JP4601581B2 - 減衰装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動が伝達される2つの構造体の間に配設されて、振動源たる一方の構造体から他方の構造体へ伝達される振動エネルギを減衰させるための減衰装置に係り、特に、一方の構造体から伝達された振動を回転運動のエネルギに変換し、この回転運動のエネルギを熱エネルギに変換して消費させるように構成した減衰装置の改良に関する。
この種の減衰装置としては、特開平10−184757号公報や特開2002−5229号公報に開示されるものが知られている。図7に示すように、この減衰装置は第1の構造体100と第2の構造体101との間に設けられ、両者間に伝達される振動の減衰を行うものであり、前記第1の構造体100に結合されるスクリューロッド106と、このスクリューロッド106を覆うようにして設けられると共に前記第2の構造体101に結合された固定外筒107とを具備している。前記スクリューロッド106には螺旋状のねじ溝が形成されており、このねじ溝には固定外筒107に対して回転自在に支承されたナット部材108が螺合している。すなわち、これらスクリューロッド106とナット部材108はボールねじを構成している。また、このナット部材108の外周面には円筒状のロータ109が直接固定されており、このロータ109の外周面は固定外筒107の内周面と対向して粘性流体の作用室110を形成している。
従って、このような構造の減衰装置1では、前記第2の構造体101が第1の構造体100に対して振動すると、スクリューロッド106がナット部材108に対して進退すると共に、かかるナット部材108が固定外筒107に対して回転を生じ、ナット部材108に固定されたロータ109も固定外筒107に対して回転を生じる。ロータ109と固定外筒107との隙間は粘性流体の作用室110となっていることから、ロータ109が回転を生じると、作用室110内の粘性流体に対してロータ109の回転角速度に応じた剪断摩擦力が作用し、かかる粘性流体が発熱する。つまり、この減衰装置1では第2の構造体101と第1の構造体100との間の振動エネルギが回転エネルギに変換され、更にその回転エネルギが熱エネルギに変換され、その結果として第2の構造体101の保有する振動エネルギの減衰が効果的に行われるようになっている。
この減衰装置の具体的使用例としては、例えば建築構造物の構造枠体において、かかる構造枠体の対向角部を連結する筋交いの如く配設する例が挙げられる。このような使用例では、地震などによって前記構造枠体に歪みが発生すると、前記減衰装置に軸方向の引っ張り力又は圧縮力が作用すると共に、前記スクリューロッドが固定外筒に対して進退し、前述した減衰効果が発揮されるようになっている。その結果、構造枠体の歪みエネルギが吸収され、建築構造物の揺れが有効に制振される。
また、他の使用例としては、地震対策としての免震装置と一緒に用いる例が挙げられる。免震装置は建築構造物とその基盤との間に設けられて、建築構造物を基盤の揺れから絶縁する目的で用いられており、地震等による振動エネルギが建築構造物に伝播したとしても、建築構造物が基盤の振動周期とは無関係にそれ独自の振動周期で揺れることができるようになっている。もっとも、免震装置は基盤の揺れと建物の揺れとを絶縁するものであるから、地震が収まった後にも建築構造物の揺れは残存してしまうことになる。このため、基盤と建建築構造物との間に前述した減衰装置を設けると、かかる減衰装置によって建築構造物の振動エネルギが吸収され、建築構造物の振動を早期に収束させることができる。
特開平10−184757号公報 特開2002−5229号公報
しかし、この従来の減衰装置では、スクリューロッドの軸方向への進退に伴って固定外筒内でロータが回転すると、これら固定外筒とロータとの隙間に封入された粘性流体の剪断力に起因して、前記固定外筒に回転トルクが作用することになる。このため、固定外筒は前記回転トルクに抗して第2の構造体に固定する必要があった。その一方、建築構造物に作用する振動が前記減衰装置に軸方向力として効率的に作用するためには、かかる減衰装置の固定外筒及びスクリューロッドを構造体に固定支点として結合するのではなく、回転支点として結合する必要がある。
このことから、前記固定外筒及びスクリューロッドは所謂クレビスと称されるUリンクを用いて第1の構造体又は第2の構造体に結合されている。このUリンクは、固定部に一対のフランジを立設すると共に、これらフランジの間には例えば固定外筒の端部に形成したフランジを挿入し、3枚のフランジに対してリンクピンを貫通させて固定することにより、かかるリンクピンを中心として固定外筒が揺動運動を成し得るように構成したものである。
