JP2002151492A - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法

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JP2002151492A JP2000333662A JP2000333662A JP2002151492A JP 2002151492 A JP2002151492 A JP 2002151492A JP 2000333662 A JP2000333662 A JP 2000333662A JP 2000333662 A JP2000333662 A JP 2000333662A JP 2002151492 A JP2002151492 A JP 2002151492A
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篤 田畑
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勝成 小関
Hideyuki Iwata
秀之 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ成膜中に発生する反応副生成物を低
減できる成膜方法を提供する。 【解決手段】 成膜方法は、プラズマ成膜装置1を準備
するステップと、プラズマ成膜装置1にプロセスガスお
よび電力を供給して、被処理基板W上に膜を堆積するス
テップを備える。プラズマ成膜装置1は、反応チャンバ
2と、ガス供給手段と、コイル12と、交流電源14s
と、第1の結合回路10aとを備える。ガス供給手段
は、成膜のためのプロセスガスを反応チャンバ2内に供
給するように設けられている。コイル12は、1または
それ以上の回数で反応チャン2バに巻き回されている。
交流電源14sは、プロセスガスをプラズマ化するため
の電力をコイル12に提供する。第1の結合回路10a
は、コイル12と基準電位線32とを容量的に結合する
容量性回路である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路を製造するためには、シ
リコン基板上に様々な種類の膜を形成する。例えば、プ
ラズマCVD成膜装置では、チャンバ内に導入されたプ
ロセスガスのプラズマを生成して、シリコン基板上にシ
リコン酸化膜を堆積する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】成膜に際して、反応チ
ャンバ内に反応生成物がシリコン基板上に堆積される一
方で、反応副生成物がチャンバ内に発生する。この反応
副生成物を除去することを目的として、反応チャンバは
所定回数の成膜後にクリーニングされる。
【0004】発明者は、ICPプラズマ成膜装置を用い
てフッ素含有シリコン酸化膜を成膜した後に、このクリ
ーニングによってもほとんど除去できない反応副生成物
が発生することを発見した。また、発明者の観察によれ
ば、この反応副生成物はチャンバの特定の位置に生成さ
れている。図14は、発明者が撮影した反応チャンバ内
壁の写真を示す図面である。この図面によれば、サイド
コイルの電力導入部に沿って現れた変色領域(Black Spo
t)が存在する。
【0005】そこで、本発明の目的は、プラズマ成膜中
に発生する反応副生成物を低減できる成膜方法を提供す
ることとした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる成膜方法
は、(1)基準電位線と容量的に結合されると共に1また
はそれ以上の回数で反応チャンバに巻き回されたコイル
に交流電源から電力を供給することによって、反応チャ
ンバ内に導入されたプロセスガスをプラズマ化して、被
処理基板上に膜を堆積するステップを備える。
【0007】従来の成膜方法では、コイルの一端が直接
に接地された状態でコイルに電力が供給されていたの
で、コイルの一端の電位は常に固定されていた。このた
め、コイル他端の電圧値は、交流電源から与えられる電
力に応じた振幅で振動していた。一方、本発明に係わる
成膜方法では、コイルは基準電位線と容量的に結合され
ているので、基準電位線に容量的に結合されるコイルの
位置と、電力が供給されるコイルの位置との両電圧値
が、交流電源から与えられる電力に応じて振動する。
【0008】本発明に係わる方法では、コイルは、交流
電源と誘導的に結合されていてもよい。これによって、
容量的な結合によって生じたインピーダンスの変化を補
償できる。
【0009】本発明に係わる方法では、コイルは、キャ
パシタを介して基準電位線と電気的に結合されている。
このキャパシタにより、容量的な結合が実現される。ま
た、本発明に係わる方法では、電力は、インダクタを介
してコイルに供給されている。インダクタは、キャパシ
タによって生じたインピーダンスの変化を調整できる。
【0010】また、本発明に係わる方法は、(2)1また
はそれ以上の回数で反応チャンバに巻き回されたコイル
にトランスを介して交流電源から電力を供給することに
よって、反応チャンバ内に導入されたプロセスガスをプ
ラズマ化して、被処理基板上に膜を堆積するステップを
