JP4600628B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるステアバイワイヤシステムを採用した車両の操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステアバイワイヤシステムを採用した車両においては、ステアリングホイールを模した操作部材を車輪に機械的に連結することなく、その操作部材の回転に応じて駆動される操舵用アクチュエータの動きを、その動きに応じて舵角が変化するように車輪に伝達している。そのため、車輪と路面との間の摩擦に基づく操舵抵抗やセルフアライニングトルクは、その操作部材には伝達されない。
【0003】
そこで、その操作部材を直進位置に戻す方向の反力を作用させることで、ステアリングホイールが車輪に機械的に連結された通常の車両と同様に、ドライバーに操舵フィーリングを与え、また、操作部材を直進位置に復帰させている。その反力を作用させるため、その操作部材の回転量を検出するセンサと、そのセンサにより検出した回転量に応じて反力を発生する操作用アクチュエータを用い、操作部材の回転量に比例する大きさの反力を付与していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、その操作用アクチュエータは停車時や極低車速においても通常の走行時と同様に制御されていた。そのため、停車時における操舵すなわち据え切り操舵や車庫入れ等のために極低車速で操舵を行う場合においても、操作部材の回転量の増大を阻止する反力は作用するが、操作部材の回転量の減少を阻止する力は作用せず、通常の車両に比べて停車中や極低車速での直進位置へ向かう操作部材の操作が軽くなり過ぎていた。また、停車時においては通常の車両のステアリングホイールは操作しなければ回転することはないが、上記従来例では回転量に応じて操作用アクチュエータが駆動されて操作部材が回転するため、不必要なエネルギーが消費される。さらに、通常の車両では据え切り操舵時や極低車速での操舵反力は舵角に関わらず略一定になるが、上記従来例では操作部材の回転量によって反力の大きさが変化し、また、現在の操舵方向と反対方向に操舵を行う場合、直進位置を超える時に急に反力が作用するため、操舵フィーリングが通常の車両と大きく相違する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本件各発明の車両の操舵装置は、操作部材と、その操作部材の回転に応じて駆動される操舵用アクチュエータと、その操作部材を車輪に機械的に連結することなく、その操舵用アクチュエータの動きに応じて舵角が変化するように、その動きを車輪に伝達する機構と、その操作部材を直進位置に復帰させる方向に作用する反力と、その操作部材を直進位置に復帰させる方向と反対方向に作用する復帰抵抗力とを発生可能な操作用アクチュエータと、車速を検出する手段と、その操作部材の回転速度を求める手段とを備える。
【0006】
本件第1発明は、その車速が設定値以下である時の、その回転速度と、その反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の予め定められた対応関係を記憶する手段と、その車速が設定値以下である時、その記憶した関係に基づき、その求めた回転速度に対応する大きさ及び作用方向の反力あるいは復帰抵抗力が発生するように、その操作用アクチュエータを制御する手段とを備え、その検出した車速が設定値以下である時の前記対応関係は、その操作部材が一方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさが設定値を超える時は、その操作部材が一方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その操作部材が他方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が他方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転速度の大きさがその設定値以下である時は、その操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除される関係を含むように定められ、その一定の反力の大きさと一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている。
【0007】
