JP4883513B2 - ガス種判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼器具へ供給される燃料ガスの種類を、燃料ガスを燃焼させる前に判別するガス種判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、家庭用ガス燃焼器具へ供給するガス種としては、主に都市ガスとLPガス(プロパンを主成分とした液化石油ガスで、以下、LPGと呼ぶ)とが知られているが、LPGはやや高価である。そこで、最近、安価なジメチルエーテル(以下、DMEと呼ぶ)をLPGの代替燃料として使用することが検討されている。
また、DMEの供給は現在のところ十分なものではないので、常にDMEを使い続けることができる保障もなく、DMEの供給が滞った場合には、LPGを使う必要があり、今後LPGをDMEに置き換えるようにしても、当面の間はDMEとLPGとの並行使用をすることも考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DMEとLPGとはウォッベ指数(WI)が大幅に異なるため、LPG用の燃焼器具にそのままDMEを供給すると、単位時間当たりの発熱量(インプット)が大幅に変化して燃焼器具の燃焼や出力などの特性が悪化してしまうので、供給ガスがDMEかLPGかを判別する必要がある。
そこで、本発明のガス種判別装置は上記課題を解決し、燃料ガスの種類を判別する装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のガス種判別装置は、
燃焼器具へ供給される燃料ガスの種類を、該燃料ガスを燃焼させる前に判別するガス種判別装置であって、
供給される燃料ガスを冷却し、該冷却による燃料ガスの凝縮状態からガス種を判別することを要旨とする。
【0005】
また、本発明の請求項2記載のガス種判別装置は、上記請求項1記載のガス種判別装置において、
上記燃料ガスを所定温度の冷却面に接触させ、その時の燃料ガスの凝縮の有無に基づいてガス種を判別することを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項3記載のガス種判別装置は、上記請求項1または2記載のガス種判別装置において、
上記冷却による燃料ガスの凝縮状態を、凝縮面における電気抵抗値に基づいて判断することを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項4記載のガス種判別装置は、上記請求項1または2記載のガス種判別装置において、
上記冷却による燃料ガスの凝縮状態を、凝縮面における光の反射状況に基づいて判断することを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項5記載のガス種判別装置は、上記請求項1〜4の何れかに記載のガス種判別装置において、
上記燃料ガスの冷却は、ペルチェ素子により行なうことを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項6記載のガス種判別装置は、上記請求項1〜5の何れかに記載のガス種判別装置において、
上記燃料ガスの判別は、ジメチルエーテルとLPガスとの判別であることを要旨とする。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のガス種判別装置は、ガス種によって凝縮点が異なることに着目し、燃焼器具に供給される燃料ガスを燃焼させる前に、燃料ガスを冷却して冷却温度より高い凝縮点を持つ燃料ガスのみ凝縮液を発生させ、この凝縮状態に基づいてガス種を判別する。
【0011】
また、本発明の請求項2記載のガス種判別装置は、判別対象の燃料ガスが2種類ある場合において、冷却面の温度を一方の燃料ガスの凝縮点と他方の燃料ガスの凝縮点との間の値に設定しておき、燃料ガスを冷却面に接触させ、燃料ガスが凝縮した場合には高凝縮点の燃料ガスと判定し、凝縮しない場合には低凝縮点の燃料ガスと判定する。
【0012】
また、本発明の請求項3記載のガス種判別装置は、凝縮面における電気抵抗値に基づいて燃料ガスの凝縮状態を判断してガス種を判別する。
例えば、凝縮面上に二つの電極を設け、この電極間の電気抵抗値の低下により、凝縮したことを検出して、ガス種を判別する。
【0013】
また、本発明の請求項4記載のガス種判別装置は、凝縮面に凝縮液が発生していれば、照射光の反射角度および反射光強度が変化することを利用して、凝縮面へ照射した光の反射状況に基づいて燃料ガスの凝縮状態を判断してガス種を判別する。
【0014】
また、本発明の請求項5記載のガス種判別装置は、ペルチェ素子に直流電流を流して吸熱面を所定温度まで冷却させる。その吸熱面に接触した燃料ガスの凝縮点がこの冷却温度より高い場合には、燃料ガスが凝縮するので、その凝縮状態からガス種を判別する。
