JP4604314B2 - 投射型表示装置およびその照明ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオ信号などの画像信号による画像を投影する投射型表示装置、およびこの投射型表示装置に使用される照明ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
外部機器からビデオ信号などの画像信号を入力して、入力された画像信号による画像を投影するプロジェクタがある。そして、特開平7−311372号公報に示されるように、照明ランプを交換可能なプロジェクタが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
照明ランプの特性として、2つの発光特性に注目することにする。1つは発光される色の特性であり、もう1つは明るさの特性である。照明ランプは、たとえば、キセノンランプやハロゲンランプなど、複数の種類がある。違う種類の照明ランプでは、当然発光特性が異なる。また、同じ種類の照明ランプであっても、新品の照明ランプの発光特性と長時間点灯した後の照明ランプとでは、その発光特性が異なる。しかしながら、従来のプロジェクタは、照明ランプの様々な発光特性に十分対応していなかった。そのため、カラーバランスが悪い画像や暗い画像が投影されるおそれがあった。
【0004】
本発明の目的は、照明ユニットの発光特性に合わせて適切な画像を投影するようにした投射型表示装置、およびその照明ユニットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図1、図2、図7に対応づけて本発明を説明する。
本願発明に係る投射型表示装置は、照明光を出射する照明ユニット12と、 前記照明ユニット12を着脱可能に保持する照明保持手段22と、画像信号に基づいて、前記照明ユニット12からの照明光を変調して出射することにより画像を生成する画像生成素子P1〜P3と、前記画像生成素子P1〜P3の像を投影する投影光学系7と、前記照明ユニット12の累積点灯時間に対応した発光スペクトル分布特性と前記投影光学系7の光学特性とを記憶する記憶手段23と、前記照明ユニット12の累積点灯時間を検出する点灯時間検出手段9と、前記点灯時間検出手段9により検出された前記累積点灯時間に対応した発光スペクトル分布特性を前記記憶手段23から読み出すとともに、前記投影光学系7の光学特性を前記記憶手段23から読み出し、前記読み出された発光スペクトル分布特性と前記投影光学系7の光学特性とに基づいて、前記画像信号に対する色バランス処理および前記色バランス処理の前後における輝度レベルの調整を行うための補正値を算出する制御手段9と、前記制御手段9により算出された前記補正値に基づいて、前記画像信号を補正する画像信号処理手段4と、前記画像信号処理手段4により補正処理された前記画像信号を前記画像生成素子P1〜P3へ出力する画像生成素子駆動手段5と、を有することを特徴とする。
【0006】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、わかりやすく説明するために実施の形態の図と対応づけたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第一の実施の形態−
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態による投射型表示装置の概要を表すブロック図である。この投射型表示装置は、入力されるビデオ信号などによる画像を生成し、生成した画像をスクリーンなどに向けて投射する。図1において、投射型表示装置1は、A/D変換器3と、補正回路4と、駆動回路5と、光学系6と、投射レンズ7と、制御回路9と、計時回路10と、点灯回路11と、スイッチ16および18と、電源回路19と、ファン24と、検出回路25と、LED26と、メインスイッチ27とを有する。また、投射型表示装置1には、スロット22が設けられている。スロット22には、ランプユニット12が装着される。ランプユニット12は、照明ランプ13と、メモリ23とを有する。このランプユニット12がスロット22に装着されることにより、コネクタ14および15を介して投射型表示装置1に接続される。すなわち、コネクタ14を介して照明ランプ13と、点灯回路11および検出回路25とが接続される。また、コネクタ15を介してメモリ23と制御回路9とが接続される。
【0008】
図1において、たとえば、ビデオ装置などの外部機器8がケーブル20およびコネクタ2を介して投射型表示装置1に接続される。外部機器8で発生された映像信号は、コネクタ2から投射型表示装置1に入力される。A/D変換器3は、入力された映像信号をディジタル信号に変換して補正回路4に送る。補正回路4は、入力されたディジタル信号に対し、後述する色バランス補正処理を行う。駆動回路5は、補正処理後のディジタル信号から光学系6を駆動する駆動信号を生成する。
【0009】
投射型表示装置1には、電源ケーブル21およびコネクタ17を介して交流商用電源が供給される。スイッチ18は、電源回路19に対する交流電力の供給をオン/オフする。電源回路19は、交流電圧を投射型表示装置1内の各ブロックで使用される直流電圧に変換して各ブロックに供給する。スイッチ16は、照明ランプ13を点灯/消灯するためのスイッチであり、点灯回路11に対する直流電力の供給をオン/オフする。点灯回路11は、供給された電圧を照明ランプ13の点灯に必要な所定の電圧に変換して照明ランプ13を点灯させる。検出回路25は、照明ランプ13の端子電圧を検出して制御回路9に送る。ファン24は、スロット22に装着されているランプユニット12内の照明ランプ13を冷却する。ファン24は、スロット22の内面に接するように設けられている。計時回路10は、照明ランプ13に対する点灯指示からの経過時間を計時する。
【0010】
制御回路9は、A/D変換器3、補正回路4および駆動回路5の動作を制御する他、以下のような動作を行う。▲1▼操作者により操作される投射型表示装置1のメインスイッチ27からの操作信号を入力し、操作信号に応じてスイッチ18をオン/オフさせる。▲2▼スイッチ16をオン/オフさせて、照明ランプ13を点灯/消灯させる。▲3▼検出回路25に照明ランプ13の端子電圧を検出させる。▲4▼計時回路10に計時させる。▲5▼ファン24の回転をオン/オフさせる。▲6▼メモリ23に対してデータを書き込み、メモリ23からデータを読み出す。▲7▼LED26を点灯/消灯させる。
【0011】
投射型表示装置1に電源ケーブル21を介して交流商用電源が供給されると、制御回路9に対して他のブロックより先に直流電源電圧が供給される。その後、制御回路9にメインスイッチ27のオン操作信号が入力されると、制御回路9がスイッチ18をオンさせることにより、投射型表示装置1の各ブロックに直流電源電圧が供給される。また、制御回路9が照明ランプ13を点灯するスイッチ16をオン/オフさせるタイミングは、外部機器8で発生された映像信号の入力の有無で決定する。すなわち、制御回路9は、A/D変換器3で変換されたディジタル値が所定値より大きいとき、映像信号が入力されていると判断してスイッチ16をオンするように指示する。また、制御回路9は、A/D変換器3で変換されたディジタル値が所定値以下のとき、映像信号が入力されていないと判断してスイッチ16をオフするように指示する。スイッチ16のオン/オフは、映像信号の入力の有無ではなく、同期信号の入力の有無に基づいて行ってもよい。
【0012】
光学系6について説明する。上述した駆動回路5は、補正回路4から入力されたディジタル信号に応じて、光学系6内の後述する液晶パネルを駆動する駆動信号を発生する。光学系6は、駆動された液晶パネルによって生成される変調光を色合成して画像を生成する。投射レンズ7は、生成された画像をスクリーンSに向けて投射する。上述した照明ランプ13は、光学系6内の液晶パネルを照明する。
【0013】
図2を参照して光学系6をさらに詳細に説明する。光学系6は、ダイクロイックミラーD1〜D4と、液晶パネルP1〜P3と、ミラーM1〜M3とを有する。ダイクロイックミラーD1、D2は、投射用の照明ランプ13(図1)からの照明光を赤色、緑色、青色(RGB)にそれぞれ分解し、各色の液晶パネルP1〜P3を照明する。ダイクロイックミラーD1、D2は、RGB色分解光学系とも呼ばれる。液晶パネルP1〜P3は、照明光を空間変調してRGB各色用の画像をそれぞれ生成する。ミラーM1〜M3は、ミラーに入射される光を反射する。
【0014】