本件第2発明は、その操作部材の直進位置からの回転量を求める手段と、その車速が設定値以下である時の、その回転量と、その回転速度と、その反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の予め定められた対応関係を記憶する手段と、その車速が設定値以下である時、その記憶した関係に基づき、その求めた回転量と回転速度とに対応する大きさ及び作用方向の反力あるいは復帰抵抗力が発生するように、その操作用アクチュエータを制御する手段とを備え、その検出した車速が設定値以下である時の前記対応関係は、その回転量が零を超える設定値以上で、且つ、その操作部材が一方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさが設定値を超える時は、その操作部材が一方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量がその設定値未満で、且つ、その操作部材が一方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が一方向に回転するのを阻止する方向に作用すると共にその回転量の増減に対応して増減する大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量がその設定値以上で、且つ、その操作部材が他方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が他方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量がその設定値未満で、且つ、その操作部材が他方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が他方向に回転するのを阻止する方向に作用すると共にその回転量の増減に対応して増減する大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転速度の大きさがその設定値以下である時は、その操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除される関係を含むように定められ、その回転量が設定値未満である時の反力の大きさの最大値、復帰抵抗力の大きさの最大値、その回転量が設定値以上である時の一定の反力の大きさ、および一定の復帰抵抗力の大きさは互いに等しくされている。
【0008】
本件第3発明は、その操作部材の直進位置からの回転量を求める手段と、その求めた回転量が増大しているか減少しているかを判断する手段と、その車速が設定値以下である時の、その回転量と、その回転量の増減と、その回転速度と、その反力の大きさと、その復帰抵抗力の大きさとの間の予め定められた対応関係を記憶する手段と、その車速が設定値以下である時、その記憶した関係に基づき、その求めた回転量と回転量の増減と回転速度とに対応する反力および復帰抵抗力の中の一方が発生するように、その操作用アクチュエータを制御する手段とを備え、その検出した車速が設定値以下である時の前記対応関係は、その回転量が増加し、且つ、その回転速度の大きさが設定値を超える時は、その回転量の増加に対応して増加する反力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量が減少し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、予め定めた一定の大きさの復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転速度の大きさがその設定値以下である時は、その操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除される関係を含むように定められ、その反力の大きさの最小値と一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている。
【0009】
本件各発明によれば、車速が設定値以下の時の操作部材の操作、すなわち据え切り操舵や極低車速での操舵を行う場合、操作用アクチュエータは操作部材の回転量が増加する時に反力を発生するだけでなく、回転量が減少する時は復帰抵抗力を発生するので、直進位置に向かう操作部材の操作が軽くなり過ぎることはない。また、操作用アクチュエータの機械的な立ち上がりの遅れによって、操作部材の操作開始時の反力あるいは復帰抵抗力の立ち上がりも適度に遅れるため、通常の車両と同様の自然な操舵感を得ることができる。さらに、車速が設定値以下である時に操作部材の回転速度の大きさが設定値以下である時は、操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除されるので、ドライバーが操作部材から手を離したり操作部材に手を添える程度では、反力あるいは復帰抵抗力が作用することはなく、不必要なエネルギーが消費されるのを防止できる。
【0010】
本件第1発明によれば、据え切り操舵時や極低車速における反力および復帰抵抗力は操作部材の回転量に関わらず一定の大きさであり、操舵方向を変えるために操作部材が直進位置を超える時に反力が変化することもないので、通常の車両と同様の自然な操舵フィーリングを得ることができる。
【0011】
本件第2発明によれば、据え切り操舵時や極低車速において操作部材の回転量が設定値以上であれば反力の大きさおよび復帰抵抗力の大きさは一定となり、その回転量が設定値未満になると、操作部材が直進位置に向かうに従い反力の大きさおよび復帰抵抗力の大きさは小さくなる。これにより、操作部材が直進位置近傍になると反力および復帰抵抗力は小さくなるので、ドライバーは操作部材が直進位置近傍にあることを感覚的に把握することができる。
【0012】
