JP2006010093A - 燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給排気管の長さに応じてファンの目標回転数を適切に設定することができる燃焼装置を、コストを抑えて提供する。
【解決手段】バーナ3を収容した燃焼室2と、一端が燃焼室2に連通した給気路11及び排気路9が内部に隣接して並設された給排気管6と、バーナ3に給気路11を介して燃焼用空気を供給すると共にバーナ3の排気ガスを排気路9を介して排出するファン15と、バーナ3の燃焼量に応じてファン15の目標回転数を設定する手段及びファン15の回転数を該目標回転数に追従させる手段を有する制御ユニット7とを備えた燃焼装置において、燃焼室2に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサ17を備え、制御ユニット7の前記目標回転数設定手段は、バーナ3を所定燃焼量で第1の所定時間以上燃焼させたときの供給空気温度センサ17の検出温度に基づいて、該検出温度が高いほど前記目標回転数を高く設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、給気路及び排気路が内部に並設された給排気管を介して、燃焼室への給気と燃焼室からの排気をファンにより強制的に行う燃焼装置に関し、特に該給排気管の長さの影響を考慮して該ファンの回転数を設定する燃焼装置に関する。
例えば、給湯器において、水が流通する熱交換器を加熱するバーナを収容した燃焼室の排気出口に排気管を接続し、バーナの燃焼量に応じた目標回転数でファンを回転させて燃焼室への給気と燃焼室からの排気を行う場合、排気管が長いほど排気抵抗が大きくなって、ファンによりバーナに供給される燃焼用空気が不足気味となる。そして、このように燃焼用空気の供給が不足すると、排気ガス中に含まれる一酸化炭素ガスの割合が大きくなる。
一方、排気管が短いほど排気抵抗が小さくなって、ファンによりバーナに供給される燃焼用空気が過剰気味となる。そして、このように燃焼用空気の供給が過剰になると、燃焼室に供給される多量の燃焼用空気によって熱交換器が冷却され、熱交換器における熱効率が低下する。
そこで、排気管の長さに応じて、バーナに供給される燃焼用空気の過不足が生じない適切な目標回転数を設定するために、排気管内にCOセンサを設けて排気ガス中の一酸化炭素ガスの濃度を検出し、該一酸化炭素ガスの濃度から排気管の長さを想定して、ファンの回転数の可変制御範囲を自動設定するようにした燃焼装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−52535号公報
上述したように排気管内にCOセンサを設ける場合、COセンサは高温であって水分や硫化物質を含む排気ガスに晒される。そのため、故障を防止するために、耐熱性と耐腐食性に優れた高品質のCOセンサを用いる必要があるが、その結果として、COセンサが高価なものとなって燃焼機器のコストアップを招くという不都合がある。
そこで、本発明は、かかる不都合を解消して、給排気管の長さに応じてファンの目標回転数を適切に設定することができる燃焼装置を、コストを抑えて提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、バーナを収容した燃焼室と、一端が該燃焼室に連通した給気路及び排気路が内部に隣接して並設された給排気管と、前記バーナに該給気路を介して燃焼用空気を供給すると共に前記バーナの排気ガスを該排気路を介して排出するファンと、前記バーナの燃焼量に応じて該ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記ファンの回転数を該目標回転数に追従させるファン回転数制御手段とを備えた燃焼装置の改良に関する。
そして、本発明の第1の態様は、前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサを備え、前記目標回転数設定手段は、前記バーナを所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度に基づいて、該検出温度が高いほど前記目標回転数を高く設定することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記給気路と前記排気路とが隣接して前記給排気管の内部に並設されている。そのため、前記バーナの燃焼中は、前記排気路内を流通して排出される高温の排気ガスからの放熱により、前記給気路内を流通して前記燃焼室に供給される燃焼用空気が加熱される。そして、前記給排気管が長くなるほど、前記給気路に吸入された燃焼用空気が前記燃焼室に到達するまでに要する時間が長くなるため、前記排気路中を流通する排気ガスの放熱により加熱される時間が長くなって、前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度が高くなる。
