JP4604271B2 - ガス燃焼システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスボンベに液化して封入した燃料ガスを家庭用ガス引込口を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、家庭用のガス種としては、主に都市ガスとLPG(プロパンを主成分とした液化石油ガス)が用いられているが、LPGはやや高価である。そこで、最近、安価なガスであるDME(ジメチルエーテル)をLPGの代替燃料として使用することが検討されている。
また、DMEの供給は現在のところ充分なものではないので、常にDMEを使い続けることができる保障もなく、DMEの供給が滞った場合には、LPGを使う等、今後LPGをDMEに置き換えるにしても、当面の間はDMEとLPGとの並行使用をすることも考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DMEとLPGとはウォッベ指数(WI)が大幅に異なるために、LPG用のガス器具にそのままDMEを供給すると、単位時間あたりの発熱量(インプット)が大幅に変化してガス器具の燃焼や出力などの性能が悪化してしまうので、供給ガスがDMEかLPGかを判別する必要がある。
そこで、本発明のガス燃焼システムは上記課題を解決し、燃料ガスの種類を容易かつ確実に判別し、異なる種類の燃料ガスの並行使用に対応できるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のガス燃焼システムは、
ガスボンベに液化して封入した燃料ガスを家庭用ガス引込口を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムにおいて、
上記ガスボンベ内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出する圧力検出手段と、
上記ガスボンベ内あるいは上記ガスボンベが置かれている雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、
上記圧力検出手段による飽和蒸気圧検出と上記温度検出手段による温度検出とに基づいて、上記ガスボンベ内に封入された燃料ガス種を判別するガス種判別手段と、
上記ガス種判別手段により判別された燃料ガス種に応じて、上記ガス器具の燃焼を制御する燃焼制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0005】
また、本発明の請求項2記載のガス燃焼システムは、
ガスボンベに液化して封入した燃料ガスを家庭用ガス引込口を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムにおいて、
上記ガスボンベ内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出する圧力検出手段と、
上記ガスボンベ内あるいは上記ガスボンベが置かれている雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、
上記圧力検出手段による飽和蒸気圧検出と上記温度検出手段による温度検出とに基づいて、上記ガスボンベ内に封入された燃料ガス種を判別するガス種判別手段と、
上記ガス種判別手段により判別された燃料ガス種が上記ガス器具の仕様と異なる場合には、上記ガス器具の燃焼を禁止する燃焼禁止手段と
を備えたことを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項3記載のガス燃焼システムは、上記請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システムにおいて、
上記ガス種判別される燃料ガスは、LPGとDMEとであることを要旨とする。
【0007】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のガス燃焼システムは、圧力検出手段がガスボンベ内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出し、温度検出手段がガスボンベ内あるいはガスボンベが置かれている雰囲気の温度を検出する。そして、検出された飽和蒸気圧と温度とに基づいて、ガス種判別手段がガスボンベ内の燃料ガス種を判別する。
飽和蒸気圧は、燃料ガスの種類と温度とにより定まるから、ガスボンベに封入された燃料ガスの飽和蒸気圧と温度とを検出すると、その燃料ガスの種類を確実に判別することができる。
そして、判別された燃料ガス種に基づいて、燃焼制御手段がガス器具の燃焼を制御するので、複数種類の燃料ガスを並行使用してもガス器具を良好に使用することができる。
【0008】