【0015】
また、本発明の請求項6記載のガス種判別装置は、DMEとLPGとを判別する。DMEは、LPGと同様にガスボンベに液化封入して供給できるため、LPGの代替燃料として使うことができる。しかも、そのガス種を判別できるため、それに合わせてガス供給量や空気供給量を調整することで燃焼器具を適切に使用できる。
【0016】
【発明の実施形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のガス種判別装置の好適な実施形態を説明する。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態としてのガス種判別装置は、家庭用ガス引込口から供給された燃料ガスを燃焼する家庭用ガス燃焼器具(ここでは給湯器)に供給される燃料ガスの種類を判別するものである。
このガス種判別装置を内蔵した給湯器は、屋外設置タイプで、図1に示すように、器具本体12内に燃焼室20が設けられ、その下方に設けられた給気ファン36により燃焼用空気が取り込まれる。
【0017】
燃焼室20内には、下から順に、燃料ガスと給気ファン36からの一次空気との混合ガスを燃焼するバーナ22と、バーナ22の燃焼熱により通水を加熱するフィンチューブ式熱交換器18とが設けられる。燃焼室20の上部には、熱交換器18で熱交換後の燃焼排気を器体外へ排出する排気口44が形成される。
【0018】
器具本体12内に設けられる通水管は、上流から順に、燃焼室20を外側で巻回する給水管14,熱交換器18に設けられる伝熱管18a,出湯管16からなる。この給水管14には、水流センサや水ガバナを備える水側制御ユニット50と、入水温サーミスタ13とが設けられ、また、出湯管16には出湯温サーミスタ15が設けられる。
【0019】
また、器具本体12のガス接続口26からバーナ22へのガス管52には、上流から順に、燃料ガスの種類を判別するガス種判別装置70,ガスガバナ24,主電磁弁54,ガス比例弁56が設けられる。
器具本体12のガス接続口26には、屋内に配設されたガス配管51が接続され、家庭用ガス引込口53に接続されたガスボンベ60から燃料ガスが供給される。ガスボンベ60としては、LPG(本実施形態では純プロパン)が封入されたLPGボンベか、DMEが封入されたDMEボンベの何れかが使用される。
【0020】
また、水側制御ユニット50内の水流センサや、主電磁弁54、ガス比例弁56、ガス種判別装置70等は、この給湯器10の燃焼を制御する器具コントローラ58に電気的に接続されている。
また、給湯器10は、器具コントローラ58を遠隔制御するリモコン30を備え、このリモコン30には、各種設定スイッチ、表示器の他、ガス種判別装置70の判別結果を点灯により報知するLPGランプ31,DMEランプ32が設けられる。
【0021】
ガス管52に設けられたガス種判別装置70は、図3に示されるように、絶縁基板上に2本の導線71a,71bを互いに接触しない程度に接近した状態で全体に渡って配置した凝縮板72と、凝縮面の温度を検出する温度センサ78と、図2に示されるように、凝縮板72の下面に吸熱面を当接させたペルチェ素子73と、これらを収納する凝縮ケース74と、図1に示されるように、凝縮ケース74の外面に設けられ供給ガス種を報知するLPGランプ75,DMEランプ76と、判別コントローラ77とを備える。
【0022】
判別コントローラ77は、図6に示されるように、主にマイコンにより構成される主制御部77aと、凝縮板72を冷却するためにペルチェ素子73への通電量を調整する駆動回路77bと、各ランプ75,76を点灯制御する駆動回路77cと、温度センサ78から凝縮板72の温度を検出する温度検出回路77dと、導線71a,71bのab間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出回路77eと、器具コントローラ58の制御信号を入力し、ガス種判別信号を出力する入出力インターフェース77fと、器具コントローラ58からの電力供給を受ける電源部77gとからなる。
【0023】
こうした構成の判別コントローラ77は、導線71a,71bのab間の抵抗値を検出して、燃料ガスの種類を判別する。導線71a,71bは、互いに接触していないため、両者が短絡しない限り電流が流れず、ab間の抵抗値が非常に大きい。
また、給湯器10のフロントケースには表示窓が設けられ、LPGランプ75,DMEランプ76が表示されるようになっている。
【0024】
次に、判別コントローラ77の制御を図4のフローチャートを用いて説明する。
先ず、給湯器10の器具コントローラ58から燃焼開始信号が入力されると、温度センサ78の検出値が−30℃となるようにペルチェ素子73への直流電流を制御して凝縮板72を冷却し、凝縮ケース74内の燃料ガスを凝縮板72上で冷却させる(S1)。