そのため、前記バーナを所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度は、前記給排気管の長さに応じて変化し、前記給排気管が長いほど前記供給空気温度センサの検出温度が高くなる。したがって、前記目標回転数設定手段は、前記バーナを所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度に基づいて、該検出温度が高いほど前記目標回転数を高く設定することにより、前記目標回転数を前記給排気管の長さによって変化する給排気の抵抗に応じた適切なものとすることができる。
そして、前記供給空気温度センサは、燃焼用空気の温度を検出するものであるため、上記背景技術で示した排気ガス温度を検出する温度センサのように、高い耐久性を備えた高価なものを用いる必要がない。そのため、前記供給空気温度センサは、一般的な耐久性を備えた安価なものを採用することができ、前記供給空気温度センサを備えることによる燃焼装置のコストアップを抑制することができる。
また、本発明の第2の態様は、前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサと、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度を検出する吸入空気温度センサとを備え、前記目標回転数設定手段は、該吸入空気温度センサの検出温度と、前記バーナを前記所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度との温度差に基づいて、該温度差が大きいほど前記目標回転数を高く設定することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記吸入空気温度センサの検出温度と、前記バーナを前記所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度との温度差をとることで、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度変化の影響を排除して、前記給気路を通過する間における燃焼用空気の温度の上昇幅を把握することができる。そして、前記給排気管が長くなるほど前記給気路中を流通する燃焼用空気が、前記給気路と隣接する前記気路中を流通する排気ガスからの放熱により加熱される時間が長くなるため、該温度差が大きくなる。そのため、前記目標温度設定手段は、前記温度差が大きいほど前記目標回転数を高く設定することにより、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度変化の影響を排除して、前記給排気管の長さによって変化する給排気の抵抗に応じた適切な目標回転数を設定することができる。
また、本発明の第3の態様は、前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサと、前記バーナの燃焼量を変更する燃焼量変更手段とを備え、前記目標回転数設定手段は、前記供給空気温度センサの検出温度が所定温度となるまで、前記燃焼量変更手段により前記バーナの燃焼量を変更し、前記供給空気温度センサの検出温度が該所定温度となったときの前記バーナの燃焼量に基づいて、該燃焼量が大きいほど前記目標回転数を低く設定することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記供給空気温度センサの検出温度を前記所定温度まで上昇させるために必要な前記バーナの燃焼量は、前記給排気管が長くなるほど小さくなる。これは、前記給排気管が長くなるほど、燃焼用空気が前記給気路を流通する際に前記排気路を流通する排気ガスの放熱によって加熱される時間が長くなるため、より少ない燃焼量で必要な加熱量が得られるからである。このように、前記供給空気温度センサの検出温度が前記所定温度となるときの前記バーナの燃焼量は、前記給排気管の長さに応じて変化するため、前記目標回転数設定手段は、該燃焼量が大ききほど前記目標回転数を低く設定することで、前記給排気管の長さによって変化する給排気の抵抗に応じて過不足なく前記バーナに燃焼用空気を供給することができる。
