JP5517667B2 - 熱源システムおよびその制御方法 - Google Patents
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Description
下記特許文献1には、運転時の冷却水温度等から決まるヘッドから演算式を用いて成績係数が高い適性冷凍能力範囲をターボ冷凍機ごとに得て、適正冷凍能力範囲内でターボ冷凍機を運転させる発明が開示されている。
すなわち、本発明にかかる熱源システムは、回転数可変とされたインバータ駆動のターボ圧縮機と、該ターボ圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させ、冷水を冷却する蒸発器とを備えた複数台の可変速ターボ冷凍機と、該可変速ターボ冷凍機のそれぞれに設けられ、前記冷水を外部負荷へ向けて送水するとともに、該冷水の流量を可変に制御する可変速用冷水ポンプと、各前記可変速ターボ冷凍機および前記可変速用冷水ポンプを制御する制御部とを備えた熱源システムにおいて、前記制御部は、前記可変速ターボ冷凍機のそれぞれの適正冷凍能力範囲に基づいて、前記可変速用冷水ポンプのそれぞれの吐出流量を制御することを特徴とする。
なお、適正冷凍能力範囲は、例えば、ターボ圧縮機の特定の運転点における流量係数および圧力係数と、所定の係数とを用いてヘッドおよび冷凍能力との関係を示した演算式から、同一のヘッドにおいて略最大の成績係数をとりえる冷凍能力を用いて前記係数を最適係数として得て、該最適係数を含む所定範囲の適正運転係数範囲を演算し、該適正運転係数範囲と運転時のヘッドとを用いて前記演算式から得ることができる(特許文献1参照)。
図1には、本発明の一実施形態にかかる熱源システムの全体構成が示されている。
熱源システム1は、ビルや工場設備に設置される。この熱源システム1は、空調機やファンコイル等の外部負荷3に供給する冷水に対して冷熱を与える第1乃至第3のターボ冷凍機11,12,13を3台備えている。これら第1乃至第3ターボ冷凍機11,12,13は、外部負荷3に対して並列に設置されている。
第1ターボ冷凍機11及び第2ターボ冷凍機は、後述するようにターボ圧縮機が可変速とされた可変速ターボ冷凍機とされており、第3ターボ冷凍機13はターボ圧縮機が固定速とされた固定速ターボ冷凍機とされている。
外部負荷3にて空調等に供されて昇温した冷水は、リターンヘッダ32に送られる。リターンヘッダ32の上流側には、主管冷水還温度Trを計測する冷水還温度センサ36と、冷水の主管流量Ftを計測する主管冷水流量計35が設けられている。これら冷水還温度センサ36及び冷水主管流量計35の出力は、図示しない制御部へと送られる。
リターンヘッダ32に流れ込んだ冷水は、分岐され、各ターボ冷凍機11,12,13へと分配される。
第2ターボ冷凍機12及び第3ターボ冷凍機13に対しても、第1ターボ冷凍機11と同様に、第2冷水流量計25及び第3冷水流量計26がそれぞれ設けられている。これら第2冷水流量計25及び第3冷水流量計26の出力は、図示しない制御部へと送られる。
また、各ターボ冷凍機11,12,13の冷水入口と冷水出口には、冷水入口温度tr及び冷水出口温度tsを計測する温度センサ11a,11b,12a,12b,13a,13bが設けられている。
第1ターボ冷凍機11は、一例として、2段圧縮2段膨張サブクールサイクルを実現する構成となっている。このターボ冷凍機11は、冷媒を圧縮するターボ圧縮機60と、ターボ圧縮機60によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を凝縮する凝縮器62と、凝縮器62にて凝縮された液冷媒に対して過冷却を与えるサブクーラ63と、サブクーラ63からの液冷媒を膨張させる高圧膨張弁64と、高圧膨張弁64に接続されるとともにターボ圧縮機60の中間段および低圧膨張弁65に接続される中間冷却器67と、低圧膨張弁65によって膨張させられた液冷媒を蒸発させる蒸発器66とを備えている。
