JP4604211B2 - ペロブスカイト型複合酸化物およびその製造方法ならびにこれを用いた触媒 - Google Patents

ペロブスカイト型複合酸化物およびその製造方法ならびにこれを用いた触媒 Download PDF

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本発明は、耐熱性が改善され高比表面積を有し高い触媒活性が期待されるペロブスカイト型複合酸化物およびその製造方法ならびにこれを用いた排ガス浄化触媒に関するものである。
ペロブスカイト型複合酸化物は、触媒、超伝導酸化物、圧電体、センサー、燃料電池の電解質などの各種用途への適用が試みられている。触媒やセンサーなどでは物質間の相互作用を利用するので、その表面における作用点の大小がその特性を大きく左右する。従って、比表面積値が大きいほど大きな活性が期待できる。
これまで比表面積を増大させる目的で幾つかの研究が行われている。例えば下記非特許文献1においてN.YAMAZOE AND Y.TERAOKA らにより報告されているように、セラミックス法、蓚酸塩熱分解法、酢酸塩熱分解法などによって得られるペロブスカイト型複合酸化物は、BET法による比表面積値(本発明において、単に、比表面積値という。)が10m2/g以下であるために、触媒、センサーに使用した場合に充分な性能が得られないことがあった。
高い比表面積値のペロブスカイト型複合酸化物を得るためには、より低温でペロブスカイト型複合酸化物を結晶成長させることが必要となる。最近では、比表面積値が30m2/g以上のペロブスカイト型複合酸化物が報告されるようになった。例えば、クエン酸分解法、シアン塩分解法、フリーズドライ法などでは500℃〜700℃の温度範囲でペロブスカイト型複合酸化物を得ることが可能であるとされている。また本特許出願人においても、下記特許文献1に示す通り、新規な高比表面積ペロブスカイト型複合酸化物の製法を開発し特許出願した。
しかしながら、排ガス浄化用などの環境浄化触媒材料として用いる場合には、長時間高温の状態に晒されることが多いため、使用開始時の高い比表面積を維持できずに大きく低下してしまい、使用中に活性が低下してしまうという問題があった。
Catalysis Today, p.175-199, 8(1990) 特願2003−402935号
本発明の目的は、長時間高温の状態に晒されても、比表面積値の低下が小さく、活性劣化が少ないペロブスカイト型複合酸化物およびその製造方法ならびにこれを用いた触媒を提供することである。
前記の課題を解決すべく鋭意検討したところ、これまでに発明されたペロブスカイト型複合酸化物の組成は、触媒活性にのみ注目されて設計されたものであり、耐熱性まで考慮に入れられた組成設計とはなっていなかったことが原因であることが判明した。また、耐熱性に有効な元素を効果的にペロブスカイト型複合酸化物構造中に導入する(固溶する)製法も見つかっていなかったことが原因であると考えられる。
すなわち本発明は第1に、希土類元素Rの少なくとも1種と遷移金属元素Tの少なくとも1種から構成されるペロブスカイト(RTO3)型の複合酸化物相において、該遷移金属元素Tの一部がZr、Moのうちの少なくとも1種で置換された構成を有するペロブスカイト型複合酸化物;第2に、前記希土類元素Rの一部がアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも1種で置換された構成を有する、第1記載のペロブスカイト型複合酸化物;第3に、10m2/gを超えるBET法による比表面積値を有する、第1または2に記載のペロブスカイト型複合酸化物;第4に、前記複合酸化物の含有量比で前記希土類元素Rおよび前記遷移金属元素Tを含有する非晶質物質を熱処理することにより第1〜3のいずれかに記載のペロブスカイト型複合酸化物を製造する方法;第5に、前記熱処理の温度が400℃〜700℃である、第4記載の方法;第6に、前記非晶質物質は、前記Rイオンと前記Tイオンを含有する水溶液に沈殿剤を添加して得た沈殿物である、第4または5に記載の方法;第7に、前記非晶質物質は、前記Rイオンと前記Tイオンを含有する水溶液に沈殿剤と還元剤を添加して得た沈殿物である、第4または5に記載の方法;第8に、前記沈殿剤は炭酸アルカリまたはアンモニウムイオンを含有する炭酸塩である、第6または7に記載の方法;第9に、前記沈殿剤はアンモニアと炭酸ガスである、第6または7に記載の方法;第10に、前記還元剤は水素発生性化合物である、第7〜9のいずれかに記載の方法;第11に、第1〜3のいずれかに記載のペロブスカイト型複合酸化物を触媒材料とした排ガス浄化触媒である。