また、本発明の第4の態様は、前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサと、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度を検出する吸入空気温度センサとを備え、前記目標回転数設定手段は、前記供給温度センサの検出温度と前記吸入空気温度との温度差が所定温度となるまで、前記燃焼量変更手段により前記バーナの燃焼量を変更し、該温度差が該所定温度となったときの前記バーナの燃焼量に基づいて、該燃焼量が大きいほど前記目標回転数を低く設定することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記吸入空気温度センサの検出温度と、前記バーナを前記所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度との温度差をとることで、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度変化の影響を排除して、前記給気路を通過する間における燃焼用空気の温度の上昇幅を把握することができる。そして、前記温度差が前記所定温度差となるために必要な前記バーナの燃焼量は、前記給排気管が長くなるほど小さくなる。これは、前記給排気管が長くなるほど、燃焼用空気が前記給気路を流通する際に前記排気路を流通する排気ガスによって加熱される時間が長くなるため、より少ない燃焼量で必要な加熱量が得られるからである。
このように、前記吸入空気温度センサの検出温度と、前記バーナを前記所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度との温度差が、前記所定温度差となるときの前記バーナの燃焼量は、前記給排気管の長さに応じて変化するため、前記目標回転数設定手段は、該燃焼量が大きいほど前記目標回転数を低く設定することにより、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度変化の影響を排除して、前記給排気管の長さによって変化する給排気の抵抗に応じた適切な目標回転数を設定することができる。
また、前記第2の態様及び前記第4の態様において、前記供給空気温度センサ及び前記吸入空気温度センサとして、前記燃焼室と前記給気路との連通箇所の付近に設けられた1個の温度センサを備え、前記目標回転数設定手段は、前記バーナの燃焼停止が所定時間以上継続した状態における前記温度センサの検出温度を前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度として、前記温度差を求めることを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記バーナの燃焼停止が前記所定時間以上継続すると、前記給排気管の内部が次第に冷めて前記燃焼室と前記給気路との連通箇所の温度が、前記給気路の吸気口付近の温度とほぼ等しくなる。そこで、前記目標回転数設定手段は、前記バーナの燃焼停止が前記所定時間以上継続した状態における前記温度センサの検出温度を前記給気路から吸入される燃焼用空気の温度として把握することができる。そして、これにより、前記吸入空気温度検出手段を前記供給空気温度検出手段とは別個に専用に設ける必要がなくなるため、その分燃焼装置のコストを削減することができる。
本発明の実施形態の一例を、図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の燃焼装置であるガス給湯器の構成図、図2は図1に示したガス給湯器の制御ブロック図、図3及び図4はガス給湯器の作動を示すフローチャートである。
