JP4602816B2 - 熱源機用ポンプの制御方法及び空調用熱源システム - Google Patents

熱源機用ポンプの制御方法及び空調用熱源システム Download PDF

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Description

本発明は、熱源機から熱源水を、供給ヘッダー、空調機、戻りヘッダーを経て対応する熱源機に循環させる速度制御可能な熱源機用ポンプの制御方法及びこの方法が適用される空調用熱源システムに関する。
従来、ビル施設などに用いられる大規模な空調設備では、熱源機で生成した冷水/温水(以下、熱源水)を、熱源機毎に設けられたポンプにより、供給ヘッダーから、空調機を経て戻りヘッダーに戻し、さらに熱源機に循環させるように構成している。このような熱源設備に関して種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
一般に、熱源機としては、ターボ冷凍機や吸収冷凍機等が用いられる。ターボ冷凍機は冷房専用であることから、冷暖兼用の吸収冷凍機のみの設置、又は、冷暖兼用の吸収冷凍機と冷房専用のターボ冷凍機とを組み合わせ設置が実施され、その運用は、台数制御により、冷凍機の運転台数を制御している。また、これらの熱源機で発生した熱源水は、個々に設置した一定回転数運転のポンプにより空調機に供給し、空調機の冷水調節弁により供給量を調整している。或いは、ポンプをインバータ制御し、空調機の必要とする熱原水を供給制御していた。
このような方法では、例えば、冷房時において、複数台の冷凍機の冷水供給量は各々の制御に付随して決定される。また、各冷凍機の冷水出口温度は、冷凍機により一定に制御されるから、各冷凍機はこの冷水流量により、冷水発生負荷が決定され、各々任意の負荷分担が行えない。
例えば、複数台の冷凍機を台数制御して、空調機に冷水を供給する場合、台数制御された冷凍機からの供給流量に対し、前述のように、空調機の冷水調節弁で供給量を調節している。このとき、空調機の要求流量が少なく冷水調節弁を絞って流量を低下させた場合、低下した分の冷水は空調機に対するバイパス路に流し、固定速ポンプによる、冷凍機からの供給流量を一定量に維持していた。また、ポンプがインバータ制御により可変速の場合は、冷水調節弁を絞った分、ポンプ運転点における圧力が上昇するため、インバータ制御によりポンプの運転速度を低下させ、圧力上昇を防止していた。
特開平5−264072号公報
このように、従来は冷凍機から供給される冷水量は一定であり、空調機への供給量を変える場合は空調機の冷水調節弁で調整しているため、バイパス路が必要であったり、ポンプを速度制御して圧力上昇を防止したりする必要があり、構成が複雑になると共に効率も低かった。また、冷凍機の負荷流量を任意に調整することができなかった。さらに、複数台の冷凍機の負荷流量の分担は、その能力や方式に応じて決められており、例えば、同じ能力の冷凍機であれば1:1の分担率に決められていた。しかし、能力や方式の異なる熱源機を組み合わせて使用する場合、状況に応じて熱源機の分担率を変化させることも必要となる。
本発明の目的は、複数の熱源機により空調機に熱源水を供給するに当り、熱源機の負荷分担を状況に応じて変化でき、熱源機で製造された熱源水を、空調機へ最適に供給できる熱源機用ポンプの制御方法及びこの方法が適用される空調用熱源システムを提供することにある。