サブクーラ63は、凝縮器62の冷媒流れ下流側に、凝縮された冷媒に対して過冷却を与えるように設けられている。サブクーラ63の冷媒流れ下流側直後には、過冷却後の冷媒温度を計測する温度センサ37が設けられている。
凝縮器62及びサブクーラ63には、これらを冷却するための冷却伝熱管80が挿通されている。冷却水流量は流量計F2により、冷却水入口温度は温度センサTcoutにより、冷却水出口温度は温度センサTcinにより計測されるようになっている。冷却水は、図示しない冷却塔において外部へと排熱された後に、再び凝縮器62及びサブクーラ63へと導かれるようになっている。
蒸発器66には、蒸発圧力を計測するための圧力センサPEが設けられている。蒸発器66において吸熱されることによって定格温度(例えば7℃)の冷水が得られる。蒸発器には、外部負荷へ供給される冷水を冷却するための冷水伝熱管82が挿通されている。冷水流量は流量計24(図1参照)により、冷水出口温度tsは温度センサ11bにより、冷水入口温度trは温度センサ11aにより計測されるようになっている。
凝縮器62の気相部と蒸発器66の気相部との間には、ホットガスバイパス管76が設けられている。そして、ホットガスバイパス管76内を流れる冷媒の流量を制御するためのホットガスバイパス弁78が設けられている。ホットガスバイパス弁78によってホットガスバイパス流量を調整することにより、ターボ冷凍機11の容量制御が可能となっている。
図3に示すように、先ず、起動するターボ冷凍機11,12,13の運転台数を決定する(ステップS1)。
具体的には、ステップS2にて、外部負荷3側への送水(冷水)データをセンサにより取得する。すなわち、冷水の主管流量Ftは主管流量計35(図1参照)から、冷水往温度Tsは冷水往温度センサ37(図1参照)から、冷水還温度Trは冷水還温度センサ36(図1参照)から得る。
次に、制御部にて、熱源システム1が供給している設備全体の熱負荷Qtを下式により演算する(ステップS3)。
Qt=Ft×(Tr−Ts)×Cp×ρ ・・・(1)
ここで、Cpは冷水の比熱、ρは冷水の比重である。
そして、ステップS4にて、外部負荷3が必要とする流量Ft及び熱量Qtに応じて、ターボ冷凍機11,12,13の運転台数の増減を判断する。この際に、ターボ冷凍機11,12,13の運転順位が予め決定されており(ステップS5)、この運転順位に基づいて、どのターボ冷凍機が起動するか、又は停止するかが決定される。なお、運転台数の決定は、ステップS4に示したように流量Ft及び熱量Qtで判断する場合に限らず、流量Ftのみ、又は熱量Qtのみで判断しても良い。
サプライヘッダ31とリターンヘッダ32との間の差圧(以下「ヘッダ間差圧」という。)が一定となるように主管バイパス弁34の開度がPID制御されている。そして、主管バイパス弁34の目標開度SPを設定し、この目標開度SPに現在開度PVが近づくように全体流量目標値Fgが演算される。主管バイパス弁34の目標開度SPは、冷水がバイパスすることによる熱損失を低減させるために0%付近に設定されることが好ましい。また、全体流量目標値Fgは、起動中の各ターボ冷凍機の各冷水ポンプの最低流量の合計流量と、各冷水ポンプの最大流量の合計値との間に設定されるように演算される。
(1)外部負荷3の冷房負荷が上がり、外部負荷3が要求する冷水流量が100m3/hから120m3/hへ増大した場合
この場合、外部負荷3の冷水流量を制御する制御バルブ7(図1参照)が開いていき、外部負荷3の抵抗が小さくなりヘッダ間差圧が小さくなる。ヘッダ間差圧が小さくなると、主管バイパス弁34の現在開度PVは、設定差圧を維持するように、バランスしていた10%から例えば8%へと絞られる。一方、目標開度SPは10%とされているので、設定差圧を維持しつつ目標開度10%を達成するために、全体流量目標値Fgが現在値の100m3/hよりも増大された値とされる。この制御を繰り返すことにより、全体流量目標値Fgは漸次120m3/hに近づく。
