JP4606554B2 - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理チャンバ内にプラズマを生成すると共に、処理チャンバ内に成膜ガスを導入することにより、被処理基板の表面に絶縁膜を形成する成膜方法及び成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
成膜装置の1つである高密度プラズマ(HDP)式CVD装置は、例えば、処理チャンバと、この処理チャンバ内に設置され基板を支持する支持部材と、処理チャンバ内に成膜ガスを導入するガス導入手段と、処理チャンバ内に誘導結合高周波プラズマ(ICP)を発生させるプラズマ発生手段とを備えている。このようなHDP式CVD装置を用いて成膜を行う場合、処理チャンバ内にプラズマを発生させた状態で、処理チャンバ内に成膜ガスを導入することにより、支持部材に支持された基板の表面にSiO2等の絶縁膜を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、MOSトランジスタのゲート酸化膜が10nm以下と薄くなるにつれ、プラズマを用いる半導体製造装置において、チャージアップによるゲート酸化膜の破壊が増えてきている。そのようなゲート酸化膜に生じるプラズマダメージを軽減する方法として、従来は、プラズマのポテンシャルを低減したり、プラズマを均一化したり、あるいはイオン注入装置のようにウェハに注入される電荷量を制御するようにしていた。これらの技術は、エッチング装置やイオン注入装置では非常に有効な方法であるが、上記のHDP式CVD装置等といった基板の表面に絶縁膜を成膜する装置では、そのような対策だけでは不十分であった。
【0004】
本発明の目的は、被処理基板に発生するプラズマダメージを低減することができる成膜方法及び成膜装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、成膜初期時に、基板中央部に形成される絶縁膜の膜厚よりも基板周辺部に形成される絶縁膜の膜厚が大きいと、絶縁膜の表面に帯電したプラズマ中の荷電粒子が基板周辺部から中央部に向かって移動し、基板中央部の電荷密度が高くなり、その部分の電荷が薄い絶縁膜を通ってゲート酸化膜に入り込み、その結果ゲート酸化膜にプラズマダメージが起きやすくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、処理チャンバ内にプラズマを発生させると共に、処理チャンバ内に成膜ガスを導入することによって、処理チャンバ内に収容された被処理基板の表面に絶縁膜を形成する成膜方法であって、成膜を開始してから所定の期間、被処理基板の表面における中心部を含む第1領域に形成される絶縁膜の膜厚が第1領域の外側の第2領域に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、成膜ガスを被処理基板の表面に向けて供給するステップを有し、成膜ガスとして、ケイ素含有ガスと酸化系ガスとを含むガスを使用し、成膜ガスを被処理基板の表面に向けて供給するときに、ケイ素含有ガスを第1領域のみに向けて供給すると共に、酸化系ガスを第1領域及び第2領域に向けて供給し、その後、ケイ素含有ガス及び酸化系ガスの各々を第1領域及び第2領域に向けて供給することを特徴とするものである。
【0007】
このように成膜ガスを処理チャンバ内に導入することにより、成膜初期時には、絶縁膜の表面に帯電したプラズマ中の荷電粒子は被処理基板の中央部から周辺部に向かって移動するようになるため、基板から側方に逃げる荷電粒子が多くなり、絶縁膜に残る電荷が少なくなる。また、多少の荷電粒子が被処理基板にたまっても、荷電粒子は被処理基板の中央部から周辺部に向かうことで分散された状態となるため、その電荷密度は小さい。したがって、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージが低減される。
【0009】
た、成膜ガスとして、ケイ素含有ガスと酸化系ガスとを含むガスを使用することにより、被処理基板の表面に、絶縁膜としてSiO2膜を形成できる。
【0011】
また、好ましくは、成膜ガスとして、更に不活性ガスを含むガスを使用し、不活性ガスを処理チャンバ内に導入してプラズマを生成し、その後、ケイ素含有ガスと酸化系ガスと不活性ガスとの混合ガスを処理チャンバ内に導入する。これにより、成膜ガスを処理チャンバ内に導入する前に、処理チャンバ内の圧力が安定した状態となる。
【0012】
この場合、好ましくは、不活性ガスを処理チャンバ内に導入してプラズマを生成した後、ケイ素含有ガスを処理チャンバ内に導入する前に、酸化系ガスを処理チャンバ内に導入して被処理基板の加熱を行う。これにより、被処理基板の加熱処理が効率よく行える。
【0013】
例えば、ケイ素含有ガスとしてSiH4ガスを使用し、酸化系ガスとしてO2ガスを使用する。
【0014】
さらに、好ましくは、成膜ガスを被処理基板の第1領域に向けて供給するときは、処理チャンバの上部に設けられた第1ノズルから第1領域に向けて成膜ガスを噴射させ、成膜ガスを被処理基板の第2領域に向けて供給するときは、処理チャンバの側部に設けられた複数の第2ノズルから第2領域に向けて成膜ガスを噴射させる。これにより、成膜ガスを被処理基板の第1領域及び第2領域に向けて効率よく供給できる。
【0015】
例えば、被処理基板の表面に形成される絶縁膜の膜厚が1000A以下である期間、第1領域に形成される絶縁膜の膜厚が第2領域に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、成膜ガスを第1領域及び第2領域に向けて供給する。
【0016】