本発明による熱源機用ポンプの制御方法は、複数の熱源機毎に設けられ、これら熱源機から熱源水を、供給ヘッダー、空調機、戻りヘッダーを経て対応する熱源機に循環させる速度制御可能なポンプの制御方法であって、前記各熱源機からの熱源水の流量を測定し、これら測定値の合計流量を求めると共に、前記供給ヘッダーと戻りヘッダーとのヘッダー間差圧を測定し、前記各熱源機器について熱源水の負荷流量に対して予め設定された分担パターンにより、前記合計流量から各熱源機器の分担流量を求め、これら各分担流量と各熱源機器からの熱源水の測定流量との偏差に基き前記熱源機器が供給すべき熱源水の目標流量を求め、前記ポンプの運転速度に対応した揚程−流量特性と、前記ヘッダー間差圧を加えたヘッダー間圧力損失−流量特性とから、前記目標流量を満足するポンプ運転速度を求める演算式を用い、前記ヘッダー間差圧の目標値と測定値との差の積分値を前記ヘッダー間圧力損失−流量特性に加わるヘッダー間差圧に置き換え、前記目標流量を達成し、かつヘッダー間差圧を上記目標値に収束させるポンプの運転速度を求めることを特徴とする。
本発明の空調用熱源システムは、それぞれ速度制御可能なポンプを有する熱源機を複数設け、これら熱源機から熱源水を供給ヘッダー、空調機、戻りヘッダーを経て前記ポンプにより対応する熱源機に循環させる空調用熱源システムであって、前記各熱源機からの熱源水の流量を測定する流量計と、前記供給ヘッダーと戻りヘッダーとのヘッダー間差圧を測定する差圧測定装置と、前記各流量計からの流量測定値を加算して合計流量値を得る加算手段と、前記各熱源機器に対応して設けられ、熱源水の負荷流量に対する自熱源機器の分担パターンが設定され、この分担パターンと合計流量値とから各熱源機器の分担流量を求める分配手段と、この分配手段で求められた各熱源機器の分担流量と、前記流量計により測定された実流量との偏差に基き前記熱源機器が供給すべき熱源水の目標流量を求めるフィードバック制御系と、前記ポンプの運転速度に対応した揚程−流量特性と、前記ヘッダー間差圧を加えたヘッダー間圧力損失−流量特性とから、前記目標流量を満足するポンプ運転速度を求める演算式を用い、前記ヘッダー間差圧の目標値と測定値との差の積分値を前記ヘッダー間圧力損失−流量特性に加わるヘッダー間差圧に置き換え、前記目標流量を達成し、かつヘッダー間差圧を上記目標値に収束させるポンプの運転速度を求める操作量補正手段とを備えたことを特徴とする。
本発明では、ヘッダー間差圧の目標値は、予め設定された一定値とする。
また、本発明では、ヘッダー間差圧の目標値は、熱源水の総流量に応じて変化する変動値であってもよい。
本発明によれば、複数の熱源機で製造した熱源水をポンプにより空調機に供給する際、負荷流量を、状況に応じて各熱源機に任意に分担させることができ、かつ熱源機で製造された熱源水を空調機へ最適に供給をすることができるので、各熱源機の特性を最大限に生かせ、省エネルギーが計れて、経済的な運用と共に、設備容量の最適化が可能となる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、この実施の形態における空調用熱源システムの全体構成を示している。図1において、1a,1bは互いに方式の異なる熱源機で、例えば、1aは冷温水を製造するガス焚き式の吸収冷凍機、1bは電気式のターボ冷凍機とする。2a,2bはそれぞれ一次ポンプで、電源周波数を変換するインバータ3a、3bを有し、このインバータ3a、3bにより、任意の運転速度に制御することができる。これら一次ポンプ2a,2bは、対応する熱源機1a,1bに直列に連結され、熱源機1a,1bで製造された熱源水を系統に供給する。
これら各熱源機1a,1bの出口側には流量計4a,4bが設けられ、対応する流量計4a,4bを経て供給ヘッダー5に通じている。この供給ヘッダー5と、前記一次ポンプ2a,2bに連結した戻りヘッダー9との間には、二次ポンプ6、流量調節弁8、空調機7からなる直列管路が連結しており、熱源機1a,1bからの熱源水を、供給ヘッダー5から空調機7を経て戻りヘッダー9に流し、この戻りヘッダー9から前記一次ポンプ6により、対応する熱源機1a,1bに循環させている。
また、供給ヘッダー5と戻りヘッダー9との間には、ヘッダー間差圧を計測する差圧伝送器(差圧測定装置)11が設けられている。さらに、戻りヘッダー9には、熱源水の体積変化を吸収する膨張タンク10が連結している。
