JP4603420B2 - 成形用金型およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、成形用金型およびその製造方法に関する。
デジタルカメラや望遠レンズなどの光学系を支持する部材である鏡枠は、光学系の光軸の精度に大きな影響を与えるため、非常に高い加工精度が要求される。また、光軸の精度は、製品の性能・品質にとって特に重要な事項であるから、例えば光学系として10枚のレンズを用いる場合には、そのうちの1枚を微調整できるように鏡枠を製造しておき、その1枚のレンズを微調整することにより、最終的な光軸の調整を行うことが一般的であった。また、最近では、レンズ付きフィルムカメラやカメラ付き携帯電話等の光学系を支持する鏡枠として、プラスチック成形により製造された小型の鏡枠が広く用いられている。さらには、光学系を構成するレンズなどの光学部品自体をプラスチック射出成形によって形成することが行われており、かかるレンズの製造においても光軸の精度は非常に重要である。
製品を精度よく製造することができる成形用金型としては、例えば、図5に示すように、第1の金型600と第2の金型700の間にキャビティを形成し、該キャビティで製品を射出成形する成形用金型500が知られている(例えば特許文献1参照)。この第1の金型600は、キャビティ面610aを有する入れ子610と、入れ子610を外側から保持するとともに、第2の金型700側の端面に凸型テーパ部621を有する本体部材620と、入れ子610と本体部材620との間に介在させられるボールベアリング630と、から構成されている。また、第2の金型700は、キャビティ面710aを有する入れ子710と、入れ子710を外側から保持するとともに、第1の金型600側の端面に凹型テーパ部721を有する本体部材720と、入れ子710と本体部材720との間に介在させられるボールベアリング730と、から構成されている。
かかる金型は、ボールベアリング630,730を介在させることで、入れ子610と本体部材620、入れ子710と本体部材720の心合わせを行ない、凸型テーパ部621と凹型テーパ部721によって、第1の金型600と第2の金型700の心合わせを行っている。
特開2003−231159号公報(段落0020−0029、図1)
このような金型によってレンズや鏡枠を高精度に製造するには、金型を型締めした状態で、本体部材620と本体部材720の軸心を精度よく一致させるのみならず、入れ子610の軸心と入れ子710の軸心とを精度よく一致させる必要がある。それには、本体部材620,720の中空部622,722の軸心と、本体部材620,720の凸型テーパ部621又は凹型テーパ部721の軸心とがそれぞれ一致していなければならない。以下、第1の金型600を中心にして説明する。
ここで、図5に示すように、入れ子610の一端側(第2の金型700側)の径よりも、他端側の径の方が太い場合には、当該入れ子610と嵌合する中空部622も、一端側を細径とし、他端側を太径とする必要がある。そのため、このような本体部材620を製造する場合には、まず、本体部材620の原材を工作機械に固定して、一端側から凸型テーパ部621を形成した後、当該原材をつかみ替えて他端側から中空部622の太径部分を形成しなければならなかった。
しかしながら、このようにすると、本体部材620の原材をつかみ替えたときに、原材と工作機械の回転中心の位置関係がずれてしまい、凸型テーパ部621の軸心と、中空部622の太径部分の軸心とが一致しなくなるという不具合があった。本体部材720についても同様である。
凸型テーパ部621の軸心と中空部622の太径部分の軸心とが一致していないと、第1の金型600と第2の金型700の軸心が一致していても、入れ子610の軸心と入れ子710の軸心が不一致となり、製品を精度よく成形できないこととなる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、製品を高精度で成形可能な成形用金型およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る成形用金型は、第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成し、当該キャビティ内で製品を成形する成形用金型であって、前記第1の金型は、一端側にキャビティ面の一部を有する入れ子と、前記入れ子の一端側が挿入される細穴部を有する分割部材と、一端側に凸型テーパ部および凹型テーパ部のいずれか一方のテーパ部が形成され、この一方のテーパ部の内側に前記分割部材が設置される凹部を有し、この凹部と他端側とを連通し前記細穴部よりも太径に形成された太穴部を有する本体部材と、を備え、前記第2の金型は、前記第1の金型の一端側と対向する面に、前記一方のテーパ部と嵌り合う他方のテーパ部を有するとともに、当該他方のテーパ部の内側にキャビティ面の他の一部を備え、前記一方のテーパ部は、前記太穴部と同心に形成され、前記凹部は、該凹