JP4654461B2 - ガス燃焼システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスボンベに液化して封入した燃料ガスをガス配管を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、家庭用のガス種としては、主に都市ガスとLPG(液化石油ガス)が用いられているが、LPGはやや高価である。そこで、最近、安価なガスであるDME(ジメチルエーテル)をLPGの代替燃料として使用することが検討されている。
この場合、DMEとLPGとはウォッベ指数が大幅に異なるために、LPG用のガス器具にそのままDMEを供給すると、単位時間あたりの発熱量(インプット)が大幅に変化してガス器具の燃焼や出力などの性能が悪化してしまうので、DME用の新たなガス器具を開発する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DMEの供給は現在のところ充分なものではないので、常にDMEを使い続けることができる保障もなく、DMEの供給が滞った場合にはLPGを使う等、LPGをDMEに置き換えるにしても当面の間はDMEとLPGとの並行使用を考えなければならない。
このため、DME用のガス器具に置き換えても、今度はLPGの使用時に、ガス器具の燃焼や出力などの性能が悪化してしまう。
本発明のガス燃焼システムは上記課題を解決し、複数種類の燃料ガスを並行使用しても、ガス器具の燃焼や出力などの性能を良好に維持することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のガス燃焼システムは、
ガスボンベに液化して封入した燃料ガスをガス配管を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムにおいて、
上記ガスボンベから上記ガス配管に送られる燃料ガスの供給ガス圧を、封入する燃料ガス種によって異なる値に設定する供給ガス圧設定手段と、
上記ガス配管あるいは上記ガス器具内のガス流路に設けられ、上記供給ガス圧を検出する圧力検出手段と、
上記圧力検出手段による供給ガス圧検出に基づいて、供給された燃料ガス種を判別するガス種判別手段と、
上記ガス種判別手段により判別された燃料ガス種に応じて、上記ガス器具の燃焼を制御する燃焼制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0005】
また、本発明の請求項2記載のガス燃焼システムは、上記請求項1記載のガス燃焼システムにおいて、
上記ガス種判別される燃料ガスは、LPGとDMEとであることを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項3記載のガス燃焼システムは、上記請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システムにおいて、
上記燃焼制御手段は、上記判別された燃料ガス種に応じて、上記ガス器具のバーナの必要燃焼量に対応した量の燃料ガスを該バーナへ供給するように上記ガス流路に設けられたガス比例弁を制御すると共に、該必要燃焼量に対応した量の燃焼用空気を該バーナへ供給するように上記ガス器具に備えられた給気ファンの回転数を制御することを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項4記載のガス燃焼システムは、上記請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システムにおいて、
上記ガス器具のバーナには、該バーナへ燃料ガスを噴出する口径の異なる複数のノズルが備えられ、
上記燃焼制御手段は、上記判別された燃料ガス種に応じて、燃料ガスを噴出する上記ノズルを切替えることを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項5記載のガス燃焼システムは、上記請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システムにおいて、
上記燃焼制御手段は、上記判別された燃料ガス種が上記ガス器具の仕様と異なる場合には、燃焼を禁止するように制御することを要旨とする。
