JP2020204440A - 給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼部の動作が、連続動作と間欠動作との間で適正に切り替えられ得る給湯装置を提供する。【解決手段】給湯装置10は、燃料ガスにより燃焼する、その発熱量が調節可能な燃焼器103と、燃焼器103からの熱を通過する水に伝えて当該水を加熱する1次熱交換器104および2次熱交換器105と、これら熱交換器104、105で加熱される前の水の温度を入水温度として検知する温度センサ131と、熱交換器104、105で加熱された後の水の温度を缶体温度として検知する温度センサ132と、熱交換器104、105を通過する水の流量を缶体流量として検知する流量センサ134と、制御部121とを備える。制御部121は、缶体設定温度と缶体温度との差分値および缶体流量に基づく要求号数に、缶体設定温度と缶体温度との差分値に基づく補正値を加えて、入力号数を取得し、入力号数が最低号数を下回る場合に、燃焼器103を間欠動作させる。【選択図】図1
Description
本発明は、給湯装置に関する。
熱交換器と、熱交換器を加熱するバーナーとを備え、熱交換器を加熱するために要求される要求熱量が、バーナーが有する最低の燃焼能力に対応した最低熱量より大きい場合に、比例制御による燃焼運転、即ち連続運転(連続動作)が行われ、要求熱量が最低熱量以下である場合に、間欠運転(間欠動作)が行われるようにバーナーが制御される給湯装置が、たとえば、特許文献1に記載されている。間欠運転において、燃焼時にバーナーが発生する熱量は最低熱量となる。この給湯装置では、要求熱量が最低熱量以下である場合にも、熱交換器により加熱された後の湯を設定温度に近い温度に維持できる。
この給湯装置では、燃料ガスの供給量が調節されることにより、バーナーの発熱量が調節される。燃料ガスの供給量は、バーナーのガス供給管に設けられた比例弁の開度により制御される。
従来、給湯装置では、燃焼器に適正に燃料ガスが供給されるよう、設置時等に燃料ガスの2次圧の設定が行われる。しかしながら、この2次圧の設定値には公差が存在するため、要求される熱量が同じであっても、燃料ガスの供給量は、この公差の範囲内で大小し得る。
よって、上記特許文献1の給湯装置において、燃料ガスの供給量が上記公差の範囲内で大小すると、バーナーの実際の最低熱量も、要求熱量と比較される最低熱量に対して大小することになる。このため、実際の最低熱量が大きい場合には、その最低熱量では要求熱量に対応できないにもかかわらず連続運転が行われ、加熱後の湯が設定温度よりも高く維持されてしまう虞がある。また、実際の最低熱量が小さい場合には、その最低熱量では要求熱量に対応できないにもかかわらず間欠運転が行われ、加熱後の湯が設定温度よりも低く維持されてしまう虞がある。
特に、加熱後の湯が設定温度よりも高くなった場合、バーナーや熱交換器が収容された缶体の耐久性への影響が懸念される。
かかる課題に鑑み、本発明は、燃焼部の動作が、連続動作と間欠動作との間で適正に切り替えられ得る給湯装置を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様に係る給湯装置は、燃料ガスにより燃焼する、その発熱量が調節可能な燃焼部と、前記燃焼部からの熱を通過する水に伝えて当該水を加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱される前の水の温度を第1温度として検知する第1温度検知部と、前記加熱部で加熱された後の水の温度を第2温度として検知する第2温度検知部と、前記加熱部を通過する水の流量を検知する流量検知部と、前記燃焼部を制御する制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記第2温度に対する目標温度と前記第1温度との差分値および前記流量に基づく要求熱量に、前記目標温度と前記第2温度との差分値に基づく補正値を加えることにより、入力熱量を取得する。そして、前記制御部は、前記入力熱量が所定の発熱量を下回らない場合に、前記入力熱量に対応する発熱量となるように前記燃焼部を連続動作させ、前記入力熱量が所定の発熱量を下回る場合に、前記燃焼部を間欠動作させる。
ここで、「所定の発熱量」は、たとえば、発熱部が調節可能な最低の発熱量、または、最低の発熱量よりも少し高い発熱量とすることができる。
上記の構成によれば、燃料ガスの供給量が公差の範囲内でばらついても、燃焼部の動作を、連続動作と間欠動作との間で適正に切り替えることができ、安定した給湯温度の給湯を行うことができる。
本態様に係る給湯装置において、前記制御部は、前記目標温度と前記第2温度との差分値および前記流量に基づくフィードバック制御により前記補正値を取得するような構成とされ得る。