【0025】
凝縮ケース74内にDMEが存在する場合には、その凝縮点が−25.1℃であることから、冷却により凝縮板72上で凝縮する。
一方、凝縮ケース74内にLPGが存在する場合には、プロパンの凝縮点が−42.0℃であることから、LPGが凝縮板72上で凝縮することはない。
従って、凝縮板72上の凝縮液の有無により、ガス種を判別することができる。
【0026】
凝縮板72上で凝縮していれば、凝縮液(つまり、DME)により導線71aと71bとが短絡して判別コントローラ77の検出する電気抵抗値が大幅に低下し、凝縮していなければ、電気抵抗値が変化しないため、この電気抵抗値に基づいて凝縮液の有無を検知する(S2)。
【0027】
凝縮液有りと判断した場合には、燃料ガスがDMEであると判定し(S3,S4)、凝縮液無しと判断した場合には、燃料ガスがLPGであると判定して(S3,S5)、この判定結果を判別信号として判別コントローラ77から器具コントローラ58へ出力し(S6)、ガス種判別装置70およびリモコン30にそれぞれに設けられたランプ31,32,75,76のうち、供給ガスに対応するランプを点灯して報知する(S7)。つまり、LPGと判定されれば、LPGランプ31,75を点灯し、DMEと判定されれば、DMEランプ32,76を点灯する。
そして、ステップ2へ戻って同様の制御を繰り返し、常時ガス種を判断する。
【0028】
器具コントローラ58は、判別コントローラ77からの判別信号を入力して、以下の燃焼制御を行う。
先ず、判別されたガス種に対応する空燃比制御データを選択する。この空燃比制御データは、各ガス種毎に、要求インプットIp(後述する)に対するガス比例弁電流I(図5参照)と給気ファン36の回転数との目標制御値を表すもので不揮発性メモリに記憶されている。
【0029】
次に、リモコン30で設定された出湯温度と入水温サーミスタ13で検出された入水温度との温度差に入水流量を乗じて要求インプットIpを算出し、選択された空燃比制御データに基づいてフィードフォーワード燃焼制御を開始する。この燃焼制御中に、出湯温サーミスタ15で検出される湯温と設定温度とに温度差があると、熱交換器18の出口温度を一定に保たせるように比例弁電流Iを連続的に補正すると共に、常にガス量と給気量とが所定の関係に保たれるように給気ファン36の回転数も補正するフィードバック燃焼制御を行う。
つまり、ガス種が変更されたことを判定した場合には、自動的にその変更後のガス種に適した空燃比制御データに切り替えてフィードフォワード燃焼制御およびフィードバック燃焼制御を行う。
【0030】
上述した給湯器10では、例えば、DMEからLPGにガス種を変更するためにガスボンベ60を交換した直後には、給湯器10の使用開始時に、ガス配管51,凝縮ケース74,ガス管52内にDMEが溜まっている場合があり、凝縮ケース74内にある燃料ガス、つまりDMEが供給ガスとして判別される。そして、バーナ22の燃焼により、ガス配管51中に残存していたDMEが消費されるに伴って、新しいガスボンベ60内のLPGが、給湯器10側へ送られ、凝縮ケース74に到達して供給ガスとして判別され、LPG仕様で燃焼される。
【0031】
この場合、ガス種判別装置70が給湯器10から遠く離れた位置、例えば家庭用ガス引込口53近傍に設けられていると、給湯器10の使用中にガス種判別装置70内の燃料ガスがDMEからLPGに切り替わり、実際には残存DMEをバーナ22で燃焼しようとしているのに、給湯器10は、判別された燃料ガス(LPG)の仕様に変更してしまい、このアンマッチ(不一致)により異常燃焼してしまう。
これに対して、本実施形態では、ガス種判別装置70が給湯器10に内蔵されてバーナ22と非常に近い位置にあるため、ガス種判別装置70で判別された種類の燃料ガスは、すぐにバーナ22へ噴出され、判別されたガス種通りの仕様で正常に燃焼することができ、安全である。
【0032】
また、ガス種変更を検知すると、そのガス種の仕様に自動的に変更して燃焼制御を行うため、常に適切な仕様で燃焼できて安全である。
しかも、使用者あるいは作業者がわざわざ手動で器具の設定仕様を切り替える必要がなく便利である。
更に、手動切替の場合は、切り替え終わるまで給湯器10の燃焼を停止する必要があるが、本実施形態では自動切替であるため、給湯器10の燃焼をわざわざ停止しなくてもよく、そのまま使用できて便利である。
【0033】
また、ガス種判別を常時行っているため、上述のようにガスボンベ60の交換後に、給湯器10を使用している途中でガス配管51中のガス種が切り替わってもガス種変更を迅速に検知でき、速やかに器具の仕様を変更して対応ができる。
【0034】