15は制御装置で、各流量計4a,4b及び差圧伝送器11からの測定信号を入力し、各熱源機1a,1bの負荷分担を最適に制御する目的で、熱源水の流量を制御する信号をインバータ3a,3bに供給する。
次に、制御装置15の構成を図2により説明する。図2において、21は加算手段で、前記各流量計4a,4bからの流量測定値を入力し、これを加算して合計流量値を得る。22a,22bは分配手段で、各熱源機1a,1bに対応して設けられ、熱源水の負荷流量に対する自熱源機器の分担パターンが設定されている。そして、この分担パターンと加算手段21で求められた合計流量値とで、各熱源機1a,1bの分担流量を求める。なお、分担パターンについては後述する。
23a,23bはフィードバック制御系で、差分検出器23a1,23b1とPID制御装置23a2,23b2とからなる、これらフィードバック制御系23a,23bは各熱源機1a,1bに対応して設けられ、前記分配手段22a,22bで求められた各熱源機器の分担流量と、流量計4a,4bにより測定された実流量との偏差を求め、この偏差をPID演算して、熱源機器1a,1bが供給すべき熱源水の目標流量Q1,Q2を求める。
24a,24bは操作量補正手段で、フィードバック制御系23a,23bで求められた操作値、すなわち、目標流量Q1,Q2を入力し、ヘッダー間差圧の目標値ΔPと測定値hとの差の積分値により補正演算を行い、一次ポンプ2a,2bに対する速度指令f1,f2を出力する。ここで、ヘッダー間差圧の測定値hは差圧伝送管11から入力し、設定器25によって設定された目標値ΔPとの差を求め、この差を積分器26で積分して、この積分値を操作量補正手段24a,24bに入力させる。この操作量補正手段24a,24bによる補正演算の詳細は後述する。
この実施の形態では、一次ポンプ2a,2bとして、インバータ3a,3bにより速度制御可能なポンプを用いているので、操作量補正手段24a,24bから出力される速度指令f1,f2は、一次ポンプ2a,2bの運転速度に対応する周波数信号であり、これら周波数信号f1,f2はインバータ3a,3bに入力される。
次に、前述した分配手段22a,22bによる負荷流量の分配機能について説明する。
図2において、吸収式系統に設けられた流量計4aからの流量信号A、ターボ式系統に設けられた流量計4bからの流量信号Bを加算手段21で加算し、合計流量を得ているが、この合計流量は、空調機7、・・・全体が必要とする熱量負荷と比例している。すなわち、図1に示した熱源機であるガス焚き式の吸収冷温水機1a及び電気式のターボ冷凍機1bの入口温度は同一であり、各熱源機1a,1bの出口温度は各熱源機により一定温度に制御されているので、前記合計流量が、空調機7、・・・全体が必要とする熱量負荷とみなすことができる。そこで、この合計流量を分配手段22a、22bにより、各熱源機のエネルギー効率、燃料コストを最適にするよう考慮した流量分担を行う。
このように、各熱源機1a,1bの負荷分担は流量に比例する。また、各熱源機1a,1bは凍結防止、サージ防止の為の最低流量が設定されていることから、負荷分担は流量によることとする。以下、詳細に説明する。
一般に、熱源機はその方式により成績係数(投入された燃料に対し製造される熱源水の製造効率を表す係数)が異なる。例えば、吸収冷凍機の成績係数を1.2、ターボ冷凍機1bの成績係数を5とすると、500USRT(冷凍トン)の冷凍熱量を発生するのに、ターボ冷凍機は352kwhの消費電力が必要で、吸収冷凍機を46MJ/Nm3のガス焚きとすると、137Nm3のガス消費となり、エネルギー消費は原油換算でターボ冷凍機89リットル、吸収冷凍機163リットルとなる。また、CO2発生はターボ冷凍機126kg・CO2 、吸収冷凍機 296kg・CO2となる。これらから、環境負荷はターボ冷凍機が低いことがわかる。
一方、電力・燃料価格には各種契約があるが、一般的に従量料金はターボ冷凍機が多少安価である。しかし、電力料金は契約電力価格が高く、電力需要がピークとなる夏季は、ターボ冷凍機を高負荷運転すると契約電力を越えるおそれがある。そこで、夏季はターボ冷凍機の負荷を押さえて、吸収冷凍機をフル稼働したほうが経済的である。
