JP4607680B2 - 復水器の真空度制御装置およびその方法、並びに蒸気タービンプラント - Google Patents

復水器の真空度制御装置およびその方法、並びに蒸気タービンプラント Download PDF

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本発明は、復水器内の真空度を制御するようにした復水器の真空度制御装置およびその方法、並びに蒸気タービンプラントに関する。
中小型の蒸気タービンシステムの中には、経済的な理由により復水器の冷却管群に冷却水を供給する冷却水ポンプ(循環水ポンプともいう)に容量調節機能を持たないタイプのものがある。
図4はこの種、中小型蒸気タービンシステムの概略系統図である。
図中、1は高温高圧の蒸気を発生するボイラであり、発生した蒸気を蒸気配管2上に設けた蒸気加減弁3および蒸気止め弁4を介して蒸気タービン5に供給する。蒸気タービン5に供給された蒸気は、膨張仕事をして図示していないタービンロータを回転駆動し、かつ発電機を回すことによって発電する。
蒸気タービン5で膨張仕事をした蒸気は、蒸気タービン5の排風空洞部6を通して復水器7に排気され、この復水器7内で冷却管群8により冷却凝縮されて復水した後、ホットウェル9に貯えられる。復水は復水・給水系10の復水ポンプ11および給水ポンプ12により加圧されてボイラ1へ戻され、再び熱エネルギーを与えられて高温高圧蒸気に変換され、蒸気タービン5へ供給されるように循環する。
前述した冷却管群8は冷却媒体として例えば海水を使用しており、この海水13は冷却水ポンプ(循環水ポンプ)14によって汲み上げられ、海水配管15を通して、冷却管群8に通水するようになっている。
そして、復水器7には器内を低溶存酸素状態での真空度に維持するために、真空排気装置16を設けている。この真空排気装置16は、復水器7の器内と器外とを連通させる真空排気管17と、その真空排気管17の管路中間部に設けた吸引ポンプとしての真空ポンプ18とから構成され、真空ポンプ18を常時運転することによって復水器7内の酸素を含む各種の気体を実線矢印のように吸引して大気放出口17aを通して大気に放出するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、復水器7内で排気蒸気の冷却媒体として使用される海水の温度は、図5で示すように季節に依存して変化する。本発明が対象とするような容量調節機能を持たない冷却水ポンプを採用した蒸気タービンシステムにあっては、海水の温度により排気蒸気を凝縮できる飽和温度、さらにこれに伴う飽和圧力が決定されることから、復水器7内の真空度は図6で示すように海水温度に依存して変化する特性になっている。図6によれば、海水温度の低い冬場の運転の方が海水温度の高い夏場の運転よりも真空度が高くなっていることがわかる。
復水器7の真空度が高くなること、すなわち、器内の真空度が絶対真空に近づく方向に変化すると、図7の蒸気タービンの仕事を表したエンタルピ・エントロピ線図で示すように、タービンの膨張線が長くなり、各タービン段落ではより仕事を行うため、出力をさらに増加させることなる。
しかし、復水器7の真空度の上昇は、図8で示す復水器真空度に対する排気損失の関係から明らかなように、排気蒸気の体積流量が増加し、排気流速が増大して排気損失速度エネルギーΔELが増大し、さらに、排気風洞6での圧力損失も増大することになり、これらの相乗作用によって逆に蒸気タービンとしての出力は低下するという相反する特性を持っている。この特性は設計時に検討されるもので、図9で示す復水器の真空度に対する蒸気タービン効率の関係から明らかなように、復水器7の器内真空度が定格点にあるとき、タービン最高効率となるように設計真空度を定めている。
特開平11−83344号公報
