JP4604452B2 - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70341Details of immersion lithography aspects, e.g. exposure media or control of immersion liquid supply

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影光学系と基板との間に液浸領域を形成した状態で基板にパターンを露光する露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや液晶表示デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、マスクを支持するマスクステージと基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に転写するものである。近年、デバイスパターンのより一層の高集積化に対応するために投影光学系の更なる高解像度化が望まれている。投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短いほど、また投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、露光装置で使用される露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大している。そして、現在主流の露光波長はKrFエキシマレーザの248nmであるが、更に短波長のArFエキシマレーザの193nmも実用化されつつある。また、露光を行う際には、解像度と同様に焦点深度(DOF)も重要となる。解像度R、及び焦点深度δはそれぞれ以下の式で表される。
R=k・λ/NA … (1)
δ=±k・λ/NA … (2)
ここで、λは露光波長、NAは投影光学系の開口数、k、kはプロセス係数である。(1)式、(2)式より、解像度Rを高めるために、露光波長λを短くして、開口数NAを大きくすると、焦点深度δが狭くなることが分かる。
【0003】
焦点深度δが狭くなり過ぎると、投影光学系の像面に対して基板表面を合致させることが困難となり、露光動作時のマージンが不足するおそれがある。そこで、実質的に露光波長を短くして、且つ焦点深度を広くする方法として、例えば下記特許文献1に開示されている液浸法が提案されている。この液浸法は、投影光学系の下面と基板表面との間に水や有機溶媒等の液体を満たして液浸領域を形成し、液体中での露光光の波長が空気中の1/n(nは液体の屈折率で通常1.2〜1.6程度)になることを利用して解像度を向上するとともに、焦点深度を約n倍に拡大するというものである。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第99/49504号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
露光装置においては、基板の露光中にフォーカス検出系より基板表面に検出光を投射し、その反射光を受光することで基板表面位置を検出することが一般に行われている。液浸法に基づく液浸露光装置においては投影光学系と基板との間に液浸領域が形成されるが、液体は空気等の気体に比べて比熱が大きく温度変化しやすい。そのため、温度変化しやすい液浸領域の液体中を検出光が通過すると、その液体の温度変化に基づく屈折率変化の影響を受けて基板表面の面位置が正確に検出できなくなる可能性が生じる。液浸領域の外側の基板表面に検出光を投射することも考えられるが、投影領域の面位置情報を精度良く検出するためには投影領域の近傍に検出光を投射することが好ましい。液体の温度管理を厳密に行うことにより検出光が液体中を通過しても基板表面の位置検出を精度良く行うことができるが、温度管理のために装置構成が複雑化する。
【0006】
また、液浸領域の液体は露光光の照射により温度変化(温度上昇)するが、例えば基板上に複数のショット領域を設定しこれら複数のショット領域のそれぞれを順次露光する際、ある1つのショット領域の露光に用いられ温度上昇した液体が基板上に残存していると、次のショット領域を露光するときに用いる液体が前記温度上昇した液体の影響を受けて液体の屈折率が変動し、パターンの像に悪影響を及ぼす可能性がある。この場合、次のショット領域では精度良いパターン転写を行うことができなくなる。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、投影光学系と基板との間に液浸領域を形成した状態で露光処理する際、液体の温度変化に起因するパターン転写精度の低下を抑制できる露光装置及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、液浸露光を行う場合にも、投影領域の近傍に検出光を投射して基板表面位置を精度良く検出できる露光装置及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図18に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、投影光学系(PL)の投影領域(AR1)を含む基板(P)上の一部に液浸領域(AR2)を形成し、投影光学系(PL)と基板(P)との間の液体(1)及び投影光学系(PL)を介してパターン像を基板(P)上に投影し、基板(P)の複数のショット領域(S1〜S12)を順次露光する露光装置において、液浸領域(AR2)を形成するために、投影光学系(PL)の少なくとも先端付近の側面(3)を伝って基板(P)上に液体(1)を供給する液体供給機構(10)を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、投影光学系の先端付近の側面を伝って基板上に液体を供給するようにしたので、液浸領域を小さくすることができる。したがって、基板の面位置情報を検出するための検出光を液浸領域以外の空間(例えば空気中)を通過させつつ投影領域の近傍に投射することができる。このように、検出光は温度変化しやすい液体中を通過しないで基板上の投影領域の近傍に投射される構成であるので、液体の温度変化の影響を受けずに基板の面位置情報を精度良く検出することができ、高いパターン転写精度を得ることができる。また、液浸領域を小さくすることができるので、基板上に配置される液体量を少なくすることができ、これにより液体使用量を抑えることができるとともに、液体の基板(レジスト)表面に対する影響(レジスト溶解など)を最小限に抑えることができる。また、基板上に配置される液体量を少なくすることで液体の気化も抑えられ、基板のおかれている環境(湿度など)の変動を抑えることができ、これにより各種光学的検出装置の検出光の光路上の屈折率変化が生じる可能性を抑制して所望のパターン転写精度を得ることができる。
【0010】
本発明の露光装置(EX)は、投影光学系(PL)の投影領域(AR1)を含む基板(P)上の一部に液浸領域(AR2)を形成し、投影光学系(PL)と基板(P)との間の液体(1)及び投影光学系(PL)を介してパターン像を基板(P)上に投影し、基板(P)の複数のショット領域(S1〜S12)を順次露光する露光装置において、液浸領域(AR2)を形成するために基板(P)上に液体(1)を供給する液体供給機構(10)と、基板(P)上の第1ショット領域を露光するときに使われた液体(1)が第2ショット領域を露光するときに投影領域(AR1)に入らないように基板(P)上の液体(1)を回収する液体回収機構(20)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、基板上の複数のショット領域を順次露光する際、第1ショット領域を露光するときに使われた液体が第2ショット領域を露光するときに投影領域に入らないように回収するようにしたので、第2ショット領域を露光するときに使われる液体は、第1ショット領域を露光したときに使われ露光光の照射により温度上昇している液体の影響を受けない、もしくはその液体の影響が低減されている。したがって、液体の温度変化に起因する液体の屈折率変動の発生を抑制して精度良いパターン転写を行うことができる。また、露光に使われた液体は基板(レジスト)表面の不純物を混在している可能性があるが、第1ショット領域を露光するときに使われた液体は回収されて第2ショット領域を露光するときに投影領域に入らないので、各ショット領域のそれぞれについて清浄な液体を使って露光処理できる。また、1つのショット領域に対して使った液体を直ちに回収することにより、残存する液体の気化に起因する基板の熱変動の発生を抑えることができる。
ここで、第1ショット領域及び第2ショット領域は任意の連続した2つのショット領域をいう。また、第1ショット領域の露光中に使われた液体とは、少なくとも第1ショット領域の露光中に投影領域内に存在していた、あるいは投影領域を通過した液体を含むものである。
【0012】
