H ・・・式c23
HO-(A3O)k -CR15R16-C≡C-H ・・・式c24
【0032】
ただし、式c21〜式c24中のA1 、A2 およびA3 は、それぞれ独立に、アルキレン基を示し、iおよびjはそれぞれ0以上の整数を示し(i+j)は1以上の整数である。kは1以上の整数を示す。i、jまたはkがそれぞれ2以上である場合には、A1 、A2 およびA3 は、それぞれ1種のアルキレン基のみからなっていても、2種以上のアルキレン基からなっていてもよい。
11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示す。アルキル基は炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、特に炭素数6〜12のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびイソブチル基などが挙げられる。
また、オキシアルキレン部分としては、オキシエチレン部分、オキシプロピレン部分またはオキシエチレン部分とオキシプロピレン部分の両方からなるのが好ましい。また、界面活性剤(c2 )中のオキシアルキレン基の個数は、1〜50が好ましい。
【0033】
さらに、界面活性剤(c2 )としては、下式c25で表される化合物からなるノニオン性界面活性剤が好ましい。ただし、式c25のxおよびzはそれぞれ0以上の整数を示す。ノニオン性界面活性剤(式c25)は1種でも2種以上を併用してもよい。
【0034】
【化3】
Figure 0004608783
【0035】
ノニオン性界面活性剤(式c25)としては、xとzとの和の平均が10であるノニオン性界面活性剤、xが0でありかつzが0であるノニオン性界面活性剤、またはxとzとの和の平均が1.3であるノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0036】
界面活性剤(c3 )は、オキシエチレンが2個以上連続して連なったポリオキシエチレン部分と、炭素数3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なった部分とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。界面活性剤(c3 )における炭素数3以上のオキシアルキレンとしては、オキシテトラメチレンおよび/またはオキシプロピレンが好ましい。
【0037】
界面活性剤(c3 )としては、下式c31または下式c32で表される化合物が好ましい。なお式c31および式c32中のaは0〜200の整数、bは2〜100の整数、cは0〜200の整数を示し、aが0である場合にはcは2以上の整数、cが0である場合にはaは2以上の整数である。また、式c31中の−C3 6 O−部分は、−CH(CH3 )CH2 −であっても、−CH2 CH(CH3 )−であっても、−CH(CH3 )CH2 −と−CH2 CH(CH3 )−とが混在していてもよい。また、下式c31または下式c32中のポリオキシアルキレン部分は、ブロック状に連結している。
HO-(CH2CH2O)a -(C3H6O)b -(CH2CH2O)c H ・・・式c31
HO-(CH2CH2O)a -(CH2CH2CH2CH2O)b -(CH2CH2O)c H ・・・式c32
【0038】
界面活性剤(c3 )の具体例としては、下記の化合物が好ましい。
HO-(CH2CH2O)15-(C3H6O)35-(CH2CH2O)15H 、
HO-(CH2CH2O)8-(C3H6O)35-(CH2CH2O)8H 、
HO-(CH2CH2O)45-(C3H6O)17-(CH2CH2O)45H 、
HO-(CH2CH2O)34-(CH2CH2CH2CH2O)28-(CH2CH2O)34H 。
【0039】
界面活性剤(c4 )は、分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤であり、下式c41で表される化合物からなるノニオン性界面活性剤が好ましい。
(R17)(R18)(R19)N(→O) ・・・式c41
式c41中のR17、R18およびR19は、それぞれ独立に1価の炭化水素基を示す。分子中にアミンオキシド部分(N→O)を有する界面活性剤は、カチオン性界面活性剤に分類されることもあるが、本発明においては、ノニオン性界面活性剤として扱う。該界面活性剤は、1種でも2種以上を併用してもよい。界面活性剤(c4 )としては、特に下式c42で表されるノニオン性界面活性剤が、重合体Aの分散安定性を向上させることから好ましい。
(R20)(CH3 2 N(→O) ・・・式c42
式c42中のR20は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアルケニル基、アルキル基(炭素数6〜22)が結合したフェニル基、またはアルケニル基(炭素数6〜22)が結合したフェニル基を示し、炭素数8〜22のアルキル基、または炭素数8〜22のアルケニル基が好ましい。
【0040】
ノニオン性界面活性剤(式c42)の具体例としては、下記の化合物が好ましい。
[H(CH2 12](CH3 2 N(→O)、
[H(CH2 14](CH3 2 N(→O)、
[H(CH2 16](CH3 2 N(→O)、
[H(CH2 18](CH3 2 N(→O)。
【0041】