本件第3発明によれば、据え切り操舵時や極低車速において操作部材の回転量が減少する時は、操作部材の回転量に関わらず復帰抵抗力は一定の大きさとなり、その回転量が増加する時は、その回転量の増加に対応して反力が増加し、その反力の大きさの最小値と一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている。
これにより、操作部材の回転量が直進位置近傍の値を超えて増加する時は反力が増加するので、ドライバーは操作部材が直進位置近傍にあることを感覚的に把握することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に示す車両の操舵装置は、ステアリングホイールを模した操作部材1と、その操作部材1の回転に応じて駆動される操舵用アクチュエータ2と、その操作部材1を車輪4に機械的に連結することなく、その操舵用アクチュエータ2の動きに応じて舵角が変化するように、その動きを車輪4に伝達するステアリングギヤ3と、その操作部材1を直進位置に復帰させる方向に作用する反力と直進位置に復帰させる方向と反対方向に作用する復帰抵抗力とを発生可能な操作用アクチュエータ19とを備える。
【0014】
その操舵用アクチュエータ2は、例えば公知のブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。そのステアリングギヤ3は、その操舵用アクチュエータ2の出力シャフトの回転運動をステアリングロッド7の直線運動に変換する例えばボールねじ機構等の運動変換機構により構成されている。そのステアリングロッド7の動きがタイロッド8とナックルアーム9を介して車輪4に伝達され、その車輪4のトー角が変化する。そのステアリングギヤ3は、公知のものを用いることができ、操舵用アクチュエータ2の動きを舵角が変化するように車輪4に伝達できれば構成は限定されない。なお、操舵用アクチュエータ2が駆動されていない状態では、車輪4はセルフアライニングトルクにより直進位置に復帰できるようにホイールアラインメントが設定されている。
【0015】
その操作部材1は、車体側により回転可能に支持される回転シャフト10に連結されている。その回転シャフト10に操作用アクチュエータ19の出力シャフトが一体化されている。その操作用アクチュエータ19はブラシレスモータ等の電動モータにより構成できる。
【0016】
その操作部材1の直進位置からの回転量を求める手段として、その操作部材1の直進位置からの回転角度δhを検出する角度センサ11が設けられている。車両の舵角δを検出する手段として、ステアリングロッド7の作動量を検出するポテンショメータにより構成される舵角センサ13が設けられている。車速Vを検出する速度センサ14が設けられている。その角度センサ11、舵角センサ13、速度センサ14は、コンピュータにより構成される制御装置20に接続されている。その制御装置20は、時系列に検知される回転角度δhの検出値から操作部材1の回転速度Rの大きさを演算により求め、その求めた直進位置からの回転角度δhが増大しているか減少しているかに基づき回転速度Rの方向、すなわち操作部材1の回転方向を求める。
【0017】
その制御装置20は、駆動回路22を介して操舵用アクチュエータ2を制御する。例えば、その操作部材1の回転角度δhと車速Vと目標舵角との間の関係を予め定めて記憶し、その舵角δと目標舵角との偏差をなくすように駆動回路22を介して操舵用アクチュエータ2の駆動信号を出力する。その回転角度δhと車速Vと目標舵角との間の関係は、車速Vが大きくなる程に回転角度δhに対応する目標舵角を小さくすることで、低速での旋回性能の向上と高速での走行安定性とを図ることができる。なお、このような操舵用アクチュエータ2の制御方法は特に限定されず、操作部材1の回転に応じて操舵用アクチュエータ2が駆動されるものであれば良く、例えば、車両のヨーレートセンサを設け、操作部材1の回転角度δhと目標ヨーレートとの間の関係を予め定めて記憶し、検出ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差をなくすように駆動回路22を介して操舵用アクチュエータ2の駆動信号を出力してもよい。
【0018】
その制御装置20は、車速が予め定めた設定値(本実施形態では零)を超える時の操作部材1の回転角度δhと反力の大きさとの間の予め定められた対応関係を記憶する。その対応関係として、本実施形態においては、図2に示す関係を記憶する。
【0019】
その図2は、回転角度δhと操作用アクチュエータ19への電圧指示値V1との関係を示し、回転角度δhと電圧指示値V1は操作部材1が直進位置よりも左右一方に位置する時は正、左右他方に位置する時は負とされ、その回転角度δhの大きさの増減に電圧指示値V1が比例して増減するものとされている。
【0020】
その制御装置20は、その車速が設定値以下である時の、操作部材1の回転速度Rと、その反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の予め定められた対応関係を記憶する。その対応関係として、本実施形態においては、図3に示す関係を記憶する。
【0021】