このUリンクを用いた場合、固定外筒に作用する回転トルクはUリンクによって負荷されることになるが、最終的にはUリンクを支持する構造体が回転トルクを負荷する必要がある。従って、構造体の剛性が高い場合には問題とならないが、構造体の剛性が低い場合には、減衰装置を取り付けるために構造体の補強が必要になってしまう。近年では、木造住宅にも地震対策として制振装置、免震装置が普及し始めているが、木造住宅では減衰装置を結合する柱や梁の剛性が鉄骨、鉄筋コンクリートの建築構造物ほどには高くないので、減衰装置を取り付けるために住宅の強度そのものを強化する必要があり、建築費が嵩んでしまうといった問題点があった。
また、Uリンクを用いて減衰装置を構造体に固定すると、減衰装置はUリンクのリンクピンの周囲に関して回転自在ではあるが、かかる回転方向以外には揺動することができず、例えば減衰装置を取り付ける2本の柱が正対せずにずれている場合などには、減衰装置の取付け作業が困難になるといった問題点もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、スクリューロッドの進退に伴って固定外筒に作用する回転トルクを該固定外筒が結合される構造体に伝達することなく打ち消すことが可能であり、スクリューロッド及び固定外筒の構造体に対する結合構造の自由度を高め、施工の容易な減衰装置を提供することにある。
本発明の減衰装置は第1の構造体と第2の構造体との間に配置され、これら構造体の間における相対運動を減衰させるものである。この減衰装置は、前記第1の構造体に結合される固定外筒と、一端が前記第2の構造体に結合されて軸方向に進退すると共に外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、前記固定外筒の中空部内に収容されると共に該固定外筒に対して回転自在に支承され、固定外筒の内周面と所定の隙間を介して対向して減衰力の作用室を形成する一方、前記スクリューロッドに螺合するロータと、前記作用室に封入された粘性流体とを備えている。また、スクリューロッドの周囲における前記固定外筒の回転を係止するため、前記スクリューロッドと共に第2の構造体に固定される周り止め部材を備えている。
このような減衰装置によれば、ロータの回転に伴って作用室内の粘性流体に周方向の剪断力が作用し、かかる剪断力に起因して固定外筒に回転トルクが作用したとしても、前記周り止め部材がスクリューロッドの周囲における固定外筒の回転を係止しているため、かかる周り止め部材が前記回転トルクを負荷することになる。このため、固定外筒を第1の構造体に固定するに当たり、かかる固定外筒に作用する回転トルクを考慮する必要はなく、第1の構造体を補強することなく本発明の減衰装置を使用することが可能となる。
また、構造体に対する減衰装置の取付けに当たり、前述の如く回転トルクを考慮する必要がないので、固定外筒及びスクリューロッドを第1の構造体又は第2の構造体に結合する際に、球面ジョイントを使用することも可能となり、第1の構造体及び第2の構造体における減衰装置の取付け面が正対せずにずれを生じている場合であっても、容易に減衰装置を取り付けることが可能となる。
前記周り止め部材としてはスクリューロッドに対する固定外筒の回転を係止し得るものであれば、如何なる構造であっても差し支えない。例えば、前記周り止め部材を固定外筒の外周面に重なる筒状に形成すると共に、この筒状の周り止め部材をスクリューロッドと共に第1の構造体に結合する構造が考えられる。このような構造によれば、固定外筒と周り止め部材を回転トルクの作用方向に関して噛み合わせることにより、スクリューロッドに対する固定外筒の回転を係止することが可能となる。また、周り止め部材を筒状に形成することにより、かかる周り止め部材が固定外筒に対して進退するスクリューロッドの周囲を覆う構造となるので、スクリューロッドに汚れが付着するのを防止することも可能となる。
固定外筒と周り止め部材を回転トルクの作用方向に関して噛み合わせる具体的な構造としては、固定外筒の外周面にスプライン溝を設け、このスプライン溝に嵌合する凸部を周り止め部材に形成することが考えられる。しかし、固定外筒と周り止め部材との間の摩擦抵抗を排除して、固定外筒に対するスクリューロッドの進退運動を円滑化するといった観点からすれば、固定外筒の外周面及び周り止め部材の内周面には互いに対向する位置にボールの転動溝を形成すると共に、これら転動溝の間にボールを配列し、固定外筒と周り止め部材との間でボールスプラインを構成するのが好ましい。
