JP4606710B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界効果トランジスタの一種であって、高周波デバイスとして多用されているHEMT(high electron mobility transistor)を更に高速化する為の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ミリ波帯(30〜300〔GHz〕)或いはサブミリ波帯(300〔GHz〕〜3〔THz〕)で良好に動作させることを目的としてHEMTのゲート長微細化に関する研究が盛んに行なわれている。
【0003】
このような極微細HEMTの材料には、InP基板上に形成され、且つ、格子整合したInAlAs/InGaAs系が主流であり、その理由は、電子供給層であるInAlAsとチャネル層となるInGaAsとの伝導帯の不連続が0.53〔eV〕と大きいこと、そして、InGaAs層に於ける室温での電子移動度並びに電子速度が高いことに依る。
【0004】
また、InGaAsからなるチャネル層中のInAs組成を70〔%〕程度にまで高めることで電子速度を増大させ、更に、特性を向上させようとする試みもなされている。
【0005】
ところで、HEMTのゲート長を微細化して、或程度のチャネルアスペクト比(Lg /d:Lg はゲート長、dはゲート電極からチャネル層までの距離)以下になるとゲート電極の制御性が劣化し、閾値電圧が負にシフトしたり、或いは、相互コンダクタンスgm が低下する旨の現象が現れる。これは、ショートチャネル効果と呼ばれ、HEMTの場合、Lg /d<5、で前記現象が現れ始める(非特許文献1を参照。)。
【0006】
従って、ゲート長を微細化する際には、ゲート電極・チャネル間距離も短縮しなければならない。この為、電子供給層をδ−ドーピング構造にするなどの工夫が成されている。また、ゲート電極からソース寄り及びドレイン寄りの領域に於ける電子濃度を或程度高くなるように維持しつつゲート電極・チャネル間距離を短縮する2段階リセス法(例えば、特許文献1、非特許文献2を参照。)が提案されて成果を挙げている。
【0007】
図14は非特許文献2に見られる電界効果トランジスタを表す要部切断側面図であり、1はInP基板、2はi−InAlAsバッファ層、3はi−InGaAsチャネル層、4はi−InAlAsスペーサー層、5はSi−δ−ドーピング層、6はInAlAs基板側バリア層、7はエッチング停止層を兼ねたi−InP表面側バリア層、8はn−InGaAsキャップ層、9はSiO2 パッシベーション膜、10はソース電極、11はドレイン電極、12はゲート電極、13は2次元電子をそれぞれ示している(従来例1)。
【0008】
図14に見られる電界効果トランジスタでは、n−InGaAsキャップ層8をエッチングして1段目リセスを形成し、そして、n−InGaAsキャップ層8の直下に在るi−InP表面側バリア層7をエッチングしてInAlAs基板側バリア層6との界面に達する2段目リセスを形成することでゲート電極12とi−InGaAsチャネル層3との間の距離を短縮している。
【0009】
図15は非特許文献3に見られる電界効果トランジスタを表す要部切断側面図であり、図14に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする(従来例2)。
【0010】
従来例2が従来例1と相違するところは、2段目のリセスを形成する際、InAlAs基板側バリア層6の内部まで掘り込み、ゲート電極12とInGaAsチャネル層3との間の距離を更に短縮したところにあり、遮断周波数562〔GHz〕の超高速HEMTを実現している(例えば、非特許文献3を参照。)。
【0011】
前記したように、2段階リセス法はHEMTを高速化するについて極めて有効な技術であるが、特に有効と思われる従来例2に於いては、InAlAs基板側バリア層6内で2段目のリセス・エッチングを終了させなければならないことから、従来例1に比較し、掘り込み深さ、従って、ゲート電極12・チャネル層3間距離のばらつきが大きい。このばらつきは、HEMTの閾値電圧、相互コンダクタンス、遮断周波数などがばらつく原因となり、集積化した場合、各HEMTを同じ条件で一斉に動作させることができない。
【0012】
従って、リセス・エッチングの精密さのみからすれば、2段目のリセス・エッチングはInP表面側バリア層7とInAlAs基板側バリア層6との界面で終了させることが望ましい。これは、従来例1に対応する技術であるが、この技術では、ゲート電極12・チャネル層3間距離を従来例2並に短縮することは不可能である。
【0013】