上記の構成とされた場合、前記フィードバック制御として、PI制御が用いられると、目標温度と第2温度との差分値に基づく、より適正な補正値を取得でき、より適正な入力熱量を取得できる。
本態様に係る給湯装置において、前記制御部は、前記入力熱量に応じて前記燃焼部に供給する燃料ガスの供給量を制御するような構成とされ得る。
上記の構成によれば、燃焼部の連続動作時および間欠動作時において、適正な発熱量を加熱部に与えることができ、第2温度を目標温度の近くに維持できる。
以上のとおり、本発明によれば、燃焼部の動作が、連続動作と間欠動作との間で適正に切り替えられ得る給湯装置を提供できる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、ガス式の給湯装置に本発明を適用したものである。
図1は、給湯装置10の構成を示す図である。
図1に示すように、給湯装置10は、給湯器100とリモートコントローラ200とを備えている。給湯器100は、屋外または屋内に設置され、リモートコントローラ200は、屋内に設置される。
給湯器100は、外装ケース101を備える。この外装ケース101によって給湯器100の外殻が構成される。外装ケース101には、外気を導入するための吸気口101aが設けられている。ファン113が駆動されると、外装ケース101の内部が負圧となるため、吸気路R2を介して、空気が外装ケース101内に導入される。
外装ケース101の内部に缶体102が配置されている。缶体102内に、燃焼器103と、1次熱交換器104および2次熱交換器105が収容されている。燃焼器103には、点火を行うためのイグナイタ103aが含まれる。イグナイタ103aは、回路基板120の制御部121によって制御される。
燃焼器103には、配管106によって燃料ガスが供給される。配管106には、配管106を開閉するための電磁弁107と、燃料ガスの供給量を調節するための比例弁108が設けられている。比例弁108の開度が調節されることにより、燃料ガスの供給量が調節され、この結果、燃焼器103の発熱量が調節される。電磁弁107および比例弁108は、回路基板120の制御部121によって制御される。
給湯装置10では、燃焼器103に適正に燃料ガスが供給されるよう、設置時等に燃料ガスの2次圧の設定が行われる。ただし、この2次圧の設定値には公差が存在する。このため、要求される熱量が同じであっても比例弁108の開度が異なり、この公差の範囲内で、燃料ガスの供給量が大小し、燃焼器103の発熱量が大小し得る。
1次熱交換器104および2次熱交換器105には、配管109が接続されている。配管109の入口に水が供給され、配管109の出口から湯が放出される。配管109を流れる水が1次熱交換器104および2次熱交換器105の流路を通る間に、燃焼器103の燃焼により生じた熱が1次熱交換器104および2次熱交換器105を介して水に伝達される。これにより、水が温められる。
なお、配管109の入口が水栓に繋がる場合と、外部装置に繋がる場合とがある。外部装置は、燃料電池の発電時の排熱を利用して予熱した水をタンクに蓄え、その予熱水を給湯装置10に供給する装置である。外部装置は、太陽熱を利用して予熱した水をタンクに蓄え、その予熱水を給湯装置10に供給する装置であってもよい。
1次熱交換器104は、顕熱回収式の熱交換器であり、2次熱交換器105は、潜熱回収式の熱交換器である。1次熱交換器104の流路部は銅からなっており、2次熱交換器105の流路部はステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)からなっている。2次熱交換器105は、1次熱交換器104に対して排気路R1側に設けられている。配管109を流れる水は、2次熱交換器105を通る際に温められた後、さらに、1次熱交換器104を通る際に温められる。
配管109には、湯の放出量すなわち給湯量を調節するための出湯弁110が設けられている。出湯弁110は、ステッピングモータによって駆動される。出湯弁110の開度は、ステッピングモータのステップ数に従って変化する。ステッピングモータは、回路基板120の制御部121によって制御される。
さらに、配管109の入口側と出口側が配管111によってバイパスされている。配管109の入口側における配管111への分岐位置には、分配弁112が設けられている。分配弁112は、配管111への分流を制御するためのものである。分配弁112は、ステッピングモータによって駆動される。分配弁112の開度は、ステッピングモータのステップ数に従って変化する。分配弁112の開度により、配管111への分流の割合が調節される。配管109の出口へと向かう湯に配管111から水が混入され、これにより、配管109の出口から放出される湯の温度が調節される。ステッピングモータは、回路基板120の制御部121によって制御される。