その図3は、操作部材1の回転速度Rと操作用アクチュエータ19への電圧指示値V2との関係を示し、その回転速度Rと電圧指示値V2とは操作部材1が左右一方へ向かい回転している時は正、左右他方へ向かい回転している時は負とされる。その電圧指示値V2が正である時は操作部材1が左右一方へ向かい回転するのを阻止する方向の力を操作用アクチュエータ19は発生し、その電圧指示値V2が負である時は操作部材1が左右他方へ向かい回転するのを阻止する方向の力を操作用アクチュエータ19は発生する。その回転速度Rの大きさが零を超える予め定めた設定値(本実施形態では制御装置20がサンプリングした回転角度の検出値から演算し得る最小回転速度の大きさが設定値とされる)未満である時、すなわち本実施形態では制御装置20による回転速度Rの演算値が零である時、その電圧指示値V2は零とされる。その回転速度Rがその設定値を超える時、その電圧指示値V2の大きさは予め定めた一定値(図示例では2.5V)とされている。その回転速度Rの設定値は、ドライバーが操舵の意思なく手を添えることで操作部材1が回転する時の微小な回転速度に対応するように設定するのが好ましく、零を超える値であってもよい。
【0022】
その制御装置20は、その車速が零を超える時は、その記憶した回転角度δhと反力の大きさとの間の対応関係に基づき、その求めた回転角度δhに対応する反力が発生するように操作用アクチュエータ19を制御する。これにより、図2に示される関係を充足する回転角度δhに対応する電圧指示値V1に応じた反力を操作用アクチュエータ19は発生し、操作部材1の回転角度δhに比例する反力が付与される。
【0023】
また、その制御装置20は、その車速が零である時は、その記憶した回転速度Rと、その反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の対応関係に基づき、その求めた回転速度Rに対応する大きさ及び作用方向の反力あるいは復帰抵抗力が発生するように操作用アクチュエータ19を制御する。これにより、図3に示される関係に従って、回転速度Rに対応する電圧指示値V2に応じた方向および大きさの反力および復帰抵抗力を操作用アクチュエータ19は発生する。すなわち、操作部材1が一方向に回転し、且つ、回転速度Rの大きさが零(設定値)を超える時は、操作部材1が一方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられ、操作部材1が他方向に回転し、且つ、回転速度Rの大きさが零を超える時は、操作部材1が他方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられる。その回転速度Rの大きさが零である時は、その操作用アクチュエータ19による反力および復帰抵抗力の発生が解除される。その一定の反力の大きさと一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている。
【0024】
その操作用アクチュエータ19の制御手順を図4のフローチャートを参照して説明する。まず、操作部材1の回転角度δhの検出値と車速vの検出値を読み込み(ステップ1)。その車速vが零か否かを判断する(ステップ2)。その車速vが零でなければ、図2に示す関係に従った回転角度δhに対応する電圧指示値V1を操作用アクチュエータ19に印加し、操作部材1を直進位置に復帰させる方向に作用する反力を発生させ(ステップ3)、ステップ1に戻る。その車速Vが零であれば、時系列に求めた回転角度δhに基づき操作部材1の回転速度Rを演算し(ステップ4)、その回転速度Rの大きさが零を超えるか否かを判断する(ステップ5)。その回転速度Rの大きさがその設定値を超えるとき、すなわち本実施形態では零でなければ、図3に示す関係に従った回転速度Rに対応する電圧指示値V2を操作用アクチュエータ19に印加し(ステップ6)、ステップ1に戻る。制御装置20は、その図3に示す関係に従って電圧指示値V2を印加するに際して、その回転速度Rの値が正か負かを判断し、正値であれば電圧指示値V2を正値として操作用アクチュエータ19を他方向に回転させ、負値であれば電圧指示値V2を負値として操作用アクチュエータ19を一方向に回転させる。これにより、操作部材1の直進位置からの回転量、すなわち回転角度δhの大きさが増加している時は操作部材1を直進位置に復帰させる方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力を発生させ、また、その回転角度δhの大きさが減少する時は操作部材1を直進位置に復帰させる方向と反対方向に作用する予め定めた一定の大きさの復帰抵抗力を発生させることになる。ステップ5において回転速度Rの大きさが設定値以下である時、本実施形態では零である時、操作用アクチュエータ19による反力および復帰抵抗力の発生を解除し(ステップ7)、ステップ1に戻る。なお、操作用アクチュエータ19への印加電圧あるいは印加電流を検出するセンサを設け、その検出値に基づいて印加電圧が目標値になるようにフィードバック制御してもよい。
【0025】