また、本発明の請求項2記載のガス燃焼システムは、圧力検出手段がガスボンベ内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出し、温度検出手段がガスボンベ内あるいはガスボンベが置かれている雰囲気の温度を検出する。そして、検出された飽和蒸気圧と温度とに基づいて、ガス種判別手段がガスボンベ内の燃料ガス種を判別する。
飽和蒸気圧は、燃料ガスの種類と温度とにより定まるから、ガスボンベに封入された燃料ガスの飽和蒸気圧と温度とを検出すると、その燃料ガスの種類を確実に判別することができる。
そして、ガス種判別手段の判別結果に基づいて、燃料ガスの種類がガス器具の仕様と異なると判断される場合には、燃焼禁止手段によりガス器具の燃焼を禁止する。
【0009】
また、本発明の請求項3記載のガス燃焼システムでは、DMEとLPGとで飽和蒸気圧が大幅に異なるため、DMEとLPGとを確実に判別できる。そして、判別結果に基づいてガス器具の燃焼を制御することにより、LPGとDMEとの並行使用が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のガス燃焼システムの好適な実施形態について説明する。
【0011】
《第一実施形態》
図1は、ガス器具として給湯器3を用いた場合の本発明の第一実施形態としての家庭用ガス燃焼システム1の概略構成図である。
ガス燃焼システム1は、燃料ガスとしてLPGあるいはDMEが液化され封入されたガスボンベ2と、ガス器具としての給湯器3と、ガスボンベ2と給湯器3とを接続するガス配管4とを備える。尚、本実施形態では、LPGとしては、100%プロパンを用いている。
ガスボンベ2内には、燃料ガスが液化された液化ガスが封入されているが、液化ガスの一部は気化して気体ガスとして、液化ガスと気体ガスとが平衡状態で存在している。また、これらの液化ガスや気体ガスの温度は、ガスボンベ2が置かれている雰囲気の外気温と等しくなっている。
そして、このガスボンベ2には、ガスボンベ2内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出する圧力センサー25と、燃料ガスの温度を検出する温度センサー26が設けられる。
【0012】
給湯器3は、図1に示すように、器具本体5内に燃焼室6が設けられ、その下方にDCモータ7と連結した給気ファン8が取り付けられる。
燃焼室6内には、下から順に、燃料ガスと給気ファン8からの一次空気との混合ガスを燃焼するバーナ9と、バーナ9の燃焼熱により通水を加熱するフィンチューブ式の熱交換器10とが設けられる。燃焼室6の上部には、熱交換器10で熱交換後の燃焼排気を器体外へ排出する排気口11が形成される。
【0013】
器具本体5内に設けられる通水管は、上流から順に、燃焼室6を外側で巻回する給水管12,熱交換器10に設けられる伝熱管13,出湯管14からなる。この給水管12には、水流センサや水ガバナを備える水側制御ユニット15と入水温サーミスタ58とが設けられ、また、出湯管14には出湯温サーミスタ59が設けられる。
【0014】
また、器具本体5のガス接続口16からバーナ9へのガス管17には、上流から順に、主電磁弁19、ガバナ付きガス比例弁20が設けられる。
器具本体5のガス接続口16には、屋内に配設されたガス配管4が接続され、家庭用ガス引込口22に接続されたガスボンベ2から燃料ガスが供給される。ガスボンベ2としては、LPGが封入されたLPGボンベか、DMEが封入されたDMEボンベの何れかが使用される。
【0015】
また、水側制御ユニット15内の水流センサや、主電磁弁19、ガス比例弁20、DCモータ7等は、この給湯器3の燃焼を制御するバーナコントローラ24に電気的に接続される。そして、バーナコントローラ24には、圧力検知信号の入力端子27と温度検知信号の入力端子28とが設けられ、入力端子27には圧力センサー25の信号線が接続され、入力端子28には温度センサー26の信号線が接続される。
バーナコントローラ24は、マイコンを主要部として構成され、給湯制御だけでなく、圧力センサー25が検出した燃料ガスの飽和蒸気圧及び温度センサー26が検出した燃料ガスの温度に基づいて、供給された燃料ガスがLPGかDMEかを判別するガス種判別機能を備えている。また、給湯器3は、バーナコントローラ24を遠隔操作するリモコン60を備え、このリモコン60には、各種設定スイッチ、表示器の他、ガス種判別結果を点灯により報知するLPGランプ29及びDMEランプ30が設けられる。
【0016】
この様に構成された給湯器3のバーナコントローラ24の行う処理について図2のフローチャートを用いて説明する。
先ず、図示しない給湯栓を開くことにより給水管12に水(図中破線矢印)が流れると、水側制御ユニット15内の水流センサからの水流信号を検知し、給気ファン8をDCモータ7の駆動により回転させてプリパージを開始すると共に、圧力センサー25と温度センサー26からの信号を入力して、ガスボンベ2に封入された燃料ガスの飽和蒸気圧と燃料ガスの温度とを検出する(S1)。