図2において、制御回路9(図1)の指令により点灯された照明ランプ13から発せられた光が、ミラーM1で反射される。ミラーM1で反射された光は、赤色光を反射するダイクロイックミラーD1に入射される。ダイクロイックミラーD1は、赤色光のみを反射して残りの光を透過する。ダイクロイックミラーD1で反射された赤色光は、ミラーM2で再び反射され、赤色用液晶パネルP1、色合成用のダイクロイックミラーD3およびD4を透過して投射レンズ7へ出射される。
【0015】
ダイクロイックミラーD1を透過した光は、青色光を反射するダイクロイックミラーD2に入射される。ダイクロイックミラーD2は、青色光のみを反射して残りの光を透過する。ダイクロイックミラーD2で反射された青色光は、青色用液晶パネルP3を透過した後、色合成用のダイクロイックミラーD3で反射され、ダイクロイックミラーD4を透過して投射レンズ7へ出射される。ダイクロイックミラーD2を透過した緑色光は、緑色用液晶パネルP2を透過した後、ミラーM3および色合成用のダイクロイックミラーD4で反射されて投射レンズ7に出射される。投射レンズ7に出射された赤色、青色および緑色の空間変調光による合成光が、投射レンズ7によりスクリーンS上に映し出される。ダイクロイックミラーD3、D4は、色合成光学系とも呼ばれる。
【0016】
図1に示したメモリ23について説明する。メモリ23には、照明ランプ13の発光スペクトルを示す情報の経時変化特性、照明ランプ13を点灯しているときの照明ランプ13の端子電圧、点灯開始初期の端子電圧の上昇率、照明ランプ13を前回点灯したときの照明ランプ13の端子電圧、および照明ランプ13の累積点灯時間などがデータとして記憶される。メモリ23は、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが用いられ、投射型表示装置1に電源が供給されていないときでもメモリ23内の記憶内容が保持される。また、ランプユニット12がスロット22に装着されていないときも、メモリ23内の記憶内容は保持される。
【0017】
図3(a)〜図3(d)は、照明ランプ13の発光スペクトルを説明する図である。
一般に、照明ランプ13に用いられる高圧放電ランプは、累積点灯時間によって発光スペクトルが変化する。図3(a)は、照明ランプ13の累積点灯時間がt0Aにおける発光スペクトルを表す図、図3(b)は、照明ランプ13の累積点灯時間がt1A(ただし、t1A>t0A)における発光スペクトルを表す図、図3(c)は、照明ランプ13の累積点灯時間がt2A(ただし、t2A>t1A)における発光スペクトルを表す図である。図3(a)〜図3(c)において、横軸は、照明ランプ13から発光される光の波長を表す。また、縦軸は、発光される光のエネルギーを表す。図3(a)〜図3(c)に示す例では、照明ランプ13の累積点灯時間が長くなるにつれて、R色に相当する波長成分のエネルギーが他の色に相当する波長成分に比べて低下する。なお、本実施の形態では、t0A=0(時間)とする。
【0018】
照明ランプ13の発光スペクトルが変化すると、投射レンズ7から投射される画像の色バランスが変化する。そこで、投射画像の色バランスを変化させないように、上述した補正回路4が色補正処理を行う。色補正処理は、次のように行われる。制御回路9は、図3(a)〜図3(c)の発光スペクトル分布特性のそれぞれについて、たとえば、波長10nmごとのエネルギー値をメモリ23に記憶させる。また、メモリ23には、計時回路10により計時された照明ランプ13の累積点灯時間も記憶される。
【0019】
一方、制御回路9内の不図示のメモリには、上述した光学系6の色分解光学系(D1、D2)による色分解特性、および色合成光学系(D3、D4)による色合成特性が記憶されている。色分解特性は、ダイクロイックミラーD1、D2の透過率および反射率と、ミラーM1、M2の反射率とに起因して生じる分光特性である。色合成特性は、ダイクロイックミラーD3、D4の透過率および反射率と、ミラーM3の反射率とに起因して生じる分光特性である。これらの特性は、光学系6に入射された照明光のうち、どの波長成分の光が投射レンズ7へ強く出射されるかを表すものである。色分解特性および色合成特性は、液晶パネルP1〜P3の透過分光特性が波長依存性を持たないと仮定した場合の光学特性を示しており、光学系6に固有の特性である。図3(d)は、色分解特性および色合成特性の例を表す図である。図3(d)の横軸は、色分解合成後の光の波長を表す。また、図3(d)の縦軸は、色分解合成後の光のエネルギーを表す。色分解合成特性は、メモリ23に記憶される発光スペクトル分布特性と同様に、たとえば、エネルギー値が波長10nmごとに制御回路9内のメモリに記憶される。制御回路9は、メモリ23から照明ランプ13の累積点灯時間のデータを読み出し、読み出した累積点灯時間に対応する発光スペクトル分布特性のデータをメモリ23から読み出す。制御回路9はさらに、光学系6の色分解合成特性のデータを制御回路9内のメモリから読み出す。読み出した両特性データについて、対応する波長ごとに両者を乗算することにより、光学系6内の液晶パネルP1〜P3のそれぞれに照射され、投射レンズ7より出射する各色成分の光量を波長10nmごとに算出する。なお、制御回路9内のメモリに記憶される光学系6の色分解合成特性データは、投射型表示装置1の電源がオフされる時も保持されている。
【0020】
投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量について詳述する。図3(a)〜図3(c)において、B色成分がb1からbNまで10nmごとのN個のデータで表されるものとする。同様に、G色成分がg1からgNまでの10nmごとのN個のデータ、R色成分がr1からrNまでの10nmごとのN個のデータでそれぞれ表されるものとする。照明ランプ13の累積点灯時間がt2Aである場合を例にとれば、投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量は次式(1)〜(3)で表される。
【数1】
Figure 0004604314
ただし、L(R)は、投射レンズ7より出射されるR色の光量、L(G)は、投射レンズ7より出射されるG色の光量、L(B)は、投射レンズ7より出射されるB色の光量である。また、式中の(c)および(d)は、それぞれ図3(c)による発光スペクトル分布特性、図3(d)による色分解合成特性のデータであることを表す。
【0021】
上述したように算出された投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量について、たとえば、0.8:1:1.5の比率であるものと仮定する。この場合には、制御回路9は、算出された比率をあらかじめ定められている所定の比率に補正するように各色の信号に対する増幅率を設定する。たとえば、所定の比率をX:Y:Zとすれば、制御回路9が補正回路4に設定する増幅率は、それぞれX/0.8、Y、Z/1.5である。補正回路4は、制御回路9から設定された増幅率に基づいて、各色のディジタル信号をそれぞれ増幅する。この結果、光学系6により生成されて投射レンズ7から投射される画像の色バランスが補正される。なお、算出された各色の光量の比率は、投射される画像の色バランスを表す。また、算出された各色の光量を線形結合すると、後述する明るさYを求めることができる。
【0022】
また、照明ランプ13は、たとえば、点灯指示をしてから10分経過後の端子電圧が累積点灯時間の増加に伴って上昇する特性を有する。さらに、照明ランプ13は、点灯開始初期、たとえば、5分間の端子電圧の上昇率が累積点灯時間の増加に伴って大きくなる特性を有する。制御回路9は、これら端子電圧の上昇率および端子電圧を、メモリ23に記憶されている基準値と比較して照明ランプ13の寿命判定を行う。この場合、制御回路9は、照明ランプ13を点灯させるごとに、メモリ23から点灯指示後10分経過後の照明ランプ13の端子電圧、および点灯開始後5分間の端子電圧の上昇率のデータを読み出す。制御回路9はさらに、検出回路25に指令を出して単位時間ごとの照明ランプ13の端子電圧を検出し、得られた電圧値から点灯開始後5分間の端子電圧の上昇率を算出する。その後、点灯指示後10分経過後の端子電圧を検出する。制御回路9は、メモリ23から読み出した点灯指示後10分経過後の端子電圧データ、および点灯開始後5分間の端子電圧の上昇率データをそれぞれ測定した値と比較して、照明ランプ13の寿命が近いか否かを判定する。
【0023】
