JPH1197198A - プラズマ処理装置及びその方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びその方法

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JPH1197198A
JPH1197198A JP9276559A JP27655997A JPH1197198A JP H1197198 A JPH1197198 A JP H1197198A JP 9276559 A JP9276559 A JP 9276559A JP 27655997 A JP27655997 A JP 27655997A JP H1197198 A JPH1197198 A JP H1197198A
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plasma
temperature
vacuum vessel
waveguide
gas
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JP9276559A
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Atsushi Yokoyama
敦 横山
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Tokyo Electron Ltd
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波管を温度制御することにより、導波管の
熱変形を防止して、被処理基板のプラズマ処理の面内均
一性を高めること。 【解決手段】 真空容器2内に導波管3を介して2.4
5GHzのマイクロ波をTMモ−ドで導入すると共に、
875ガウスの磁界を形成して電子サイクロトロン共鳴
により成膜ガスをプラズマ化し、ウエハW上にSiOF
膜を成膜する。この際導波管3の出口側(透過窓23
側)に設けられた円錐形導波管33を冷却管4により冷
却し、当該導波管33の外面が80℃になるように温度
制御する。このようにすると、円錐形導波管33の熱変
形が抑えられるので、マイクロ波がモ−ドを乱されるこ
となく伝送されていき、これにより発生するプラズマの
プラズマ密度がウエハWと対向する面内において均一に
なるので、形成される薄膜の面内均一性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
被処理基板に対して、例えばECR(Electron
Cyclotron Resonance)処理等の
プラズマ処理によりSiOF膜やSiO2 膜等の薄膜を
形成するプラズマ処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の配線パタ−ンとしては主にア
ルミニウム配線が用いられ、これを絶縁するための層間
絶縁膜としてはSiOF膜やSiO2 膜等が用いられて
いるが、これらは例えば図6に示すようなECRプラズ
マ処理を行うプラズマ処理装置を用いて形成されてい
る。
【0003】例えばこの装置では、プラズマ生成室1A
内に例えば2.45GHzのマイクロ波を導波管11に
より供給すると共に、例えば電磁コイル12により87
5ガウスの磁界を印加して、マイクロ波と磁界との相互
作用(電子サイクロトロン共鳴)によりArガスやO2
ガス等のプラズマガスや、成膜室1B内に導入された例
えばSiH4 ガス等の成膜ガスをプラズマ化して活性種
とし、載置台13上に載置された半導体ウエハ(以下
「ウエハ」という)Wに対して薄膜を形成している。
【0004】前記導波管11は、例えば図7に示すよう
に、矩形導波管11aと円筒形導波管11bと下部側に
向かって徐々に広がる円錐形導波管11cとを組み合わ
せて構成され、円錐形導波管11cの上端側と下端側は
夫々円筒形導波管11bとプラズマ生成室1Aとにネジ
止めにより固定されている。
【0005】このような導波管11内では、例えば矩形
導波管11aによりTE11モ−ドで供給されたマイクロ
波は、矩形導波管11aと円筒形導波管11bとの接続
部付近で同心円電界モ−ドであるTM01モ−ドに変換さ
れ、そのまま円錐形導波管11c内をTM01モ−ドで伝