上記実施形態によれば、車速が零の時の操作部材1の操作、すなわち据え切り操舵を行う場合、操作用アクチュエータ19は操作部材1の回転角度δhが増加する時に反力を発生するだけでなく、回転角度δhが減少する時は復帰抵抗力を発生するので、直進位置に向かう操作部材1の操作が軽くなり過ぎることはない。また、操作用アクチュエータ19の機械的な立ち上がりの遅れによって、操作部材1の操作開始時の反力あるいは復帰抵抗力の立ち上がりも適度に遅れるため、通常の車両と同様の自然な操舵感を得ることができる。さらに、車速が零である時に操作部材1の回転速度の大きさが設定値以下である時は、操作用アクチュエータ19による反力および復帰抵抗力の発生が解除されるので、ドライバーが操作部材1から手を離したり操作部材1に手を添える程度では、反力あるいは復帰抵抗力が作用することはなく、不必要なエネルギーが消費されるのを防止できる。さらに、据え切り操舵時における反力および復帰抵抗力は操作部材1の回転角度δhに関わらず一定の大きさであり、操舵方向を変えるために操作部材1が直進位置を超える時に反力が変化することもないので、通常の車両の据え切り操舵と同様の自然な操舵フィーリングを得ることができる。
【0026】
図5、図6は上記実施形態の第1変形例を示す。この変形例の上記実施形態との相違は、車速が零である時、制御装置20は図3だけでなく図5によっても示される関係を記憶する。その図5は、車速が零である時の操作部材1の回転角度δhと図3に示す関係における操作用アクチュエータ19の電圧指示値V2に対する係数Kとの関係を示し、その電圧指示値V2に係数Kを乗じた値の電圧が操作用アクチュエータ19に印加される。その図5において、回転角度δhの値は操作部材1が直進位置よりも左右一方に位置する時は正、左右他方に位置する時は負とされ、その回転角度δhの大きさが零を超える予め定めた設定値(図示例では10度)以上である時の係数Kは1とされ、その回転角度δhが設定値未満である時の係数Kは回転角度δhの大きさの増減に比例して0〜1の間で増減するものとされている。
【0027】
すなわち制御装置20は、車速が零である時の操作部材1の回転角度δhと、回転速度Rと、反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の予め定められた対応関係を記憶し、そして車速が零である時、その記憶した関係に基づき、求めた回転角度δhと回転速度Rとに対応する大きさ及び作用方向の反力あるいは復帰抵抗力が発生するように、操作用アクチュエータ19を制御する。その対応関係に従うことで、操作部材1の直進位置からの回転量すなわち回転角度δhの大きさが上記設定値以上で、且つ、操作部材1が一方向に回転し、且つ、回転速度Rの大きさが上記設定値を超える時は、操作部材1が一方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられ、回転角度δhがその設定値未満で、且つ、操作部材1が一方向に回転し、且つ、回転速度Rの大きさがその設定値を超える時は、操作部材1が一方向に回転するのを阻止する方向に作用すると共に回転角度δhの増減に対応して増減する大きさの反力あるいは復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられ、回転角度δhがその設定値以上で、且つ、操作部材1が他方向に回転し、且つ、回転速度Rの大きさがその設定値を超える時は、操作部材1が他方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられ、回転角度δhがその設定値未満で、且つ、操作部材1が他方向に回転し、且つ、回転速度Rの大きさがその設定値を超える時は、操作部材1が他方向に回転するのを阻止する方向に作用すると共に回転角度δhの増減に対応して増減する大きさの反力あるいは復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられる。その回転速度Rの大きさがその設定値以下である時は、操作用アクチュエータ19による反力および復帰抵抗力の発生が解除される。その回転角度δhがその設定値未満である時の反力の大きさの最大値、復帰抵抗力の大きさの最大値、回転角度δhがその設定値以上である時の一定の反力の大きさ、および一定の復帰抵抗力の大きさは互いに等しくされる。
【0028】
その第1変形例の操作用アクチュエータ19の制御手順を図6のフローチャートを参照して説明する。まず、操作部材1の回転角度δhの検出値と車速vの検出値を読み込み(ステップ1)。その車速vが零か否かを判断する(ステップ2)。その車速vが零でなければ、図2に示す関係に従った回転角度δhに対応する電圧指示値V1を操作用アクチュエータ19に印加し、操作部材1を直進位置に復帰させる方向に作用する反力を発生させ(ステップ3)、ステップ1に戻る。その車速Vが零であれば、時系列に求めた回転角度δhに基づき操作部材1の回転速度Rを演算し(ステップ4)、その回転速度Rの大きさが零(設定値)を超えるか否かを判断する(ステップ5)。その回転速度Rの大きさがその設定値を超えるとき、すなわち本変形例では零でなければ、回転角度δhの大きさが設定値(10度)以上であるか否かを判断する(ステップ6)。