図1を参照して、本実施形態のガス給湯器は、屋内に設置される本体ハウジング1、本体ハウジング1内に収容された燃焼室2、燃焼室2内の下部に収容されたガスバーナ3(本発明のバーナに相当する)、ガスバーナ3に燃料ガスを供給するガス供給管4、台所や浴室等に湯水を供給する通水管5、ガスバーナ3の燃焼用空気(外気)を屋外から燃焼室2に吸入すると共に、ガスバーナ3の燃焼運転に伴って発生する排気ガスを屋外に送出する給排気管6、ガス給湯器の全体的な作動を制御する制御ユニット7、及び制御ユニット7と接続されて給湯器を遠隔操作するリモコン8を備えている。
給排気管6は、排気路9を内部に形成する内管10と、該内管10に略同心に外挿されて該内管10との間の空間に燃焼用空気の給気路11を形成する外管12とにより二重管構造に形成され、屋内の本体ハウジング1の上部箇所から屋外にかけて延設されている。
ここで、給排気管6の外管12の屋内側の端部は、本体ハウジング1の上部に形成された開口13に連接され、これにより、外管12の内部の給気路11は、上記開口13を介して本体ハウジング1の内部に連通している。そして、本体ハウジング1は略密閉構造に形成されており、その内部は燃焼室2の下部に形成された給気口14の箇所に設けられたファン15(バーナ3に給気路11を介して燃焼用空気を供給すると共にバーナ3の排気ガスを排気路9を介して排出するファン)を介して燃焼室2の内部に連通している。したがって、給気路11は、本体ハウジング1の内部とファン15を介して燃焼室2の内部と連通している。
また、給排気管6の内管10の屋内側の端部は、外管12内から本体ハウジング1内に導入され、燃焼室2の上部に形成された排気口16に連接されている。そのため、内管10の内部の排気路9は、排気口16を介して燃焼室2の内部に連通している。なお、給排気管6の内管10及び外管12の屋外側の端部は、大気中に開口している。
また、燃焼室2の給気口14の付近には、給気路11から本体ハウジング1の内部を介して燃焼室2内に供給される燃焼用空気の温度(供給空気温度)を検出する供給空気温度センサ17が設けられている。
ガス供給管4はバーナ3と連接され、その上流側から順に主電磁弁18、ガス比例電磁弁19及び副電磁弁20が介装されている。主電磁弁18と副電磁弁20は、ガス供給管4を開閉してバーナ3への燃料ガスの供給/遮断を切換える。また、ガス比例電磁弁19は、ガス供給管4の開度を変更してバーナ3への燃料ガスの供給量を制御する。
通水管5は、入水管21と、入水管21から分岐した熱交換器管22及びバイパス管23と、熱交換器管22及びバイパス管23が合流した出湯管24とからなり、出湯管24の下流の端部は、台所、浴室、洗面所等に設置された給湯栓(図示しない)に接続されている。そして、入水管21から熱交換器25に流入した水は、熱交換器25を流通する際にバーナ3で加熱され、該加熱された水とバイパス管23側を流れる水とが合流して出湯管24に供給される。
入水管21には、入水管21を流通する水の温度(入水温)を検出する入水温センサ26と、入水管21を流通する水の流量を検出する流量センサ27と、入水管21を流通する水の流量を調節する水量制御弁28とが設けられている。また、出湯管24には、出湯管24を流通する水の温度(出湯温)を検出する出湯温センサ29が設けられている。
また、燃焼室2には、バーナ3の燃焼炎を検知するフレームロッド30と、火花放電を発生してバーナ3に点火する点火電極31とが備えられている。そして、点火電極31に高電圧を印加するイグナイタ32が、本体ハウジング1内に設けられている。
リモコン8は、通信ケーブル33を介して制御ユニット7と接続され、目標出湯温度を設定するための温度設定スイッチ34や、ガス給湯器の運転状況等を表示する表示器35が備えられている。
制御ユニット7は、マイクロコンピュータ等により構成された電子回路ユニットであり、図2に示したように、リモコン8から目標出湯温度の設定データ等が通信ケーブル33を介して送信されると共に、入水温センサ26、出湯温センサ29、流量センサ27、供給空気温度センサ17、及びフレームロッド30の検出信号が入力される。
また、制御ユニット7は、ガスバーナ3の燃焼運転を制御する燃焼制御手段36(本発明の目標回転数設定手段とファン回転数制御手段の機能を含む)と、通水管5を流通する水の流量を制御する水量制御手段37と、各種データを保持するメモリ38とを備えている。そして、制御ユニット7から出力される制御信号によって、主電磁弁18、副電磁弁20、ガス比例電磁弁19、ファン15、イグナイタ32、及び水量制御弁28の作動が制御される。