この理由は、2段目のリセスでエッチングされるInP表面側バリア層7を厚くしてInAlAs基板側バリア層6を薄くした場合、InPがInAlAsよりも伝導帯の底のエネルギーが低い為、InGaAsチャネル層3のみでなくi−InP表面側バリア層7にも2次元電子が生成され、そして、ゲート電極12とi−InP表面側バリア層7とが接しているので、i−InP表面側バリア層7中の2次元電子がゲート電極12に流れ込んでしまうことに依る。
【0014】
図16はリセスとゲート電極の関係を説明する為のHEMTの概略構造を表す要部切断側面図であり、図14に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。尚、図16(A)に見られるHEMTは従来例1に対応し、図16(B)に見られるHEMTは従来例2に対応する。
【0015】
図17は図16(A)及び図16(B)に於ける線Y1−Y1及び線Y2−Y2に沿って見た要部エネルギー・バンド図である。
【0016】
図16(A)及び図16(B)に見られるHEMTに於いては、InAlAs層6が十分な厚さをもっていることから、InP層7に2次元電子が生成されることはなく、線Y1−Y1方向並びに線Y2−Y2方向について図17に見られるような伝導帯ポテンシャルとフェルミ準位になる。
【0017】
図18はInP層7を厚くした場合のリセスとゲート電極12の関係を説明する為のHEMTの概略構造及び線Y3−Y3に沿って見た要部エネルギー・バンドを表す要部説明図であり、(A)はHEMTの要部切断側面、(B)はエネルギー・バンドをそれぞれ示している。尚、図14乃至図17に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0018】
図18(A)に見られるHEMTでは、InP層7を厚く、且つ、InAlAs層6を薄くし、リセスを両層の界面まで掘り込んでゲート電極12を形成してあり、そして、ゲート電極12のソース寄り(或いはドレイン寄りでも同様)の線Y3−Y3方向について図18(B)に見られるような伝導帯ポテンシャルとフェルミ準位になる。このHEMTに於いては、InP層7とInAlAs層6との界面に於けるInP層7側には2次元電子14が生成され、その2次元電子14はゲート電極12に流れ込むことになる。
【0019】
【特許文献1】
特開平10−209434号公報
【非特許文献1】
Awano et al.,IEEE Trans.ElectronDevices, 36,2260(1989)
【非特許文献2】
Suemitsu et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,37,1365(1998)
【非特許文献3】
Yamashita et al.,IEEE Electron Device Lett.,23,573(2002)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、表面側バリア層を厚くし、表面側バリア層と基板側バリア層との界面にゲート電極を形成し、ゲート電極・チャネル間距離を短縮する構成を採った場合でも、ゲート電極への2次元電子の流れ込みがない構造を実現しようとする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る電界効果トランジスタに於いては、化合物半導体基板上に形成されたバッファ層、チャネル層、スペーサー層、電子供給層、基板側バリア層、表面側バリア層、キャップ層と、キャップ層に形成された1段目リセス、表面側バリア層の内部途中まで形成された2段目リセス、2段目リセスの底から基板側バリア層の表面まで形成された3段目リセスで構成されたゲート電極フット部分受容構造とを備えてなることを特徴とする。
【0022】
前記手段を採ることに依り、表面側バリア層を2次元電子が誘起される程度に厚くし、且つ、基板側バリア層を薄くし、それ等バリア層の界面にゲート電極を形成してゲート電極・チャネル間距離を短縮する構成を採りながら、表面側バリア層に誘起された2次元電子がゲート電極に流れ込むことを有効に防止することを可能にした。
【0023】
また、ゲート電極は、電界効果トランジスタの表面から表面側バリア層と基板側バリア層との界面までエッチングすることで実現されるリセスに形成するものであり、その場合のリセス・エッチングは前記界面で自動的に停止されることは勿論であるから、ゲート電極・チャネル間距離のばらつきは発生せず、優れた均一性をもってHEMTの高速化を達成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に依る電界効果トランジスタに於ける一実施例であるHEMTを表す要部切断側面図であり、図に於いて、21はInP基板、22はi−InAlAsバッファ層、23はi−InGaAsチャネル層、24はi−InAlAsスペーサー層、25はSi−δ−ドーピング層、26はInAlAs基板側バリア層、27はエッチング停止層を兼ねたi−InP表面側バリア層、28はn−InGaAsキャップ層、29はSiO2 パッシベーション膜、30はソース電極、31はドレイン電極、32はゲート電極、32Aはゲート電極のフット部分、33及び34は2次元電子をそれぞれ示している。