さらに、照明ランプ13は、点灯開始後、たとえば、10分経過後に検出される端子電圧が前回の使用時に検出された端子電圧に対して増加するという特性を有する。この増加率は、累積点灯時間の増加に伴って上昇する。制御回路9は、端子電圧をメモリ23に記憶されている前回の端子電圧と比較して照明ランプ13の寿命判定を行う。制御回路9は、照明ランプ13を点灯させるごとに、照明ランプ13を前回点灯したときに測定された端子電圧のデータをメモリ23から読み出す。制御回路9はさらに、検出回路25に指令を出して点灯開始後10分経過後の照明ランプ13の端子電圧を検出する。制御回路9は、メモリ23から読み出した端子電圧データを測定した端子電圧と比較して、照明ランプ13の寿命が近いか否かを判定する。
【0024】
上述した投射型表示装置1の色バランス補正動作について、制御回路9で行われる処理を表すフローチャートを参照して説明する。図4は、照明ランプ13の累積点灯時間に基づいて行われる色バランス補正の概要を説明するフローチャートである。ステップS100において、制御回路9は、メインスイッチ27がオン操作されると、スイッチ18をオンさせる信号を出力するとともに、図4のフローチャートで表されるプログラムを起動する。そして、累積点灯時間Tに対応するフラグFを初期値の3にセットする。フラグFは、F=0が累積点灯時間T=t0Aに対応し、F=1が累積点灯時間T=t1Aに対応し、F=3が累積点灯時間T=t2Aに対応する。ステップS101において、制御回路9は、メモリ23に照明ランプ13の累積点灯時間Tが記憶されているか否かを判定する。ステップS101で肯定判定するとステップS103へ進み、否定判定するとステップS102へ進む。ステップS103において、制御回路9は、メモリ23から累積点灯時間Tを読み込んでステップS104へ進む。ステップS102において、制御回路9は、照明ランプ13が初めて点灯されるとみなして累積点灯時間T=0とおく。
【0025】
ステップS104において、制御回路9は、累積点灯時間Tがt1Aより小か否かを判定する。ステップS104で肯定判定するとステップS107へ進み、否定判定するとステップS105へ進む。ステップS107において、制御回路9は、上述した図3(a)に示す発光スペクトル分布特性を制御回路9内のメモリから読み出すとともに、フラグF=0をセットしてステップS110へ進む。
【0026】
ステップS105において、制御回路9は、累積点灯時間Tがt2Aより小か否かを判定する。ステップS105で肯定判定するとステップS108へ進み、否定判定するとステップS109へ進む。ステップS108において、制御回路9は、上述した図3(b)に示す発光スペクトル分布特性を制御回路9内のメモリから読み出すとともに、フラグF=1をセットしてステップS110へ進む。
【0027】
ステップS109において、制御回路9は、上述した図3(c)に示す発光スペクトル分布特性を制御回路9内のメモリから読み出して、ステップS110へ進む。
【0028】
ステップS110において、制御回路9は、光学系6の色分解合成特性のデータを制御回路9内のメモリから読み出す。そして、上述したように、発光スペクトル分布特性と色分解合成特性の両特性データについて、対応する波長ごとに上式(1)〜(3)により両者を乗算する。そして、投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量に基づいて、各色の信号に対する増幅率を求めて補正回路4に設定する。制御回路9は、補正回路4に対して増幅率を設定するとステップS111へ進む。
【0029】
ステップS111において、制御回路9は、スイッチ16をオンさせる信号を出力してステップS112へ進む。ステップS112において、制御回路9は、計時回路10に計時をスタートさせる。ステップS113において、制御回路9は、計時回路10の計時結果から時間txが経過したか否かを判定する。ステップS113で肯定判定するとステップS114へ進み、否定判定すると再びステップS113の判定処理を繰り返す。時間txは、メモリ23に照明ランプ13の累積点灯時間を書き込む書き込みサイクル時間である。時間txは、たとえば、15(秒)に設定される。
【0030】
ステップS114において、制御回路9は、メモリ23から累積点灯時間Tを読み込み、T=T+txを算出して新たな累積点灯時間Tをメモリ23に上書き後、ステップS115へ進む。ステップS115において、制御回路9は、フラグF=0か否かを判定する。ステップS115で肯定判定するとステップS117へ進み、否定判定するとステップS116へ進む。ステップS117において、制御回路9は、累積点灯時間Tがt1A≦T<t2Aを満足するか否かを判定する。ステップS117で肯定判定するとステップS118へ進み、否定判定するとステップS123へ進む。
【0031】
ステップS118において、制御回路9は、上述した図3(b)に示す発光スペクトル分布特性を制御回路9内のメモリから読み出すとともに、フラグF=1をセットしてステップS119へ進む。ステップS119において、制御回路9は、光学系6の色分解合成特性のデータを制御回路9内のメモリから読み出す。そして、上述したように、発光スペクトル分布特性と色分解合成特性の両特性データについて、対応する波長ごとに上式(1)〜(3)により両者を乗算する。そして、算出された投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量に基づいて、各色の信号に対する増幅率を求めて補正回路4に設定する。制御回路9は、補正回路4に対して増幅率を設定するとステップS123へ進む。
【0032】
ステップS116において、制御回路9は、フラグF=1か否かを判定する。ステップS116で肯定判定するとステップS120へ進み、否定判定するとステップS123へ進む。ステップS120において、制御回路9は、累積点灯時間TがT≧t2Aを満足するか否かを判定する。ステップS120で肯定判定するとステップS121へ進み、否定判定するとステップS123へ進む。
【0033】
ステップS121において、制御回路9は、上述した図3(c)に示す発光スペクトル分布特性を制御回路9内のメモリから読み出すとともに、フラグF=2をセットしてステップS122へ進む。ステップS122において、制御回路9は、光学系6の色分解合成特性のデータを制御回路9内のメモリから読み出す。そして、上述したように、発光スペクトル分布特性と色分解合成特性の両特性データについて、対応する波長ごとに上式(1)〜(3)により両者を乗算する。そして、算出された投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量に基づいて、各色の信号に対する増幅率を求めて補正回路4に設定する。制御回路9は、補正回路4に対して増幅率を設定するとステップS123へ進む。
【0034】
ステップS123において、制御回路9は、照明ランプ13を消灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS123で肯定判定するとステップS123aに進み、否定判定するとステップS124へ進む。ステップS123aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオフさせる信号を出力してステップS125へ進む。ステップS125において、制御回路9は、計時回路10に計時をストップさせる。ステップS126において、制御回路9は、照明ランプ13を点灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS126で肯定判定するとステップS111へ戻り、否定判定するとステップS127へ進む。ステップS127において、制御回路9は、メインスイッチ27がオフされたか否かを判定する。ステップS127で肯定判定すると図4の処理を終了し、ステップS127で否定判定するとステップS126へ戻る。
【0035】
上記のステップS123で否定判定されて進むステップS124において、制御回路9は、メインスイッチ27がオフされたか否かを判定する。ステップS124で肯定判定すると図4の処理を終了し、ステップS124で否定判定するとステップS113へ戻る。
【0036】
次に、上述した投射型表示装置1の照明ランプ13の寿命判定動作について、制御回路9で行われる処理を表すフローチャートを参照して説明する。図5は、照明ランプ13の点灯指示をしてから10分経過後の端子電圧、および照明ランプ13の点灯開始後5分間の端子電圧の上昇率を利用して行う照明ランプ13の寿命判定の概要を説明するフローチャートである。ステップS200において、制御回路9は、メインスイッチ27がオン操作されると、スイッチ18をオンさせる信号を出力するとともに、図5のフローチャートで表されるプログラムを起動する。ステップS201において、制御回路9は、フラグF1=0をセットする。フラグF1は、照明ランプ13の端子電圧のデータ、および端子電圧の上昇率のデータがメモリ23に記憶されているか否かを表すフラグである。初めて点灯する照明ランプ13のデータがメモリ23に記憶されているときにF1=0、記憶されていないときにF1=1とおく。