缶体102の給気口102aにファン113が連結されている。また、缶体102の排気口102bは、外装ケース101の側面に形成された孔を介して、外装ケース101の外部に延び出している。ファン113は、モータ(図示せず)が駆動されることにより、燃焼器103に燃焼用の空気を供給する。ファン113は、所定の空燃比で燃焼器103に空気が供給されるよう、制御部121により所定の回転数に制御される。
給湯器100は、さらに、回路基板120と、3つの温度センサ131、132、133と、流量センサ134と、フレームロッド135を備えている。回路基板120には、制御部121の他、給湯器100を駆動するための回路部が実装されている。
制御部121は、たとえば、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータの制御プログラムを格納したメモリとからなっている。メモリは、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を含む。メモリは、マイクロコンピュータのワーク領域としても用いられる。
3つの温度センサ131、132、133は、たとえば、サーミスタにより構成される。温度センサ131は、配管109における分配弁112よりも下流であって2次熱交換器105よりも上流に配置され、2次熱交換器105に入る前、即ち、2次熱交換器105および1次熱交換器104で加熱される前の配管109を流れる水の温度(以下、「入水温度」と称する)を検知する。温度センサ132は、配管109における1次熱交換器104よりも下流であって配管111よりも上流に配置され、1次熱交換器104から出た、即ち、2次熱交換器105および1次熱交換器104で加熱された後の配管109を流れる湯の温度(以下、「缶体温度」と称する)を検知する。温度センサ133は、配管109における配管111よりも下流であって出湯弁110よりも上流に配置され、配管111からの水が混合された後の配管109を流れる湯の温度(以下、「給湯温度」と称する)を検知する。温度センサ131、132、133からは、検知温度に対応する温度信号が制御部121へ出力される。
流量センサ134は、たとえば、羽根車式流量センサにより構成される。流量センサ134は、2次熱交換器105および1次熱交換器104を流れる水の流量(以下「缶体流量」と称する)を検知する。流量センサ134からは、検知流量に対応する流量信号が制御部121へ出力される。
フレームロッド135は、燃焼器103に設けられ、燃焼器103が燃焼しているか否かを検知する。燃焼器103が燃焼しているとき、フレームロッド135から制御部121へフレームロッド信号が出力される。燃焼器103の燃焼が停止すると、フレームロッド信号が停止する。
リモートコントローラ200は、たとえば、キッチンやリビングルーム等に設置され、給湯温度の設定や、種々の情報の表示のために用いられる。リモートコントローラ200は、制御部201と、操作部202と、表示部203と、燃焼ランプ204とを備えている。
制御部201は、たとえば、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータの制御プログラムを格納したメモリとからなっている。メモリは、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を含む。メモリは、マイクロコンピュータのワーク領域としても用いられる。
操作部202には、給湯装置10を給湯が可能な動作状態に設定するための運転ボタン、給湯温度を設定するための設定ボタンなどの各種ボタンが設けられている。表示部203は、たとえば、液晶パネルであり、設定された給湯温度など、各種の情報が含まれる画面を表示する。燃焼ランプ204は、たとえば、単色または複数色の光を発光可能なLEDにより構成され、燃焼器103が燃焼(動作)しているときには点灯し、燃焼器103の燃焼(動作)が停止しているときには消灯する。表示部203および燃焼ランプ204は、制御部201により制御される。
給湯器100の回路基板120は、2芯通信線Sにより、リモートコントローラ200と接続されている。2芯通信線Sは、給湯器100からリモートコントローラ200に対する電源供給にも用いられる。電源電圧に通信信号が重畳されることにより、回路基板120の制御部121とリモートコントローラ200の制御部201との間で通信が行われる。たとえば、後述する燃焼制御において、制御部121から制御部201へ給湯信号、燃焼信号などが送信される。制御部121は、制御部201へ燃焼信号を送信することにより、制御部201を介して燃焼ランプ204を制御する。