本発明の露光装置(EX)は、投影光学系(PL)の投影領域(AR1)を含む基板(P)上の一部に液浸領域(AR2)を形成し、投影光学系(PL)と基板(P)との間の液体(1)及び投影光学系(PL)を介してパターン像を投影領域(AR1)内に投影するとともに、投影領域(AR1)に対して基板(P)を所定の走査方向(X)に移動することによって基板(P)上の複数のショット領域(S1〜S12)のそれぞれを順次露光する露光装置において、液浸領域(AR2)を形成するために基板(P)上に液体(1)を供給する液体供給機構(10)と、液体(1)の供給と並行して基板(P)上の液体(1)の回収を行う液体回収機構(20)とを備え、液体回収機構(20)は、投影領域(AR1)に対して走査方向(X)と交差する非走査方向(Y)に離れて配置された、非走査方向(Y)に延びる液体回収口(33A、34A)を有することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、前のショット領域の露光中に使われた液体をその露光後に効率良く回収でき、複数のショット領域のそれぞれを順次露光する際、基板上に液体が残存する状態が生じるのを抑えることができる。また、基板の面位置情報を検出するための検出光は、投影領域に対して走査方向に沿う基板上の所定領域(AF領域)に投射される場合が多いが、液体回収機構の液体回収口は、投影領域に対して非走査方向に離れて配置され、非走査方向に延びるように設けられているので、液体回収機構を検出光の光路を遮らない位置に配置することができ、これにより検出光による投影領域の面位置情報検出を円滑且つ高精度に行うことができる。
【0014】
本発明の露光装置(EX)は、投影光学系(PL)の投影領域(AR1)を含む基板(P)上の一部に液浸領域(AR2)を形成し、投影光学系(PL)と基板(P)との間の液体(1)及び投影光学系(PL)を介してパターン像を投影領域(AR1)内に投影するとともに、投影領域(AR1)に対して基板(P)を所定の走査方向(X)に移動することによって基板(P)上の複数のショット領域(S1〜S12)のそれぞれを順次露光する露光装置において、液浸領域(AR2)を形成するために基板(P)上に液体(1)を供給する液体供給機構(10)と、液体(1)の供給と並行して、投影領域(AR1)に対して走査方向(X)に離れた回収位置で、基板(P)上の液体(1)の回収を行う液体回収機構(20、31A、32A)と、パターン像が形成される像面と基板(P)表面との位置関係を調整するために、基板(P)表面の面位置情報を検出する検出系(60)とを備え、検出系(60)は、投影領域(AR1)と回収位置(31A、32A)との間で面位置情報の検出を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、検出系による面位置情報検出は、投影領域と液体回収位置との間で行われるので、投影領域の近傍において投影領域の面位置情報を精度良く検出することができる。ここで、基板は所定の走査方向に移動しながら露光されるので、液体供給機構より基板上に供給された液体は基板上の移動方向手前側に拡がらず液浸領域を形成しない。したがって、検出光は液体中を通過することなく基板上の投影領域の近傍に投射可能となるので、投影領域の面位置情報を精度良く検出できる。
【0016】
本発明のデバイス製造方法は、上記記載の露光装置(EX)を用いることを特徴とする。本発明によれば、良好なパターン精度で形成されたパターンを有し、所望の性能を発揮できるデバイスを提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
【0018】
また、本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、基板P上に液体1を供給する液体供給機構10と、液体供給機構10による液体1の供給と並行して基板P上の液体1を回収する液体回収機構20とを備えている。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に転写している間、液体供給機構10から供給した液体1により投影光学系PLの投影領域AR1を含む基板P上の一部に液浸領域AR2を形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの先端部の光学素子2と基板Pの表面との間を液体1で満たし、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体1及び投影光学系PLを介してマスクMのパターン像を基板P上に投影し、基板Pを露光する。
【0019】
ここで、本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上に感光性材料であるフォトレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
【0020】
照明光学系ILはマスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
【0021】
マスクステージMSTはマスクMを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。マスクステージMSTはリニアモータ等のマスクステージ駆動装置MSTDにより駆動される。マスクステージ駆動装置MSTDは制御装置CONTにより制御される。マスクステージMST上には移動鏡50が設けられている。また、移動鏡50に対向する位置にはレーザ干渉計51が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計51によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計51の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動することでマスクステージMSTに支持されているマスクMの位置決めを行う。
【0022】
投影光学系PLはマスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光するものであって、基板P側の先端部に設けられた光学素子(レンズ)2を含む複数の光学素子で構成されており、これら光学素子は鏡筒PKで支持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、本実施形態の投影光学系PLの先端部の光学素子2は鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に設けられており、光学素子2には液浸領域AR2の液体1が接触する。
【0023】
更に、光学素子2を含む投影光学系PLの先端部付近はテーパ状に形成されており、投影光学系PLの先端部付近においてX軸方向(走査方向)両側のそれぞれには傾斜側面3、3が形成されている。本実施形態では、投影光学系PLの先端部に設けられた光学素子2がテーパ状に形成されており、この光学素子2に傾斜側面3、3が形成されている。なお、傾斜側面3、3は鏡筒PKに形成されていてもよいし、鏡筒PK及び光学素子2に亘って形成されていてもよい。また、側面3、3のそれぞれに沿うようにガイド板4、4が配置されている。ガイド板4、4は側面3、3と対向する位置において僅かに離間(例えば1mm程度)するように設けられており、側面3とガイド板4との間には流体1が流通可能である。
【0024】
基板ステージPSTは基板Pを支持するものであって、基板Pを基板ホルダを介して保持するZステージ52と、Zステージ52を支持するXYステージ53と、XYステージ53を支持するベース54とを備えている。基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動装置PSTDにより駆動される。基板ステージ駆動装置PSTDは制御装置CONTにより制御される。Zステージ52を駆動することにより、Zステージ52に保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置が制御される。また、XYステージ53を駆動することにより、基板PのXY方向における位置(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向の位置)が制御される。すなわち、Zステージ52は、基板Pのフォーカス位置及び傾斜角を制御して基板Pの表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ53は基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行う。なお、ZステージとXYステージとを一体的に設けてよいことは言うまでもない。
【0025】
基板ステージPST(Zステージ52)上には移動鏡55が設けられている。また、移動鏡55に対向する位置にはレーザ干渉計56が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角はレーザ干渉計56によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計56の計測結果に基づいて基板ステージ駆動装置PSTDを駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板Pの位置決めを行う。また、露光装置EXは、基板ステージPSTに支持されている基板P表面の面位置情報を検出するためのフォーカス検出系60(図3参照)を備えている。基板ステージPST上の基板PのZ軸方向の位置情報、及びθX、θY方向の位置情報はフォーカス検出系60によりリアルタイムで検出され、検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはフォーカス検出系60の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置PSTDを駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板Pの位置制御(姿勢制御)を行う。