また、好ましくは、成膜を開始してから所定時間経過後、被処理基板を支持する支持部材にバイアス用高周波電力を印加してプラズマを被処理基板に引き込み、成膜終了時には、処理チャンバ内への成膜ガスの導入を継続した状態で、支持部材へのバイアス用高周波電力の印加を停止し、その後で成膜ガスの導入を停止する。処理チャンバ内への成膜ガスの導入を継続している成膜処理中は、被処理基板の表面に形成される絶縁膜の膜厚がほぼ均一になるように成膜ガスの供給流量が設定される。このため、被処理基板の上方のプラズマ密度はほぼ均一であり、その状態でプラズマが被処理基板の表面に均一に引き込まれることになる。従って、処理チャンバ内への成膜ガスの導入を継続した状態で、バイアス用高周波電力の印加を停止しても、被処理基板の表面の電荷バランスが比較的良好な状態に維持される。これにより、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージがより低減される。
【0017】
また、本発明は、処理チャンバ内に収容された被処理基板の表面に絶縁膜を形成する成膜装置であって、処理チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、処理チャンバ内に成膜ガスを導入するガス導入手段と、成膜を開始してから所定の期間、被処理基板の表面における中心部を含む第1領域に形成される絶縁膜の膜厚が第1領域の外側の第2領域に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、ガス導入手段を制御する第1制御手段とを備え、ガス導入手段は、処理チャンバの上部に設けられ、成膜ガスを被処理基板の第1領域に向けて噴射する第1ノズルと、処理チャンバの側部に設けられ、成膜ガスを被処理基板の第2領域に向けて噴射する複数の第2ノズルと、ケイ素含有ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するためのケイ素含有ガス供給系と、酸化系ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するための酸化系ガス供給系とを有し、第1制御手段は、ケイ素含有ガスを第1ノズルのみに向けて供給するようにケイ素含有ガス供給系を制御すると共に、酸化系ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するように酸化系ガス供給系を制御し、その後、ケイ素含有ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するようにケイ素含有ガス供給系を制御すると共に、酸化系ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するように酸化系ガス供給系を制御することを特徴とするものである。
【0018】
このようにプラズマ発生手段、ガス導入手段及び第1制御手段を設けることにより、上記の成膜方法を実施できるため、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージを低減することができる。
【0019】
また、ガス導入手段は、処理チャンバの上部に設けられ、成膜ガスを被処理基板の第1領域に向けて噴射する第1ノズルと、処理チャンバの側部に設けられ、成膜ガスを被処理基板の第2領域に向けて噴射する複数の第2ノズルとを有する。これにより、成膜ガスを被処理基板の第1領域及び第2領域に向けて効率よく供給できる。
【0021】
た、ガス導入手段は、ケイ素含有ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するためのケイ素含有ガス供給系と、酸化系ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するための酸化系ガス供給系とを有することにより、ケイ素含有ガスと酸化系ガスとを含むガスが成膜ガスとして処理チャンバ内に導入される。
【0023】
また、好ましくは、ケイ素含有ガス供給系は、第1ノズルに供給されるケイ素含有ガスの流量を調整する手段と、第2ノズルに供給されるケイ素含有ガスの流量を調整する手段とを有する。これにより、第1ノズル及び第2ノズルに供給されるケイ素含有ガスの供給流量を調整することによっても、成膜初期時に、被処理基板の中央部に形成される絶縁膜の膜厚を周辺部に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくすることができる。
【0024】
さらに、好ましくは、ガス導入手段は、不活性ガスを第1ノズル及び第2ノズルに供給するための不活性ガス供給系を更に有し、第1制御手段は、不活性ガスを処理チャンバ内に導入するよう不活性ガス供給系を制御し、その後で、ケイ素含有ガスと酸化系ガスと不活性ガスとの混合ガスを処理チャンバ内に導入するようケイ素含有ガス供給系、酸化系ガス供給系及び不活性ガス供給系をそれぞれ制御する。これにより、成膜ガスを処理チャンバ内に導入する前に、処理チャンバ内の圧力が安定した状態となる。
【0025】
この場合、好ましくは、第1制御手段は、不活性ガスを処理チャンバ内に導入するよう不活性ガス供給系を制御した後、ケイ素含有ガスを処理チャンバ内に導入するようケイ素含有ガス供給系を制御する前に、酸化系ガスを処理チャンバ内に導入するよう酸化系ガス供給系を制御する。これにより、被処理基板の加熱処理が効率よく行える。
【0026】
また、好ましくは、第1ノズルは、処理チャンバ内に被処理基板が収容された時の当該被処理基板の中心部の直上位置に設けられている。これにより、成膜ガスが第1ノズルから被処理基板の第1領域に向けて効果的に噴射される。