(2)外部負荷3の冷房負荷が下がり、外部負荷3が要求する冷水流量が100m3/hから80m3/hへ減少した場合
この場合、外部負荷3の冷水流量を制御する制御バルブ7(図1参照)が閉まっていき、外部負荷3の抵抗が大きくなりヘッダ間差圧が大きくなる。ヘッダ間差圧が大きくなると、主管バイパス弁34の現在開度PVは、設定差圧を維持するように、バランスしていた10%から例えば12%へと大きくなる。一方、目標開度SPは10%とされているので、設定差圧を維持しつつ目標開度10%を達成するために、全体流量目標値Fgが現在値の100m3/hよりも減少した値とされる。この制御を繰り返すことにより、全体流量目標値Fgは漸次80m3/hに近づく。
先ず、ステップ20では、冷水ポンプが一定流量(固定流量)とされたターボ冷凍機(図1のターボ冷凍機13)への負荷配分が行われる。つまり、固定流量とされた冷水ポンプでは、冷水流量調整による負荷配分ができないので、最初に負荷分担を決定してしまう。
ステップS21にて、可変速でない冷水ポンプ(固定速ポンプ)が運転状態か否かを判断する。固定速ポンプが運転状態でない場合(No)は、そのままステップS30へと進む。一方、固定速ポンプが運転状態の場合(Yes)は、対応するターボ冷凍機の冷水流量Ffは定格流量となり(ステップS22)、全体流量目標値Fgから流量Ffを減算する。これにより、吐出する冷水流量が可変とされた変流量ポンプを備えたターボ冷凍機が担当する冷水流量である冷水需要(変流量分)Fvが演算される(ステップS23)。
先ず、ステップS31にて、固定速冷凍機が運転状態か否かを判断する。運転状態でない場合(No)には、ステップS40へ進む(後述する)。運転状態の場合(Yes)には、ステップS32へと進み、固定速機のベースロード運転(定格運転)を行う。
具体的には、センサから冷凍機冷水入口温度tr及び冷凍機冷水出口温度tsを得て(ステップS33)、ステップS34にて、下式により固定速冷凍機の流量fvを演算する。
fv=cv/{(tr−ts)×Cp×ρ} ・・・(2)
ここで、cvは固定速機の定格冷凍能力である。上式により、定格冷凍能力を出力するための冷水流量fvが演算される。
そして、ステップS35にて、fvが定格流量fv_max以下か否かを判断する。定格流量fv_maxを超えていた場合は、流量fvはfv_maxとされる(ステップS36)。これにより、定格流量を超えないように流量fvが決定される。なお、冷水ポンプが定格流量を超えて流量を流すことができるいわゆる過流量制御が可能とされている場合には、最大流量を超えないように流量fvが決定される。
Fi=Fv−Σfv ・・・(3)
すなわち、冷水需要(変流量分)Fv(ステップS23参照)から、固定速機が担当する流量fvの合計(固定速機が1台の場合は1台分)を減算し、冷水需要(INV機分)Fiを得る。
そして、ステップS38にて、冷水需要(INV機分)Fiが、運転している他の可変速ターボ冷凍機(INV冷凍機)のそれぞれの最低冷水流量fi_minの総和(Σfi_min)以上であるか否かを判断する。この総和よりも冷水需要(INV機分)Fiが小さい場合には、ステップS39へと進み、下式により、総和流量(Σfi_min)を確保するように、固定速機が担当する流量fvを減じて再調整する。
fv=(Fv−Σfi_min)×cv/Σcv ・・・(4)
上式に示されているように、固定速機が複数台ある場合には、固定速機の定格冷凍能力cvに応じて按分される。