界面活性剤(c5 )は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物、またはポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオン性界面活性剤である。界面活性剤(c5 )における置換フェニル基としては、1価の炭化水素基で置換されたフェニル基が好ましく、特にアルキル基、アルケニル基またはスチリル基で置換されたフェニル基が好ましい。
【0042】
界面活性剤(c5 )としては、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフェニル)エーテル、またはポリオキシエチレンモノ[(アルキル)(スチリル)フェニル]エーテルが好ましい。
【0043】
ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物、またはポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテルのホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オクチルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オレイルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(ノニル)(スチリル)フェニル]エーテル、またはポリオキシエチレンモノ[(オレイル)(スチリル)フェニル]エーテル等が挙げられる。
【0044】
界面活性剤(c6 )はポリオールの脂肪酸エステルからなるノニオン性界面活性剤である。界面活性剤(c6 )における、ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、デカグリセリン、ポリエチレングリコールと(ポリエチレングリコール以外の)ポリオールとのエーテル等が挙げられる。
【0045】
界面活性剤(c6 )としては、オクタデカン酸とポリエチレングリコールとの1:1(モル比)エステル、ソルビットとポリエチレングリコールとのエーテルと、オレイン酸とのl:4(モル比)エステル、ポリオキシエチレングリコールとソルビタンとのエーテルと、オクタデカン酸との1:1(モル比)エステル、ポリエチレングリコールとソルビタンとのエーテルと、オレイン酸との1:1(モル比)エステル、ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル比)エステル、オレイン酸とデカグリセリンとの(1または2):1(モル比)エステル、オクタデカン酸とデカグリセリンとの(1または2):1(モル比)エステルが挙げられる。
【0046】
界面活性剤(c)がカチオン性界面活性剤を含む場合には、置換アンモニウム塩からなるカチオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。置換アンモニウム塩からなるカチオン性界面活性剤は、アンモニウム塩の窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキル基、アルケニル基、または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン基に置換された化合物からなるカチオン性界面活性剤が好ましく、特に下式c51で表される化合物が好ましい。
【0047】
[(R214 + ]・Y- ・・・式c51
ただし、式c51中の記号は以下の意味を示す。
21:4つのR21はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜26のアルキル基、炭素数2〜26のアルケニル基、または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン基である。ただし、4つのR21は同時に水素原子にはならない。
- :対イオン。
21がアルキル基である場合には、炭素数6〜26の長鎖アルキル基が好ましい。R21が長鎖アルキル基以外のアルキル基である場合には、メチル基またはエチル基が好ましい。R21がアルケニル基である場合には、炭素数6〜26の長鎖アルケニル基が好ましい。また、R21がポリオキシアルキレン基である場合には、ポリオキシエチレン基が好ましい。Y- としては、塩素イオン、エチル硫酸イオンまたは酢酸イオンが好ましい。
【0048】
化合物(式c51)としては、モノ(長鎖アルキル)アミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン酢酸塩、モノ(長鎖アルケニル)ジメチルアミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン・エチル硫酸塩、モノ(長鎖アルキル)トリメチルアンモニウムクロリド、ジ(長鎖アルキル)モノメチルアミン塩酸塩、ジ(長鎖アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、モノ(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロリド、ジ(長鎖アルキル)モノメチルモノ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロリド等が好ましく挙げられる。
【0049】