本発明によれば、ペロブスカイト(RTO3)型の複合酸化物相において遷移金属元素Tの一部がZr、Moのうちの少なくとも1種で置換された構成を有することにより、耐熱性に優れ、活性劣化の少ない触媒を得ることができ、またその製法も効率的であって、簡便且つ低コストなものである。
ペロブスカイト型複合酸化物は、一般式RTO3(R:希土類元素の少なくとも1種、T:遷移金属元素の少なくとも1種。)で表すことができる。Rとしては特に限定されないが、Y、La、Ce、Nd、Sm、Pr等であることができる。Tとしては、Zr、Moを含む以外には、Co、Fe、Ni、Mn、Cu、Cr、V、Nb、Ti、Pt、Pd、Ru、Rh、Au、Ag等を含むことができる。ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法については、前記特許文献1と同様に、結晶性中間物質を経由することなく、非晶質物質から直接ペロブスカイト型複合酸化物を得る反応経路をたどることによって、より低温でかつ短時間の熱処理条件で目的物質であるペロブスカイト型複合酸化物を製造する。
ペロブスカイト型複合酸化物を製造するための前駆体としての非晶質物質は、R元素とT元素を含む粉状の非晶質物質であり、このような前駆体は、これらの元素イオンを含む水溶液から適正な方法によって沈殿させる湿式法によって得ることができる。
本発明の高比表面積ペロブスカイト型複合酸化物を得るための前駆体物質は、希土類元素類Rの少なくとも1 種と遷移金属元素Tの少なくとも1種を主要構成成分とし、該複合酸化物を生成するに必要な量比のRおよびT成分を含有する非晶質物質である。従って、この前駆体である非晶質物質のX線回折像はブロードな状態のままであり、明確なピークは存在しない。この非晶質物質はペロブスカイト型複合酸化物を得るための熱処理温度に至るまでその非晶質状態を維持していることが望ましい。
このような非晶質な前駆体は、R元素とT元素のイオンを含む水溶液と、炭酸アルカリまたはアンモニウムイオンを含有する炭酸塩などの沈殿剤を、反応温度60℃以下、pH6以上で反応させて得られる沈殿生成物を液から分離し、洗浄・乾燥することによって得ることができる。より具体的には、Rの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の水溶性鉱酸塩と、Tの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の水溶性鉱酸塩を、R元素とT元素のモル比がほぼ1:1となるように溶解した水溶液を準備し(R元素は2成分以上であってもよく、T元素も2成分以上であってもよい。その場合にも両者の全体としてのモル比がほぼ1:1となるように各成分を溶解するのがよい。)、適切な沈殿剤、所望により沈殿剤と還元剤を使用して沈殿させる。ただし、R元素とT元素のモル比は、理想的にはほぼ1:1とするのがよいが、必ずしも1:1ではなくても、ペロブスカイト型複合酸化物を形成できることもある。したがって、R元素とT元素のモル比は1:1から多少ずれても、ペロブスカイト型複合酸化物が形成できるような値であればよい。
なお、RとTを主要構成成分としたうえ、これらRの一部をアルカリ金属、アルカリ土類金属のうちの少なくとも1種で置換することもできる。このようなアルカリ金属、アルカリ土類金属でRの一部を置換したペロブスカイト型複合酸化物を製造する場合にも、アルカリ金属、アルカリ土類金属のイオンを沈殿生成のための液に含有させればよく、これによって、前記同様に、非晶質物質の前駆体を得ることができる。アルカリ金属、アルカリ土類金属としては、Li、K、Na、Mg、Sr、Ca、Ba等を挙げることができる。また、本発明の効果を妨げない範囲内であれば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの担体材料やこれらの複合酸化物といった耐熱性担体材料を前駆体に添加することも可能である。この場合には、このような担体材料とともに前駆体を熱処理することによって、これらの担体材料にペロブスカイト型複合酸化物が担持された状態のものが得られる。