まず、ステップ41にて、各INV冷凍機(可変速ターボ冷凍機,図1のターボ冷凍機11,12)にて最適負荷率(適正冷凍能力範囲)の演算を行う。具体的には、特許文献1(特開2009−204262号公報)に記載されているように、ターボ圧縮機の特定の運転点における流量係数および圧力係数と、所定の係数とを用いてヘッドおよび冷凍能力との関係を示した演算式から、同一のヘッドにおいて略最大の成績係数をとりえる冷凍能力を用いて前記係数を最適係数として得て、該最適係数を含む所定範囲の適正運転係数範囲を演算し、該適正運転係数範囲と運転時のヘッドとを用いて前記演算式から得る。
そして、ステップS41で得られた最適負荷率を示す適正冷凍能力範囲のデータから、同範囲における最適点ro,同範囲における負荷率が高側の高側適正点rH,同範囲負荷率が低側の低側適正点rLを取得する(ステップS42)。
次に、ステップS43にてセンサ(図1の温度センサ11a,11b,12a,12b)から冷凍機冷水入口温度tr及び冷凍機冷水出口温度tsを得て、最適点、高側適正点および低側適正点における冷水流量を下式のように演算する(ステップS44)。
fo=(ro×ci)/{(tr−ts)×Cp×ρ} ・・・(5)
fH=(rH×ci)/{(tr−ts)×Cp×ρ} ・・・(6)
fL=(rL×ci)/{(tr−ts)×Cp×ρ} ・・・(7)
ここで、ciは、INV冷凍機の定格冷凍能力(100%負荷率)を意味する。
fo’=Fi×fo/Σfo ・・・(8)
そして、ステップS46にて、それぞれの流量fL,fo’,fHが冷凍機の運転可能範囲内か否かを判断し、運転可能範囲内にない場合は、運転可能範囲内となるように最低流量fi_minや定格流量fi_maxに読み替える(ステップS47)。
運転可能範囲内に入っていない場合(No)は、以下のように運転可能範囲内で冷水流量を配分する(冷凍機運転台数の増減は行わない)。ステップS53では、目標流量fo’が最低流量fi_min未満の場合(No)には目標流量を最低流量fi_minと読み替えてステップS58へ進む。目標流量fo’が最低流量fi_min以上の場合(Yes)には、ステップS55へ進み、目標流量fo’が定格流量fi_maxよりも多い場合(No)には目標流量を定格流量fi_maxと読み替えてステップS58へ進む。目標流量fo’が定格流量fi_max以下の場合(Yes)には、ステップS57へ進み、目標流量をfo’に決定する。
ステップS48にて運転可能範囲に入っている場合(Yes)は、ステップS49へ進み、目標流量fo’が最適流量低側fL未満の場合(No)には目標流量を最適流量低側fLと読み替えてステップS58へ進む。目標流量fo’が最適流量低側fL以上の場合(Yes)には、ステップS51へ進み、目標流量fo’が最適流量高側fHよりも多い場合(No)には目標流量を最適流量高側fHと読み替えてステップS58へ進む。目標流量fo’が最適流量高側fH以下の場合(Yes)には、ステップS57へ進み、目標流量をfo’に決定する。
(1)運転冷凍機の決定(図3のステップS1〜S5に対応)
熱負荷は、全体で459×(12-7)/3.024=760RTとなる。
負荷率90%にて各ターボ冷凍機の台数制御を行うとすると、以下の増段方法となる。
増段流量閾値 1→2台 ; 136.1m3/h
〃 2→3台 ; 353.8m3/h
増段熱量閾値 1→2台 ; 225RT
〃 2→3台 ; 585RT
以上から、459m3/h、760RTの負荷需要がある場合は3台のターボ冷凍機全てを起動させることになる。
(2)全体流量目標値の決定(図3のステップS10〜S12に対応)
図3のステップS10〜S12に対応にて説明したように、実際にはPID制御にて全体流量目標値Fgを決定するが、ここでは計算例を示すことが目的なので全体目標流量Fgを負荷需要の459m3/hとする。
(3)固定流量ポンプを備えたターボ冷凍機への負荷配分(図3のステップS20〜S23に対応)