以上述べたように、建設時に経済上の事情等により、冷却水(循環水)ポンプに容量調節機能を持たせることのできない中小型蒸気タービンでは、冷却水として用いる海水の温度が季節により変化することに伴って復水器7の真空度が変化するので、復水器の設計真空度よりも高い状態で運転される場合があり、結果的に蒸気タービンの性能低下を強いられたままの運転を余儀なくされることになる。
なお、上述した特許文献1では真空ポンプの劣化やポンプ運転動力軽減という観点から述べられているが、蒸気タービンの出力向上については、一切触れていない。
そこで本発明は、以上述べた従来技術の課題を解決するためになされたものであり、海水温度の低下により復水器の真空度が上昇するときに、復水器の真空度を設計真空度の近傍に自動的に戻すように運転させ、蒸気タービンの性能を向上させた復水器真空度制御装置および方法、並びに蒸気タービンプラントを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1に係わる復水器の真空度制御装置の発明は、復水器内に真空排気管を連通させ、前記真空排気管に設置されている吸引ポンプにより復水器内の気体を常時吸引して器外に排出し、器内を真空状態に維持する真空排気装置を備えた復水器の真空度制御装置において、前記真空排気管の流路中の前記吸引ポンプよりも上流側の部位から分岐し、他端が外部に連通するように設けられた真空調節管と、前記真空調節管に設けられ常時閉路状態に維持されている真空調節弁と、復水器の器内真空度が予め定めた規定真空度よりも高いとき、前記真空調節弁を開き前記真空排気管内に外部から気体を流入させる真空制御部と、を備え、前記真空制御部は、復水器の器内真空度検出値から求めた復水器飽和温度と、予め定めた規定真空度の下での理論風損値に対応した温度換算値とを加算してタービンの最適最終段温度を求める最適最終段温度算出手段と、蒸気タービンの排気蒸気温度および前記最適最終段温度の偏差分に基づいて前記真空調節弁の弁開度を演算し出力する弁開度演算手段と、復水器の器内真空度信号が予め定めた規定真空度よりも高いとき、前記弁開度演算手段で求めた弁開度信号を前記真空調節弁に出力するゲート手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項に係る復水器真空度制御方法の発明は、器内に真空排気管を連通させ、この真空排気管の流路内に設けた吸引ポンプにより器内の気体を常時吸引して器外に排出し、器内を真空にする真空排気装置と、前記真空排気管の流路中の前記吸引ポンプよりも上流側の部位から分岐し、他端が外部に連通するように設けられた真空調節管と、前記真空調節管に設けられ常時全閉状態に維持されている真空調節弁とを備えた復水器の真空度制御方法において、前記蒸気タービンの排気温度および復水器の真空度を監視し、実測の真空度が規定真空度よりも高いとき、復水器の器内真空度検出値から求めた復水器飽和温度と、予め定めた規定真空度の下での理論風損値に対応した温度換算値とを加算してタービンの最適最終段温度を求め、蒸気タービンの排気蒸気温度および前記最適最終段温度の偏差分に基づいて前記真空調節弁の弁開度を演算し、前記真空調節弁の弁開度を全閉状態から前記演算により求めた弁開度に開放して気体を外部から真空排気管内に流入させ、器内の気体および真空排気管内に注入された気体の両方を前記吸引ポンプで吸引することにより器内の気体の排気量を減少させることを特徴とする。
本発明によれば、復水器の真空度が予定値より高くなった場合、これを検知して外部から真空排気管に気体を流入させ、真空ポンプでこの気体と復水器内の気体とを外部に放出させることにより真空ポンプでの器内気体の吸引量を減少させ、これによって器内の真空度を予定値に戻すようにしたので、蒸気タービンの効率が低下し始める規定真空度以上では運転しないようにすることができ、蒸気タービンの性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図4に示す従来の蒸気タービンシステムと同一部分には同一符号を付し、重複する部分については適宜省略するものとする。