【0026】
また、基板ステージPST(Zステージ52)上には、基板Pを囲むように補助プレート57が設けられている。補助プレート57は基板ホルダに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さの平面を有している。ここで、基板Pのエッジと補助プレート57との間には1〜2mm程度の隙間があるが、液体1の表面張力によりその隙間に液体1が流れ込むことはほとんどなく、基板Pの周縁近傍を露光する場合にも、補助プレート57により投影光学系PLの下に液体1を保持することができる。
【0027】
図2は液体供給機構10及び液体回収機構20を示す概略構成図である。図2において、液体供給機構10は液浸領域AR2を形成するために所定の液体1を基板P上に供給するものであって、液体1を供給可能な第1液体供給部11及び第2液体供給部12と、その一端部を第1液体供給部11に接続した流路を有する供給管11Aと、その一端部を第2液体供給部12に接続した流路を有する供給管12Aと、投影光学系PLの先端部付近の一方(−X側)の側面3とガイド板4との間に形成され、液体1を流通可能な第1流路13と、他方(+X側)の側面3とガイド板4との間に形成され、液体1を流通可能な第2流路14とを備えている。第1、第2流路13、14は、上端開口部である入口部13A、14A及び下端開口部である出口部13B、14Bをそれぞれ備えている。そして、供給管11Aの他端部が第1流路13の入口部13Aに接続され、供給管12Aの他端部が第2流路14の入口部14Aに接続されている。また、第1、第2流路13、14それぞれの出口部13B、14Bは基板Pの表面に近接して配置されている。第1、第2流路13、14は、第1、第2液体供給部11、12のそれぞれから送出され、供給管11A、12Aを通過した液体1を入口部13A、14Bより入れ、出口部13B、14Bから出すことで、液体1を基板P上に供給する。すなわち、液体供給機構10は、投影光学系PLの先端部の側面3を伝って基板P上に液体1を供給し、更に具体的には、側面3、3とガイド板4、4との間に形成された第1、第2流路13、14に液体1を流して、基板P上に液体1を供給する。ここで、第1、第2流路13、14それぞれの出口部13B、14Bは基板Pの面方向において互いに異なる位置に設けられている。具体的には、出口部13Bは投影領域AR1に対して走査方向一方側(−X側)に設けられ、出口部14Bは他方側(+X側)に設けられている。液体供給機構10は、第1、第2液体供給部11、12を駆動することにより、第1、第2流路13、14の出口部13B、14Bを介して、走査方向と平行な方向であるX軸方向に関して、投影領域AR1の両側で液体1の供給を同時に行うことができるようになっている。
【0028】
第1、第2液体供給部11、12のそれぞれは、液体1を収容するタンク、及び加圧ポンプ等を備えている。第1、第2液体供給部11、12の液体供給動作は制御装置CONTにより制御され、制御装置CONTは第1、第2液体供給部11、12による基板P上に対する単位時間あたりの液体供給量をそれぞれ独立して制御可能である。
【0029】
本実施形態において、液体1には純水が用いられる。純水はArFエキシマレーザ光のみならず、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
【0030】
また、液体供給機構10のうち、流路13、14を構成する投影光学系PLの側面3には、液体1との親和性を高める親液化処理(親水化処理)が施されている。本実施形態において、液体1は水であるため、側面3には水との親和性に応じた表面処理が施されている。流路13、14を構成する側面3に親液化処理を施すことにより、流体1は円滑に流通される。
【0031】
側面3に対する表面処理は液体1の極性に応じて行われる。本実施形態における液体1は極性の大きい水であるため、側面3に対する親水化処理として、例えばアルコールなど極性の大きい分子構造の物質で薄膜を形成することで、この側面3に対して親水性を付与する。あるいは、側面3に対して、例えば処理ガスとして酸素(O)を用いてプラズマ処理するOプラズマ処理を施すことによっても親水性を付与することができる。このように、液体1として水を用いる場合には側面3にOH基など極性の大きい分子構造を持ったものを表面に配置させる処理が望ましい。ここで、表面処理のための薄膜は液体1に対して非溶解性の材料により形成される。また、親液化処理は、使用する液体1の材料特性に応じてその処理条件を適宜変更される。
【0032】
なお、親液化処理は投影光学系PLの側面3のみならず、流路13、14を構成するガイド板4に対しても親液化処理を施すことが可能である。
【0033】
図3は液体供給機構10及び液体回収機構20の概略構成を示す斜視図である。図3に示すように、ガイド板4は断面視コ字状に形成されており側面3に接続されている。そして、側面3とガイド板4との間にスリット状の流路13、14が設けられている。なお、流路13、14それぞれのY軸方向両端は断面視コ字状に形成されたガイド板4の側面により閉塞されている。流路13、14を流れた液体1はY軸方向に延びる出口部13B、14Bから基板P上に供給される。また、出口部13Bと出口部14BとのX軸方向における間隔は、投影光学系PLの先端部のX軸方向における大きさ、ひいては投影領域AR1のX軸方向における大きさとほぼ同じ値に設定されている。なお、図3において、光学素子2の上面は球面状に成形されている。また図3においては、簡単のために、光学素子2はXZ平面と平行な二つの側面を持つ形状となっているが、この二つの側面は実際にはXZ平面に対して傾斜した平面、又は曲面である。
【0034】
また、図3に示すように、露光装置EXは基板P表面の面位置情報を検出するためのフォーカス検出系60を備えている。フォーカス検出系60は、基板P上の投影領域AR1に対して走査方向一方側(−X側)の所定領域(以下、適宜「第1AF領域」と称する)AF1において面位置情報を検出する第1検出系61と、他方側(+X側)の所定領域(以下、適宜「第2AF領域」と称する)AF2において面位置情報を検出する第2検出系62とを備えている。本実施形態のフォーカス検出系60(61、62)は所謂斜入射方式フォーカス検出系であって、第1検出系61は、第1AF領域AF1に検出光を斜め方向から投射する投射部61Aと、第1AF領域AF1で反射した反射光を受光する受光部61Bとを備えている。一方、第2検出系62は、第2AF領域AF2に検出光を斜め方向から投射する投射部62Aと、第2AF領域AF2で反射した反射光を受光する受光部62Bとを備えている。ここで、投射部61Aと受光部61BとはY軸方向に沿って配置されており、検出光及びその反射光は基板Pの非走査方向であるY軸方向に沿う光路を有する。同様に、投射部62Aと受光部62BともY軸方向に沿って配置されており、検出光及びその反射光は基板Pの非走査方向であるY軸方向に沿う光路を有する。
【0035】
なお、図3においては、フォーカス検出系60の投射部61Aからの検出光は、第1AF領域AF1無いにおいて、走査方向(X方向)に沿って3箇所に投射されているが、非走査方向(Y方向)に沿った複数箇所に投射してもよいし、二次元的な複数箇所に投射するようにしてもよい。また1点に投射するようにしてもよい。また、投射部や受光部の位置も図3の位置に限られない。
【0036】
フォーカス検出系60による基板Pの面位置情報の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはフォーカス検出系60の検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置PSTDを介して基板ステージPST上の基板Pの位置及び姿勢を制御することで、投影光学系PLのパターン像が形成される像面と基板P表面との位置関係を調整する。
【0037】
図2及び図3に示すように、基板P上の液体1を回収する液体回収機構20は、第1〜第4液体回収部21〜24(但し、図2には第4液体回収部は図示されていない)と、これら液体回収部21〜24のそれぞれに流路を有する回収管21A〜24Aを介して接続され、基板Pの表面に近接して配置された第1〜第4液体回収部材31〜34とを備えている。第1〜第4液体回収部材31〜34のそれぞれは基板P側に向いた第1〜第4液体回収口31A〜34Aを有している。液体回収部21〜24は例えば真空ポンプ等の吸引装置、及び回収した液体1を収容するタンク等を備えており、基板P上の液体1を液体回収部材31〜34及び回収管21A〜24Aを介して回収する。第1〜第4液体回収部21〜24の液体回収動作は制御装置CONTによりそれぞれ独立して制御され、制御装置CONTは第1〜第4液体回収部21〜24による単位時間あたりの液体回収量をそれぞれ独立して制御可能である。