さらに、化合物(式c51)としては、モノオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、モノオクタデシルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリエチレングリコール)アンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、またはジメチルモノココナッツアミン酢酸塩等が好ましい。
【0050】
カチオン性界面活性剤としては、アミン塩、4級アンモニウム塩、オキシエチレン付加型アンモニウム塩等も挙げられ、具体的には、アルキルジメチルアミン塩酸塩、ジアルキルメチルアミン塩酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、モノアルキルアミン酢酸塩、アルキルメチルジポリオキシエチレンアンモニウムクロリド等が挙げられる。アルキル部位としては、炭素数4〜26の飽和脂肪族基であって、直鎖または分岐鎖が挙げられ、具体的には、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基、2級アルキル基等が挙げられる。
【0051】
界面活性剤(c)が、両性界面活性剤を含む場合には、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類、または酢酸ベタイン等からなる両性界面活性剤が好ましい。両性界面活性剤の具体例としては、ドデシルベタイン、オクタデシルベタイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0052】
界面活性剤(c)の量は、重合体Aに対して、1〜12質量%が好ましく、特に3〜10質量%が好ましい。界面活性剤(c)の量が少なすぎるとエマルションの安定性が低下するおそれがあり、多すぎると水系分散液の撥水撥油性の湿摩擦耐久性が低下するおそれがある。ただし、原料中の単量体が自己乳化性のある重合性単量体を含む場合には、界面活性剤(c)の量を減らしてもよい。
【0053】
界面活性剤(c)として、カチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤を使用する場合には、ノニオン性界面活性剤と併用することが好ましく、カチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤の量は、重合体Aに対して1質量%以下が好ましい。多すぎると併用する染色助剤との併用性を損なうことがあるからである。
【0054】
本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物に用いる水系媒体は、水および水に溶解可能な有機溶媒である。
水系媒体中の有機溶媒としては、水100gに対する溶解度が10g以上であれば特に限定されないが、例えばアセトン、イソプロピルアルコール、飽和多価アルコール、飽和多価アルコールの(モノまたはポリ)アルキルエーテル、および飽和多価アルコールのアルキレンオキシド付加物から選ばれる1種以上が好ましい。
【0055】
飽和多価アルコールとしては、2〜4個の水酸基を有する化合物が好ましく、特にエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、またはトリメチロールプロパンが好ましい。
飽和多価アルコールの(モノまたはポリ)アルキルエーテルとしては、ジオールのモノアルキルエーテルまたはジオールのジアルキルエーテルが好ましく、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましく、とりわけ、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
飽和多価アルコールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの反応物としては、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、オキシプロピレン基が5個以上連なったポリプロピレングリコールが好ましい。
【0056】
これらの中でも、水系媒体中の有機溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、およびポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上の有機溶媒が好ましい。
【0057】
水系媒体中の有機溶媒の量は、重合体Aに対して2〜50質量%が好ましく、特に10〜40質量%が好ましい。有機溶媒の量が少なすぎるとエマルションの安定性の改善効果が認められない場合があり、有機溶媒の量が多すぎると洗濯耐久性を低下させるおそれがある。また、水系媒体の量は重合体Aに対して1〜5倍量が好ましい。
【0058】
重合体Aは、上記水系媒体中で、界面活性剤(c)の存在下に、単量体(a1 )と単量体(a2 )を公知の方法、例えば乳化重合法または分散重合法により重合し、重合体Aを含むエマルションを生成するのが好ましい。乳化重合法または分散重合法により重合させる場合、界面活性剤および水系媒体の存在下に、重合開始剤、連鎖移動剤を加えて重合させる方法が例示できる。
【0059】
重合開始剤は、水溶性または油溶性の重合開始剤が好ましく、アゾ系、過酸化物系、レドックス系等の汎用の開始剤が重合温度に応じて使用できる。重合開始剤は水溶性であるのが好ましく、特にアゾ系化合物の塩が好ましい。重合温度は特に限定されないが、20〜150℃が好ましい。