送されてプラズマ生成室1A内に導入される。
【0006】ここでTM01モ−ドについて図8に基づい
て説明すると、図8(a)は例えば内径が2aの円筒形
導波管11bの直径方向の断面図であり、図8(b)は
図8(a)のA−Aにおける断面図である。このモ−ド
では図中実線で示す電界は導波管の管壁から中心を通っ
てまた管壁に戻るように、半波長毎に向きを変えながら
管壁に沿って伝播する。図中鎖線は磁界を示しており、
図8(b)中○は電界が紙面の内側に向かう様子、●は
電界が紙面の外側に向かう様子を夫々示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のプ
ラズマ処理装置では、プラズマ処理の際、導波管11は
マイクロ波の伝送に伴って生じる熱によって加熱される
と共に、プラズマ生成室1Aにより発生したプラズマP
によって熱が生じ、この熱が伝熱されることによっても
加熱され、処理が進むに連れて導波管11の温度が高く
なり、例えば円錐形導波管11cの温度は120℃程度
まで上昇してしまう。
【0008】ここでこの円錐形導波管11cはアルミニ
ウム等により構成されているので120℃もの温度にな
ると熱変形を起こしやすい。この際円錐形導波管11c
は上下端をネジ止めにより固定されているので、熱変形
はテ−パ面が歪むように(図9参照)起こってしまう。
このようにテ−パ面が歪むと円錐形導波管11cの円精
度に狂いが生じるので、管壁に沿って伝播するマイクロ
波の伝播の状態が変わってしまい、例えばTM01モ−ド
を伝送する場合には前記モ−ドの中心がずれてしまう。
【0009】このようにマイクロ波の伝送モ−ドの中心
がずれると、プラズマ生成室1Aで発生するプラズマ密
度の面内均一性が悪くなり、この結果プラズマ処理によ
って形成される薄膜の膜厚の面内均一性が悪くなってし
まうという問題がある。
【0010】本発明はこのような事情の下になされたも
のであり、その目的は円錐形導波管を熱変形しない温度
に温度制御することにより、被処理基板のプラズマ処理
の面内均一性を高めることができるプラズマ処理装置及
びその方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため本発明のプラズ
マ処理装置は、被処理基板の載置台が内部に設けられる
真空容器と、前記真空容器内に磁界を形成するための磁
界形成手段と、口径が徐々に変化し、拡径側が前記真空
容器側に向いている円錐形導波管を含み、前記真空容器
内に高周波を同心円電界モ−ドで供給するための高周波
供給手段と、前記真空容器と円錐形導波管の拡径側出口
との間に介在し、高周波を透過するための透過窓と、を
備え、高周波と磁界との電子サイクロトロン共鳴により
処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより被処理基
板を処理するプラズマ処理装置において、前記円錐形導
波管の温度を、当該円錐形導波管が熱変形しない温度に
制御するための温度制御部を備えたことを特徴とし、前
記同心円電界モ−ドはTMモ−ドであることが望まし
い。
【0012】また本発明のプラズマ処理方法は、真空容
器内に磁界を形成すると共に、当該真空容器内に、口径
が徐々に変化し、拡径側が前記真空容器側に向いている
円錐形導波管を備えた高周波供給手段により、真空容器
と円錐形導波管の拡径側出口との間に介在する透過窓を
介して高周波を同心円電界モ−ドで供給して、高周波と
磁界との電子サイクロトロン共鳴により処理ガスをプラ
ズマ化し、そのプラズマにより被処理基板を処理するプ
ラズマ処理方法において、前記真空容器内にて成膜ガス
をプラズマ化し、前記被処理基板に薄膜を形成する工程
と、次いで前記円錐形導波管を第1の温度に制御して前
記透過窓の温度を調整し、クリ−ニングガスを前記真空
容器内に導入してプラズマ化して、真空容器内をクリ−
ニングする工程と、続いて前記円錐形導波管を第2の温
度に制御して、処理ガスを前記真空容器内に導入してプ
ラズマ化し、真空容器内の被処理基板を処理する工程
と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明のプラズマ処理装置
の一実施の形態を示す断面図であり、図中2は例えばア