【0027】
さらに、好ましくは、処理チャンバ内に配置され、被処理基板を支持する支持部材と、支持部材にバイアス用高周波電力を印加することで、プラズマ発生手段で発生させたプラズマを被処理基板に引き込むプラズマ引込手段と、処理チャンバ内への成膜ガスの導入を継続した状態で、支持部材へのバイアス用高周波電力の印加を停止するようプラズマ引込手段を制御し、その後で成膜ガスの導入を停止するようガス導入手段を制御する第2制御手段とを更に備える。これにより、上述したように、バイアス用高周波電力の印加を停止しても、被処理基板の表面の電荷バランスが比較的良好な状態に維持されるため、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージをより低減できる。
【0028】
また、好ましくは、処理チャンバは、内部に支持部材が配置されたチャンバ本体と、このチャンバ本体の上部に設けられ、絶縁材料で形成された蓋体とを有し、この蓋体の外面部にはコイルアンテナが取り付けられており、プラズマ発生手段は、コイルアンテナにソース用高周波電力を印加することで、処理チャンバ内にプラズマを発生させる。これにより、処理チャンバ内にプラズマを効果的に発生させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る成膜方法及び成膜装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る成膜装置の一実施形態として高密度プラズマ(HDP)式CVD装置を示す概略構成図である。同図において、HDP式CVD装置1は処理チャンバ2を備え、この処理チャンバ2は、チャンバ本体3と、このチャンバ本体3の上部に当該チャンバ本体3を覆うように設けられたドーム状の蓋体4とを有している。この蓋体4は、セラミック等の絶縁体で形成されている。蓋体4上には、ドーム温度を設定する加熱プレート5a、冷却プレート5b及び支持プレート6が設置されている。
【0031】
処理チャンバ2内には、被処理基板であるウェハWを支持する支持部材7が設置されており、この支持部材7には、ウェハWを固定するための静電チャック8が設けられている。また、処理チャンバ2内における支持部材7の下方には、スロットルバルブ9が配置されている。また、処理チャンバ2の下方には、ゲートバルブ10を介してターボ分子ポンプ11が設置され、このターボ分子ポンプ11により処理チャンバ2内が真空排気される。
【0032】
蓋体4の外面部には、トップコイル12t及びサイドコイル12sが取り付けられている。各コイル12t,12sには、マッチングネットワーク(整合器)13t,13sを介してRFジェネレータ14t,14sが接続され、このRFジェネレータ14t,14sにより各コイル12t,12sにソース用高周波電力を印加することで、処理チャンバ2内にプラズマを発生させる。また、支持部材7には、マッチングネットワーク15を介してRFジェネレータ16が接続され、このRFジェネレータ16により支持部材7にバイアス用高周波電力を印加することで、処理チャンバ2内に発生したプラズマがウェハW表面に引き込まれる。なお、処理チャンバ2には、クリーニングプロセスに使用するプラズマを処理チャンバ2内に発生させるためのクリーニング用プラズマ発生部17が接続されている。
【0033】
処理チャンバ2の上部には、成膜ガスを上方より処理チャンバ2内に導入するためのガス導入部18が設けられている。ここでは、成膜ガスとして、ケイ素含有ガスであるシラン(SiH4)ガス、酸化系ガスである酸素(O2)ガス、不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスの混合ガスを使用する。
【0034】
ガス導入部18は、図1及び図2に示すように、ガス導入口を有する2つのガス通路19a,19bと、このガス通路19a,19bに連通し、下側に突出したトップノズル20とを有している。ここでは、ガス通路19aは、SiH4ガス及びArガスの供給通路であり、ガス通路19bは、O2ガスの供給通路である。トップノズル20は、支持部材7にウェハWが支持された時のウェハWの中心部の直上位置に設けられている。これにより、ガス通路19a,19bからのガスがウェハWの表面における中心部を含む第1領域(ウェハ中央部)に向けて効率よく噴射される。なお、トップノズル20の設置位置は支持部材7の上方であればよく、またトップノズル20を複数設けてもよい。
【0035】
チャンバ本体3の側壁上部には、成膜ガスを側方より処理チャンバ2内に導入するためのガス導入部21が設けられている。ガス導入部21は、図2及び図3に示すように、ガス導入口を有するガス通路22a,22bと、このガス通路22a,22bと連通したガス供給リング23a,23bと、チャンバ本体3の内側に突出した複数(ここでは12個)のサイドノズル(第2ノズル)24とを有している。ここでは、ガス通路22aにはSiH4ガス及びArガスが導入され、ガス通路22bにはO2ガスが導入されるようになっている。
【0036】
サイドノズル24は、SiH4ガス用ノズルとO2ガス用ノズルに分けられており、ガス供給リング23aと連通したサイドノズル24がSiH4ガス用ノズルであり、ガス供給リング23bと連通したサイドノズル24がO2ガス用ノズルとなっている。これらのサイドノズル24は、ガス供給リング23a,23bからのガスがウェハWの表面における第1領域の外側の第2領域(ウェハ周辺部)に向けて噴射されるように構成されている。
【0037】