以下、添付図面を用いて本発明の減衰装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用した減衰装置の一例を示すものである。この減衰装置1は第1の構造体と第2の構造体との間に存在する相対的な振動を減衰させ、かかる振動を早期に収束させるものであって、例えば図2に示されるように、建築構造物90の各構造枠91の対向角の間に配置されて使用される。
この減衰装置1は、中空部を有して筒状に形成された固定外筒10と、この固定外筒10の中空部内に収容されると共に該固定外筒10に対して回転自在に支承されたロータと、これら固定外筒10及びロータを貫通すると共に該ロータが螺合したスクリューロッド30と、このスクリューロッド30を覆うように筒状に形成されると共に一部が前記固定外筒の外周面と重なるように設けられた周り止め部材50とを備えている。
前記スクリューロッド30の一端はフランジ軸継手32を介してUリンク60に固定されており、このUリンク60が前記構造枠91の一方の隅角部に固定される。フランジ軸継手32とスクリューロッド30の間には平行キー33が挿入されており、フランジ軸継手32に対するスクリューロッド30の回転止めがなされている。前記フランジ軸継手32には前記周り止め部材50も固定されており、かかる周り止め部材50がスクリューロッド30の周囲で回転を生じないようになっている。また、前記固定外筒10の一端もUリンク70に固定されており、このUリンク70は前記構造枠91の他方の隅角部に固定される。
図3は、前記固定外筒10とロータ40の組み合わせ構造の一例を示すものである。前記固定外筒10は、筒状に形成された外筒本体11と、この外筒本体11の軸方向の両端面に固定される一対のエンドプレート12,13とから構成されている。外筒本体11の内周面は、前記ロータ20の外周面と所定の隙間を介して対向するスリーブ部14と、このスリーブ部14に対して軸方向へ隣接して設けられた一対のロータ支持部15,16とから構成されており、一対のロータ支持部15,16には前記ロータ20の回転を支承するための一対の回転ベアリング17,18が嵌合している。これらの回転ベアリング17,18は前記エンドプレート12,13を外筒本体11に対してボルトを用いて固定することで、前記外筒本体11のロータ支持部15,16に固定されるようになっている。
一方、前記ロータ20は、前記固定外筒10の中空部内に収容されると共に、前述の回転ベアリング17,18によってその回転を支承された回転内筒21と、この回転内筒21の軸方向の一端にブラケット22を介して固定されたナット部材40とから構成されており、前記回転内筒21の内周面とスクリューロッド30の外周面との間には隙間が形成される一方、前記ナット部材40が前記スクリューロッド30の外周面に螺合している。前記回転内筒21は外筒本体11のスリーブ部14と対向するジャーナル部24を有しており、外筒本体11のスリーブ部14と回転内筒21のジャーナル部24とが対向することにより、これらの間に粘性流体の作用室2が形成されるようになっている。この作用室2には粘性流体が充填されている。前記外筒本体11のスリーブ部14にはプラグ23が取り付けられており、かかるプラグ23を介して前記作用室2へ任意の粘度の粘性流体を充填することができる。また、前記ジャーナル部24の軸方向の両端にはリング状のシール部材25,25が嵌められており、作用室2内に封入された粘性流体が漏れだすのを防止している。尚、図中の符号19は前記シール部材25を抑えるスペーサリングである。
図4は前記スクリューロッド30とナット部材40との組み合わせを示す斜視図である。スクリューロッド30の外周面には螺旋状のボール転動溝31が形成されており、ナット部材40は前記ボール転動溝31を転動する多数のボール3を介してスクリューロッド30に螺合している。また、ナット部材40は前記スクリューロッド30が挿通される貫通孔を有して円筒状に形成されると共に、前記スクリューロッド30のボール転動溝31を転動したボール3を循環させるための無限循環路が設けられている。すなわち、これらナット部材40とスクリューロッド30はボールスクリューを構成している。
そして、このナット部材40の外周面にはフランジ部41が設けられており、図3に示すように、かかるフランジ部41に挿通された固定ボルト42を前記ブラケット22に締結することで、ナット部材40の回転がブラケット22を介して前記回転内筒21に伝達されるようになっている。前記ブラケット22は回転内筒21の軸方向の端面にボルトで締結されており、固定外筒10を構成するエンドプレート13から軸方向へ突出している。また、ナット部材40のフランジ部41は固定外筒10から突出したブラケット22の端部に対して固定されている。従って、ナット部材40は前記固定外筒10の内部には収容されておらず、固定ボルト42の締結を解除することで、容易に固定外筒10及び回転内筒21の組立体をスクリューロッド30から抜き取ることができるようになっている。