【0038】
図4は第1〜第4液体回収部材31〜34の第1〜第4液体回収口31A〜34Aと、投影領域AR1及び第1、第2AF領域AF1、AF2との位置関係を模式的に示す平面図である。図4に示すように、投影光学系PLの投影領域AR1はY軸方向(非走査方向)を長手方向とする矩形状に設定されている。また、図4には図示していないが、上述したように液体供給機構10の出口部13B、14BのそれぞれはY軸方向に延びるスリット状であり、出口部13B、14BのX軸方向における間隔は投影領域AR1とほぼ同じ大きさに設定されているので、液体1が満たされる液浸領域AR2は投影領域AR1を含むように基板P上の一部に形成される。
【0039】
第1〜第4液体回収口31A〜34Aのそれぞれは、Y軸方向(非走査方向)に延びるように矩形状に設けられ、Y軸方向に関して所定の長さを有している。第1〜第4液体回収口31A〜34AそれぞれのY軸方向における長さは投影領域AR1より長く形成されている。更に好ましくは、液浸領域AR2のY軸方向における長さ(出口部13B、14BのY軸方向における長さ)より長く形成されている。第1、第2液体回収口31A、32AはX軸方向(走査方向)に関して投影領域AR1の両側に配置され、この投影領域AR1に対して離れた位置に設けられている。第3、第4液体回収口33A、34AはX軸方向と交差するY軸方向(非走査方向)に関して投影領域AR1の両側に配置され、この投影領域AR1に対して離れた位置に設けられている。具体的には、第1液体回収口31Aは投影領域AR1に対してX軸方向一方側(−X側)に設けられ、第2液体回収口32Aは他方側(+X側)に設けられ、第3液体回収口33AはY軸方向一方側(−Y側)に設けられ、第4液体回収口34Aは他方側(+Y側)に設けられている。
【0040】
液体回収機構20は、液体回収部21〜24を駆動することにより、液体回収口31A〜34Aを介して基板P上の液体1を回収する。すなわち、液体回収口31A〜34Aの設置位置が基板P上の液体1の回収を行う回収位置である。液体回収機構20は、第1、第2液体回収部21、22を駆動することにより、投影領域AR1に対してX軸方向に離れた回収位置で、基板P上の液体1の回収を行うことができる。また、液体回収機構20は、第3、第4液体回収部23、24を駆動することにより、投影領域AR1に対してY軸方向に離れた回収位置で、基板P上の液体1の回収を行うことができる。
【0041】
図4に示すように、第1AF領域AF1は投影領域AR1と第1液体回収口31Aとの間に設定され、第2AF領域AF2は投影領域AR1と第2液体回収口32Aとの間に設定されている。すなわち、本実施形態において、フォーカス検出系60(第1、第2検出系61、62)は、第1、第2液体回収口31A、32Aによる液体回収位置のそれぞれと投影領域AR1との間で、基板Pの面位置情報を検出を行うようになっている。
【0042】
面位置情報検出時に用いられる第1、第2AF領域AF1、AF2には液体1が配置されないようになっている。すなわち、基板Pの面位置情報検出時に用いられるAF領域AF1、AF2はどちらか一方が非液浸領域となっている。
【0043】
投影領域AR1に対してY軸方向両側に設けられた第3、第4回収部材33、34はY軸方向を長手方向とし、投影領域AR1に対してY軸方向に沿って並ぶように設けられ、しかもそのX軸方向の幅は投影領域AR1の幅とほぼ同じに設けられているので、Y軸方向に沿う光路を有し、第1、第2AF領域AF1、AF2に投射される検出光及びその反射光は液体回収部材31〜34によりその光路を遮られないようになっている。
【0044】
ここで、液体供給機構10及び液体回収機構20を構成する各部材のうち少なくとも液体1が流通する部材は、例えばポリ四フッ化エチレン等の合成樹脂により形成されている。これにより、液体1に不純物が含まれることを抑制できる。
【0045】
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターン像を基板Pに露光する方法について説明する。
ここで、本実施形態における露光装置EXは、マスクMと基板PとをX軸方向(走査方向)に移動しながらマスクMのパターン像を基板Pに投影露光するものであって、走査露光時には、液浸領域AR2の液体1及び投影光学系PLを介してマスクMの一部のパターン像が投影領域AR1内に投影され、マスクMが−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、基板Pが投影領域AR1に対して+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。そして、図5の平面図に示すように、基板P上には複数のショット領域S1〜S12が設定されており、1つのショット領域への露光終了後に、基板Pのステッピング移動によって次のショット領域が走査開始位置に移動し、以下、ステップ・アンド・スキャン方式で基板Pを移動しながら各ショット領域に対する走査露光処理が順次行われる。なお、本実施形態では、制御装置CONTは、投影光学系PLの光軸AXが図5の破線矢印58に沿って進むようにレーザ干渉計56の出力をモニタしつつXYステージ53を移動するものとする。
【0046】
まず、マスクMがマスクステージMSTにロードされるとともに、基板Pが基板ステージPSTにロードされたら、走査露光処理を行うに際し、制御装置CONTは液体供給機構10を駆動し、基板P上に対する液体供給動作を開始する。液浸領域AR2を形成するために液体供給機構10の第1、第2液体供給部11、12のそれぞれから供給された液体1は、供給管11A、12Aを流通した後、第1、第2流路13、14を介して基板P上に供給され、投影光学系PLと基板Pとの間に液浸領域AR2を形成する。ここで、供給管11A、12Aを流通した液体1はスリット状に形成された第1、第2流路13、14の幅方向に拡がり、出口部13B、14Bより基板P上の広い範囲に供給される。第1、第2流路13、14の出口部13B、14Bから基板P上に供給された液体1は、投影光学系PLの先端部(光学素子2)の下端面と基板Pとの間に濡れ拡がるように供給され、投影領域AR1を含む基板P上の一部に液浸領域AR2を形成する。このとき、制御装置CONTは、液体供給機構10のうち投影領域AR1のX軸方向(走査方向)両側に配置された第1、第2流路13、14の出口部13B、14Bのそれぞれより、投影領域AR1の両側から基板P上への液体1の供給を同時に行う。
【0047】
本実施形態において、投影領域AR1の走査方向両側から基板Pに対して液体1を供給する際、制御装置CONTは、液体供給機構10の第1、第2液体供給部11、12の液体供給動作を制御し、基板P上の1つのショット領域の走査露光中に、走査方向に関して投影領域AR1の一方側から供給する液体量(単位時間あたりの液体供給量)を、他方側から供給する液体量と異ならせる。具体的には、制御装置CONTは、走査方向に関して投影領域AR1の手前から供給する単位時間あたりの液体供給量を、その反対側で供給する液体供給量よりも多く設定する。
【0048】
例えば、基板Pを+X方向に移動しつつ露光処理する場合、制御装置CONTは、投影領域AR1に対して−X側(すなわち第1液体供給部11)からの液体量を、+X側(すなわち第2液体供給部12)からの液体量より多くし、一方、基板Pを−X方向に移動しつつ露光処理する場合、投影領域AR1に対して+X側からの液体量を、−X側からの液体量より多くする。このように、制御装置CONTは、基板Pの移動方向に応じて、第1、第2液体供給部11、12それぞれの単位時間あたりの液体供給量を変える。
【0049】
また、制御装置CONTは、液体供給機構10の駆動と並行して、液体回収機構20の第1〜第4液体回収部21〜24を駆動し、基板P上の液体1の回収動作を可能状態とする。制御装置CONTは、液体供給機構10及び液体回収機構20により基板Pの表面に対する液体1の供給と並行して基板P上の液体1の回収を行いつつ、基板Pを支持する基板ステージPSTをX軸方向(走査方向)に移動しながら、マスクMのパターン像を投影光学系PLと基板Pとの間の液体1及び投影光学系PLを介して基板P上に投影露光する。このとき、液体供給機構10は走査方向に関して投影領域AR1の両側から第1、第2流路13、14を介して液体1の供給を同時に行っているので、液浸領域AR2は均一且つ良好に形成されている。
【0050】
図6は、基板Pを−X方向に移動しながら基板P上に設定された第1のショット領域(例えば図5のS2、S4など)を露光処理する際の液体1の挙動を示す模式図である。図6において、投影光学系PLと基板Pとの間の空間に対して流路13、14から液体1が同時に供給され、これにより投影領域AR1を含むように液浸領域AR2が形成される。ここで、投影領域AR1に対して+X側に設けられてる流路14から供給される液体1の単位時間あたりの液体量が、−X側に設けられている流路13から供給される液体1の単位時間あたりの液体量より多く設定されており、流路14から供給された液体1は−X方向に移動する基板Pに引っ張られるようにして、投影領域AR1に対して−X側に液浸領域AR2が拡がっていく。