次に、給湯装置10における燃焼器103の燃焼制御について説明する。
なお、本実施形態では、燃焼器103の燃焼制御に用いられる熱量が号数により表される。1号は、1L/minの流量の下で水温(湯温)を25℃上昇させるために必要な熱量である。よって、1号=25kcal/minとなる。
図2は、燃焼制御に係る処理を示すフローチャートである。燃焼制御に係る処理は、給湯器100の制御部121により、給湯装置10が動作状態にある間、繰り返し実行される。
図2を参照し、制御部121は、流量センサ134により検知された缶体流量が、最低作動流量(以下、「MOQ」と称する)以上であるか否かを判定する(S101)。給湯器100に接続されたカランの蛇口がユーザにより開かれると、水栓や外部装置からの水が給湯器100に供給されて配管109を流れ、缶体流量がMOQ以上となる。
制御部121は、缶体流量がMOQ以上であると判定すると(S101:YES)、ファン113を駆動するとともに、電磁弁107および比例弁108を開放し、イグナイタ103aにより点火を行い、燃焼器103の燃焼を開始する(S102)。そして、制御部121は、入力熱量に応じて燃焼器103の発熱量を調節する発熱量調節処理を、缶体流量がMOQ以上である間(S104:NO)、所定の実行周期[n]で繰り返し行う(S103)。
カランの蛇口がユーザにより閉じられ、水栓や外部装置からの水の供給が停止すると、缶体流量がMOQより小さくなる。制御部121は、缶体流量がMOQより小さくなったと判定すると(S104:YES)、電磁弁107および比例弁108を閉鎖して燃焼器103の燃焼を停止する(S105)。この際、制御部121は、ファン113を、燃焼器103の燃焼が停止してから所定時間、たとえば、10秒が経過した後に停止させる。
なお、ハンチング防止のため、MOQにヒステリシスを持たしてもよい。この場合、燃焼を開始させるための判定(S101)に用いるMOQの値が燃焼を停止させるための判定(S104)に用いるMOQの値よりも大きくされる。
図3は、発熱量調節処理を示すフローチャートである。
図3を参照し、制御部121は、入力熱量である入力号数を算出する(S201)。
入力号数(要求熱量)は、1次熱交換器104および2次熱交換器105での加熱により、缶体温度の目標となる缶体設定温度の湯を得るために要求される要求号数(要求熱量)に、燃料ガスの2次圧の公差内でのばらつきにより生じる缶体設定温度と缶体温度との差分を埋めるための補正値を加えた熱量である。補正値は、缶体設定温度と缶体温度の差分値に基づくフィードバック制御により取得される。フィードバック制御として、PI制御を用いることができる。
要求号数QRは、缶体設定温度TT、入水温度Tinおよび缶体流量Qを用いて、次の(式1)により算出される。
QR=(TT−Tin)×Q×0.04・・・(式1)
QR=(TT−Tin)×Q×0.04・・・(式1)
ここで、缶体設定温度TTは、ユーザにより設定される給湯設定温度Trよりも所定温度α(たとえば、15℃)高い温度、即ちTr+αに設定される。給湯設定温度Trは給湯温度の目標値であり、リモートコントローラ200において、ユーザの操作により設定される。
そして、入力号数QIは、要求号数QR、缶体設定温度TT、缶体温度Toutおよび缶体流量Qを用いて、次の(式2)により算出される。
QI=QR+kp×Q×(TT−Tout)×0.04+ki×Q×Σ(TT−Tout)×0.04・・・(式2)
QI=QR+kp×Q×(TT−Tout)×0.04+ki×Q×Σ(TT−Tout)×0.04・・・(式2)
ここで、[kp×Q×(TT−Tout)×0.04+ki×Q×Σ(TT−Tout)×0.04]はPI制御による補正値であり、比例項と積分項とからなる。kpおよびkiは、それぞれ、比例ゲインおよび積分ゲインであり、予め試験等を行うことにより適宜の値に定められる。
上述のとおり、燃焼器103は、比例弁108の開度、即ち燃料ガスの供給量を調節することにより、その燃焼による発熱量の調節が可能である。比例弁108の開度、即ち燃料ガスの供給量が最大であるとき、燃焼器103の発熱量は最高となり、比例弁108の開度、即ち燃料ガスの供給量が、燃焼器103の安定的な燃焼状態を確保できる下限値であるとき、燃焼器103の発熱量は最低となる。
制御部121のメモリには、燃焼器103の発熱量が調節可能な範囲において、入力熱量、即ち入力号数に対応付けられて比例弁108の開度が設定されたテーブルが記憶されている。
制御部121は、算出された入力号数が、燃焼器103の最低の発熱量である最低号数以上であるか否かを判定する(S202)。給湯器100に供給される水の温度が低い場合や流量が大きい場合は、要求号数が大きくなって入力号数が大きくなるので、入力号数が最低号数以上となりやすい。