従って、地震等によって図1に示す建築構造物90が揺れ、構造枠91が繰り返し変形すると、この減衰装置1に対して軸方向の引っ張り力又は圧縮力が繰り返し作用し、固定外筒10に対するスクリューロッド30の軸方向への進退運動が生じる。この進退運動はナット部材40の回転運動に変換され、ナット部材40を含むロータ20が固定外筒の中空部内でスクリューロッドの周囲を回転することになる。ロータ20が固定外筒10に対して回転を生じると、前記作用室2に存在する粘性流体に対して剪断力が作用し、回転内筒21の運動エネルギが粘性流体の熱エネルギに変換されて消費され、回転内筒21の運動エネルギが減衰される。これにより、構造枠の変形を抑えて建築構造物90の揺れを強制的に減衰させることができるようになっている。
スクリューロッド30の軸方向に沿った進退運動をナット部材40の回転運動に変換しているので、かかるナット部材40にはスクリューロッド30の軸方向に沿った外力が作用している。このため、ロータ20の回転を支承する一対の回転ベアリング17,18のうち、ナット部材40に近接した側の回転ベアリング18にはラジアル荷重とスラスト荷重を等分に負荷することが可能なクロスローラ軸受が採用され、ナット部材40から回転内筒に対して作用するスラスト荷重、すなわちスクリューロッド30の軸方向に作用する外力を十分に負荷し得るように構成されている。
また、前記クロスローラ軸受18はブラケット22を回転内筒21に対して固定することで、その内輪が該回転内筒21に固定されており、前記ブラケット22はクロスローラ軸受18の押え板としても機能している。
図5は軸方向に垂直な固定外筒の断面を示すものである。前記外筒本体11のスリーブ部14と回転内筒21のジャーナル部24との間には作用室が形成され、この作用室には動粘度が10万〜50万mm2 /s(25℃)程度のシリコーンオイルが封入されている。このため、スクリューロッド30の進退に伴って回転内筒21が外筒本体11の内側で繰り返し反転すると、作用室2に満たされた粘性流体に周方向の剪断力が作用し、この剪断力が回転トルクとなって外筒本体11、すなわち固定外筒10に作用する。このことから、この減衰装置1において減衰効果を確実に発揮させるためには、ロータ20のみがスクリューシャフト30の周囲で回転し、固定外筒10はスクリューシャフト30の周囲で回転することなく固定されていることが重要である。
以上の観点から、図1に示す減衰装置1では筒状に形成された周り止め部材50が固定外筒10と相まってボールスプラインを構成しており、固定外筒10に作用する回転トルクを前記周り止め部材50が受け止め、スクリューシャフト30の周囲における固定外筒10の回転を係止している。具体的には、前記固定外筒10の外周面に軸方向に沿ったボールの転動溝10aを形成する一方、前記周り止め部材50の内周面には固定外筒10の転動溝10aと対向する位置にボールの転動溝50aを形成し、これら両転動溝10a,50aの間に複数のボール6を配列した。各転動溝10a,50aはその断面をゴシックアーチ状に形成し、固定外筒10に作用する回転トルクの方向が逆転した場合でも、かかる回転トルクを負荷できるように構成した。また、ボール6はボールケージ6aに配列された状態で固定外筒10と周り止め部材50の間に介装されている。
図1に示す例では固定外筒10に対して180°の位相差を与えて2条の転動溝10aを形成したが、かかる転動溝10aの条数は適宜変更して差し支えない。また、固定外筒10の転動溝10aは切削加工によって形成しても、あるいは塑性加工によって形成しても差し支えない。
更に、前記周り止め部材50としては、固定外筒10に作用する回転トルクを確実に負荷することができるものであれば、その材質や加工方法などを適宜選択して差し支えない。例えば、鋼板に塑性加工で転動溝50aを形成した後、かかる鋼板を筒状に成形して周り止め部材50とすることができる。また、押し出し成形等によって筒状に形成された部材の内周面に対して転動溝50aを研削加工によって形成することも可能である。
そして、以上のように構成された本発明の減衰装置によれば、周り止め部材50と固定外筒10とが相まってボールスプラインを構成し、固定外筒10に対するスクリューロッド30の進退を許容しつつ、スクリューロッド30に対する固定外筒10の回転を係止しているので、減衰効果の発揮に伴って固定外筒10に回転トルクが作用したとしても、かかる回転トルクがUリンク70を介して構造体、例えば図2に示す構造枠91に伝達されるのを防止することが可能となる。このため、減衰装置1が結合される構造体の剛性を検討するに当たり、前記した回転トルクの伝達を考慮する必要はなく、木造家屋であっても本発明の減衰装置1を容易に適用することが可能となる。