【0037】
ステップS202において、制御回路9は、メモリ23に照明ランプ13のデータ、すなわち、点灯指示をしてから10分経過後の端子電圧、および点灯開始後5分間の端子電圧の上昇率のデータが記憶されているか否かを判定する。ステップS202で肯定判定するとステップS204へ進み、否定判定するとステップS203へ進む。ステップS203において、制御回路9は、フラグF1=1をセットしてステップS204に進む。
【0038】
ステップS204において、制御回路9は、照明ランプ13を点灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS204で肯定判定するとステップS204aに進み、否定判定するとステップS221へ進む。ステップS204aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオンさせる信号を出力してステップS205へ進む。ステップS221において、制御回路9は、メインスイッチ27がオフされたか否かを判定する。ステップS221で肯定判定すると図5の処理を終了し、ステップS221で否定判定するとステップS204へ戻る。
【0039】
ステップS205において、制御回路9は、フラグF1=0か否かを判定する。ステップS205で肯定判定するとステップS212へ進み、否定判定するとステップS205aに進む。ステップS205aにおいて、制御回路9は、計時回路10に計時をスタートさせ、計時回路10の計時結果から時間tyが経過したか否かを判定する。ステップS205aで肯定判定するとステップS206へ進み、否定判定すると再びステップS205aの判定処理を繰り返す。時間tyは、照明ランプ13の点灯指示からの経過時間を表し、たとえば、5分が設定される。ステップS206において、制御回路9は検出回路25を介して照明ランプ13の端子電圧を取り込み、照明ランプ13の端子電圧の上昇率を算出してステップS207へ進む。ステップS207において、制御回路9は、算出したランプ電圧の上昇率VJをメモリ23に記憶してステップS208へ進む。
【0040】
ステップS208において、制御回路9は、計時回路10の計時結果から時間tzが経過したか否かを判定する。ステップS208で肯定判定するとステップS209へ進み、否定判定すると再びステップS208の判定処理を繰り返す。時間tzは、照明ランプ13の点灯指示からの経過時間を表し、たとえば、10分が設定される。本実施の形態では、ステップS205において5分計時されているので、ステップS208では5分計時される。ステップS209において、制御回路9は、検出回路25を介して照明ランプ13の端子電圧を取り込み、ステップS210へ進む。、ステップS210において、制御回路9は、取り込んだ端子電圧を電気的に安定した後の照明ランプ13の端子電圧VLとしてメモリ23に記憶し、ステップS210aへ進む。ステップS210aにおいて、制御回路9は、フラグF1=0をセットしてステップS219に進む。
【0041】
上述したステップS205で肯定判定されて進むステップS212において、制御回路9は、メモリ23に記憶されているランプ電圧の上昇率VJを読み出してステップS212aに進む。ステップS212aにおいて、制御回路9は、計時回路10に計時をスタートさせ、計時回路10の計時結果から時間tyが経過したか否かを判定する。ステップS212aで肯定判定するとステップS213へ進み、否定判定すると再びステップS212aの判定処理を繰り返す。時間tyは、照明ランプ13の点灯指示からの経過時間を表し、たとえば、5分が設定される。ステップS213において、制御回路9は検出回路25を介して照明ランプ13の端子電圧を取り込み、照明ランプ13の端子電圧の上昇率VJ1を算出してステップS214へ進む。ステップS214において、制御回路9は、算出したランプ電圧の上昇率VJ1を、ステップS212でメモリ23から読み出したランプ電圧の上昇率VJと比較する。すなわち、(VJ1-VJ)<Xか否かを判定する。ただし、Xは所定値である。
【0042】
ステップS214で肯定判定するとステップS211へ進み、否定判定するとステップS215へ進む。ステップS215において、制御回路9は、LED26を点滅させて照明ランプ13の寿命が近いことを報知する。なお、LED26は、通常消灯されている。
【0043】
ステップS211において、制御回路9は、メモリ23に記憶されている照明ランプ13の端子電圧VL、すなわち、電気的に安定した後のランプ電圧VLを読み出してステップS216に進む。ステップS216において、制御回路9は、計時回路10の計時結果から時間tzが経過したか否かを判定する。ステップS216で肯定判定するとステップS217へ進み、否定判定すると再びステップS216の判定処理を繰り返す。時間tzは、照明ランプ13の点灯指示からの経過時間を表し、たとえば、10分が設定される。すなわち、ステップS212aで既に5分が計時されているので、ステップS216では5分が計時される。ステップS217において、制御回路9は検出回路25を介して照明ランプ13の端子電圧VL1を取り込み、ステップS218へ進む。ステップS218において、制御回路9は、取り込んだランプ電圧VL1を、ステップS211でメモリ23から読み出したランプ電圧VLと比較する。すなわち、(VL1-VL)<Yか否かを判定する。ただし、Yは所定値である。
【0044】
ステップS218で肯定判定するとステップS219へ進み、否定判定するとステップS220へ進む。ステップS220において、制御回路9は、LED26を点滅させて照明ランプ13の寿命が近いことを報知する。なお、LED26は、通常消灯されている。ステップS219において、制御回路9は、照明ランプ13を消灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS219で肯定判定するとステップS219aに進み、否定判定するとステップS217へ戻る。ステップS219aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオフさせる信号を出力してステップS204へ戻る。
【0045】
上述した照明ランプ13の寿命判定動作と別の寿命判定動作について説明する。図6は、前回点灯時のランプ電圧に対する上昇率を利用して行う照明ランプ13の寿命判定の概要を説明するフローチャートである。ステップS300において、制御回路9は、メインスイッチ27がオン操作されると、スイッチ18をオンさせる信号を出力するとともに、図6のフローチャートで表されるプログラムを起動する。ステップS301において、制御回路9は、フラグF1=0をセットする。フラグF1は、上述したように、ランプ電圧のデータがメモリ23に記憶されているか否かを表すフラグである。初めて点灯する照明ランプ13のデータがメモリ23に記憶されているときにF1=0、記憶されていないときにF1=1とおく。
【0046】
ステップS302において、制御回路9は、照明ランプ13を点灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS302で肯定判定するとステップS302aに進み、否定判定すると判定処理を繰り返す。ステップS302aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオンさせる信号を出力してステップS303へ進む。ステップS303において、制御回路9は、メモリ23に照明ランプ13のデータ、すなわち、前回点灯時のランプ電圧のデータが記憶されているか否かを判定する。ステップS303で肯定判定するとステップS305へ進み、否定判定するとステップS304へ進む。ステップS304において、制御回路9は、フラグF1=1をセットしてステップS305に進む。
【0047】