入力号数が最低号数以上である場合(S202:YES)、制御部121は、メモリに記憶されたテーブルを参照して、入力号数に対応する比例弁108の開度を今回の開度に決定し(S203)、決定した開度となるように比例弁108の開度を調節する(S204)。これにより、入力号数に応じて燃料ガスの供給量が調節される。
こうして、制御部121は、入力号数が最低号数を下回らない、即ち、燃焼器103の発熱量が調節可能な最低の発熱量を下回らない限り、実行周期[n]で、S201〜S204の処理を繰り返し、燃焼器103の発熱量を入力号数となるように調節しながら燃焼器103を連続動作、即ち連続燃焼させる。
このような燃焼制御によって燃焼器103の発熱量が調節されることにより、1次熱交換器104および2次熱交換器105により加熱された後の湯の温度、即ち缶体温度Toutを、缶体設定温度TTに近い温度に維持することができる。なお、缶体設定温度TTに加熱された湯は、配管111からの水が混合されて給湯設定温度Trまで温度が下げられた後に、配管109の出口から放出され、カラン等へ供給される。
一方、給湯器100に供給される水の温度が高い場合や流量が小さい場合は、要求号数が小さくなって入力号数が小さくなるので、入力号数が最低号数を下回りやすい。特に、給湯装置10が、水の予熱を行う外部装置に接続されている場合には、供給される水の温度が高くなるので、入力号数が最低号数を下回りやすくなる。
入力号数が最低号数を下回る場合(S202:NO)、制御部121は、仮想号数を算出する(S205)。仮想号数は、燃焼器103の燃焼によって入力号数に相当する発熱量(以下、「実入力号数」と称する)が実際に1次熱交換器104へ入力されたときに、1次熱交換器104により出力されると予測される発熱量である。実行周期[n]の仮想号数y[n]は、実入力号数x[n]と給湯器100が有する応答遅れの時定数Lとを用いて、指数移動平均に従う以下の(式3)により算出することができる。
y[n]=((L×y[n−1])+x[n])/(L+1)・・・(式3)
y[n]=((L×y[n−1])+x[n])/(L+1)・・・(式3)
ここで、y[n]は、今回の実行周期[n]での仮想号数であり、y[n−1]は、前回の実行周期[n−1]での仮想号数である。x[n]は、今回の実行周期[n]での実入力号数であり、燃焼器103の燃焼が停止しているときには0号となり、燃焼器103が燃焼しているときには最低号数となる。
制御部121は、算出された仮想号数が入力号数を超える場合(S206:YES)、燃焼器103の燃焼を停止する(S207)。一方、制御部121は、算出された仮想号数が入力号数以下である場合(S206:NO)、燃焼時の発熱量が最低号数となるように燃焼器103を燃焼させる(S208)。
こうして、制御部121は、入力号数が最低号数を下回る限り、実行周期[n]で、S201、S202、S205〜S208の処理を繰り返し、仮想号数が入力号数以下となる期間、最低号数で燃焼し、仮想号数が入力号数を超える期間、燃焼が停止するように、燃焼器103を間欠動作、即ち間欠燃焼させる。
入力号数が最低号数を下回る場合、燃焼器103の発熱量を最低号数となるように調節して燃焼器103を連続動作させても、缶体温度Toutは、缶体設定温度TTよりも高くなって缶体設定温度TTに近い温度に維持できない。しかしながら、このような場合には、燃焼器103を間欠動作させることにより、間欠動作による平均的な発熱量が、最低号数より低い入力号数に近くなるようにできるので、缶体温度Toutを、缶体設定温度TTに近い温度に維持することができる。
なお、図3のフローチャートには示されていないが、燃焼器103の間欠動作時において、燃焼器103が燃焼している期間が最小時間(たとえば、1秒)を超えない場合には、仮想号数が入力号数を超えても制御部121が燃焼器103の燃焼を停止させず、燃焼器103の燃焼が停止している期間が最小時間(たとえば、1秒)を超えない場合には、仮想号数が入力号数以下となっても制御部121が燃焼器103の燃焼を開始しないような構成が採られることが望ましい。また、S201で算出された入力号数が最低号数よりも低い所定号数を下回る場合には、制御部121が、燃焼器103の間欠動作を行わずに燃焼を停止させるような構成が採られることが望ましい。