次に、燃焼制御手段36によるバーナ3の燃焼運転の実行手順について説明する。使用者が出湯管24の先端に接続された給湯栓を開けると、通水管5への水の供給が開始され、流量センサ27により通水管5内の水の流通が検出される。そして、流量センサ27からの検出信号を入力したときに、燃焼制御手段36は、バーナ3の点火処理を行ってバーナ3の燃焼運転を開始する。
ここで、燃焼制御手段36は、燃焼運転におけるバーナ3の目標燃焼量を、出湯温センサ29の検出温度が目標出湯温度と一致するように決定する。そして、メモリ38には、目標燃焼量に対応したファン15の目標回転数とガス比例電磁弁19の開度の設定データが予め記憶されており、燃焼制御手段36は、該設定データによりファン15の目標回転数を取得する。
ところで、給排気管6の長さは、ガス給湯器が設置される状況に応じて決定されるが、給排気管6が長くなるほど、ファン15によりバーナ3に燃焼用空気を供給する際の給気路11における抵抗が大きくなる。そのため、目標燃焼量に対するファン15の目標回転数を一定に設定したときには、給排気管6の長さによってはバーナ3に実際に供給される燃焼用空気の過不足が生じる場合がある。
そこで、メモリ38には、給排気管6が長い場合(例えば1.5m以上)に対応して目標回転数の可変制御範囲を高めにシフトして設定された長仕様データ39と、給排気管6が短い場合(例えば1.5m未満)に対応して目標回転数の可変制御範囲を低めにシフトして設定された短仕様データ40とが、予め記憶されている。そして、燃焼制御手段36は、給排気管6の長さに応じて長仕様データ39と短使用データ40のいずれを用いるかを選択する処理を行う。
なお、燃焼制御手段36がバーナ3の目標燃焼量に応じた目標回転数の可変制御範囲を設定する構成が、本発明の目標回転数設定手段に相当する。また、燃焼制御手段36がファン15の回転数を目標回転数に追従させる構成が、本発明のファン回転数制御手段に相当する。
先ず、給排気管6の長さに応じて長仕様データ39と短使用データ40のいずれを用いるかを選択するための第1の実施の形態について説明する。
図3(a)は、バーナ3を最大燃焼量付近に設定した所定燃焼量で所定時間(排気路9を流通する排気ガスによる放熱が安定化する時間)燃焼させたときの、燃焼室2に供給される燃焼用空気の温度Toutと、給排気管6の長さLとの関係を示したグラフであり、縦軸がToutに設定され、横軸がLに設定されている。
図中aがToutとLとの関係を示したラインであり、bは給気路11に吸入される燃焼用空気の温度(外気温)を示したラインである。外気温がほぼ一定であるとき、給排気管6の長さLが長くなるに従って、供給空気温度Toutが高くなっていることがわかる。これは、図1を参照して、給排気管6が長くなるほど、給気路11を経由して燃焼室2に供給される燃焼用空気xが、給気路11の内側に配設された排気路9を経由して屋外に排出される排気ガスyからの放熱によって加熱される時間が長くなるためである。
そこで、燃焼制御手段36は、図4に示したフローチャートに従って、給排気管6の長さに応じて、ファン15の目標回転数の設定に使用するデータとして、短仕様データ39と長仕様データ40のうちのいずれかを選択する処理を行う。燃焼制御手段36は、流量センサ27の検出信号から入水管21への通水を検知したときに、図4のSTEP10で、既に短仕様データ39と長仕様データ40とのうちのいずれを使用するかの選択がなされているか否かを確認する。
そして、データが選択されていたときはSTEP25に分岐し、燃焼制御手段36は、選択されているデータを用いてファン15の目標回転数を設定し、STEP26に進んで処理を終了する。
一方、データが選択されていなかったときには、燃焼制御手段36は、図4のSTEP11で短仕様データ39を使用して設定した目標回転数でファン15を回転させて燃焼室2のプリパージを行う。続くSTEP12で、燃焼制御手段36は、バーナ3を所定燃焼量に設定して、STEP14で所定時間の経過を待つ。ここで、STEP13における所定燃焼量は、排気路9を通過する排気ガスによる燃焼用空気の加熱効果を高めるために、バーナ3の最大燃焼量付近に設定される。また、STEP14における所定時間は、排気路9を流通する排気ガスの温度が安定して、図3(a)に示した給排気管6の長さLと供給空気温度Toutとの関係が得られるようになる時間に設定される。