沈殿を生成させる液中のRおよびTのイオン濃度は、用いる塩類の溶解度によって上限が決まるが、Rおよび/またはTの結晶性化合物が析出しない状態が望ましく、通常は、RとTの合計イオン濃度が0.01〜0.60 mol/Lの範囲であるのが望ましいが、場合によっては、0.60 mol/Lを超えてもよい。
この液から非晶質の沈殿を得るには、炭酸アルカリまたはアンモニウムイオンを含有する炭酸塩からなる沈殿剤を添加するのがよく、このような沈殿剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等を使用することができ、必要に応じて、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩基を加えることも可能である。また、水酸化ナトリウム、アンモニア等を用いて沈殿を形成した後、炭酸ガスを吹き込むことによっても高比表面積ペロブスカイト型複合酸化物の前駆体である非晶質物質を得ることも可能である。このような沈殿剤に加えて還元剤を添加すると一層比表面積の高い非晶質の前駆体を得ることができる。還元剤としては、ヒドラジンや水素化ほう素ナトリウムなどの水素発生性化合物を使用することが好ましく、場合によってはギ酸、ホルマリン、硫化ナトリウム等も使用できる。
非晶質の沈殿を得るには、沈殿剤単独使用の場合には液のpHを6〜11の範囲に制御し、還元剤を添加する場合には液のpHを6〜12の範囲とするのがよい。いずれにしてもpHが6未満の領域では、希土類元素Rが沈殿を形成しない場合があるので不適切である。他方、pHが11を超える領域では、沈殿剤単独の場合には生成する沈殿の非晶質化が十分に進行せずに、水酸化物などの結晶性の沈殿を形成する場合がある。しかし、還元剤を添加する場合にはpHをさらに高めることができるが、あまり高いと非晶質化が達成できないこともあるので、pH12以下とするのがよい。
また、非晶質の沈殿を得るには、反応温度を60℃以下にするのがよい。60℃を超える温度領域で反応を開始した場合、希土類金属元素Rまたは遷移金属Tの結晶性の化合物粒子が生成する場合があり、前駆体の非晶質化を妨げるので好ましくない。
生成した沈殿は、濾過、遠心沈降、デカンテーション等により固液分離し、水洗を行って不純物イオンの残留を少なくするのが望ましい。得られた非晶質の沈殿物を自然乾燥、加熱乾燥、真空乾燥等の方法で乾燥させ、乾燥処理後に必要に応じて粉砕処理や分級処理を実施する。
このようにして得た非晶質物質はペロブスカイト型複合酸化物を得るための前駆体として好適である。すなわちこの前駆体を熱処理することによってペロブスカイト型複合酸化物を得ることができる。熱処理温度は、ペロブスカイト型複合酸化物を得られる限り特に限定されないが、400〜1000℃、好ましくは400〜700℃とすれば良い。熱処理雰囲気は、大気中または酸化性雰囲気中であれば良く、ペロブスカイト型複合酸化物が得られる酸素濃度、温度範囲ならば窒素雰囲気等でもよい。
本発明はペロブスカイト型複合酸化物(RTO3)のTの一部がZr、Moのうち少なくとも1種により置換された構成とすることに特徴があるため、この点について更に詳しく説明する。
本発明において、高い耐熱性を有するペロブスカイト型複合酸化物を得るには、Zr、Moはペロブスカイト型複合酸化物格子中に固溶していなければならない。従ってZr、Moがそれぞれ酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化モリブデン(MoO3)などの形態でペロブスカイト型複合酸化物中に介在していても、その効果は発揮されない。