さて、本実施形態の給湯装置10において、同じ比例弁108の開度での燃料ガスの供給量が公差の範囲内で大きくなった場合、燃焼器103の発熱量が大きくなるので、缶体温度Toutが缶体設定温度TTよりも大きくなりやすい。これにより、(式2)の補正値が負の値をとりやすくなって、要求号数QRが同じであっても入力号数QIが小さくなりやすい。一方、同じ比例弁108の開度での燃料ガスの供給量が公差の範囲内で小さくなった場合、燃焼器103の発熱量が小さくなるので、缶体温度Toutが缶体設定温度TTよりも小さくなりやすい。これにより、(式2)の補正値が正の値をとりやすくなって、要求号数QRが同じであっても入力号数QIが大きくなりやすい。
本実施形態の給湯装置10では、図3の発熱量調節処理のS202において、燃焼器103を連続動作させるか間欠動作させるかの判定に、要求号数QR(要求熱量)ではなく、実際の燃焼器103の発熱量のばらつきに合わせて変動する入力号数QI(入力熱量)が用いられている。このため、要求号数QR(要求熱量)を用いて燃焼器103を連続動作させるか間欠動作させるかの判定が行われる構成と異なり、実際の最低号数が設定上の最低号数よりも大きいために燃焼器103を連続動作させると缶体温度Toutが缶体設定温度TTよりも高い温度に維持されてしまうにも関わらず、連続動作が行われたり、実際の最低号数が小さいために燃焼器103を間欠動作させると缶体温度Toutが缶体設定温度TTよりも低い温度に維持されてしまうにも関わらず、間欠動作が行われたりする、ということが生じにくくなる。よって、燃料ガスの供給量が公差の範囲内でばらついても、燃焼器103の動作を、連続動作と間欠動作との間で適正に切り替えることが可能となる。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
缶体設定温度TTと入水温度Tinとの差分値および缶体流量Qに基づく要求号数QRに、缶体設定温度TTと缶体温度Toutとの差分値に基づく補正値を加えることにより、入力号数QIが取得され、入力号数QIが最低号数を下回らない場合は、入力号数QIに対応する発熱量となるように燃焼器103が連続動作し、入力号数QIが最低号数を下回る場合は、燃焼器103が間欠動作するような構成とされている。ここで、具体的には、補正値は、缶体設定温度TTと缶体温度Toutとの差分値および缶体流量Qに基づくフィードバック制御により取得される。
この構成によれば、燃料ガスの供給量が公差の範囲内でばらついても、燃焼器103の動作を、連続動作と間欠動作との間で適正に切り替えることができ、安定した給湯温度の給湯を行うことができる。また、燃焼器103が最低号数で連続動作したときに缶体温度Toutが缶体設定温度TTより大幅に上昇し、缶体102が高温になって缶体102の耐久性に影響が出る、ということを防止できる。
また、補正値を得るためのフィードバック制御として、PI制御が用いられているので、缶体設定温度TTと缶体温度Toutとの差分値に基づく、より適正な補正値を取得でき、より適正な入力号数QIを取得できる。
さらに、入力号数QIに応じて燃料ガスの供給量が制御されるので、燃焼器103の連続動作時および間欠動作時において、適正な発熱量を1次熱交換器104および2次熱交換器105に与えることができ、缶体温度Toutを缶体設定温度TTの近くに維持できる。
<変更例>
本発明に係る給湯装置は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
本発明に係る給湯装置は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
上記実施形態では、入力熱量である入力号数QIが、(式2)による演算により取得された。しかしながら、これに限られず、たとえば、入水温度Tinと、缶体温度Toutと、缶体流量Qとに対応付けられて入力号数QIが設定されたテーブルが制御部121のメモリに用意され、このテーブルを参照することにより、入力号数QIが取得されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、(式2)の補正値を取得するため、缶体設定温度TTと缶体温度Toutとの差分値および缶体流量Qに基づくフィードバック制御として、PI制御が用いられた。しかしながら、フィードバック制御として、P制御またはPID制御が用いられてもよい。
さらに、上記実施形態では、要求号数QR(要求熱量)に、缶体設定温度TTと缶体温度Toutとの差分値に基づく補正値を加えることにより入力号数QI(入力熱量)が取得された。しかしながら、要求号数QRに、給湯設定温度Trと給湯温度との差分値に基づく補正値を加えることにより入力号数QIが取得されるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、図2のS101のMOQ以上か否かの判定およびS104のMOQ未満か否かの判定に、缶体流量が用いられた。しかしながら、これに代えてあるいはこれとともに、トータル流量(缶体流量+バイパス流量(配管111の流量))が用いられてもよい。トータル流量は、流量センサ134の検知流量および分配弁112の開度(制御位置)によって求められる。トータル流量を用いて判定される場合のMOQは、缶体流量を用いて判定される場合のMOQとは異なる値となる。