STEP14で所定時間が経過したときにSTEP15に進み、燃焼制御手段36は、その時点の供給空気温度センサ17の検出温度Tsを燃焼室2に供給される燃焼用空気の温度(供給空気温度)Toutとして把握する。そして、該供給空気温度Toutが所定の基準温度Tb(例えば60℃)以上であったとき(給排気管6が長いと推定できるとき)は、STEP16に進んで長仕様データ40を選択し、次のSTEP17で燃焼制御手段36はデータの選択処理を終了する。
一方、STEP15で供給空気温度Toutが基準温度Tbよりも低かったとき(給排気管6が短いと推定できるとき)には、STEP20に分岐して短仕様データ39を選択してSTEP17に進み、燃焼制御手段36はデータの選択処理を終了する。そして、燃焼制御手段36は、このようにして短仕様データ39又は長仕様データ40を選択した後は、選択したいずれかのデータを使用して、バーナ3の目標燃焼量に応じたファン15の目標回転数を設定する。
これにより、燃焼制御手段36は、給排気管6の長さに応じて、バーナ3に対する燃焼用空気の供給量の過不足が生じることを抑制して、適切な目標回転数を設定することができる。
次に、給排気管6の長さに応じて長仕様データ39と短使用データ40のいずれを用いるかを選択するための第2の実施の形態について説明する。
図3(b)は給気路11に吸入される燃焼用空気の温度(吸入空気温度)Tinが変化したときの、供給空気温度Toutと給排気管6の長さとの関係を示したグラフであり、縦軸が供給空気温度Toutに設定され、横軸が吸入空気温度Tinに設定されている。
そして、図中cは給排気管6の長さが5mであるときの吸入空気温度Tinと供給空気温度Toutの関係を示したラインであり、dは給排気管6の長さが0.2mであるときの吸入空気温度Tinと供給空気温度Toutとの関係を示したラインである。また、eは吸入空気温度Tin=供給空気温度Toutのラインである。
図3(b)から明らかなように、吸入空気温度Tinの上昇にほぼ比例して供給空気温度Toutが上昇している。そのため、供給空気温度Toutから吸入空気温度Tinを減じた温度差(Tout−Tin)を基準とすることによって、吸入空気温度Tinの変化の影響を排除して、給排気管6の長さを推定することができる。
以下、図5に示したフローチャートに従って、供給空気温度Toutから吸入空気温度Tinを減じた温度差(Tout−Tin)を基準として、短仕様データ39と長仕様データ40のうちいずれを使用するかを選択する処理について説明する。
上述した第1の実施の形態と同様に、燃焼制御手段36は、流量センサ27の検出信号から入水管21への通水を検知したときに、図5のSTEP30で、既に短仕様データ39と長仕様データ40とのうちのいずれを使用するかの選択がなされているか否かを確認する。
そして、データが選択されていたときはSTEP40に分岐し、燃焼制御手段36は、選択されているデータを用いてファン15の目標回転数を設定し、STEP26に進んで処理を終了する。
一方、データが選択されていなかったときには、燃焼制御手段36は、図5のSTEP31に進み、短仕様データ39を使用して設定した目標回転数でファン15を回転させて燃焼室2のプリパージを行う。また、続くSTEP32で、燃焼制御手段36は、バーナ3が消火した状態で60分(本発明の所定時間に相当する)以上経過したか否かを確認する。
そして、バーナ3が消火した状態で60分以上経過していたときは、排気ガスにより加熱されていた排気路9が冷め、給気路11中の空気の温度は屋外の外気温と等しくなる。そのため、この場合はSTEP33に進み、燃焼制御手段36は、その時点の供給温度センサ17の検出温度Tsを吸入空気温度Tinとしてメモリ38に記憶する。
一方、STEP32でバーナ3が消火した状態で60分以上経過していなかったときには、STEP50に分岐し、燃焼制御手段36は、既にメモリ38に記憶されている前回のデータ選択処理における吸入空気温度Tinのデータを使用するものとし、STEP34に進む。
燃焼制御手段36は、STEP34で、短仕様データ39を使用して設定した目標回転数でバーナ3の点火処理を行う。また、続くSTEP35で、燃焼制御手段36は、バーナ3を所定燃焼量に設定して、STEP36で所定時間の経過を待つ。STEP35における所定燃焼量とSTEP36における所定時間の設定は、上述した図4のSTEP13及びSTEP14の場合と同様である。