【0051】
基板Pを−X方向に移動しながら第1のショット領域を露光する際、基板Pの面位置情報を検出するために、投影領域AR1に対して+X側の第2AF領域AF2が用いられる。これにより、投影領域AR1には第2AF領域AF2を通過し、面位置情報を検出された基板P上の所定領域が配置される。制御装置CONTは、フォーカス検出系60のうち第2検出系62の投射部62Aより第2AF領域AF2に対して検出光を投射し、この反射光の受光部62Bでの受光結果に基づいて基板Pの面位置情報を検出し、この面位置情報検出結果に基づいて基板ステージPSTを介して基板Pの位置及び姿勢を制御しつつ投影領域AR1内にパターン像を投影する。
【0052】
ここで、液浸領域AR2の液体1は基板Pの−X方向への移動に伴って−X側に引っ張られ、図6に示すように−X側に尾を引くように流れる。このとき、第2AF領域AF2には液体1が拡がらず、第2AF領域AF2を良好に非液浸領域とすることができる。一方、図6に示すように、第1AF領域AF1の一部に液浸領域AR2が形成される場合があるが、この場合、第1AF領域AF1は面位置情報検出に用いられておらず、上述したように、制御装置CONTは第2AF領域AF2を用いて面位置情報検出を行っているので、基板Pの面位置情報を良好に検出できる。
【0053】
第1のショット領域に対する露光が終了したら、制御装置CONTは、液体供給機構10による液体供給動作を停止するとともに、前記第1のショット領域とは別の第2のショット領域(例えば図5のS3、S5など)を露光するために、基板Pをステッピング移動する。具体的には、例えばショット領域S2に対する走査露光処理終了後、このショット領域S2に対してY軸方向に近接したショット領域S3に対して走査露光処理を行うために、制御装置CONTは基板P上の2つのショット領域S2、S3間でY軸方向にステッピング移動する。
【0054】
図7は、基板Pを−Y方向にステッピング移動する際の液体1の挙動を示す模式図である。ここで、第1のショット領域に対する露光中、及びステッピング移動中に基板P上の液体1のうち一部は投影領域AR1に対して走査方向に離れた位置に設けられた第1液体回収口31A等を介して回収されるが、残りの一部は第1液体回収口31Aに回収されずに、基板P上に残存状態となる。したがって、ステッピング移動中に、図7に示すように、基板Pでは液体1を配置した状態が生じる。
【0055】
そして、基板Pが−Y方向にステッピング移動することにより、基板P上に残存した液体1は第3液体回収口33Aに到達する。これにより、液体回収機構20は、第1のショット領域の露光終了後の基板Pのステッピング移動中に、第1のショット領域の露光のときに使われた液体1の回収を第3液体回収口33Aを介して行うことができる。そして、ここでは、第1のショット領域(例えばS2)と第2のショット領域(例えばS3)とはY軸方向に近接しており、液体回収機構20は投影領域AR1に対してY軸方向に離れた第3液体回収口33Aによる回収位置で基板P上の液体1の回収を行う構成となっている。これにより、基板P上に残存する液体1を無くす、もしくは少なくでき、残存する液体1の気化による基板Pの温度変動等の不都合の発生を抑えることができる。
【0056】
図8は、基板Pを+X方向に移動しながら基板P上に設定された第2のショット領域(例えば図5のS3、S5など)を露光処理する際の液体1の挙動を示す模式図である。図8において、投影光学系PLと基板Pとの間の空間に対して流路13、14から液体1が同時に供給され、これにより投影領域AR1を含むように液浸領域AR2が形成される。ここで、投影領域AR1に対して−X側に設けられてる流路13から供給される液体1の単位時間あたりの液体量が、+X側に設けられている流路14から供給される液体1の単位時間あたりの液体量より多く設定されているため、流路13から供給された液体1は+X方向に移動する基板Pに引っ張られるようにして、投影光学系PLと基板Pとの間の空間に円滑に配置される。
【0057】
基板Pを+X方向に移動しながら第2のショット領域を露光する際、基板Pの面位置情報を検出するために、投影領域AR1に対して−X側の第1AF領域AF1が用いられる。これにより、投影領域AR1には第1AF領域AF1を通過し、面位置情報を検出された基板P上の所定領域が配置される。制御装置CONTは、フォーカス検出系60のうち第1検出系61の投射部61Aより第1AF領域AF1に対して検出光を投射し、この反射光の受光部61Bでの受光結果に基づいて基板Pの面位置情報を検出し、この面位置情報検出結果に基づいて基板ステージPSTを介して基板Pの位置及び姿勢を制御しつつ投影領域AR1内にパターン像を投影する。
【0058】
ここで、液浸領域AR2の液体1は基板Pの+X方向への移動に伴って+X側に引っ張られ、図8に示すように+X側に尾を引くように流れる。このとき、第1AF領域AF1には液体1が配置されず、第1AF領域AF1を良好に非液浸領域とすることができる。一方、図8に示すように、第2AF領域AF2の一部に液浸領域AR2が形成される場合があるが、この場合、第2AF領域AF2は面位置情報検出に用いられておらず、上述したように、制御装置CONTは第1AF領域AF1を用いて面位置情報検出を行っているので、基板Pの面位置情報を良好に検出できる。
【0059】
このとき、第1のショット領域の露光のときに使われた液体1が、ステッピング移動中に回収しきれない場合があるが、この残存した液体は基板Pの−Y方向へのステッピング移動により投影領域AR1から十分に離れているので、第2ショット領域の露光に影響しない。また、この残存した液体1は、第2のショット領域を露光するために基板Pが+X方向に移動することにより、第3液体回収口33Aに回収される。これにより、液体回収機構20は、第2のショット領域の露光中に、第1のショット領域のときに使われた液体1の残存分の回収を第3液体回収口33Aを介して行うことができる。ここで、液体回収口33AのY軸方向における大きさ(長さ)は、液浸領域AR2のY軸方向における大きさより大きく設定されているので、液体回収機構20は液体回収口より露光に使われた基板P上の液体1を円滑に回収することができる。
【0060】
以上のように第1のショット領域の露光中、基板Pのステッピング移動中及び第2のショット領域の露光中に、第1のショット領域の露光のときに使われた液体1を回収することで、液体回収機構20は、第1のショット領域を露光したときに使われた液体1が次の第2のショット領域を露光するときに投影領域AR1に入らないように基板P上の液体1を回収している。これにより、第1のショット領域の露光で使われ、温度上昇している液体1が第2のショット領域を露光するときの投影領域AR1に入ることを防止でき、液体1の温度上昇に起因する投影領域AR1内における液体1の屈折率の変動等の不都合の発生を抑制することができる。
【0061】
図6〜図8を参照して説明した手順により、図5に示すショット領域S1〜S6が順次露光される。
図9は、図5に示すショット領域(第1のショット領域)S6の露光終了後、投影領域AR1をショット領域(第2のショット領域)S7に移動するために、基板Pを−X方向に列移動(ステッピング移動)する際の液体1の挙動を示す模式図である。図9に示すように、液体回収機構20は、ショット領域S6の露光終了後の基板Pの列移動中に、ショット領域S6の露光のときに使われた液体1の回収を第1液体回収口31Aを介して回収することができる。そして、ここでは、第1のショット領域S6と第2のショット領域S7とはX軸方向に近接しており、液体回収機構20は投影領域AR1に対してX軸方向に離れた第1液体回収口31Aによる回収位置で基板P上の液体1の回収を行う構成となっている。これにより、列を変える±X方向へのステッピング移動を行う場合には、液体回収口31A(又は32A)により供給された液体を回収してしまうので、液体1は基板P上に残存せず、残存する液体1に起因する不都合の発生を抑えることができる。
そして再び、図6〜図8を参照して説明した手順により、図5に示すショット領域S7〜S12が順次露光される。
【0062】
以上説明したように、投影光学系PLの先端部の側面3を伝って基板P上に液体1を供給するようにしたので、液浸領域AR2を小さく設定することができる。したがって、フォーカス検出系60の検出光は非液浸領域を通過して投影領域AR1の近傍に投射されるので、フォーカス検出系60は液体1の温度変化の影響を受けずに精度良く面位置検出できる。
【0063】
そして、基板P上の複数のショット領域S1〜S12を順次露光する際、第1のショット領域を露光するときに使われ、基板(レジスト)表面の不純物が混在し温度上昇した液体1が次の第2のショット領域を露光するときに投影領域AR1に入らないように回収するようにしたので、第2のショット領域に対しても精度良い露光処理を行うことができる。
【0064】