図1は本発明の1実施の形態による蒸気タービンシステムの構成図である。
図1において、本実施の形態による蒸気タービンシステムは、図4で示す従来システムに対して、以下述べる温度検出器19から真空制御部24までの構成要素を付加することによって、復水器に自動真空調整機能を持たせるようにしたものであり、その他の構成要素は従来システムと同じである。
本実施の形態による蒸気タービンシステムは、復水器7内の気体を常時吸引することによって真空度を維持するための真空排気装置16の真空排気管に外部から気体(空気)を注入することができるように構成している。すなわち、真空排気管17の真空ポンプ18と復水器7とを接続する部位から真空調節管21を分岐して設け、当該真空調節管21の末端部に外気吸入口22を設け、中間部に真空調節弁23を設けている。この真空調節弁23は常時全閉して外部から空気が注入されることを防いでおり、復水器7内の真空度が予め定めた規定値よりも高くなった場合(より真空になった場合)後述する真空制御部24から与えられる弁開度指令に応じて弁開度を制御され、外部から真空排気管17内に空気を注入する。
一方、蒸気タービン5の低圧ケーシングに温度検出器(図中TEと表記)19を取り付けてその最終段の排気蒸気温度検出値T1を検出するようにし、また、復水器7に真空度検出器(図中PXと表記)20を取り付けて器内の真空度Pを検出するようにしている。そして、温度検出器19によって検出された最終段排気蒸気温度検出値T1および真空度検出器20によって検出された真空度検出値Pを真空制御部24に導入する。
この真空制御部24は、後述するように最終段排気蒸気温度検出値T1および真空度検出値Pから真空調節弁23の弁開度を求め、復水器7の実測真空度が予め定めている規定真空度よりも高い場合、この演算により求めた弁開度信号に基づいて真空調節弁23の弁開度を全閉状態から弁開状態にすることにより真空排気管17内に外部から空気を注入させ、真空ポンプにより外部から注入された空気と、復水器7内の気体とを吸引して外部に放出させ、復水器の真空度を自動的に規定値に調整する機能を持たせるようにしたものである。
図2は、前述した真空制御部24の内部構成の一例を示す制御ブロック図である。
図2において、温度検出器(TE)19で検出された蒸気タービン5の低圧ケーシング最終段排気蒸気温度検出値T1は、弁開度演算手段としてのPID演算器25に制御対象のPV値(PROSESS VALUE)として入力される。
一方、真空度検出器(PX)20で検出された復水器7の真空度検出値Pは演算器(図中、f(x)と表記)26に入力される。この真空度検出器20は次の演算式(1)に基づいて復水器7の飽和圧力信号に対応した温度値STを演算し出力する。
ST=f(x)×P…(1)
27は規定真空度の下での論理風損値を温度に換算した値T2を出力する信号発生器(図中、SG1と表記)である。
そして、加算器28により前述した飽和圧力信号に対応した温度値STと、信号発生器27から出力される規定真空度の下での論理風損値に対応した温度換算値T2とを(2)式の如く加算することによって最適最終段計算温度T3を得る。
T3=T2+ST…(2)
なお、演算器26、信号発生器27および加算部28からなる破線で囲まれた要素を便宜上、蒸気タービンの最適最終段温度算出手段29と称する。
この最適最終段計算温度T3は制御設定値(SV値(SET VALUE))として前述した弁開度演算手段としてのPID演算器25に入力される。PID演算器25では、前記温度検出器19で検出された低圧ケーシング最終段排気蒸気温度検出値T1と、前記最適最終段計算温度T3との偏差分をPID演算し、偏差分に比例した信号S1を真空調節弁23の弁開度信号として後述するゲート回路30の信号入力端子に入力する。