ルミニウム等により形成された真空容器である。この真
空容器2はプラズマを発生させるプラズマ室21と、こ
の下方に連通させて連結された成膜室22とからなる。
なお真空容器2は接地されてゼロ電位となっている。
【0014】この真空容器2の上端は開口されて、この
部分にマイクロ波を透過する部材例えば窒化アルミニウ
ム(AlN)により形成された透過窓23が気密に設け
られている。この透過窓23は真空容器2の上端に設け
られた支持リング24により外周縁を気密に支持されて
おり、この透過窓23と支持リング24とにより真空容
器2内の真空状態を維持するようになっている。
【0015】透過窓23の外側には、プラズマ室21内
に例えば2.45GHzのマイクロ波をTMモ−ド例え
ばTM01モ−ド(以下「TMモ−ド」という)等の同心
円電界モ−ドで供給するための導波管3が設けられてい
る。この導波管3は矩形導波管31の出口側端部を円筒
形導波管32の上部側側部に直角に接続し、円筒形導波
管32の下端側を、下部側に向かって徐々に広がるよう
にテ−パ状に形成された円錐形導波管33の上端部に接
続して構成されている。前記矩形導波管31の入口側端
部はプラズマ発生用の高周波電源部34に接続されてお
り、高周波電源部34にて発生したマイクロ波を導波管
3で案内して透過窓23からプラズマ室21内へ導入し
得るようになっている。
【0016】前記円錐形導波管33の上下両端はフラン
ジ部33a,33bとして形成されており、これらフラ
ンジ部33a,33bは、円筒形導波管32の下端側フ
ランジ部32aと支持リング24の上面とに夫々ネジ3
5a,35bにより固定されている。本実施の形態で
は、高周波電源部34と矩形導波管31、円筒形導波管
32、円錐形導波管33とにより高周波供給手段が構成
されている。
【0017】このような円錐形導波管33は、外周面の
ほぼ全体に冷却管4が巻回されている。また円錐形導波
管33の例えばフランジ33bの外面には当該外面の温
度を検出するための例えば熱電対等からなる温度検出部
41が設けられており、この温度検出部41の検出値に
基づいて調整部をなすチラ−42にて加熱あるいは冷却
して温度調整された冷却材例えば冷却水が冷却管4に通
流され、こうして円錐形導波管33の温度が設定された
温度でほぼ一定になるように制御されるようになってい
る。本実施の形態では冷却管4と温度検出部41及びチ
ラ−42とにより温度制御部が構成されている。
【0018】プラズマ室21を区画する側壁の上部側に
は、例えば成膜ガスを供給するためのガスノズル51が
周方向に沿って均等に配置して設けられると共に、この
ガスノズル51には図示しないプラズマガス源が接続さ
れており、プラズマ室21内の上部にArガスやO2
ス等のプラズマガスをムラなく均等に供給し得るように
なっている。なお図中ガスノズル51は図面の煩雑化を
避けるため2本しか記載していないが、実際にはそれ以
上設けている。
【0019】一方前記成膜室22の上部即ちプラズマ室
21と連通している部分には、リング状の成膜ガス供給
部52が設けられており、内周面にはガス供給口52a
が形成されている。この成膜ガス供給部52には他端側
が図示しない成膜ガス源に接続されたガス供給管53の
一端側が接続されていて、例えばSiH4 ガスやSiF
4 ガス等の成膜ガスが前記ガス供給口52aから噴出す
るようになっている。
【0020】前記プラズマ室21を区画する側壁の外周
には、これに接近させて当該プラズマ室21を囲むよう
に、例えばリング状の主電磁コイル53が配置されると
共に、成膜室22の下方側にはリング状の補助電磁コイ
ル54が配置され、これらによりプラズマ室21から成
膜室22に亘って上から下に向かう磁界例えば875ガ
ウスの磁界Bを形成し得るようになっている。
【0021】また成膜室22内にはウエハWを載置する
ための載置台6が処理位置とウエハWの受け渡し位置の
間で昇降自在に設けられている。この載置台6は例えば
アルミニウム製の本体61の上に、ヒ−タと電極とを内
蔵した誘電体プレ−ト62を設けてなり、表面は静電チ
ャックとして構成されている。前記電極には静電チャッ
ク用の図示しない直流電源が接続されていると共に、ウ
エハWにイオンを引込むためのバイアス電圧を印加する
ように高周波電源部63が接続されている。さらに成膜