【0011】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のガス燃焼システムは、供給ガス圧設定手段が供給ガス圧を燃料ガスに応じて異なる値に設定するので、圧力検出手段が供給ガス圧を検出することにより供給されたガス種を判別することができる。すなわち、供給ガス圧を検出するといった簡単な方法で、供給されるガス種を確実に判別できる。そして、判別された燃料ガス種に基づいて、燃焼制御手段がガス器具の燃焼を制御するので、複数種類の燃料ガスを並行使用してもガス器具を良好に使用することができる。
【0012】
また、本発明の請求項2記載のガス燃焼システムは、LPGとDMEとの並行使用が可能となる。
【0013】
また、本発明の請求項3記載のガス燃焼システムは、判別されたガス種に基づいて、バーナの必要燃焼量に対応した量の燃料ガスと燃焼用空気とをバーナへ供給するようにガス比例弁と給気ファンとを自動的に調整することにより、ガス器具を正常に燃焼させることができる。
【0014】
また、本発明の請求項4記載のガス燃焼システムは、判別されたガス種に基づいて、バーナの必要燃焼量に対応した量の燃料ガスをバーナへ供給するように、燃料ガスを噴出する口径の異なる複数のノズルを自動的に切替えることにより、ガス器具を正常に燃焼させることができる。
【0015】
また、本発明の請求項5記載のガス燃焼システムは、判別された燃料ガスの種類がガス器具の仕様と異なる場合には、燃焼制御手段がガス器具の燃焼を禁止する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のガス燃焼システムの好適な実施形態について説明する。
【0019】
《第一実施形態》
図1は、ガス器具として給湯器3を用いた場合の本発明の第一実施形態としての家庭用ガス燃焼システム1の概略構成図である。
ガス燃焼システム1は、燃料ガスとしてLPGあるいはDMEが液化され封入されたガスボンベ2と、ガス器具としての給湯器3と、ガスボンベ2と給湯器3とを接続するガス配管4とを備える。
【0020】
給湯器3は、図1に示すように、器具本体5内に燃焼室6が設けられ、その下方にDCモータ7と連結した給気ファン8が取り付けられる。
燃焼室6内には、下から順に、燃料ガスと給気ファン8からの一次空気との混合ガスを燃焼するバーナ9と、バーナ9の燃焼熱により通水を加熱するフィンチューブ式の熱交換器10とが設けられる。燃焼室6の上部には、熱交換器10で熱交換後の燃焼排気を器体外へ排出する排気口11が形成される。
【0021】
器具本体5内に設けられる通水管は、上流から順に、燃焼室6を外側で巻回する給水管12,熱交換器10に設けられる伝熱管13,出湯管14からなる。この給水管12には、水流センサや水ガバナを備える水側制御ユニット15と入水温サーミスタ58とが設けられ、また、出湯管14には出湯温サーミスタ59が設けられる。
【0022】
また、器具本体5のガス接続口16からバーナ9へのガス管17には、上流から順に、供給ガス圧を検出する圧力センサー18、主電磁弁19、ガバナ付きガス比例弁20が設けられる。圧力センサー18は、ガス管17から垂直に分岐した分岐管21の先端に設けられるので、この圧力センサー18で検出される供給ガス圧は常に静圧である。つまり、バーナ9燃焼時にガス管17内を燃料ガスが流れていても動圧ではなく静圧を測定することができる。
器具本体5のガス接続口16には、屋内に配設されたガス配管4が接続され、家庭用ガス引込口22に接続されたガスボンベ2から燃料ガスが供給される。ガスボンベ2としては、LPGが封入されたLPGボンベか、DMEが封入されたDMEボンベの何れかが使用される。そして、ガスボンベ2には、供給ガス圧を設定するレギュレーター23が備えられており、LPGとDMEとで供給ガス圧が異なる値に設定される。本実施形態では、例えば、LPGボンベの供給ガス圧は280mmHOに設定され、DMEボンベの供給ガス圧は400mmHOに設定される。
【0023】
また、水側制御ユニット15内の水流センサや、主電磁弁19、ガス比例弁20、DCモータ7、そして圧力センサー18等は、この給湯器3の燃焼を制御するバーナコントローラ24に電気的に接続される。バーナコントローラ24は、マイコンを主要部として構成され、給湯制御だけでなく、圧力センサー18が検出した供給ガス圧に基づいて、供給された燃料ガスがLPGかDMEかを判別するガス種判別機能を備えている。尚、給湯器3には、バーナコントローラ24を遠隔操作するリモコン60が設けられる。