(i)TR-3(図1のターボ冷凍機13)は固定速ポンプ(図1の第3冷水ポンプ23)を備えているため、冷水流量ffは表1から181.4m3/hと決定される(図3のステップS22)。
このとき、TR-3の負荷は181.4×(12-7)/3.024=300RTとなる。これは、冷水がバイパスしないように全体の流量を制御しているため、冷凍機の冷水出入口温度は設備の往還温度と等しいと仮定したものである。
(ii)変流量ポンプ(図1の第1冷水ポンプ21,第2冷水ポンプ22)を備えたINVターボ冷凍機(図1のターボ冷凍機11,12)の冷水流量担当分は、Fv=459-181.4=277.6m3/hとなる(図3のステップS23)。
(4)変流量ポンプを備えた固定速ターボ冷凍機への負荷配分(図4のステップS31〜S38)
(i)本計算例では該当冷凍機は存在しない。
(ii)変流量ポンプを備えたINVターボ冷凍機の冷水流量担当分は、Fi=Fv=277.6m3/hとなる。
(5)変流量ポンプを備えたINVターボ冷凍機への負荷配分(図4及び図5のステップS40〜S57)
(i)INVターボ冷凍機のそれぞれの最適負荷範囲データを取得する(図4のステップS41〜S42)。例えば、図6に示すように、冷却水入口温度(図2のTcin)が32℃とされた場合における負荷率とCOPとの関係を示したグラフから取得する。
TR-1 rH=100%
rO=85%
rL=70%
TR-2 rH=80%
rO=70%
rL=55%
(ii)INVターボ冷凍機の冷水出入口温度差ΔT=12-7=5℃より、最適負荷時の流量を演算する(図4のステップS43〜S44)。
TR-1 fH=241.9m3/h
fO=205.6m3/h
fL=169.3m3/h
TR-2 fH=121.0m3/h
fO=105.8m3/h
fL=83.2m3/h
(iii)最適負荷に応じて流量を配分する(図5のステップS46)
ΣfO=205.6+105.8=311.5m3/hとなるので、各INVターボ冷凍機の最適流量fO’は以下の通りとなる。
TR-1のfO’=Fi×fO/ΣfO=277.6×205.6/311.5=183.7m3/h
TR-2のfO’=Fi×fO/ΣfO=277.6×105.8/311.5=94.5m3/h
(iv)最適負荷範囲内となるように調整する(図5ステップS46〜S57)
ΣfH=241.9+121.0=362.9m3/h,ΣfL=169.3+83.2=252.5m3/hとなり、
ΣfL(252.5m3/h)≦Fi(277.6m3/h)≦ΣfH(362.9m3/h)となることから、TR-1及びTR-2は最適負荷範囲内で運転可能と判断する。
TR-1及びTR-2ともfL≦fO’≦fHの範囲内に入っているので、流量設定値は現在のfO’で決定される。
このとき、TR-1の負荷は、183.7×(12-7)/3.024=303.7RT(負荷率76%)、
TR-2の負荷は、94.5×(12-7)/3.024=156.3RT(負荷率63%)となる。
従来の変流量制御の場合、TR-1及びTR-2とも同一負荷率とされるので、共に71%となる。これに対して、本実施形態では上述のようにINVターボ冷凍機ごとに最適負荷配分を行なったことで、COPの高い部分で運転させることが可能となる。
可変速ターボ冷凍機(第1ターボ冷凍機11,第2ターボ冷凍機12)ごとに異なる適正冷凍能力範囲を有することに対応して、各可変速用冷水ポンプ(第1冷水ポンプ21,第2冷水ポンプ22)の吐出流量を個別に制御することとした。このように各可変速用冷水ポンプの吐出流量を制御することにより、各可変速ターボ冷凍機の熱出力を個別に決定することで、各可変速ターボ冷凍機を可能な限り最適点にて運転させることができ、熱源システム1の効率向上を図ることができる。
3 外部負荷
11 第1ターボ冷凍機(可変速ターボ冷凍機)
12 第2ターボ冷凍機(可変速ターボ冷凍機)
13 第3ターボ冷凍機(固定速ターボ冷凍機)