ステップS305において、制御回路9は、計時回路10の計時をスタートさせ、計時回路10の計時結果から時間tzが経過したか否かを判定する。ステップS305で肯定判定するとステップS306へ進み、否定判定すると再びステップS305の判定処理を繰り返す。時間tzは、照明ランプ13の点灯指示からの経過時間を表し、たとえば、10分が設定される。ステップS306において、制御回路9は、検出回路25を介して照明ランプ13の端子電圧VL1を取り込み、ステップS307へ進む。ステップS307において、制御回路9は、フラグF1=0か否かを判定する。ステップS307で肯定判定するとステップS310へ進み、否定判定するとステップS308に進む。ステップS308において、制御回路9は、ステップS306で取り込んだランプ電圧VL1をランプ電圧VLとしてメモリ23に記憶し、ステップS309に進む。ステップS309において、制御回路9は、フラグF1=0をセットしてステップS313へ進む。
【0048】
ステップS310において、制御回路9は、前回の点灯時に記憶されたランプ電圧VLをメモリ23から読み出してステップS311に進む。ステップS311において、制御回路9は、ステップS306で取り込んだランプ電圧VL1を、ステップS310でメモリ23から読み出したランプ電圧VLと比較する。すなわち、(VL1-VL)<Zか否かを判定する。ただし、Zは所定値である。
【0049】
ステップS311で肯定判定するとステップS313へ進み、否定判定するとステップS312へ進む。ステップS312において、制御回路9は、LED26を点滅させて照明ランプ13の寿命が近いことを報知する。なお、LED26は、通常消灯されている。ステップS313において、制御回路9は、照明ランプ13を消灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS313で肯定判定するとステップS313aに進み、否定判定するとステップS313の処理を繰り返す。ステップS313aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオフさせる信号を出力してステップS313bに進む。
【0050】
ステップS313bにおいて、制御回路9は、ステップS306で取り込んだランプ電圧VL1をランプ電圧VLとしてメモリ23に記憶し、ステップS315に進む。ステップS315において、制御回路9は、メインスイッチ27がオフされたか否かを判定する。ステップS315で肯定判定すると図6の処理を終了し、ステップS315で否定判定するとステップS314へ進む。ステップS314において、制御回路9は、照明ランプ13を点灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS314で肯定判定するとステップS314aへ進み、否定判定するとステップS315へ戻る。ステップS314aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオンさせる信号を出力してステップS305へ戻る。
【0051】
以上の説明では、図4、図5および図6のフローチャートによる処理をそれぞれ単独の処理として説明したが、これらの処理を並列処理として同時に行うようにしてもよい。
【0052】
以上説明した第一の実施の形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(1)照明ランプ13を有するランプユニット12内にメモリ23を設け、照明ランプ13を点灯するごとに、累積点灯時間Tを計時してメモリ23に記憶するようにした。したがって、制御回路9は、古い照明ランプ13を使用する場合でもその照明ランプ13の累積点灯時間Tを検出できる。また、操作者は、ランプユニット12を他のランプユニット12と交換するとき、累積点灯時間Tをリセットしなくてよい。この結果、照明ランプ13の管理が簡単になり、投射型表示装置1が使いやすくなる。
(2)累積点灯時間がt0A、t1Aおよびt2Aの場合の照明ランプ13の発光スペクトル分布特性をメモリ23に記憶し、照明ランプ13の累積点灯時間Tに応じて、メモリ23から発光スペクトル分布特性を読み出す。この発光スペクトル分布特性と光学系6の色分解合成特性とを10nmごとに乗算して 光学系6の投射レンズ7より出射される各色成分の光量を波長10nmごとに算出する。算出されたR、G、B色成分の光量比率を所定の比率にするように、補正回路4におけるR、G、B各色の信号に対する増幅率を設定することにより、投射型表示装置1で投射される画像の色バランスを補正するようにした。したがって、照明ランプ13の累積点灯時間Tによって発光スペクトル分布特性が変化しても、投射画像の色バランスを適正に補正することができるから、高品位の投射画像を得ることができる。
(3)上記(2)の照明ランプ13の発光スペクトル分布特性は、ランプユニット12内のメモリ23に記憶するので、照明ランプ13の種類により発光スペクトル分布特性が異なる場合でも、照明ランプ13の発光特性に応じたデータを記憶させることができる。この結果、照明ランプ13の種類によらず、適切な色バランス補正を行うことができる。また、メモリ23には他の照明ランプの特性を記憶しないので、メモリ23の記憶容量を小さく抑えることができる。
【0053】
(4)照明ランプ13の点灯指示をしてから10分経過後のランプ電圧、および照明ランプ13の点灯開始後5分のランプ電圧の上昇率を用いて、照明ランプ13の寿命判定を行うようにした。点灯開始後5分間のランプ電圧の上昇率について、メモリ23に記憶されている上昇率と、測定した上昇率との差が所定値X以上の場合に照明ランプ13の寿命が近いと判定する。また、メモリ23に記憶されている点灯指示後10分経過後のランプ電圧と、測定したランプ電圧との差が所定値Y以上の場合に照明ランプ13の寿命が近いと判定する。寿命が近いと判定したとき、LED26を点滅させて使用者に報知する。この結果、照明ランプ13に点灯を指示するごとに寿命判定を行うので、使用者は、寿命が近い場合にあらかじめ交換用の照明ランプ13を用意することができる。
(5)照明ランプ13の前回点灯時のランプ電圧を用いて、照明ランプ13の寿命判定を行うようにした。点灯指示後10分経過後のランプ電圧と、前回の点灯時のランプ電圧との差が所定値Z以上の場合に照明ランプ13の寿命が近いと判定する。前回点灯時のランプ電圧は、メモリ23に記憶されている。寿命が近いと判定したとき、LED26を点滅させて使用者に報知する。この結果、上記(4)と同様に、使用者は、あらかじめ交換用の照明ランプ13を用意することができる。
(6)初めて照明ランプ13を点灯させる場合、ランプ電圧などのデータがメモリ23に記憶されていなくても、新たにランプ電圧を測定してメモリ23に記憶し、このデータを用いて照明ランプ13の寿命判定を行うようにした。したがって、メモリ23にランプ電圧などのデータが記憶されているか否かにかかわらず、照明ランプ13の寿命を判定できる。
【0054】
上述した所定値X、YおよびZをメモリ23に記憶するようにしてもよい。この場合には、制御回路9がメモリ23に記憶されているX、Y、Zを読み出して、上述した判定処理で使用する。この結果、これら所定値X、Y、Zが照明ランプ13の種類によって異なる場合に、使用されている照明ランプ13に適した所定値をメモリ23に記憶しておくことで、最適な判定処理を行うことができる。
【0055】
−第二の実施の形態−
ランプ電圧などのデータを記憶するメモリを、投射型表示装置内に設けることもできる。図7は、本発明の第二の実施の形態による投射型表示装置の概要を表すブロック図である。図7において、投射型表示装置1aは、メモリ23aを有する点が図1の投射型表示装置1と異なる。メモリ23aは、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが用いられ、投射型表示装置1aに電源が供給されていないときでもメモリ23a内の記憶内容が保持される。図7のその他のブロックは、図1の投射型表示装置1と共通するものを図1と同じ符号で記す。投射型表示装置1aのスロット22には、ランプユニット12aが装着される。ランプユニット12aは、たとえば、キセノンランプである照明ランプ13を備える。第一の実施の形態と異なり、ランプユニット12aは、メモリを持たない。このランプユニット12aがスロット22に装着されることにより、照明ランプ13がコネクタ14を介して点灯回路11および検出回路25と接続される。
【0056】
ランプユニット12'aは、ハロゲンランプなどの種類が異なる照明ランプ13'を有するランプユニットである。ランプユニット12'aは、ランプユニット12aと置き換えて投射型表示装置1aに装着される。ランプユニット12'aがスロット22に装着されることにより、照明ランプ13'がコネクタ14'を介して点灯回路11および検出回路25と接続される。
【0057】