【0025】
図1に見られるHEMTに於いては、キャップ28に於けるリセス28Aの形成、及び、ゲート電極32のフット部分32Aを基板側バリア層26にコンタクトさせる為の表面側バリア層27のリセス27Bの形成、これに加え、ゲート電極32に2次元電子34が流れ込むのを防止する為の表面側バリア層27のリセス27Aを形成することが特徴になっている。
【0026】
図2は図1について説明したHEMTに於けるリセスとゲート電極の関係を説明する為のHEMTの概略構造及び線Y5−Y5に沿って見た要部エネルギー・バンドを表す要部説明図であり、(A)はHEMTの要部切断側面、(B)はエネルギー・バンドをそれぞれ示している。尚、図1に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0027】
図1及び図2に示されているように、本発明のHEMTに於いても、InPからなる表面側バリア層27の厚い部分には2次元電子34が誘起されるのであるが、薄い部分では、表面に向かって伝導帯のポテンシャルが十分に持ち上がるので2次元電子は消失し、この部分がゲート電極32への2次元電子の流れ込みを防止する働きをする。
【0028】
図2から明らかなように、表面側から2段目のリセス27Aが含まれる線Y5−Y5方向に於いて、InPからなる表面側バリア層27で最も伝導帯のポテンシャルが低い部分でもフェルミ準位以上のエネルギーにすることができる。従って、表面側から1段目のリセス28Aが含まれる線Y4−Y4方向に於いて、フェルミ準位以下となる表面側バリア層27の厚い部分に生成する2次元電子34がゲート電極32に流れ込むのを防止することができる。尚、線Y4−Y4に沿ったエネルギー・バンド図は図18に見られる線Y3−Y3に沿ったエネルギー・バンド図と同じである。
【0029】
2段目のリセス27Aを形成するエッチングは表面側バリア層27の内部途中で停止させなければならないが、この部分では、2次元電子を消失させれば良いので、その掘り込み深さに関してはゲート電極32を形成する為の三段目のリセスほどには高精度を要しない。
【0030】
図3乃至図13は図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図であり、以下、これ等の図を参照しつつ説明する。尚、図1及び図に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0031】
図3(A)参照
(1) MOCVD(metalorganic chemical vapour deposition)法を適用することに依り、InP基板21上にInAlAsバッファ層22、InGaAsチャネル層23、InAlAsスペーサー層24、Si−δ−ドーピング層25、InAlAs基板側バリア層26、エッチング停止層を兼ねたInP表面側バリア層27、n型ドープInGaAsキャップ層28を成膜する。
【0032】
前記各半導体層の成膜には、MOCVD法に限られることなく、他の成膜法を適用して良いことは勿論であり、また、n型ドーパントとしてはSiを用い、ドーピング濃度は1×1019〔cm-3〕として良い。
【0033】
前記各半導体層に関する主要なデータを挙げると以下の通りである。
バッファ層22の厚さ:300〔nm〕
チャネル層23の厚さ:15〔nm〕
スペーサー層24の厚さ:3〔nm〕
ドーピング層25の不純物濃度:5×1012〔cm-3〕
基板側バリア層26の厚さ:2〔nm〕
表面側バリア層27の厚さ:15〔nm〕
キャップ層28の厚さ:25〔nm〕
【0034】
図3(B)参照
(2) トレンチを形成するなどの手段を用いて素子間アイソレーションを行なってから、蒸着法を適用することに依ってAuGe/Ni/Au膜を成膜し、通常のリソグラフィ技術を適用することに依り、ソース電極30及びドレイン電極31を形成する。尚、ソース電極30及びドレイン電極31は、合金化熱処理され、少なくともチャネル層23に導電接続される。
【0035】
図4(A)及び(B)参照
(3) CVD法を適用することに依り、SiO2 からなるパッシベーション膜29を形成し、次いで、リソグラフィ技術、及び、エッチング・ガスをCF4 ガスとするRIE(reactive ion etching)法を適用することに依り、パッシベーション膜29のエッチングを行なって幅300〔nm〕程度の開口29Aを形成する。