STEP36で所定時間が経過したときにSTEP37に進み、燃焼制御手段36は、その時点の供給空気温度センサ17の検出温度Tsを燃焼室2に供給される燃焼用空気の温度(供給空気温度Tout)として把握する。そして、供給空気温度Toutと吸入空気温度Tinとの温度差(Tout−Tin)が、所定の基準温度差ΔTb(例えば50℃)以上であったとき(給排気管6が長いと推定できるとき)は、STEP38に進んで長仕様データ40を選択し、次のSTEP17で燃焼制御手段36はデータの選択処理を終了する。
一方、STEP37で供給空気温度Toutと吸入空気温度Tinとの温度差(Tout−Tin)が基準温度差ΔTbよりも低かったとき(給排気管6が短いと推定できるとき)は、STEP60に分岐して短仕様データ39を選択してSTEP39に進み、燃焼制御手段36はデータの選択処理を終了する。
そして、燃焼制御手段36は、このようにして短仕様データ39又は長仕様データ40を選択した後は、選択したいずれかのデータを使用して、バーナ3の目標燃焼量に応じたファン15の目標回転数を設定する。これにより、燃焼制御手段36は、吸入空気温度Tinの変化の影響を排除した上で、給排気管6の長さに応じて、バーナ3に対する燃焼用空気の供給量の過不足が生じることを抑制して、適切な目標回転数を設定することができる。
なお、本実施の形態では、図4,図5に示したように、バーナ3を所定燃焼量で所定時間燃焼させたときの供給空気温度Tout又は供給空気温度Toutと吸入空気温度Tinとの温度差(Tout−Tin)に基づいて、短仕様データ39と長仕様データ40のいずれを使用するかを選択したが、供給空気温度Tout又は供給空気温度Toutから吸入空気温度を減じた温度差(Tout−Tin)が所定温度となるのに必要なバーナ3の燃焼量を求めて、短仕様データ39と長仕様データ40のいずれを使用するかを選択してもよい。
この場合、供給空気温度Tout又は供給空気温度Toutから吸入空気温度を減じた温度差(Tout−Tin)が所定温度となるのに必要なバーナ3の燃焼量は、給排気管6が長くなるほど小さくなるので、該燃焼量に基づいて吸排気管6の長さを推定して、短仕様データ39と長仕様データ40のいずれを使用するかを選択することができる。
また、本実施の形態では、吸排気管6が冷えた状態における供給空気温度センサ17の検出温度Tsを吸入空気温度Tinとしたが、図1に点線で示したように供給空気温度センサ17とは別個に、給気路11の大気開放口付近に吸入空気温度Tinを検出するための温度センサ50を設けてもよい。
また、短仕様データ39及び長仕様データ40としては、目標燃焼量と目標回転数との関係をマップ化したデータマップや、目標燃焼量に応じて予め設定された目標回転数を補正するための補正係数のデータを用いることができる。
また、本実施の形態では、本発明の燃焼装置としてガス給湯器を示したが、ファンを使用して給排気管を介して燃焼用空気の給気と排気ガスの排出を行う燃焼装置であれば、本発明の適用が可能である。
なお、短仕様データ39と長仕様データのどちらが採用されているかを、リモコン8の表示器35に表示させてもよい。
また、上記実施の形態では、ファン15の目標回転数を設定するためのデータを、短仕様データ39と長仕様データ40という2段階で選択したが、3段階以上のデータを予めメモリ38に保持して、3段階以上のデータの中からファン15の目標回転数を設定するためのデータを選択するようにしてもよい。
本発明の燃焼装置であるガス給湯器の全体構成図。 図1に示したガス給湯器の制御ブロック図。 給排気管の長さと吸入空気温度との関係を示したグラフ。 短仕様データと長仕様データの選択処理のフローチャート。 短仕様データと長仕様データの選択処理のフローチャート。
符号の説明
1…本体ハウジング、2…燃焼室、3…バーナ、6…給排気管、7…制御ユニット、9…排気路、11…給気路、15…ファン、17…供給空気温度センサ、36…燃焼制御手段、38…メモリ、39…短仕様データ、40…長仕様データ

Claims (5)

  1. バーナを収容した燃焼室と、一端が該燃焼室に連通した給気路及び排気路が内部に隣接して並設された給排気管と、前記バーナに該給気路を介して燃焼用空気を供給すると共に前記バーナの排気ガスを該排気路を介して排出するファンと、前記バーナの燃焼量に応じて該ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記ファンの回転数を該目標回転数に追従させるファン回転数制御手段とを備えた燃焼装置において、