備える。トランスの一次側は交流電源に電気的に結合さ
れる共に、その二次側はコイルに電気的に結合されてい
る。この二次側は基準電位線に接続された中間端子を有
する。このため、二次側の一端及び他端の電圧は、中間
端子に与えられる電位を中心に、交流電源から与えられ
る電力に応じて振動する。
【0011】本発明に係わる方法では、形成されるべき
膜の構成元素を含むプロセスガスを反応チャンバに導入
するステップを更に備えることができる。
【0012】本発明に係わる方法は、(3)プラズマ成膜
装置を準備するステップと、(4)プラズマ成膜装置にお
いてプロセスガスおよび電力を供給して、被処理基板上
に膜を堆積するステップを備える。
【0013】このプラズマ成膜装置は、反応チャンバ
と、ガス供給手段と、コイルと、交流電源と、第1の結
合回路とを備える。ガス供給手段は、成膜のためのプロ
セスガスを反応チャンバ内に供給するように設けられて
いる。コイルは、1またはそれ以上の回数で反応チャン
バに巻き回されている。交流電源は、プロセスガスをプ
ラズマ化するための電力をコイルに提供する。第1の結
合回路は、コイルと基準電位線とを結合する容量性の回
路である。
【0014】第1の結合回路を備えると、コイルの一端
及び他端の電圧が共に、交流電源から与えられる電力に
応じて基準電位を中心に振動する。故に、第1の結合回
路は、コイルの一端及び他端がチャンバ内においてその
近傍に発生する電位を下げるように働く。また、この振
動は、電圧振幅の符号がコイルの一端及び他端において
異なるように生じるようにできる。
【0015】本発明に係わる方法では、プラズマ成膜装
置はコイルと交流電源とを結合する誘導性の第2の結合
回路を更に備えることができる。これによって、第1の
結合回路の追加によるインピーダンス変化を第2の結合
回路によって調整できる。
【0016】また、本発明に係わる方法では、上記のプ
ラズマ成膜装置と異なる別のプラズマ成膜装置も使用で
きる。別のプラズマ成膜装置は、反応チャンバと、ガス
供給手段と、コイルと、交流電源と、トランスとを備え
る。トランスは、交流電源に接続された一次側、コイル
に接続された二次側、および二次側に設けられ基準電位
線に接続された中間端子を有する。トランス一次側の両
端はコイルに接続されると共に、中間端子を備えてい
る。このため、トランスの二次側両端の電圧は、中間端
子に与えられる電位を中心に、交流電源から与えられる
電力に応じて振動する。
【0017】以下に示される本発明に係わる特徴は、上
記の発明と組み合わされることができる。これによっ
て、それぞれの作用および効果並びにその組合せにより
得られる作用および効果を享受できる。
【0018】本発明に係わる方法では、コイルは、イン
ピーダンス整合回路を介して交流電源と結合されている
ようにしてもよい。これによって、電力がコイルへ効率
的に提供される。
【0019】本発明に係わる方法は、プロセスガスは、
形成されるべき膜の構成元素を含むことができ、例えば
フッ素含有物質、シリコン含有物質、酸素含有物質を含
むようにしてもよい。このようなプロセスガスの組合せ
に対して、当該方法は、反応チャンバ内壁に生成される
反応副生成物を効果的に低減する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の知見は、例示として示さ
れた添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮するこ
とによって容易に理解することができる。可能な場合に
は、同一および類似の部分には同一の符号を付して重複
する説明を省略する。
【0021】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形態
に係る高密度プラズマ(HDP)CVD装置といった成
膜装置を示す。CVD装置は、製造実験室または製造工
場といった所定の場所に動作可能な状態で設置されてい
る。CVD装置1は処理チャンバ2を備える。処理チャ
ンバ2は、チャンバ本体部3と、蓋部(ドーム)4とを有
する。蓋部4は、チャンバ本体部3を覆うようにチャン
バ本体部3上に配置されており、セラミックといったの
絶縁体で形成されている。蓋部4上には、蓋部4の温度
を調整するための加熱プレート5aおよび冷却プレート
5bといった温度調整手段、並びにガス導入部を保持す
る支持プレート6が設置されている。また、処理チャン
バ2には活性種発生部が接続されており、この活性種発
生部は、クリーニングプロセスに使用するNF3といっ
たガスのフッ素活性種を生成する。
【0022】処理チャンバ2内には、ウェハ(被処理基
板)Wを支持する基板支持部7が設置されている。基板
支持部7は、ウェハWを固定するための静電チャック8
を有する。基板支持部7は、マッチングネットワーク1
5といったインピーダンス整合回路を介して、RFジェ
ネレータ16といった交流電源に接続されている。RF
ジェネレータ16は、基板支持部7にバイアス用高周波
電力を供給する。処理チャンバ2は、処理チャンバ2内
を真空排気するための真空排気手段9を有する。真空排
気手段9は、基板支持部7の背面に配置されたスロット