【0036】
図5(A)参照
(4) エッチング液としてクエン酸及び過酸化水素水の混合溶液を用い、パッシベーション膜29をマスクとしてキャップ層28のウエット・エッチングを行なって第1段目リセス28Aを形成する。
【0037】
図5(B)参照
(5) CVD法を適用することに依り、SiO2 からなるパッシベーション膜を形成する。尚、簡明にする為、ここで形成したパッシベーション膜も記号29を付与してある。
【0038】
図6(A)参照
(6) 工程(3)と同様にエッチング・ガスをCF4 ガスとするRIE法を適用することに依り、パッシベーション膜29のエッチングを行なって幅150〔nm〕程度の開口29Bを形成する。
【0039】
図6(B)参照
(7) クエン酸及び過酸化水素水の混合溶液をエッチング液とするウエット・エッチング法を適用することに依り、パッシベーション膜29をマスクとして表面側バリア層27の内部途中まで、例えば10〔nm〕程度の深さまでをウエット・エッチングして第2段目リセス27Aを形成する。尚、クエン酸及び過酸化水素水の混合溶液に対するInPのエッチング速度は遅いので制御は容易である。
【0040】
図7参照
(8) CVD法を適用することに依り、SiO2 からなるパッシベーション膜を形成する。尚、ここでも簡明にする為、該パッシベーション膜に記号29を付与する。
【0041】
図8参照
(9) 所要のゲート長を実現する為の開口及びT型ゲート電極を形成する為の三層レジスト膜40を作製する。
【0042】
図9参照
(10)電子ビーム露光法を適用することに依り、三層レジスト膜40にT型ゲート電極の形状を作製する。
【0043】
図10参照
(11)工程(3)及び(6)と同様にエッチング・ガスをCF4 ガスとするRIE法を適用することに依り、パッシベーション膜29のエッチングを行なって所要ゲート長の開口29Cを形成する。
【0044】
図11参照
(12)塩酸、燐酸、酢酸の混合溶液をエッチング液とするウエット・エッチング法を適用することに依り、工程(7)で内部途中までエッチングした表面側バリア層27の残りの部分をパッシベーション膜29をマスクとして基板側バリア層26の表面までエッチングする。尚、このエッチングは、表面側バリア層27と基板側バリア層26との界面で自動的に停止する。
【0045】
図12及び図13参照
(13)蒸着法を適用することに依ってTi/Pt/Au膜を成膜し、三層レジスト膜40を溶解・除去するリフト・オフ法に依ってT型ゲート電極32を形成して完成する。
【0046】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0047】
(付記1)
化合物半導体基板上に形成されたバッファ層、チャネル層、スペーサー層、電子供給層、基板側バリア層、表面側バリア層、キャップ層と、
キャップ層に形成された1段目リセス、表面側バリア層の内部途中まで形成された2段目リセス、2段目リセスの底から基板側バリア層の表面まで形成された3段目リセスで構成されたゲート電極フット部分受容構造と
を備えてなることを特徴とする電界効果トランジスタ。
【0048】
(付記2)
1段目、2段目、3段目の各リセスの幅が順に漸減されてなること
を特徴とする(付記1)記載の電界効果トランジスタ。
【0049】
(付記3)
電子供給層がδ−ドーピング構造であること
を特徴とする(付記1)或いは(付記2)記載の電界効果トランジスタ。
【0050】
(付記4)
電子供給層が均一ドーピング構造であること
を特徴とする(付記1)或いは(付記2)記載の電界効果トランジスタ。
【0051】
(付記5)
表面側バリア層に於ける伝導帯の底のエネルギーが基板側バリア層に於ける伝導帯の底のエネルギーに比較して低いこと
を特徴とする(付記1)乃至(付記4)に於ける何れか1記載の電界効果トランジスタ。
【0052】
(付記6)
表面側バリア層の厚さが基板側バリア層の厚さに比較して十分に厚く、且つ、表面側バリア層に2次元電子が誘起される程度であること
を特徴とする(付記1)乃至(付記5)に於ける何れか1記載の電界効果トランジスタ。
【0053】
【発明の効果】