31は前記真空度検出器(PX)20で検出された復水器7の真空度が予め定めた規定真空度を超えてさらに高まったか否かを判定する真空度判定手段であり、具体的には復水器7の真空度が設計真空度(例えば、722mmHg)を超え更に規定真空度(絶対真空度に近づく方向に設定した高い真空度で、例えば、735mmHg)を超えたときに、前記ゲート回路30のゲートを開くための開ゲート信号(Set信号)を出力する。また、この真空度判定手段31は、夏場などのように海水温度が高く、復水器7の真空度が設計真空度以下の場合、その低真空度領域で弁開度信号S1が出力されないように、信号発生器(図中、SG2と表記)32にReset信号を出力し、この信号発生器32からゲート回路30に閉ゲート信号S2を与える。
前述したゲート回路30は、一例としてフリップフロップ回路により構成されており、そのセット端子に真空度判定手段31から出力された開ゲート信号(Set信号)を入力し、また、リセット端子Rに信号発生器32から閉ゲート信号S2を入力するようになっている。そしてこのゲート回路30の出力信号S3は、ゲイン調整器33で適切なゲインとなるように調整されて真空調節弁23の図示しない弁駆動部に与えられる。
次に、本発明装置の作用について、図1乃至図3を参照して説明する。
まず図1において、蒸気タービンプラントの運転中は、ボイラ1で発生した蒸気は蒸気配管2上の蒸気加減弁3および蒸気止め弁4を介して蒸気タービン5に供給され、蒸気タービン5で膨張仕事をした後、排風空洞部6を通して復水器7に排気され、ここで冷却管群8により冷却凝縮されて復水した後、ホットウェル9に貯えられる。そして、復水は復水・給水系10に設けられた復水ポンプ11および給水ポンプ12により加圧されてボイラ1へ戻され、再びエネルギーを与えられて高温高圧蒸気に変換され、蒸気タービン5へ供給されるよう循環する。
ところで、真空排気管17の管路中の真空ポンプ18は、常時運転されて復水器7中の酸素を含む各種の気体を実線矢印のように吸引して大気中に放出することにより、復水器7には器内を低溶存酸素の真空度を維持するように運転されている。
蒸気タービンプラントを冬場等海水温度が予め想定した温度よりも低下した状態で運転しているとき、復水器7の真空度が設計真空度よりも高い規定真空度を超える場合がある。このような状態で蒸気タービンプラントの運転を継続すると、前述した図8の復水器真空度に対する排気損失の関係を示すグラフから明らかなように、排気蒸気の体積流量が増加して排気流速が増大し、排気損失速度エネルギーΔELが増大し、また、排気風洞6での圧力損失も増大し、これらの相乗作用によって出力が低下することになるので、本発明では、真空制御部24を動作させて外部から空気を真空排気管17内に注入することにより、復水器7内から吸引する気体の量を減らして真空度を低下させ、設計真空度近傍で運転できるように動作する。
すなわち、本発明の蒸気タービンシステムは、蒸気タービンの最適最終段温度算出手段29において、常時、真空度検出器20の検出値Pを演算器26に入力して、そのときの飽和圧力信号(真空度)に対応する温度値STを求め、この温度値STに論理風損値の温度換算値T2を加算して最適最終計算温度T3を求め、この最適最終計算温度値T3をPID演算器25にセット値(SV)として入力しておく。
一方、このときの低圧蒸気タービン5の温度値T1をプロセス値(PV)としてPID演算器25に入力しておく。この結果、PID演算器25はSV値(T3)とPV値(T1)との偏差に基づいてPID演算し、その出力S1をゲート回路30に常時入力するようにしている。
真空度判定手段31は、真空度検出器20の検出値Pが真空度判定手段31で予め定めた規定真空度(735mmHg)以下であれば、閉ゲート信号(Reset信号)を信号発生器32に送り、信号発生器32からゲート回路30のリセット端子にS2信号を入力し、ゲート回路30を閉ゲートの状態に維持しているので、真空調節弁23が開かれることはなく、外部から真空排気管17に空気が注入することはない。