室22の底部には排気管25が接続されている。
【0022】次に上述のプラズマ処理装置を用いて、被
処理基板であるウエハW上に例えばSiOF膜よりなる
層間絶縁膜を形成する方法を説明する。先ず真空容器2
の側壁に設けた図示しないゲ−トバルブを開いて図示し
ない搬送ア−ムにより、例えば表面にアルミニウム配線
が形成されたウエハWを図示しないロ−ドロック室から
搬入して載置台6上に載置する。
【0023】続いてゲ−トバルブを閉じて内部を密閉し
た後、載置台6を処理位置まで上昇させ、排気管25に
より内部雰囲気を排出して所定の真空度まで真空引き
し、ガスノズル51からプラズマガス例えばArガス及
びO2 ガスを所定の流量で導入すると共に、成膜ガス供
給部52から成膜ガス例えばSiF4 ガスを所定の流量
で導入する。そして真空容器2内を例えば0.35Pa
のプロセス圧力に維持し、かつ高周波電源部63により
載置台6に13.56MHz、2700Wのバイアス電
圧を印加すると共に、載置台6の表面温度を例えば26
0℃に設定する。
【0024】プラズマ室21内には、高周波電源部34
からの2.45GHz,2700Wの高周波(マイクロ
波)Mが、先ず矩形導波管31内をTE11モ−ドで伝送
された後、矩形導波管31と円筒形導波管32の接続部
付近でTMモ−ドに変換され、そのまま円錐形導波管3
3内をTMモ−ドで伝送されて真空容器2の天井部に至
り、透過窓23を介してプラズマ室21内に導入され
る。
【0025】一方真空容器2内には主電磁コイル53と
補助電磁コイル54とにより磁界Bが形成され、磁界B
の強さが875ガウスとなったポイントで、磁界とマイ
クロ波との相互作用により電子サイクロトロン共鳴が生
じ、この共鳴によりプラズマガスがプラズマ化され、且
つ高密度化される。なおプラズマガスを用いることによ
りプラズマが安定する。
【0026】生成したプラズマはプラズマ室21から成
膜室22に向けてプラズマ流として流れ込んでいき、こ
こに供給されているSiF4 ガスはこのプラズマ流によ
り活性化(プラズマ化)されて、活性種(プラズマ)を
形成する。一方プラズマイオンはバイアス電圧によりウ
エハWに引き込まれ、ウエハW表面のパタ−ン(凹部)
に堆積されたSiOF膜の角を、プラズマイオンのスパ
ッタエッチング作用により削り取って間口を広げなが
ら、SiOF膜が成膜されて凹部内に埋め込まれる。
【0027】このようなプラズマ処理の間、冷却管4に
は例えば円錐形導波管33の外面の温度に基づいて調整
部42にて温度調整された冷却水が通流されており、こ
うして円錐形導波管33は外側から冷却され、前記外面
の温度がプラズマ処理を通して円錐形導波管33が熱変
形しない温度例えば80℃程度になるように温度制御さ
れている。なお真空容器2は図示しない温度調整手段に
より例えば真空容器2の外面の温度が80℃程度となる
ように温度制御されている。
【0028】このようなプラズマ処理装置では、プラズ
マ処理の際、マイクロ波の伝送により発生した熱とプラ
ズマ室21内で発生したプラズマからの伝熱された熱と
により円錐形導波管33が加熱されても、円錐形導波管
33は冷却管4内の冷却水の通流により例えば外面が8
0℃程度になるように温度制御されているので、膜厚の
面内均一性の高い成膜処理を行うことができる。
【0029】この理由は次のように推察される。つまり
円錐形導波管33は温度制御によりの熱変形が防止され
ので、当該導波管はテ−パ面に歪みが生じることなく、
導波管の円精度が悪化することはない。このため例えば
TMモ−ド等のように電界が管壁に沿って同心円状に伝
播する同心円電界モ−ドであっても伝播の状態が変化す
ることなく、所定のモ−ドを保ったままマイクロ波が伝
送される。
【0030】これによりマイクロ波はモ−ドの中心がず
れること無く、プラズマ室21内に導入されるので、マ
イクロ波と磁界との相互作用により発生するプラズマの
プラズマ密度がウエハWに対向する面内においてほぼ均
一となる。この結果このプラズマにより生成される成膜
ガスの活性種もウエハWに対向する面内においてほぼ均
一になるので、形成されるSiOF膜の膜厚の面内均一
性が向上する。
【0031】ここで膜厚の面内均一性と円錐形導波管3
3の温度調整との関係を確認するために行った実験例に