また、単量体の重合反応においては、分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を含ませてもよい。連鎖移動剤としては芳香族系化合物またはメルカプタン類が好ましく、アルキルメルカプタンが特に好ましい。連鎖移動剤の具体例としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、またはα−メチルスチレンダイマ(CH2 =CPhCH2 C(CH3 2 Ph[ただしPhはフェニル基である])が好ましく挙げられる。
【0060】
乳化重合または分散重合を開始する前段階として、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機等であらかじめ前分散させてもよい。重合開始前に混合物をよく撹拌することで、最終的に得られる重合体の収率を向上させることができる。
【0061】
重合体Aは、水系媒体中で粒子として存在するのが好ましい。平均粒子径は10〜1000nmが好ましく、特に10〜300nmが好ましく、とりわけ10〜200nmが好ましい。平均粒子径が10nm未満では、安定な分散液を得るために多量の界面活性剤が必要となり、界面活性剤を多量に含むことにより撥水撥油性が低下し、さらには染色された布帛類に処理した場合に色落ちが発生する問題がある。平均粒子径が1000nm超では水系媒体中で粒子が沈降する。
平均粒子径は、動的光散乱装置、電子顕微鏡等により測定できる。後述する通常の乳化重合の方法で、界面活性剤の存在下に重合を実施した場合、平均粒子径は上記の範囲に含まれる。
【0062】
次に、本発明の重合体Bについて説明する。
本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物は、重合体Aとともに、側鎖にアミノ基またはアンモニウム基を有するポリアミン共重合体である重合体Bを含むことを特徴としている。本発明の重合体Bとしては、側鎖にアミノ基またはアンモニウム基のいずれか1種を有する単量体、またはこれらの基の両方を有する単量体、から選ばれる1種以上の重合単位を含むポリアミン共重合体であれば特に限定されない。中でも、側鎖にアミノ基またはアンモニウム基のいずれか1種を有する重合単位を1種以上含むことが好ましく、特に、前記式1〜8で示される重合単位のいずれか1種以上を含むことが好ましい。
【0063】
重合体Bの数平均分子量は、5000〜50000が好ましく、特に10000〜30000が好ましい。この範囲であれば、重合体Aとの反応性が制御され、エマルションの機械的安定性が確保できるとともに、被処理物との接着性向上効果が得られる。また、撥水撥油性のバランスも高い。数平均分子量が5000未満では、エマルションの機械的安定性の改善効果が乏しく、撥油性も低下する。また、数平均分子量が50000超では撥水性が低下するおそれがある。ただし、本発明の重合体Aは、重合体(a2 )がカルボキシル基を含まないので、重合体Bを使用しても、組成物中における反応性は低く、エマルションの安定性は損われにくい。
【0064】
上式1〜8において、X- が表すアニオン残基としては、例えば、塩素イオン、酢酸イオン、蟻酸イオン、リンゴ酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、塩素イオン、酢酸イオンが好ましい。
【0065】
本発明の重合体Bとしては、式1または式5で表される重合単位の1種または2種を組み合せたポリアリルアミンや、式3または式7で表される重合単位の1種または2種と、式4または式8で表される重合単位の1種または2種とを組み合せた共重合体が好ましく挙げられる。
該組合せでは、希釈安定性および機械的安定性が向上し、性能改善の点で優れる。前者の場合は、さらに撥水撥油加工後の被処理物の表面の接着性も改善でき、コーティング樹脂の剥離防止効果も付与できる。後者の場合は、特に低濃度における撥水撥油性に優れる。
【0066】
また、重合体Bは、無機酸または有機酸によってアンモニウム塩化されていることが好ましく、中でも塩酸または酢酸によってアンモニウム塩化されていることが好ましい。
重合体Bは、1種単独でも2種以上を混合して用いることもできる。組成物中の重合体Bの配合量は、重合体Aの組成にも依存するが、通常は重合体Aに対して、0.1〜3. 0質量%が好ましく、特に0.5〜2.0質量%が好ましい。この範囲であれば、被処理物への接着性向上効果と、エマルションの機械的安定性とが両立できる。また、少量で撥水撥油性が発現するので経済的である。一方、重合体Aに対する重合体Bの量が0.1質量%未満では、安定性や性能改善効果が期待できず、3.0質量%超では、撥水性を低下させやすい。
【0067】
本発明のフッ素系共重合体組成物には、その他の添加剤を含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、架橋剤、他の重合体エクステンダー、他の撥水剤、他の撥油剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安定剤、防シワ剤、ステインブロッカー等が挙げられる。