ルバルブ9a、ゲートバルブ9b、およびターボ分子ポ
ンプ9cをいった真空ポンプを含む。
【0023】処理チャンバ2には、プロセスガスを処理
チャンバ2内に導入するためのガス導入部18が設けら
れている。プロセスガスは、F2またはSiF4ガスとい
ったフッ素ソース物質(フッ素含有ガス)、SiH4に代
表される無機シラン系ガスといったケイ素ソース物質
(ケイ素含有ガス)、O2ガスまたはN2Oガスといった酸
素ソース物質(酸素含有ガス)、アルゴン(Ar)ガスと
いった不活性ガスを含む。
【0024】図2に示すように、ガス導入部18は、複
数のガス通路19a,19b、19cと、1または複数
の第1のノズル20(トップノズルとも呼ぶ)とを有して
いる。第1のノズル20は、ガス導入口を有するガス通
路19a,19b、19cに接続され、基板支持部7と
対面するように蓋部4の内側に設けられている。第1の
ノズル20は、反応チャンバ2の内壁から突出してい
る。ガス通路19aはSiH4ガス及びArガスの供給
通路であり、ガス通路19bはO2ガスの供給通路であ
り、ガス通路19cはSiF4ガスの供給通路である。
【0025】チャンバ本体部3には、ガス導入部21が
設けられている。ガス導入部21は、チャンバ2の側面
からプロセスガスを処理チャンバ2内に導入する。ガス
導入部21は、ガス導入口を有するガス通路22a,2
2bと、ガス供給リング23a,23bと、複数の第2
のノズル24とを有している。ガス供給リング23a,
23bの各々は、反応チャンバ2により規定される空間
を囲むように設けられている。第2のノズル24(サイ
ドノズルとも呼ぶ)は、チャンバ本体部3の内壁からウ
エハの成膜面に沿って突出しており、図3に示された実
施例では12本ある。
【0026】再び図1を参照すると、ガス導入部18,
21は、プロセスガス導入手段に接続されている。プロ
セスガス導入手段は、例えばガス供給ライン25a〜2
5hおよびガス供給源26W〜26Zを含む。ガス供給
源26XはSiF4ガスの供給源であり、ガス供給源2
6XはSiH4ガスの供給源であり、ガス供給源26Y
はO2ガスの供給源であり、ガス供給源26ZはArガ
スの供給源である。各ガス供給ライン25a〜25hに
は、開閉バルブ27a〜27hおよび質量流量コントロ
ーラ(MFC)28a〜28hが設けられている。開閉
バルブ27a〜27hは、ガス導入部18,21へのガ
スの供給を制御する。質量流量コントローラ(MFC)
28a〜28hは、ガス導入部18,21に供給される
ガスの流量を調整する。これら開閉バルブ27a〜27
h及びMFC28a〜28hは、制御装置30からの制
御信号により制御される。
【0027】蓋部4には、トップコイル17及びサイド
コイル12が取り付けられている。トップコイル17
は、チャンバ2の外壁面に沿って配置され、ガス導入部
18の回りに巻き回されている。トップコイル17は、
また、基板支持部7と対面するチャンバ2の上壁面部に
設けられている。サイドコイル12は、基板支持部7と
上壁面部とを結ぶ軸の回りに巻き回されている。サイド
コイル12は、また、基板支持部7と上壁面部との間の
プロセス空間の周囲に配置されている。
【0028】コイル12,17は、マッチングネットワ
ーク13s,13tといったインピーダンス整合回路を
介して、RFジェネレータ14s,14tといった交流
電源に接続されている。RFジェネレータ14s,14
tは、それぞれのコイル12,17に高周波電力を印加
する。この供給によって、プロセスガスが処理チャンバ
2内においてプラズマ化される。
【0029】図1を参照すると、本実施の形態のプラズ
マ成膜装置1では、コイル12と接地電位線32との間
には、第1の結合回路10aが配置されている。第1の
結合回路10aは、接地電位線32にコイル12を容量
的に結合する容量性の回路である。このために、第1の
結合回路10aは、例えば、コイル12と接地電位線3
2との間に接続されたキャパシタを含む。また、コイル
12とRFジェネレータ14sとの間には、第2の結合
回路10bが配置されている。第2の結合回路10b
は、RFジェネレータ14sにコイル12を誘導的に結
合する誘導性の回路である。このために、第2の結合回
路10bは、例えば、コイル12とRFジェネレータ1
4sとの間に接続されたインダクタを含む。
【0030】図4(a)および図4(b)を参照しながら、
第1および第2の結合回路10a、10bの動作につい
て説明する。図4(a)は、比較のためのプラズマ成膜装
置の模式図であり、図4(b)は、図1に示されたプラズ
マ成膜装置1の模式図である。図4(c)は、マッチング
回路13sの一例の回路図を示す。マッチング回路13
sは、端子34a、34bの間に、可変キャパシタ35
a、35cおよび固定キャパシタ35b、35dを備え
る。
【0031】図4(a)および図4(b)のプラズマ成膜装
置では、同一の構造のコイル12が使用されている。図
4(a)によれば、コイルの一端12cは、マッチング回
路13を介してジェネレータ14に接続されている。コ
イルの他端12dは、接地電位線32に直接に接続され
ている。図4(b)によれば、コイルの一端12aは、第
2の結合回路10bおよびマッチング回路13sを介し