図1に戻り、上記のガス導入部18,21は、ガス供給ライン25a〜25fを介してガス供給源26X〜26Zと接続されている。ガス供給源26XはSiH4ガスの供給源であり、ガス供給源26YはO2ガスの供給源であり、ガス供給源26ZはArガスの供給源である。各ガス供給ライン25a〜25fには、ガス導入部18,21へのガスの供給をオンオフする開閉バルブ27a〜27fと、ガス導入部18,21に供給されるガスの流量を調整する質量流量コントローラ(MFC)28a〜28fとが設けられている。
【0038】
このようなHDP式CVD装置1の主要部は、制御装置30からの制御信号により制御される。制御装置30は、処理チャンバ2内にプラズマを発生させるようRFジェネレータ14t,14sを制御すると共に、そのプラズマをウェハWに引き込ませるようRFジェネレータ16を制御する。また、制御装置30は、ガス供給源26X〜26Zのガスを所望の流量で処理チャンバ2内に導入するよう開閉バルブ27a〜27f及びMFC28a〜28fを制御する。さらに、制御装置30は、図示はしないが、ウェハWの搬入・搬出を行うウェハ搬送ロボット(図示せず)を制御したり、処理チャンバ2内の圧力を調整すべくスロットルバルブ9及びゲートバルブ10を制御する。
【0039】
このような制御装置30には、オペレータが入力操作する入力装置31が接続されており、入力装置31から成膜処理開始信号が出力されると、制御装置30は上記の制御処理を実行する。制御装置30によるガス供給制御および高周波印加制御の処理手順を図4に示す。
【0040】
まず、入力装置31から成膜処理開始信号が送出されたかどうかを判断し(手順101)、成膜処理開始信号が送出されたと判断されると、開閉バルブ27e,27fを開くと共にMFC28e,28fを調整し、ガス供給源26ZのArガスをトップノズル20及びサイドノズル24に供給する(手順102)。
【0041】
そして、所定時間経過後、RFジェネレータ14t,14sをオンにし、コイル12t,12sにソース用高周波電力を印加する(手順103)。次いで、開閉バルブ27dを開くと共にMFC28dを調整し、ガス供給源26YのO2ガスをサイドノズル24に供給する(手順104)。続いて、開閉バルブ27cを開くと共にMFC28cを調整し、ガス供給源26YのO2ガスをトップノズル20にも供給する(手順105)。
【0042】
次いで、開閉バルブ27aを開くと共にMFC28aを調整し、ガス供給源26XのSiH4ガスをトップノズル20に供給する(手順106)。続いて、開閉バルブ27bを開くと共にMFC28bを調整し、ガス供給源26XのSiH4ガスをサイドノズル24にも供給する(手順107)。そして、RFジェネレータ16をオンにし、支持部材7にバイアス用高周波電力を印加する(手順108)。
【0043】
その後、所定時間が経過したか否かによってウェハWの成膜処理が終了したかどうかを判断し(手順109)、成膜処理が終了したと判断されると、RFジェネレータ16をオフにし、支持部材7へのバイアス用高周波電力の印加を停止する(手順110)。
【0044】
次いで、開閉バルブ27a,27bを閉じ、SiH4ガスの供給を停止する(手順111)。そして、開閉バルブ27c〜27fを閉じ、O2ガス及びArガスの供給を停止する(手順112)。そして、RFジェネレータ14t,14sをオフにし、コイル12t,12sへのソース用高周波電力の印加を停止する(手順113)。
【0045】
以上において、手順101〜108は、成膜を開始してから所定の期間、被処理基板Wの表面における中心部を含む第1領域(ウェハ中央部)に形成される絶縁膜の膜厚が第1領域の外側の第2領域(ウェハ周辺部)に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、ガス導入手段27a〜27f,28a〜28fを制御する第1制御手段を構成する。手順109〜113は、処理チャンバ2内への成膜ガスの導入を継続した状態で、支持部材7へのバイアス用高周波電力の印加を停止するようプラズマ引込手段16を制御し、その後で成膜ガスの導入を停止するようガス導入手段27a〜27f,28a〜28fを制御する第2制御手段を構成する。
【0046】
以上のように構成したHDP式CVD装置1を用いた成膜方法について、図5に示すプロセスタイムテーブル表により説明する。
【0047】
(1)まず、ゲートバルブ10を開くと共に、スロットルバルブ9を所定の角度で開いた状態で、ターボ分子ポンプ11により処理チャンバ2内を真空引きする。また、ガス供給源26XのArガスをノズル20,24より処理チャンバ2内に導入する。このとき、トップノズル20へのArガスの供給流量は、例えば16sccmであり、サイドノズル24へのArガスの供給流量は、例えば180sccmである。これにより、処理チャンバ2内の圧力が、例えば0.05Torrまで減圧される。
【0048】
(2)そして、例えば15秒経過後、RFジェネレータ14tによりトップコイル12tにソース用高周波電力を印加し、処理チャンバ2内にプラズマを発生させる。このソース用高周波電力の周波数は例えば2.0MHzであり、電力値は例えば1KWである。なお、上記(1)でArガスの供給時間を15秒としたのは、処理チャンバ2内の圧力を安定させるためである。
【0049】
(3)そして、例えば2秒経過後、静電チャック8をオンにし、ウェハ搬送ロボット(図示せず)により搬入したウェハWを支持部材7に固定する。これとほぼ同時に、サイドノズル24から供給されるArガスの流量を例えば110sccmに減らすと共に、ガス供給源26YのO2ガスをサイドノズル24より処理チャンバ2内に導入する。この時のO2ガスの供給流量は、例えば30sccmである。また、RFジェネレータ14sによりサイドコイル12sにソース用高周波電力を印加する。この時の高周波電力は、例えば2KWである。
【0050】