ターボ冷凍機の負荷を押さえる方法としてはデマンド制御があるが、この方法だけで熱源機への供給電力を抑えると、冷水出口温度が上昇すると共に、成績係数は低下し、ポンプの動力も増加することになる。このため、ターボ冷凍機の熱源水分担量を低減することが有効である。
図3(a)は、夏季において、熱源機の一方である吸収冷凍機1bを優先しようする分担設定を表している。ここでは、両熱源機1a,1bの、起動時における最低流量(図の例では、吸収冷凍機:40、ターボ冷凍機:60)を確保した後、負荷流量の増加に従い、ターボ冷凍機1bに流す冷水流量設定Bs1を一定とし、吸収冷凍機1aの流量設定As1のみを増加させている。そして、吸収冷凍機1aの流量設定As1が定格流量(図の例では100)になった後、ターボ冷凍機1bの流量設定Bs1を増加させる。すなわち、夏季においては、流量設定As1が吸収冷凍機1aの分担パターンであり、流量設定Bs1がターボ冷凍機1bの分担パターンである。
これらの分担パターンAs1,Bs1は、図2で示した分配手段22a,22bに設定され、加算手段21で加算された合計流量を、上記分担パターンAs1,Bs1で分配し、熱源機1a,1bの分担流量を算出する。このように設定すると、吸収冷凍機1bを優先して運用されるため、夏季であっても契約電力を超過する可能性は少なく、全体として経済的な運用が可能となる。
図3(b)は、夏季以外の契約電力超過のおそれがない季節に設定されるパターンで、環境負荷の低いターボ冷凍機1bを優先する分担設定を表している。すなわち、負荷流量の増加に従い、ターボ冷凍機1bの流量設定Bs2を先に増加させ、その流量設定Bs2が定格流量(図の例では100)になった後、吸収冷凍機1aの流量設定As2を増加させており、環境負荷優先の運転パターンである。
これらの分担パターンAs2,Bs2は、夏季以外において、図2で示した分配手段22a,22bに設定され、熱源機1a,1bの分担流量を算出する。このように設定すると、ターボ冷凍機1bが優先して運用されるため、環境負荷の低い経済的な運用が可能となる。
この運転パターンの切替は、現状の受電電力量を計測し、契約電力との差、外気温度等を考慮して決定し切り替えればよい。
次に、操作量補正手段24a,24bによる補正演算を説明する。
上述の分配手段22a,22bにより各熱源機1a,1bの分担流量が求められ、かつフィードバック制御系23a,23bにより、対応する一次ポンプ2a,2bの操作値、すなわち、目標流量Q1,Q2が求められるが、2台のポンプ2a,2b回転数をインバータ3a,3bにより制御する場合、上述したように、合計流量と流量比率に基く値Q1,Q2のみで制御すると、図1で示す供給ヘッダー5と戻りヘッダー9とのヘッダー間差圧は種々変化する。
すなわち、周知のように、ポンプの運転特性は揚程−流量特性曲線と圧力損失特性曲線との交差した点の流量値で運転される。また、揚程−流量特性曲線はポンプの回転数に応じて平行移動する。このため、同じ流量を可能とする複数の圧力点が生じるので、流量のみを指定すると、どの圧力点で運転されるか一定でなくなり、ヘッダー間差圧もそのときの各ポンプの運転圧力により種々変化する。
ヘッダー間差圧が変化する場合、図1の例のように、二次ポンプ6が設置されていれば、二次ポンプ6及び空調機7の制御により補正可能であるが、二次ポンプ6が設置されていなければ、例えば、差圧が低くなった場合、圧力が不足し建屋上部にある空調機に冷水を供給できなくなることがある。また、反対に必要以上の圧力になると、動力の損失が発生する。