    前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサを備え、
    前記目標回転数設定手段は、前記バーナを所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度に基づいて、該検出温度が高いほど前記目標回転数を高く設定することを特徴とする燃焼装置。
  2. バーナを収容した燃焼室と、一端が該燃焼室に連通した給気路及び排気路が内部に隣接して並設された給排気管と、前記バーナに該給気路を介して燃焼用空気を供給すると共に前記バーナの排気ガスを該排気路を介して排出するファンと、前記バーナの燃焼量に応じて該ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記ファンの回転数を該目標回転数に追従させるファン回転数制御手段とを備えた燃焼装置において、
    前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサと、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度を検出する吸入空気温度センサとを備え、
    前記目標回転数設定手段は、該吸入空気温度センサの検出温度と、前記バーナを前記所定燃焼量で所定時間以上燃焼させたときの前記供給空気温度センサの検出温度との温度差に基づいて、該温度差が大きいほど前記目標回転数を高く設定することを特徴とする燃焼装置。
  3. バーナを収容した燃焼室と、一端が該燃焼室に連通した給気路及び排気路が内部に隣接して並設された給排気管と、前記バーナに該給気路を介して燃焼用空気を供給すると共に前記バーナの排気ガスを該排気路を介して排出するファンと、前記バーナの燃焼量に応じて該ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記ファンの回転数を該目標回転数に追従させるファン回転数制御手段とを備えた燃焼装置において、
    前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサと、前記バーナの燃焼量を変更する燃焼量変更手段とを備え、
    前記目標回転数設定手段は、前記供給空気温度センサの検出温度が所定温度となるまで、前記燃焼量変更手段により前記バーナの燃焼量を変更し、前記供給空気温度センサの検出温度が該所定温度となったときの前記バーナの燃焼量に基づいて、該燃焼量が大きいほど前記目標回転数を低く設定することを特徴とする燃焼装置。
  4. バーナを収容した燃焼室と、一端が該燃焼室に連通した給気路及び排気路が内部に隣接して並設された給排気管と、前記バーナに該給気路を介して燃焼用空気を供給すると共に前記バーナの排気ガスを該排気路を介して排出するファンと、前記バーナの燃焼量に応じて該ファンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記ファンの回転数を該目標回転数に追従させるファン回転数制御手段とを備えた燃焼装置において、
    前記燃焼室に供給される燃焼用空気の温度を検出する供給空気温度センサと、前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度を検出する吸入空気温度センサとを備え、
    前記目標回転数設定手段は、前記供給温度センサの検出温度と前記吸入空気温度との温度差が所定温度となるまで、前記燃焼量変更手段により前記バーナの燃焼量を変更し、該温度差が該所定温度となったときの前記バーナの燃焼量に基づいて、該燃焼量が大きいほど前記目標回転数を低く設定することを特徴とする燃焼装置。
  5. 前記供給空気温度センサ及び前記吸入空気温度センサとして、前記燃焼室と前記給気路との連通箇所の付近に設けられた1個の温度センサを備え、
    前記目標回転数設定手段は、前記バーナの燃焼停止が所定時間以上継続した状態における前記温度センサの検出温度を前記給気路に吸入される燃焼用空気の温度として、前記温度差を求めることを特徴とする請求項2又は請求項4記載の燃焼装置。
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