その回転角度δhの大きさが設定値以上であれば、図3に示す関係に従った回転速度Rに対応する電圧指示値V2を操作用アクチュエータ19に印加し(ステップ7)、ステップ1に戻る。ステップ6において回転角度δhの大きさが設定値未満であれば、その回転角度δhに応じた上記係数Kを演算し(ステップ8)、その係数Kを図3に示す関係に従った回転速度Rに対応する電圧指示値V2に乗じた値の電圧K・V2を操作用アクチュエータ19に印加し(ステップ9)、ステップ1に戻る。これにより制御装置20は操作用アクチュエータ19により、回転角度δhの大きさが設定値以上で回転角度δhの大きさが増加している時は予め定めた一定の大きさの反力を発生させ、回転角度δhの大きさが設定値未満で回転角度δhの大きさが増加している時は回転角度δhの大きさの増加に対応して増加する反力を発生させ、回転角度δhの大きさが設定値以上で回転角度δhの大きさが減少している時は予め定めた一定の大きさの復帰抵抗力を発生させ、回転角度δhの大きさが設定値未満で回転角度δhの大きさが減少している時は回転角度δhの大きさの減少に対応して減少する復帰抵抗力を発生させる。ステップ5において回転速度Rの大きさが設定値以下である時、本変形例では零である時、操作用アクチュエータ19による反力および復帰抵抗力の発生を解除し(ステップ10)、ステップ1に戻る。
【0029】
上記第1変形例によれば、据え切り操舵時に操作部材1の回転角度δhの大きさが設定値以上であれば反力の大きさおよび復帰抵抗力の大きさは一定となり、その回転角度δhの大きさが設定値未満になると、操作部材1が直進位置に向かうに従い反力の大きさおよび復帰抵抗力の大きさは小さくなる。これにより、操作部材1が直進位置近傍になると反力および復帰抵抗力は小さくなるので、ドライバーは操作部材1が直進位置近傍にあることを感覚的に把握することができる。他は上記実施形態と同様とされている。
【0030】
図7は上記実施形態の第2変形例を示す。この変形例の上記実施形態との相違は、車速が零であって回転角度δhの大きさが増加する時、制御装置20は図3だけでなく図2によっても示される対応関係を記憶する。これにより、回転角度δhの大きさが増加する時は、図3に示される関係を充足する一定の大きさの反力を、図2に示される関係を充足する回転角度δhに応じた反力に付加した反力が付与され、回転角度δhの大きさが減少する時は、図3に示される関係を充足する一定の大きさの復帰抵抗力のみが付与される。
【0031】
すなわち制御装置20は、車速が零である時の操作部材1の回転角度δhと、回転角度δhの大きさの増減と、回転速度Rと、反力の大きさと、復帰抵抗力の大きさとの間の予め定められた対応関係を記憶し、そして車速が零である時、その記憶した関係に基づき、求めた回転角度δhと回転角度δhの大きさの増減と回転速度Rとに対応する反力および復帰抵抗力の中の一方が発生するように操作用アクチュエータ19を制御する。その対応関係に従うことで、操作部材1の直進位置からの回転量すなわち回転角度δhの大きさが増加し、且つ、回転速度Rの大きさが上記設定値を超える時は、その回転角度δhの増加に対応して増加する反力が操作用アクチュエータ19により発生させられ、その回転角度δhの大きさが減少し、且つ、回転速度Rの大きさが上記設定値を超える時は、予め定めた一定の大きさの復帰抵抗力が操作用アクチュエータ19により発生させられ、回転速度Rの大きさがその設定値以下である時は、操作用アクチュエータ19による反力および復帰抵抗力の発生が解除される。その反力の大きさの最小値と一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされる。
【0032】
その第2変形例の操作用アクチュエータ19の制御手順を図7のフローチャートを参照して説明する。まず、操作部材1の回転角度δhの検出値と車速vの検出値を読み込み(ステップ1)。その車速vが零か否かを判断する(ステップ2)。その車速vが零でなければ、図2に示す関係に従った回転角度δhに対応する電圧指示値V1を操作用アクチュエータ19に印加し、操作部材1を直進位置に復帰させる方向に作用する反力を発生させ(ステップ3)、ステップ1に戻る。その車速vが零であれば、時系列に求めた回転角度δhに基づき操作部材1の回転速度Rを演算し(ステップ4)、その回転速度Rの大きさが零(設定値)を超えるか否かを判断する(ステップ5)。その回転速度Rの大きさがその設定値を超えるとき、すなわち本変形例では零でなければ、回転角度δhの大きさが増加しているか否かを判断する(ステップ6)。その回転角度δhの大きさが増加していなれば、図3に示す関係に従った回転速度Rに対応する電圧指示値V2を操作用アクチュエータ19に印加し(ステップ7)、一定の大きさの復帰抵抗力を発生させ、ステップ1に戻る。その回転角度δhが増加していれば、図3に示す関係に従った回転速度Rに対応する電圧指示値V2を、図2に示す関係に従った回転角度δhに対応する電圧指示値V1に加えた電圧を操作用アクチュエータ19に印加し(ステップ8)、回転角度δhの大きさの増加に対応して増加する反力を発生させ、ステップ1に戻る。これにより制御装置20は操作用アクチュエータ19により、回転角度δhの大きさが増加している時は回転角度δhの大きさの増加に対応して増加する反力を発生させ、回転角度δhの大きさが減少している時は一定の大きさの復帰抵抗力を発生させる。ステップ5において回転速度Rの大きさが設定値以下である時、本変形例では零である時、操作用アクチュエータ19による反力あるいは復帰抵抗力の発生を解除し(ステップ9)、ステップ1に戻る。