このため、PID演算後の操作出力(目標流量)Q1,Q2を対応する操作量補正手段24a,24bに入力し、それぞれ補正を行なった後、対応するインバータ3a,3bに出力する。操作量の補正についてはその目的によってヘッダー間差圧一定、又は、二次ポンプが設置されていない時にポンプ動力を最小にするため演算によりヘッダー間差圧を設定する方法がある。ここでは、先ず、ヘッダー間差圧一定による補正について説明する。なお、以下の説明は一方の熱源機1aについて行なうが、他方の熱源機1bにおいても同じである。
ここで、PID制御装置24aにより演算された操作出力Q1は流量信号であり、操作量補正手段24aでは補正を行なうと共に、この信号を回転数操作出力f1に変換する。
ポンプの特性は、図4で示すように、カーブH(Q)、G(Q)、h(f)で表される。カーブH(Q)は、定格回転数におけるポンプの揚程H(Q)−流量Q特性で、多項式、ここでは二次関数で示しており、(1)式で表される。
H(Q)=α1+β1*Q+γ1*(Q)・・・・・・(1)式
α1、β1、γ1は定数である。
カーブG(Q)は、ヘッダー間の圧力損失G(Q)−流量Q特性で、この関係は(2)式で表される。
G(Q)=k*(Q)・・・・・・(2)式
カーブh(f)は、ポンプ回転数変化によるポンプ揚程h(f)−Q特性で、H(Q)との関係は、インバータ3aにより制御されたポンプモータ電源周波数をf、定格周波数をf0とすると(3)式で表される。
h(f)=H(Q)*(f/f0)・・・・・・(3)式
ここで、流量Q1でヘッダー間差圧をΔPにする周波数f1は、(1)(2)(3)式から、次のように求められる。すなわち、目標とする差圧ΔPを加えたカーブG(Q)と周波数f1で速度制御されたカーブh(f)との一致点が流量Q1となるので次式が成立する。
k*(Q1)+ΔP=(α1+β1*Q1+γ1*(Q1))*(f1/f0)
したがって、周波数f1は、上式を変形した(4)式により求められる。
f1=f0*〔(k*(Q1)+ΔP)
/(α1+β1*Q1+γ1*(Q1))〕1/2 ・・・・・・(4)式
ΔPはヘッダー間差圧の目標値であり、図2で示した設定器25で設定し、この目標値ΔPと、差圧伝送器11により計測したヘッダー間差圧の測定値hをフィードバックしその差を積分器26を介して操作量補正手段24aに入力する。操作量補正手段24aには上記(4)式が設定されており、(4)式のΔPを、ヘッダー間差圧の目標値ΔPとヘッダー間差圧の測定値hとの差の積分値で書き換えることにより、インバータ操作信号f1が求められ、目標の流量Q1でヘッダー間差圧をΔPに収束することができる。
すなわち、ポンプの運転速度に対応した揚程−流量特性h(f)と、ヘッダー間差圧ΔPを加えたヘッダー間圧力損失−流量特性G(Q)とから、目標流量Q1を満足するポンプ運転速度(周波数f1)を求める演算式(4)を用い、前記ヘッダー間差圧の目標値ΔPと測定値hとの差の積分値を、前記ヘッダー間圧力損失−流量特性G(Q)に加わるヘッダー間差圧ΔPに置き換え、前記目標流量Q1を達成し、かつヘッダー間差圧を上記目標値ΔPに収束させるポンプの運転速度(周波数f1)を求める
このように制御することにより、ヘッダー間差圧を予め設定した一定の目標値に維持しながら、各ポンプ2a,2bを速度制御して、予め設定した分担パターンに従って、各熱源機器1a,1bに最適に分担させることができる。また、各熱源機1a,1bの特性を最大限に生かせ、省エネルギーが計れて、経済的な運用と共に、設備容量の最適化が可能となる。
上記説明はヘッダー間差圧をあらかじめ設定した一定の目標値に制御する場合であるが、この目標値を変化させてもかまわない。すなわち(4)式におけるΔPを次のように設定する。
ΔP=k*(Q+b
ここで、kは全体ループの定数、Qは総負荷流量、bは調整弁8の開度に伴う変数である。
すなわち、ヘッダー間差圧の目標値ΔPは、熱源水の総流量Qに応じて変化する変動値である。
このように構成しても、ヘッダー間差圧を目標値に維持しながら、各ポンプ2a,2bを速度制御して、予め設定した分担パターンに従って、各熱源機器1a,1bに最適に分担させることができる。また、各熱源機1a,1bの特性を最大限に生かせ、省エネルギーが計れて、経済的な運用と共に、設備容量の最適化が可能となる。