(4)そして、例えば2秒経過後、サイドノズル24より供給されるO2ガスの流量を例えば136sccmに増やすと共に、O2ガスをトップノズル20より処理チャンバ2内に導入する。このとき、トップノズル20からのO2ガスの供給流量は、例えば22.3sccmである。これにより、プラズマの熱によってウェハWの表面が効果的に加熱される。
【0051】
(5)そして、例えば20秒経過後、トップコイル20に印加する高周波電力を1.3KWに上げると共に、サイドコイル24に印加する高周波電力を3.1KWに上げる。これとほぼ同時に、Arガス及びO2ガスに加えて、ガス供給源26XのSiH4ガスをトップノズル20より処理チャンバ2内に導入し、ウェハWの成膜処理を開始する。この時のSiH4ガスの供給流量は、例えば25sccmである。これにより、SiH4及びO2は、イオンまたはラジカルに電離された状態でウェハ中央部に達し、その部分にSiO2膜が形成される。
【0052】
(6)そして、例えば2秒経過後、トップノズル20から供給されるSiH4ガスの流量を例えば12.3sccmに減らすと共に、SiH4ガスをサイドノズル24からも処理チャンバ2内に導入する。このとき、サイドノズル24からのSiH4ガスの供給流量は、例えば76sccmである。これにより、ウェハ中央部だけでなく、ウェハ周辺部にもSiO2膜が形成されるようになる。なお、サイドノズル24に供給するSiH4ガスの流量をトップノズル20に供給するSiH4ガスの流量よりも多くしているのは、ウェハWの表面に形成されるSiO2膜の膜厚が均一になるようにするためである。
【0053】
(7)そして、例えば4秒経過後、RFジェネレータ16により支持部材7にバイアス用高周波電力を印加する。このバイアス用高周波電力の周波数は例えば13.6MHzであり、電力値は例えば3.5KWである。これにより、RFジェネレータ14t,14sにより生成されたプラズマ種のウェハW表面への移送が促進され、ウェハWの成膜が進行していく。
【0054】
(8)その後、例えば180秒経過して、ウェハWの表面に形成されるSiO2膜の膜厚が所望の厚さになると、処理チャンバ2内へのSiH4ガス、O2ガス、Arガスの導入を継続した状態で、支持部材7へのバイアス用高周波電力の印加を停止する。また、トップコイル12tに印加する高周波電力を1KWに下げると共に、サイドコイル12sに印加する高周波電力を2KWに下げる。
【0055】
(9)そして、例えば1秒経過後、処理チャンバ2内へのSiH4ガスの導入を停止する。
【0056】
(10)そして、例えば3秒経過後、静電チャック8をオフにし、ウェハ搬送ロボット(図示せず)によりウェハWを処理チャンバ2の外部へ搬出する。また、処理チャンバ2内へのArガス及びO2ガスの導入を停止すると共に、コイル12t,12sへのソース用高周波電力の印加を停止する。以上により、ウェハWの成膜処理が終了する。
【0057】
このような成膜処理においては、上述したように、ウェハW上に形成される絶縁膜の膜厚を均一にすべく、SiH4ガスのサイドノズル24への供給流量をトップノズル20への供給流量よりも多くするが、このようにすると、成膜初期時には、配管のコンダクタンスの相違等によって、ウェハ周辺部に形成される絶縁膜の膜厚がウェハ中央部に対して厚くなる傾向にある。この場合には、たとえプラズマ密度やプラズマポテンシャルが空間的に均一であっても、ゲート酸化膜に起きるプラズマダメージを軽減することは困難である。
【0058】
つまり、絶縁膜の膜厚がある程度の厚さになると、絶縁膜を突き抜ける荷電粒子よりも、絶縁膜の表面に帯電して横方向にドリフトする荷電粒子の方が多くなる。このため、上記のようにウェハ周辺部の絶縁膜の膜厚がウェハ中央部の絶縁膜の膜厚よりも厚くなると、荷電粒子がウェハ周辺部からウェハ中央部に向かって移動し、ウェハ中央部の電荷密度が高くなる。そして、ウェハ中央部に蓄積された荷電粒子が薄い絶縁膜を突き抜けてゲート酸化膜に達し、その結果ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージが激しくなると考えられる。
【0059】
さらに、成膜終了時におけるバイアス用高周波電力の印加の停止タイミングも、ウェハWのプラズマダメージに影響すると考えられる。すなわち、SiH4ガスを処理チャンバ2の上方および側方よりウェハWに向けて供給する構造のものでは、トップノズル20へのSiH4ガスの供給系(ガス供給ライン25a)とサイドノズル24への供給系(ガス供給ライン25b)とでは、上述したように配管のコンダクタンスやSiH4ガスの供給流量が異なる。このような相違によって、SiH4ガスの供給を停止したときには、ガス供給ライン25bの配管内に残留するSiH4ガスの量がガス供給ライン25aの配管内に残留するSiH4ガスの量よりも多くなる。このため、ウェハエッジ部の上方のプラズマ密度がウェハ中央部の上方のプラズマ密度よりも高くなる傾向にあり、このようにプラズマ密度が不均一な状態でイオンがウェハWに引き込まれると、ウェハW表面の電荷バランスが悪化する。ところで、ウェハWに生じるプラズマダメージは、バイアス用高周波電力の印加をオン/オフした時が特に誘起されやすい。従って、ウェハW表面の電荷バランスが不均一な状態で、バイアス用高周波電力の印加を停止すると、荷電粒子がウェハW表面を移動しやすくなり、その結果ゲート酸化膜にプラズマダメージが生じやすくなる。
【0060】