DMEは、ガスボンベに液化封入できるため、ガスボンベという供給形態を採っているLPGの代替燃料として用いることができ、しかもLPGより安価である。給湯器10は、ガス種判別装置70を備えているため、LPGとこの安価なDMEを並行使用しても正常に燃焼できて安全である。また、DMEの供給事情に合わせてLPGに切り替えてもLPG用の仕様に変更されるため、給湯器10を安全に運転することができる。
【0035】
また、この給湯器10は、例えば密度等の物性がよく似たLPGとDMEとを凝縮点の違いを利用して容易に判別することができる。
特に、燃料ガスの冷却温度をLPGの凝縮点(−42℃)とDMEの凝縮点(−25.1℃)との間の温度(−30℃)にして、燃料ガスが凝縮するか否かというはっきりした事象を捉えているため、ガス種を正確に判別できる。
また、冷却面の温度を調整するという簡単な方法で様々な燃料ガスの判別に対応できる。
【0036】
しかも、凝縮面での導線71a,71b間の電気抵抗値を検出するという簡単な構成でガス種を判別できるため安価である。
加えて、ペルチェ素子73により凝縮板72を所定温度まで簡単に冷却することができるため、ガス種判別装置70のコンパクト化を図ることができる。
【0037】
特に、本実施形態では、ガス種変更を検知すると、使用者による切替操作なしで器具の仕様が自動切替されるためガス種変更に気付きにくいが、リモコン30のランプ31,32の何れかの点灯により凝縮ケース74内の燃料ガスの種類を把握できる。
【0038】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について図7,図8を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。第2実施形態は、ガス種判別装置のみが第1実施形態と異なる。
【0039】
第2実施形態におけるガス種判別装置80は、図7に示すように、上面が平滑な凝縮板82と、凝縮板82の下面に吸熱面を当接したペルチェ素子83と、これらを収納する凝縮ケース84と、凝縮ケース84の外側上部に設けられ一定の強度の光Aを発する光源85と、同じく凝縮ケース84の外側上部に設けられ光を検知する光センサ86と、判別コントローラ87とを備える。
【0040】
この凝縮板82は、光源85からの光Aが当たる中央部に水平に設けられ鏡面を形成した反射部82aと、反射部82aに向かって下り傾斜をした傾斜部82bとからなる。
また、光センサ86は、光源85からの光Aが全反射した場合、つまり、凝縮板82で入射角Pと反射角Qとが等しい状態で反射した場合に、その反射光Bを最大強度として検知する位置に設けられる。
【0041】
判別コントローラ87は、図8に示されるように、主にマイコンにより構成される主制御部77aと、凝縮板82を冷却するためにペルチェ素子83への通電量を調整する駆動回路77bと、各ランプ75,76を点灯制御する駆動回路77cと、温度センサ78から凝縮板82の温度を検出する温度検出回路77dと、光源85を点灯制御する駆動回路87hと、光センサ86で反射光を検出する光検出回路87iと、器具コントローラ58からの制御信号を入力し、ガス種判別信号を出力する入出力インターフェース77fと、器具コントローラ58から電力供給を受ける電源部77gとからなる。
【0042】
こうした構成のガス種判別装置80では、図4のフローチャートのステップ2の凝縮液の有無の検知を以下のように行う。
光源85から一定強度の光Aを所定角度Pで照射させ、光センサ86によってその反射光の強度を検知する。
【0043】
燃料ガスがLPGの場合には、凝縮板82に凝縮液が生じず、光センサ86の検出する光Bの強度は、凝縮判断値以上となる。
一方、燃料ガスがDMEの場合には、ペルチェ素子83により冷却されて凝縮板82上で凝縮液となり、傾斜部82bを滑り落ちながら中央の反射部82aに溜まる。そして、光源85からの光Aが凝縮液に当たって、光の一部が凝縮液に入る時と出る時に2回屈折するため、反射角度Qが入射角度Pからずれると共に反射光強度が弱まり、光センサ86の検出する光Cの強度は、凝縮判断値を下回る。
このように反射光の強度に基づいて凝縮液の有無を判断して、燃料ガスの種類を判別する。
【0044】
上述のガス種判別装置80によれば、凝縮板82上の凝縮液により反射された光は、強度と反射角度の両方が変化するため、凝縮液の発生をより正確に捉えることができ、確実にガス種を判定できる。
また、凝縮板82の反射部82aの周囲となる傾斜部82bが反射部82aに向かって下り勾配となっているため、反射部82aで凝縮液がすぐに発生しなくても傾斜部82bで発生すれば反射部82aに集まるため、凝縮液が有ることを迅速に検出することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本発明は、給湯器に限定されず、風呂釜付き給湯器や、ガステーブルこんろ、ガス暖房器等の燃焼器具に適用される。