なお、本発明は、ターボ冷凍機と吸収冷凍機との組み合わせに限定されず、冷房時はスクリュー冷凍機、冷却塔のみによる外気冷房装置、空冷チラー等に、暖房時は、ボイラー、空冷チラー等の熱源装置に適用できる。
本発明による空調用熱源システムの一実施の形態を示すシステムブロック図である。 同上一実施の形態における制御装置の詳細構成を示す機能ブロック図である。 同上一実施の形態における分担パターンを説明する図で、(a)は夏季用、(b)は夏季以外用の分担パターンを示している。 同上一実施の形態におけるポンプ特性を示す図である。
符号の説明
1a,1b 熱源機
2a,2b ポンプ
4a,4b 流量計
5 供給ヘッダー
7 空調機
9 戻りヘッダー
11 差圧測定装置
21 加算手段
22a,22b 分配手段
23a,23b フィードバック制御系
24a,24b 操作量補正手段
25 設定器
26 積分器

Claims (4)

  1. 複数の熱源機毎に設けられ、これら熱源機から熱源水を、供給ヘッダー、空調機、戻りヘッダーを経て対応する熱源機に循環させる速度制御可能なポンプの制御方法であって、
    前記各熱源機からの熱源水の流量を測定し、これら測定値の合計流量を求めると共に、前記供給ヘッダーと戻りヘッダーとのヘッダー間差圧を測定し、
    前記各熱源機器について熱源水の負荷流量に対して予め設定された分担パターンにより、前記合計流量から各熱源機器の分担流量を求め、
    これら各分担流量と各熱源機器からの熱源水の測定流量との偏差に基き前記熱源機器が供給すべき熱源水の目標流量を求め、
    前記ポンプの運転速度に対応した揚程−流量特性と、前記ヘッダー間差圧を加えたヘッダー間圧力損失−流量特性とから、前記目標流量を満足するポンプ運転速度を求める演算式を用い、前記ヘッダー間差圧の目標値と測定値との差の積分値を前記ヘッダー間圧力損失−流量特性に加わるヘッダー間差圧に置き換え、前記目標流量を達成し、かつヘッダー間差圧を上記目標値に収束させるポンプの運転速度を求める
    ことを特徴とする熱源機用ポンプの制御方法。
  2. それぞれ速度制御可能なポンプを有する熱源機を複数設け、これら熱源機から熱源水を供給ヘッダー、空調機、戻りヘッダーを経て前記ポンプにより対応する熱源機に循環させる空調用熱源システムであって、
    前記各熱源機からの熱源水の流量を測定する流量計と、
    前記供給ヘッダーと戻りヘッダーとのヘッダー間差圧を測定する差圧測定装置と、
    前記各流量計からの流量測定値を加算して合計流量値を得る加算手段と、
    前記各熱源機器に対応して設けられ、熱源水の負荷流量に対する自熱源機器の分担パターンが設定され、この分担パターンと合計流量値とから各熱源機器の分担流量を求める分配手段と、
    この分配手段で求められた各熱源機器の分担流量と、前記流量計により測定された実流量との偏差に基き前記熱源機器が供給すべき熱源水の目標流量を求めるフィードバック制御系と、
    前記ポンプの運転速度に対応した揚程−流量特性と、前記ヘッダー間差圧を加えたヘッダー間圧力損失−流量特性とから、前記目標流量を満足するポンプ運転速度を求める演算式を用い、前記ヘッダー間差圧の目標値と測定値との差の積分値を前記ヘッダー間圧力損失−流量特性に加わるヘッダー間差圧に置き換え、前記目標流量を達成し、かつヘッダー間差圧を上記目標値に収束させるポンプの運転速度を求める操作量補正手段と
    を備えたことを特徴とする空調用熱源システム。
  3. ヘッダー間差圧の目標値は、予め設定された一定値であることを特徴とする請求項2に記載の空調熱源システム。
  4. ヘッダー間差圧の目標値は、熱源水の総流量に応じて変化する変動値であることを特徴とする請求項2に記載の空調熱源システム。
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