これに対し本実施形態においては、成膜初期時には、まずSiH4ガスをトップノズル20のみから処理チャンバ2内に導入し、所定時間経過後にSiH4ガスをトップノズル20及びサイドノズル24の両方から導入することによって、ウェハ中央部に形成される絶縁膜の膜厚がウェハ周辺部に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるようにしたので、絶縁膜の表面に帯電したプラズマ中の荷電粒子はウェハ中央部からウェハ周辺部に向かってドリフトするようになる。この場合には、絶縁膜の表面に帯電した荷電粒子がウェハWから側方に逃げやすくなるため、絶縁膜に残る電荷が減少する。また、絶縁膜に電荷が残ったとしても、荷電粒子はウェハ周辺部に分散した状態となるため、電荷密度は極めて小さい。したがって、薄い絶縁膜を突き抜けてゲート酸化膜に達する電荷が減少し、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージが低減される。
【0061】
ここで、成膜初期時には、ウェハ中央部の絶縁膜の膜厚がウェハ周辺部の絶縁膜の膜厚よりも大きくなるが、SiH4ガスのサイドノズル24への供給流量はトップノズル20への供給流量よりも多いので、時間の経過と共に絶縁膜の膜厚はウェハW全体にわたってほぼ均一になっていき、結果的に膜厚均一性を損なうことはほとんど無い。なお、成膜初期時とは、絶縁膜の膜厚が例えば1000A(オングストロ−ム)以下である期間をいう。
【0062】
また、成膜終了時には、ノズル20,24へのSiH4ガスの供給を継続した状態で、支持部材7へのバイアス用高周波電力の印加を停止し、その後でSiH4ガスの供給を停止するようにしたので、成膜終了時に起因するプラズマダメージも低減できる。つまり、SiH4ガスの供給継続中は、上述したようにウェハWの表面に形成される絶縁膜の膜厚が均一になるようにノズル20,24へのSiH4ガスの供給流量を設定している。このため、ウェハWの上方のプラズマ密度がほぼ均一であり、その状態でイオンがウェハWの表面に引き込まれることになるので、ウェハW表面の電荷バランスは比較的良好である。従って、このような状態でバイアス用高周波電力の印加を停止しても、ウェハW表面の電荷バランスは良好な状態に維持され、荷電粒子がウェハW表面を移動しにくくなる。これにより、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージがより一層低減される。
【0063】
図6は、本発明に係る成膜方法の試験に使用する試験用素子群(TEG)を示したものである。同図において、TEG50は、厚さが40Aのゲート酸化膜51と、ポリシリコンゲート52と、アンテナ比が20Kのアルミニウムアンテナ53とを含むアンテナTEGである。このようなアンテナTEG50が全体にわたって複数組み込まれたウェハを用意し、ICテスター54を使用して、成膜初期時におけるゲート酸化膜51のリーク電流を測定した。その測定結果を図7に示す。
図7(a)は、ウェハ中央部の膜厚がウェハ周辺部の膜厚よりも小さくなるように初期絶縁膜を形成した場合の測定結果であり、図7(b)は、ウェハ中央部の膜厚がウェハ周辺部の膜厚よりも大きくなるように初期絶縁膜を形成した場合の測定結果である。また、ひし形(◆)は面積アンテナ比(A/R)を2Kとしたとき、四角形(■)はA/Rを20Kとしたとき、三角形(▲)はA/Rを40Kとしたとき、丸(●)はA/Rを100Kとしたときのものである。
ウェハ中央部の初期絶縁膜の膜厚がウェハ周辺部の初期絶縁膜の膜厚よりも薄い場合には、図7(a)に示すように、ゲート酸化膜51のリーク電流にバラツキがあるのが分かる。これは、ウェハ中央部に集中して電荷が貯まることで、ウェハ中央部に組み込まれたアンテナTEG50のゲート酸化膜51が破壊したためであると考えられる。
【0064】
これに対し、ウェハ中央部の初期絶縁膜の膜厚をウェハ周辺部の初期絶縁膜の膜厚よりも厚くした場合には、図7(b)に示すように、ゲート酸化膜51のリーク電流にバラツキはほとんど見られず、ゲート酸化膜51の破壊がかなり改善されていることが分かる。
【0065】
また、上記のアンテナTEG50が全体にわたって複数組み込まれたウェハを用意し、成膜終了時におけるウェハの破壊についての評価を行った。具体的には、ウェハに印加する電圧を最大4.2Vまで徐々に上げていき、ICテスター54を用いて、何ボルトでゲート酸化膜51が破壊するかを測定した。その測定結果を図8に示す。
図8(a)は、SiH4ガスの供給を停止した後に、バイアス用高周波電力の印加を停止した場合の測定結果であり、図8(b)は、バイアス用高周波電力の印加を停止した後に、SiH4ガスの供給を停止した場合の測定結果である。ここで、黒く塗りつぶした部分が、ゲート酸化膜51にダメージが生じたウェハ上の不良を表わしている。
【0066】
SiH4ガスの供給を停止してからバイアス用高周波電力の印加を停止した場合には、図8(a)に示すようにダメージ発生率が9%であるのに対し、バイアス用高周波電力の印加を停止してからSiH4ガスの供給を停止した場合には、図8(b)に示すようにダメージ発生率が2%であり、ゲート酸化膜51の破壊がかなり改善されていることが分かる。
【0067】
以上、本発明に係る成膜方法及び成膜方法の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、上記実施形態では、成膜初期において、SiH4ガスをトップノズル20のみから供給し、その後、SiH4ガスをトップノズル20及びサイドノズル24から供給するようにしたが、トップノズル20及びサイドノズル24から供給されるSiH4ガスの流量を調整することによって、ウェハ表面における中央部に形成される絶縁膜の膜厚が周辺部に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、成膜ガスとして、ケイ素含有ガスであるSiH4と酸化系ガスであるO2ガスと不活性ガスであるArガスとの混合ガスを使用したが、成膜ガスは、特にそのようなガスに限定されない。例えば、ケイ素含有ガスとしてSiF4ガスやSiHCl3ガス等を使用し、酸化系ガスとしてNOガス、N2Oガス、NO2ガス等を使用してもよい。また、ウェハWの表面に形成する絶縁膜は、上記のようなシリコン酸化膜SiO2に限らず、Si34等のシリコン窒化膜としてもよく、その場合には、成膜ガスとして、ケイ素含有ガスとN2、NH3等の窒化系ガスとを含むガスを使用する。