なお、ショット領域の露光中に、露光光(ArFレーザパルス光:例えばパルス周波数4KHz、パルス幅50ns、パワー1.0W/cm)の照射により基板P(主に、レジスト、BARC(反射防止膜))が暖められ、その熱が液体1に伝わり、投影領域AR1内の液体1に温度上昇を引き起こすが、走査露光の場合には、基板の走査方向(−X方向)への移動に伴って液体1も走査方向に400mm/sec程度の速度で流れているので、基板P表面上の200nm以下程度の液体層に1℃以下程度の温度変化が生じるのみである。投影光学系PLと基板P表面との間の液体の厚さを1mm程度とすれば、温度変化を起こす液体の厚さ、及び温度変化量は非常にわずかである。したがって、投影領域AR1内における液体1の温度変化に伴う波面収差の変化も非常に小さく(0.1mλ以下程度、λ=193nm/1.47)、基板P上に投影されるパターン像に対してほとんど問題とならない。
【0065】
また、液体回収機構20の液体回収口33A、34Aのそれぞれを、投影領域AR1に対してY軸方向に離れた位置に配置し、しかもその形状をY軸方向に延びるように設けたので、フォーカス検出系60の検出光を投影領域AR1に対してX軸方向に離れたAF領域AF1、AF2に投射する際、液体回収機構20の回収部材33、34を検出光の光路を遮らない位置に配置することができ、これにより検出光による投影領域AR1の面位置情報検出を円滑且つ良好に行うことができる。
【0066】
また、基板Pの面位置情報を検出する際に用いるAF領域AF1、AF2は、投影領域AR1と液体回収口の設置位置である液体回収位置との間に設けられているので、投影領域AR1の近傍において投影領域AR1内に配置される基板Pの面位置情報を精度良く検出することができる。
【0067】
また、液体供給機構10は、第1、第2流路13、14を介して投影領域AR1の走査方向両側から液体1を供給するようにしたので、供給された液体1は走査方向に移動する基板Pに引っ張られるようにして投影領域AR1に濡れ拡がるため、液浸領域AR2を投影領域AR1を含むように円滑に形成できる。そして、本実施形態では、液体供給機構10は、走査方向に関して、投影領域AR1の手前から供給する液体量を、その反対側で供給する液体量よりも多くするので、基板P上に供給された液体1は、移動する基板Pに引っ張られるようにして基板Pの移動方向に沿って流れ、投影光学系PLと基板Pとの間の空間に引き込まれるようにして円滑に配置される。したがって、液体供給機構10から供給された液体1は、その供給エネルギーが小さくても投影光学系PLと基板Pとの間に円滑に配置され、液浸領域AR2を良好に形成することができる。そして、走査方向に応じて第1、第2流路13、14それぞれから供給する液体量を変更することで液体1の流れる方向を切り替えることができ、これにより+X方向、又は−X方向のどちらの方向に基板Pを走査する場合にも、投影光学系PLと基板Pとの間に液浸領域AR2を円滑に形成することができ、高い解像度及び広い焦点深度を得ることができる。
【0068】
なお、本実施形態において、液体供給機構10は基板Pのステッピング移動時に液体1の供給を停止しているが、ステッピング移動時を含む1枚の基板Pに関する一連の露光処理動作が終了するまで(基板Pが基板ステージPSTにロードされて全ショット領域S1〜S12に対する露光処理が終了して基板ステージPSTからアンロードされるまで)液体1を供給し続けてもよい。これにより、液体1の供給を開始してから液浸領域AR2が形成されるまでの待ち時間を短縮化でき、高スループット化を図れる。また、供給のON・OFFに伴う液体振動(所謂ウォーターハンマー現象)の発生を抑制できる。なお、ステッピング移動中において液体1が供給され続けても、液体回収機構20は常時駆動しているため、投影領域AR1の外側に流出しようとする液体1は円滑に回収可能である。ここで、1枚の基板Pに関する一連の露光処理が終了するまで液体1を供給し続ける際、液体供給機構10は、ショット領域に対する露光中における単位時間あたりの液体供給量に対して、基板Pのステッピング移動中における液体供給量を異ならせてもよい。具体的には、液体供給機構10は、基板Pのステッピング移動中での単位時間あたりの液体供給量を、ショット領域の走査露光中の液体供給量より低減する。これにより、露光処理に寄与しないステッピング移動中での基板Pに対する液体供給量が抑えられ、露光処理全体における液体使用量を抑えることができる。このように、液体供給機構10は基板Pの移動動作(ステッピング移動又は走査移動)に応じて第1、第2液体供給部11、12それぞれの単位時間あたりの液体供給量を変えるようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態においては、液体回収機構20により第1ショット領域の露光中に使われた液体が、次の第2ショット領域の露光中に投影領域AR1に入らないように液体回収を行っているが、液体回収機構20の液体回収をより円滑に行われるように、基板Pのステッピング移動中の移動経路を工夫するようにしてもよい。例えば、第1ショット領域の露光終了後に、液体回収機構20の液体回収口の位置に向かって基板Pを移動したり、基板Pのステッピング中の移動距離や移動時間を長くすればよい。また、第1ショット領域の露光終了後に液体供給機構10から液体の供給を続けて、第1ショット領域の露光中に使われた液体を投影領域AR1から押し出す(遠ざける)ようにしてもよい。このとき、液体の供給量や供給位置を調整するようにしてもよい。
【0070】
なお、本実施形態では投影領域AR1の走査方向両側から液体1を供給する際、走査方向に関して手前から供給する液体量をその反対側で供給する液体量よりも多くしているが、投影領域AR1の両側から同量の液体1を同時に供給するようにしてもよい。これにより、投影光学系PLの先端側面3、3に加わる力を均衡にすることができ、良好なパターン像の投影が期待できる。一方、液体1を供給し続けながら、走査方向に応じて投影領域AR1の走査方向両側から供給する液体量を変化させることにより、液体1の使用量を抑えることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、液体供給機構10は第1、第2流路13、14のそそれぞれから液体1を同時に供給しているが、例えば、基板Pを+X側に走査移動する際には第2流路14からの液体供給を停止して第1流路13のみから液体1を供給し、基板Pを−X側に走査移動する際には第1流路13からの液体供給を停止して第2流路14のみから液体1を供給する構成であってもよい。
【0072】
なお、本実施形態では投影光学系PLの先端部の側面3に沿うようにガイド板4を設けているが、このガイド板4は無くてもよい。側面3を親液化処理することにより、液体供給部及び供給管から側面3に供給された液体1は側面3で保持され、この側面3を伝って基板P上の投影領域AR1の近傍に供給可能である。一方、ガイド板4を設けることにより、例えば用いる液体1を変更したことにより側面3の親液性が十分でなく、側面3が液体1を保持できない状態が生じても、側面3を伝っている途中の液体1が基板P上に落下するのを防止できる。したがって、落下した液体1に起因する露光ムラの発生や基板Pのレジストへの影響を抑制できる。また、ガイド板4を設けることにより側面3を親液化処理しなくても液体1を基板P上の投影領域AR1の近傍に円滑に供給することができる。
【0073】
なお、本実施形態では、第1、第2流路13、14を構成する側面3やガイド板4に対して親液化処理を施すように説明したが、液体回収機構20のうち液体1が流れる流路の表面に対しても親液化処理を施すことができる。特に、液体回収機構20の液体回収部材に親液化処理を施しておくことにより液体回収を円滑に行うことができる。あるいは、液体1が接触する投影光学系PLの先端面に対しても親液化処理を施すことができる。なお、投影光学系PLの先端面に薄膜を形成する場合、露光光ELの光路上に配置されるものであるため、露光光ELに対して透過性を有する材料で形成され、その膜厚も露光光ELを透過可能な程度に設定される。
【0074】
なお基板Pの表面にも液体1との親和性に合わせて表面処理を施してもよい。
【0075】
なお、表面処理のための薄膜は単層膜であってもよいし複数の層からなる膜であってもよい。また、その形成材料も、金属、金属化合物、及び有機物など、所望の性能を発揮できる材料であれば任意の材料を用いることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、第1、第2流路13、14のそれぞれについて第1、第2液体供給部が設けられているように説明したが、液体供給部を1つとし、この1つの液体供給部に供給管11A、12Aを接続するようにしてもよい。この場合、供給管11A、12Aのそれぞれに弁を設け、弁の開度を調整することで第1、第2流路13、14から基板Pへの液体供給量を互いに異なる値に調整することができる。同様に、本実施形態では、液体回収部材31〜34のそれぞれについて液体回収部21〜24が設けられているが、液体回収部を1つとし、この1つの液体回収部と複数の液体回収部材とを回収管で接続する構成であってもよい。
【0077】
なお、本実施形態では、投影光学系PLの側面3(流路13、14)は走査方向両側に設けられているように説明したが非走査方向に設けられていてもよい。
【0078】
なお、液体供給部11、12や、液体回収部21、22は、投影光学系PL及びこの投影光学系PLを支持する支持部材以外の支持部材で支持されることが好ましい。これにより、液体の供給や回収に伴うポンプ等の動作によって発生した振動が投影光学系PLに伝達することを防ぐことができる。