てジェネレータ14sに接続されている。コイルの他端
12bは、第1の結合回路10aを介して基準電位線に
接続されている。基準電位線には基準電位を与える電源
が接続されることができ、また、基準電位線は、好まし
くは接地電位線32である。
【0032】図4(a)および図4(b)において、コイル
12内に所定の位置a,b,c,dが示されている。図
4(a)のプラズマ成膜装置では、ある瞬間において、位
置a,b,c,dの電位が1000V、700V、50
0V、200Vである。図4(b)のプラズマ成膜装置1
では、その瞬間において、位置a,b,c,dにおける
電位が500V、200V、0V、−300Vである。
故に、プラズマ成膜装置1では、比較用プラズマ装置に
比べて、コイルにおける電圧振幅が小さくなっている。
【0033】図5(a)および図5(b)を参照しながら、
このような電位の違いを説明する。図5(a)は、図4
(a)の比較用プラズマ成膜装置におけるコイル12の電
位分布を示しており、図5(b)は、プラズマ成膜装置1
におけるコイル12の電位分布を示している。比較用プ
ラズマ成膜装置では、コイルの一端(OUT端子)が接地
電位線32に接続されているので、コイルの他端(IN
端子)のみが矢印40、42に示されるように振動して
いる。一方、プラズマ成膜装置1ではコイルの一端(O
UT端子)が第1の結合回路10aに接続されているの
で、コイルのIN端子が、矢印44、46に示されるよ
うに振動するだけでなく、コイルのOUT端子もまた、
矢印48、50に示されるように振動する。図5(b)に
は、破線56が比較用プラズマ成膜装置におけるコイル
の電圧振幅を示している。第1の結合回路10aによっ
て、矢印52に示されるように、コイル内の所定の位置
(以下、中性点と呼ぶ)54が接地電位(GND)になる。
コイル12の電位分布において、中性点54が生成され
るので、コイル12の両端の電圧振幅が、比較用プラズ
マ成膜装置の電圧振幅に比べて小さくなる。故に、コイ
ルの全体における電位を下げることができる。このた
め、チャンバ内壁における反応副生成物の生成がコイル
のいずれの部分においても低減できる。
【0034】図6(a)および図6(b)を参照しながら、
追加された回路の作用を説明する。図6(b)を参照する
と、本プラズマ成膜装置の電力系の等価回路が示されて
いる。ここで、第1の結合回路10aが実効キャパシタ
ンスCを有し、コイル12が実効インダクタンスL1
有し、第2の結合回路10bが実効インダクタンスL2
を有し、またこれらに振動数ωで振動する電流Iが回路
に流れると仮定する。
【0035】図6(a)において、ベクトルV0は、第1
の結合回路10aの実効キャパシタンスCを基づくベク
トルであり、 V0=−jI/(ωC) で表される。jは虚数単位である。このベクトルは、図
6(a)において虚軸に沿って原点から負の方向に向く。
ベクトルの終点は、第1の結合回路10aとコイル12
との接続点の電位に関連している。
【0036】ベクトルVIは、コイル12の実効インダ
クタンスL1の作用を含むベクトルであり、 VI=jIωL1+V0=jI(ωL1−1/(ωC)) で表される。このベクトルは、図6(a)において虚軸に
沿って正の方向に向く。ベクトルの終点は、第2の結合
回路10bとコイル12との接続点の電位に関連してい
る。
【0037】ベクトルVAは、第2の結合回路10bの
実効インダクタンスL2の作用を含むベクトルであり、 VA=jIωL2+VI=jI(ωL1+ωL2−1/(ω
C)) で表される。このベクトルは、図6(a)において虚軸に
沿って正の方向に向く。ベクトルの終点は、電源14s
と第2の結合回路10bとの接続点の電位に関連してい
る。
【0038】ベクトルVIおよびV0に着目する。これら
の終点は、コイルの両端の電圧に関連している。虚軸上
においてV0は負の方向に向き、またVIは正の方向に向
くので、コイル12の中間に中性点が存在することが理
解できる。一方、ベクトルV Cは、比較用プラズマ装置
におけるコイルの両端の電圧に関連している。このベク
トルの基点は原点にあるので、コイルの一端は常に接地
されている。故に、コイル12の中間に中性点は存在し
ない。
【0039】なお、ωL2=1/(ωC)を満たすよう
に、L2およびCの値を選択すると、第1の結合回路を
追加したために生じたインピーダンスの変化を第2の結
合回路によって補償できる。このため、本発明を適用し
ても、既存の成膜プロセス条件を変更する必要がない。
このとき、 V0=−jIωL2I=jIωL1+V0=jI(ωL1−ωL2) VA=jIωL2+VI=jIωL1 となる。特に、L1/2=L2の場合には、 V0=−jIωL1/2 VI=jIωL1+V0=jIωL1/2 VA=jIωL2+VI=jIωL1 となり、これは、コイル12の真ん中に中性点が存在す
る。
【0040】キャパシタンスCの例示的な値は、例え
ば、約1×103pF以上1×105pF以下ある。
【0041】発明者は、従来のプラズマ成膜装置を用い
てフッ素含有シリコン酸化膜を成膜すると、クリーニン
グによってもほとんど除去できない反応副生成物が図2