また、器具の設定仕様の自動切替の際に、一旦燃焼を停止して仕様を変更した後で再点火動作に入るようにしてもよく、この場合にはより安全となる。
【0046】
また、ガス種の判定結果の報知は、ランプ表示に限らず、音声ガイダンスや文字表示等により行ってもよい。
また、凝縮板の冷却温度を、判定したい全燃料ガスの凝縮点より低くして、各燃料ガスの凝縮液の比誘電率の違いからガス種を判別してもよい。
また、判別する燃料ガスは、LPGやDMEに限定されない。
また、器具コントローラ58に判別コントローラ77の機能を備えさせてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のガス種判別装置によれば、燃料ガスを燃焼器具で燃焼させる前に、燃料ガスの凝縮点の違いを利用してその凝縮状態に基づいてガス種を判別するため、ガス種を正確に判別できる。
この判別結果から、適合しない仕様で燃焼することを未然に防ぐための対応をすることができ、安全である。
【0048】
また、請求項2記載のガス種判別装置によれば、判別したい2種類の燃料ガスの各凝縮点の間の温度に冷却面の温度を設定するだけで、凝縮の有無という明確な違いからガス種を容易にかつ正確に判別できる。
冷却面の温度を調整するという簡単な方法で様々な燃料ガスの判別に対応できる。
【0049】
また、請求項3記載のガス種判別装置によれば、凝縮面における電気抵抗値という数値に基づいて燃料ガスの凝縮状態を判断するため、ガス種を非常に正確に判別でき、しかも、簡単な装置で判別できるため低コストである。
【0050】
また、請求項4記載のガス種判別装置によれば、凝縮面における光の反射状況に基づいて燃料ガスの凝縮状態を判断するため、ガス種を非常に正確に判別できる。特に、反射状況は、反射角度や反射光の強度を反映するため、凝縮液の発生をより正確に捉えることができる。
【0051】
また、請求項5記載のガス種判別装置によれば、ペルチェ素子を用いることにより簡単な方法で冷却でき、更にガス種判別装置のコンパクト化も図ることができる。
【0052】
また、請求項6記載のガス種判別装置によれば、LPGと同様にガスボンベに液化封入できるDMEを将来LPGと並行使用するようになっても、ガス種を判別できるため、判別したガス種に適した仕様に切り替えることで安全に燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の強制燃焼式給湯器の概略図である。
【図2】第1実施形態のガス種判別装置を側面からみた断面図である。
【図3】第1実施形態のガス種判別装置を上面からみた断面図である。
【図4】第1実施形態の給湯器の作動制御を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態の給湯器のインプットに対する比例弁電流の関係を示すグラフである。
【図6】第1実施形態のガス種判別装置を示す概略構成図である。
【図7】第2実施形態のガス種判別装置を側面からみた断面図である。
【図8】第2実施形態のガス種判別装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…給湯器、20…燃焼室、22…バーナ、30…リモコン、31,32,75,76…ランプ、52…ガス管、54…主電磁弁、56…ガス比例弁、58…器具コントローラ、60…ガスボンベ、70、80…ガス種判別装置、71a,71b…導線、72,82…凝縮板、73,83…ペルチェ素子、74,84…凝縮ケース、85…光源、86…光センサ。
Claims (6)
- 燃焼器具へ供給される燃料ガスの種類を、該燃料ガスを燃焼させる前に判別するガス種判別装置であって、
供給される燃料ガスを冷却し、該冷却による燃料ガスの凝縮状態からガス種を判別することを特徴とするガス種判別装置。 - 上記燃料ガスを所定温度の冷却面に接触させ、その時の燃料ガスの凝縮の有無に基づいてガス種を判別することを特徴とする請求項1記載のガス種判別装置。
- 上記冷却による燃料ガスの凝縮状態を、凝縮面における電気抵抗値に基づいて判断することを特徴とする請求項1または2記載のガス種判別装置。
- 上記冷却による燃料ガスの凝縮状態を、凝縮面における光の反射状況に基づいて判断することを特徴とする請求項1または2記載のガス種判別装置。
- 上記燃料ガスの冷却は、ペルチェ素子により行なうことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガス種判別装置。
- 上記燃料ガスの判別は、ジメチルエーテルとLPガスとの判別であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガス種判別装置。
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