【0079】
以下、本発明の他の実施形態について説明する。ここで、以下の説明において、上述した実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図10は液体回収機構の液体回収口の他の配置例を示す模式図である。図10に示すように、投影領域AR1に対してY軸方向両側には、Y軸に関して傾斜した液体回収口33B、33C、及び液体回収口34B、34Cがそれぞれ設けられている。ここで、液体回収口33B、33C、34B、34Cを有する液体回収部材はフォーカス検出系の検出光の光路を遮らない位置に設けられている。このように、投影領域AR1に対してY軸方向に設けられる液体回収口は、投影領域AR1と平行且つ並んで設けられる必要はなく、投影領域AR1に対してずれた位置に設けられていてもよい。液体回収口を投影領域AR1に対してずれた位置に設けたり傾斜して設けることにより、例えば、第1のショット領域の露光終了後の基板Pのステッピング移動中に、第1のショット領域の露光のときに使われた液体1の回収をより効率的に行うことができる。つまり、液体回収口33A(34A)がその長手方向をY軸方向に一致させ、且つ投影領域AR1に並んで配置されていると、図7等を参照して説明したように、ステッピング移動中に、基板P上の液体1を全部回収しきれない場合が生じるが、図10に示すように、液体回収口をY軸に関して傾斜するように設けることにより、ステッピング移動中において第1のショット領域の露光に使われた基板P上の液体1を全部回収することができる。
【0080】
図11及び図12は液体回収口の他の実施形態を示す図である。図11に示すように、複数の液体回収口(液体回収部材)31D…、32D…、33D…、34D…、を断続的に配置する構成であってもよい。また、図12に示すように、液体回収口(液体回収部材)は、投影領域AR1及びAF領域AF1、AF2を囲む形状であってもよい。図12に示す液体回収口31Kは投影領域AR1及びAF領域AF1、AF2を囲むように平面視矩形状に形成されているが、矩形状以外(例えば円形状)であってもよい。液体回収口を投影領域AR1及びAF領域AF1、AF2を囲むように設けることにより、液体回収を確実に行うことができる。なおこの場合、液体回収口を構成する液体回収部材はフォーカス検出系60の検出光の光路を妨げない位置に設けられている。
【0081】
上記実施形態では、投影光学系PLの側面3はフラット面(断面視直線状)であるように説明したが、図13に示すように、側面3に対して表面積拡大処理、具体的には粗面処理を施してもよい。粗面処理することにより側面3の表面積が拡大し、液体1をより一層良好に保持可能となるため、ガイド板4を設けなくても液体1を基板P上に円滑に供給することができる。
また、側面3は曲面状であってもよい。具体的には、図14に示すように、側面3は断面視例えば2次曲線状あるいは円弧状であってもよい。このような形状であっても、液体1を良好に流通可能となる。特に、側面3をサイクロイド曲線状にすることにより、入口部13A(14A)から出口部13B(14B)に流体1が到達する時間を短縮できる。ここで、側面3は投影光学系PLの中央部(光軸)に対して外側に膨らむ曲面であることが好ましい。
そして、図13や図14に示した側面3に対しても、親液化処理を施すことができる。
【0082】
また近年、基板Pを保持するステージを2つ搭載したツインステージ型露光装置が登場しているが、本発明はツインステージ型露光装置にも適用可能である。図15はツインステージ型露光装置EX2の概略構成図である。ツインステージ型露光装置EX2は共通のベース71上をそれぞれ独立に移動可能な第1、第2基板ステージPST1、PST2を備えている。また、ツインステージ型露光装置EX2は露光ステーションAと計測・交換ステーションBとを有しており、露光ステーションAにはフォーカス検出系60を除いて図1のシステムが全て搭載されている。また、計測・交換ステーションBには、投射部60A及び受光部60Bを有するフォーカス検出系60が搭載されている。
【0083】
このようなツインステージ型露光装置EX2の基本的な動作としては、例えば露光ステーションAにおいて第2基板ステージPST2上の基板Pの露光処理中に、計測・交換ステーションBにおいて、第1基板ステージPST1上の基板Pの交換及び計測処理が行われる。そして、それぞれの作業が終了すると、第2基板ステージPST2が計測・交換ステーションBに移動し、それと並行して第1基板ステージPST1が露光ステーションAに移動し、今度は第2基板ステージPST2において計測及び交換処理が行われ、第1基板ステージPST1上の基板Pに対して露光処理が行われる。
【0084】
つまり、計測・交換ステーションBにおいてフォーカス検出系60により基板Pの面位置情報が検出され、この検出結果は制御装置CONTに記憶される。制御装置CONTは、面位置情報を検出された基板Pを露光ステーションAに移動し、前記記憶した面位置情報に基づいて投影光学系PLの像面と基板Pの表面との位置関係を調整しつつ露光処理する。
【0085】
このように、ツインステージ型露光装置EX2の場合には、露光ステーションAにフォーカス検出系60を設けない構成とすることが可能であるため、液体回収部材の設置位置の自由度を増すことができる。そのため、図16に示すように、露光ステーションAにおいては、液体回収部材(液体回収口)を投影領域AR1のより近傍に設けることができ、液体回収動作を円滑に行うことができる。図16に示す液体回収口31E、32Eはそれぞれ平面視コ字状に形成され投影領域AR1の走査方向両側に配置されており、投影領域AR1を囲むように設けられている。これにより、液体回収機構はこれら液体回収口31E、32Eを介して走査露光中及びステッピング移動中のそれぞれにおいて液体回収を良好に行うことができる。
【0086】
なお、露光ステーションAにもフォーカス検出系を設ける場合、図17に示すように、投影領域AR1に対して液体回収口31E、32Eの外側にAF領域AF1、AF2を設定することができる。
【0087】
上述したように、本実施形態における液体1は純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.47であるため、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約131nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.47倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
【0088】
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子2としてレンズが取り付けられており、このレンズにより投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。
【0089】
なお、液体1の流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
【0090】
なお、本実施形態の液体1は水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体1としてはFレーザ光を透過可能な例えばフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、側面3をはじめとする液体1と接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体1としては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。この場合も表面処理は用いる液体1の極性に応じて行われる。
【0091】
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0092】
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0093】
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0094】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0095】
各ステージPST、MSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージPST、MSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージPST、MSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージPST、MSTの移動面側に設ければよい。