本発明に依る電界効果トランジスタに於いては、キャップ層に1段目のリセスを形成し、キャップ層の下地である表面側バリア層の内部途中まで2段目リセスを形成し、2段目リセスの底と表面側バリア層の下地である基板側バリア層の表面まで3段目リセスを形成し、それら3段のリセスでゲート電極フット部分を受容する構造になっている為、表面側バリア層を2次元電子が誘起される程度に厚くし、且つ、基板側バリア層を薄くし、基板側バリア層に接するゲート電極とチャネル層間の距離を短縮した構造になっていても、表面側バリア層に生成される2次元電子は2段目リセスの存在でゲート電極に流れ込むことはない。また、表面側バリア層と基板側バリア層との界面で自動的にエッチングが停止されたリセスにゲート電極フット部分が形成されるので、ゲート電極・チャネル間距離のばらつきは殆ど発生せず、従って、集積した各HEMTの高速化を均一に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に依る電界効果トランジスタに於ける一実施例であるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図2】図1について説明したHEMTに於けるリセスとゲート電極の関係を説明する為のHEMTの概略構造及び線Y5−Y5に沿って見た要部エネルギー・バンドを表す要部説明図である。
【図3】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図4】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図5】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図6】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図7】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図8】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図9】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図10】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図11】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図12】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図13】図1について説明したHEMTの製造について説明する為の工程要所に於けるHEMTを表す要部切断側面図である。
【図14】非特許文献2に見られる電界効果トランジスタを表す要部切断側面図である。
【図15】非特許文献3に見られる電界効果トランジスタを表す要部切断側面図である。
【図16】リセスとゲート電極の関係を説明する為のHEMTの概略構造を表す要部切断側面図である。
【図17】図16(A)及び図16(B)に於ける線Y1−Y1及び線Y2−Y2に沿って見た要部エネルギー・バンド図である。
【図18】InP層を厚くした場合のリセスとゲート電極の関係を説明する為のHEMTの概略構造及び線Y3−Y3に沿って見た要部エネルギー・バンドを表す要部説明図である。
【符号の説明】
21 InP基板
22 i−InAlAsバッファ層
23 i−InGaAsチャネル層
24 i−InAlAsスペーサー層
25 Si−δ−ドーピング層
26 InAlAs基板側バリア層
27 エッチング停止層を兼ねたi−InP表面側バリア層
28 n−InGaAsキャップ層
29 SiO2 パッシベーション膜
30 ソース電極
31 ドレイン電極
32 ゲート電極
32A ゲート電極のフット部分
33及び34 2次元電子
Claims (1)
- 化合物半導体基板上に形成されたバッファ層、チャネル層、スペーサー層、電子供給層、基板側バリア層、表面側バリア層、キャップ層と、
キャップ層に形成された1段目リセス、表面側バリア層の内部途中まで形成された2段目リセス、2段目リセスの底から基板側バリア層の表面まで形成された3段目リセスで構成されたゲート電極フット部分受容構造と
を備えた電界効果トランジスタに於いて、
1段目、2段目、3段目の各リセスの幅は順に漸減されてなり、
表面側バリア層に於ける伝導帯の底のエネルギーが基板側バリア層に於ける伝導帯の底のエネルギーに比較して低く、
表面側バリア層の厚さが基板側バリア層の厚さに比較して十分に厚く、且つ、表面側バリア層に2次元電子が誘起される程度であり、
2段目リセスが形成された表面側バリア層の薄い部分では2次元電子が消失していること
を特徴とする電界効果トランジスタ。
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JP2005032980A (ja) | 2005-02-03 |
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