【0069】
さらに、上記実施形態は、成膜初期時に、ウェハ表面における中央部に形成される絶縁膜の膜厚が周辺部に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように成膜ガスを導入するものであるが、もちろん初期絶縁膜の膜厚がウェハ表面全体で均一であってもよい。この場合には、荷電粒子がウェハWの周辺部から中央部にドリフトすることはほとんど無いので、ウェハ中央部の膜厚がウェハ周辺部の膜厚よりも薄い場合に比べて、ゲート酸化膜に生じるプラズマダメージが低減するのは言うまでもない。
【0070】
また、上記実施形態はHDP式CVD装置であるが、本発明の成膜装置は、処理チャンバ内にプラズマを生成すると共に処理チャンバ内に成膜ガスを導入することによって成膜を行うものであれば、適用可能である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、成膜初期時には、被処理基板の表面における中心部を含む第1領域に形成される絶縁膜の膜厚が第1領域の外側の第2領域に形成される絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、成膜ガスを被処理基板の表面に向けて供給するので、被処理基板の破壊を低減できる。
【0072】
また、成膜終了時において、処理チャンバ内への成膜ガスの導入を継続した状態で、支持部材へのバイアス用高周波電力の印加を停止し、その後で成膜ガスの導入を停止するようにした場合には、被処理基板の破壊をより低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成膜装置の一実施形態である高密度プラズマ(HDP)式CVD装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す処理チャンバの上部部分を示す拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図1に示す制御装置によるガス供給制御および高周波印加制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る成膜方法を示すプロセスタイムテーブル表である。
【図6】本発明に係る成膜方法の試験に使用するアンテナTEGを示す図である。
【図7】図6に示すアンテナTEGのゲート酸化膜の成膜初期時におけるダメージ測定を行ったときの結果を示す図である。
【図8】図6に示すアンテナTEGのゲート酸化膜の成膜終了時におけるダメージ測定を行ったときの結果を示す図である。
【符号の説明】
1…高密度プラズマ式CVD装置(成膜装置)、2…処理チャンバ、3…チャンバ本体、4…蓋体、7…支持部材、12t…トップコイル(コイルアンテナ)、12s…サイドコイル(コイルアンテナ)、13t,13s…マッチングネットワーク(プラズマ発生手段)、14t,14s…ソース用RFジェネレータ(プラズマ発生手段)、15…マッチングネットワーク(プラズマ引込手段)、16…バイアス用RFジェネレータ(プラズマ引込手段)、18…ガス導入部、20…トップノズル(第1ノズル)、21…ガス導入部、20…サイドノズル(第2ノズル)、25a,25b…ガス供給ライン(ケイ素含有ガス供給系)、25c,25d…ガス供給ライン(酸化系ガス供給系)、25e,25f…ガス供給ライン(不活性ガス供給系)、26X…ガス供給源(ケイ素含有ガス供給系)、26Y…ガス供給源(酸化系ガス供給系)、26Z…ガス供給源(不活性ガス供給系)、27a,27b…開閉バルブ(ケイ素含有ガス供給系)、27c,27d…開閉バルブ(酸化系ガス供給系)、27e,27f…開閉バルブ(不活性ガス供給系)、28a,28b…MFC(ケイ素含有ガス供給系)、28c,28d…MFC(酸化系ガス供給系)、28e,28f…MFC(不活性ガス供給系)、30…制御装置、W…ウェハ(被処理基板)。

Claims (14)

  1. 処理チャンバ内にプラズマを発生させると共に、前記処理チャンバ内に成膜ガスを導入することによって、前記処理チャンバ内に収容された被処理基板の表面に絶縁膜を形成する成膜方法であって、
    成膜を開始してから所定の期間、前記被処理基板の表面における中心部を含む第1領域に形成される前記絶縁膜の膜厚が前記第1領域の外側の第2領域に形成される前記絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、前記成膜ガスを前記被処理基板の表面に向けて供給するステップを有し、
    前記成膜ガスとして、ケイ素含有ガスと酸化系ガスとを含むガスを使用し、
    前記成膜ガスを前記被処理基板の表面に向けて供給するときに、前記ケイ素含有ガスを前記第1領域のみに向けて供給すると共に、前記酸化系ガスを前記第1領域及び前記第2領域に向けて供給し、その後、前記ケイ素含有ガス及び前記酸化系ガスの各々を前記第1領域及び前記第2領域に向けて供給する成膜方法。
  2. 前記成膜ガスとして、更に不活性ガスを含むガスを使用し、前記不活性ガスを前記処理チャンバ内に導入して前記プラズマを生成し、その後、前記ケイ素含有ガスと前記酸化系ガスと前記不活性ガスとの混合ガスを前記処理チャンバ内に導入する請求項記載の成膜方法。