また、前記周り止め部材50は筒状に形成され、スクリューロッド30が固定されたフランジ軸継手32に固定されると共に、前記固定外筒50の外周面に重ねて設けられているので、かかる周り止め部材50は固定外筒10から露出したスクリューロッド30のカバー体としても機能している。従って、周り止め部材50を設けた本発明の減衰装置1では、スクリューロッド30に汚れが付着し、堆積するのを可及的に防止することが可能となる。
図6は、本発明を適用した減衰装置の他の例を示すものである。同図に示す減衰装置では、前記スクリューロッド30の一端がフランジ軸継手32を介して球面ジョイント61に固定されており、この球面ジョイント61が前記構造枠91の一方の隅角部に固定される。また、前記固定外筒10の一端も球面ジョイント71に固定されており、この球面ジョイント71は前記構造枠91の他方の隅角部に固定される。その他の構成は、図1に示した減衰装置と同一である。
既に説明したように、本発明の減衰装置1によれば、周り止め部材50と固定外筒10とが相まってボールスプラインを構成しているので、減衰効果の発揮に伴って固定外筒10に回転トルクが作用したとしても、かかる回転トルクは前記周り止め部材50によって負荷され、前記固定外筒10から球面ジョイント71へ回転トルクが伝達されることはない。また、同様にして、スクリューロッド30側のフランジ軸継手32に対して回転トルクが作用することもない。このため、減衰装置1と構造枠91を結合するジョイントとしては、全方位へ屈曲可能な球面ジョイント61,71を使用することが可能となる。減衰装置1を構造枠91と結合するに当たって球面ジョイント61,71を使用すれば、固定外筒10を結合する構造枠91とスクリューロッド30を結合する構造枠91とが互いに正対せずにずれを生じている場合であっても、容易に前記減衰装置1を取り付けることが可能となり、減衰装置を現場で建築構造物に施工する際に非常に便利である。
このように本発明の減衰装置は、これを構造枠等の建築構造物と結合するに際し、Uリンク、球面ジョイントあるいはその他の結合手段を適宜選択して使用することが可能であり、減衰装置の施工現場に適した結合手段を使用することで、かかる施工を容易に行うことができる。すなわち、本発明の減衰装置を建築構造物等と結合する手段は、前述したUリンク、球面ジョイントに限られるものではない。
本発明を適用した減衰装置の一例を示す斜視図である。 図1に示す減衰装置を建築構造物の構造枠に適用した例を示す概略図である。 固定外筒とロータの組み合わせ構造の一例を示す断面図である。 スクリューロッドとナット部材との組み合わせを示す斜視図 図1のV−V線断面図である。 本発明を適用した減衰装置の他の例を示す斜視図である。 従来の減衰装置の一例を示す正面断面図である。
符号の説明
1…減衰装置、2…作用室、10…固定外筒、20…ロータ、30…スクリューロッド、40…ナット部材、50…周り止め部材

Claims (4)

  1. 第1の構造体と第2の構造体との間に配置され、これら構造体の間における相対運動を減衰させるための減衰装置であって、
    前記第1の構造体に結合される固定外筒と、一端が前記第2の構造体に結合されて軸方向に進退すると共に外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、前記固定外筒の中空部内に収容されると共に該固定外筒に対して回転自在に支承され、固定外筒の内周面と所定の隙間を介して対向して減衰力の作用室を形成する一方、前記スクリューロッドに螺合するロータと、前記作用室に封入された粘性流体と、前記スクリューロッドと共に第2の構造体に固定され、このスクリューロッドの周囲における前記固定外筒の回転を係止する周り止め部材とから構成されることを特徴とする減衰装置。
  2. 前記周り止め部材は固定外筒の外周面に重なる筒状に形成され、前記ロータから突出したスクリューロッドを覆うカバー体として構成されていることを特徴とする請求項1記載の減衰装置。
  3. 前記固定外筒の外周面及び前記周り止め部材の内周面には互いに対向する位置にボールの転動溝が形成され、これら転動溝の間に複数のボールが配列されていることを特徴とする請求項2記載の減衰装置。
  4. 前記スクリューロッド及び周り止め部材は球面ジョイントを介して第2の構造体に結合される一方、前記固定外筒も球面ジョイントを介して第1の構造体に結合されていることを特徴とする請求項1記載の減衰装置。
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