ついて説明する。上述の図1に示すプラズマ処理装置を
用い、Arガス及びO2 ガスを所定の流量でプラズマ室
21内に導入すると共に、SiF4 ガスを所定の流量で
成膜室22内に導入し、高周波電力を2700W、バイ
アス電力を2700W、成膜温度を260℃、真空容器
2内の圧力を0.35Paとして、冷却管4により円錐
形導波管33の外面の温度を80℃程度に温度制御しな
がら、上述の実施の形態と同様のプロセス条件によりS
iOF膜を8インチサイズのウエハW上に成膜した。
【0032】このプラズマ処理を12枚のウエハWに対
して行い、この処理の間の円錐形導波管33の外面の温
度の時間変化を測定すると共に、ウエハWの直径方向の
膜厚を測定することによりSiOF膜の膜厚の面内均一
性を測定した。また円錐形導波管33の温度制御を行わ
ない場合についても同様の実験を行った。
【0033】この結果を、円錐形導波管33の外面の温
度の経時変化を図2に、膜厚の面内均一性の平均値を図
3に夫々示す。ここで図2、3において、実線は温度制
御を行った場合、点線は温度制御を行わなかった場合を
夫々示しており、図2では縦軸はSiOF膜の膜厚を示
し、横軸はウエハWの中心からの直径方向の位置を示し
ている。
【0034】図2により、温度制御を行なった場合に
は、円錐形導波管33の外面の温度はプラズマ処理の間
中ほぼ80℃程度の温度に制御されていることが認めら
れた。また図3により、膜厚の面内均一性は最も膜厚の
大きいウエハWの中心部A1と最も膜厚の小さいウエハ
Wの周縁部A2とを比較すると、膜厚の面内分布は約3
〜7%程度であることが確認された。
【0035】一方温度制御を行わなかった場合には、円
錐形導波管33の温度はプラズマ処理が進むに連れて徐
々に上昇し、120℃程度の温度まで加熱されることが
認められた。また図3により、膜厚の面内均一性は最も
膜厚の大きい位置A3と最も膜厚の小さい位置A4とを
比較すると、膜厚の面内分布は約8〜15%程度であ
り、温度制御を行った場合に比べて膜厚の面内均一性が
悪いことが確認された。
【0036】このように温度制御を行った場合に膜厚の
面内均一性が向上する理由としては次のように考えられ
る。即ち温度制御を行った場合には、図3に示すように
SiOF膜の膜厚はウエハWの中心部で最も大きくな
り、ウエハWの周縁部で最も小さくなるが、温度制御を
行わない場合には、膜厚の最も大きくなる位置がウエハ
Wの中心からずれてしまう。
【0037】このように膜厚の最も大きくなる位置がウ
エハWの中心からずれるのは、既述のように円錐形導波
管33のテ−パ面が熱変形してマイクロ波の伝播の状態
が変化し、伝送モ−ドの中心がずれるからと推察され
る。そして伝送モ−ドの中心がずれると、発生するプラ
ズマの中心がウエハWの中心からずれてしまい、膜厚の
最も大きくなる位置から遠いウエハWの周縁部ではプラ
ズマ密度が低くなる程度が大きいので、膜厚がかなり小
さくなってしまうと考えられる。
【0038】また上述の実験の際、透過窓23の下面側
の温度の経時変化を測定したところ、図4に示す結果が
得られた。この図においても実線は円錐形導波管33の
温度制御を行った場合、点線は温度制御を行わなかった
場合を夫々示している。この結果により、円錐形導波管
33の温度制御を行なわなかった場合には、透過窓23
の温度はプラズマ処理が進むに連れて次第に上昇してい
くのに対して、円錐形導波管33の温度制御を行った場
合には、80℃程度の温度にほぼ一定に保たれることが
認められた。
【0039】このように結果的に透過窓23の温度が調
整されるのは、当該透過窓23はプラズマ処理の際、マ
イクロ波の透過とプラズマによって発生した熱により加
熱されるが、透過窓23は夫々80℃程度の温度に温度
制御された円錐形導波管33と真空容器2とにより挟ま
れているので、温度上昇がある程度で抑えられてそのま
まの温度が保たれるためと考えられる。
【0040】ここで透過窓23は熱衝撃に強いAlNに
より構成されているので、温度が200℃程度まで高く
なっても割れ等は生じないが、透過窓23がほぼ一定の
温度に制御されると、安定したプラズマ処理を行うこと
ができるという利点がある。つまり透過窓23は厚さ1
2mmのAlNにより構成されているが、このAlNは
マイクロ波に対して温度特性を持っており、例えば2.