コネクタ14および14'は同一形状であり、それぞれ第1の所定ピンと第2の所定ピンとを有する。コネクタ14は、第1の所定ピンが接地され、第2の所定ピンが非接続にされている。一方、コネクタ14'は、第1の所定ピンが非接続にされ、第2の所定ピンが接地されている。したがって、制御回路9は、スロット22に装着されているランプユニットについて、第1の所定ピンおよび第2の所定ピンの電圧を検出することによって、ランプユニット12aと12'aとを区別し、照明ランプ13および13'を判別する。ここで、照明ランプ13のランプ種類をランプAと呼び、照明ランプ13'のランプ種類をランプBと呼ぶことにする。なお、第1および第2の所定ピンの電圧検出は、検出回路25によって行われる。検出回路25は、第一の実施の形態で説明したように、ランプ電圧の検出も行う。
【0058】
図8(a)〜図8(c)は、照明ランプ13'、すなわちランプBの発光スペクトルを説明する図である。図8(a)は、ランプBの累積点灯時間がt0Bにおける発光スペクトルを表す図である。図8(b)は、ランプBの累積点灯時間がt1B(ただし、t1B>t0B)における発光スペクトルを表す図である。図8(c)は、ランプBの累積点灯時間がt2B(ただし、t2B>t1B)における発光スペクトルを表す図である。図8(a)〜図8(c)において、横軸は、ランプBから発光される光の波長を表す。また、縦軸は、発光される光のエネルギーを表す。図8(a)〜図8(c)に示す例では、ランプBの累積点灯時間が長くなるにつれて、G色に相当する波長成分のエネルギーが他の色に相当する波長成分に比べて低下する。なお、本実施の形態では、t0B=0(時間)とする。
【0059】
メモリ23aには、図3(a)〜図3(c)で表される照明ランプ13、すなわち、ランプAの発光スペクトル分布特性データと、図8(a)〜図8(c)で表されるランプBの発光スペクトル分布特性データとが、たとえば、波長10nmごとに記憶されている。また、メモリ23aには、ランプAとランプBのそれぞれについて、累積点灯時間ごとのランプ電圧データがテーブル化されて記憶されている。制御回路9は、ランプの種類を判別した後にランプ電圧を測定し、メモリ23aから該当するランプ電圧データを読み出して照明ランプの累積点灯時間を求める。そして、求めた累積点灯時間に応じて、メモリ23aから該当するランプの発光スペクトル分布特性データを読み出す。
【0060】
一方、制御回路9は、あらかじめメモリ23aに記憶されている光学系6の色分解合成特性データを読み出す。そして、読み出した発光スペクトル分布特性と光学系6の色分解合成特性とを波長10nmごとに乗算して 上式(1)〜(3)のごとく光学系6の投射レンズ7より出射される各色成分の光量を波長10nmごとに算出する。算出されたR、G、B色成分の光量比率を所定の比率にするように、補正回路4におけるR、G、B各色の信号に対する増幅率を設定することにより、投射型表示装置1aで投射される画像の色バランスを補正する。
【0061】
次に、投射型表示装置1aで投射される画像の明るさYについて、以下のように補正する。装着されているランプユニットが12で、ランプAの累積点灯時間Tがt0Aの場合を考える。このとき、各色の光量比率がB:G:R=1:1:1で、明るさYが、Y=0.6・G+0.3・R+0.1・Bで与えられるものと仮定する。この場合の明るさは、Y(t0A)=0.6×1+0.3×1+0.1×1=1である。累積点灯時間Tがt1Aになったとき、各色の光量比率がB:G:R=0.6:0.8:1.2になったとする。制御回路9は、色バランスを補正するために、B色成分に対する増幅率を0.8/0.6倍に、R色成分に対する増幅率を0.8/1.2倍に設定するように補正回路4に指令を出す。すると、明るさは、Y(t1A)=0.6×0.8+0.3×0.8+0.1×0.8=0.8になって、色バランス補正前の明るさY(t0A)=1に比べて減少する。
【0062】
制御回路9は、この明るさの減少を補正するために、累積点灯時間Tがt1Aのとき、R、G、Bの全色成分に対する増幅率を1/0.8=1.25倍にするように補正回路4に対して指令を出す。すなわち、B色成分に対する増幅率を0.8/0.6/0.8=1.67倍に、G色成分に対する増幅率を1.25倍に、R色成分に対する増幅率を0.8/1.2/0.8=0.83倍にする。この結果、色バランス補正の前後で明るさYの値が同じになる。
【0063】
以上の投射型表示装置1aで行われる補正処理について、制御回路9で行われる処理を表すフローチャートを参照して説明する。図9は、前半の処理を説明するフローチャートである。ステップS600において、制御回路9は、メインスイッチ27がオン操作されると、スイッチ18をオンさせる信号を出力するとともに、図9のフローチャートで表されるプログラムを起動する。そして、累積点灯時間Tに対応するフラグFを初期値の3にセットする。フラグFは、F=0が累積点灯時間T=t0Aもしくはt0Bに対応し、F=1が累積点灯時間T=t1Aもしくはt1Bに対応し、F=3が累積点灯時間T=t2Aもしくはt2Bに対応する。制御回路9はさらに、照明ランプの種類に対応するフラグLを初期値の1にセットする。フラグLは、L=1がランプAに対応し、L=2がランプBに対応する。
【0064】
ステップS601において、制御回路9は、スロット22に装着されているランプユニットを区別し、ランプの種類がランプAか否かを判定する。ステップS601で肯定判定するとステップS602へ進み、否定判定するとステッップS603へ進む。ステップS602において、制御回路9は、フラグL=1をセットしてステップS604へ進む。ステップS603において、制御回路9は、フラグL=2をセットしてステップS604へ進む。
【0065】
ステップS604において、制御回路9は、照明ランプを点灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS604で肯定判定するとステップS605へ進み、否定判定するとステップS604の処理を繰り返す。ステップS605において、制御回路9は、スイッチ16をオンさせる信号を出力してステップS606へ進む。ステップS606において、制御回路9は、計時回路10に計時をスタートさせ、計時回路10の計時結果から時間tyが経過したか否かを判定する。ステップS606で肯定判定するとステップS607へ進み、否定判定すると再びステップS606の判定処理を繰り返す。時間tyは、照明ランプ13の点灯指示からの経過時間を表し、たとえば、10分が設定される。ステップS607において、制御回路9は検出回路25を介して照明ランプのランプ電圧VL1を取り込み、ステップS608へ進む。
【0066】
ステップS608において、制御回路9は、フラグL=1か否かを測定する。ステップS608で肯定判定するとステップS609へ進み、否定判定するとステップS610へ進む。ステップS609において、制御回路9は、ランプAに関してランプ電圧と累積点灯時間との関係を示すデータをメモリ23aから読み出す。そして、メモリ23aから読み出したデータと、ステップS607で取り込んだランプ電圧VL1からランプAの累積点灯時間TAを求める。
【0067】
ステップS611において、制御回路9は、TA<TLAを満足するか否かを判定する。ただし、TLAはランプAの平均的な寿命時間である。ステップS611で肯定判定すると、図10のフローチャートのステップS704Aへ進み、否定判定するとステップS730へ進む。ステップS730において、制御回路9は、スイッチ16をオフさせる信号を出力してステップS729に進む。この結果、ランプAが消灯される。ステップS729において、制御回路9は、LED26を点滅させて照明ランプの寿命を報知する。なお、LED26は、通常消灯されている。
【0068】
一方、上述したステップS608で否定判定されて進むステップS610において、制御回路9は、ランプBに関してランプ電圧と累積点灯時間との関係を示すデータをメモリ23aから読み出す。そして、メモリ23aから読み出したデータと、ステップS607で取り込んだランプ電圧VL1からランプBの累積点灯時間TBを求める。
【0069】
ステップS612において、制御回路9は、TB<TLBを満足するか否かを判定する。ただし、TLBはランプBの平均的な寿命時間である。ステップS612で肯定判定すると、図11のフローチャートのステップS704Bへ進み、否定判定すると上述したステップS730に進む。
【0070】