【0024】
この様に構成された給湯器3のバーナコントローラ24の行う処理について図2のフローチャートを用いて説明する。
先ず、図示しない給湯栓を開くことにより給水管12に水(図中破線矢印)が流れると、水側制御ユニット15内の水流センサからの水流信号を検知し、給気ファン8をDCモータ7の駆動により回転させてプリパージを開始すると共に、圧力センサー18からの信号を入力して、ガスボンベ2から供給される燃料ガスの供給ガス圧を検出する(S1)。
続いて、検出された供給ガス圧に基づいて、供給された燃料ガスがLPGかDMEの何れであるかを判別する(S2)。すなわち、本実施形態では、LPGの供給ガス圧は280mmHOに、DMEの供給ガス圧は400mmHOに設定されているので、圧力センサー18で検出した値が280mmHOならばLPGが供給されたと判断し(S4)、400mmHOならばDMEが供給されたと判断する(S3)。
【0025】
そして、判別されたガス種に対応する空燃比制御データを選択する(S5)。この空燃比制御データは、各ガス種毎に、要求インプットIp(後述する)に対するガス比例弁電流I(図3参照)と給気ファン8の回転数との目標制御値を表すもので不揮発性メモリに記憶されている。
【0026】
次に、リモコン60で設定された出湯温度と入水温サーミスタ58で検出された入水温度との温度差に入水流量を乗じて要求インプットIpを算出し、選択された空燃比制御データに基づいてフィードフォーワード燃焼制御を開始する。この燃焼制御中に、出湯温サーミスタ59で検出される湯温と設定温度とに温度差があると、熱交換器10の出口温度を一定に保たせるように比例弁電流Iを連続的に補正すると共に、常にガス量と給気量とが所定の関係に保たれるように給気ファン8の回転数も補正するフィードバック燃焼制御を行う(S6)。
このような燃焼制御を行いつつ、ステップ1へ戻って同様の処理を繰り返し、常時ガス種を判別する。従って、燃料ガス種が変更されたことを判別した場合には、自動的にその変更後のガス種に適した空燃比制御データに切り替えてフィードフォワード燃焼制御およびフィードバック燃焼制御を行う。
【0027】
以上説明した第一実施形態のガス燃焼システム1によれば、供給ガス圧をLPGとDMEとで異なる値に設定しておき、その供給ガス圧を検出するといった簡単な方法で、正確に供給されたガス種を判別することができる。すなわち、密度等の物性がよく似たLPGとDMEとを安価にしかも確実に判別することができる。
【0028】
そして、判別されたガス種に基づいて、バーナ9の必要燃焼量に対応した量の燃料ガスと燃焼用空気とをバーナ9に供給するようにガス比例弁20と給気ファン8とが自動的に調整されるので、ノズル交換等の煩雑なガス種転換作業を行うことなしに、ウォッベ指数の異なるLPGとDMEとの何れを使用しても給湯器3を良好に使用することができる。従って、通常は値段の安いDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用するといった、DMEとLPGとの並行使用を使い勝手良く行うことができ経済的である。
また、ガス種変更を検知すると、そのガス種の仕様に自動的に変更して燃焼制御を行うため、常に適切な仕様で燃焼できて安全である。しかも、わざわざ手動で器具の設定仕様を切り替える必要がなく便利である。
【0029】
以上本発明の第一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では圧力センサー18を給湯器3内に内蔵したが、図4に示すように、給湯器27の外部のガス配管29に分岐管30を設け、その先端に圧力センサー25を設けると共に、バーナコントローラ28に圧力検知信号の入力端子26を設けて、この入力端子26に圧力センサー25の信号線を接続するようにしてもよい。
この場合には、必要に応じて圧力センサー25を追加するだけでガス種判別が可能となるため、将来のLPGとDMEとの市場状況が不明であり、燃料ガスを並行利用するかどうか分からないケースに、低コストで対応できる。しかも、外付けの圧力センサー25をガス配管29に1つ備えるだけで、複数のガス器具に圧力検知信号を出力でき、ガス器具の台数だけ圧力センサーを設ける必要が無く、コストが低減できる。
【0030】