架橋剤としては、例えばブロックドイソシアネート化合物、メラミン樹脂化合物、グリオキサール系樹脂化合物、尿素系樹脂化合物、架橋性単量体(N−メチロールアクリルアミド、2−イソシアネートエチルメタクリレート等のブロック化体等)を必須重合単位とする重合体等が挙げられ、ブロックドイソシアネート化合物またはメラミン樹脂化合物が好ましい。
本発明において、フッ素系共重合体組成物中の固形分濃度は、10〜40質量%が好ましく、特に15〜30質量%が好ましい。
【0068】
本発明のフッ素系共重合体組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば乳化重合法により得られた重合体Aを含むエマルションに、予め重合体Bおよび他の添加剤を混合したものを均一に分散させた一液型組成物としてもよく、重合体Bを使用時に混合する二液型組成物とすることもできる。また、重合体Aを乳化重合させる際に重合体Bを添加してエマルションを生成させてもよい。
【0069】
このようにして得られる本発明のフッ素系共重合体組成物は、少量で撥水撥油性を発現し、かつそのバランスが高く、また被処理物への接着性が優れるため、繊維、繊維織物または紙へのコーティング用前処理に好適に用いられる。さらに、エマルションの機械的安定性が高いので、安定した生産が見込まれ効率的である。
本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物は、目的や用途等に応じて任意の濃度に希釈し、被処理物に適用できる。被処理物への適用方法も、被処理物の種類や組成物の調製形態等に応じて任意の方法が採用されうる。例えば、浸漬塗布等の被覆加工方法により被処理物の表面に付着させ乾燥する方法が採用される。また、必要ならば適当な架橋剤とともに適用し、キュアリングを行ってもよい。
【0070】
本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物を用いて処理される被処理物は、特に限定されず、繊維、繊維織物または紙の他にも、木、皮革、毛皮、石綿、ガラス、レンガ、セメント、金属およびその酸化物、窯業製品、プラスチック等が挙げられる。
これらの中でも繊維織物が好ましく、繊維織物としては、綿、麻、羊毛、絹等の動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、またはこれらの混合繊維の織物が挙げられる。
【0071】
また、本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物は、上記被処理物のボンディング用前処理またはラミネート用前処理に好適に用いられる。本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物を使用することにより、ボンディングまたはラミネートする際に使用する接着剤の被処理物への浸透、裏抜けを効果的に防止できる。
したがって、本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物は、特に、繊維、繊維織物または紙への処理に用いるコーティング用前処理剤、ボンディング用前処理剤またはラミネート用前処理剤として好適である。
【0072】
【実施例】
<重合体Aの重合例1>
1Lのガラス製ビーカに、ペルフルオロアルキルエチルアクリレート[F(CF2 n CH2 CH2 OCOCH=CH2 で示され、nが6〜16の混合物でありnの平均値は9である化合物。以下FAと記す。](純度93.6質量%)201.3g、ジオクチルマレート(DOM)17.5g、N−メチロールアクリルアミド(NMAA)6.7g、n−ドデシルメルカプタン(DoSH)0.8g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数30)(日本油脂(株) 社製、商品名「ノニオンE230」)9.7g、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体(日本油脂(株) 製、商品名「プロノン204」)2.7g、ジポリオキシエチレン2, 4, 7, 9−テトラメチル−5−デシン−4, 7−ジエーテル(Air Products and Chemical Inc.製、商品名「サーフィノール485」)2.2g、ジプロピレングリコール(DPG)107. 6g、イオン交換水390. 3gを投入した。
続いてこの混合物を水浴中で50℃に加熱し、ホモミキサー(特殊機化(株) 製、「TKホモミクサーMK2」)を用いて混合した。次にこの混合液を50℃に保ったまま高圧乳化器(APVゴーリン社製「LAB60- 10TBS」)を用い、40MPaの条件で乳化した。この乳化液の646.2gを1Lのオートクレーブに移液し、酢酸1.9gと2,2' −アゾビス[ 2−( 2−イミダゾリン−2イル) プロパン]2.5gを加えた後に窒素で内部を置換した。次に、塩化ビニル49.4gを圧入し、撹拌しながら温度を55℃に上げて10時間重合反応を行い、乳白色エマルションを得た。この溶液をアドバンテック社製C−63ろ紙を用いて加圧ろ過した。
ろ過後のエマルションを120℃、4時間の条件で乾燥して求めた固形分濃度は34.2質量%であった。また、動的光散乱粒子径測定装置(大塚電子製、「ELS−800」)で測定した重合体の平均粒子径は120nmであった。エマルションの固形分濃度が20質量%となるようにイオン交換水で希釈したものを原液Aとした。
【0073】
<重合体Aの重合例2>