45GHzのマイクロ波に対しては、図5に示すような
特性がある。従ってプラズマ処理の間、透過窓23の温
度が一定であれば、透過窓23の誘電損失も一定である
ので、マイクロ波の透過の状態が安定する。このためプ
ラズマ処理の間を通してプラズマ密度がほぼ一定になる
ので、SiOF膜の膜厚のウエハ毎に変化してしまうよ
うなことが抑えられ、安定したプラズマ処理を行うこと
ができる。
【0041】一方透過窓23の温度がプラズマ処理が進
むに連れて上昇すると、透過窓23の誘電損失は時間の
経過と共に減少する。このため処理が進むに連れてマイ
クロ波の透過の状態が変わり、発生するプラズマの密度
が変化してしまうので、SiOF膜の膜厚が徐々に増加
してしまう。
【0042】さらに上述のような成膜処理の後にクリ−
ニングを行う場合には、透過窓23の温度調整が行われ
ることによって、プラズマ処理のスル−プットが向上す
るという利点も得られる。ここでクリ−ニングは、Si
OF膜の成膜処理を繰り返して行うと、成膜室22内の
載置台6の周辺や内壁にもSiOF膜が付着し、この膜
がある程度の厚さになると、膜剥がれが生じてパーティ
クルの原因となることから、例えばウエハWを数十枚処
理する毎に付着した膜を除去するために行われるもので
ある。
【0043】例えば上述のプラズマ処理装置のクリ−ニ
ングは、クリ−ニングであるNF3ガスとN2 ガスとを
所定の流量でプラズマ室21内に導入すると共に、高周
波電力を1200W、真空容器2内の圧力を400Pa
として、クリ−ニングガスをプラズマにより活性化さ
せ、この活性種を付着した膜に反応させて除去すること
により行われる。
【0044】このようなクリ−ニングでは、成膜処理の
際よりも高周波電力が半分以下と小さいが、この高周波
電力の大きさと透過窓23の温度とは比例関係にあるの
で、円錐形導波管33の温度制御が行われていない場合
には、透過窓23の温度は成膜時には130℃程度、ク
リ−ニング時には85℃程度とクリ−ニング時は低くな
る。
【0045】このためクリ−ニング終了後に成膜処理を
開始すると、透過窓23の温度が徐々に上昇していき、
暫くするとある程度の温度に飽和する。ここで既述のよ
うに透過窓23の誘電損失は温度特性を持っているの
で、マイクロ波の透過率をある程度安定させるために
は、透過窓23の温度の飽和を待ってから成膜処理を行
う必要があり、成膜処理を行うまでに時間がかかる。
【0046】ところが上述の実施の形態では円錐形導波
管33の温度制御により、結果的に透過窓23の温度が
調整できるので、成膜処理とクリ−ニング処理の際に、
透過窓23の温度がこれらの処理を通してほぼ一定温度
になるように、円錐形導波管33の温度制御を行なうよ
うにすれば、クリ−ニングの後に引き続いて直ちに成膜
処理を行うことができるので、プラズマ処理全体のスル
−プットを向上させることができる。
【0047】実際に本発明者が実験を行ったところ、円
錐形導波管33の外面を、クリ−ニングの際は第1の温
度である80℃程度、成膜処理の際は第2の温度である
80℃程度に夫々制御すれば、透過窓23の温度はこれ
らの処理を通してほぼ85℃程度に調整されることが認
められ、この際、クリ−ニング時に円錐形導波管33の
温度を80℃程度に制御しても、円錐形導波管33に熱
変形が見られないことが確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明のプラズマ処理装置によれば、導
波管を温度制御することにより導波管の熱変形を防止し
ているので、被処理基板のプラズマ処理の面内均一性を
高めることができる。また本発明のプラズマ処理方法に
よれば、スル−プットの高いプラズマ処理を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の一実施の形態を示
す断面図である。
【図2】円錐形導波管の温度の経時変化を示す特性図で
ある。
【図3】SiOF膜の膜厚を示す特性図である。