部の底面から前記太穴部の周面が臨出する大きさに形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1の金型は、一端側にキャビティ面の一部を有する入れ子と、前記入れ子の一端側が挿入される細穴部を有する分割部材と、一端側に凸型テーパ部および凹型テーパ部のいずれか一方のテーパ部が形成され、この一方のテーパ部の内側に前記分割部材が設置される凹部を有し、この凹部と他端側とを連通し前記細穴部よりも太径に形成された太穴部を有する本体部材と、を備え、前記凹部は、該凹部の底面から前記太穴部の周面が臨出する大きさに形成されていることから、前記本体部を加工する際に、本体部の原材をつかみ替えることなく一端側から加工することができる。そのため、前記一方のテーパ部と前記太穴部との同心性を確保することができる。したがって、かかる金型を用いれば、レンズや鏡枠などの製品を精度よく成形することができる。
ここで、第1の金型を構成する本体部材と入れ子とは、ぐらつきがないように嵌め合わされていれば、どのように嵌め合わされていてもよい。嵌め合わせ方としては、例えば、ベアリングを介してスライド可能に嵌め合わせてもよいし、焼き嵌めや締り嵌めなどの方法を用いて嵌め殺しにしてもよい。本発明は、特に、ベアリングを介して入れ子と本体部材とを嵌め合わせる場合に好適である。
なお、かかる成形用金型は、複数の光学系を保持する鏡枠やプラスチック光学レンズの製造に用いるのが好適である。特に、かかる金型を鏡枠の製造に適用すれば、光学系の光軸を高精度で一致させることが容易になり、レンズの微調整を省略することが可能となる。そのため、鏡枠の小型化や生産効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る成形用金型の製造方法は、請求項1に記載の成形用金型の製造方法であって、前記本体部材の原材を工作機械に固定する原材固定工程と、前記原材をつかみ替えることなく一端側から加工して、前記一方のテーパ部と前記太穴部とを同心に形成する原材加工工程と、を含むことを特徴とする。
かかる方法によれば、本体部材の原材を工作機械に固定したのち、前記原材をつかみ替えることなくワンチャックで一端側から加工して、一方のテーパ部と太穴部とを同心に形成することから、製品を高精度で成形可能な成形用金型を製造することができる。
本発明によれば、第1の金型における一方のテーパ部と太穴部との同心性を確保できることから、第1の金型と第2の金型の同心性をも確保することができる。したがって、製品を高精度で成形可能な成形用金型およびその製造方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。また、本実施形態では、本発明を鏡枠の製造に適用した場合について説明する。
はじめに、本実施形態に係る成形用金型の構成について説明する。
参照する図面において、図1は、本実施形態に係る成形用金型の断面図であり、(a)は型締め時、(b)は型開き時の状態をそれぞれ示す。図2は、本実施形態に係る成形用金型の分解断面図である。図3は、本実施形態に係る成形用金型の図2におけるA矢視図である。
成形用金型1は、図1に示すように、第1の金型100と第2の金型200との間にキャビティCを形成し、当該キャビティCで製品たる鏡枠Kを成形するものである。鏡枠Kは、図1(b)に示すように、光学系を構成する複数のレンズ(図示省略)を保持する部材であり、絞りsを備えて形成される。本実施形態では、鏡枠Kの構成のうち、絞りsより一端側(図1の右側)の部分が、第2の金型200に形成されたキャビティCの一部によって形成され、絞りsより他端側(図1の左側)の部分が、第1の金型100に形成されたキャビティCの一部によって形成されるようになっている。本実施形態に係る成形用金型1は、絞りsの両側に設置されるレンズの光軸が一致するように、鏡枠Kを精度よく成形できる金型である。
第1の金型100は、図1、図2に示すように、先端にキャビティ面の一部(以下、「キャビティ面Ca」という。)を備える入れ子110と、この入れ子110が嵌め入れられる本体部材120と、本体部材120とは別部材に形成され入れ子110の先端に外嵌する分割部材130と、入れ子110と本体部材120との間に介在させられるボールベアリング140と、から構成されている。
入れ子110は、鏡枠Kのエッジをシャープに形成するために、本体部材120とは別部品に構成された部材であり、図2に示すように、一端側にキャビティ面Caを備える円柱形状の細径部111と、この細径部111の他端側に連続して該細径部111よりも太径に形成された円柱形状の太径部112と、この太径部112の他端側に連続して形成された入れ子本体113、とから構成されている。入れ子110は、本体部材120および分割部材130に対してスライド可能になっており、例えば入れ子110をスライドさせることにより、成形された鏡枠KをキャビティCから取り出し可能となっている。