これらの形態の違いを区別するため、後記実施例で示すように希酸に溶解させることによりその確認を行っている。即ち、酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化モリブデン(MoO3)の形態で存在するZr、Moであれば、希酸に浸漬してもZr、Moがイオンとして溶出することはないが、Zr、Moがペロブスカイト型複合酸化物構造中に固溶するものであるなら、ペロブスカイト型複合酸化物は耐酸性が非常に弱いため、ペロブスカイト型複合酸化物中のZr、Moは希酸中に溶出し、そのイオン濃度を確認することにより固溶量を確認できるというものである。
上記のようにして構造中へZr、Moの固溶が確認されたペロブスカイト型複合酸化物は高い比表面積に加えて、良好な耐熱性をも有するため、長時間の加熱によっても劣化が少ないというこれまでにない特性が期待できる。
以下実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの記載に限定されるものではない。
〔実施例1〕 硝酸ランタン、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄、オキシ硝酸ジルコニウムを、ランタン元素とストロンチウム元素と鉄元素とジルコニウム元素のモル比が0.8:0.2:0.8:0.2となるように混合した。この混合物を、ランタン元素とストロンチウム元素と鉄元素とジルコニウム元素の液中モル濃度の合計が0.2 mol/Lとなるように水に添加して原料溶液を得た。この溶液を撹拌しながら溶液の温度を25℃に調整し、温度が25℃に到達した段階で、沈殿剤として炭酸アンモニウム溶液を添加しながらpH=11に調整した。その後、反応温度を25℃に保ちながら撹拌を6時間継続することにより、沈殿の生成を十分進行させた。得られた沈殿を濾過して回収した後、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉末を前駆体粉と言う。
得られた前駆体粉の比表面積をBET法で測定したところ155.9m2/gであった。また。この前駆体粉のX線粉末回折を行ったところ、図1に示すようにピークが現れないブロードな回折結果となり、非晶質物質であることが確認された。
次に、該前駆体粉を大気雰囲気下で600℃で熱処理して焼成した。得られた焼成体の比表面積をBET法で測定したところ40.8m2/gであった。またX線粉末回折では、図1に示すように(La0.8Sr0.2)(Fe0.8Zr0.2)O3のペロブスカイト型複合酸化物相であることが確認された。
次に、添加したジルコニウムのうち、このペロブスカイト型複合酸化物中に固溶しているジルコニウムの割合(固溶率)について評価を行った。評価の方法は前記特許文献1記載のパラジウムの固溶率評価と同様の方法で行った。即ち、希酸にペロブスカイト型複合酸化物を溶解させると、固溶していないジルコニウムは酸化ジルコニウム(ZrO2)の形態で残渣として残り、固溶しているジルコニウムは溶液中に浸出するため、浸出したジルコニウムイオン濃度からジルコニウムの固溶率を評価できるというものである。この評価方法に従って本実施例のペロブスカイト型複合酸化物を評価した結果、ジルコニウムの固溶率は97.9%であり、分析による誤差を考慮すればほぼ100%ペロブスカイト型複合酸化物中に固溶していることが確認された。
さらに、この焼成体粉に対して大気雰囲気下で熱処理温度700℃、800℃、1000℃にて耐熱性試験を行い、耐熱性試験後の比表面積を測定した結果を表1および図2に、X線粉末回折の結果を図1に記した。本実施例で得られた焼成体粉は、図1の結果から1000℃まで更に加熱を行っても結晶構造が変化せず、さらに図2および表1の結果から900℃までは比表面積値が10m2/gを超えていることがわかる。
Figure 0004604211
〔実施例2〕 硝酸ランタン、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄、モリブデン酸アンモニウムを、ランタン元素とストロンチウム元素と鉄元素とモリブデン元素のモル比が0.8:0.2:0.8:0.2となるような量を準備し、そのうちモリブデン酸アンモニウムを沈殿剤である炭酸アンモニウムと混合して原料溶液に添加した以外は実施例1を繰り返した。