および図3のA部分に生成されることを発見した。しか
しながら、本実施の形態のプラズマ成膜装置1を用いる
と、このような反応副生成物は、50枚の連続成膜とい
った加速評価においても目視では発見されなかった。
【0042】(第2の実施の形態)図7は、別の実施の形
態に係るHDPCVD装置を示す。図7において、プラ
ズマ成膜装置60は、第1および第2の結合回路10
a、10bに代えて、電磁デバイス11を備える。この
点を除いて、CVD装置60は、CVD装置1と同様の
構造を備える。
【0043】電磁デバイス11の作用について説明す
る。図8は、図7に示されたプラズマ成膜装置60の模
式図である。電磁デバイス11において、端子11
INは、マッチング回路13sを介してジェネレータ14
sに結合され、端子11GNDは接地電位線32に結合さ
れ、端子11OUT1、11OUT2は、それぞれ、コイル12
の端子12a、12bに結合されている。電磁デバイス
11は、端子11INおよび端子11GNDに接続された第
3のインダクタ素子11aを備える。第1および第2の
インダクタ素子11b、11cは直列に接続されてお
り、その接続点11eは中間端子11TAPに接続されて
いる。第1、第2および第3のインダクタ素子11a、
11b、11cは、電磁誘導的に結合されている。電磁
誘導を効率的に達成するために、電磁デバイス11は、
磁性部材で形成された磁気コア11dを備える。第1、
第2および第3のインダクタ素子11a、11b、11
cは、磁気コア11dに巻き回され、磁気的に結合され
ている。第3のインダクタ素子11aに電流が流れると
磁束が発生する。この磁束は、磁気コア11dを介して
第1および第2のインダクタ素子11b、11cを貫
く。第1および第2のインダクタ素子11b、11cに
は、その磁気的結合の強さ、例えば巻き数に応じた起電
力が電流変化によって生じる。
【0044】電磁デバイス11では、中間端子11TAP
が接地電位線32に接続されているので、端子11OUT1
に現れる電圧振幅の符号は、端子11OUT2に現れる電圧
振幅の符号と異なっており、また、端子11OUT1、11
OUT2の電圧の位相が反転される。
【0045】図8において、コイル12の所定の位置
a,b,c,dが示されている。この位置は、図4(a)
および図4(b)に示された同じ符号の位置に対応する。
プラズマ成膜装置60では、コイルの両端(IN端子、
OUT端子)が電磁デバイス11を介してジェネレータ
14sに接続されているので、ある瞬間において、位置
a,b,c,dの電位が500V、200V、0V、−
300Vである。この電位分布は、コイルのIN端子
が、図5(b)に示されるように、矢印44、46に示さ
れるように振動するだけでなく、コイルのOUT端子も
また、矢印48、50に示されるように振動することを
意味する。すなわち、コイル12の電位分布において、
中性点が生成されるので、コイル12の両端の電圧振幅
が、比較用プラズマ成膜装置の電圧振幅に比べて小さく
なる。故に、コイルの全体における電位を下げることが
できる。このため、チャンバ内壁における反応副生成物
の生成がコイルのいずれの部分においても低減できる。
【0046】(第3に実施の形態)引き続いて、プラズマ
成膜装置1、60を用いて成膜する方法について説明す
る。
【0047】図9は、制御装置30を示す。制御装置3
0は、ウェハ搬送制御部30aと、チャンバ圧力制御部
30bと、プラズマ制御部30cと、プロセスガス制御
部30dとを有する。制御装置30は、入力装置31か
ら処理開始信号が入力されると、メモリ30mに記憶さ
れた処理プログラムに従って成膜手順を実行する。
【0048】ウェハ搬送制御部30aは、ウェハ搬送ロ
ボット33を用いて、ウェハWを処理チャンバ2内に搬
入した後にウェハWを基板支持部7に配置するための指
示を行うと共に、成膜プロセス終了後にウェハWを処理
チャンバ2から搬出するための指示を行う。チャンバ圧
力制御部30bは、真空計34の検出値に基づいてスロ
ットルバルブ9a及びゲートバルブ9bを制御して、反
応チャンバ2の圧力が所定値に調整されるように指示す
る。プラズマ制御部30cは、RFジェネレータ14
t,14s,16の出力周波数及び出力電圧を制御し
て、コイル12t,12s及び基板支持部7にRF電力
を印加するように指示する。プロセスガス制御部30d
は、開閉バルブ27a〜27hの開閉およびMFC28
a〜28hを制御して、ガス供給源26W〜26Zから
のガスの供給流量を設定するように指示する。
【0049】図10は、プロセスガス制御部30dによ
る制御処理の詳細を示すフローチャート100である。
図10を参照しながら、成膜プロセスについて説明す
る。
【0050】入力装置31からの処理開始信号の入力に
よって、成膜は、手順102において開始される。処理
開始信号が入力された後に、処理プログラムは、ゲート
バルブ9bを開いて、スロットルバルブ9aを所定の角
度で開いた状態で、真空ポンプ9cにより処理チャンバ
2内を真空排気する。
【0051】処理プログラムは、手順104において、
MFC28g,28hを制御するように動作し、これに
よって、ガス供給源26ZからArガスがノズル20、