1Lのガラス製ビーカに、FAの201.3g、DOMの16.7g、NMAAの6.2g、アクリル酸の4.0g、DoSHの0.8g、重合例1で用いたポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ジポリオキシエチレン−2, 4, 7, 9−テトラメチル−5−デシン−4, 7−ジエーテルおよびDPGをそれぞれ重合例1と同量、加えてイオン交換水390. 1gを投入した。
続いてこの混合物を重合例1と同様にして乳化し、得られた乳化液の648.5gを1Lのオートクレーブに移液し、酢酸1.9gと2,2' −アゾビス[ 2−( 2−イミダゾリン−2イル) プロパン] 2.5gを加えた後に窒素で内部を置換した。次に、塩化ビニル47.1gを圧入し、撹拌しながら温度を55℃に上げて10時間重合反応を行い、白色エマルションを得た。この溶液をアドバンテック社製C−63ろ紙を用いて加圧ろ過した。
ろ過後のエマルションの固形分濃度は33.1質量%であった。また、重合体の平均粒子径は145nmであった。エマルションの固形分濃度が20質量%となるようにイオン交換水で希釈したものを原液Bとした。
【0074】
[例1〜9]
原液A、原液Bを用いて、表1に示す評価用組成物を調製した。なお、表1における重合体Bとは、下記のものを表す。
*PAA−HCL:ポリアリルアミン塩酸塩(日東紡績(株) 製)
*PVAD:ポリ環状アミジン(三菱化学(株) 製)
*NK−100PM:アクリルグラフトポリエチレンイミン塩酸塩(日本触媒(株) 製)
【0075】
【表1】
Figure 0004608783
【0076】
評価用組成物を水道水を用いて1質量%または2質量%となるように調製したものを処理液とした。
未染色の綿(100%) ブロード布を試験布として用い、処理液に試験布を浸漬し、2本のゴムローラーの間で布を絞ってウェットピックアップを70質量%とした。次いで110℃で60秒間乾燥し、さらに170℃で90秒間熱処理して試験布を作製した。
得られた試験布について、下記の方法で撥水性、撥油性を評価し、結果を表5に示した。
【0077】
[撥水性の評価]
JIS L1092(1992)のスプレー試験に従って行い、表2に示す撥水性ナンバーで表した。また、それぞれの中間の撥水性ナンバーを示すものについては+、−の符号をつけて表現した。
【0078】
【表2】
Figure 0004608783
【0079】
[撥油性の評価]
AATCC−Test Method118−1997に従って行い、表3に示す撥油性ナンバーで表した。また、それぞれの中間の撥油性ナンバーを示すものについては+、−の符号をつけて表現した。
【0080】
【表3】
Figure 0004608783
【0081】
さらに下記の方法で撥水撥油加工浴の安定性を評価し、結果を表5に示した。
[安定性の評価]
評価用組成物を、容積が300mLのポリエチレン製カップに10g取り、水道水を227.5g加えて希釈した。次に、アニオン性物質として0.5質量%に希釈したナイロン用染料フィックス剤(明成化学工業(株) 製、「ディマフィックスES」)を12.5g加えて評価溶液を作製した。
得られた評価溶液の温度を水浴で25℃にし、ホモミキサー(特殊機化製、「TKホモミクサーMK2」)を用いて2500rpm、5分間撹拌した。この溶液を黒色のポリエステルドスキン布を用いてろ過を行い、布上に残った残さの量を目視で表4に示す5段階で評価した。5級は残さのない状態を示し、これがもっとも安定性が良好な状態を示す。以下、1級まで順に残さ量が多くなることを示し、1級は最も安定性の悪い状態を示している。
フィックス剤を添加しない評価用組成物のみの希釈液を用いて同じ条件で評価した結果も合わせて表5に示した。
【0082】
【表4】
Figure 0004608783
【0083】
【表5】
Figure 0004608783
【0084】
【発明の効果】
本発明の水分散型フッ素系共重合体組成物は、従来品と比べて少量で優れた撥水撥油性を発現し、かつ被処理物への接着性に優れるので、コーティング用前処理、ボンディング用前処理またはラミネート用前処理に好適に使用できる。また、エマルションの機械的安定性に優れるので、現場加工でも安定した生産が見込まれる。そのため仕上り不良が低減できるので経済的にも有効である。

Claims (4)

  1. 水系媒体、下記重合体Aおよび下記重合体Bを含む水分散型フッ素系共重合体組成物。
    重合体A:ポリフルオロアルキル基と1個の重合性不飽和基とを有する単量体の重合単位、およびポリフルオロアルキル基とカルボキシル基とを有さず1個以上の重合性不飽和基を有する単量体の重合単位を含む共重合体。
    重合体B:側鎖にアミノ基またはアンモニウム基を有するポリアミン共重合体。
  2. 重合体Bが、下式1〜8で示される重合単位のいずれか1種以上を含むポリアミン共重合体である、請求項1に記載の水分散型フッ素系共重合体組成物。
    Figure 0004608783
    式1〜8において、
    nは、それぞれ独立に、1以上の正の整数を表し、
    - は、それぞれ独立に、アニオン残基を表す。
  3. コーティング用前処理、ボンディング用前処理またはラミネート用前処理に用いる、請求項1または2に記載の水分散型フッ素系共重合体組成物。
  4. 繊維、繊維織物または紙への処理に用いる、請求項1、2または3に記載の水分散型フッ素系共重合体組成物。
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