21 第1冷水ポンプ(可変速用冷水ポンプ)
22 第2冷水ポンプ(可変速用冷水ポンプ)
23 第3冷水ポンプ(固定速用冷水ポンプ)
33 主管バイパス配管(冷水バイパス配管)
34 主管バイパス弁(冷水バイパス弁)
60 ターボ圧縮機
62 凝縮器
64 高圧膨張弁(膨張弁)
65 低圧膨張弁(膨張弁)
66 蒸発器
Claims (4)
- 回転数可変とされたインバータ駆動のターボ圧縮機と、該ターボ圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させ、冷水を冷却する蒸発器とを備えた複数台の可変速ターボ冷凍機と、
該可変速ターボ冷凍機のそれぞれに設けられ、前記冷水を外部負荷へ向けて送水するとともに、該冷水の流量を可変に制御する可変速用冷水ポンプと、
各前記可変速ターボ冷凍機および前記可変速用冷水ポンプを制御する制御部と、
前記外部負荷へ冷水を供給する冷水往配管と前記外部負荷から冷水が返送される冷水還配管との間に設けられ、冷水を前記冷水往配管から前記冷水還配管へと流して前記外部負荷をバイパスさせる冷水バイパス配管と、
該冷水バイパス配管に設けられた冷水バイパス弁と、
を備えた熱源システムにおいて、
前記制御部は、前記可変速ターボ冷凍機のそれぞれの適正冷凍能力範囲に基づいて、前記可変速用冷水ポンプのそれぞれの吐出流量を制御し、かつ、
前記冷水バイパス配管の両端の差圧を一定に制御するとともに、前記冷水バイパス弁の開度が目標値となるように前記外部負荷に供給する冷水流量を制御することを特徴とする熱源システム。 - 前記制御部は、前記可変速ターボ冷凍機のそれぞれの前記適正冷凍能力範囲に応じて、前記可変速用冷水ポンプの吐出流量を分配することを特徴とする請求項1に記載の熱源システム。
- 固定速のターボ圧縮機と、該ターボ圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させ、冷水を冷却する蒸発器とを備えた固定速ターボ冷凍機と、
該固定速ターボ冷凍機に設けられ、該固定速ターボ冷凍機からの熱出力を受け取る冷水を外部負荷へ向けて送水するとともに、該冷水の流量を可変に制御する固定速用冷水ポンプと、
を備え、
前記制御部は、各前記可変速冷水ポンプの吐出流量の制御に優先して、前記固定速ターボ冷凍機が定格運転となるように前記固定速用冷水ポンプの流量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源システム。 - 回転数可変とされたインバータ駆動のターボ圧縮機と、該ターボ圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、膨張された冷媒を蒸発させ、冷水を冷却する蒸発器とを備えた複数台の可変速ターボ冷凍機と、
該可変速ターボ冷凍機のそれぞれに設けられ、前記冷水を外部負荷へ向けて送水するとともに、該冷水の流量を可変に制御する可変速用冷水ポンプと、
各前記可変速ターボ冷凍機および前記可変速用冷水ポンプを制御する制御部と、
前記外部負荷へ冷水を供給する冷水往配管と前記外部負荷から冷水が返送される冷水還配管との間に設けられ、冷水を前記冷水往配管から前記冷水還配管へと流して前記外部負荷をバイパスさせる冷水バイパス配管と、
該冷水バイパス配管に設けられた冷水バイパス弁と、
を備えた熱源システムの制御方法において、
前記制御部は、前記可変速ターボ冷凍機のそれぞれの適正冷凍能力範囲に基づいて、前記可変速用冷水ポンプのそれぞれの吐出流量を制御し、かつ、
前記冷水バイパス配管の両端の差圧を一定に制御するとともに、前記冷水バイパス弁の開度が目標値となるように前記外部負荷に供給する冷水流量を制御することを特徴とする熱源システムの制御方法。
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