24に供給される。この後、静電チャック8を導通し
て、ウェハ搬送ロボット33で搬送されたウェハWを基
板支持部7に固定する。
【0052】続いて、処理プログラムは、手順106に
おいて、ジェネレータ14s、14tからRF電力をコ
イル12、17に供給するように動作し、これによって
プラズマが生成される。電力印加は、処理チャンバ2内
の圧力を安定させるために所定の時間だけ経過した後に
行われる。RFジェネレータ14tによりトップコイル
12tに高周波電力を印加し、処理チャンバ2内にプラ
ズマを発生させる。この時の高周波電力は例えば1KW
である。また、RFジェネレータ14sによりサイドコ
イル12に高周波電力を印加する。この時の高周波電力
は、例えば2KWである。サイドコイル12のパワー
は、トップコイル17のパワーより大きい。
【0053】次いで、処理プログラムは、手順108に
おいて、MFC28hを制御してサイドノズル24に供
給されるArガスの流量を減少すると共に、MFC28
e、28fを制御してガス供給源26YのO2ガスをノ
ズル20、24に供給するように動作する。
【0054】続いて、処理プログラムは、手順110に
おいて、プラズマが発生された状態で、所定の時間だけ
ウエハWを放置するように動作し、これによって、プラ
ズマの熱によりウェハWの表面が加熱される。
【0055】この後、処理プログラムは、トップコイル
20に印加するRF電力を1.3KWに上げると共に、
サイドコイル24に印加するRF電力を3.1KWに上
げるように動作する。これとほぼ同時に、処理プログラ
ムは、手順112において、MFC28a、28bを制
御してガス供給源28WのSiF4ガスをノズル20、
24に供給すると共に、MFC28c、28dを制御し
てガス供給源26XのSiH4ガスをノズル20、24
に供給するように動作する。これによって、Arガス及
びO2ガスに加えて、SiF4ガスおよびSiH4ガスが
導入される。これによって、ウェハWの成膜処理を開始
する。このプロセスガスの組合せでは、フッ素含有シリ
コン酸化膜(FSG膜)が形成される。
【0056】所定膜厚の成膜が完了した後、処理プログ
ラムは、手順114において、MFC28a、28bを
制御してガス供給源28WからSiF4ガスを供給する
ことを停止すると共に、MFC28c、28dを制御し
てガス供給源26XからSiH4ガスの供給を停止する
ように動作する。これによって、ウエハW上における成
膜が停止する。
【0057】次いで、処理プログラムは、手順116に
おいて、ジェネレータ14s、14tからコイル12、
17への電力供給を停止するように動作し、これによっ
てプラズマが消失する。
【0058】その後に、静電チャック8の動作を停止す
る。続いて、処理プログラムは、手順118において、
MFC28g、28hを制御してノズル20、24に供
給されるArガスを停止すると共に、MFC28e、2
8fを制御してガス供給源26YのO2ガスをノズル2
0、24に供給することを停止するように動作する。こ
れによって、反応チャンバ2へのガスの供給が停止され
る。
【0059】そして、手順120において、一連の成膜
ステップが完了する。ウェハ搬送ロボット33によりウ
ェハWを処理チャンバ2の外部へ搬送して、1枚目のウ
ェハに成膜が終了する。
【0060】このような成膜手順において、サイドコイ
ル(図1または図7の24)の両端に発生する電圧振幅が
低減されているので、反応副生成物の生成がサイドコイ
ルの電力導入部近傍に確認されなかった。故に、これま
で説明された実施の形態に対する効果は明らかに認めら
れる。発明者は、反応副生成物の成膜に対する影響さら
にを調査するために実験を行った。
【0061】プラズマ成膜装置の特性を評価する方法と
して、Arスパッタ法がある。この方法では、基板上に
形成されたシリコン酸化膜に対してArスパッタリング
を本プラズマ成膜装置で行って、スパッタレート、スパ
ッタ面内均一性の値を評価する。
【0062】まず、比較例について説明する。図11
(a)は、所定のクリーニングを行った後のスパッタリン
グ結果を示す。図11(b)は、50枚のFSG膜を形成
した後におけるスパッタリング結果を示す。図11(a)
および図11(b)には、スパッタリングの面内依存性が
示されている。図11(a)および図11(b)に示された
結果を比較すると、成膜前後において膜厚の面内分布が
異なっている。具体的に示せば、 成膜前 スパッタレート;168.0nm/min 面内ばらつき:1.25% 成膜後 スパッタレート;162.1nm/min 面内ばらつき:2.88% となる。この結果より、面内ばらつきが著しく変化して
いる。
【0063】次いで、改良されたプラズマ成膜装置を用
いたときの結果を示す。図12(a)および図12(b)に
は、スパッタリングの面内依存性が示されている。図1
2(a)は、所定のクリーニングを行った後のスパッタリ
ング結果を示す。図12(b)は、50枚のFSG膜を形
成した後におけるスパッタリング結果を示す。図12
(a)および図12(b)に示された結果を比較すると、膜
厚の面内分布およびスパッタレートが、成膜前後におい