図10は、ランプAの場合の後半の処理を説明するフローチャートである。ステップS704Aにおいて、制御回路9は、累積点灯時間TAがt1Aより小か否かを判定する。ステップS704Aで肯定判定するとステップS707Aへ進み、否定判定するとステップS705Aに進む。ステップS707Aにおいて、制御回路9は、上述した図3(a)に示すランプAの発光スペクトル分布特性をメモリ23aから読み出すとともに、フラグF=0をセットしてステップS710Aへ進む。
【0071】
ステップS705Aにおいて、制御回路9は、累積点灯時間TAがt2Aより小か否かを判定する。ステップS705Aで肯定判定するとステップS708Aへ進み、否定判定するとステップS709Aへ進む。ステップS708Aにおいて、制御回路9は、上述した図3(b)に示すランプAの発光スペクトル分布特性をメモリ23aから読み出すとともに、フラグF=1をセットしてステップS710Aへ進む。
【0072】
ステップS709Aにおいて、制御回路9は、上述した図3(c)に示すランプAの発光スペクトル分布特性をメモリ23aから読み出して、ステップS710Aへ進む。
【0073】
ステップS710Aにおいて、制御回路9は、光学系6の色分解合成特性のデータをメモリ23aから読み出す。そして、上述したように、発光スペクトル分布特性と色分解合成特性の両特性データについて、対応する波長ごとに上式(1)〜(3)により両者を乗算する。そして、算出された投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量に基づいて、色バランスと明るさ補正に必要な各色の信号に対する増幅率を求めて補正回路4に設定する。制御回路9は、補正回路4に対して増幅率を設定するとステップS712Aへ進む。
【0074】
ステップS712Aにおいて、制御回路9は、計時回路10に計時をスタートさせる。ステップS713Aにおいて、制御回路9は、計時回路10の計時結果から時間txが経過したか否かを判定する。ステップS713Aで肯定判定するとステップS714Aへ進み、否定判定すると再びステップS713Aの判定処理を繰り返す。時間txは、メモリ23aに照明ランプの累積点灯時間を書き込む書き込みサイクル時間である。時間txは、たとえば、15(秒)に設定される。
【0075】
ステップS714Aにおいて、制御回路9は、検出回路25を介して照明ランプのランプ電圧VL1を取り込み、ステップS714A'へ進む。ステップS714A'において、制御回路9は、ランプAに関してランプ電圧と累積点灯時間との関係を示すデータをメモリ23aから読み出す。そして、メモリ23aから読み出したデータと、ステップS714A'で取り込んだランプ電圧VL1からランプAの累積点灯時間TAを新たに求め、T=TAとおく。
【0076】
ステップS715Aにおいて、制御回路9は、フラグF=0か否かを判定する。ステップS715Aで肯定判定するとステップS717Aへ進み、否定判定するとステップS716Aへ進む。ステップS717Aにおいて、制御回路9は、累積点灯時間Tがt1A≦T<t2Aを満足するか否かを判定する。ステップS717Aで肯定判定するとステップS718Aへ進み、否定判定するとステップS723Aへ進む。
【0077】
ステップS718Aにおいて、制御回路9は、上述した図3(b)に示すランプAの発光スペクトル分布特性をメモリ23aから読み出すとともに、フラグF=1をセットしてステップS719Aへ進む。ステップS719Aにおいて、制御回路9は、光学系6の色分解合成特性のデータをメモリ23aから読み出す。そして、上述したように、発光スペクトル分布特性と色分解合成特性の両特性データについて、対応する波長ごとに上式(1)〜(3)により両者を乗算する。そして、算出された投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量に基づいて、色バランスと明るさ補正に必要な各色の信号に対する増幅率を求めて補正回路4に設定する。制御回路9は、補正回路4に対して増幅率を設定するとステップS723Aへ進む。
【0078】
上述したステップS715Aで否定判定されて進むステップS716Aにおいて、制御回路9は、フラグF=1か否かを判定する。ステップS716Aで肯定判定するとステップS720Aへ進み、否定判定するとステップS723Aへ進む。ステップS720Aにおいて、制御回路9は、累積点灯時間TがT≧t2Aを満足するか否かを判定する。ステップS720Aで肯定判定するとステップS721Aへ進み、否定判定するとステップS723Aへ進む。
【0079】
ステップS721Aにおいて、制御回路9は、上述した図3(c)に示すランプAの発光スペクトル分布特性をメモリ23aから読み出すとともに、フラグF=2をセットしてステップS722Aへ進む。ステップS722Aにおいて、制御回路9は、光学系6の色分解合成特性のデータをメモリ23aから読み出す。そして、上述したように、発光スペクトル分布特性と色分解合成特性の両特性データについて、対応する波長ごとに上式(1)〜(3)により両者を乗算する。そして、算出された投射レンズ7より出射されるR色、G色、B色の各成分の光量に基づいて、色バランスと明るさ補正に必要な各色の信号に対する増幅率を求めて補正回路4に設定する。制御回路9は、補正回路4に対して増幅率を設定するとステップS723Aへ進む。
【0080】
ステップS723Aにおいて、制御回路9は、照明ランプを消灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS723Aで肯定判定するとステップS725Aに進み、否定判定するとステップS724Aへ進む。ステップS725Aにおいて、制御回路9は、スイッチ16をオフさせる信号を出力するとともに、計時回路10に計時をストップさせて、ステップS726へ進む。
【0081】
ステップS723Aで否定判定されて進むステップS724Aにおいて、制御回路9は、メインスイッチ27がオフされたか否かを判定する。ステップS724Aで肯定判定すると図10の処理を終了し、ステップS724Aで否定判定するとステップS713Aへ戻る。
【0082】
ステップS726において、制御回路9は、照明ランプを点灯する指示がなされたか否かを判定する。ステップS726で肯定判定すると図9のステップS605へ戻り、否定判定するとステップS727へ進む。ステップS727において、制御回路9は、メインスイッチ27がオフされたか否かを判定する。ステップS727で肯定判定すると図10の処理を終了し、ステップS727で否定判定するとステップS726へ戻る。
【0083】
図11は、ランプBの場合の後半の処理を説明するフローチャートである。図11の処理の流れは、上述した図10のランプAの場合の後半の処理と同じであり、詳細な説明を省略する。すなわち、ランプBの場合は、フローチャートのステップ数を表す符号のうちAをBに、累積点灯時間TAをTBに、図3(a)〜(c)の発光スペクトル分布特性を図8(a)〜(c)の発光スペクトル分布特性に、時間t0A,t1Aおよびt2Aを、それぞれt0B,t1Bおよびt2Bに置き換えればよい。
【0084】
以上説明した第二の実施の形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(1)投射型表示装置1aとランプユニットとを接続するコネクタ14に第1の所定ピンと第2の所定ピンを設け、ランプAを有するランプユニット12aの第1の所定ピンを接地し、ランプBを有するランプユニット12'aの第2の所定ピンを接地するようにした。したがって、制御回路9は、第1および第2の所定ピンの電圧を検出することによりランプユニット12aと12'aとを区別し、ランプAとランプBを判別することができる。したがって、操作者が投射型表示装置1aにランプの種類を設定しなくてよいので、投射型表示装置1aの操作を簡略化できる。
(2)投射型表示装置1aにメモリ23aを設け、ランプAとランプBのそれぞれについて、ランプ電圧と累積点灯時間Tとの関係を表すデータをテーブル化してメモリ23aに記憶するようにした。したがって、照明ランプを点灯するごとに、メモリ23aから該当するランプのデータを読み込んで累積点灯時間を求めることができる。この結果、古い照明ランプを使用する場合でもその照明ランプの累積点灯時間Tがわかる上に、照明ランプを他の照明ランプと交換する場合に累積点灯時間Tをリセットする必要がないから、照明ランプの管理がしやすくなる。また、ランプユニット12aおよび12'aのそれぞれにメモリを設けなくてよいから、ランプユニット12aおよび12'aのコストを低減できる。