【図4】透過窓の温度の経時変化を示す特性図である。
【図5】透過窓の誘電損失の温度特性を示す特性図であ
る。
【図6】従来のプラズマ処理装置を示す断面図である。
【図7】従来のプラズマ処理装置にて用いられる導波管
を示す斜視図である。
【図8】円筒形導波管で伝送されるTMモ−ドを説明す
るための断面図である。
【図9】円錐形導波管が熱変形する様子を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
2 真空室 21 プラズマ室 22 成膜室 3 導波管 31 矩形導波管 32 円筒形導波管 33 円錐形導波管 34 高周波電源部 4 冷却管 41 温度検出部 54 主電磁コイル 6 載置台 W 半導体ウエハ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板の載置台が内部に設けられる
    真空容器と、前記真空容器内に磁界を形成するための磁
    界形成手段と、口径が徐々に変化し、拡径側が前記真空
    容器側に向いている円錐形導波管を含み、前記真空容器
    内に高周波を同心円電界モ−ドで供給するための高周波
    供給手段と、前記真空容器と円錐形導波管の拡径側出口
    との間に介在し、高周波を透過するための透過窓と、を
    備え、高周波と磁界との電子サイクロトロン共鳴により
    処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより被処理基
    板を処理するプラズマ処理装置において、 前記円錐形導波管の温度を、当該円錐形導波管が熱変形
    しない温度に制御するための温度制御部を備えたことを
    特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記同心円電界モ−ドはTMモ−ドであ
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 真空容器内に磁界を形成すると共に、当
    該真空容器内に、口径が徐々に変化し、拡径側が前記真
    空容器側に向いている円錐形導波管を備えた高周波供給
    手段により、真空容器と円錐形導波管の拡径側出口との
    間に介在する透過窓を介して高周波を同心円電界モ−ド
    で供給して、高周波と磁界との電子サイクロトロン共鳴
    により処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより被
    処理基板を処理するプラズマ処理方法において、 前記真空容器内にて成膜ガスをプラズマ化し、前記被処
    理基板に薄膜を形成する工程と、 次いで前記円錐形導波管を第1の温度に制御して前記透
    過窓の温度を調整し、クリ−ニングガスを前記真空容器
    内に導入してプラズマ化して、真空容器内をクリ−ニン
    グする工程と、 続いて前記円錐形導波管を第2の温度に制御して、処理
    ガスを前記真空容器内に導入してプラズマ化し、真空容
    器内の被処理基板を処理する工程と、を備えたことを特
    徴とするプラズマ処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU206277U1 (ru) * 2021-06-04 2021-09-03 Общество с ограниченной ответственностью "Паритет-Центр" Устройство для передвижения в воде
US11996270B2 (en) 2021-01-05 2024-05-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Wafer processing apparatus

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