得られた前駆体粉を大気雰囲気下で熱処理温度600℃で焼成した。得られた焼成体の比表面積は43.5m2/gであった。次に、得られた焼成体のX線粉末回折を行った結果では(La0.8Sr0.2)(Fe0.8Mo0.2)O3のペロブスカイト型複合酸化物であった。またペロブスカイト型複合酸化物中のジルコニウムの固溶率は100%であり、モリブデンはペロブスカイト型複合酸化物中に固溶していることが確認された。
さらに、この焼成体粉に対して大気雰囲気下で熱処理温度700℃、800℃、1000℃にて耐熱性試験を行い、耐熱性試験後の比表面積を測定した結果を表1および図2に記した。本実施例で得られた焼成体粉は、図2および表1の結果から1000℃までは比表面積値が10m2/gを超えていることがわかる。
〔比較例1〕 硝酸ランタン、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄を、ランタン元素とストロンチウム元素と鉄元素のモル比が0.8:0.2:1.0となるように混合した以外は実施例1を繰り返した。得られた前駆体粉を熱処理温度600℃で焼成した。得られた焼成体の比表面積は35.1m2/gであった。次に、得られた焼成体のX線粉末回折を行った結果では(La0.8Sr0.2)FeO3のペロブスカイト型複合酸化物であった。さらに、この焼成体粉に対して大気雰囲気下で熱処理温度700℃、800℃、1000℃にて耐熱性試験を行い、耐熱性試験後の比表面積を測定した結果を表1および図2に記した。
実施例1および実施例2と比較例1の対比から、ペロブスカイト型複合酸化物構造中にZr、Moが固溶している方が、固溶していない場合に比べて比表面積値の低下が少なく、耐熱性に優れることが理解される。
耐熱性が改善され高比表面積を有するペロブスカイト型複合酸化物が効率的に得られ、排ガス浄化触媒の用途に適用できる。
(La0.8Sr0.2)(Fe0.8Zr0.2)O3系ペロブスカイト型複合酸化物において前駆体および焼成体の結晶構造、さらにはこの焼成体を温度を変えて更に熱処理した耐熱性試験後の結晶構造の変化を示すX線粉末回折図である(実施例1)。 (La0.8Sr0.2)FeO3系ペロブスカイト型複合酸化物においてZrまたはMoが固溶している焼成体およびいずれも固溶していない焼成体(いずれも焼成温度は600℃。)を温度を変えて更に熱処理した耐熱性試験後の比表面積値の変化を示す図である(実施例1、2、比較例1)。

Claims (4)

  1. 希土類元素La、遷移金属Feから構成されるペロブスカイト(RTO3)型の複合酸化物相において、該希土類元素Laの一部がSrで置換されており、該遷移金属Feの一部がMo、Zrの少なくとも一方で置換されている触媒用ペロブスカイト型複合酸化物。
  2. 希土類元素La、遷移金属Feから構成されるペロブスカイト(RTO3)型の複合酸化物相において、該希土類元素Laの一部がSrで置換されており、該遷移金属Feの一部がMo、Zrの少なくとも一方で置換されている触媒用ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、該複合酸化物は非晶質物質を400〜700℃の熱処理を経て得るものである、触媒用ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  3. 前記非晶質物質は、前記Laイオンと前記Feイオンを含有する水溶液に、炭酸アルカリまたはアンモニウムイオンを含有する炭酸塩からなる沈殿剤を添加して得た沈殿物である、請求項2に記載の触媒用ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  4. 前記炭酸アルカリまたはアンモニウムイオンを含有する炭酸塩からなる沈殿剤がアンモニアと炭酸ガスである、請求項2または3に記載の触媒用ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
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