(3)ランプAとランプBのそれぞれについて、累積点灯時間がt0A、t1Aおよびt2Aの場合の照明ランプの発光スペクトル分布特性をメモリ23aに記憶し、求めた照明ランプの累積点灯時間Tに応じて、メモリ23aから発光スペクトル分布特性を読み出す。この発光スペクトル分布特性と光学系6の色分解合成特性とを10nmごとに乗算して 光学系6の投射レンズ7より出射される各色成分の光量を波長10nmごとに算出する。算出されたR、G、B色成分の光量比率を所定の比率にして色バランス補正するとともに、色バランス補正の前後で明るさが変化しないように明るさ補正するようにした。したがって、高品位の投射画像を得ることができる。
【0085】
上述したステップS714A、ステップS714A'において、制御回路9がランプ電圧VL1を測定し、メモリ23aから読み出したテーブルデータと測定したランプ電圧VL1を用いて累積点灯時間Tを求めるようにした。この代わりに、メモリ23aに累積点灯時間Tを記憶しておき、記憶されている累積点灯時間Tを読み出すようにしてもよい。この場合には、制御回路9がメモリ23aから累積点灯時間Tを読み込み、T=T+txとして算出される新たな累積点灯時間Tをメモリ23aに上書きしてステップS715Aへ進めばよい。
【0086】
投射型表示装置1aは、ランプAとランプBの2種類の照明ランプを選択的に用いるように説明したが、3種類以上の照明ランプを選択的に用いるようにしてもよい。
【0087】
以上説明した投射型表示装置1、1aでは、外部装置8からの映像信号の入力の有無により、制御回路9が照明ランプ13を点灯するスイッチ16をオン/オフさせるようにした。この代わりに、照明ランプ13の点灯/消灯用の操作スイッチを設けるようにしてもよい。この場合には、照明ランプ13の点灯/消灯用の操作スイッチによる操作信号が制御回路9に入力されると、制御回路9が操作信号に応じてスイッチ16に対するオン/オフを指示する。
【0088】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明すると、ランプユニット12,12a,12'aが照明ユニットに、スロット22が照明保持手段に、液晶パネルP1〜P3が画像生成素子に、投射レンズ7が投影光学系に、発光スペクトル分布特性が発光特性に、制御回路9が判断手段、点灯時間検出手段およびデータ更新手段に、補正回路4が画像信号処理手段に、メモリ23,23aが記憶手段に、コネクタ15が受信手段に、コネクタ14,14'が種類指示手段に、検出回路25が照明種類検出手段に、色バランス補正がカラーバランス処理に、明るさ補正が輝度レベルの調整に、それぞれ対応する。
【0089】
以上詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1〜3に記載の発明による投射型表示装置では、着脱可能に装着される照明ユニットの発光スペクトル分布特性と投影光学系の光学特性を判断し、この判断に基づいて色バランス処理および輝度レベル調整を画像信号に対して行い、投影画像を生成するようにした。したがって、投影光学系の光学特性を考慮した最適な色バランス処理が行えるとともに、色バランス処理前後で投影画像の明るさの変化を抑えるようにすることができる。
(2)とくに、請求項2に記載の発明では、照明ユニットの発光スペクトル分布特性データを照明ユニットの記憶手段に記憶するようにした。この結果、該当する照明ユニットの発光特性データだけを記憶手段に記憶すればよいから、記憶手段の記憶容量を小さく抑えることができる。
(3)とくに、請求項3に記載の発明では、照明ユニットに種類指示手段を設け、投射型表示装置側から装着されている照明ユニットの種類を検出可能にするとともに、照明ユニットの発光特性データを投射型表示装置内の記憶手段に記憶するようにした。したがって、検出した照明ユニットの種類に対応する発光特性データを記憶手段から読み出して発光特性を判断することができる。この結果、複数の照明ユニットのそれぞれに記憶手段を設けて発光特性データを記憶する場合に比べて、コストを抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態による投射型表示装置の概要を表すブロック図である。
【図2】光学系を説明する図である。
【図3】 (a)累積点灯時間t0Aにおける発光スペクトル分布特性、(b)累積点灯時間t1Aにおける発光スペクトル分布特性、(c)累積点灯時間t2Aにおける発光スペクトル分布特性、(d)光学系の色分解合成特性を表す図である。
【図4】照明ランプの累積点灯時間に基づいて行われる色バランス補正を説明するフローチャートである。
【図5】照明ランプの点灯指示をしてから10分経過後の端子電圧、および照明ランプの点灯開始後5分間の端子電圧の上昇率を利用して行う照明ランプの寿命判定を説明するフローチャートである。
【図6】前回点灯時のランプ電圧に対する上昇率を利用して行う照明ランプの寿命判定を説明するフローチャートである。
【図7】第二の実施の形態による投射型表示装置の概要を表すブロック図である。
【図8】 (a)累積点灯時間t0Bにおける発光スペクトル分布特性、(b)累積点灯時間t1Bにおける発光スペクトル分布特性、(c)累積点灯時間t2Bにおける発光スペクトル分布特性を表す図である。
【図9】色バランス補正および明るさ補正処理を説明する前半のフローチャートである。
【図10】ランプAの場合の後半のフローチャートである。
【図11】ランプBの場合の後半のフローチャートである。
【符号の説明】
1,1a…投射型表示装置、 3…A/D変換器、
4…補正回路、 5…駆動回路、
6…光学系、 7…投射レンズ、
8…外部装置、 9…制御回路、
10…計時回路、 11…点灯回路、
12,12a,12'a…ランプユニット、13,13'…照明ランプ、
14,14',15…コネクタ、 16,18…スイッチ、
19…電源回路、 22…スロット、
23,23a…メモリ、 24…ファン、
25…検出回路、 26…LED、
27…メインスイッチ、 D1〜D4…ダイクロイックミラー、
M1〜M3…ミラー、 P1…赤色用液晶パネル、
P2…緑色用液晶パネル、 P3…青色用液晶パネル、
S…スクリーン

Claims (3)

  1. 照明光を出射する照明ユニットと、
    前記照明ユニットを着脱可能に保持する照明保持手段と、
    画像信号に基づいて、前記照明ユニットからの照明光を変調して出射することにより画像を生成する画像生成素子と、
    前記画像生成素子の像を投影する投影光学系と、
    前記照明ユニットの累積点灯時間に対応した発光スペクトル分布特性と前記投影光学系の光学特性とを記憶する記憶手段と、
    前記照明ユニットの累積点灯時間を検出する点灯時間検出手段と、
    前記点灯時間検出手段により検出された前記累積点灯時間に対応した発光スペクトル分布特性を前記記憶手段から読み出すとともに、前記投影光学系の光学特性を前記記憶手段から読み出し、前記読み出された発光スペクトル分布特性と前記投影光学系の光学特性とに基づいて、前記画像信号に対する色バランス処理および前記色バランス処理の前後における輝度レベルの調整を行うための補正値を算出する制御手段と、
    前記制御手段により算出された前記補正値に基づいて、前記画像信号を補正する画像信号処理手段と、
    前記画像信号処理手段により補正処理された前記画像信号を前記画像生成素子へ出力する画像生成素子駆動手段と、
    を有することを特徴とする投射型表示装置。
  2. 請求項1に記載の投射型表示装置において、
    前記記憶手段は前記照明ユニットに配置され、
    前記発光スペクトル分布特性を前記照明ユニットから受信し、前記制御手段に出力する受信手段をさらに有することを特徴とする投射型表示装置。
  3. 請求項1に記載の投射型表示装置において、
    前記制御手段と前記画像信号処理手段とを収納する筐体と、
    前記照明ユニットに配置され、前記照明ユニットの種類を示す種類指示手段と、
    前記筐体に配置され、前記種類指示手段に基づいて前記照明ユニットの種類を検出する照明種類検出手段とをさらに有し、
    前記記憶手段は、前記筐体に収納され、
    前記制御手段は、前記点灯時間検出手段により検出された累積点灯時間と前記照明種類検出手段の検出した前記照明ユニットの種類とに基づいて、対応する発光スペクトル分布特性を前記記録手段から読み出すとともに、前記読み出された発光スペクトル分布特性と前記投影光学系の光学特性とに基づいて、前記画像信号に対する色バランス処理および前記色バランス処理の前後における輝度レベルの調整を行うための補正値を算出することを特徴とする投射型表示装置。
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