【0017】
続いて、検出された飽和蒸気圧と温度とに基づいて、ガスボンベ2に封入された燃料ガスがLPGかDMEの何れであるかを判別する(S2)。
ここで判別方法について説明する。
LPG(本実施形態では、100%プロパンを用いている)とDMEの飽和蒸気圧曲線を図3に示す。このグラフで横軸は温度であり、縦軸はその温度の時のLPGあるいはDMEの飽和蒸気圧である。グラフより明かなように、LPGとDMEとでは異なる飽和蒸気圧曲線を示すので、この飽和蒸気圧曲線をバーナコントローラ24の不揮発性メモリに記憶しておき、検出した飽和蒸気圧と温度とが、図3のLPGの飽和蒸気圧曲線にのる場合には封入された燃料ガスはLPGであると判断し(S3)、図3のDMEの飽和蒸気圧曲線にのる場合には封入された燃料ガスはDMEであると判断する(S4)。
例えば、検出温度が20℃で検出飽和蒸気圧が800kPaならば、この点は、図3のグラフではLPGの飽和蒸気圧曲線にのるので、この場合は封入された燃料ガスはLPGであると判断する。また、検出温度が20℃で検出飽和蒸気圧が500kPaならば、この点は、DMEの飽和蒸気圧曲線にのるので、この場合は封入された燃料ガスはDMEであると判断する。
【0018】
そして、このガス種判別結果をリモコンに設けられたLPGランプ29あるいはDMEランプ30を点灯して報知する(S5)。つまり、ガスボンベ2内の燃料ガスがLPGと判断されればLPGランプ29を点灯し、DMEと判別されればDMEランプ30を点灯する。
【0019】
次に、判別されたガス種に対応する空燃比制御データを選択する(S6)。この空燃比制御データは、各ガス種毎に、要求インプットIp(後述する)に対するガス比例弁電流I(図4参照)と給気ファン8の回転数との目標制御値を表すもので不揮発性メモリに記憶されている。
【0020】
そして、リモコン60で設定された出湯温度と入水温サーミスタ58で検出された入水温度との温度差に入水流量を乗じて要求インプットIpを算出し、選択された空燃比制御データに基づいてフィードフォーワード燃焼制御を開始する。この燃焼制御中に、出湯温サーミスタ59で検出される湯温と設定温度とに温度差があると、熱交換器10の出口温度を一定に保たせるように比例弁電流Iを連続的に補正すると共に、常にガス量と給気量とが所定の関係に保たれるように給気ファン8の回転数も補正するフィードバック燃焼制御を行う(S7)。
【0021】
以上説明した本実施形態のガス燃焼システム1によれば、ガスボンベ2内の燃料ガスの飽和蒸気圧と温度とを検出するといった簡単な方法で、ガスボンベ2に封入されたガス種を判別することができる。しかも、LPGとDMEとでは飽和蒸気圧が大幅に異なるため、検出した飽和蒸気圧と温度とに多少の誤差が含まれていたとしても判別を確実に行うことができる。LPGとDMEとを誤判別してしまうと、特にウォッベ指数の低いDMEが封入されているのに、ウォッベ指数の高いLPGが封入されていると判別してしまうと、ガス器具へのインプットが大きくなりすぎて危険であるが、上述したように大幅に異なる飽和蒸気圧を利用して確実に判別できるので安全である。
【0022】
そして、判別されたガス種に基づいて、バーナ9の必要燃焼量に対応した量の燃料ガスと燃焼用空気とをバーナ9に供給するようにガス比例弁20と給気ファン8とが自動的に調整されるので、ノズル交換等の煩雑なガス種転換作業を行うことなしに、ウォッベ指数の異なるLPGとDMEとの何れを使用しても給湯器3を良好に使用することができる。従って、通常は値段の安いDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用するといった、DMEとLPGとの並行使用を使い勝手良く行うことができ経済的である。
また、異なる燃料ガスが封入されたガスボンベにつなぎかえて供給ガス種を変更すると、そのガス種の仕様に自動的に変更して燃焼制御を行うため、常に適切な仕様で燃焼できて安全である。しかも、わざわざ手動で器具の設定仕様を切り替える必要がなく便利である。
また、液化ガスであれば、ガス種毎に飽和蒸気圧曲線を不揮発性メモリに記憶しておけば判別可能となるので、将来特殊な燃料ガスを使う場合においてもちょっとした設定変更を行うだけで対応することができる。
【0023】
また、本実施形態では、ガス種を変更すると、使用者による切替操作なしで器具の仕様が自動切替されるためガス種変更に気付きにくいが、リモコン60のLPGランプ29とDMEランプ30の何れかの点灯によりガスボンベ2内の燃料ガスの種類を把握できる。