さらに、上記実施形態では、入力号数QIが最低号数を下回る場合に、燃焼器103の間欠動作が行われる。しかしながら、入力号数QIが最低号数よりも少し高い所定号数を下回る場合に、燃焼器103の間欠動作が行われるようにされてもよい。
さらに、上記実施形態では、燃焼器103の発熱量が、比例弁108の開度、即ち、燃料ガスの供給量により調節された。しかしながら、燃焼器103が複数のバーナーを備える場合には、燃焼器103の発熱量が、比例弁108の開度と点火されるバーナーの個数により調節されてもよい。
さらに、給湯器100の構成は、図1に示した構成に限られるものではなく、適宜変更可能である。
さらに、上記実施形態では、給湯のみが可能な給湯装置10が例示されたが、給湯とともに風呂の追い焚きが可能な給湯装置10に本発明が適用されてもよい。本発明は、給湯とともに温水暖房が可能な給湯装置に適用されてもよい。また、ガス式に限らず、オイル式等の他の燃焼方式の給湯装置に本発明が適用されてもよい。さらに、燃焼方式の給湯装置でなく、発熱部が電気ヒータ等である電気方式の給湯装置に本発明が適用されてもよい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
10 給湯装置
103 燃焼器(燃焼部)
104 1次熱交換器(加熱部)
105 2次熱交換器(加熱部)
121 制御部
131 温度センサ(第1温度検知部)
132 温度センサ(第2温度検知部)
134 流量センサ(流量検知部)
QI 入力号数(入力熱量)
QR 要求号数(要求熱量)
Tin 入水温度(第1温度)
Tout 缶体温度(第2温度)
TT 缶体設定温度(目標温度)
Q 缶体流量(流量)
103 燃焼器(燃焼部)
104 1次熱交換器(加熱部)
105 2次熱交換器(加熱部)
121 制御部
131 温度センサ(第1温度検知部)
132 温度センサ(第2温度検知部)
134 流量センサ(流量検知部)
QI 入力号数(入力熱量)
QR 要求号数(要求熱量)
Tin 入水温度(第1温度)
Tout 缶体温度(第2温度)
TT 缶体設定温度(目標温度)
Q 缶体流量(流量)
Claims (4)
- 燃料ガスにより燃焼する、その発熱量が調節可能な燃焼部と、
前記燃焼部からの熱を通過する水に伝えて当該水を加熱する加熱部と、
前記加熱部で加熱される前の水の温度を第1温度として検知する第1温度検知部と、
前記加熱部で加熱された後の水の温度を第2温度として検知する第2温度検知部と、
前記加熱部を通過する水の流量を検知する流量検知部と、
前記燃焼部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第2温度に対する目標温度と前記第1温度との差分値および前記流量に基づく要求熱量に、前記目標温度と前記第2温度との差分値に基づく補正値を加えることにより、入力熱量を取得し、
前記入力熱量が所定の発熱量を下回らない場合に、前記入力熱量に対応する発熱量となるように前記燃焼部を連続動作させ、
前記入力熱量が所定の発熱量を下回る場合に、前記燃焼部を間欠動作させる、
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1に記載の給湯装置において、
前記制御部は、前記目標温度と前記第2温度との差分値および前記流量に基づくフィードバック制御により前記補正値を取得する、
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項2に記載の給湯装置において、
前記フィードバック制御として、PI制御が用いられる、
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1ないし3の何れか一項に記載の給湯装置において、
前記制御部は、前記入力熱量に応じて前記燃焼部に供給する燃料ガスの供給量を制御する、
ことを特徴とする給湯装置。
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JPH06249501A (ja) * | 1993-02-26 | 1994-09-06 | Toto Ltd | 給湯装置 |
-
2019
- 2019-06-18 JP JP2019113236A patent/JP2020204440A/ja active Pending
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