【0096】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0097】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0098】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図18に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、投影光学系と基板との間に液浸領域を形成した状態で露光処理する際、基板の面位置情報を検出するための検出光の光路を非液浸領域に設けることができる。したがって、基板の面位置情報を精度良く検出することができ、高精度なパターン転写精度を得ることができる。また、基板上の複数のショット領域を順次露光する際、第1ショット領域を露光するときに使われた液体が第2ショット領域を露光するときに投影領域に入らないように回収するようにしたので、第2ショット領域を露光するときに使われる液体は、第1ショット領域を露光したときに使われ露光光の照射により温度上昇している液体の影響を受けずに精度良い露光処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の要部拡大図であって本発明の特徴的部分である液体供給機構及び液体回収機構の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の特徴的部分である液体供給機構及び液体回収機構の概略構成を示す斜視図である。
【図4】投影領域及びAF領域と液体回収口との位置関係を模式的に示す平面図である。
【図5】基板上に設定されたショット領域を示す図である。
【図6】露光動作中の液体の挙動を示す模式図である。
【図7】露光動作中の液体の挙動を示す模式図である。
【図8】露光動作中の液体の挙動を示す模式図である。
【図9】露光動作中の液体の挙動を示す模式図である。
【図10】液体回収機構の液体回収口の他の実施形態を示す図である。
【図11】液体回収機構の液体回収口の他の実施形態を示す図である。
【図12】液体回収機構の液体回収口の他の実施形態を示す図である。
【図13】投影光学系の側面の他の実施形態を示す側断面図である。
【図14】投影光学系の側面の他の実施形態を示す側断面図である。
【図15】本発明の露光装置の他の実施形態を示す図である。
【図16】液体回収口の他の実施形態を示す図である。
【図17】液体回収口の他の実施形態を示す図である。
【図18】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…液体、3…側面、4…ガイド板、10…液体供給機構、
11、12…液体供給部、13…第1流路、14…第2流路、
20…液体回収機構、21〜24…液体回収部、31〜34…液体回収部材、
31A〜34A…液体回収口、60…フォーカス検出系、AR1…投影領域、
AR2…液浸領域、CONT…制御装置、EX…露光装置、M…マスク、
P…基板、PL…投影光学系、S1〜S12…ショット領域

Claims (22)

  1. 投影光学系の投影領域を含む基板上の一部に液浸領域を形成し、前記投影光学系と前記基板との間の液体及び前記投影光学系を介してパターン像を前記基板上に投影し、前記基板の複数のショット領域を順次露光する露光装置において、
    前記液浸領域を形成するために、前記投影光学系の光軸に対して傾斜する前記投影光学系の先端部の光学素子の側面を伝って前記基板上に液体を供給する液体供給機構を備え、
    前記液体供給機構は、前記基板の複数のショット領域を露光するときに、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して移動する前記基板上に液体を供給することを特徴とする露光装置。
  2. 前記液体供給機構は、前記側面に沿うように配置されたガイド板を有し、前記側面と前記ガイド板との間に前記液体を流して前記基板上に液体を供給することを特徴とする請求項記載の露光装置。
  3. 前記先端部の光学素子の側面を伝って前記基板上に供給された液体は、前記先端部の光学素子の下端面と前記基板との間に拡がり、前記液浸領域が形成される請求項1又は2一項記載の露光装置。
  4. 前記側面が親液化処理されている請求項1〜のいずれか一項記載の露光装置。
  5. 前記液体の供給と並行して前記基板上の液体の回収を行う液体回収機構を更に備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の露光装置。
  6. 前記液体回収機構は、第1ショット領域を露光したときに使われた液体が次の第2ショット領域を露光するときに前記投影領域に入らないように前記基板上の液体を回収することを特徴とする請求項記載の露光装置。
  7. 前記液体回収機構は、前記第1ショット領域の露光終了後の前記基板のステッピング移動中に、前記第1ショット領域の露光のときに使われた液体の回収を行うことを特徴とする請求項記載の露光装置。
  8. 前記液体回収機構は、前記第2ショット領域の露光中に、前記第1ショット領域の露光のときに使われた液体の回収を行うことを特徴とする請求項記載の露光装置。
  9. 前記液体供給機構は、前記第1ショット領域の露光終了後も、前記第1ショット領域に露光中と同じ液体供給口からの液体供給を続けることを特徴とする請求項のいずれか一項記載の露光装置。
  10. 前記液体供給機構は、前記投影領域の両側で前記液体供給を続けることを特徴とする請求項記載の露光装置。
  11. 前記基板上の複数のショット領域のそれぞれは、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して前記基板を所定の走査方向に移動しながら露光され、
    前記液体供給機構は、前記走査方向に関して、前記投影領域の両側で前記液体供給を続けることを特徴とする請求項10記載の露光装置。
  12. 前記基板上の複数のショット領域のそれぞれは、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して前記基板を所定の走査方向に移動しながら露光され、
    前記液体回収機構は、前記投影領域に対して前記走査方向と交差する非走査方向に離れて配置された、前記非走査方向に延びる液体回収口を有することを特徴とする請求項11のいずれか一項記載の露光装置。
  13. 前記パターン像が形成される像面と前記基板表面との位置関係を調整するために前記基板表面の面位置情報を検出する検出系を更に備え、
    前記基板上の複数のショット領域のそれぞれは、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して前記基板を所定の走査方向に移動しながら露光され、
    前記液体回収機構は、前記投影領域に対して走査方向に離れた回収位置で前記基板上の液体の回収を行い、
    前記検出系は、前記投影領域と前記回収位置との間で前記面位置情報の検出を行うことを特徴とする請求項12のいずれか一項記載の露光装置。
  14. 前記基板上の複数のショット領域のそれぞれは、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して前記基板を所定の走査方向に移動しながら露光され、
    前記液体供給機構は、前記走査方向と平行な方向に関して、前記投影領域の両側で液体の供給を同時に行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項記載の露光装置。
  15. 前記液体供給機構は、前記投影領域の両側から同量の液体を同時に供給することを特徴とする請求項14記載の露光装置。
  16. 前記基板上の一つのショット領域の走査露光中に、前記投影領域の一方側から供給される液体量が、他方側から供給される液体量と異なることを特徴とする請求項14記載の露光装置。
  17. 請求項1〜請求項16のいずれか一項記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
  18. 投影光学系の投影領域を含む基板上の一部に液浸領域を形成し、前記投影光学系と前記基板との間の液体及び前記投影光学系を介してパターン像を前記基板上に投影し、前記基板の複数のショット領域を順次露光する露光方法において、
    前記液浸領域を形成するために、前記投影光学系の光軸に対して傾斜する前記投影光学系の先端部の光学素子の側面を伝って、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して移動する前記基板上に液体を供給することと、
    前記先端部の光学素子の下端面と前記基板との間の前記液体を介して前記基板を移動しつつ露光することと、を含む露光方法。
  19. 前記基板上の複数のショット領域のそれぞれは、前記パターン像が投影される前記投影領域に対して前記基板を所定の走査方向に移動しながら露光され、
    前記走査方向と平行な方向に関して、前記投影領域の両側で液体の供給を同時に行う請求項18記載の露光方法。
  20. 前記投影領域の両側から同量の液体を同時に供給する請求項19記載の露光方法。
  21. 前記基板上の一つのショット領域の走査露光中に、前記投影領域の一方側から供給される液体量が、他方側から供給される液体量と異なる請求項19記載の露光方法。
  22. 請求項18〜請求項21のいずれか一項記載の露光方法を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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