入れ子110の太径部112は、ボールベアリング140を介して本体部材120と嵌合する部分である。また、入れ子110の細径部111は、分割部材130と嵌合する部分であり、その先端には、鏡枠Kの成形面の形状に対応する形状を有するキャビティ面Caが形成されている。
ここで、入れ子110と本体部材120との位置関係は、かかる太径部112のがたつきによって、その精度が左右されるところ、本実施形態においては、ボールベアリング140によって1μm単位で太径部112のがたつきが抑えられて調心されている。そのため、この太径部112に連続する細径部111の先端に形成されたキャビティ面Caを、目的の位置に精度よく配置することができる。
本体部材120は、入れ子110が嵌め入れられる部材であり、また、第1の金型100と第2の金型200との位置関係を調節する役割を担う部材である。本体部材120は、略円筒形状を呈しており(図3参照)、その中空部分は入れ子110を嵌め入れる太穴部121となっている。また、本体部材120は、一端側に円錐台形状を呈する凸型テーパ部122を備えている。そして、この凸型テーパ部122の中央部分には、分割部材130と嵌合する凹部123が形成されている。太穴部121は、この凹部123の底面123aと本体部材120の他端側とを連通している。
太穴部121は、断面円形状の中空部分であり、ボールベアリング140を介して入れ子110をスライド可能に支持する役割を担う部分である。凸型テーパ部122は、一端側に向かうほど先細りになっており、後記する第2の金型200に形成された凹型テーパ部222と嵌合して、第2の金型200に対する第1の金型100の位置を調節する役割を担う部分である。すなわち、凸型テーパ部122と凹型テーパ部222は、成形用金型1の位置決め手段として機能するものである。凹部123は、断面円形状を呈する空間であり、その径は太穴部121よりも大きく形成されている。そのため、図2の矢視A方向から本体部材120をみると、図3に示すように、凹部123の底面123aから太穴部121の周面がすべて臨出(露出)した状態になっている。
分割部材130は、略円筒形状を呈する部材であり、その中空部分は入れ子110の細径部111が挿入される細穴部131となっている。分割部材130は、本体部材120の凹部123に嵌め入れられたときに、分割部材130の一端側の面と本体部材120の凸型テーパ部122の一端側の面とが面一になる厚さに形成されている。また、分割部材130の細穴部131の内周面の一端側には、キャビティ面の他の一部(以下、「キャビティ面Cb」という。)が形成されている。細穴部131は、入れ子110の細径部111との間に10μm程度の隙間ができる直径に形成されている。
分割部材130は、本体部材120の一端側から、太穴部121と凸型テーパ部122の両方を切削加工できるように、本体部材120とは別部材に形成された部材である。すなわち、仮に、分割部材130を本体部材120と一体に構成した場合には、太穴部121よりも細穴部131の方が小径であるため、本体部材120の一端側のみから、太穴部121と凸型テーパ部122とを形成することができず、加工する部材をつかみ替える必要があるが、本体部材120と分割部材130とを別部材にすれば(細穴部131と太穴部121を別部材に形成すれば)、細穴部131を気にすることなく、太穴部121と凸型テーパ部122とを本体部材120の一端側から形成することができる。
なお、分割部材130は、少なくとも太穴部121と凹部123とを本体部材120に形成した後に、当該凹部123に嵌め入れればよい。
ボールベアリング140は、入れ子110のがたつきを抑え、キャビティ面Caを太穴部121の中心に精度よく配置する役割を担う部材である。ボールベアリング140は、図2に示すように、入れ子110の太径部112と本体部材120の太穴部121との間に介在させられる。ボールベアリング140は、公知のベアリングの中から最適なものを選択して適用される。
このように、本体部材120は、分割部材130と別部材に形成されており、凹部123の底面123aから太穴部121の周面がすべて臨出(露出)した状態になっていることから、特別な工具を用いることなく、本体部材120の一端側から太穴部121と凸型テーパ部122とを加工・形成することができる。そのため、本体部材120の原材を加工する際に当該原材をつかみ替える必要がないので太穴部121の軸心を、凸型テーパ部122の軸心と同心に形成することが可能となる。本体部材120の加工方法については後に詳しく説明する。
第2の金型200は、第1の金型100と略同様の構成を有しており、図1に示すように、先端にキャビティ面の一部(以下、「キャビティ面Cc」という。)を備える入れ子210と、この入れ子210が嵌め入れられる本体部材220と、本体部材220とは別部材に形成され入れ子210の先端に外嵌する分割部材230と、から構成されている。すなわち、第2の金型200は、ボールベアリング140に相当する構成を備えていない点が、第1の金型100と主に異なっている。