また、バーナコントローラ24内の不揮発性メモリにガス器具(給湯器3)のガス種仕様を記憶させておき、判別された燃料ガスの種類とこの記憶させられたガス種仕様が異なる場合には、燃焼動作を禁止する様に制御しても構わない。
また、ガスボンベ2に封入される燃料ガス種としてLPGとDMEとが用いられているが、これに限られるものではない。すなわち、供給ガス圧を変えておくだけで、如何なる燃料ガスでも判別可能となるものである。
【0031】
《第二実施形態》
次に、第二実施形態のガス燃焼システム31について図5を用いて説明する。尚、第一実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。第二実施形態では、家庭用のガス器具として一口タイプのテーブルこんろ32を用いている。
テーブルこんろ32の器具本体33内には、こんろバーナ34が備えられ、器具上面には、こんろバーナ34の点火スイッチ61が設けられる。そして、器具本体33のガス接続口35からこんろバーナ34へのガス管36には、上流から順に、供給ガス圧を検出する圧力センサー37、点火スイッチ61の操作に連動してガス流路を開閉する主電磁弁38、供給される燃料ガスの最高ガス圧を制限して、その下流側が一定のガス圧となるように調節するガスガバナ39が設けられる。
そして、ガス管36はガスガバナ39よりも下流側で、主ノズル40へ接続する主ガス管41と副ノズル42へ接続する副ガス管43とに分岐する。副ガス管43にはガス流路を開閉する副電磁弁44が設けられ、ウォッベ指数が大きいLPGが供給される場合には副ノズル42へのガス流路を閉じ、ウォッベ指数が小さいDMEが供給される場合には副ノズル42へのガス流路を開けることにより、こんろバーナ34へのインプットがLPGとDMEのどちらが供給される場合においても等しくなるように制御される。また、主ノズル40側のみに空気吸入口が設けられ、副ノズル42側には空気吸入口は設けられない。
【0032】
ここで、この場合の主ノズル40と副ノズル42の口径の比の計算方法について述べる。
I=Q×H
I:インプット(MJ/h)、Q:ガス流量(Nm/h)、H:ガスの発熱量(MJ/Nm
であり、
【数1】
Figure 0004654461
D:ノズルの口径、K:流量係数、p:ノズル背圧(ノズルへの供給ガス圧)、d:ガスの比重
であるから
【数2】
Figure 0004654461
となる。尚、H/√dがウォッベ指数である。
LPGの比重をd1,発熱量をH1とし、DMEの比重をd2,発熱量をH2として、主ノズル40の口径をDa、副ノズル42の口径をDbとすると、LPGが供給された場合のこんろバーナ34へのインプットI1は、
【数3】
Figure 0004654461
となり、DMEが供給された場合のインプットI2は、
【数4】
Figure 0004654461
となる。尚、ガスガバナ39でノズル背圧は規定されているのでpはLPGの場合とDMEの場合とで等しい。また、流量係数KもLPGとDMEとで等しいと考える。
そして、LPGが供給された場合とDMEが供給された場合とでこんろバーナ34へのインプットが等しくなればよいので、
I1=I2
これを解くと
【数5】
Figure 0004654461
となる。
また、本実施形態では、LPGとして計算上、100%プロパンを用いるとすると、H1、H2、d1、d2は、それぞれ、H1=91.0(MJ/Nm)、H2=59.3(MJ/Nm)、d1=1.52、d2=1.59であるからこれらを式(1)に代入すると、Db=0.755Daが求まる。すなわち副ノズル42としては口径が主ノズル40の0.755倍のものを用いればよい。
【0033】
また、副電磁弁44及び圧力センサー37,主電磁弁38,点火スイッチ61は、このテーブルこんろ32の燃焼を制御するバーナコントローラ45に電気的に接続される。バーナコントローラ45は、圧力センサー37が検出した供給ガス圧に基づいて、供給された燃料ガスがLPGかDMEかを判別するガス種判別機能を備えている。
【0034】
このように構成されたテーブルこんろ32のバーナコントローラ45の行う処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、点火スイッチ61を押すと、圧力センサー37からの出力信号を入力して、ガスボンベ2から供給される燃料ガスの供給ガス圧を検出する(S1)。