【0033】
上記第2変形例によれば、据え切り操舵時に操作部材1の回転角度δhの大きさが減少する時は、操作部材1の回転角度δhに関わらず復帰抵抗力は一定の大きさとなり、その回転角度δhが増加する時は、その回転角度δhの大きさ増加に対応して反力が増加し、その反力の大きさの最小値と一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている。これにより、操作部材1の回転角度δhの大きさが直進位置近傍の値を超えて増加する時は反力が増加するので、ドライバーは操作部材1が直進位置近傍にあることを感覚的に把握することができる。他は上記実施形態と同様とされている。
【0034】
本発明は上記実施形態や各変形例に限定されない。例えば、上記実施形態では車速の設定値は零とされたが、零を超える極低車速の値であってもよい。図2、図3、図5に示す関係は一例であってこれに限定されるものではなく、また、各設定値や一定値の具体的数値は任意の値に適宜設定すればよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ステアバイワイヤシステムの採用車両の据え切り時や極低車速状態において、自然な操舵フィーリングを得ることができると共に省エネを図ることができ、また、操作部材が直進位置近傍にあることを感覚的に把握することで、特に身障者用ステアリングホイールのように片手のみで把持されるノブが付いて操作される操作部材により据え切りを行うような場合にドライバーの負担を軽減できる車両の操舵装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両の操舵装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の車両の操舵装置における操作部材の回転角度と操作用アクチュエータへの電圧指示値との関係を示す図
【図3】本発明の実施形態の車両の操舵装置における操作部材の回転速度と操作用アクチュエータへの電圧指示値との関係を示す図
【図4】本発明の実施形態の車両の操舵装置における操作用アクチュエータの制御手順を示すフローチャート
【図5】本発明の実施形態の第1変形例に係る車両の操舵装置における操作部材の回転角度と操作用アクチュエータの電圧指示値に対する係数との関係の一例を示す図
【図6】本発明の実施形態の第1変形例に係る車両の操舵装置における操作用アクチュエータの制御手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施形態の第2変形例に係る車両の操舵装置における操作用アクチュエータの制御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 操作部材
2 操舵用アクチュエータ
3 ステアリングギヤ
4 車輪
11 角度センサ
19 操作用アクチュエータ
20 制御装置
Claims (3)
- 操作部材と、
その操作部材の回転に応じて駆動される操舵用アクチュエータと、
その操作部材を車輪に機械的に連結することなく、その操舵用アクチュエータの動きに応じて舵角が変化するように、その動きを車輪に伝達する機構と、
その操作部材を直進位置に復帰させる方向に作用する反力と、その操作部材を直進位置に復帰させる方向と反対方向に作用する復帰抵抗力とを発生可能な操作用アクチュエータと、
車速を検出する手段と、
その操作部材の回転速度を求める手段と、
その車速が設定値以下である時の、その回転速度と、その反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の予め定められた対応関係を記憶する手段と、
その車速が設定値以下である時、その記憶した関係に基づき、その求めた回転速度に対応する大きさ及び作用方向の反力あるいは復帰抵抗力が発生するように、その操作用アクチュエータを制御する手段とを備え、
その検出した車速が設定値以下である時の前記対応関係は、その操作部材が一方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさが設定値を超える時は、その操作部材が一方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その操作部材が他方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が他方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転速度の大きさがその設定値以下である時は、その操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除される関係を含むように定められ、