入れ子210は、図2に示すように、他端側(第1の金型100側)にキャビティ面Ccを備える円柱形状の細径部211と、この細径部211の一端側に連続して、該細径部211よりも太径に形成された円柱形状の太径部212と、この太径部212の一端側に連続して形成された入れ子本体213、とから構成されている。太径部212は、円錐台形状(テーパ形状)を呈しており、他端側(細径部211側)に向かうほど先細りになっている。また、入れ子210は、入れ子本体213の一端側とキャビティ面Ccとを連通するスプールSP及びゲートGを備えている。
本体部材220は、入れ子210が嵌め入れられる部材であり、また、第1の金型100と第2の金型200との位置関係を調節する役割を担う部材である。本体部材220は、略円筒形状を呈しており、他端側にリブが形成されている。本体部材220の中空部分は、図2に示すように、一端側から、入れ子210が嵌め入れられる太穴部221と、分割部材230が嵌め入れられる凹部223と、第1の金型100の凸型テーパ部122と嵌合する凹型テーパ部222と、を構成している。太穴部221は、他端側に向かうほど先細りになるテーパ形状の空間に形成されており、嵌め入れられた入れ子210を調心可能になっている。また、凹型テーパ部222は、一端側に向かうほど先細りになるテーパ形状の空間に形成されており、第1の金型100と第2の金型200とを調心可能になっている。また、凹部223は、太穴部221よりも大径に形成されており、凹型テーパ部222は、凹部223よりもさらに大径に形成されている。
分割部材230は、略円筒形状を呈する扁平な部材であり、その中空部分は入れ子210の細径部211が挿入される細穴部231となっている。分割部材230は、本体部材220の凹部223に嵌め入れられたときに、分割部材230の他端側の面と凹型テーパ部222の底面とが面一になる厚さに形成されている。また、分割部材230の細穴部231の内周面の一端側には、キャビティ面Cdが形成されている。
このように、第2の金型200は、入れ子210の細径部211に外嵌する細穴部231が、本体部材220と別部材である分割部材230に形成されていることから、本体部材220の太穴部221と凹型テーパ部222とを他端側から形成することができる。そのため、本体部材220を加工する際に原材をつかみ替える必要がないので、第1の金型100と同様に、太穴部221と凹型テーパ部222の軸心を一致させることが可能となる。なお、詳細な説明は第1の金型100と重複するため省略する。
つづいて成形用金型1の製造方法について説明する。
成形用金型1は、工作機械を用いて、金型の原材料となる金属塊を所定の形状に切削加工して入れ子110,210や本体部材120,220や分割部材130,230を形成し、これらを組み立てることにより製造される。工作機械としては、公知の旋盤装置などを用いることができる。このうち、本体部材120の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。図4は、本体部材の切削加工工程を段階的に示した図である。
はじめに、図4(a)に示すように、工作機械(図示省略)のチャックCHに本体部材120の原材Mを固定する(原材固定工程)。
つぎに、図4(b)に示すように、工作機械の心押台に穴あけ加工用のドリルDを装着し、ドリルDのセンタを工作機械の回転中心に位置あわせする。そして、チャックCHを回転させながら、ドリルDを原材Mに押し付けて切削する。これにより、太穴部121が形成される。
つぎに、図4(c)に示すように、穴ぐり加工用のバイトB1に交換し、太穴部121の一端側の内周面にバイトB1の刃先を押し当て、太穴部121の一部を拡径することにより凹部123を形成する。
つぎに、図4(d)に示すように、テーパ加工用のバイトB2に交換し、回転中心に対するバイトB2の送り方向をテーパの角度θに調節し、原材Mの一端側の周縁部をテーパ加工する。これにより、凸型テーパ部122が形成される。以上の工程により本体部材120が完成する(以上、原材加工工程)。
なお、第2の金型200の本体部材220も、略同様の工程で製造することができる。
このようにして形成した本体部材120の凹部123に、別に加工した分割部材130を嵌め入れ、さらに、ボールベアリング140を介在させながら入れ子110の細径部111及び太径部112を本体部材120の太穴部121及び分割部材130の細穴部131に嵌め入れることにより、第一の金型100が組み立てられる。また、同様の手順により第2の金型200が組み立てられる。
なお、本体部材120と分割部材130との取付精度は、製品たる鏡枠Kのレンズ保持部(すなわち鏡枠Kの内側)の精度に大きな影響を与えないことから、別部材としても差し支えない。
このように、本実施形態に係る成形用金型1は、入れ子110の太径部112を保持する本体部材120と、入れ子110の細径部111に外嵌する分割部材130とを、別部材に構成したことから、本体部材120の原材Mを工作機械のチャックCHに一度固定したら、これをつかみ替えることなく、太穴部121と凸型テーパ部122とを一端側から切削加工することができる。そのため、太穴部121と凸型テーパ部122とを高精度で同心に形成することができる。