しかし、復水器7に通水する海水温度が予め定めた温度よりも低下した場合、復水器7の真空度が高くなり、真空度検出器20から検出される値Pが規定真空度(735mmHg)を超えた状態になると、真空度判定手段31はゲート回路30のセット端子に開ゲート信号(Set信号)を入力するので、ゲート回路30は一転してゲートを開き、SV値T3とPV値T1との偏差分S1に応じた弁開度信号S3を出力し、ゲイン調整器33を経て真空調節弁23の図示しない駆動部に与えて真空調節弁23を開く。
図3は、復水器7の真空度に対する真空調節弁23の開度の関係を示す図である。
この図からわかるように、復水器7の真空度が規定真空度以下では真空調節弁23が開くことはないが、規定真空度を超えると、ランプ関数的に開度が大きくなる。
真空ポンプ18は常時運転して復水器7内の気体を実線矢印のように吸引しているので、真空調節弁23が開くことによって外気吸気口22から真空調節管21に注入された空気は、復水器7内の気体と一緒に破線矢印のように真空排気管17内流れ、真空ポンプ18によって外部に放出される。真空ポンプ18の吸引量はほぼ一定であり、しかも器外から注入された破線矢印で示す空気と、復水器7内の蒸気から発生した実線矢印で示す気体とを同時に吸引するので、器外から注入された空気の分だけ復水器7内から吸引する気体の吸引量が減る。
復水器7内から吸引する気体の吸引量が減ることによって、復水器7の器内圧は蒸気から出てくる不凝縮ガス(Oを含まない)によって徐々に上がる、すなわち真空度は徐々に低下する。
そして、復水器7内の真空度が設計真空度(722mmHg)まで回復すると、真空度判定手段31によって閉ゲート信号(Reset信号)が出力され、信号発信器32を通してゲート回路30のリセット端子にS2信号が入力され、真空調節弁23は全閉となる。この結果、真空排気管17内にはこれ以上外部から空気が注入されることはなく、真空度は設計真空度状態に維持される。
なお、真空排気管17に外部から空気を注入して真空ポンプで吸引している最中は、復水器7の器内圧は蒸気から出てくる不凝縮ガスによって徐々に圧力が上がるため、空気が復水器7内に入ることはなく、従って器内の溶存酸素濃度を上昇させることはない。
以上述べたように本実施の形態による復水器の真空度制御装置は、復水器6に取り付けられた真空度検出器20からの信号が、予め定めた規定真空度を超えて絶対真空度の方向に近づくと、最適タービン最終段温度T3と実測温度検出値T1との偏差分に比例した弁開度信号S1を演算して出力し、真空調節弁23を開らかせ、真空排気管17内に外部から空気を注入させる。すると、外部から注入された空気分だけ復水器7からの吸引量が減るので、復水器の器内圧は蒸気から出てくる不凝縮ガスによって徐々に圧力が上がり、復水器の真空度は確実に設計真空度に戻るようになる。
したがって、海水温度の低下する冬場等の蒸気タービンプラントの運転において、復水器真空度が上昇すると、復水器6の真空度を最適設計点である設計真空度に自動的に合わせて運転できることから、蒸気タービンの性能を確実に維持向上させることができる。
なお、以上説明した実施の形態では、復水器の冷却媒体として海水を用いたが、海水以外の河川水や湖水を用いた場合でも同じように季節により水温が変化するので、復水器の冷却媒体としては河川水や湖水を用いた場合にも、本発明を適用することができる。
本発明に係わる蒸気タービンシステムの概略系統図。 図1における真空制御装置の一例を示す制御ブロック図。 図2の真空制御装置の入力−出力の関係を示す図。 従来の蒸気タービンシステムの概略系統図。 年間の海水温度変化を表したグラフ。 復水器の海水温度に対する真空度変化を表したグラフ。 蒸気タービンの仕事を表したエンタルピ・エントロピ線図。 復水器真空度に対する排気損失の関係を表したグラフ。 復水器真空度に対する蒸気タービン効率の関係を表したグラフ。
符号の説明