【0035】
続いて、検出された供給ガス圧に基づいて、供給された燃料ガスがLPGかDMEの何れであるかを判別する(S2)。すなわち、本実施形態では。LPGの供給ガス圧は280mmHOに、DMEの供給ガス圧は400mmHOに設定されているので、圧力センサー37で検出した値が280mmHOならばLPGが供給されたと判断し(S4)、400mmHOならばDMEが供給されたと判断する(S3)。
そして、DMEが供給されたと判断した場合には副電磁弁44を開弁し(S5)、LPGが供給されたと判断した場合には副電磁弁を閉弁する(S6)。
【0036】
次に、主電磁弁38を開弁してこんろバーナ34に燃料ガスを供給する(S7)。従って、供給された燃料ガスが、LPGなら主ノズル40からのみ噴出し、DMEなら主ノズル40と副ノズル42の両方から噴出する。そして、図示しない電極からの連続スパークによりこんろバーナ34に直接点火する(S8)。
【0037】
以上説明した第二実施形態のガス燃焼システム31によれば、LPGが供給されたと判断した場合には主ノズル40のみから燃料ガスを噴出し、DMEが供給されたと判断した場合には主ノズル40及び副ノズル42から燃料ガスを噴出する。主ノズル40のみから噴出するLPGのインプットと主ノズル40と副ノズル42の両方から噴出するDMEのインプットが等しくなるように、主ノズル40と副ノズル42の口径が決められているので、ノズル交換等の煩雑なガス種転換作業を行うことなしに、ウォッベ指数の異なるLPGとDMEとの何れを使用してもテーブルこんろ32を良好に使用することができる。従って、通常は値段の安いDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用するといった、DMEとLPGとの並行使用を使い勝手良く行うことができ経済的である。
【0038】
また、主ノズル40側のみに空気吸入口が設けられており、副ノズル42側には設けられていないので、主ノズル40からのみLPGを噴出する場合と主ノズル40と副ノズル42とからDMEを噴出する場合とで吸引される燃焼用空気の量はほとんど変化しない。そして、この燃焼用空気の量は、LPG及びDMEのインプットに対して良好な燃焼が行われるように設定されているので、LPGを供給した場合でもDMEを供給した場合でも良好に燃焼させることができる。
【0039】
《第三実施形態》
図7は、家庭用ガス器具として知られている一口タイプのテーブルこんろ48を用いた場合の本発明の第三実施形態としてのガス燃焼システム46の概略構成図である。
ガス燃焼システム46は、燃料ガスとしてLPGあるいはDMEが液化され封入されたガスボンベ47と、ガス器具としてのテーブルこんろ48と、ガスボンベ47とテーブルこんろ48とを接続するガス配管49とを備える。
【0040】
テーブルこんろ48の器具本体50内には、こんろバーナ51が備えられる。
そして、器具本体50のガス接続口52からこんろバーナ51へのガス管53には、上流から順に、図示しない操作ボタンの操作に機械的に連動してガス流路を開閉する主開閉弁54、こんろバーナ51への燃料ガスの噴出口となるノズル55が設けられる。
【0041】
器具本体50のガス接続口52には、屋内に配設されたガス配管49が接続され、家庭用ガス引込口56に接続されたガスボンベ47から燃料ガスが供給される。そして、家庭用ガス引込口56には、LPGが封入されたLPGボンベか、DMEが封入されたDMEボンベのいずれか一方のガスボンベ47が接続される。また、ガスボンベ47には、供給ガス圧を設定するレギュレーター57が備えられており、LPGとDMEの何れを供給しても、ノズル55からこんろバーナ51へ噴出する燃料ガスのインプットが等しくなるように、LPGとDMEの供給ガス圧が設定される。
【0042】
ここで、この場合の供給ガス圧の計算方法について述べる。
I=Q×H
I:インプット、Q:ガス流量、H:ガスの発熱量
であり、
【数6】
Figure 0004654461
D:ノズルの口径、K:流量係数、p:ノズル背圧(ノズルへの供給ガス圧)、d:ガスの比重
であるから、
【数7】
Figure 0004654461
となる。尚、H/√dがウォッベ指数である。
ここで、LPGとDMEとでDとKは等しいので、
LPG 比重:d1、発熱量:H1
DME 比重:d2、発熱量:H2