  3. 前記不活性ガスを前記処理チャンバ内に導入して前記プラズマを生成した後、前記ケイ素含有ガスを前記処理チャンバ内に導入する前に、前記酸化系ガスを前記処理チャンバ内に導入して前記被処理基板の加熱を行う請求項記載の成膜方法。
  4. 前記ケイ素含有ガスとしてSiH4ガスを使用し、前記酸化系ガスとしてO2ガスを使用する請求項1〜3のいずれか一項記載の成膜方法。
  5. 前記成膜ガスを前記被処理基板の前記第1領域に向けて供給するときは、前記処理チャンバの上部に設けられた第1ノズルから前記第1領域に向けて前記成膜ガスを噴射させ、前記成膜ガスを前記被処理基板の前記第2領域に向けて供給するときは、前記処理チャンバの側部に設けられた複数の第2ノズルから前記第2領域に向けて前記成膜ガスを噴射させる請求項1〜のいずれか一項記載の成膜方法。
  6. 前記被処理基板の表面に形成される前記絶縁膜の膜厚が1000A以下である期間、前記第1領域に形成される前記絶縁膜の膜厚が前記第2領域に形成される前記絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、前記成膜ガスを前記第1領域及び前記第2領域に向けて供給する請求項1〜のいずれか一項記載の成膜方法。
  7. 成膜を開始してから所定時間経過後、前記被処理基板を支持する支持部材にバイアス用高周波電力を印加して前記プラズマを前記被処理基板に引き込み、
    成膜終了時には、前記処理チャンバ内への前記成膜ガスの導入を継続した状態で、前記支持部材への前記バイアス用高周波電力の印加を停止し、その後で前記成膜ガスの導入を停止する請求項1〜のいずれか一項記載の成膜方法。
  8. 処理チャンバ内に収容された被処理基板の表面に絶縁膜を形成する成膜装置であって、
    前記処理チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記処理チャンバ内に成膜ガスを導入するガス導入手段と、
    成膜を開始してから所定の期間、前記被処理基板の表面における中心部を含む第1領域に形成される前記絶縁膜の膜厚が前記第1領域の外側の第2領域に形成される前記絶縁膜の膜厚よりも大きくなるように、前記ガス導入手段を制御する第1制御手段とを備え
    前記ガス導入手段は、前記処理チャンバの上部に設けられ、前記成膜ガスを前記被処理基板の前記第1領域に向けて噴射する第1ノズルと、前記処理チャンバの側部に設けられ、前記成膜ガスを前記被処理基板の前記第2領域に向けて噴射する複数の第2ノズルと、ケイ素含有ガスを前記第1ノズル及び前記第2ノズルに供給するためのケイ素含有ガス供給系と、酸化系ガスを前記第1ノズル及び前記第2ノズルに供給するための酸化系ガス供給系とを有し、
    前記第1制御手段は、前記ケイ素含有ガスを前記第1ノズルのみに向けて供給するように前記ケイ素含有ガス供給系を制御すると共に、前記酸化系ガスを前記第1ノズル及び前記第2ノズルに供給するように前記酸化系ガス供給系を制御し、その後、前記ケイ素含有ガスを前記第1ノズル及び前記第2ノズルに供給するように前記ケイ素含有ガス供給系を制御すると共に、前記酸化系ガスを前記第1ノズル及び前記第2ノズルに供給するように前記酸化系ガス供給系を制御する成膜装置。
  9. 前記ケイ素含有ガス供給系は、前記第1ノズルに供給される前記ケイ素含有ガスの流量を調整する手段と、前記第2ノズルに供給される前記ケイ素含有ガスの流量を調整する手段とを有する請求項記載の成膜装置。
  10. 前記ガス導入手段は、不活性ガスを前記第1ノズル及び前記第2ノズルに供給するための不活性ガス供給系を更に有し、
    前記第1制御手段は、前記不活性ガスを前記処理チャンバ内に導入するよう前記不活性ガス供給系を制御し、その後で、前記ケイ素含有ガスと前記酸化系ガスと前記不活性ガスとの混合ガスを前記処理チャンバ内に導入するよう前記ケイ素含有ガス供給系、前記酸化系ガス供給系及び前記不活性ガス供給系をそれぞれ制御する請求項8または9記載の成膜装置。
  11. 前記第1制御手段は、前記不活性ガスを前記処理チャンバ内に導入するよう前記不活性ガス供給系を制御した後、前記ケイ素含有ガスを前記処理チャンバ内に導入するよう前記ケイ素含有ガス供給系を制御する前に、前記酸化系ガスを前記処理チャンバ内に導入するよう前記酸化系ガス供給系を制御する請求項10記載の成膜装置。
  12. 前記第1ノズルは、前記処理チャンバ内に前記被処理基板が収容された時の当該被処理基板の中心部の直上位置に設けられている請求項8〜11のいずれか一項記載の成膜装置。
  13. 前記処理チャンバ内に配置され、前記被処理基板を支持する支持部材と、
    前記支持部材にバイアス用高周波電力を印加することで、前記プラズマ発生手段で発生させたプラズマを前記被処理基板に引き込むプラズマ引込手段と、
    前記処理チャンバ内への前記成膜ガスの導入を継続した状態で、前記支持部材への前記バイアス用高周波電力の印加を停止するよう前記プラズマ引込手段を制御し、その後で前記成膜ガスの導入を停止するよう前記ガス導入手段を制御する第2制御手段とを更に備える請求項8〜12のいずれか一項記載の成膜装置。
  14. 前記処理チャンバは、内部に前記支持部材が配置されたチャンバ本体と、このチャンバ本体の上部に設けられ、絶縁材料で形成された蓋体とを有し、この蓋体の外面部にはコイルアンテナが取り付けられており、
    前記プラズマ発生手段は、前記コイルアンテナにソース用高周波電力を印加することで、前記処理チャンバ内にプラズマを発生させる請求項8〜13のいずれか一項記載の成膜装置。
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