1…ボイラ、2…蒸気配管、3…蒸気加減弁、4…蒸気止め弁、5…蒸気タービン、6…排気風洞、7…復水器、8…冷却管群、9…復水器ホットウェル、10…復水・給水系、11…復水ポンプ、12…給水ポンプ、13…海水、14…冷却水ポンプ、15…海水配管、16…真空排気装置、17…真空排気管、17a…大気放出部、18…真空ポンプ、19…温度検出器、20…真空度検出器、21…真空調節管、22…外気吸気口、23…真空調節弁、24…真空制御部、25…PID演算器、26…演算器、27…信号発生器(SG1)、28…加算器、29…最適最終段温度算出手段、30…ゲート回路、31…真空度判定手段、32…信号発生器(SG2)、33…ゲイン調整器。

Claims (5)

  1. 復水器内に真空排気管を連通させ、前記真空排気管に設置されている吸引ポンプにより復水器内の気体を常時吸引して器外に排出し、器内を真空状態に維持する真空排気装置を備えた復水器の真空度制御装置において、
    前記真空排気管の流路中の前記吸引ポンプよりも上流側の部位から分岐し、他端が外部に連通するように設けられた真空調節管と、
    前記真空調節管に設けられ常時閉路状態に維持されている真空調節弁と、
    復水器の器内真空度が予め定めた規定真空度よりも高いとき、前記真空調節弁を開き前記真空排気管内に外部から気体を流入させる真空制御部と、を備え、
    前記真空制御部は、
    復水器の器内真空度検出値から求めた復水器飽和温度と、予め定めた規定真空度の下での理論風損値に対応した温度換算値とを加算してタービンの最適最終段温度を求める最適最終段温度算出手段と、
    蒸気タービンの排気蒸気温度および前記最適最終段温度の偏差分に基づいて前記真空調節弁の弁開度を演算し出力する弁開度演算手段と、
    復水器の器内真空度信号が予め定めた規定真空度よりも高いとき、前記弁開度演算手段で求めた弁開度信号を前記真空調節弁に出力するゲート手段と、
    を備えたことを特徴とする復水器の真空度制御装置。
  2. 前記最適最終段温度算出手段は、前記真空度検出器の検出真空度信号に所定の関数を乗じて飽和圧力に対応する温度信号を求める演算器と、規定真空度の下での論値風損値の温度換算値を発生させる信号発生器と、前記演算器の出力と前記信号発生器の出力とを加算する加算器とから構成したことを特徴とする請求項記載の復水器の真空度制御装置。
  3. 前記ゲート手段は、前記弁開度演算手段の演算出力を入力し、前記真空度検出器の検出値が、規定真空度未満のときリセット信号を入力し、前記真空度検出器の検出値が、規定真空度よりも高いときセット信号を入力するフリップフロップ回路で構成したことを特徴とする請求項記載の復水器の真空度制御装置。
  4. 器内に真空排気管を連通させ、この真空排気管の流路内に設けた吸引ポンプにより器内の気体を常時吸引して器外に排出し、器内を真空にする真空排気装置と、前記真空排気管の流路中の前記吸引ポンプよりも上流側の部位から分岐し、他端が外部に連通するように設けられた真空調節管と、前記真空調節管に設けられ常時全閉状態に維持されている真空調節弁とを備えた復水器の真空度制御方法において、前記蒸気タービンの排気温度および復水器の真空度を監視し、実測の真空度が規定真空度よりも高いとき、復水器の器内真空度検出値から求めた復水器飽和温度と、予め定めた規定真空度の下での理論風損値に対応した温度換算値とを加算してタービンの最適最終段温度を求め、蒸気タービンの排気蒸気温度および前記最適最終段温度の偏差分に基づいて前記真空調節弁の弁開度を演算し、前記真空調節弁の弁開度を全閉状態から前記演算により求めた弁開度に開放して気体を外部から真空排気管内に流入させ、器内の気体および真空排気管内に注入された気体の両方を前記吸引ポンプで吸引することにより器内の気体の排気量を減少させることを特徴とする復水器の真空度制御方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の復水器の真空度制御装置を備えたことを特徴とする蒸気タービンプラント。
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