て非常に小さくなっている。具体的に示せば、 成膜前 スパッタレート;165.8nm/min 面内ばらつき:1.05% 成膜後 スパッタレート;164.1nm/min 面内ばらつき:1.43% となる。この結果より、比較例と比べて面内ばらつきお
よびスパッタレートの特性が著しく改善されている。
【0064】図13(a)および図13(b)は、FSG膜
の膜厚の面内分布を示している。このFSG膜は、改良
されたプラズマ成膜装置1、60に用いて図10に示さ
れた成膜手順で形成された。図13(a)は、一枚目のF
SG膜厚の面内分布を表す等高線を示し、図13(b)は
50枚目のFSG膜厚の面内分布を表す等高線を示して
いる。“+”は膜厚の平均値より厚いことを意味し、
“−”は膜厚の平均値より厚いことを意味する。具体的
な特性値によって比較すると、 1枚目ウエハ 膜厚 :1045.5nm 膜厚均一性 :1.28% 平均フッ素濃度:4.19% フッ素濃度範囲:0.6% 50枚目ウエハ 膜厚 :1053.4nm 膜厚均一性 :1.39% 平均フッ素濃度:4.13% フッ素濃度範囲:0.6% となる。この結果から分かるように、改良されたプラズ
マ成膜装置を用いると、50枚の成膜後にも特性変動が
小さい。
【0065】以上、本発明に係る成膜方法の好適な実施
形態について説明してきた。SiH 4ガスおよびSiF4
ガスを用いたFSG膜を形成する場合について説明した
けれども、、本発明は、これに限定されないことは言う
までもない。また、上記実施形態では、SiF4ガス、
SiH4ガス、O2ガス、およびArガスの混合ガスをプ
ロセスガスとして使用したけれども、プロセスガスは、
特にそのようなガスに限定されない。例えば、ケイ素含
有ガスとしてSiHCl3ガスを使用することができ、
酸化系ガスとしてNOガス、N2Oガス、NO2ガスを使
用してもよい。また、ウェハWの表面に形成する絶縁膜
は、FSG膜に限らない。特に、フッ素系ガスを反応チ
ャンバ内に導入するウエハ処理プロセスに適用すると、
その効果は顕著である。また、本実施形態ではHDPC
VD装置を例示的に説明したけれども、特定の構造の装
置に限定されるものではない。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
わる成膜方法では、コイルは、基準電位線と容量的に結
合されているので、基準電位線に容量的に結合されるコ
イルの位置と、電力が供給されるコイルの位置との両方
が、交流電源から与えられる電力に応じて振動する。こ
のため、これらの位置における電源振幅は、従来の成膜
方法におけるものと比べて低減される。
【0067】したがって、プラズマ成膜中に発生する反
応副生成物を低減できる成膜方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係るプラズマCV
D装置を示す図面である。
【図2】図2は、図1に示す処理チャンバの一部分を示
す断面図である。
【図3】図3は、図2のI−I断面における断面図であ
り、II-II断面は、図1および図2における断面を示
す。
【図4】図4(a)は、比較例のプラズマCVD装置を示
す模式図である。図4(b)は、第1の実施の形態に係る
プラズマCVD装置を示す模式図である。図4(c)は、
マッチング回路を示す図面である。
【図5】図5(a)は、比較例のプラズマCVD装置のコ
イルの電圧分布を示す特性図である。図5(b)は、第1
の実施の形態に係るプラズマCVD装置のコイルの電圧
分布を示す特性図である。
【図6】図6(a)は、複素平面において電位分布を示す
ためのベクトル図を示す。図6(b)は、実施の形態に係
わるプラズマ成膜装置の電力系の等価回路図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態に係るプラズマCV
D装置を示す図面である。
【図8】図8は、プラズマCVD装置を示す模式図であ
る。
【図9】図9は、制御部を示す機能ブロック図である。
【図10】図10は、プロセスガス制御部の処理手順を
示すフローチャートである。
【図11】図11(a)および図11(b)は、比較例のた
めのArスパッタリング特性を示す図面である。
【図12】図12(a)および図12(b)は、実施例に係
わるArスパッタリング特性を示す図面である。
【図13】図13(a)および図13(b)は、成膜特性を
示す図面である。
【図14】図14は、反応チャンバ内壁を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1、60…高密度プラズマCVD装置、2…反応チャン
バ、7…基板支持部、10a…容量性結合回路、10a
…誘導性結合回路、11…電磁デバイス、18…ガス導
入部、20…トップノズル、21…ガス導入部、20…
サイドノズル、25a,25b…フッ素含有ガス供給ラ
イン、25c,25d…ケイ素含有ガス供給ライン、2
5e,25f…酸化系ガス供給ライン、25g,25h
…不活性ガス供給ライン、26W…フッ素含有ガス供給
源、26X…ケイ素含有ガス供給源、26Y…酸化系ガ
ス供給源、26Z…不活性ガス供給源、27a,27b
…フッ素含有ガス供給系開閉バルブ、27c,27d…