とすると、供給ガス圧がp1の時のLPGのインプットと等しくなるDMEの供給ガス圧p2は、式(2)より、
【数8】
Figure 0004654461
で求まる。
また、本実施形態では、LPGとして計算上、100%プロパンを用い、その供給ガス圧がレギュレーター57で280mmHOに設定されているとすると、H1、H2、d1、d2は、それぞれ、H1=91.0(MJ/Nm)、H2=59.3(MJ/Nm)、d1=1.52、d2=1.59であり、p1=280mmHOであるから、これらの値を式(3)に代入すると、p2=690mmHOが求まる。
従って、本実施形態では、LPGボンベの供給ガス圧は280mmHOに設定され、DMEボンベの供給ガス圧は690mmHOに設定される。尚、LPGの供給ガス圧280mmHOというのは、従来からのLPGの供給ガス圧である。
【0043】
この様に構成されたガス燃焼システム46では、テーブルこんろ48の図示しない操作ボタンを押し操作すると主開閉弁54が開弁してこんろバーナ51に燃料ガスが供給される。そして、図示しない電極からの連続スパークによりこんろバーナ51に直接点火される。
【0044】
この際、ガスボンベ47としてLPGボンベとDMEボンベの何れを用いても、ノズル55からこんろバーナ51に供給されるインプットが等しく、その値は従来のLPGのインプットに等しいので、従来のLPG仕様のテーブルこんろ48をそのまま使用できるため、新たにDME用のテーブルこんろ48を導入する必要がなく経済的である。尚、必要に応じてガス器具の空気供給量を調整するようにしてもよい。
【0045】
また、ノズル交換等の煩雑なガス種転換作業を行うことなしに、LPGとDMEの両方のガス種を良好に燃焼させることができるので、通常は値段の安いDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用するといった、DMEとLPGとの並行使用を使い勝手よく行うことができる。
【0046】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、ウォッベ指数の異なるガス種としてLPG(純プロパン)とDMEとが用いられているが、これに限られるものではない。
また、LPGの供給ガス圧は280mmHOに設定され、DMEの供給ガス圧は690mmHOに設定されているが、この値に限ったものではなく、異なる2種の燃料ガスのインプットが等しくなるような供給ガス圧に設定すればよい。
【0047】
また、第二実施形態及び第三実施形態では、ガス器具として一口タイプのテーブルこんろを用いているが、当然、二口タイプその他のこんろであってもかまわない。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のガス燃焼システムによれば、供給ガス圧を燃料ガス種によって異なる値に設定しておき、その供給ガス圧に基づいてガス種を判別するため、物性がよく似たガス種であっても判別が正確である。しかも、供給ガス圧の設定や検出には、複雑な装置を用いずにレギュレーターや圧力センサーといったありふれた装置を用いて安価に実施することができる。
そして、判別されたガス種に応じて、ガス器具の燃焼が良好に制御されるので、異なるウォッベ指数の燃料ガスを並行使用することができる。このため、燃料ガスの価格や市場への供給状態に応じて、使用するガス種を選択することができ経済的である。
【0049】
更に、本発明の請求項2記載のガス燃焼システムによれば、LPGとDMEの並行使用が可能となるので、安いDMEの市場への供給が充分な場合はDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用することができるので、LPGからDMEの移行期において非常に有用である。
【0050】
更に、本発明の請求項3記載のガス燃焼システムによれば、判別されたガス種に基づいて、バーナの必要燃焼量に対応した量の燃料ガスと燃焼用空気とをバーナへ供給するようにガス比例弁と給気ファンとが自動的に調整されるので、ノズル交換等の煩雑なガス種転換作業を行うことなしに、ウォッベ指数の異なる燃料ガスを並行使用してもガス器具を良好に使用することができる。
【0051】