【0024】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、バーナコントローラ24内の不揮発性メモリに予めガス器具(給湯器3)のガス種仕様を記憶しておき、判別された燃料ガスの種類と予め記憶したガス種仕様が異なる場合には、燃焼動作を禁止する様に制御しても構わない。この場合のバーナコントローラ24の行う処理について図5のフローチャートを用いて説明する。
上述したのと同様にしてガス種を判別した後に(S1〜S5)、判別した燃料ガスの種類が、不揮発性メモリに記憶されている給湯器3の仕様と異なるか否かを判断する(S8)。
仕様に適合しない場合には(S8:NO)、燃焼制御に入らずに燃焼動作を禁止し、リモコン60に設けられた図示しないブザーを鳴らして使用者に燃料ガス種と器具の仕様の不一致を報知する(S9)。
一方、判別したガス種が仕様に適合する場合には(S8:YES)、そのガス種に適した燃焼制御を行う(S10)。
この場合には、適合しない仕様、すなわち良好な燃焼性が維持できないような仕様で燃焼することを防止でき安全である。尚、こうした場合には、サービスマンによるガス種転換調整作業後に、使用可能となる。
【0025】
また、ガスボンベ2に封入される燃料ガス種としてLPG(100%プロパン)とDMEとが用いられているが、これに限られるものではない。
また、ガスボンベ2内の燃料ガスの温度は、ガスボンベ2が置かれる雰囲気の温度と等しくなっているので、温度センサー26をガスボンベ2内に設けて直接燃料ガスの温度を検出しなくても、ガスボンベ2の近傍に温度センサーを設けて雰囲気の温度を検出してその温度を燃料ガスの温度とみなすようにしてもよい。
【0026】
《第二実施形態》
次に、第二実施形態について図6,図7を用いて説明する。尚、第一実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
【0027】
第二実施形態のガス燃焼システム201では、ガス種判別機能をバーナコントローラ224に持たせず、図6に示すようにガス種判別機能をもった判別コントローラ31を給湯器203の外部に設けて、判別信号をバーナコントローラ224に入力する。この場合には、判別コントローラ31に、圧力検知信号の入力端子32と温度検知信号の入力端子33とを設けて、入力端子32には圧力センサー25からの信号線を接続し、入力端子33には温度センサー26からの信号線を接続すると共に、バーナコントローラ224に判別信号の入力端子34を設けて、判別コントローラ31からの信号線を接続する。
また、判別コントローラ31には、ガス種判別結果を点灯により報知するLPGランプ35,DMEランプ36が設けられる。
【0028】
このように構成されたガス燃焼システム201のバーナコントローラ224と判別コントローラ31とが行う処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
先ず、給湯器203の図示しない給湯栓を開くことにより給水管12に水(図中破線矢印)が流れると、水側制御ユニット15内の水流センサからの水流信号を検知し、給気ファン8をDCモータ7の駆動により回転させてプリパージを開始すると共に、バーナコントローラ224から判別コントローラ31へガス種判別指令を出力する(SA1)。判別コントローラ31は、判別指令信号が入力されるか否かを判断しており(SB1)、判別指令信号を受信すると、圧力センサー25と温度センサー26からの信号を入力して、ガスボンベ2に封入された燃料ガスの飽和蒸気圧と燃料ガスの温度とを検出する(SB2)。
【0029】
続いて、検出された飽和蒸気圧と温度とに基づいて、ガスボンベ2に封入された燃料ガスがLPGかDMEの何れであるかを判別する(SB3)。
LPGとDMEの飽和蒸気圧曲線(図3)を判別コントローラ31の不揮発性メモリに記憶しておき、検出した飽和蒸気圧と温度とが、図3のLPGの飽和蒸気圧曲線にのる場合には封入された燃料ガスはLPGであると判断し(SB4)、図3のDMEの飽和蒸気圧曲線にのる場合には封入された燃料ガスはDMEであると判断する(SB5)。
【0030】
この判別結果を判別結果信号として判別コントローラ31からバーナコントローラ224へ出力する(SB6)。バーナコントローラ224は、判別結果信号が入力されるか否かを判断しており(SA2)、判別結果信号を受信すると、リモコン60及び判別コントローラ31にそれぞれ設けられたランプ29,30,35,36のうち、ガスボンベ内の燃料ガスに対応するランプを点灯して報知する(SA3)。つまり、LPGと判別されればLPGランプ29,35を点灯し、DMEと判別されればDMEランプ30,36を点灯する。
【0031】
次に、判別されたガス種に対応する空燃比制御データを選択する(SA4)。この空燃比制御データは、各ガス種毎に、要求インプットIpに対するガス比例弁電流I(図4参照)と給気ファン8の回転数との目標制御値を表すものでバーナコントローラ224の不揮発性メモリに記憶されている。
【0032】