ケイ素含有ガス供給系開閉バルブ、27e,27f…酸
化系ガス供給系開閉バルブ、27g,27h…不活性ガ
ス供給系開閉バルブ、28a,28b…ケイ素含有ガス
供給系MFC、28c,28d…ケイ素含有ガス供給系
MFC、28e,28f…酸化系ガス供給系MFC、2
8g,28h…不活性ガス供給系MFC、30…制御装
置、30d…プロセスガス制御部、W…ウェハ(被処理
基板)。
フロントページの続き (72)発明者 田畑 篤 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 (72)発明者 小関 勝成 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 (72)発明者 岩田 秀之 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA04 AA06 AA14 BA44 CA04 FA03 FA04 LA15 5F045 AA08 AB32 AC01 AC02 AC11 AC16 AF03 BB15 DP03 DP04 EB02 EH12 EH20 5F058 BA20 BC02 BC04 BF07 BF23 BF24 BF29 BG01 BJ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準電位線と容量的に結合されると共に
    1またはそれ以上の回数で反応チャンバに巻き回された
    コイルに交流電源から電力を供給することによって、反
    応チャンバ内に導入されたプロセスガスをプラズマ化し
    て、被処理基板上に膜を堆積するステップを備える、成
    膜方法。
  2. 【請求項2】 前記コイルは、キャパシタを介して基準
    電位線と結合されている、請求項1に記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記コイルは、前記交流電源と誘導的に
    結合されている、請求項1または請求項2に記載の成膜
    方法。
  4. 【請求項4】 前記電力は、インダクタを介して前記コ
    イルに供給されている、請求項3に記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 1またはそれ以上の回数で反応チャンバ
    に巻き回されたコイルにトランスを介して交流電源から
    電力を供給することによって、前記反応チャンバ内に導
    入されたプロセスガスをプラズマ化して、被処理基板上
    に膜を堆積するステップを備え、 前記トランスの一次側は前記交流電源に結合される共
    に、前記トランスの二次側は前記コイルに結合されてお
    り、この二次側は基準電位線に接続された中間端子を有
    する、成膜方法。
  6. 【請求項6】 膜の構成元素を含むプロセスガスを前記
    反応チャンバに導入するステップを更に備える、請求項
    1〜請求項5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 【請求項7】 プラズマ成膜装置を準備するステップ
    と、 前記プラズマ成膜装置においてプロセスガスおよび電力
    を供給して、被処理基板上に膜を堆積するステップを備
    え、 前記プラズマ成膜装置は、 反応チャンバと、 プロセスガスを前記反応チャンバ内に供給するための手
    段と、 1またはそれ以上の回数で前記反応チャンバに巻き回さ
    れたコイルと、 前記プロセスガスをプラズマ化するための電力を前記コ
    イルに提供するための交流電源と、 前記コイルと基準電位線とを結合する容量性の第1の結
    合回路と、を備える成膜方法。
  8. 【請求項8】 前記プラズマ成膜装置は前記コイルと前
    記交流電源とを結合する誘導性の第2の結合回路を更に
    備える、請求項7に記載の成膜方法。
  9. 【請求項9】 プラズマ成膜装置を準備するステップ
    と、 前記プラズマ成膜装置においてプロセスガスおよび電力
    を供給して、被処理基板上に膜を堆積するステップとを
    備え、 前記プラズマ成膜装置は、 反応チャンバと、 プロセスガスを前記反応チャンバ内に供給するための手
    段と、 1またはそれ以上の回数で前記反応チャンバに巻き回さ
    れたコイルと、 前記プロセスガスをプラズマ化するための電力を前記コ
    イルに提供するための交流電源と、 前記交流電源に接続された一次側、前記コイルに接続さ
    れた二次側、および前記二次側に設けられ基準電位線に
    接続された中間端子を有するトランスと、を備える成膜
    方法。
  10. 【請求項10】 前記コイルは、インピーダンス整合回
    路を介して前記交流電源と結合されている、請求項1〜
    請求項9のいずれかに記載の成膜方法。
  11. 【請求項11】 前記プロセスガスは、フッ素含有物
    質、シリコン含有物質、酸素含有物質を含む、請求項1
    〜請求項10のいずれかに記載の成膜方法。
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