更に、本発明の請求項4記載のガス燃焼システムによれば、判別されたガス種に基づいて、バーナの必要燃焼量に対応した量の燃料ガスをバーナへ供給するように、燃料ガスを噴出する口径の異なる複数のノズルを自動的に切替えるので、ノズル交換等の煩雑なガス種転換作業を行うことなしに、ウォッベ指数の異なる燃料ガスを並行使用してもガス器具を良好に使用することができる。
【0052】
更に、本発明の請求項5記載のガス燃焼システムによれば、判別された燃焼ガスの種類がガス器具の仕様と異なる場合には、ガス器具の燃焼を禁止するため、適合しない仕様で燃焼することを未然に防ぐことができ、安全である。
【0053】
更に、本発明の請求項6記載のガス燃焼システムによれば、ノズル交換等の煩雑なガス種交換作業を行うことなしに、異なるウォッベ指数のガスをガス器具へのインプットを適切に維持したまま並行使用することができる。このため、ガスの価格や市場への供給状態に応じて、使用するガス種を選択することができ経済的である。
【0054】
更に、本発明の請求項7記載のガス燃焼システムによれば、LPGとDMEの並行使用が可能となるので、安いDMEの市場への供給が充分な場合はDMEを使用し、DMEの供給が滞った際にはLPGを使用することができるので、LPGからDMEへの移行期において非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態としてガス燃焼システムの概略構成図である。
【図2】第一実施形態の給湯器の作動制御を示すフローチャートである。
【図3】第一実施形態の給湯器のインプットに対する比例弁電流の関係を示すグラフである。
【図4】別の実施形態としてガス燃焼システムの概略構成図である。
【図5】第二実施形態としてガス燃焼システムの概略構成図である。
【図6】第二実施形態のテーブルこんろの作動制御を示すフローチャートである。
【図7】第三実施形態としてガス燃焼システムの概略構成図である。
【符号の説明】
1,31,46…ガス燃焼システム、2,47…ガスボンベ、3,27…給湯器、4,29,49…ガス配管、8…給気ファン、9…バーナ、17,36,53…ガス管、18,25,37…圧力センサー、20…ガス比例弁、23,57…レギュレーター、24,28,45…バーナコントローラ、32,48…テーブルこんろ、34,51…こんろバーナ、40…主ノズル、42…副ノズル、44…副電磁弁、55…ノズル。

Claims (5)

  1. ガスボンベに液化して封入した燃料ガスをガス配管を介して、ガス器具に供給して燃焼させるガス燃焼システムにおいて、
    上記ガスボンベから上記ガス配管に送られる燃料ガスの供給ガス圧を、封入する燃料ガス種によって異なる値に設定する供給ガス圧設定手段と、
    上記ガス配管あるいは上記ガス器具内のガス流路に設けられ、上記供給ガス圧を検出する圧力検出手段と、
    上記圧力検出手段による供給ガス圧検出に基づいて、供給された燃料ガス種を判別するガス種判別手段と、
    上記ガス種判別手段により判別された燃料ガス種に応じて、上記ガス器具の燃焼を制御する燃焼制御手段と
    を備えたことを特徴とするガス燃焼システム。
  2. 上記ガス種判別される燃料ガスは、LPGとDMEとであることを特徴とする請求項1記載のガス燃焼システム。
  3. 上記燃焼制御手段は、上記判別された燃料ガス種に応じて、上記ガス器具のバーナの必要燃焼量に対応した量の燃料ガスを該バーナへ供給するように上記ガス流路に設けられたガス比例弁を制御すると共に、該必要燃焼量に対応した量の燃焼用空気を該バーナへ供給するように上記ガス器具に備えられた給気ファンの回転数を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システム。
  4. 上記ガス器具のバーナには、該バーナへ燃料ガスを噴出する口径の異なる複数のノズルが備えられ、
    上記燃焼制御手段は、上記判別された燃料ガス種に応じて、燃料ガスを噴出する上記ノズルを切替えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システム。
  5. 上記燃焼制御手段は、上記判別された燃料ガス種が上記ガス器具の仕様と異なる場合には、燃焼を禁止するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス燃焼システム。
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