そして、リモコン60で設定された出湯温度と入水温サーミスタ58で検出された入水温度との温度差に入水流量を乗じて要求インプットIpを算出し、選択された空燃比制御データに基づいてフィードフォーワード燃焼制御を開始する。この燃焼制御中に、出湯温サーミスタ59で検出される湯温と設定温度とに温度差があると、熱交換器10の出口温度を一定に保たせるように比例弁電流Iを連続的に補正すると共に、常にガス量と給気量とが所定の関係に保たれるように給気ファン8の回転数も補正するフィードバック燃焼制御を行う(SA5)。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のガス燃焼システムによれば、ガス種による飽和蒸気圧の違いを利用して、ガス種判別を容易に行うことができる。
そして、判別されたガス種に応じて、ガス器具の燃焼が良好に制御されるので、異なるウォッベ指数の燃料ガスを並行使用することができる。このため、燃料ガスの価格や市場への供給状態に応じて、使用するガス種を選択することができ経済的である。
【0034】
更に、本発明の請求項2記載のガス燃焼システムによれば、ガス種による飽和蒸気圧の違いを利用して、ガス種判別を容易に行うことができる。
そして、判別された燃焼ガスの種類がガス器具の仕様と異なる場合には、ガス器具の燃焼を禁止するため、適合しない仕様で燃焼することを未然に防ぐことができ、安全である。
【0035】
更に、本発明の請求項3記載のガス種判別装置によれば、DMEとLPGとで飽和蒸気圧が大幅に異なるために、DMEとLPGとを確実に判別でき、誤判別を防止できるので安全である。
そして、LPGとDMEの並行使用が可能となるので、安価なDMEの市場への供給が充分な場合はDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用することができ、LPGからDMEへの移行期において非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態としてガス燃焼システムの概略構成図である。
【図2】第一実施形態の給湯器の作動制御を示すフローチャートである。
【図3】LPG及びDMEの飽和蒸気圧曲線を表すグラフである。
【図4】給湯器のインプットに対する比例弁電流の関係を示すグラフである。
【図5】別の実施形態の給湯器の作動制御を示すフローチャートである。
【図6】第二実施形態としてガス燃焼システムの概略構成図である。
【図7】第二実施形態の給湯器の作動制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,201…ガス燃焼システム、2…ガスボンベ、3,203…給湯器、24,224…バーナコントローラ、22…家庭用ガス引込口、25…圧力センサー、26…温度センサー、31…判別コントローラ。
Claims (3)
- ガスボンベに液化して封入した燃料ガスを家庭用ガス引込口を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムにおいて、
上記ガスボンベ内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出する圧力検出手段と、
上記ガスボンベ内あるいは上記ガスボンベが置かれている雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、
上記圧力検出手段による飽和蒸気圧検出と上記温度検出手段による温度検出とに基づいて、上記ガスボンベ内に封入された燃料ガス種を判別するガス種判別手段と、
上記ガス種判別手段により判別された燃料ガス種に応じて、上記ガス器具の燃焼を制御する燃焼制御手段と
を備えたことを特徴とするガス燃焼システム。 - ガスボンベに液化して封入した燃料ガスを家庭用ガス引込口を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムにおいて、
上記ガスボンベ内の燃料ガスの飽和蒸気圧を検出する圧力検出手段と、
上記ガスボンベ内あるいは上記ガスボンベが置かれている雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、
上記圧力検出手段による飽和蒸気圧検出と上記温度検出手段による温度検出とに基づいて、上記ガスボンベ内に封入された燃料ガス種を判別するガス種判別手段と、
上記ガス種判別手段により判別された燃料ガス種が上記ガス器具の仕様と異なる場合には、上記ガス器具の燃焼を禁止する燃焼禁止手段と
を備えたことを特徴とするガス燃焼システム。 - 上記ガス種判別される燃料ガスは、LPGとDMEとであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システム。
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