そして、鏡枠Kが高精度に形成されることから、従来のように光学系を構成するレンズのうちの一枚を微調整する必要がなくなり、製品の大量生産が容易になる。また、微調整が困難であった小型の製品(例えばカメラ付き携帯電話など)に当該鏡枠Kを適用することにより、製品の品質を容易に向上させることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、第1の金型と第2の金型の両方を、入れ子と本体部材と分割部材とで構成したが、本発明はこれに限られるものではなく、いずれか一方の金型が、入れ子と本体部材と分割部材とで構成されていればよい。
また、本実施形態においては、第1の金型100において、入れ子110を、ボールベアリング140を介して本体部材120に支持させることとしたが、これに限られるものではなく、第2の金型200のように、ボールベアリング140を用いることなく、テーパを用いて心合わせをするようにしてもよい。また、この逆に、第2の金型200に、ボールベアリングを適用してもよい。
また、本実施形態では、分割部材130の外周面にテーパを形成せず、凹部123の内周面にもテーパを形成しない構成としたが、本体部材120の凹部123を、他端側に向かうほど先細りとなる凹型のテーパ状に形成するとともに、分割部材130を、他端側に向かうほど先細りとなる円錐台形状(テーパ状)に形成することにより、両者を調心するようにしてもよい。かかる構成によれば、さらに精度よく製品を成形することができる。
また、本実施形態においては、製品として鏡枠Kを製造するための成形用金型に本発明を適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えばプラスチック光学レンズ用の成形用金型など、他の製品(例えばレンズなどの光学部品)を製造するための金型に適用できることは言うまでもない。
また、本実施形態では、本体部材120の切削加工において、3種類のドリル及びバイトを用いて加工するように説明したが、これに限られるものではなく、本体部材120の原材Mをつかみ替えることがない限り、何種類のバイトを用いても構わない。例えば、各工程で仕上げ用の砥石を用いて研削加工を行うこととすれば、さらに精度よく加工することができる。
また、本実施形態では、原材加工工程において、(1)太穴部121、(2)凹部123、(3)凸型テーパ部122、の順番に加工することとしたが、本体部材120の原材をつかみ替えることなく太穴部と凸型テーパ部(一方のテーパ部)を形成するのであれば、この順番に限られるものではない。例えば、凸型テーパ部122を形成したのちに、太穴部121を形成してもよい。
本実施形態に係る成形用金型の断面図であり、(a)は型締め時、(b)は型開き時の状態をそれぞれ示す。 本実施形態に係る成形用金型の分解断面図である。 本実施形態に係る成形用金型の図2におけるA矢視図である。 本体部材の切削加工工程を段階的に示した図である。 従来の成形用金型の断面図である。
符号の説明
1 成形用金型
100 第1の金型
110 入れ子
120 本体部材
130 分割部材
140 ボールベアリング
200 第2の金型
210 入れ子
220 本体部材
230 分割部材
K 鏡枠

Claims (2)

  1. 第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成し、当該キャビティ内で製品を成形するための成形用金型であって、
    前記第1の金型は、
    一端側にキャビティ面の一部を有する入れ子と、
    前記入れ子の一端側が挿入される細穴部を有する分割部材と、
    一端側に凸型テーパ部および凹型テーパ部のいずれか一方のテーパ部が形成され、この一方のテーパ部の内側に前記分割部材が設置される凹部を有し、この凹部と他端側とを連通し前記細穴部よりも太径に形成された太穴部を有する本体部材と、を備え、
    前記第2の金型は、前記第1の金型の一端側と対向する面に、前記一方のテーパ部と嵌り合う他方のテーパ部を有するとともに、当該他方のテーパ部の内側にキャビティ面の他の一部を備え、
    前記一方のテーパ部は、前記太穴部と同心に形成され、
    前記凹部は、該凹部の底面から前記太穴部の周面が臨出する大きさに形成されていることを特徴とする成形用金型。
  2. 請求項1に記載の成形用金型の製造方法であって、
    前記本体部材の原材を工作機械に固定する原材固定工程と、
    前記原材をつかみ替えることなく前記一端側から加工して、前記一方のテーパ部と前記太穴部とを同心に形成する原材加工工程と、を含むことを特徴とする成形用金型の製造方法。
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