その一定の反力の大きさと一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている車両の操舵装置。 - 操作部材と、
その操作部材の回転に応じて駆動される操舵用アクチュエータと、
その操作部材を車輪に機械的に連結することなく、その操舵用アクチュエータの動きに応じて舵角が変化するように、その動きを車輪に伝達する機構と、
その操作部材を直進位置に復帰させる方向に作用する反力と、その操作部材を直進位置に復帰させる方向と反対方向に作用する復帰抵抗力とを発生可能な操作用アクチュエータと、
車速を検出する手段と、
その操作部材の直進位置からの回転量を求める手段と、
その操作部材の回転速度を求める手段と、
その車速が設定値以下である時の、その回転量と、その回転速度と、その反力および復帰抵抗力の大きさ及び作用方向との間の予め定められた対応関係を記憶する手段と、
その車速が設定値以下である時、その記憶した関係に基づき、その求めた回転量と回転速度とに対応する大きさ及び作用方向の反力あるいは復帰抵抗力が発生するように、その操作用アクチュエータを制御する手段とを備え、
その検出した車速が設定値以下である時の前記対応関係は、その回転量が零を超える設定値以上で、且つ、その操作部材が一方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさが設定値を超える時は、その操作部材が一方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量がその設定値未満で、且つ、その操作部材が一方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が一方向に回転するのを阻止する方向に作用すると共にその回転量の増減に対応して増減する大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量がその設定値以上で、且つ、その操作部材が他方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が他方向に回転するのを阻止する方向に作用する予め定めた一定の大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量がその設定値未満で、且つ、その操作部材が他方向に回転し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、その操作部材が他方向に回転するのを阻止する方向に作用すると共にその回転量の増減に対応して増減する大きさの反力あるいは復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転速度の大きさがその設定値以下である時は、その操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除される関係を含むように定められ、
その回転量が設定値未満である時の反力の大きさの最大値、復帰抵抗力の大きさの最大値、その回転量が設定値以上である時の一定の反力の大きさ、および一定の復帰抵抗力の大きさは互いに等しくされている車両の操舵装置。 - 操作部材と、
その操作部材の回転に応じて駆動される操舵用アクチュエータと、
その操作部材を車輪に機械的に連結することなく、その操舵用アクチュエータの動きに応じて舵角が変化するように、その動きを車輪に伝達する機構と、
その操作部材を直進位置に復帰させる方向に作用する反力と、その操作部材を直進位置に復帰させる方向と反対方向に作用する復帰抵抗力とを発生可能な操作用アクチュエータと、
車速を検出する手段と、
その操作部材の直進位置からの回転量を求める手段と、
その求めた回転量が増大しているか減少しているかを判断する手段と、
その操作部材の回転速度を求める手段と、
その車速が設定値以下である時の、その回転量と、その回転量の増減と、その回転速度と、その反力の大きさと、その復帰抵抗力の大きさとの間の予め定められた対応関係を記憶する手段と、
その車速が設定値以下である時、その記憶した関係に基づき、その求めた回転量と回転量の増減と回転速度とに対応する反力および復帰抵抗力の中の一方が発生するように、その操作用アクチュエータを制御する手段とを備え、
その検出した車速が設定値以下である時の前記対応関係は、その回転量が増加し、且つ、その回転速度の大きさが設定値を超える時は、その回転量の増加に対応して増加する反力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転量が減少し、且つ、その回転速度の大きさがその設定値を超える時は、予め定めた一定の大きさの復帰抵抗力が前記操作用アクチュエータにより発生させられ、その回転速度の大きさがその設定値以下である時は、その操作用アクチュエータによる反力および復帰抵抗力の発生が解除される関係を含むように定められ、
その反力の大きさの最小値と一定の復帰抵抗力の大きさとは互いに等しくされている車両の操舵装置。
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